JP4605706B2 - 空気入りタイヤ及びインナーライナー部材の形成方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びインナーライナー部材の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ断面高さが110mm未満であり、タイヤ内周面に配されるインナーライナー層がリボン巻き工法により形成されたインナーライナー部材からなる空気入りタイヤと、そのインナーライナー部材の形成方法に関する。
従来、空気入りタイヤを構成するゴム部材の形成方法としてリボン巻き工法が知られている。リボン巻き工法は、例えば下記特許文献1に開示されるように、未加硫ゴム組成物からなる小巾且つ小厚さのゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けることでゴム部材を形成する工法であり、ゴム押出品をカットして所望の断面形状を得る場合に比べて、ゴム部材を精度良く容易に形成することができる。
しかしながら、リボン巻き工法によるとゴム部材の表面にゴムリボンの界面が形成されるため、リボン巻き工法により形成されたインナーライナー部材を用いて、タイヤ断面高さが110mm未満の偏平率が低い空気入りタイヤを成形した場合に、次のような不具合を生じることがわかった。即ち、タイヤ断面高さが110mm未満である空気入りタイヤでは、走行中にベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にかけて大きな歪みが作用するため、かかる領域のタイヤ内周面に形成されたゴムリボンの界面よりクラックが発生しやすく、耐久性を低下させることがわかった。
ここで、下記特許文献2には、インナーライナー部材をリボン巻き工法により形成し、そのインナーライナー部材とカーカスプライとの間に、ベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置に延びるインスレーションゴムを配した空気入りタイヤが開示されている。しかしながら、かかる空気入りタイヤは、ゴムリボンの界面がタイヤ内周面に一律に形成されるものであるため、上記クラックの問題を解決しうるものではない。
また、下記特許文献3には、幅寸法が40mm以下のゴムリボンを所定の重なり幅で巻き付けしてなる表面層により、インナーライナー部材のタイヤ内周面となる面を形成する方法が開示されている。しかしながら、当該方法によれば、比較的幅狭のゴムリボンの使用を前提としているため、タイヤ断面高さが110mm未満である空気入りタイヤにおいて、大きな歪みが作用する領域のタイヤ内周面にゴムリボンの界面が形成されやすく、上記クラックの発生を抑制することができない。
更に、下記特許文献4には、一体に押出成形されたゴム押出品の両縁部にゴムリボンを巻き付けて、インナーライナー部材を形成する方法が開示されている。しかしながら、当該方法は、ゴム押出品を用いることによりゴムリボンの巻き付け工程を低減し、生産性を高めるためのものであり、リボン巻き工法単独でインナーライナー部材を形成するものではないと解される。そもそも、上記クラックの問題に対しては、大きな歪みが作用する領域のタイヤ内周面におけるゴムリボンの界面を低減させることが大変重要となってくるが、上記いずれの製造方法もそのことを開示するものではない。
特開2002−178415号公報 特開2002−160508号公報 特開2002−79590号公報 特開2000−94542号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タイヤ断面高さが110mm未満で、大きな歪みが作用する領域のタイヤ内周面に発生するクラックを抑制しうる空気入りタイヤと、その空気入りタイヤのタイヤ内周面に配されてインナーライナー層となるインナーライナー部材の形成方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ断面高さが110mm未満であり、タイヤ内周面に配されるインナーライナー層が、ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより形成されたインナーライナー部材からなる空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナー層が、幅寸法が40mmを超える幅広ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて形成され、少なくともベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたって配された幅広ゴムリボン領域と、前記幅広ゴムリボンよりも幅寸法が小さい幅狭ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けて形成され、前記幅広ゴムリボン領域の両縁部に続け合わされた幅狭ゴムリボン領域と、を有し、前記幅広ゴムリボンの幅寸法が70mm未満であり、前記幅狭ゴムリボンの幅寸法が30mm未満であるものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ内周面に配されるインナーライナー層が、ベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたって配される幅広ゴムリボン領域を有し、その幅広ゴムリボン領域は幅寸法が40mmを超える比較的幅広な幅広ゴムリボンを巻き付けして形成されるものである。