JP4605645B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
また、従来、車両用シートを高さ調節自在にハイト装置を介して取付け、このハイト装置をシートベルトに所定以上の荷重が掛かったとき、ハイト装置の上下をロックするハイトロック機構を設けた構成も公知である。(特許文献2)。
この点、特開2001−163091号公報(公知例2)では、ハイト装置により上下し、シートベルトに荷重が掛かったときハイト装置をロックするハイトロック構成が、記載されている。
しかし、公知例2では、シートの上下に応じて円弧移動する係合フックを円弧状に配置した係合凹部に係合させる構成のため、シートの高さ位置によって、係合フックが係合凹部に係合する角度が相違するという課題がある。
即ち、係合フックを係合溝に係合させない移動路はハイト装置のリンクの回動方向と一致した円弧形状であり、そのため、シートベルトに掛かる荷重方向と係合フックが回動する方向が、シートの高さ位置によって、変化するのである。
また、係合フックの移動路および係合溝の配置をハイト装置のリンクの回動方向と一致させるために、取付位置が限定されるという課題がある。
また、円弧形状の係合溝を形成した部材の取付スペースおよび作動スペースが広く必要となり、ハイト装置(ハイトロック装置)が大型化する。
また、係合フックを係合溝に係合させる構成のため、一段の係合溝が大きく、係合するまでに時間を要し、その間車両シートの上下はロックされないという課題がある。
また、係合フックが係合溝に係合する方向が一方向のみであるため、作動不良を起こす可能性がある。
本願は、スペースを要せず、作動確実なハイトロック装置の提供をするものである。
本発明は、前記ラックギヤプレート55は、U型形状の一対の脚部56の間に誘導溝57を形成し、脚部56の外面にロック係合溝61を形成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記ラックギヤプレート55の誘導溝57には移動軸43を上下自在に嵌合させ、前記移動軸43には前記ロックプレート46の基部を回動自在に取付け、該各ロックプレート46の内側には夫々ロック溝50を相対峙するように形成し、前記ロックプレート46には前記ガイドプレート42に設けた誘導体52に係合する案内部49を形成し、前記誘導体52と案内部49は、前記移動軸43が挿通孔44内を上動すると、前記ロック溝50がロック係合溝61に係合するように構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記挿通孔44は、前記ロックプレート46のロック溝50を前記ロック係合溝61に継脱させるのために前記移動軸43が移動しうる長さに形成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記ガイドプレート42は、前記ラックギヤプレート55と前記ロックプレート46を挟持するように相対峙させて一対設けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記移動軸43と前記ガイドプレート42との間には、前記ロックプレート46のロック溝50がロック係合溝61から離脱するように付勢するバネ63を設けた車両用シートとしたものである。
したがって、座席シート1が何れの高さ位置にあっても、ロックプレート46の回動方向(回動方向角度)とラックギヤプレート55との相対的位置関係は変化せず、確実にロックする。
請求項1の発明では、ラックギヤプレート55の誘導溝57に移動軸43を嵌合させているので、ラックギヤプレート55とガイドプレート42とを互いに円滑に相対移動させることができ、移動軸43に、シートベルト30の端部を係止したアンカープレート41を取付けたので、シートベルト30の衝撃荷重を確実に伝達して、ロックさせることができる。
請求項2の発明では、ラックギヤプレート55に、誘導溝57とロック係合溝61とを合理的に形成することができ、しかも、ハイト装置10のリンク機構の動きとは無関係に設置でき、取付の制約を減少させ、設計の自由度を高められる。
請求項3の発明では、シートの高さ調節のときに直線状に移動するラックギヤプレート55にロックプレート46を係合させうる構成を簡単に実現でき、取付スペースおよび作動スペースを頗る小型にできる。
請求項4の発明では、ロック・アンロックの切替作動を確実にする。
請求項5の発明では、ラックギヤプレート55の上下およびロックプレート46の回動は、ガイドプレート42により案内され、作動が確実となる。
請求項6の発明では、ロック・アンロックの切替作動を確実にして、特に、シートの高さ調節の円滑・確実の目的と、シートの高さ調節の固定(ロック)の確実化との両方を両立させることができる。
ハイト装置10の構成は任意であり、一例を示すと、座席フレーム5の後側左右側両面に後側回動アーム11の一端を回動自在に上側取付軸12により軸着し、後側回動アーム11の他端を車体側プレート6に下側取付軸13により回動自在に夫々軸着する。
前記後側回動アーム11または前側回動アーム14の何れか一方を回動させるようにして、操作機構18を構成する。19はロッド、20はセクターギヤ、21はハイト作動用回動部材、22は作動用回動部材21の歯部23に噛合う歯車、24は操作ダイヤルである。
41は前記シートベルト30の端部を係止するアンカープレートであり(図1、図2)、アンカープレート41の基部は、左右(シートの着座者の着座方向を前向きとしたとき)一対のガイドプレート42に移動軸43により取付ける。移動軸43はガイドプレート42の上下中間位置に設けた挿通孔44に挿通する。移動軸43はガイドプレート42を左右に相対峙させて所定の間隔を有して保持されるようにする。ガイドプレート42は下部を固定用取付軸45により車体側プレート6に取付ける。
