JP4603813B2 - 昇降収納キャビネット - Google Patents

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Description

本発明は昇降収納キャビネット、特に昇降収納体が手動で昇降操作される手動操作式の昇降収納キャビネットに関する。
システムキッチン等に配設され、例えば食器等を収納するキャビネットには、該食器等を収納する収納体が、該収納体を格納し、かつ天井あるいは壁に取り付けられる上部ケースに対して、移動可能とされるものが知られている。このようなキャビネットは、キャビネットに収納される食器等の収納物を取り出すときに、収納物を取り出しやすい位置に収納体を移動させるようにするとともに、収納物を使用しないときには、ユーザーの邪魔とならないスペースに収納体を配置させておくことで、広いスペースを有効的に活用することができる。一般的には、ユーザーが作業するシンク等の上方の壁面に上部ケースを固定しておき、収納体を取り出すときには、該収納体を手動操作により下降させてユーザーが収納物を取出しやすいようにしている。
そして、多くの手動操作式の昇降収納キャビネットでは、昇降収納体を上方位置側に付勢するばね材等を備え、昇降収納体の上昇時に操作力(昇降収納体を引き上げる力又は押し上げる力)を軽減し、下降時に円滑操作できるようなバランス力(反力、戻し力、付勢力ともいう)を発生する昇降バランス機構が配置されている。また、そのようなバランス力の大きさを昇降収納体の積載荷重に応じて切り換えるバランス力調整機構を設けることによって、操作力を積載荷重にかかわらず一定にする試みもなされている(特許文献1,2参照)。
特開2000−217647号公報 特許第3370631号公報
ところが、これらの従来技術では、昇降収納体の昇降方向左右両側に平行リンク等のアーム部材がそれぞれ設置されているので、上記した昇降バランス機構やバランス力調整機構もアーム部材毎に左右両側に配置する必要がある。そのため、昇降バランス機構やバランス力調整機構が各一対必要となって部品点数が増加したり、組立時にバランス力が左右均等になるように調整する工程が必要となって製造コストが増加したりするおそれがある。また、昇降バランス機構やバランス力調整機構の取付位置が制約されたり、昇降収納体の収納量が小さくなったりするおそれもある。
一方、これらの従来技術では、バランス力調整機構によるバランス力の切り換え操作は、実質的に昇降収納体の上昇時においてのみ可能とされている。そのため、非力なユーザーの場合、積載荷重が大となった昇降収納体をバランス力小の状態で下降位置から上昇位置まで持ち上げ(又は押し上げ)ることができず、バランス力切換操作が行えなくなるおそれがある。さらに、左右のバランス力調整機構が同位置に切り換え操作されていないとバランス力が左右で不均一になり、昇降収納体が傾いたりして円滑に移動できなくなるおそれもある。
本発明の第一の課題は、上部ケースの天井空間に昇降バランス機構を配置することにより、構造簡素で安価かつ操作性に優れた昇降収納キャビネットを提供することにある。また、本発明の第二の課題は、上部ケースの天井空間に昇降バランス機構とバランス力調整機構とを配置することにより、構造簡素で安価かつ操作性に優れた昇降収納キャビネットを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記第一の課題を解決するために、本発明の前提となる昇降収納キャビネットは、
基準壁面に対して固定的に設置され下方に開口を有する上部ケースと、その上部ケースの内側に少なくとも一部が収納される第一位置とその第一位置よりも下方に位置する第二位置との間で昇降可能に設けられた昇降収納体と、を有する昇降収納キャビネットであって、
前記上部ケースと前記第一位置にある昇降収納体との間に形成される当該上部ケースの天井空間内に、前記昇降収納体の昇降時の操作力を軽減するためのバランス力を発生する昇降バランス機構が配置される場合がある
また、上記第一の課題を解決するために、本発明の昇降収納キャビネットの具体的態様は、
基準壁面に対して固定的に設置され下方に開口を有する上部ケースと、その上部ケースの内側に少なくとも一部が収納される第一位置とその第一位置よりも下方に位置する第二位置との間で昇降可能に設けられた昇降収納体と、を有する昇降収納キャビネットであって、
前記上部ケースと前記第一位置にある昇降収納体との間に形成される当該上部ケースの天井空間内には、前記昇降収納体を前記第一位置側に付勢するための回動付勢部材により前記上部ケースの天井壁内面に沿って回動する回動アームによって、前記昇降収納体の昇降時の操作力を軽減するためのバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構が配置され
前記昇降バランス機構には、基端部を中心に回動する前記回動アームの先端部に支持された回転体と、その回転体に巻き回されるとともに、少なくとも一端が前記昇降収納体に取り付けられた巻掛部材とが配置され、
前記回転体は前記回動アームに一対取り付けられるとともに、各々の回転体には前記巻掛部材が個別に巻き回され、
各巻掛部材は、その一端が前記上部ケースの天井壁内面に固定され、他端が前記昇降収納体の昇降方向左外側面又は右外側面に振り分けて固定されていることを特徴とする。
これらの昇降収納キャビネットによれば、上部ケースの天井空間を有効利用して、昇降収納体の昇降時(特に上昇時)の操作力を軽減するためのバランス力(反力、戻し力)又はバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構を配置することにより、構造簡素で安価な構造とすることができる。また、昇降バランス機構が上部ケースの天井空間内に配置されるため昇降収納体の昇降操作を阻害しにくく、昇降収納体の操作性に優れた昇降収納キャビネットとなる。
