JP4603643B2 - カムフォロアの固定構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カム機構の従動部材に貫通形成した差し込み孔にカムフォロアのスタッドを差し込んで圧入固定する際に、その差し込み部の嵌め合い公差を中間ばめ〜若干のすきまばめ程度にして強固に取り付けることができ、その取り付け作業性に優れ、かつ取り付けスペースを小さく抑えることができるカムフォロアの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にカム機構の従動部材には、カムに係合してカムの運動を当該従動部材に伝えるためのカムフォロアが取り付けられるが、このカムフォロアを固定する構造として、従来図12に示すようなものがある。図示するようにこの固定構造では、従動部材3に貫通形成した差し込み孔3dにカムフォロア1の円柱状のスタッド基部31bを差し込んで貫通させ、裏側に突出するスタッド基部31bの突出端に一体形成した雄ネジ部31sにナット15を螺合させて締結するようになっている。スタッド基部31bの差し込み方向の後縁の外周面には、係止部31iとして径方向外方に拡径形成された段部が設けられており、カラー17を介しつつこの係止部31iとナット15とで前記従動部材3を挾圧固定している。
【0003】
また、別の固定構造として、図13に示すように、スタッド基部31bの従動部材3への圧入嵌合部分における外周面に溝部19を形成しておき、前記従動部材3にはその一側面から差し込み孔3dに達する雌ネジ孔41を形成し、この雌ネジ孔41に螺合させたセットボルト23の先端を前記溝部19の底面に押圧係合させることにより、スタッド31を従動部材3に対して移動不能にして固定する構造もある(実公昭54−20534号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者の固定構造の場合は、前記ナット15の締結力により、前記スタッドの係止部31iと前記ナット15とで前記従動部材3を挟み込んでいるため、差し込み孔3dとスタッド基部31bとの嵌合は強固なしまりばめにせずとも、カムフォロア1を確実に従動部材3に固定できる。しかし、前記ナット15の寸法分、必要な取り付けスペースが増加する。また、従動部材3の差し込み方向前方側に別の部材が近接して存在する場合にあっては、この部材と前記ナット15とが干渉してしまうため当該固定構造の採用は困難になる。
【0005】
後者の固定構造の場合は、ナット15を使用しないため、取り付けスペースは小さくできる。しかし、従動部材3に固定する固定力は、従動部材3の差し込み孔3dへスタッド基部31bを圧入することで生じるしまりばめ力によるため、前記差し込み孔3dの内径とスタッド基部31bの外径との嵌め合いに関して非常に高精度な寸法公差が要求され、製作コストが高くなる。また、前記しまりばめの圧入作業の際には、取り付けの直前に差し込み孔3d近傍を加熱してその内径を拡径したり、スタッド基部31bを冷やしてその外径を縮径する等の作業が必要で多大な労力がかかる。取り外しについても前述と同様の作業をするため、同じく労力がかかる。
【0006】
また、従動部材3には、セットボルト23取り付け用の雌ネジ孔41を設ける必要があるため、断面欠損による強度低下を招き、よって従動部材3を薄肉にして小型化が図り難い。
【0007】
更に、図13に示すように、前記カムフォロア1の外輪11の中心Aにラジアル荷重Fr(白抜き矢印)(以降、Frと略記)が作用すると、このラジアル荷重Frに起因するモーメントM(白抜き矢印)(以降、Mと略記)がカムフォロア1に作用する。このMに抗して、カムフォロア1には、差し込み孔3dの差し込み方向後縁BからFrと逆向きの荷重Fr’(白抜き矢印)(以降、Fr’と略記)が作用するとともに、差し込み方向前縁CからはFrと同じ向きの荷重Fr”(白抜き矢印)(以降、F”と略記)が作用して、前記Mがバランスする。
