JP4606280B2 - 線状部品干渉検証装置及びその検証方法と線状部品干渉検証機能を備えた線状部品設計装置及びその設計方法 - Google Patents

線状部品干渉検証装置及びその検証方法と線状部品干渉検証機能を備えた線状部品設計装置及びその設計方法 Download PDF

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本発明は、線状部品やその他の部品により構成される電子装置等において、線状部品を配設後に、この線状部品周辺に配置された部品が線状部品に与える影響を、当該電子装置等が生産される前に検証可能な線状部品干渉検証装置及びその検証方法に関するものである。又、線状部品の配設後に、この線状部品周辺に配置された部品が線状部品に与える影響を、設計段階で検証可能な線状部品干渉検証機能を備えた線状部品設計装置及びその設計方法に関するものである。
電子装置等は、配線が必要な部品を含む多くの部品で構成されており、部品間を電線やケーブル等で配線する必要がある。これらの配線作業を製造現場でスムースに行なうために、一般には、事前に、これらの配線の配線経路を定めて配線作業指示書を作成すると共に、電線やケーブル等を必要な長さに切る等して配線用の線状部品を製作している。製造現場では、この線状部品と配線作業指示書とを用いて配線作業が行なわれている。
一方、最近の電子装置等の構造や部品の配置等は、3次元CADシステムを用いて設計されることが多くなっており、上記の線状部品等を製作するためのハーネス設計においても、3次元CADシステムが用いられている。この3次元CADシステムを用いたハーネス設計では、線状部品等の部品間における配線経路の決定は、製品の構造や部品の配置を表した3次元幾何形状データを用いて行なわれている。(例えば、特許文献1、2参照。)そして、一旦、配線経路が決定されると、その配線経路が配線作業指示書に記載され、この配線経路に沿って、実際の配線が行なわれる。
特開2000−163452号公報 特開2003−141196号公報
ところで、線状部品は一般的に柔軟性が高く、又、可塑性もあり、自由に折れ曲がったりする性質がある。そのため、製造現場で配線作業指示書に従って配線を行なったとしても、組立や検査、運搬等の作業に伴い、或いは、その後の配線手直しや、保守作業等により、線状部品が当初の配設位置から外れた位置に移動することがしばしば発生し、このため、予測外の問題が生じていた。
例えば、線状部品が金属部品の角に接触したり、組立時に部品間に線が挟まる俗に言う線かみ等が生じたりして、これが原因で線状部品が摩耗して切断したり、電気的短絡を起こしたりしていた。或いは、線状部品の配設位置によっては、発熱部品に接触して線状部品の被覆が溶融したり、高速信号ラインと平行に配設されることにより線状部品にノイズが誘引されたりして、電子装置等の故障の原因となっていた。
しかしながら、上述した3次元CADシステムを用いたハーネスの設計方法では、線状部品の配線経路を決定するものの、線状部品がその配線経路からずれた場合の、配線経路の周囲の状態が線状部品に及ぼす影響については、特に検証されていない。そのため、上記のようなトラブルを設計段階で予測して対策を講じることができない、という問題があった。
そこで、この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、線状部品やその他の部品により構成される電子装置等において、線状部品を配設後に、この線状部品周辺に配置された部品が線状部品に与える影響を、当該電子装置等が生産される前に検証可能な線状部品干渉検証装置及びその検証方法と、線状部品の配設後に、この線状部品周辺に配置された部品が線状部品に与える影響を、設計段階で検証可能な線状部品干渉検証機能を備えた線状部品設計装置及びその設計方法を提供しようとするものである。
本発明は、線状部品が配設後に移動可能な範囲である可動空間は、線状部品の両端が接続された位置を焦点とし、線状部品の長さを長軸として形成される楕円体であることに注目して、線状部品の周囲に存在するものがこの楕円体と干渉しないか検証することにより、線状部品が配設後に可動空間を移動した場合の、線状部品周辺に配置された部品の線状部品に与える影響を予測しようとするものである。
まず、本発明の線状部品干渉検証装置について説明する。図1は、本発明の線状部品干渉検証装置のブロック図である。この線状部品干渉検証装置は、情報保持手段1、可動空間演算手段6、及び、干渉判定手段7で構成されることを特徴としている。これらの各手段は次の機能を備えている。
情報保持手段1は、線状部品やその他の部品を用いて仮想3次元空間に形成される構成体に関する情報を保持している。この情報保持手段1が保持している情報の具体的な内容は、仮想3次元空間に形成された上記の構成体に使用されている線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報と、上記の構成体に使用され、且つ、線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報、及び、該部品における線状部品の配設禁止空間を表す情報である。可動空間演算手段6は、情報保持手段1が保持する線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報に基づき、線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を線状部品の可動空間とする機能を備えている。そして、干渉判定手段7は、可動空間演算手段6が演算した上記の可動空間と、情報保持手段1が保持している配設禁止空間との干渉の有無を判定する機能を備えている。上述したように、線状部品が配設後に移動可能な範囲である可動空間は、線状部品の両端が接続された位置を焦点とし、線状部品の長さを長軸として形成される楕円体であることから、このようにすることが合理的である。
上記の線状部品干渉検証装置における干渉判定手段7としては、例えば、3次元CAD等で用いられる、複数の3次元表示された立体に対するブーリアンオペレーション等を用いることができる。
上記の線状部品干渉検証装置によれば、上記の構成体において、線状部品が配設後に移動可能な範囲である可動空間と、線状部品との接触又は接近が禁止される部品における線状部品の配設禁止空間との干渉の有無を、上記の構成体が生産される前に知ることができる。従って、線状部品が配設後に可動空間を移動した場合に、従来発生していたような線状部品とその周囲に配置されている部品との接触等のトラブルを、未然に防止することができる。
上記の線状部品干渉検証装置では、情報保持手段1が保持している情報には、線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報のみならず、該部品における線状部品の配設禁止空間を表す情報が含まれている。しかし、この配設禁止空間を、線状部品干渉検証装置が演算するようにしてもよい。即ち、線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報から、この配設禁止空間を演算する、図1に点線で示した配設禁止空間演算手段2を備えて、線状部品干渉検証装置を構成するのである。
この本発明の他の線状部品干渉検証装置は、図1において、情報保持手段1、配設禁止空間演算手段2、可動空間演算手段6、及び、干渉判定手段7で構成されることを特徴としている。これらの各手段は次の機能を備えている。
情報保持手段1は、線状部品やその他の部品を用いて仮想3次元空間に形成される構成体に関する情報を保持している。この情報保持手段1が保持している情報の具体的な内容は、仮想3次元空間に形成された上記の構成体に使用されている線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報と、上記の構成体に使用され、且つ、線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報である。配設禁止空間演算手段2は、情報保持手段1が保持している上記の部品の情報に基づいて、該部品における線状部品の配設禁止空間を演算する機能を備えている。可動空間演算手段6は、情報保持手段1が保持している線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報に基づいて、線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を線状部品の可動空間とする機能を備えている。そして、干渉判定手段7は、可動空間演算手段6が演算した可動空間と、配設禁止空間演算手段2が演算して情報保持手段1に保持されている配設禁止空間との干渉の有無を判定する機能を備えている。
上記の線状部品干渉検証装置における配設禁止空間演算手段2としては、配設禁止空間の演算を行うのに際して、例えば、情報保持手段1に保持される電子部品の仕様や特性等の情報に基づいて、発熱状態をシミュレーションする既存のシミュレーションソフトウエアや、同じく、情報保持手段1に保持される電子部品を流れる高周波電流の周波数や電流値等の情報に基づいて、電子部品から発生する電磁界強度をシミュレーションする既存のシミュレーションソフトウエア等の機能を用いるのが有効である。