そのため、タイヤ断面高さが110mm未満の空気入りタイヤにおいて、走行時に大きな歪みが作用する領域のタイヤ内周面に存在するゴムリボンの界面を低減することができ、その界面より発生するクラックを抑制することができる。また、幅広ゴムリボン領域の両縁部に、比較的幅寸法が小さい幅狭ゴムリボンを巻き付けて形成される幅狭ゴムリボン領域を有することにより、インナーライナー層を構成するインナーライナー部材の重量バランス及び均一性を高めることができ、良好なユニフォミティを確保することができる。
上記のように、本発明に係る空気入りタイヤでは、前記幅広ゴムリボンの幅寸法が70mm未満であり、前記幅狭ゴムリボンの幅寸法が30mm未満である。
幅広ゴムリボンの幅寸法が40mmを超えて70mm未満であることにより、タイヤ断面高さが110mm未満である空気入りタイヤの、ベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたるタイヤ内周面に配される幅広ゴムリボン領域を少ない巻き付け回数で形成して、ゴムリボンの界面を効率的に低減することができると共に、設備の大型化とユニフォミティの悪化を回避することができる。また、幅狭ゴムリボンの幅寸法が30mm未満であることにより、幅狭ゴムリボン領域を精度良く形成することができ、幅広ゴムリボンを用いながらも良好なユニフォミティを確保することができる。
また、本発明に係るインナーライナー部材の形成方法は、タイヤ断面高さが110mm未満である空気入りタイヤのタイヤ内周面に配されてインナーライナー層となるインナーライナー部材の形成方法において、幅寸法が40mmを超える幅広ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付け、タイヤ成形時に少なくともベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたって配される幅広ゴムリボン領域を形成する工程と、前記幅広ゴムリボンよりも幅寸法が小さい幅狭ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付け、前記幅広ゴムリボン領域の両縁部に続け合わされる幅狭ゴムリボン領域を形成する工程と、を備え、前記幅広ゴムリボンの幅寸法が70mm未満であり、前記幅狭ゴムリボンの幅寸法が30mm未満であるものである。
本発明に係るインナーライナー部材の形成方法によれば、幅寸法が40mmを超える比較的幅広な幅広ゴムリボンを巻き付けてなる幅広ゴムリボン領域が形成され、その幅広ゴムリボン領域はタイヤ成形時にベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたって配される。そのため、タイヤ断面高さが110mm未満の空気入りタイヤにおいて、走行時に大きな歪みが作用する領域のタイヤ内周面におけるゴムリボンの界面を低減することができ、その界面より発生するクラックを抑制することができる。また、幅広ゴムリボン領域の両縁部に比較的幅寸法が小さい幅狭ゴムリボンを巻き付けてなる幅狭ゴムリボン領域を続け合わせることにより、インナーライナー部材の重量バランス及び均一性を高めることができ、所望の断面形状を精度良く形成して良好なユニフォミティを確保することができる。
上記のように、本発明に係るインナーライナー部材の形成方法では、前記幅広ゴムリボンの幅寸法が70mm未満であり、前記幅狭ゴムリボンの幅寸法が30mm未満である。