そして、上部ケースの天井壁内面に沿って回動する回動アームによって昇降バランス機構のバランス力モーメントを発生する場合には、回動アームも上部ケースの天井空間に収納される。したがって、回動アームは、昇降収納体を第一位置(上昇位置)側に付勢するための付勢力(バランス力)を生じる回動付勢部材により天井壁内面に沿って回動されるので、昇降収納体の昇降方向左右両側に平行リンク等のアーム部材を設置する場合等に比して、回動アームの設置スペースを要せず、また昇降収納体の第二位置(下降位置)側においてユーザー側に広いスペースを要しない。なお、回動付勢部材として、ばね鋼製・青銅製等の金属ばね、ゴム製・合成樹脂製等の非金属ばね、空気・オイル等を利用する流体ばね等の弾性部材が通常用いられ、特に引張コイルばね、ねじりコイルばね等の金属ばねがよく用いられる。
この昇降収納キャビネットの昇降バランス機構には、基端部を中心に回動する回動アームの先端部に支持された回転体(プーリ、ローラ等)と、その回転体に巻き回されるとともに、少なくとも一端が昇降収納体に取り付けられた巻掛部材(ロープ、ワイヤ、ベルト、チェン等)とを配置することができる。昇降バランス機構の伝動部分に回転体と巻掛部材とを用いることによって、昇降収納キャビネットをさらに簡素で安価に構成することができる。
その際、回転体を回動アームに一対取り付けるとともに、各々の回転体には巻掛部材を個別に巻き回し、各巻掛部材の一端を上部ケースの天井壁内面に固定し、他端を昇降収納体の昇降方向左外側面又は右外側面に振り分けて固定してもよい。回動アームの回動につれて、各回転体は対応する巻掛部材に対して動滑車として移動することになるので、昇降収納体の第一位置と第二位置との間のストロークを大きくとることができる。
また、回動アームと上部ケースとの間には、回動付勢部材とは別に、昇降収納体を第一位置側に常時付勢して操作力を軽減するための副回動付勢部材を配置する場合がある。昇降収納体を第一位置側に付勢する付勢力(バランス力)を生じ操作力を軽減するために、上記回動付勢部材に加えてさらに副回動付勢部材を設けることによって、一層操作力を軽減できるとともに、回動アームの回動範囲全体にわたってバランス力(バランス力モーメント)の均一化を図ることができる。なお、回動付勢部材と同様に、副回動付勢部材には上記した弾性部材等を用いることができる。
さらに、回動付勢部材を、回動アームと上部ケースとの間に取り付けるとともに、上部ケースに対する取付位置の異なる複数のばね(例えば引張コイルばね)で構成し、回動アームとばねとのなす角度をばね毎に異ならせて、回動アームの回動角に応じて各ばねのバランス力(付勢力)分担割合を変化させる場合がある。昇降収納体を第一位置側に付勢する付勢力(バランス力)を生じ操作力を軽減するために、回動付勢部材を取付角度の異なる複数のばねで構成することによって、一層操作力を軽減できるとともに、回動アームの回動範囲全体にわたってバランス力(バランス力モーメント)の均一化を図ることができる。
次に、上記第二の課題を解決するために、本発明の前提となる昇降収納キャビネットは、
基準壁面に対して固定的に設置され下方に開口を有する上部ケースと、その上部ケースの内側に少なくとも一部が収納される第一位置とその第一位置よりも下方に位置する第二位置との間で昇降可能に設けられた昇降収納体と、を有する昇降収納キャビネットであって、
前記上部ケースと前記第一位置にある昇降収納体との間に形成される当該上部ケースの天井空間内には、前記昇降収納体を前記第一位置側に付勢するための回動付勢部材により前記上部ケースの天井壁内面に沿って回動する回動アームによって、前記昇降収納体の昇降時の操作力を軽減するためのバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構と、その昇降バランス機構で発生するバランス力モーメントの大きさを調節又は切換するためのバランス力調整機構と、が配置される場合がある
また、上記第二の課題を解決するために、本発明の昇降収納キャビネットの具体的態様は、
基準壁面に対して固定的に設置され下方に開口を有する上部ケースと、その上部ケースの内側に少なくとも一部が収納される第一位置とその第一位置よりも下方に位置する第二位置との間で昇降可能に設けられた昇降収納体と、を有する昇降収納キャビネットであって、
前記上部ケースと前記第一位置にある昇降収納体との間に形成される当該上部ケースの天井空間内には、
前記昇降収納体を前記第一位置側に付勢するための回動付勢部材により前記上部ケースの天井壁内面に沿って回動する回動アームと、前記昇降収納体を前記第一位置側に付勢するための補助付勢部材により前記回動アームに係合してその回動アームとともに回動可能な補助アームとによって、前記昇降収納体の昇降時の操作力を軽減するためのバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構と、
前記補助アームと前記回動アームとの係合位置の調節に基づいて、前記回動付勢部材の付勢力モーメントに付加する前記補助付勢部材の付勢力モーメントの大きさを調節することにより、前記昇降バランス機構で発生するバランス力モーメントの大きさを調節又は切換するためのバランス力調整機構と、
が配置されることを特徴とする。
これらの昇降収納キャビネットによれば、上部ケースの天井空間を有効利用して、昇降収納体の昇降時(特に上昇時)の操作力を軽減するためのバランス力(反力、戻し力)又はバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構と、昇降バランス機構で発生するバランス力(バランス力モーメント)の大きさを調節又は切換するためのバランス力調整機構とを配置することにより、構造簡素で安価な構造とすることができる。また、昇降バランス機構及びバランス力調整機構が上部ケースの天井空間内に配置されるため昇降収納体の昇降操作を阻害しにくく、昇降収納体及びバランス力調整機構の操作性に優れた昇降収納キャビネットとなる。