上記の本発明の他の線状部品干渉検証装置の可動空間演算手段6及び、干渉判定手段7は、それぞれ、上述した本発明の線状部品干渉検証装置の可動空間演算手段6及び、干渉判定手段7と同様の機能を有する。従って、上記の本発明の他の線状部品干渉検証装置は上述した本発明の線状部品干渉検証装置と同様の作用・効果を有する。
次に、本発明の線状部品設計装置について説明する。図2は、本発明の線状部品設計装置のブロック図である。この線状部品設計装置は、情報保持手段1、配設経路指示手段3、余裕分長さ指示手段4、線状部品長演算手段5、可動空間演算手段6、干渉判定手段7、及び、設計管理手段8とで構成されることを特徴としている。
これらの各手段の内、情報保持手段1は、線状部品やその他の部品を用いて仮想3次元空間に形成される構成体に関する情報を保持している。この情報保持手段1が保持している情報の具体的な内容は、仮想3次元空間に形成された構成体の情報と、該構成体に使用されている線状部品の両端の接続位置を表す情報と、構成体に使用され、且つ、線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報、及び、該部品における線状部品の配設禁止空間を表す情報である。
配設経路指示手段3は、情報保持手段1により保持される構成体の情報に基づき仮想3次元空間に形成された構成体上に、情報保持手段1により保持される線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき線状部品の両端の接続位置を表示すると共に、マニュアル操作により線状部品の配設経路が指示される機能を有する。余裕分長さ指示手段4は、線状部品の余裕分長さがマニュアル操作により指示される機能を有する。線状部品長演算手段5は、配設経路指示手段3により指示された線状部品の配設経路、及び、余裕分長さ指示手段4により指示された線状部品の余裕分長さに基づき、線状部品の長さを演算する機能を有する。
可動空間演算手段6及び干渉判定手段7は、上述した線状部品干渉検証装置の可動空間演算手段6及び干渉判定手段7と同じ機能を備えている。即ち、可動空間演算手段6は、線状部品長演算手段5により演算された線状部品の長さ、及び、情報保持手段1により保持されている線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき、線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を線状部品の可動空間とする機能を有する。干渉判定手段7は、可動空間演算手段6により演算された可動空間と情報保持手段1により保持されている配設禁止空間との干渉の有無を判定する機能を有する。この干渉判定手段7の具体的内容は、上述した本発明の線状部品干渉検証装置と同様である。
そして、設計管理手段8は、干渉判定手段7により干渉無と判定されると、配設経路指示手段3により指示された線状部品の配設経路、及び、線状部品長演算手段5により演算された線状部品の長さを情報保持手段1に保持させる。又、干渉判定手段7により干渉有と判定されると、配設経路指示手段3及び余裕分長さ指示手段4に、同一の線状部品に対する再実行を指示する機能を有する。
上記の線状部品設計装置によれば、配設経路がマニュアル操作により指示された線状部品が、配設後に移動可能な範囲である可動空間と、線状部品との接触又は接近が禁止される部品における線状部品の配設禁止空間との干渉の有無を、設計段階で知ることができ、干渉が生じない線状部品を設計することができる。従って、線状部品が配設後に可動空間を移動した場合に、従来発生していたような線状部品とその周囲に配置されている部品との接触等のトラブルを、未然に防止することができる。
上記の線状部品設計装置においても、上述した線状部品干渉検証装置と同様、情報保持手段1が保持している配設禁止空間を表す情報を、線状部品設計装置が演算するようにしてもよい。即ち、上記の本発明の線状部品設計装置に、線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報から、この配設禁止空間を演算する、図2に点線で示した配設禁止空間演算手段2を備えて、本発明の他の線状部品設計装置を構成するのである。
この本発明の他の線状部品設計装置は、図2において、情報保持手段1、配設禁止空間演算手段2、配設経路指示手段3、余裕分長さ指示手段4、線状部品長演算手段5、可動空間演算手段6、干渉判定手段7、及び、設計管理手段8とで構成されることを特徴としている。
これらの各手段の内、情報保持手段1、配設経路指示手段3、余裕分長さ指示手段4、線状部品長演算手段5、可動空間演算手段6、干渉判定手段7、及び、設計管理手段8は、上記の本発明の線状部品設計装置における各装置と同様の機能を有している。又、配設禁止空間演算手段2は、上述したように、線状部品干渉検証装置の配設禁止空間演算手段2と同様の機能を有している。
そのため、上記の本発明の他の線状部品設計装置によれば、上述した本発明の線状部品設計装置と同様、配設経路がマニュアル操作により指示された線状部品が、配設後に移動可能な範囲である可動空間と、線状部品との接触又は接近が禁止される部品における線状部品の配設禁止空間との干渉の有無を、設計段階で知ることができ、干渉が生じない線状部品を設計することができる。従って、線状部品が配設後に可動空間を移動した場合に、従来発生していたような線状部品とその周囲に配置されている部品との接触等のトラブルを、未然に防止することができる。
上記の各線状部品設計装置において、配設経路指示手段3におけるマニュアル操作による線状部品の配設経路の指示の際に、配設経路途中の保持点を指示することができるようにするのが好ましい。即ち、上記の各線状部品設計装置の配設経路指示手段3において、情報保持手段1により保持されている構成体の情報に基づき仮想3次元空間に形成された構成体上に、線状部品の配設経路途中の保持点で該配設経路に沿って移動可能に線状部品を保持する保持点が、マニュアル操作により指示されるのが可能であるようにするのである。
この場合に、設計管理手段8は、干渉判定手段7により干渉無と判断されると、線状部品の配設経路及び線状部品の長さのみならず、保持点の位置情報を情報保持手段1に保持させる。このようにすることにより、線状部品の配設の自由度を広げることができる。
又、上記の各線状部品干渉検証装置及び各線状部品設計装置において、線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合は、次のように処理するのが妥当である。即ち、線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合は、隣接する接続点と保持点との間又は隣接する保持点相互間である部分区間毎に想定される部分可動空間を、可動空間に代えて用いるのである。
この場合、可動空間演算手段6は、隣接する接続点と保持点又は隣接する両保持点を線状部品の上述した両端の接続点とみなし、当該部分区間以外の部分区間の距離の合計値を線状部品の長さから減算した値を線状部品の上述した長さとみなして楕円体を形成すると共に、該楕円体の内部を部分可動空間とするようにする。
上記のようにすることにより、線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合についても、従来発生していたような線状部品とその周囲に配置されている部品との接触等のトラブルを、未然に防止することができる。
又、上記の各線状部品干渉検証装置及び各線状部品設計装置において、情報保持手段1は、線状部品の外形形状及び大きさの情報を保持すると共に、可動空間演算手段6は、線状部品の外形形状及び大きさに基づいて、線状部品の長さを修正し、該修正した線状部品の長さを、線状部品の長さに代えて用いるようにしてもよい。さらに、情報保持手段1は、線状部品の付属品の外形形状及び大きさの情報を保持すると共に、可動空間演算手段6は、線状部品の付属品の外形形状及び大きさに基づいて、線状部品の長さを修正し、該修正した線状部品の長さを、線状部品の長さに代えて用いるようにしてもよい。このようにすることにより、線状部品が配設後に移動可能な範囲である可動空間をより正確に求めることができる。
又、上記の各線状部品干渉検証装置及び各線状部品設計装置において、情報保持手段1は、線状部品の干渉に関する警告情報を保持すると共に、図1、又は図2に一点鎖線で示したような警告手段9を設けると、実用的である。この警告手段9は、干渉判定手段7が、可動空間と配設禁止空間との干渉有と判定した場合に、情報保持手段1が保持する警告情報の中から、干渉対象の部品の情報を抽出して表示する機能を備えている。
さらに、上記の各線状部品干渉検証装置及び各線状部品設計装置において、情報保持手段1は、線状部品の干渉に関する対処方法情報を保持するのが、実用的である。この場合、上記の警告手段9は、干渉判定手段7により、可動空間と配設禁止空間との干渉有と判定された場合に、情報保持手段1が保持する対処方法情報の中から、干渉対象の部品の対処方法情報を抽出して表示する。