幅広ゴムリボンの幅寸法が40mmを超えて70mm未満であることにより、タイヤ断面高さが110mm未満である空気入りタイヤの、ベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたるタイヤ内周面に配される幅広ゴムリボン領域を少ない巻き付け回数で形成して、ゴムリボンの界面を効率的に低減することができると共に、設備の大型化とユニフォミティの悪化を回避することができる。また、幅狭ゴムリボンの幅寸法が30mm未満であることにより、幅狭ゴムリボン領域を精度良く形成することができ、幅広ゴムリボンを用いながらも良好なユニフォミティを確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、タイヤ断面の一例を示す半断面図である。タイヤTは、一対のビード部1と、ビード部1から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2の各々の外周側端にショルダー部を介して連なるトレッド部3とを備える。ビード部1には、ビードワイヤの収束体である環状のビード1aと、ビード1aのタイヤ径方向外側に配されたビードフィラー1bとが配設されている。カーカス層4は、ポリエステルコード等のコードをタイヤ赤道線Cに対して略90°の角度で平行配列した少なくとも1枚のカーカスプライからなり、本実施形態では一対のビード部1の間に2枚のカーカスプライが架け渡されるように配されている。
カーカス層4のタイヤ外周側には、たが効果による補強を行うベルト層6が配設されている。ベルト層6は、コードをタイヤ周方向に平行配列した少なくとも1枚のベルトプライから構成され、本実施形態では、スチールコードがタイヤ赤道線Cに対して20°前後に傾斜した2枚のベルトプライが、その傾斜方向が互いに逆向きになるように積層されている。ベルト層6のタイヤ外周側にはベルト補強層7が配設され、更にそのタイヤ外周側にはトレッドゴム層8が配設されている。
一方、カーカス層4のタイヤ内周側には、タイヤの内圧を保持するためのインナーライナー層5が配設されている。インナーライナー層5は、帯状の未加硫ゴム組成物からなるゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより形成されたインナーライナー部材12(図2参照)からなり、幅寸法が40mmを超える幅広ゴムリボンを巻き付けて形成された幅広ゴムリボン領域10と、幅広ゴムリボンよりも幅寸法が小さい幅狭ゴムリボンを巻き付けて形成された幅狭ゴムリボン領域11とを有する。
図2(a)は、インナーライナー部材の一例を模式的に示す断面図であり、図2(b)は、そのインナーライナー部材の幅広ゴムリボン領域近傍を示す線図である。インナーライナー部材12は、所謂リボン巻き工法により形成され、幅寸法が40mmを超える幅広ゴムリボン10aをタイヤ周方向に沿って巻き付けて形成される幅広ゴムリボン領域10と、幅寸法が幅広ゴムリボン10aよりも小さい幅狭ゴムリボン11aをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けて形成される幅狭ゴムリボン領域11とを有する。
本実施形態の幅広ゴムリボン領域10は、幅広ゴムリボン10aをタイヤ周方向に沿って1周巻き付けることで形成されている。インナーライナー部材12に対して幅広ゴムリボン領域10が占める比率は、タイヤ成形時に幅広ゴムリボン領域10が少なくともベルト層6のタイヤ軸方向の外端E近傍からタイヤ断面最大幅位置Wにわたる領域20(図1参照)に配されるように設定されている。ここで、タイヤ断面最大幅位置Wとは、タイヤ子午線断面におけるタイヤプロファイルの最大幅位置を意味し、図1に示すような外側に膨出するリムプロテクタ9は考慮しないものとする。
インナーライナー部材12は、例えば図3に示す装置を用いて形成することができる。成形ドラム15は、軸16を中心としてR方向に回転可能に構成されている。ゴムリボン供給装置17は、所定の断面形状の幅広ゴムリボン10a又は幅狭ゴムリボン11aを供給する機能を有する。ゴムリボン供給装置17は、不図示の移動機構によりドラム軸方向に移動可能に構成されている。制御装置18は、成形ドラム15の回転およびゴムリボン供給装置17の移動を制御する機能を有する。
上記装置によれば、まず、成形ドラム15の外周面に幅広ゴムリボン10aの巻き付け始端を固定し、成形ドラム15をR方向に回転させて幅広ゴムリボン領域10を円筒状に形成する。次に、幅広ゴムリボン領域10の縁部に幅狭ゴムリボン11aの巻き付け始端を固定し、成形ドラム15を回転させながらゴムリボン供給装置17をドラム軸方向に移動させる。これにより、幅狭ゴムリボン11aがタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けられ、幅広ゴムリボン領域10の両縁部に続け合わされる幅狭ゴムリボン領域11を形成することができる。成形ドラム15の回転速度およびゴムリボン供給装置17のドラム軸方向の移動速度は、制御装置18により適切に調節され、所定の寸法及び断面形状を有するインナーライナー部材12が形成される。
幅広ゴムリボン10a及び幅狭ゴムリボン11aの断面形状は特に限られるものではなく、横長矩形の他に台形や三日月形など種々の形状を採用することができる。また、図4(a)(b)にそれぞれ線図で示すように、片側又は両側の幅狭ゴムリボン11aを巻き付けした後に、幅広ゴムリボン10aを巻き付けするものでも構わない。更に、幅広ゴムリボン10aを巻き付けした後に幅狭ゴムリボン11aを巻き付けする場合、幅広ゴムリボン10aの断面形状が台形であることが好ましく、これにより幅広ゴムリボン領域10の縁部に幅狭ゴムリボン11aを巻き付けやすくなって、継ぎ目の段差を抑制することができる。
