JP4604333B2 - 表面品質に優れた塩化ビニル樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents

表面品質に優れた塩化ビニル樹脂シート及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面クラック等の生じない表面品質に優れたハードコート層を備えた塩化ビニル樹脂シート及びその製造方法に関する。
【0002】
なお、この明細書において、「シート」の語はシート及びフィルムの両方を含む意味で用いる。また、「溶融粘度」とは、径1mm、長さ10mmのノズルを備えた高化式フローテスターを用いて温度180℃、荷重100kgの条件にて測定されたものである。
【0003】
【従来の技術】
導電性塗装を施した熱可塑性樹脂シートは、帯電防止性能に優れることから、例えば半導体ウエハー製造補助部材などの電子部材や電気部材、あるいは間仕切り、窓枠、壁材、床材などの建築用部材として使用されている。そして、本出願人は、透明な導電性樹脂シートの製造方法として、導電性粉末を含む塗料を合成樹脂シートに塗布して硬化させた後、この塗膜を有する合成樹脂シートを加圧下に加熱する方法を提案している(特公平3−72169号公報)。この方法により、塗膜の帯電防止性を保持しつつ、塗膜の透明性と密着性(合成樹脂シートに対する)を大きく向上させることができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記導電性樹脂シートとしても、シート表面の耐擦傷性、耐摩耗性、耐溶剤性を一層向上させたものを要請される場合があるが、このような要請に対して、本出願人は、塩化ビニル系樹脂組成物からなるシート(単層)の上面に、導電性粉末を含有した光硬化性樹脂組成物を塗布して光硬化させてハードコート層を形成させた後、加圧下に加熱することによって耐擦傷性、耐摩耗性、耐溶剤性に優れた導電性樹脂シートが得られることを見出した。前記加圧下での加熱によってハードコート層と塩化ビニル系樹脂シートとの密着性を向上できる利点があるものの、一方でこの加圧下での加熱によりハードコート層表面にひび割れ等のクラックが非常に発生しやすいという問題のあることがわかった。
【0005】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、表面クラック等の表面欠陥の発生がなく表面品質に優れると共に、耐擦傷性、耐摩耗性、耐溶剤性等の表面性能に優れたハードコート層を備えた塩化ビニル樹脂シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、塩化ビニル系樹脂シートを表面層とコア層の2層積層構造とし、両者における溶融粘度をその相互関係において特定範囲に規定することによって、上記加圧下での加熱の際におけるハードコート層表面のひび割れ発生を防止できることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
【0007】
即ち、この発明に係る表面品質に優れた塩化ビニル樹脂シートは、塩化ビニル系樹脂組成物からなる表面層の上面にハードコート層が設けられ、該表面層の下面に塩化ビニル系樹脂組成物からなるコア層が加圧下での加熱により一体化されてなる塩化ビニル樹脂シートであって、前記コア層を構成する樹脂組成物の溶融粘度が前記表面層を構成する樹脂組成物の溶融粘度よりも大きく、かつその差が90Pa・s以上であることを特徴とするものである。
【0008】
表面にハードコート層が形成されているので、耐擦傷性、耐摩耗性、耐溶剤性に優れると共に、コア層の溶融粘度が表面層の溶融粘度よりも90Pa・s以上大きく設定されているから、加圧下での加熱の際の塩化ビニル樹脂シートの樹脂流れが効果的に抑制され、これにより表面のハードコート層におけるひび割れ発生等のクラック発生が防止され得て、表面品質に優れたものとなる。また、加圧下での加熱により一体化されるので、ハードコート層と塩化ビニル樹脂シート(表面層)との密着性に優れている。表面層及びコア層のいずれも塩化ビニル系樹脂組成物からなるので、シート化の際の生産性及び耐薬品性に優れている。
【0009】
表面層の厚さは0.1〜1.0mmの範囲であり、コア層の厚さは0.5mm以上であるのが好ましい。このような範囲に設定されることで、上記ハードコート層におけるクラック発生防止効果をより確実に享受できる。
【0010】
また、この発明に係る表面品質に優れた塩化ビニル樹脂シートの製造方法は、塩化ビニル系樹脂組成物からなる表面層用シートの上面に、導電性粉末を含有する光硬化性樹脂組成物を塗布して光硬化させてハードコート層を形成させた後、該ハードコート層を備えた表面層用シートの下面に、前記表面層用シートを構成する樹脂組成物の溶融粘度よりも90Pa・s以上大きい溶融粘度を有する塩化ビニル系樹脂組成物からなるコア層用シートを重ね合わせて加圧下に加熱して積層一体化することを特徴とするものである。