そして、上部ケースの天井壁内面に沿って回動する回動アームと、回動アームに係合して回動アームとともに回動可能な補助アームとによって、昇降バランス機構のバランス力モーメントを発生する場合には、回動アーム及び補助アームも上部ケースの天井空間に収納される。したがって、回動アームは、昇降収納体を第一位置(上昇位置)側に付勢するための付勢力(バランス力)を生じる回動付勢部材及び補助付勢部材により天井壁内面に沿って回動されるので、昇降収納体の昇降方向左右両側に平行リンク等のアーム部材を設置する場合等に比して、回動アーム及び補助アームの設置スペースを要せず、また昇降収納体の第二位置(下降位置)側においてユーザー側に広いスペースを要しない。なお、回動付勢部材と同様に、補助付勢部材には上記した弾性部材等を用いることができる。
この昇降収納キャビネットにおいて、補助アームの一端側に、上部ケースに固定された固定壁に接触しつつその固定壁に沿って移動可能な第一接触体を保持させ、補助アームの他端側に、回動アームと一体回動する回動壁に接触しつつその回動壁に沿って移動可能な第二接触体を取り付け、バランス力調整機構では、第一接触体と固定壁との接触位置及び第二接触体と回動壁との接触位置を移動させることにより、補助アームと回動アームとの係合位置の調節を行うことができる。このように、第一接触体及び第二接触体を移動させることにより、補助アームと回動アームとの係合位置調節を行うことができ、この係合位置調節によってバランス力モーメントの大きさを調節・切換できるので、バランス力調整機構の操作性が向上する。
その際、第一接触体は固定壁に沿うスライド移動のみ可能とされ、第二接触体は回動壁に沿うスライド移動と補助アームと一体となった回動とが可能とされ、回動アーム側の回動壁は、昇降収納体が第二位置にあるときに上部ケース側の固定壁とほぼ平行状となることが望ましい。これによって、昇降収納体が第二位置すなわち下降位置にあるときに平行状となった回動壁と固定壁とに沿って、補助アームの第一接触体及び第二接触体をスライド移動させれば、補助アームと回動アームとの係合位置調節を行うことができる。したがって、昇降収納体の積載荷重が大きいときでも第二位置(下降位置)においてバランス力モーメントの調節・切換ができ、第一位置(上昇位置)への持ち上げ(押し上げ)が楽に行える。
さらに、補助付勢部材としてのばね(例えばねじりコイルばね)の一端を補助アームに固定し、その他端を補助アームの回動中心をなす補助回動軸に固定し、第一接触体が取り付けられ固定壁に沿うスライド移動のみ可能なスライド体に補助回動軸を回動不能に保持するとよい。これによって、回動アーム及び補助アームの回動を妨げることなく、バランス力調整機構を昇降バランス機構にコンパクトに組み込むことができる。
また、昇降収納体の底部には、バランス力調整機構に連結され、少なくとも昇降収納体が第二位置にあるときに補助アームと回動アームとの係合位置調節を可能とするバランス力調整操作部材を配置することができる。バランス力調整操作は、昇降収納体が第二位置にあるときにバランス力調整操作部材により行えばよいので、バランス力調整機構の操作性が一層向上する。
(実施例1)
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の昇降収納キャビネットの一実施形態を示すものである。図1に示すように、昇降キャビネット1は、後背面2b側が基準壁面10(図2参照)に固定される上部ケース2と、上部ケース2に対して昇降可能とされる昇降収納体3とを有する。さらに、上部ケース2の内側面2aにはガイド手段4が固定されており、ガイド手段4の軌跡に沿って、昇降収納体3が昇降可能とされている。さらに、昇降収納体3は、基準壁面10側(上部ケース2の後背面2b側)に最も近い上端から、ガイド手段4に案内されて、上部ケース2の後背面2b側から漸次離間するように斜め前方に斜行降下する。
図2は、昇降収納キャビネット1の側方(右側面)からの投影図であり、図3は、昇降収納キャビネット1の前方(正面)からの投影図である。これらの投影図では、昇降収納キャビネット1の内部に取り付けられる部材も図示されている。図2及び図3を用いて、昇降収納キャビネット1をさらに詳細に説明する。まず、図2に示すように、昇降収納キャビネット1は、システムキッチンの一部として、キッチン内に取り付けられ、食器等を収納するために活用されるものである。昇降収納キャビネット1は、調理等の作業が行なわれるシンク20の上方に、その後背面2bが基準壁面10に取り付けられる形態で固定されて使用される。このとき、昇降収納キャビネット1が取り付けられる位置としては、キッチン内、特にシンク20上で作業するときに、ユーザーPの邪魔とならないような位置に通常取り付けられる。
前述の通り、昇降収納キャビネット1は、その内部に収納物を収納するための昇降収納体3と、自身の後背面2b側がキッチンの壁面(基準壁面)10に固定される上部ケース2とを有する。上部ケース2の、昇降収納体3の外側面3aと対向する内側面2a(図3参照)にガイド手段4が固定されている。本実施の形態においては、ガイド手段4はガイドレールである。ガイドレール4は、該ガイドレール4が固定されている上部ケース2の内側面2aを側面視した図2において、基準壁面10の上部から下部に移行するに従って、その基準壁面10から遠ざかるように前方に傾斜する形態にて、すなわち、ガイドレール4の上端4aよりも下端4bのほうが昇降キャビネット1の前方側(ユーザーP側)に位置するように固定されている。一方、昇降収納体3の外側面3a(図3参照)には、ガイドレール4に対してスライド可能な形態でスライド部材5が固定されている。本実施の形態においては、スライド部材5は可動ブラケットである。
可動ブラケット5は、ガイドレール4が形成されている軌跡に沿ってスライドし、可動ブラケット5とともに、可動ブラケット5が固定されている昇降収納体3が、ガイドレール4の軌跡に沿って昇降可能となる。なお、ガイドレール4は、上端4aから下端4bに向かって直線状に形成されている。これにより、昇降収納体3が上部ケース2に対して、内側に収納される第一位置(上昇位置)と下方に位置する第二位置(下降位置)との間で直線移動することになる。