前記Fr’は、通常Frに対してモーメントアーム比分拡大されて(図13の場合は、Frのモーメントアームはa、Fr’のモーメントアームはbであり、Fr’とFrとは次式に示す関係となる:Fr’=(a/b)×Fr)、前記後縁Bとの当接部に過大な荷重となり作用する。
【0008】
一方、前記差し込み孔3dの差し込み方向後縁Bには前記Fr’の反力である圧縮荷重Fr’(黒塗り矢印)が作用し、この圧縮荷重Fr’により、前記後縁Bの角が丸められダレを生じる。つまり、前記後縁Bの内径が大きくなり、カムフォロア1が傾き易くなる等、取り付け剛性が経時的に悪くなる。
【0009】
本発明は以上の様々な問題を解決するためになされたものであり、その目的は、従動部材にカムフォロアのスタッドを差し込んで圧入固定する際に、差し込み部の嵌め合い公差をしまりばめにせずとも強固に取り付けることができ、取り付け作業性に優れ、かつその取り付け剛性を経時的に維持でき、取り付けスペースも小さく抑えることができるカムフォロアの固定構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の請求項1に示すカムフォロアの固定構造は、カム機構の従動部材に貫通形成した差し込み孔にカムフォロアのスタッド基部を差し込んで固定するカムフォロアの固定構造において、
前記スタッド基部の端面に凹設され、スタッド軸芯を中心とする円錐面と、当該スタッド軸芯に沿った雌ネジを有する凹部と、
該凹部に圧入され該凹部を拡径変形させることで、前記スタッド基部を前記従動部材とで挾圧固定する、裁頭円錐形状部を有するくさび部材と、
このくさび部材とスタッドとを締結してくさび部材を前記凹部に圧入固定するネジ部材とを備え、
前記円錐面は、前記スタッド軸芯の軸線方向において、前記雌ネジよりも、前記スタッド基部の前記端面の側に配置されており、
前記くさび部材には、前記ネジ部材の挿通孔が、当該ネジ部材との間に隙間を有して設けられ、
前記ネジ部材の先端部には雄ネジ部が形成されており、
前記挿通孔に挿通された前記ネジ部材の前記雄ネジ部と、前記スタッドに設けられた前記雌ネジとが螺合することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、前記スタッド基部が前記差し込み孔に差し込まれた後に、前記ネジ部材による締結力により前記スタッド基部の凹部に前記くさび部材が圧入されるにつれて、くさび効果によりくさび部材から前記凹部の円錐面に垂直に当接力が作用し、この当接力の径方向外方に向いた分力により前記凹部が拡径変形するとともに前記スタッド基部が拡径するため、スタッド基部と差し込み孔とは隙間なく当接する。そして、前記締結力を更に大きくすると、前記くさび部材から更に大きな当接力がスタッド基部に対し作用し、前記スタッド基部は、更に拡径しようとするが、差し込み孔内周面にて従動部材に拡径変形を押さえられ、前記スタッド基部は、従動部材の前記内周面より径方向内方に当接力を受ける。
すなわち、スタッド基部は、くさび部材から受ける径方向外方に向いた当接力の分力と、従動部材から受ける径方向内方に作用する当接力とによって挾圧固定される。
【0012】
したがい、スタッド外径と差し込み孔の内径との嵌め合い公差を高精度なしまりばめに設定しなくとも、カムフォロアを強固に固定することができる。
【0013】
また、従動部材には、セットボルト取り付け用の雌ネジ孔が必要でないため、断面欠損による強度低下を招くことがなく、従動部材の小型化が図れる。
【0014】
更には、前記くさび部材およびネジ部材を、概ね差し込み孔とスタッド内に収納できるため、取り付けスペースを小さく抑えることができる。
【0015】
本発明の請求項2に示すカムフォロアの固定構造は、請求項1に加えて、前記スタッド基部は、径方向外方に突出する段部を備えており、当該段部の前記従動部材側の端面が当該従動部材に当接する構成とした。
【0016】
上記構成によれば、カムフォロアの外輪の中心にラジアル荷重が作用して、前記カムフォロアを傾倒するモーメントが作用しても、前記段部が従動部材に当接することでカムフォロアの傾倒を受けて前記モーメントに抗するので、差し込み孔の差し込み方向後縁部から前記ラジアル荷重と逆向きに、前記モーメントに抗するために作用する荷重が著く軽減され、この荷重の反力である前記差し込み孔の差し込み方向後縁に作用する圧縮力も著く軽減される。