タイヤTが備えるインナーライナー層5は上記インナーライナー部材12からなり、タイヤTは例えば以下の手順で製造することができる。まず、円筒状の成形ドラムの外周面に、既述の要領でインナーライナー部材12を形成する。次に、その外周側にカーカスプライを配設し、ビード1a及びビードフィラー1bをカーカスプライの端部付近に外挿する。続いて、カーカスプライの端部をビード1aを介して巻き返し、サイドウォール部2等を構成する各ゴム部材を所定位置に配設する。そして、中央部を膨らませてタイヤ形状に沿って変形させた後、トレッド部3にベルトプライを配してベルト層6及びベルト補強層7を形成し、そのタイヤ外周側にトレッドゴム部材を配してトレッドゴム層8を形成する。このとき、インナーライナー部材12はタイヤ内周面に配されてインナーライナー層5となり、幅広ゴムリボン領域10は領域20に配される。
タイヤTは、タイヤ断面高さHが110mm未満に設定されており、そのため走行中は領域20に大きな歪みが作用する。しかしながら、幅寸法が40mmを越える幅広ゴムリボン10aからなる幅広ゴムリボン領域10が配されることにより、領域20のタイヤ内周面におけるゴムリボンの界面を低減することができ、その界面より発生するクラックを抑制することができる。
幅広ゴムリボン領域10は、少なくともベルト層6のタイヤ軸方向の外端E近傍からタイヤ断面最大幅位置Wにわたる領域20に配されるものであればよいが、幅広ゴムリボン領域10の片方の縁部は、ベルト層6の外端Eからタイヤ幅方向内側15mmまでの領域に配されることが好ましい。また、他方の縁部は、タイヤ断面最大幅位置Wより少しタイヤ径方向内側に配されることが好ましい。これにより、大きな歪みが作用する領域全体に幅広ゴムリボン領域10が確実に配され、タイヤ内周面に発生するクラックをより効果的に抑制することができる。
幅広ゴムリボン10aの幅寸法は、40mmを超えて70mm未満である。これにより、領域20のタイヤ内周面に配される幅広ゴムリボン領域10を少ない巻き付け回数で形成して、ゴムリボンの界面を効率的に低減することができる。一方、幅寸法が70mm以上である場合には、設備の大型化とユニフォミティの悪化を引き起こしやすい。また、幅狭ゴムリボン11aの幅寸法は、30mm未満であり、15mmを超えて30mm未満であるものが例示される。これにより、幅狭ゴムリボン領域11を精度良く形成することができ、ユニフォミティが良好なインナーライナー部材12を精度良く形成することができる。
本実施形態のように、幅広ゴムリボン領域10が幅広ゴムリボン10aをタイヤ周方向に1周巻き付けてなる場合、幅広ゴムリボン領域10に幅広ゴムリボン10a同士の界面が形成されないため、クラックの発生がより効果的に抑制されうる。また、本発明では、各ゴムリボン10a、11aの厚み寸法は特に限られるものではないが、上記の場合には、インナーライナー部材12の厚み寸法に対応した厚み寸法を有する幅広ゴムリボン10aが用いられる。
[別実施形態]
(1)図5は、前述の実施形態と異なる方法で形成されたインナーライナー部材の、幅広ゴムリボン領域近傍を示す線図である。インナーライナー部材13は、幅広ゴムリボン領域10の両縁部だけでなく、外周にも幅狭ゴムリボン11aが巻き付けられている。このようなインナーライナー部材13は、幅広ゴムリボン10aを巻き付けて幅広ゴムリボン領域10を形成した後、(a)では幅広ゴムリボン領域10の外周から両側に向かって、(b)ではインナーライナー部材13の幅方向外側(図5では左側)から幅広ゴムリボン領域10の外周を通って、巻き付け工程を分断することなく幅狭ゴムリボン11aを連続的に巻き付けることができ、生産性を向上することができる。
かかる場合、幅広ゴムリボン領域10の外周に巻き付けられる幅狭ゴムリボン11aはタイヤ周方向に沿って螺旋状に側面を突き合わせて巻き付けられることが好ましい。これにより、幅広ゴムリボン領域10の外周において幅狭ゴムリボン11aの重なり部分が形成されず、インナーライナー部材13の重量バランスおよび均一性が高められ、ユニフォミティが良好となる。このような巻き付けは、ゴムリボン供給装置17のドラム軸方向の移動速度ないしピッチを適宜調節することにより実施することができる。
(2)前述の実施形態では、幅広ゴムリボン領域10が幅広ゴムリボン10aをタイヤ周方向に1周巻き付けてなる例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば図6に示すインナーライナー部材14のように、幅広ゴムリボン10aがタイヤ周方向に沿って螺旋状に2周以上巻き付けられるものでもよい。これにより、幅広ゴムリボン10aのタイヤ周方向のジョイント部が形成されず、耐久性を向上することができる。かかる場合、内外に積層された幅広ゴムリボン10a同士の界面は、ベルト層6の外端よりもタイヤ幅方向内側もしくはタイヤ断面最大幅位置Wよりもタイヤ径方向内側に配されることが好ましい。