又、上記の各線状部品干渉検証装置及び各線状部品設計装置において、情報保持手段1の保持する情報が、機械電気製品の3次元幾何形状データで構成するのが実用的である。
次に、本発明の線状部品干渉検証方法について説明する。本発明の線状部品干渉検証方法は、コンピュータにより処理される方法である。このコンピュータの記憶部には、仮想3次元空間に形成された構成体に使用されている線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報と、構成体に使用され、且つ、線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報と、線状部品の干渉に関する警告情報とが記憶されている。又、このコンピュータにより処理されるステップは、配設禁止空間演算ステップ、可動空間演算ステップ、干渉判定ステップ、及び、警告ステップで構成されている。
これらの各ステップは次の機能を備えている。配設禁止空間演算ステップは、部品の情報に基づいて、該部品における線状部品の配設禁止空間を演算してコンピュータの記憶部に記憶する機能を備えている。可動空間演算ステップは、線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報に基づき、線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を線状部品の可動空間とする機能を備えている。干渉判定ステップは、可動空間演算ステップにより演算された可動空間と、コンピュータの記憶部に記憶されている配設禁止空間との干渉の有無を判定する機能を備えている。そして、警告ステップは、該干渉判定ステップにより、干渉有と判定された場合に、コンピュータに記憶されている干渉に関する警告情報の中から干渉対象の部品の警告情報を抽出して表示する機能を備えている。
次に、本発明の線状部品設計方法について説明する。本発明の線状部品設計方法は、コンピュータにより処理される方法である。このコンピュータの記憶部には、仮想3次元空間に形成された構成体の構成体情報と、該構成体に使用されている線状部品の両端の接続位置を表す情報と、構成体に使用され、且つ、線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報とが記憶されている。又、このコンピュータにより処理されるステップは、配設禁止空間演算ステップ、配設経路指示ステップ、余裕分長さ指示ステップ、線状部品長演算ステップ、可動空間演算ステップ、干渉判定ステップ、及び、設計管理ステップで構成されている。
これらの各ステップは次の機能を備えている。即ち、配設禁止空間演算ステップは、部品の情報に基づいて、該部品における線状部品の配設禁止空間を演算して、コンピュータの記憶部に記憶する機能を備えている。
配設経路指示ステップは、構成体情報に基づき仮想3次元空間に形成された構成体上に、線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき線状部品の両端の接続位置を表示すると共に、マニュアル操作により線状部品の配設経路が指示される機能を備えている。余裕分長さ指示ステップは、線状部品の余裕分長さがマニュアル操作により指示される機能を備えている。線状部品長演算ステップは、配設経路指示ステップにより指示された線状部品の配設経路、及び、余裕分長さ指示ステップにより指示された線状部品の余裕分長さに基づき、線状部品の長さを演算する機能を備えている。
又、可動空間演算ステップは、線状部品長演算ステップにより演算された線状部品の長さ、及び、コンピュータの記憶部に記憶されている線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき、線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を線状部品の可動空間とする機能を備えている。干渉判定ステップは、可動空間演算ステップにより演算された可動空間とコンピュータの記憶部が記憶している配設禁止空間との干渉の有無を判定する機能を備えている。
そして、設計管理ステップは、干渉判定ステップにより干渉無と判定されると、配設経路指示ステップにより指示された線状部品の配設経路、及び、線状部品長演算ステップにより演算された線状部品の長さをコンピュータの記憶部に記憶すると共に、干渉判定ステップにより干渉有と判定されると、同一の線状部品に関し、配設経路指示ステップ以降のステップの再実行を指示する機能を備えている。
上記の配設経路指示ステップにおいて、マニュアル操作による線状部品の配設経路の指示の際に、配設経路途中の保持点を指示することができるようにするのが好ましい。即ち、上記の配設経路指示ステップにおいて、構成体の情報に基づき仮想3次元空間に形成された構成体上に、線状部品の配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に線状部品を保持する保持点が、マニュアル操作により指定されることが可能であるようにするのである。
この場合に、設計管理ステップでは、干渉判定ステップにより干渉無と判断されると、線状部品の配設経路及び線状部品の長さのみならず、保持点の位置情報をコンピュータの記憶部に記憶する。
上記の線状部品干渉検証方法及び線状部品設計方法において、線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合は、次のように処理するのが妥当である。即ち、線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合は、隣接する接続点と保持点との間又は隣接する保持点相互間である部分区間毎に想定される部分可動空間を、可動空間に代えて用いるのである。
この場合、可動空間演算ステップでは、隣接する接続点と保持点又は隣接する両保持点が線状部品の両端の接続点とみなし、当該部分区間以外の部分区間の距離の合計値を線状部品の長さから減算した値を線状部品の長さとみなして楕円体を形成すると共に、該楕円体の内部を部分可動空間とする。
上記の線状部品干渉検証方法及び線状部品設計方法は、上述した線状部品干渉検証装置及び線状部品設計装置におけるのと同様の、作用、効果を有している。
本発明によれば、仮想3次元空間に形成された構成体において、この構成体に使用されている線状部品が配設後に移動可能な範囲である可動空間と、線状部品との接触又は接近が禁止される部品における線状部品の配設禁止空間との干渉の有無を、設計段階で、或いは、上記の構成体が生産される前に知ることができる。従って、線状部品が配設後に可動空間を移動した場合に、従来発生していたような線状部品とその周囲に配置されている部品との接触等のトラブルを、未然に防止することができる。そのため、線状部品が摩耗することによる切断や、電気的短絡、或いは、発熱部品に接触することにより生じる線状部品の被覆の溶融や、高速信号ラインと平行に配設されることによる線状部品へのノイズ誘引等による電子装置等の故障を、未然に防止することができる。
又、線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合にも、線状部品配設後に、線状部品の部分区間毎の移動可能な範囲である部分可動空間と、線状部品配設禁止空間との干渉の有無を、設計段階で、或いは、上記の構成体が生産される前に知ることができる。従って、上記と同様の作用、効果を得ることができる。
又、線状部品の外形形状及び大きさの情報や、線状部品の付属品の外形形状及び大きさの情報を用いることにより、線状部品の長さを修正することができ、線状部品の可動空間をより正確に求めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。
<実施の形態1>
図3は本発明の実施の形態1における線状部品干渉検証装置10のブロック図であり、図4は、この線状部品干渉検証装置10で用いられるプログラム20の構成図である。この線状部品干渉検証装置10は、キーボードやマウス、タブレット等でなる入力部11と、CPU部12と、CRT等のディスプレイやプリンタ等でなる出力部13、及び、半導体メモリーやハードディスクドライブ等でなる記憶部14とで構成されている。
記憶部14には、線状部品の干渉検証を行う機能を備えた線状部品干渉検証プログラム20がインストールされているほか、構成体データ14a、部品データ14b、線状部品データ14c、及び、警告及び対処方法データ14fを備えている。又、線状部品配設禁止空間データ14d、及び、可動空間データ14eが記憶されるエリアを備えており、この線状部品配設禁止空間データ14d、及び、可動空間データ14eは、線状部品干渉検証プログラム20によって生成されるデータである。又、図示されていないが、記憶部14には、3次元CADプログラムがインストールされており、上記の構成体データ14a、部品データ14b、及び、線状部品データ14cは、この3次元CADプログラムを用いて設計されたデータである。