左右のロックプレート46の案内部49はガイドプレート42に設けた一対の誘導体52に係合させる。誘導体52と案内部49は、移動軸43が挿通孔44内の下方に位置するとき、左右のロックプレート46の間隔を広くするアンロック状態とし、移動軸43が挿通孔44内の上方に上動すると、左右のロックプレート46の間隔を狭くするロック状態に変位するように構成する。
しかして、前記左右のガイドプレート42の間には、ラックギヤプレート55を設ける。ラックギヤプレート55は前後一対の脚部56により逆U字形状に形成し、脚部56の間に縦長の直線状で下部を開放した誘導溝57を形成する。誘導溝57は前記移動軸43の外周に嵌合させ、ラックギヤプレート55は誘導溝57が移動軸43の外周に摺接して案内上下させられようにする。
ラックギヤプレート55の上部には取付孔59を設け、取付孔59を座席フレーム5に取付軸60により取付ける。
ラックギヤプレート55の側面にはロック係合溝61を形成する。ラックギヤプレート55は前記前後のロックプレート46のロック溝50の間に位置する。通常状態ではロックプレート46に対してラックギヤプレート55は自由に上下し、アンカープレート41に荷重が掛かって、移動軸43が上動すると、前後ののロックプレート46の間隔を狭くし、各ロックプレート46のロック溝50がロック係合溝61に係合してラックギヤプレート55の上動を停止(規制)させる。
また、挿通孔44は、前記ロックプレート46のロック溝50が前記ロック係合溝61に継脱するために、前記移動軸43が移動しうる上下に長い長孔に形成する。ロックプレート46の基部は挿通孔44内を上下する移動軸43により上下する。
車両用シート1に着座し、シートベルト30のタングプレート34を持って引き出し、バックル35に係合させる。
次に、操作ダイヤル24を回すと、後側作動用回動部材21がロッド19を押し引きして後側回動アーム11を回動させ、後側回動アーム11は座席フレーム5の後部を上下させ、これに連動して前側回動アーム14も回動して座席フレーム5の前部を上下させ、座席シート1(車両用シート1)全体を車体側プレート6に対して上下させる。
したがって、ロックプレート46のロック溝50はラックギヤプレート55のロック係合溝61より外側に位置してアンロック状態になっており、ラックギヤプレート55はロックプレート46に対して自由に上下し、そのため、座席フレーム5と車体側プレート6の上下間隔は変更可能となって、座席シート1の高さ調節を自由に行える。
移動軸43が上動すると、一対のロックプレート46の挿通孔51の位置が上動し、ロックプレート46が上動するとき、各二股部48の案内部49がガイドプレート42の誘導体52により案内されて互いに接近するように移動する。
ハイトロック装置40がロックすると、ハイト装置10はロックされて、座席シート1(車両用シート1)全体の上動を直ちに停止固定する。
そして、ロックプレート46のロック溝50は、ロックプレート46の上動運動を案内部49と誘導体52による挿通孔51(移動軸43)中心の回動運動に変更してロック係合溝61に係合するから、座席シート1(車両用シート1)が何れの高さ位置にあっても、ロックプレート46の回動方向とラックギヤプレート55との位置関係も変化せず、座席シート1の高さ調節しても、確実にロックする。
また、ロックプレート46のロック溝50とラックギヤプレート55のロック係合溝61との噛み合いによるロックとなるから、座席シート1の高さ位置に関わらず、瞬時にロックする。
なお、理解を容易にするために、便宜上、上下あるいは左右等の「方向」を用いて説明しているが、これによって、本願の構成が限定されることはない。
Claims (6)
- 車体側に取付けた車体側プレート6と車両用シートの座席シート1との間にリンク機構からなるハイト装置10を設けて高さ調節自在に構成し、該車両用シートには緊急時着座者を座席シート1に拘束するシートベルト30を設け、該シートベルト30の端部を係止したアンカープレート41を移動軸43に取付け、該移動軸43は前記車体側プレート6に固定状態に取付けたガイドプレート42の挿通孔44に上下自在に取付け、前記移動軸43には、前記座席シート1に取付けたラックギヤプレート55の直線状の誘導溝57を上下自在に取付け、前記移動軸43には、前記誘導溝57より外側に位置して、前記ラックギヤプレート55の直線状に形成したロック係合溝61の所定位置に係合するロック溝50を形成したロックプレート46を、一対取付けた車両用シート。
- 請求項1において、前記ラックギヤプレート55は、U型形状の一対の脚部56の間に誘導溝57を形成し、脚部56の外面にロック係合溝61を形成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、前記ラックギヤプレート55の誘導溝57には移動軸43を上下自在に嵌合させ、前記移動軸43には前記ロックプレート46の基部を回動自在に取付け、該各ロックプレート46の内側には夫々ロック溝50を相対峙するように形成し、前記ロックプレート46には前記ガイドプレート42に設けた誘導体52に係合する案内部49を形成し、前記誘導体52と案内部49は、前記移動軸43が挿通孔44内を上動すると、前記ロック溝50がロック係合溝61に係合するように構成した車両用シート。
- 請求項3において、前記挿通孔44は、前記ロックプレート46のロック溝50を前記ロック係合溝61に継脱させるのために前記移動軸43が移動しうる長さに形成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記ガイドプレート42は、前記ラックギヤプレート55と前記ロックプレート46を挟持するように相対峙させて一対設けた車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5において、前記移動軸43と前記ガイドプレート42との間には、前記ロックプレート46のロック溝50がロック係合溝61から離脱するように付勢するバネ63を設けた車両用シート。
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