本発明の効果を具体的に示すため、耐久性試験を行ったので以下に説明する。試験はJISD4230に規定する方法に従って行い、走行距離と故障との関係について調査した。テストタイヤとして、図1に示すタイヤ構造を有するタイヤサイズ205/40R17 80V(タイヤ断面高さ79mm)のタイヤを用意した。ここで、インナーライナー層を構成するインナーライナー部材が、断面矩形の幅狭ゴムリボン(幅寸法18mm、厚み1.2mm)のみからなるものを従来例とし、上記幅狭ゴムリボンと断面矩形の幅広ゴムリボン(幅寸法50mm、厚み1.5mm)とからなるものを実施例とした。実施例では、図5(a)に示すように、幅広ゴムリボン領域の外周側に幅狭ゴムリボンを巻き付ける構造とした。表1に結果を示す。
Figure 0004605706
表1に示すように、従来例では、走行距離が7000kmを越えた時点でタイヤ内周面にクラックが確認された。このクラックは、ベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたる領域のタイヤ内周面において、ゴムリボンの界面に沿って周方向に発生したものであった。一方、実施例では、走行距離が12000kmを越えた時点においてもクラック等の故障が確認されなかった。以上の結果から、実施例では、幅広ゴムリボン領域によりクラックの発生が抑制されており、従来例に比べて耐久性に優れていることがわかる。
本発明に係る空気入りタイヤを示す半断面図 インナーライナー部材の断面図及び線図 ゴムリボンの巻き付けを行う装置の構成を示す模式図 別形態に係るインナーライナー部材の幅広ゴムリボン領域近傍を示す線図 別形態に係るインナーライナー部材の幅広ゴムリボン領域近傍を示す線図 別形態に係るインナーライナー部材の幅広ゴムリボン領域近傍を示す線図
符号の説明
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス層
5 インナーライナー層
6 ベルト層
8 トレッドゴム層
10 幅広ゴムリボン領域
10a 幅広ゴムリボン
11 幅狭ゴムリボン領域
11a 幅狭ゴムリボン
12 インナーライナー部材
15 成形ドラム
17 ゴムリボン供給装置
18 制御装置

Claims (2)

  1. タイヤ断面高さが110mm未満であり、タイヤ内周面に配されるインナーライナー層が、ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けることにより形成されたインナーライナー部材からなる空気入りタイヤにおいて、
    前記インナーライナー層が、
    幅寸法が40mmを超える幅広ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付けて形成され、少なくともベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたって配された幅広ゴムリボン領域と、
    前記幅広ゴムリボンよりも幅寸法が小さい幅狭ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付けて形成され、前記幅広ゴムリボン領域の両縁部に続け合わされた幅狭ゴムリボン領域と、を有し、
    前記幅広ゴムリボンの幅寸法が70mm未満であり、前記幅狭ゴムリボンの幅寸法が30mm未満であることを特徴とする空気入りタイヤ
  2. タイヤ断面高さが110mm未満である空気入りタイヤのタイヤ内周面に配されてインナーライナー層となるインナーライナー部材の形成方法において、
    幅寸法が40mmを超える幅広ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って巻き付け、タイヤ成形時に少なくともベルト層のタイヤ軸方向の外端近傍からタイヤ断面最大幅位置にわたって配される幅広ゴムリボン領域を形成する工程と、
    前記幅広ゴムリボンよりも幅寸法が小さい幅狭ゴムリボンをタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き付け、前記幅広ゴムリボン領域の両縁部に続け合わされる幅狭ゴムリボン領域を形成する工程と、を備え、
    前記幅広ゴムリボンの幅寸法が70mm未満であり、前記幅狭ゴムリボンの幅寸法が30mm未満であることを特徴とするインナーライナー部材の形成方法。
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