記憶部14にインストールされている線状部品干渉検証プログラム20は、図4に示すように3次元空間表示プログラム21、線状部品配設禁止空間演算プログラム22、線状部品可動空間演算プログラム23、干渉判定プログラム24、及び、警告表示プログラム25で構成されている。又、線状部品可動空間演算プログラム23は、線状部品データ抽出プログラム23a、楕円パラメータ生成プログラム23b、及び、楕円体生成プログラム23cで構成されている。
実施の形態1では、上記の3次元CADプログラムを用いて設計された、電子機器に使用される図6に示すような基板固定筐体300aを例にして説明する。この基板固定筐体300aには、2枚のプリント基板301a,301bが固定され、これらのプリント基板301a,301bには、電子部品305や電子部品306等の部品が取り付けられている。又、電気的な接続に用いられる部品である線状部品304の両端には、コネクタ302及びコネクタ303が結合されており、コネクタ302はプリント基板301aに接続され、コネクタ303はプリント基板301bに接続されている。
上記の基板固定筐体300aやプリント基板301a,301bも一種の部品であり、このほかの上記の他の部品も含めて、これらの部品は全て、仮想3次元空間におけるその部品の配設位置情報及び形状情報を備えた3次元幾何形状(座標)データで表現されている。これらのデータが、線状部品干渉検証プログラム20の備える3次元空間表示プログラム21により、出力部13のディスプレイに立体的に表示されることにより、全体の構成状態を目視することができる。このように、基板固定筐体300aの設計データは、個々の部品の3次元幾何形状データが集積されたものであり、記憶部14に記憶されている構成体データ14a、部品データ14b、及び、線状部品データ14cが、これらのデータに相当する。
部品データ14bは、3次元幾何形状データである配設位置や外形形状、外形寸法等のほか、その部品の外表面の材質等の仕様や特性等の情報も含んでいる。これらの情報の中には、その部品の発熱や、電磁波発生等に関する情報も含まれている。線状部品データ14cは、線状部品の長さとその両端が接続される接続点の位置情報(座標データ)を含んでいる。線状部品は、一般に、電気部品を電気的に接続するのに用いられる電線やケーブル等であるが、これには限られず、電気的接続以外の用途に用いられる線状部品も存在する。警告及び対処方法データ14fは、干渉判定プログラム24による判定の結果、干渉がある場合に対する警告内容及び対処方法を含んでいる。
次に、線状部品干渉検証プログラム20を用いて行なわれる、上記の基板固定筐体300aに対する線状部品干渉検証装置10の線状部品干渉検証動作について説明する。図5は、上記の線状部品干渉検証装置10の動作を示したフローチャートである。まず、線状部品干渉検証装置10の入力部11のキーボードから線状部品干渉検証プログラム20を起動する。すると、最初に、線状部品配設禁止空間演算プログラム22が、部品データ14bを基に、全ての当該部品に対して、線状部品が接触したり接近したりするのが禁止されるか否かを判断し、当該部品への線状部品の接触や接近が禁止されると判断した場合は、線状部品の接触や接近が禁止されるエリアである配設禁止空間を演算して、3次元データである線状部品配設禁止空間データ14dとして記憶部14へ記憶する(S1)。
例えば、図6に記載されている、表面が全て金属で形成された電子部品305の場合、線状部品の外皮が電子部品305に接触すると、この外皮が磨耗して線状部品が切断したり短絡したりする可能性がある。そこで、電子部品305は、線状部品の接触が禁止されると判断される。この場合、この電子部品305の配設禁止空間は、この電子部品305の外観形状が占める空間そのものであるので、配設禁止空間データは、この部品305の配設位置や形状がそのまま使用される。又、発熱する部品である電子部品306の場合、線状部品の接近が禁止されると判断され、電子部品306の部品データ14bに基づき、発熱状態をシミュレーションして、図6に示すような配設禁止空間307を電子部品306に関する配設禁止空間として演算する。
このようにするために、線状部品配設禁止空間演算プログラム22は、部品データ14bに基づいて発熱状態をシミュレーションする既存のシミュレーションプログラムや、或いは、部品データ14bに含まれている電子部品を流れる高周波電流の周波数や電流値等の情報に基づいて、電子部品から発生する電磁界強度をシミュレーションするシミュレーションプログラム等の機能を用いて構成されている。このようにして、基板固定筐体300aに使用されている全ての部品に対する線状部品配設禁止空間演算プログラム22の処理が行なわれ、演算された配設禁止空間のデータは、記憶部14へ記憶される。
次に、線状部品可動空間演算プログラム23が、線状部品データ14cに基づき当該線状部品が配設された後に移動可能な範囲である可動空間を演算する(S2)。線状部品可動空間演算プログラム23は上述のように、線状部品データ抽出プログラム23a、楕円パラメータ生成プログラム23b、及び、楕円体生成プログラム23cで構成されており、可動空間の演算は次のようにして行なわれる。
最初に、線状部品データ抽出プログラム23aが、線状部品データ14cから線状部品の長さとその両端が接続される接続点の位置情報(座標データ)のデータを抽出する。次に、楕円パラメータ生成プログラム23bが、上記の線状部品の長さとその両端が接続される接続点の位置情報(座標データ)に基づき、楕円パラメータを生成する。そして、楕円体生成プログラム23cがこの楕円パラメータに基づき楕円体を生成して、この楕円体の3次元データを可動空間データ14eとして記憶部14に記憶する。
例えば、図6において、長さがL1で、両端がコネクタ302上の接続点P1とコネクタ303上の接続点P2とに接続されている線状部品304の可動空間を演算する場合について説明する。図7は、図6における線状部品304の可動空間の演算に関係する部分のみを表したものである。図6、図7において、まず、線状部品の両端の接続点の位置情報(座標データ)から両接続点間の距離D1を求める。この距離D1は、接続点P1の座標(X1,Y1,Z1)と接続点P2の座標(X2,Y2,Z2)から下記のように求められる。
D1={(X1-X2)2+(Y1-Y2)2+(Z1-Z2)21/2
この距離D1と線状部品の長さL1から、楕円の長軸M1及び短軸N1は下記のように求められる。
M1=L1
N1=(L12−D121/2
又、楕円の2つの焦点は接続点P1と接続点P2であり、楕円の中心点は接続点P1と接続点P2の中点である。そこで、次に、上記の値を用いて、接続点P1と接続点P2を焦点とする楕円を形成し、接続点P1と接続点P2を結ぶ直線を軸として、上記の楕円をこの軸の周に回転させて楕円体310を形成して、可動空間データ14eとして記憶部14に記憶する。このようにして、全ての線状部品につき、可動空間データ14eを生成する。
次に、干渉判定プログラム24が、線状部品の配設禁止空間データ14dと線状部品の可動空間データ14eとを用いて、配設禁止空間と可動空間とが相互に干渉する部分がないかをチェックする(S3)。このチェックの方法としては、3次元CAD等で用いられるブーリアンオペレーション等を用いることができる。ブーリアンオペレーションでは、複数の立体表示された空間が相互に重なり合う部分を抽出することができ、この抽出により配設禁止空間と可動空間とが相互に干渉する部分を見つけることができる。例えば、上記の例において、図6に示すように、線状部品304の可動空間310と、表面が全て金属で形成された電子部品305の配設禁止空間、即ち、電子部品305そのものとが干渉する干渉部分313a、及び、線状部品304の可動空間310と、発熱する電子部品306の配設禁止空間307とが干渉する干渉部分313bを見つけることができる。
このように干渉する部分が見つかると(S4)、警告表示プログラム25は、記憶部14に予め記憶されている警告及び対処方法データ14fの中から、最適な警告内容と対処方法を選んで、当該部分の表示と共に、図8に示すように、出力部13のディスプレイに表示する(S5)。そして、次に、全ての線状部品に付いて、線状部品可動空間演算プログラム23及び干渉判定プログラム24による処理が終了したか否かをチェックし(S6)、終了していなければ、S2へ戻って上記の動作を繰り返し、終了していれば、線状部品干渉検証装置10の動作を終了する。
上記の線状部品干渉検証装置10によれば、図6に示す基板固定筐体300aにおいて、線状部品304が配設後に移動可能な範囲である可動空間310と、線状部品304との接触又は接近が禁止される部品305や、部品306における線状部品304の配設禁止空間307との干渉の有無を、基板固定筐体300aが生産される前に知ることができる。従って、線状部品304が実際に配線される等の配設後に、可動空間310を移動した場合に、従来発生していたような線状部品304とその周囲に配置されている部品305や、部品306との接触等のトラブルを、未然に防止することができる。