図2には、昇降収納体3が、基準壁面10に対して最も接近した上端の第一位置と、基準壁面10から最も遠ざかる下端の第二位置とに位置している状態を示している。実線で示した昇降収納体3の位置が第一位置であり、破線で示した昇降収納体3の位置が第二位置である。図2に示すように、昇降収納体3が第二位置に降下した場合、昇降収納キャビネット1の下方のスペースを有効的に活用することができる。すなわち、昇降収納体3が第二位置に降下したとき、昇降収納体3の後方と、基準壁面10との間にかなりのスペースが形成される。そのため、例えば、オタマ21等の調理用器具を、上部ケース2の下方のキッチンの壁面(基準壁面)10に、例えば吊り下げる形態で配置しておくことができる。さらに、キッチンの壁面(基準壁面)10から遠ざかるように、昇降収納体3が降下する結果、キッチンにて作業を行うユーザーPの側に近づく形で、昇降収納体3が降下することになる。そのため、ユーザーPが、昇降収納体3に収納されている、例えば食器等の収納物を取り出す際に、基準壁面10側にまで手を伸ばす必要がなく、ユーザーPが快適に調理等の作業を行うことができる。なお、16はユーザーPが昇降収納体3を第一位置と第二位置との間で昇降操作するための把手である。
図1に戻り、この昇降収納キャビネット1の上部ケース2と第一位置(上昇位置;図2参照)にある昇降収納体3との間に形成される上部ケース2の天井空間S内に、昇降収納体3の昇降時(特に上昇時)の操作力を軽減するためのバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構30が配置されている。バランス力モーメントは、主として、昇降収納体3を第一位置側に付勢するためのバランス力(付勢力、戻し力、反力、ばね力)を生じる複数(ここでは2本)の引張コイルばね311,312(回動付勢部材)により上部ケース2の天井壁2c(天板)内面に沿って基端部の回動軸31aを中心に回動する回動アーム31によって発生する。
回動アーム31の中途部と上部ケース2の天井壁2cとの間には、引張コイルばね311,312とは別に、昇降収納体3を第一位置(上昇位置)側に常時付勢するためのバランス力(付勢力、戻し力、反力、ばね力)を生じて操作力を軽減するためのガススプリング32(副回動付勢部材)が配置されている。バランス力モーメントは、付加的に、このガススプリング32により回動軸31aを中心に回動する回動アーム31によっても発生する。なお、ガススプリング32は、先端部が支軸31eにより回動アーム31の中途部に取り付けられている。
回動アーム31の先端部には一対のプーリ33L,33R(回転体)が支持軸31b(図4参照)に支持され、各プーリ33L,33Rにはロープ35L,35R(巻掛部材)が個別に巻き回されている。このうち、左側のロープ35Lは、その始端が上部ケース2の天井壁2c内面に固着された固定ピン36に固定され、プーリ33L及び遊動ローラ34a,34bを経た後、終端が昇降収納体3の昇降方向左側の外側面3aに固着された固定ピン37Lに固定されている。一方、右側のロープ35Rは、その始端が上部ケース2の天井壁2c内面に固着された固定ピン36に固定され、プーリ33R及び遊動ローラ34a,34b,34c,34d,34eを経た後、終端が昇降収納体3の昇降方向右側の外側面3aに固着された固定ピン37Rに固定されている。そして、回動アーム31が回動すると、各プーリ33L,33Rは対応するロープ35L,35Rに対して動滑車として移動することになるので、昇降収納体3の第一位置と第二位置との間のストロークを大きくとることができる。
再び図2において、上部ケース2の前面には、昇降収納体3の前面を覆うための前壁としての扉18が取り付けられている。扉18は、扉18の上端部18aが上部ケース2の天板2cの前端面に連結され、かつ上端部18a側を支点として、上部ケース2とは反対側に回動可能な形態に取り付けられている。なお、扉18の上端部18aと、上部ケース2の天板2cの前端部とは、スライド蝶番17により連結されており、扉18には、上部ケース2に対して反対側に回動したときに、上部ケース2側に回動しようとする復元力(弾性力)が常に働いているものとすることができる。そして、昇降収納体3は、昇降収納体3が第一位置から第二位置に移動する間、常に扉18の上部ケース2側の側面18bに接触し、昇降収納体3が降下するに従って、扉18を前方(上部ケース2に対して反対側)に押す前壁作用部材としてのローラ19を有する。
これにより、扉18は、昇降収納体3が上部ケース2に格納されている状態では、昇降収納体3の前方に形成される開口部3b(図1参照)の少なくとも一部を覆う閉状態となる。そして、扉18は、昇降収納体3が斜め前方に下降するにともない、ローラ19に押されて上部ケース2に対して反対側に回動し、昇降収納体3が第二位置まで降下したときに、最も開いた状態となる。このとき、ローラ19は軸を中心に回転して、ローラ19と扉18との間の摩擦が軽減され、よりスムーズに昇降収納体3が降下できる。逆に、昇降収納体3が第二位置から第一位置に上昇するときには、扉18は、扉18にかかる復元力により、昇降収納体3が上昇するに伴い、上部ケース2側に回動し、昇降収納体3が第一位置に位置した時に完全に閉状態となる。
このように、昇降収納体3の移動に伴って、扉18が開閉するようにすれば、扉18を開閉させる作業を、昇降収納体3を移動させる作業とは別に行う必要がない。さらに、前壁作用部材としてのローラ19は、前壁としての扉18に接触して上部を後方へ押されるような偏荷重を受けるので、昇降収納体3の前後のガタツキが軽減することになる。なお、扉18はその自重により、上部ケース2側に回動することもできる。さらに、前壁作用部材としては、ローラ19のように転動しつつ前壁としての扉18を回動させるものの他に、扉18に対して摺接しつつ、扉18を回動させるものを採用することもできる。