【0011】
ハードコート層を構成する光硬化性樹脂組成物に導電性粉末を含有せしめているので、帯電防止性に優れた塩化ビニル樹脂シートが得られる。また、ハードコート層が光硬化性樹脂組成物の光硬化により形成されるので、耐擦傷性、耐摩耗性、耐溶剤性により優れた塩化ビニル樹脂シートが得られる。また、コア層用シートの溶融粘度が表面層用シートの溶融粘度よりも90Pa・s以上大きいので、加圧下での加熱の際の塩化ビニル樹脂シートの樹脂流れを効果的に抑制することができ、これにより表面のハードコート層におけるひび割れ発生等のクラック発生を防止することができる。また、加圧下での加熱により一体化するので、ハードコート層と塩化ビニル樹脂シート(表面層)との密着性を向上させることができる。更に、ハードコート層の形成を光硬化により瞬時になし得るので、生産性に優れている。
【0012】
表面層用シートを構成する塩化ビニル系樹脂はエチレン−塩化ビニル共重合体からなるのが、グラビアコーター等でコーティングしやすく一層良好な表面肌が得られる点で、好ましい。
【0013】
また、コア層用シートを構成する塩化ビニル系樹脂は塩化ビニルの単量重合体又は塩化ビニルの単量重合体と塩素化塩化ビニル樹脂の混合物からなるのが好ましく、これによりコア層用シートの粘度制御が容易となると共に、溶融粘度が一般的に高いのでプレス時のハードコート層のクラック発生をより確実に防止できるものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明に係る表面品質に優れた塩化ビニル樹脂シートの一実施形態を図1に示す。この塩化ビニル樹脂シート(1)は、表面層(2)の上面にハードコート層(4)が設けられ、該表面層(2)の下面にコア層(3)が加圧下での加熱により一体化されたものであって、前記表面層(2)及びコア層(3)のいずれも塩化ビニル系樹脂組成物からなり、かつコア層(3)を構成する樹脂組成物の溶融粘度が表面層(2)を構成する樹脂組成物の溶融粘度よりも90Pa・s以上大きいものとなされている。このようにコア層(3)の溶融粘度が表面層(2)の溶融粘度よりも90Pa・s以上大きく設定されているから、加圧下での加熱の際の塩化ビニル樹脂シートの樹脂流れを効果的に抑制することができ、これにより表面のハードコート層(4)におけるひび割れ発生等のクラック発生を防止でき、加圧下での加熱により積層一体化するものであっても、表面品質に優れたハードコート層(4)を有する塩化ビニル樹脂シート(1)が構成される。
【0015】
前記ハードコート層(4)は、光硬化性樹脂組成物の光硬化により形成されるのが、耐擦傷性、耐摩耗性、耐溶剤性により優れたハードコート層を形成できる点で好ましいが、その他に熱硬化性樹脂の熱硬化により形成されるものであっても良い。なお、このハードコート層(4)の構成樹脂として熱可塑性樹脂を用いると耐摩耗性、耐溶剤性に劣るものとなるので、採用できない。
【0016】
前記表面層(2)の厚さは0.1〜1.0mmの範囲であって、かつコア層(3)の厚さが0.5mm以上であるのが、上記ハードコート層(4)におけるひび割れ発生防止効果をより確実に享受できるものとなる点で、好ましい。
【0017】
この発明の塩化ビニル樹脂シート(1)の製造方法を、ハードコート層(4)形成用樹脂として導電性粉末を含有した光硬化性樹脂組成物を用いる場合を例にとって説明する。
【0018】
まず、塩化ビニル系樹脂組成物からなる表面層用シート(12)の上面に、導電性粉末を含有した光硬化性樹脂組成物を塗布した後、光硬化させてハードコート層(4)を形成させる。
【0019】
この表面層用シート(12)を構成する樹脂としては、塩化ビニル系樹脂を用いる必要があり、この塩化ビニル系樹脂としては、特に限定されず、塩化ビニルの単量重合体、または塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等との共重合体を使用でき、これらは単独でも2種以上の混合物でも使用できる。中でも、表面層用シート(12)を構成する樹脂としてはエチレン−塩化ビニル共重合体を用いるのが、グラビアコーター等のコーターでコーティングしやすく一層良好な表面肌が得られる点で、好ましい。
【0020】
表面層用シート(12)を構成する樹脂としてエチレン−塩化ビニル共重合体を用いる場合には、その平均重合度は600〜1400の範囲であるのが好ましい。重合度が600未満では耐熱性が低下してコーティング時にシートが軟化してしまって波打ちが発生しやすくなるので、好ましくない。一方重合度が1400を超えるとカレンダーによるシート成形時に溶融粘度が高いものとなって表面肌の良好な外観が得られず、その結果光硬化性樹脂組成物の塗布時にその膜厚が均一になり難く塗布むらが発生しやすくなるので好ましくない。