上記の説明では、線状部品304の両端のみが接続されて固定されている。しかし、線状部品の固定方法としては、このような場合には限られず、配設経路途中で半固定される場合もある。例えば、図9に示すように、長さがL2の線状部品504は、両端がコネクタ500上の接続点P3及びコネクタ503上の接続点P6で接続されている。しかし、これ以外に、配設経路の途中の、保持点P4で保持具501により、又、保持点P5で保持具502により、配設経路に沿って移動可能に半固定されている場合がある。このような場合も、上述したと同様のトラブルの発生を未然に防ぐ必要があり、そのため、次のような対処方法を採用することができる。
即ち、図9において、隣接する接続点P3と保持点P4との間の部分区間U1、及び、接続点P6と保持点P5との間の部分区間U3、及び隣接する保持点P4と保持点P5との間の部分区間U2にそれぞれ想定される部分可動空間を、上述した可動空間に代えて用いる。
この部分可動空間の演算方法としては、隣接する接続点と保持点、又は、隣接する両保持点を線状部品の両端の接続点とみなし、当該部分区間以外の部分区間の距離の合計値を線状部品の長さから減算した値を線状部品の長さとみなしてそれぞれ、楕円体を形成すると共に、該楕円体の内部を部分可動空間とする。
例えば、部分区間U1における線状部品504の部分可動空間は、次のようにして演算される。まず接続点P3、保持点P4、保持点P5及び接続点P6の座標から接続点P3と保持点P4間の距離D2、保持点P4と保持点P5間の距離D3、及び、保持点P5と接続点P6間の距離D4を求める。そしてこれらの値から、部分区間U1における線状部品504の部分長さL21を下記のようにして求める。
L21=L2−(D3+D4)
そこで、楕円の長軸M2及び短軸N2を下記のように求める。
M2=L21
N2=(L212−D221/2
そして、楕円の2つの焦点を接続点P3と保持点P4とし、上記の値を用いて、接続点P3と保持点P4を焦点とする楕円を形成し、接続点P3と保持点P4を結ぶ直線を軸として、上記の楕円をこの軸の周に回転させて楕円体を形成して、線状部品504の部分区間U1における可動空間データ14eとして記憶部14に記憶する。部分区間U2及び、部分区間U3における可動空間データも同様にして求めることができる。
上記の対処方法によれば、線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合にも、線状部品配設後に、線状部品の部分区間毎の移動可能な範囲である部分可動空間と、線状部品配設禁止空間との干渉の有無を、設計段階で知ることができる。従って、既に上述した作用、効果と同様の作用、効果を得ることができる。
上記の線状部品干渉検証装置10において、線状部品データ14cに、線状部品の外形形状及び大きさの情報も含めると共に、線状部品可動空間演算プログラム23の線状部品データ抽出プログラム23aが、線状部品の外形形状及び大きさに基づいて、線状部品の長さを修正し、該修正した線状部品の長さを、線状部品の長さに代えて用いるようにしてもよい。又、線状部品データ14cとして、線状部品の外形形状及び大きさの情報も含めると共に、上記の線状部品データ抽出プログラム23aが、線状部品の付属品の外形形状及び大きさに基づいて、線状部品の長さを修正し、該修正した線状部品の長さを、線状部品の長さに代えて用いるようにしてもよい。このようにすることにより、線状部品が配設後に移動可能な範囲である可動空間をより正確に求めることができる。
例えば、図10(a)に示すように、被覆が太い線状部品400のような場合、その直径をR3、長さをL3とすると、修正後の長さL31は、L31=L3+R3となる。図10(b)に示すように、被覆が一列に束ねられて構成された線状部品401のような場合、その被覆の最大幅をW4、長さをL4とすると、修正後の長さL41は、L41=L4+W4×2となる。図10(c)に示すように、被覆が束ねられて構成された線状部品402のような場合、被覆が束ねられた部分の最大幅をW5、長さをL5とすると、修正後の長さL51は、L51=L5+W5×2となる。又、図10(d)に示すように、付属部品がついた線状部品403のような場合、付属部品の、線状部品403と直交する方向の最大幅をW6、長さをL6とすると、修正後の長さL61は、L61=L6+W6×2となる。
又、上記の本実施の形態では、線状部品配設禁止空間は、線状部品との接触又は接近が禁止される部品のデータ14aから線状部品配設禁止空間演算プログラム22が演算している。しかし、線状部品干渉検証装置としては、線状部品配設禁止空間演算プログラム22を備えずに、部品のデータとして、最初から部品そのもののデータのみならず、別に演算された配設禁止空間データを備えるようにしてもよい。このような場合として、例えば、3次元CAD装置が配設禁止空間データ演算用のシミュレーションプログラムを備えていると共に、3次元CAD装置で設計する際に、このシミュレーションプログラムにより線状部品配設禁止空間データを演算した後、この線状部品配設禁止空間データを含む設計データを用いて、3次元CAD装置とは別の装置である本発明の線状部品干渉検証装置により、線状部品の干渉検証を行う等の場合が考えられる。
<実施の形態2>
図11は本発明の実施の形態2における線状部品設計装置30のブロック図であり、図12は、この線状部品設計装置30で用いられる線状部品設計プログラム40の構成図である。この線状部品設計装置30は、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と同様、キーボードやマウス、タブレット等でなる入力部11と、CPU部12と、CRT等のディスプレイやプリンタ等でなる出力部13、及び、半導体メモリーやハードディスクドライブ等でなる記憶部14とで構成されている。
記憶部14には、線状部品の設計を行う機能を備えた線状部品設計プログラム40がインストールされているほか、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と同様、構成体データ14a、部品データ14b、及び、線状部品データ14cを備えている。但し、線状部品データ14cは、線状部品干渉検証装置10におけるのと異なり、線状部品の両端が接続される接続点の位置情報(座標データ)は含んでいるが、線状部品の長さは含んでおらず、この線状部品の長さは、後述するように、線状部品設計プログラム40により演算される。又、記憶部14は、線状部品配設禁止空間データ14d、及び、可動空間データ14eが記憶されるエリアを備えており、この線状部品配設禁止空間データ14d、及び、可動空間データ14eも、線状部品設計プログラム40によって生成されるデータである。又、図示されていないが、記憶部14には、3次元CADプログラムがインストールされており、上記の構成体データ14a、部品データ14b、及び、線状部品データ14cは、この3次元CADプログラムを用いて設計されたデータである。
記憶部14にインストールされている線状部品設計プログラム40は、図12に示すように3次元空間表示プログラム21、線状部品配設禁止空間演算プログラム22、設計管理プログラム41、配設経路指示プログラム42、余裕分長さ指示プログラム43、線状部品長演算プログラム44、線状部品可動空間演算プログラム23、及び、干渉判定プログラム24で構成されている。又、線状部品可動空間演算プログラム23は、線状部品データ抽出プログラム23a、楕円パラメータ生成プログラム23b、及び、楕円体生成プログラム23cで構成されている。この内、3次元空間表示プログラム21、線状部品配設禁止空間演算プログラム22、線状部品可動空間演算プログラム23、及び、干渉判定プログラム24は、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10で使用されているプログラムと同じである。
次に、線状部品設計プログラム40を用いて行なわれる、上記の基板固定筐体300aに対する線状部品干渉検証装置10の線状部品設計動作について説明する。図13は、上記の線状部品設計装置30の動作を示したフローチャートである。この実施の形態2においても、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10で使用されている図6に示す基板固定筐体300aと同じ、図14に示す基板固定筐体300aを例にして説明する。
まず、線状部品干渉検証装置30の入力部11のキーボードから線状部品設計プログラム40を起動する。すると、最初に、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と同様、線状部品配設禁止空間演算プログラム22が、部品データ14bを基に、全ての当該部品に対して、線状部品が接触したり接近したりするのが禁止されるか否かを判断し、当該部品への線状部品の接触や接近が禁止されると判断した場合は、線状部品の接触や接近が禁止されるエリアである配設禁止空間を演算して、3次元データである線状部品配設禁止空間データ14dとして記憶部14へ記憶する(S11)。