図4に示すように、引張コイルばね311,312は、それぞれ回動アーム31の中途部と上部ケース2の天井壁2cとの間に取り付けられるとともに、上部ケース2に対して取付位置が異ならせてある。つまり、回動アーム31と引張コイルばね311,312とのなす角度(取付角)はばね毎に異なっている。具体的には、第一引張コイルばね311と第二引張コイルばね312とは、一端側が三角形状の取付ブラケット31cの取付軸31dを介して回動アーム31の同位置に固定され、他端側が上部ケース2の天井壁2c内面の異なる位置に固定されている。その結果、回動アーム31の回動角に応じて各ばね311,312のバランス力分担割合が変化する。
例えば、回動アーム31に対する第一引張コイルばね311の取付角θ1が第二引張コイルばね312の取付角θ2よりも大となるように取り付けた場合、図4に示す第二位置(下降位置)から図6に実線で示すθ1≒90°となる中間位置までは第一引張コイルばね311のバランス力が優勢となり、θ1>90°となってから第一位置(上昇位置;図6の一点鎖線)までは第二引張コイルばね312のバランス力が優勢となる。このように、取付角θの異なるばね311,312を回動アーム31と上部ケース2との間に取り付けることによって、回動アーム31の回動角に応じて各ばね311,312のバランス力分担割合を変化させることができる。したがって、回動アーム31の回動角全体でバランス力を安定して発生させ、昇降時の操作力を広範囲にわたって軽減することができる。
次に、昇降収納体3が図1に示す第二位置(下降位置)にあり、回動アーム31が図4に示す回動位置にあるとき、回動アーム31に作用するモーメントについて図5を用いて説明する。図5において、昇降収納体3を第二位置から第一位置に持ち上げようとするとき、回動アーム31に作用する力は次のように表わされる。
<1>操作力
把手16(図1参照)において昇降収納体3を第二位置(下降位置)から第一位置(上昇位置)に持ち上げる操作力Fhは、ロープ35L,35R、プーリ33L,33R等を介して回動アーム31の支持軸31bに作用する。
<2>荷重
昇降収納体3自体及びその積載物の重量の和である荷重Wは、ロープ35L,35R、プーリ33L,33R等を介して回動アーム31の支持軸31bに、操作力Fhとは逆向きに作用する。なお、プーリ33L,33Rは対応するロープ35L,35Rに対してそれぞれ動滑車として移動するため、ロープ35L(又は35R)1本あたりの張力TはW/2となるが、2本のロープ35L,35Rで昇降収納体3を吊り下げているので、支持軸31bには2T=Wの荷重が作用する。
<3>バランス力
第一及び第二の引張コイルばね311,312により昇降収納体3を第一位置側に付勢するためのバランス力F1は、各ばね311,312の付勢力の合力として回動アーム31の取付軸31dに作用する。一方、ガススプリング32により昇降収納体3を第一位置側に常時付勢するためのバランス力F2は、回動アーム31の支軸31eに作用する。
したがって、図5において回動アーム31に作用するモーメントは、回動軸31aを起点として支持軸31b,取付軸31d,支軸31eまでの腕の長さをそれぞれR0,R1,R2としたとき、
操作力モーメント:Mh=Fh・R0………(1)
荷重モーメント:M0=W・R0……………(2)
バランス力モーメント:M1+M2=F1・R1+F2・R2………(3)
と表わされる。
回動アーム31に作用するモーメントのつりあいは、図5で反時計回りを正とすると、
M0−Mh−(M1+M2)=0…………(4)
となる。よって、式(1)〜(4)より、操作力Fhは、
Fh=(W・R0−F1・R1−F2・R2)/R0…………(5)
式(5)に示すように、昇降収納体3を持ち上げる操作力Fhは、昇降バランス機構30のバランス力F1,F2(バランス力モーメントM1,M2)によって軽減される。
(実施例2)
図7は、本発明の昇降収納キャビネットの他の実施形態を、実施例1の図4に相当する上部ケースの底面図として示すものである。図7に示すように、昇降収納キャビネット100の上部ケース2と第一位置(上昇位置;図2参照)にある昇降収納体3との間に形成される上部ケース2の天井空間S内に、昇降収納体3の昇降時(特に上昇時)の操作力を軽減するためのバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構30が配置されている。このバランス力モーメントは、主として、昇降収納体3を第一位置側に付勢するためのバランス力(付勢力、戻し力、反力、ばね力)を生じるねじりコイルばね310(回動付勢部材)により上部ケース2の天井壁2c(天板)内面に沿って基端部の回動軸31aを中心に回動する回動アーム31によって発生する。なお、ねじりコイルばね310の一端は、回動アーム31から起立する支持ピン31fに引っ掛け固定され、その他端は回動軸31aに直接挿入固定されている。
回動アーム31の中途部と上部ケース2の天井壁2cとの間には、ねじりコイルばね310とは別に、昇降収納体3を第一位置(上昇位置)側に常時付勢するためのバランス力(付勢力、戻し力、反力、ばね力)を生じて操作力を軽減するためのガススプリング32(副回動付勢部材)が配置されている。バランス力モーメントは、付加的に、このガススプリング32により回動軸31aを中心に回動する回動アーム31によっても発生する。なお、ガススプリング32は、先端部が支軸31eにより回動アーム31の中途部に取り付けられている。