【0021】
また、上記エチレン−塩化ビニル共重合体におけるエチレン含有量は、1〜10重量%の範囲であるのが好ましい。1重量%未満では塩化ビニル樹脂に近い性質を有し、その内部可塑化作用が不十分であり、流動性が低くなり、コア層(3)との溶融粘度差90Pa・s以上を確保するのが困難となってハードコート層(4)にクラック発生を生じ易くなる。一方10重量%を超えると、耐熱性が低下してコーティング時にシートが軟化し、波打ちが発生しやすくなるので好ましくない。
【0022】
前記表面層用シート(12)を構成する塩化ビニル系樹脂組成物中には、アクリル系加工助剤を添加するのが、表面肌を一層向上できる点で、好ましい。このアクリル系加工助剤の添加量は、表面層用シート(12)を構成する塩化ビニル系樹脂100重量部に対して1〜5重量部とするのが好ましい。
【0023】
前記光硬化性樹脂組成物は、通常、光硬化性樹脂、光重合開始剤を含有してなり、本実施形態では更に導電性粉末を含有する。
【0024】
導電性粉末としては、導電性を付与し得るものであれば特に限定されず、例えば酸化スズ、或いは酸化スズにアンチモン、リン、フッ素、亜鉛、テルル、ビスマス、カドミウム等を1種または2種以上ドープした粉末、或いは酸化インジウムにスズ等をドープした粉末、その他に酸化チタン系粉末、酸化亜鉛系粉末、導電性金属粉末などが挙げられる。
【0025】
前記導電性粉末の粒径は0.4μm以下とするのが好ましい。0.4μmを超えると、塩化ビニル樹脂シート(1)の透明性が低下するので好ましくない。
【0026】
また、導電性粉末の配合量は、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して40〜200重量部とするのが好ましい。40重量部未満ではハードコート層(4)の導電性が低下して十分な帯電防止性能を確保できなくなるので、好ましくない。一方、200重量部を超えると、得られる塩化ビニル樹脂シート(1)の透明性が低下するし、耐擦傷性も低下するので、好ましくない。
【0027】
前記光硬化性樹脂は、電子線、紫外線等を照射することにより硬化させることのできる樹脂であり、一般に光重合性プレポリマーと光重合性モノマーの混合系が用いられる。中でも、骨格中にアクリロイル基を有するものは、該アクリロイル基が電子線、紫外線等の照射によりラジカル連鎖重合するので、硬化速度が非常に速く、また樹脂設計の自由度が大きいという利点がある。
【0028】
前記光重合性プレポリマーとしては、特に限定されるものではないが、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有するアクリル系プレポリマーを用いるのが好ましく、具体的にはウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
【0029】
前記光重合性モノマーは、主に、高粘度の光重合性プレポリマーを希釈して粘度を低下させ、作業性を向上させるために用いられるものであり、特に限定されるものではないが、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、1、6−ヘキサンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールアクリレート等の2官能アクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能アクリルモノマー等が挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。
【0030】
前記光重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えばソジウムメチルジチオカーバメイトサルファイド、ジフェニルモノサルファイド等のサルファイド類、チオキサントン、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。光重合開始剤の配合量は、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部とするのが好ましい。0.1重量部未満ではハードコート層(4)において十分な表面硬度が得られなくなるので、好ましくない。一方10重量部を超えると表面側での硬化が主となってしまってハードコート層(4)の内部まで十分に硬化しなくなるので、好ましくない。
【0031】