上記のようにして線状部品配設禁止空間の演算が終了すると、次の段階では、線状部品データ14cを基に、個別の線状部品の設計が行われる(S12〜S14)。ここで、個別の線状部品の設計とは、具体的に、線状部品データ14cに含まれている線状部品の両端が接続される接続点の位置情報(座標データ)を基にして、その配設経路を定めると共にその長さを求めることを言う。これらの処理に、配設経路指示プログラム42、余裕分長さ指示プログラム43、及び、線状部品長演算プログラム44が用いられる。
この線状部品の設計が終了すると、後は、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と同様にして、線状部品の可動空間を演算すると共に、上記の線状部品配設禁止空間データ14dを用いて、干渉の有無が検証される(S15,S16)。この干渉の有無の検証には、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と同様、線状部品可動空間演算プログラム23、及び、干渉判定プログラム24が用いられ、干渉の有無の検証は、線状部品干渉検証装置10と同様にして行われる。又、設計管理プログラム41は、上記の線状部品の設計及び干渉の有無の検証におけるプログラム処理のフロー制御に用いられる。
次に、上記の、線状部品の設計について詳しく説明する。まず、線状部品データ14cから個別の線状部品のデータを取り出して、配設経路指示プログラム42により、線状部品の配設経路を、マニュアル操作により指示して定める(S12)。例えば、図14において、線状部品304の両端が接続されているコネクタ302上の接続点P1、及び、コネクタ303上の接続点P2が、ハイライト表示されるので、マウスを用いて、マニュアル操作により、接続点P1から接続点P2へドラッグする。すると、線状部品304の配設経路が、線状に表示される。
そこで、次に、実際の配設作業の際に線状部品304の配設作業を容易にするために、線状部品304の配設経路の長さに余裕分長さを加えた長さを、線状部品304の長さとするべく、加えるべき余裕分長さを、余裕分長さ指示プログラム43により指定する(S13)。具体的には、図14の図示されていないエリアに、複数の長さの数値が表示されるので、そのいずれかをマウスを用いて、マニュアル操作により、クリックする。すると、次に、線状部品長演算プログラム44が、線状部品304の配設経路の長さと余裕分長さとから、線状部品304の長さを演算して求める(S14)。
上記のようにして、線状部品304の設計が終了すると、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と同様にして、線状部品304の長さとその両端が接続される接続点の位置情報(座標データ)に基づき、線状部品可動空間演算プログラム23により、線状部品の可動空間が演算される(S15)。そして、この演算された可動空間と線状部品配設禁止空間データ14dを用いて、干渉判定プログラム24により、干渉の有無が検証される(S16)。
干渉の有無の検証の結果、干渉有と判定されると(S17)、再度、線状部品304の設計と干渉の有無の検証が行なわれ(S12〜S16)、干渉無と判定されるまでこれらの処理が繰り返される。干渉の有無の検証の結果、干渉無と判定されると(S17)、S12で定められた線状部品304の配設経路、及び、S14で演算された線状部品304の長さを、記憶部14に、線状部品データ14cの一部として記憶する(S18)。そして、次に、全ての線状部品に付いて、線状部品の設計及び干渉の有無の検証の処理が終了したか否かをチェックし(S19)、終了していなければ、S12へ戻って上記の動作を繰り返し、終了していれば、線状部品設計装置30の動作を終了する。
上記の線状部品設計装置30によれば、図14に示す基板固定筐体300aにおいて、、線状部品304が配設後に移動可能な範囲である可動空間310と、線状部品304との接触又は接近が禁止される部品305や、部品306における線状部品304の配設禁止空間307との干渉の有無を、設計段階で知ることができ、干渉が生じない線状部品304を設計することができる。従って、線状部品304が実際に配線される等の配設後に、可動空間310を移動した場合に、従来発生していたような線状部品304とその周囲に配置されている部品305や、部品306との接触等のトラブルを、未然に防止することができる。
上記の線状部品設計装置30において、S12で、線状部品の配設経路をマニュアル操作により指示して定める場合に、図15に示すように、線状部品304のP1からP2にかけての配設経路の途中に、保持点P7で保持具308を設け、線状部品304を配設経路途中で半固定するようにしてもよい。この場合は、線状部品304は、保持点P7で保持具308により、配設経路に沿って移動可能に半固定されることになる。尚、図15において、楕円体311はこの場合のP1とP7との間の可動空間を、楕円体312はP7とP2との間の可動空間を示している。
或いは、上記の例において、S12で、線状部品304の配設経路を、接続点P1から接続点P2へ直線状に指示した結果、S17で、干渉有と判定された場合に、再度、線状部品304の設計を行うが、この際設計の際、線状部品304の配設経路を、接続点P1から接続点P2へ直線状に指示するのではなく、上記と同様にしてもよい。即ち、再度の線状部品304の設計を行うときに(S12〜S14)、2度目のS12で、線状部品の配設経路をマニュアル操作により指示する場合に、上記と同様、図15に示すように、線状部品304の配設経路の途中に、保持具308を設け、線状部品304を配設経路途中で半固定するのである。この場合、S18で、上記の対処が干渉無と判定された場合は、線状部品304の配設経路及び長さのみならず、保持具308の位置情報を、記憶部14に線状部品データ14cの一部として記憶する。このようにすることにより、線状部品の配設の自由度を広げることができる。
上記のように、線状部品を配設経路途中で配設経路に沿って移動可能に半固定した場合の、部分可動空間の演算方法は、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10において、線状部品504に対するのと同様にして、行うことができる。
又、上記の実施の形態2における線状部品設計装置30では、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と異なり、記憶部14には、警告及び対処方法データ14fを備えておらず、又、線状部品設計プログラム40に警告表示プログラム25が含まれていないが、線状部品干渉検証装置10と同様にして、記憶部14に警告及び対処方法データ14fを備えると共に、線状部品設計プログラム40に警告表示プログラム25を含むようにしてもよい。この場合は、上記の実施の形態2における線状部品設計装置30において、S17における干渉の有無の検証の結果、干渉有と判定されると、記憶部14に予め記憶されている警告及び対処方法データ14fの中から、最適な警告内容と対処方法が選ばれて、当該部分の表示と共に、出力部13のディスプレイに表示される。
又、上記の実施の形態2における線状部品設計装置30においても、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と同様、線状部品データ14cに、線状部品の外形形状及び大きさの情報も含めると共に、線状部品可動空間演算プログラム23の線状部品データ抽出プログラム23aが、線状部品の外形形状及び大きさに基づいて、線状部品の長さを修正し、該修正した線状部品の長さを、線状部品の長さに代えて用いるようにしてもよい。又、線状部品データ14cとして、線状部品の外形形状及び大きさの情報も含めると共に、上記の線状部品データ抽出プログラム23aが、線状部品の付属品の外形形状及び大きさに基づいて、線状部品の長さを修正し、該修正した線状部品の長さを、線状部品の長さに代えて用いるようにしてもよい。このようにすることにより、線状部品が配設後に移動可能な範囲である可動空間をより正確に求めることができる。
又、上記の実施の形態2における線状部品設計装置30においても、上述した実施の形態1における線状部品干渉検証装置10と同様、線状部品設計装置としては、線状部品配設禁止空間演算プログラム22を備えずに、部品のデータとして、最初から部品そのもののデータのみならず、別に演算された配設禁止空間データを備えるようにしてもよい。
本発明の線状部品干渉検証装置のブロック図である。 本発明の線状部品設計装置のブロック図である。 実施の形態1における線状部品干渉検証装置のブロック図である。 実施の形態1における線状部品干渉検証装置で用いられるプログラムの構成図である。 実施の形態1における線状部品干渉検証装置の動作を示したフローチャートである。 実施の形態1における線状部品干渉検証装置の線状部品干渉検証の対象である基板固定筐体の外観図である。 図6における線状部品の可動空間の演算に関係する部分の説明図である。 実施の形態1における線状部品干渉検証装置の出力部のディスプレイの表示例である。 実施の形態1における経路途中で半固定されている線状部品を有する基板固定筐体の外観図である。 (a),(b)及び(c)は、長さが修正される線状部品の例の外観図であり、(d)は、付属部品のついた長さが修正される線状部品の例の外観図である。 実施の形態2における線状部品設計装置のブロック図である。 実施の形態2における線状部品設計装置で用いられるプログラムの構成図である。 実施の形態2における線状部品設計装置の動作を示したフローチャートである。 実施の形態2における線状部品設計装置が設計する線状部品が用いられる基板固定筐体の外観図である。 実施の形態2における経路途中で半固定されている線状部品を有する基板固定筐体の外観図である。