さらに、上記バランス力モーメントは、補助的に、昇降収納体3を第一位置側に付勢するためのバランス力(付勢力、戻し力、反力、ばね力)を生じる補助ねじりコイルばね380(補助付勢部材)により回動アーム31に係合して回動アーム31とともに回動可能な補助アーム38によっても発生する。そして、昇降バランス機構30には、補助アーム38と回動アーム31との係合位置の調節を行うバランス力調整機構40が付設されている。バランス力調整機構40によって、ねじりコイルばね310の付勢力モーメント(バランス力モーメント)に付加する補助ねじりコイルばね380の付勢力モーメント(バランス力モーメント)の大きさを調節し、昇降バランス機構30で発生するバランス力モーメントの大きさを切り換えることができる。
図7、図9〜図11によって昇降バランス機構30及びバランス力調整機構40の具体的構成を説明する。図7に示すように、補助ねじりコイルばね380の一端は、補助アーム38から起立する支持ピン38bに引っ掛け固定され、その他端は補助アーム38の回動中心をなす補助回動軸38aに直接挿入固定されている。この補助回動軸38aは、補助アーム38の一端側(基端側)において、スライド板43(スライド体)に回動不能に保持されている。また、スライド板43は、複数(例えば4個)の第一ローラ41(第一接触体)を回転可能に保持し、上部ケース2の天井壁2cに固定された支持ブラケット2eに垂直形成された固定壁2dと第一ローラ41との接触により、固定壁2dに沿ってスライド移動のみ可能とされている(図10参照)。ここでは、矩形状のスライド板43の四隅にそれぞれ第一ローラ41を取り付け、両側の固定壁2d,2dに沿って各ローラ41を接触・回転させることによって移動時の振れを減少させている(図10参照)。一方、回動アーム31の回動方向一側面には回動壁31gが一体的に垂直形成され(図9参照)、補助アームの他端側(先端側)には、回動壁31gに接触しつつ回動壁31gに沿って移動可能な第二ローラ42(第二接触体)が取り付けられている。
なお、図9において、回動アーム31に形成された貫通孔31a’,31b’,31e’,31f’には、それぞれ回動軸31a,支持軸31b,支軸31e,支持ピン31fが挿入される。また、図10において、スライド板43に形成された貫通孔38a’には補助回動軸38aが挿入固定される。
ところで、回動アーム31側の回動壁31gと上部ケース2側の固定壁2dとは、図7に示すように昇降収納体3が第二位置(下降位置)にあるときに互いに平行状となるように設定されている。そこで、このときスライド板43を固定壁2dに沿ってスライド移動すれば、補助アーム38も回動壁31g及び固定壁2dと平行な方向(図7矢符方向)に移動する。したがって、バランス力調整機構40では、第一ローラ41と固定壁2dとの接触位置及び第二ローラ42と回動壁31gとの接触位置が同時に移動し、補助アーム8と回動アーム31との係合位置の調節が行われる。もちろん、スライド板43(補助アーム38)が相対的に回動アーム31の回動軸31a寄りに位置する状態(図7)に比して、相対的に回動アーム31の支持軸31b寄りに位置する状態(図12)の方が、回動アーム31に作用する補助ねじりコイルばね380の付勢力モーメント(バランス力モーメント)が大きくなる。
図11に示すように、昇降収納体3の底部に固定されたレバー支持軸3c回りに回動するバランス力調整操作レバー44(バランス力調整操作部材)と、その操作レバー44とスライド板43とを連結する一対のバランス力調整操作ワイヤ45U,45D(バランス力調整操作部材)とによって、スライド板43の固定壁2dに沿うスライド移動(補助アーム8と回動アーム31との係合位置調節)が行われる。
具体的には、一方(バランス力増大側)の操作ワイヤ45Uの一端側において、アウタワイヤは天井壁2cに固定された支持ブラケット2eに固定され、インナワイヤはスライド板43に突出形成されたワイヤ取付部43aの支持軸31b寄りに固定されている(図7,図10参照)。また、操作ワイヤ45Uの他端側において、アウタワイヤは昇降収納体3の底部に固定されたワイヤ取付板46に固定され、インナワイヤは操作レバー44の操作部44aとは反対側の先端部に固定されている。他方(バランス力減少側)の操作ワイヤ45Dの一端側において、アウタワイヤは天井壁2cに固定された支持ブラケット2eに固定され、インナワイヤはスライド板43に突出形成されたワイヤ取付部43aの回動軸31a寄りに固定されている(図7,図10参照)。また、操作ワイヤ45Dの他端側において、アウタワイヤは昇降収納体3の底部に固定されたワイヤ取付板46に固定され、インナワイヤは操作レバー44の操作部44aとは反対側の先端部に固定されている。
したがって、昇降収納体3が第二位置(下降位置;図1参照)にあり、回動アーム31が図7に示す回動位置にあるときに、操作レバー44の操作部44aをU側に回動操作すると、操作ワイヤ45Uのインナワイヤが緊張し操作ワイヤ45Dのインナワイヤが弛緩する(図11(b)参照)。したがって、スライド板43は支持軸31b寄りに移動し、回動アーム31に作用する補助ねじりコイルばね380のバランス力モーメントが大きくなる(図7,図10参照)。一方、操作レバー44の操作部44aをD側に回動操作すると、操作ワイヤ45Dのインナワイヤが緊張し操作ワイヤ45Uのインナワイヤが弛緩する(図11(b)参照)。したがって、スライド板43は回動軸31a寄りに移動し、回動アーム31に作用する補助ねじりコイルばね380のバランス力モーメントが小さくなる(図7,図10参照)。
図7に戻り、回動アーム31の先端部には一対のプーリ33L,33R(回転体)が支持軸31bに支持され、各プーリ33L,33Rにはロープ35L,35R(巻掛部材)が個別に巻き回されている。このうち、左側のロープ35Lは、その始端が上部ケース2の天井壁2c内面に固着された固定ピン36に固定され、プーリ33L及び遊動ローラ34a,34bを経た後、終端が昇降収納体3の昇降方向左側の外側面3aに固着された固定ピン37Lに固定されている(図1参照)。一方、右側のロープ35Rは、その始端が上部ケース2の天井壁2c内面に固着された固定ピン36に固定され、プーリ33R及び遊動ローラ34a,34b,34c,34d,34eを経た後、終端が昇降収納体3の昇降方向右側の外側面3aに固着された固定ピン37Rに固定されている(図1参照)。そして、回動アーム31が回動すると、各プーリ33L,33Rは対応するロープ35L,35Rに対して動滑車として移動することになるので、昇降収納体3の第一位置と第二位置との間のストロークを大きくとることができる。