前記光硬化性樹脂組成物には、更に有機溶媒が配合されていても良く、このような有機溶媒としては、前記塩化ビニル系樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン等が挙げられ、これらは単独でも2種以上の混合物でも使用できる。
【0032】
上記有機溶媒の配合量は、特に限定されないが、基材である塩化ビニル樹脂シート(表面層)への塗布性を良好にすべく、通常光硬化性樹脂組成物の全量に対して50〜200重量%の割合で配合される。
【0033】
前記光硬化性樹脂組成物には、光硬化性樹脂、光重合開始剤、導電性粉末、有機溶媒の他に、諸性質の向上を目的として、紫外線吸収剤、安定剤、無機充填剤などの各種添加剤を配合しても良く、また所望の色彩を付与すべく染料、顔料等の着色剤を配合しても良い。
【0034】
前記光硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定されるものではないが、例えばロールコーター法、スプレー法、グラビア印刷法、オフセット印刷法等が挙げられる。
【0035】
次に、上記のようにしてハードコート層(4)が形成された表面層用シート(12)の下面に、前記表面層用シート(12)を構成する樹脂組成物の溶融粘度よりも90Pa・s以上大きい溶融粘度を有する塩化ビニル系樹脂組成物からなるコア層用シート(13)を重ね合わせてこれらを加圧下に加熱する。コア層用シート(13)の溶融粘度が表面層用シート(12)の溶融粘度よりも90Pa・s以上大きいので、加圧下での加熱の際の塩化ビニル樹脂シートの樹脂流れを効果的に抑制することができ、ひいては表面のハードコート層(4)におけるひび割れ発生等のクラック発生を防止することができる。中でも、コア層用シート(13)の溶融粘度は、表面層用シート(12)の溶融粘度よりも90〜1500Pa・s大きくなるように設計されているのが、好ましい。
【0036】
前記コア層用シート(13)を構成する樹脂としては、塩化ビニル系樹脂を用いる必要があり、この塩化ビニル系樹脂としては、特に限定されず、塩化ビニルの単量重合体、または塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等との共重合体を使用でき、これらは単独でも2種以上の混合物でも使用できる。中でも、コア層用シート(13)を構成する樹脂としては、塩化ビニルの単量重合体又は塩化ビニルの単量重合体と塩素化塩化ビニル樹脂の混合物を用いるのが、溶融粘度が一般的に高いのでプレス時のハードコート層のクラック発生をより確実に防止できる点で、好ましい。
【0037】
加圧下における加熱は、通常、熱盤プレス、加熱ロールプレス等を用いて行われる。熱盤プレスの場合には通常鏡面板間で挟圧し、一方加熱ロールプレスの場合には通常鏡面ロール間で挟圧する。
【0038】
また、加熱の温度は150〜190℃とするのが好ましい。150℃未満ではコア層(3)の軟化が不十分となってコア層(3)と表面層(2)との積層性(密着性)が低下するので好ましくないし、一方190℃を超えるとコア層(3)を構成する樹脂組成物の粘度が低下しすぎてハードコート層(4)にクラックが入りやすくなるので好ましくない。
【0039】
また、加圧の圧力は、熱盤プレス法や加熱ロールプレス法にて行う場合には300〜4000kPaとするのが好ましい。300kPa未満ではコア層(3)と表面層(2)との積層性(密着性)が低下するので好ましくないし、一方4000kPaを超えると、圧力が高くなり過ぎてハードコート層(4)にクラックが入りやすくなるので好ましくない。
【0040】
なお、上記加圧加熱処理後において、ハードコート層(4)の厚さは2〜10μmの範囲になっているのが好ましい。2μm未満ではハードコート層(4)の導電性が十分に得られず帯電防止性能が低下するので好ましくない。一方10μmを超えると、塩化ビニル樹脂シート(1)としての透明性が低下するので好ましくない。
【0041】
上記製造方法で製造された塩化ビニル樹脂シート(1)は、ハードコート層に導電性粉末が含有されているので帯電防止性に優れており、従って帯電防止性が要求される電子部材や電気部材、あるいは間仕切り、窓枠、壁材、床材などの建築用部材として好適に使用されるが、特にこれらの用途に限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0043】
<実施例1>
エチレン−塩化ビニル共重合体(エチレン含有量5重量%、平均重合度700)100重量部と、マレート系安定剤3重量部と、滑剤0.5重量部と、アクリル系加工助剤3重量部とからなる組成物をカレンダー成形することにより、厚さ0.1mmの表面層用シート(12)を得た。この表面層用シート(12)の溶融粘度は2000Pa・sであった。
【0044】