符号の説明
1 情報保持手段
2 配設禁止空間演算手段
3 配設経路指示手段
4 余裕分長さ指示手段
5 線状部品長演算手段
6 可動空間演算手段
7 干渉判定手段
8 設計管理手段
9 警告手段
10 線状部品干渉検証装置
11 入力部
12 CPU部
13 出力部
14 記憶部
14a 構成体データ
14b 部品データ
14c 線状部品データ
14d 線状部品配設禁止空間データ
14e 可動空間データ
14f 警告及び対処方法データ
20 線状部品干渉検証プログラム
21 3次元空間表示プログラム
22 線状部品配設禁止空間演算プログラム
23 線状部品可動空間演算プログラム
23a 線状部品データ抽出プログラム
23b 楕円パラメータ生成プログラム
23c 楕円体生成プログラム
24 干渉判定プログラム
25 警告表示プログラム
30 線状部品設計装置
40 線状部品設計プログラム
41 設計管理プログラム
42 配設経路指示プログラム
43 余裕分長さ指示プログラム
44 線状部品長演算プログラム
300a,300b 基板固定筐体
301a,301b,301c,301d プリント基板
302,303 コネクタ
304 線状部品
305,306 電子部品
307 配設禁止空間
308 保持具
310,311,312 楕円体
313a,313b 干渉部分
400,401,402,403 線状部品
500,503 コネクタ
501,502 保持具

Claims (15)

  1. 仮想3次元空間に形成された構成体に使用されている線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報と、前記構成体に使用され、且つ、前記線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報、及び、該部品における前記線状部品の配設禁止空間を表す情報と、を保持する情報保持手段と、
    前記情報保持手段により保持される前記線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、前記線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を前記長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を前記線状部品の可動空間とする可動空間演算手段と、
    前記可動空間演算手段により演算された前記可動空間と、前記情報保持手段により保持される前記配設禁止空間との干渉の有無を判定する干渉判定手段と、を備えたことを特徴とする線状部品干渉検証装置。
  2. 仮想3次元空間に形成された構成体に使用されている線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報と、前記構成体に使用され、且つ、前記線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報と、を保持する情報保持手段と、
    前記情報保持手段により保持される前記部品の情報に基づいて、該部品における前記線状部品の配設禁止空間を演算して前記情報保持手段に記憶する配設禁止空間演算手段と、
    前記情報保持手段により保持される前記線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、前記線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を前記長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を前記線状部品の可動空間とする可動空間演算手段と、
    前記可動空間演算手段により演算された前記可動空間と、前記情報保持手段により保持される前記配設禁止空間との干渉の有無を判定する干渉判定手段と、を備えたことを特徴とする線状部品干渉検証装置。
  3. 仮想3次元空間に形成された構成体の構成体情報と、該構成体に使用されている線状部品の両端の接続位置を表す情報と、前記構成体に使用され、且つ、前記線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報、及び、該部品における前記線状部品の配設禁止空間を表す情報と、を保持する情報保持手段と、
    前記情報保持手段により保持される前記構成体情報に基づき、仮想3次元空間に形成された前記構成体上に、前記情報保持手段により保持される前記線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端の接続位置を表示すると共に、マニュアル操作により前記線状部品の配設経路が指示される配設経路指示手段と、
    前記線状部品の余裕分長さがマニュアル操作により指示される余裕分長さ指示手段と、
    前記配設経路指示手段により指示された前記線状部品の配設経路、及び、前記余裕分長さ指示手段により指示された前記線状部品の余裕分長さに基づき、前記線状部品の長さを演算する線状部品長演算手段と、
    前記線状部品長演算手段により演算された前記線状部品の長さ、及び、前記情報保持手段により保持される前記線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、前記線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を前記長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を前記線状部品の可動空間とする可動空間演算手段と、
    前記可動空間演算手段により演算された前記可動空間と前記情報保持手段により保持される前記配設禁止空間との干渉の有無を判定する干渉判定手段と、
    前記干渉判定手段により干渉無と判定されると、配設経路指示手段により指示された前記線状部品の配設経路、及び、前記線状部品長演算手段により演算された前記線状部品の長さを前記情報保持手段に保持させると共に、前記干渉判定手段により干渉有と判定されると、前記配設経路指示手段及び前記余裕分長さ指示手段に、同一の前記線状部品に対する再実行を指示する設計管理手段と、を備えたことを特徴とする線状部品設計装置。
  4. 仮想3次元空間に形成された構成体の構成体情報と、該構成体に使用されている線状部品の両端の接続位置を表す情報と、前記構成体に使用され、且つ、前記線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報を保持する情報保持手段と、
    前記情報保持手段により保持される前記部品の情報に基づいて、該部品における前記線状部品の配設禁止空間を演算して、前記情報保持手段に保持させる配設禁止空間演算手段と、
    前記情報保持手段により保持される前記構成体情報に基づき、仮想3次元空間に形成された前記構成体上に、前記情報保持手段により保持される前記線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端の接続位置を表示すると共に、マニュアル操作により前記線状部品の配設経路が指示される配設経路指示手段と、
    前記線状部品の余裕分長さがマニュアル操作により指示される余裕分長さ指示手段と、
    前記配設経路指示手段により指示された前記線状部品の配設経路、及び、前記余裕分長さ指示手段により指示された前記線状部品の余裕分長さに基づき、前記線状部品の長さを演算する線状部品長演算手段と、
    前記線状部品長演算手段により演算された前記線状部品の長さ、及び、前記情報保持手段により保持される前記線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、前記線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を前記長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を前記線状部品の可動空間とする可動空間演算手段と、
    前記可動空間演算手段により演算された前記可動空間と前記情報保持手段により保持される前記配設禁止空間との干渉の有無を判定する干渉判定手段と、