次に、昇降収納体3が第二位置(下降位置;図1参照)にあり、回動アーム31が図7に示す回動位置にあるとき、回動アーム31に作用するモーメントについて図8を用いて説明する。図8において、昇降収納体3を第二位置から第一位置に持ち上げようとするとき、回動アーム31に作用する力は次のように表わされる。
<1>操作力
把手16(図1参照)において昇降収納体3を第二位置(下降位置)から第一位置(上昇位置)に持ち上げる操作力Fhは、ロープ35L,35R、プーリ33L,33R等を介して回動アーム31の支持軸31bに作用する。
<2>荷重
昇降収納体3自体及びその積載物の重量の和である荷重Wは、ロープ35L,35R、プーリ33L,33R等を介して回動アーム31の支持軸31bに、操作力Fhとは逆向きに作用する。なお、プーリ33L,33Rは対応するロープ35L,35Rに対してそれぞれ動滑車として移動するため、ロープ35L(又は35R)1本あたりの張力TはW/2となるが、2本のロープ35L,35Rで昇降収納体3を吊り下げているので、支持軸31bには2T=Wの荷重が作用する。
<3>バランス力
ねじりコイルばね310により昇降収納体3を第一位置側に付勢するためのバランス力F1は、回動アーム31の取付軸31dに作用する。また、ガススプリング32により昇降収納体3を第一位置側に常時付勢するためのバランス力F2は、回動アーム31の支軸31eに作用する。さらに、補助ねじりコイルばね380により昇降収納体3を第一位置側に付勢するためのバランス力F3は、補助アーム38、第一及び第二ローラ41,42等を介して、回動アーム31の回動壁31gに作用する。
したがって、図8において回動アーム31に作用するモーメントは、回動軸31aを起点として支持軸31b,支持ピン31f,支軸31e,第二ローラ42と回動壁31gとの接触位置までの腕の長さをそれぞれR0,R1,R2,R3としたとき、
操作力モーメント:Mh=Fh・R0………(6)
荷重モーメント:M0=W・R0……………(7)
バランス力モーメント:
M1+M2+M3=F1・R1+F2・R2+F3・R3………(8)
と表わされる。
回動アーム31に作用するモーメントのつりあいは、図8で反時計回りを正とすると、
M0−Mh−(M1+M2+M3)=0…………(9)
となる。よって、式(6)〜(9)より、操作力Fhは、
Fh=(W・R0−F1・R1−F2・R2−F3・R3)/R0……(10)
式(10)に示すように、昇降収納体3を持ち上げる操作力Fhは、昇降バランス機構30のバランス力F1,F2,F3(バランス力モーメントM1,M2,M3)によって軽減される。そして、回動アーム31に作用する補助ねじりコイルばね380のバランス力モーメントM3は、バランス力調整操作レバー44及びバランス力調整操作ワイヤ45U,45Dによって調節された腕の長さR3に応じて増減(大小変化)する。このバランス力モーメントM3(腕の長さR3)の調節は、既述の通り、昇降収納体3が第二位置(下降位置)にあるときに可能である(図7参照)。したがって、下降位置において昇降収納体3に重量物を積載したときに、重くなった昇降収納体3を第一位置(上昇位置)に持ち上げなくても、バランス力モーメントM3(腕の長さR3)の増大調節が行える(図12参照)。よって、式(10)により、相対的に小さな操作力Fhで昇降収納体3を上昇位置に持ち上げることができる(図13参照)。さらにこのとき、昇降収納体3を第二位置(下降位置)から第一位置(上昇位置)側に持ち上げるにつれて、腕の長さR3(図8参照)が徐々に長くなるように回動壁31gと第二ローラ42との接触位置が移動する(図12,図13参照)。したがって、昇降収納体3が第一位置に近づくほど操作力が軽くなる。
なお、実施例2(図7〜図13)において実施例1(図1〜図6)と共通する機能を有する部分には同一符号を付して説明を省略する。
以上、本発明の昇降収納キャビネットの実施例について示したが、本発明はこれらに限られるものではない。例えば、昇降収納キャビネット1,100は、その上部ケース2が箱状のものを示しているが、上部ケース2として、後背面を有さないものを採用することも可能である。上部ケース2が後背面を有さない場合、上部ケース2の側面及び/又は天井壁2c(天板)の後端部が直接キッチンの壁面10に取り付けられるようにしてもよい。また上部ケース2は、その後方側にてキッチンの壁面10に固定するだけではなく、その側方側や上方側にて固定することも可能である。
さらに、実施例2では、回動アーム31に作用する補助ねじりコイルばね380のバランス力モーメントを、バランス力調整操作レバー44によって2段階(増大側と減少側)に切換調整することとしたが、多段階又は無段階に調整してもよい。なお、実施例2のねじりコイルばね310に代えて、実施例1の引張コイルばね311,312を用いることができる。
本発明に係る昇降収納キャビネットの一実施例を示す概略斜視図。 図1の昇降収納キャビネットの側方からの投影図。 図1の昇降収納キャビネットの前方からの投影図。 昇降収納体が第二位置にあるときの上部ケースの底面図。 図4において回動アームに作用するモーメントの説明図。 図4の状態から昇降収納体が中間位置及び第一位置に移動したときの上部ケースの底面図。 本発明に係る昇降収納キャビネットの他の実施例を、図4と同様に示す上部ケースの底面図。 図7において回動アームに作用するモーメントの説明図。 図7に用いる回動アームの底面図及び異なる二方向の側面図。 図7に用いるバランス力調整機構の底面図。 図7に用いるバランス力調整操作部材の側面取付図及び底面図。 図7の昇降収納キャビネットでバランス力調整機構を作動させたときの上部ケースの底面図。 図12の状態から昇降収納体が第一位置に移動したときの上部ケースの底面図。