また、塩化ビニルの単量重合体(平均重合度700)100重量部と、メルカプト系安定剤3重量部と、滑剤0.2重量部とからなる組成物をカレンダー成形することにより、厚さ0.5mmのコア層用シート(13)を得た。このコア層用シート(13)の溶融粘度は2100Pa・sであった。
【0045】
一方、アロニックスUV−3700(東亜合成化学社製)100重量部と、平均粒径0.2μmの酸化アンチモンをドーピングした導電性酸化スズ50重量部と、メチルエチルケトン100重量部と、トルエン120重量部とからなる組成物をロールコーターにより前記表面層用シート(12)の上面に塗布した後、これに3KW高圧水銀灯により紫外線を3000mJ/cm2の光量で照射して光硬化させ、厚さ5μmの導電性ハードコート層(4)を形成させた(図2(イ)参照)。
【0046】
次に、図2(ロ)に示すように、前記コア層用シート(13)の上面側に、ハードコート層(4)を上面に備えた表面層用シート(12)を配置し、これらを上下一対の鏡面板(6)(7)の間に配置した。この状態で、上下一対の熱盤(8)(9)によって圧力3000kPa、温度170℃で30分間挟圧した後、冷却し、一対の熱盤(8)(9)を開いて塩化ビニル樹脂シート(1)を取り出した。なお、上部鏡面板(6)の下面にはクロムメッキが施されている。
【0047】
<実施例2〜5、比較例1、2>
表面層用シートおよびコア層用シートの組成等の諸条件を表1に示す通りに設計した以外は、実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂シート(1)を得た。
【0048】
【表1】
Figure 0004604333
【0049】
<試験方法および評価方法>
上記のようにして作製された各シートに対し、下記試験法に従い、評価を行った。
【0050】
A.表面抵抗値試験法
JIS K6911に準拠して測定した。
【0051】
B.表面品質評価法
シートにおけるハードコート層の外観を下記判定基準に基づき判定した
(判定基準)
○…ひび割れ等のクラック発生が全くない
△…ひび割れ発生が殆どない
×…ひび割れ発生が多い
【0052】
表1から明らかなように、実施例1〜5の塩化ビニル樹脂シートは、ひび割れ等のクラック発生が全くないハードコート層が形成されていると共に、帯電防止性に優れていた。
【0053】
これに対し、この発明の規定範囲を逸脱する比較例1、2の塩化ビニル樹脂シートは、ハードコート層にひび割れ発生が多く、表面品質に劣っていた。
【0056】
【発明の効果】
請求項の製造方法によれば、耐擦傷性、耐摩耗性、耐溶剤性及び帯電防止性により優れた塩化ビニル樹脂シートを製造できる。また、コア層用シートの溶融粘度が表面層用シートの溶融粘度よりも90Pa・s以上大きいので、加圧下での加熱の際の塩化ビニル樹脂シートの樹脂流れを効果的に抑制することができ、ハードコート層におけるひび割れ発生等のクラック発生を防止することができて表面品質に優れたものを製造できる。また、加圧下での加熱により一体化するので、ハードコート層と塩化ビニル樹脂シート(表面層)との密着性に優れたものを製造できる。更に、ハードコート層の形成を光硬化により瞬時に行うことができるので、生産性にも優れている。
【0057】
請求項の製造方法によれば、表面層においてより一層良好な表面肌を形成できると共に、クラック発生を確実に防止できて表面品質に一層優れたものを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る塩化ビニル樹脂シートを示す断面図である。
【図2】この発明の製造方法の概略の一例を示す断面図であり、(イ)は光硬化によりハードコート層を形成した状態を、(ロ)は更にコア層用シートを重ね合わせて加圧加熱する状態を示す。
【符号の説明】
1…塩化ビニル樹脂シート
2…表面層
3…コア層
4…ハードコート層
12…表面層用シート
13…コア層用シート

Claims (2)

  1. 塩化ビニル系樹脂組成物からなる表面層用シートの上面に、導電性粉末を含有する光硬化性樹脂組成物を塗布して光硬化させてハードコート層を形成させた後、該ハードコート層を備えた表面層用シートの下面に、前記表面層用シートを構成する樹脂組成物の溶融粘度よりも90Pa・s以上大きい溶融粘度を有する塩化ビニル系樹脂組成物からなるコア層用シートを重ね合わせて加圧下に加熱して積層一体化することを特徴とする表面品質に優れた塩化ビニル樹脂シートの製造方法。
  2. 前記表面層用シートを構成する塩化ビニル系樹脂がエチレン−塩化ビニル共重合体からなり、前記コア層用シートを構成する塩化ビニル系樹脂が塩化ビニルの単量重合体又は塩化ビニルの単量重合体と塩素化塩化ビニル樹脂の混合物からなる請求項に記載の表面品質に優れた塩化ビニル樹脂シートの製造方法。
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