    前記干渉判定手段により干渉無と判定されると、配設経路指示手段により指示された前記線状部品の配設経路、及び、前記線状部品長演算手段により演算された前記線状部品の長さを前記情報保持手段に保持させると共に、前記干渉判定手段により干渉有と判定されると、前記配設経路指示手段及び前記余裕分長さ指示手段に、同一の前記線状部品に対する再実行を指示する設計管理手段と、を備えたことを特徴とする線状部品設計装置。
  5. 前記配設経路指示手段において、前記情報保持手段により保持される前記構成体情報に基づき仮想3次元空間に形成された前記構成体上に、前記線状部品の配設経路途中の保持点で該配設経路に沿って移動可能に前記線状部品を保持する前記保持点が、マニュアル操作により指示されるのが可能であると共に、
    前記設計管理手段は、前記干渉判定手段により干渉無と判断されると、前記線状部品の前記配設経路及び前記線状部品の長さのみならず、前記保持点の位置情報を前記情報保持手段に保持させる請求項3又は4記載の線状部品設計装置。
  6. 前記線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合は、隣接する前記接続点と保持点との間又は隣接する保持点相互間である部分区間毎に想定される部分可動空間が、前記可動空間に代えて用いられると共に、
    前記可動空間演算手段は、隣接する前記接続点と前記保持点又は隣接する両前記保持点を前記線状部品の両端の接続点とみなし、当該部分区間以外の部分区間の距離の合計値を前記線状部品の長さから減算した値を前記線状部品の長さとみなして前記楕円体を形成すると共に、該楕円体の内部を前記部分可動空間とする請求項1又は2記載の線状部品干渉検証装置、又は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の線状部品設計装置。
  7. 前記情報保持手段は、前記線状部品の外形形状及び大きさの情報を保持すると共に、
    前記可動空間演算手段は、前記線状部品の外形形状及び大きさに基づいて、前記線状部品の長さを修正し、該修正した線状部品の長さを、前記線状部品の長さに代えて用いる請求項1、2、6のいずれか1項に記載の線状部品干渉検証装置、又は、請求項3〜6のいずれか1項に記載の線状部品設計装置。
  8. 前記情報保持手段は、前記線状部品の付属品の外形形状及び大きさの情報を保持すると共に、
    前記可動空間演算手段は、前記情報保持手段により保持される前記線状部品の付属品の外形形状及び大きさに基づいて、前記線状部品の長さを修正し、該修正した線状部品の長さを、前記線状部品の長さに代えて用いる請求項1、2、6、7のいずれか1項に記載の線状部品干渉検証装置、又は、請求項のいずれか1項に記載の線状部品設計装置。
  9. 前記情報保持手段は、前記線状部品の干渉に関する警告情報を保持すると共に、
    前記干渉判定手段により、前記可動空間と前記配設禁止空間との干渉有と判定された場合に、前記情報保持手段が保持する警告情報の中から、干渉対象の部品の警告情報を抽出して表示する警告手段を備えた請求項1、2、6〜のいずれか1項に記載の線状部品干渉検証装置、又は、請求項3〜のいずれか1項に記載の線状部品設計装置。
  10. 前記情報保持手段は、前記線状部品の干渉に関する対処方法情報を保持すると共に、
    前記警告手段は、前記干渉判定手段により、前記可動空間と前記配設禁止空間との干渉有と判定された場合に、前記情報保持手段が保持する対処方法情報の中から、干渉対象の部品の対処方法情報を抽出して表示する請求項記載の線状部品干渉検証装置、又は、請求項記載の線状部品設計装置。
  11. 前記情報保持手段の保持する情報が、機械電気製品の3次元幾何形状データで構成されている請求項1、2、6〜10のいずれか1項に記載の線状部品干渉検証装置、又は、請求項3〜10のいずれか1項に記載の線状部品設計装置。
  12. 仮想3次元空間に形成された構成体に使用されている線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報と、前記構成体に使用され、且つ、前記線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報と、前記線状部品の干渉に関する警告情報と、をコンピュータの記憶部が記憶していると共に、
    該コンピュータにより処理されるステップであって、
    前記部品の情報に基づいて、該部品における前記線状部品の配設禁止空間を演算して前記コンピュータの記憶部に記憶する配設禁止空間演算ステップと、
    前記線状部品の長さ及び両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、前記線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を前記長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を前記線状部品の可動空間とする可動空間演算ステップと、
    前記可動空間演算ステップにより演算された前記可動空間と、前記コンピュータの記憶部に記憶されている前記配設禁止空間との干渉の有無を判定する干渉判定ステップと、
    該干渉判定ステップにより、前記干渉有と判定された場合に、前記コンピュータに記憶されている干渉に関する警告情報の中から干渉対象の部品の警告情報を抽出して表示する警告ステップと、で構成されることを特徴とする線状部品干渉検証方法。
  13. 仮想3次元空間に形成された構成体の構成体情報と、該構成体に使用されている線状部品の両端の接続位置を表す情報と、前記構成体に使用され、且つ、前記線状部品との接触又は接近が禁止される部品の情報と、をコンピュータの記憶部が記憶していると共に、
    該コンピュータにより処理されるステップであって、
    前記部品の情報に基づいて、該部品における前記線状部品の配設禁止空間を演算して、前記コンピュータの記憶部に記憶する配設禁止空間演算ステップと、
    前記構成体情報に基づき仮想3次元空間に形成された前記構成体上に、前記線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端の接続位置を表示すると共に、マニュアル操作により前記線状部品の配設経路が指示される配設経路指示ステップと、
    前記線状部品の余裕分長さがマニュアル操作により指示される余裕分長さ指示ステップと、
    前記配設経路指示ステップにより指示された前記線状部品の配設経路、及び、前記余裕分長さ指示ステップにより指示された前記線状部品の余裕分長さに基づき、前記線状部品の長さを演算する線状部品長演算ステップと、
    前記線状部品長演算ステップにより演算された前記線状部品の長さ、及び、前記コンピュータの記憶部に記憶されている前記線状部品の両端の接続位置を表す情報に基づき、前記線状部品の両端が接続される位置である接続点を焦点とし、前記線状部品の長さを長軸の長さとする楕円を形成すると共に、該楕円を前記長軸の周りに回転させて楕円体を形成し、該楕円体の内部を前記線状部品の可動空間とする可動空間演算ステップと、
    前記可動空間演算ステップにより演算された前記可動空間と前記コンピュータの記憶部が記憶している前記配設禁止空間との干渉の有無を判定する干渉判定ステップと、
    前記干渉判定ステップにより干渉無と判定されると、前記配設経路指示ステップにより指示された前記線状部品の前記配設経路、及び、前記線状部品長演算ステップにより演算された前記線状部品の長さを前記コンピュータの記憶部に記憶すると共に、前記干渉判定ステップにより干渉有と判定されると、同一の前記線状部品に関し、前記配設経路指示ステップ以降のステップの再実行を指示する設計管理ステップと、で構成されることを特徴とする線状部品設計方法。
  14. 前記配設経路指示ステップにおいて、前記構成体情報に基づき仮想3次元空間に形成された前記構成体上に、前記線状部品の配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に前記線状部品を保持する前記保持点が、マニュアル操作により指定されることが可能であると共に、
    前記設計管理ステップでは、前記干渉判定ステップにより干渉無と判断されると、前記線状部品の前記配設経路及び前記線状部品の長さのみならず、前記保持点の位置情報を前記コンピュータの記憶部に記憶する請求項13記載の線状部品設計方法。
  15. 前記線状部品が配設経路途中の保持点で配設経路に沿って移動可能に保持されている場合は、隣接する前記接続点と保持点との間又は隣接する保持点相互間である部分区間毎に想定される部分可動空間が、前記可動空間に代えて用いられると共に、
    前記可動空間演算ステップでは、隣接する前記接続点と前記保持点又は隣接する両前記保持点が前記線状部品の両端の接続点とみなし、当該部分区間以外の部分区間の距離の合計値を前記線状部品の長さから減算した値を前記線状部品の長さとみなして前記楕円体を形成すると共に、該楕円体の内部を前記部分可動空間とする請求項12記載の線状部品干渉検証方法、又は、請求項14記載の線状部品設計方法。
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