符号の説明
1,100 昇降収納キャビネット
2 上部ケース
2c 天井壁(天板)
2d 固定壁
3 昇降収納体
30 昇降バランス機構
31 回動アーム
31g 回動壁
310 ねじりコイルばね(弾性部材;回動付勢部材)
311 第一引張コイルばね(弾性部材;回動付勢部材)
312 第二引張コイルばね(弾性部材;回動付勢部材)
32 ガススプリング(弾性部材;副回動付勢部材)
33L,33R プーリ(回転体)
35L,35R ロープ(巻掛部材)
38 補助アーム
380 補助ねじりコイルばね(弾性部材;補助付勢部材)
40 バランス力調整機構
41 第一ローラ(第一接触体)
42 第二ローラ(第二接触体)
43 スライド板(スライド体)
44 バランス力調整操作レバー(バランス力調整操作部材)
45U,45D バランス力調整操作ワイヤ(バランス力調整操作部材)
S 天井空間

Claims (8)

  1. 基準壁面に対して固定的に設置され下方に開口を有する上部ケースと、その上部ケースの内側に少なくとも一部が収納される第一位置とその第一位置よりも下方に位置する第二位置との間で昇降可能に設けられた昇降収納体と、を有する昇降収納キャビネットであって、
    前記上部ケースと前記第一位置にある昇降収納体との間に形成される当該上部ケースの天井空間内には、前記昇降収納体を前記第一位置側に付勢するための回動付勢部材により前記上部ケースの天井壁内面に沿って回動する回動アームによって、前記昇降収納体の昇降時の操作力を軽減するためのバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構が配置され
    前記昇降バランス機構には、基端部を中心に回動する前記回動アームの先端部に支持された回転体と、その回転体に巻き回されるとともに、少なくとも一端が前記昇降収納体に取り付けられた巻掛部材とが配置され、
    前記回転体は前記回動アームに一対取り付けられるとともに、各々の回転体には前記巻掛部材が個別に巻き回され、
    各巻掛部材は、その一端が前記上部ケースの天井壁内面に固定され、他端が前記昇降収納体の昇降方向左外側面又は右外側面に振り分けて固定されていることを特徴とする昇降収納キャビネット。
  2. 前記回動アームと上部ケースとの間には、前記回動付勢部材とは別に、前記昇降収納体を前記第一位置側に常時付勢して操作力を軽減するための副回動付勢部材が配置されている請求項に記載の昇降収納キャビネット。
  3. 前記回動付勢部材は、前記回動アームと上部ケースとの間に取り付けられるとともに、その上部ケースに対する取付位置の異なる複数のばねで構成され、
    前記回動アームとばねとのなす角度をばね毎に異ならせて、その回動アームの回動角に応じて各ばねのバランス力分担割合を変化させてある請求項1又は2に記載の昇降収納キャビネット。
  4. 基準壁面に対して固定的に設置され下方に開口を有する上部ケースと、その上部ケースの内側に少なくとも一部が収納される第一位置とその第一位置よりも下方に位置する第二位置との間で昇降可能に設けられた昇降収納体と、を有する昇降収納キャビネットであって、
    前記上部ケースと前記第一位置にある昇降収納体との間に形成される当該上部ケースの天井空間内には、
    前記昇降収納体を前記第一位置側に付勢するための回動付勢部材により前記上部ケースの天井壁内面に沿って回動する回動アームと、前記昇降収納体を前記第一位置側に付勢するための補助付勢部材により前記回動アームに係合してその回動アームとともに回動可能な補助アームとによって、前記昇降収納体の昇降時の操作力を軽減するためのバランス力モーメントを発生する昇降バランス機構と、
    前記補助アームと前記回動アームとの係合位置の調節に基づいて、前記回動付勢部材の付勢力モーメントに付加する前記補助付勢部材の付勢力モーメントの大きさを調節することにより、前記昇降バランス機構で発生するバランス力モーメントの大きさを調節又は切換するためのバランス力調整機構と、
    が配置されることを特徴とする昇降収納キャビネット。
  5. 前記補助アームの一端側には、前記上部ケースに固定された固定壁に接触しつつその固定壁に沿って移動可能な第一接触体が保持される一方、
    前記補助アームの他端側には、前記回動アームと一体回動する回動壁に接触しつつその回動壁に沿って移動可能な第二接触体が取り付けられ、
    前記バランス力調整機構では、前記第一接触体と固定壁との接触位置及び前記第二接触体と回動壁との接触位置を移動させることにより、前記補助アームと前記回動アームとの係合位置の調節が行われる請求項に記載の昇降収納キャビネット。
  6. 前記第一接触体は前記固定壁に沿うスライド移動のみ可能とされる一方、
    前記第二接触体は前記回動壁に沿うスライド移動と、前記補助アームと一体となった回動とが可能とされ、
    前記回動アーム側の回動壁は、前記昇降収納体が前記第二位置にあるときに前記上部ケース側の固定壁とほぼ平行状となる請求項に記載の昇降収納キャビネット。
  7. 前記補助付勢部材としてのばねの一端が前記補助アームに固定され、その他端が前記補助アームの回動中心をなす補助回動軸に固定されるとともに、
    その補助回動軸は、前記第一接触体が取り付けられ前記固定壁に沿うスライド移動のみ可能とされたスライド体に回動不能に保持されている請求項に記載の昇降収納キャビネット。
  8. 前記昇降収納体の底部には、前記バランス力調整機構に連結され、少なくとも前記昇降収納体が前記第二位置にあるときに前記補助アームと前記回動アームとの係合位置調節を可能とするバランス力調整操作部材が配置されている請求項又はに記載の昇降収納キャビネット。
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