【0017】
つまり、スタッドの傾倒を前記段部でも支持することができるため、前記差し込み孔の差し込み方向後縁に過大な圧縮力が作用することを防止できる。
【0018】
したがい、差し込み孔の差し込み方向後縁の角が丸められダレを生じることもなく、カムフォロアの取り付け剛性を維持することができる。
【0019】
また、前記段部が従動部材に当接することで、前記カムフォロアと前記従動部材とのスタッド軸方向の位置決めもできるようになるため、取り付け精度が向上する。
【0020】
更に、本発明の請求項3に示すカムフォロアの固定構造は、請求項2に加えて、前記くさび部材の大径側に、該くさび部材とスタッド基部とを締結させた状態で、前記従動部材に当接する係止部を設けた構成とした。
【0021】
上記構成によれば、前記ネジ部材による締結力により前記スタッド基部の凹部に前記くさび部材が圧入されるにつれて、前記凹部が拡径変形するとともに前記スタッド基部が拡径し、スタッド基部と差し込み孔とは、隙間なく当接する。これと同時並行して、スタッド基部の差し込み方向の後縁に位置させて径方向外方に突出している前記段部は、従動部材に当接しつつ、前記係止部と従動部材との間の隙間が徐々に小さくなる。そして、スタッド基部と差し込み孔とが当接して、前記くさび部材と前記従動部材とでスタッド基部を挾圧固定するのが若干先行して、前記係止部と従動部材との間の隙間もなくなり、前記段部と前記くさび部材の係止部とで従動部材は挾圧固定される。
【0022】
つまり、スタッド基部と差し込み孔との嵌め合い公差をしまりばめに設定せずに、軽圧入程度の中間ばめ若しくはすきまばめに設定しても、前記くさび部材と前記従動部材とでスタッド基部を挾圧固定することに加えて、前記段部と前記係止部とで従動部材を挾圧固定するため、非常に強固にカムフォロアを固定することができる。
【0023】
また、差し込み方向と逆方向の引き抜き力がカムフォロアに作用しても、前記くさび部材の係止部と従動部材とが当接し係止されているため、この係止部にて前記引き抜き力に対抗して、カムフォロアの抜け落ちを防止できる。
【0024】
本発明の請求項4に示すカムフォロアの固定構造は、カム機構の従動部材に貫通形成した差し込み孔にカムフォロアのスタッド基部を差し込んで固定するカムフォロアの固定構造において、
前記スタッド基部の端面に凹設され、スタッド軸芯を中心とする円錐面を有する凹部と、
該凹部に圧入され該凹部を拡径変形させることで、前記スタッド基部を前記従動部材とで挾圧固定する、裁頭円錐形状部を有するくさび部材と、
このくさび部材とスタッドとを締結してくさび部材を凹部に圧入固定するネジ部材とを備え、
前記スタッドには、前記ネジ部材の挿通孔が、当該ネジ部材との間に隙間を有して設けられており、
前記くさび部材には、雌ネジが設けられており、
前記ネジ部材の先端部には雄ネジ部が形成されており、
前記挿通孔に挿通された前記ネジ部材の前記雄ネジ部と、前記くさび部材に設けられた前記雌ネジとが螺合することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るカムフォロアの固定構造の第1実施形態を示す断面図である。
【0027】
本実施形態のカムフォロアの固定構造は、カム機構の従動部材3に貫通形成した差し込み孔3dにカムフォロアのスタッド基部31bを差し込んで固定するカムフォロア1の固定構造において、前記スタッド基部31bの端面に凹設され、同面がスタッド軸芯を中心とする円錐面に形成された凹部31cと、該凹部31cに圧入され該凹部31cを拡径変形させることで、前記スタッド基部31bを前記従動部材3とで挾圧固定する、裁頭円錐形状部を有するくさび部材5と、このくさび部材5とスタッド31とを締結してくさび部材5を凹部31cに圧入固定するネジ部材7とを備えて構成される。
【0028】
前記スタッド31は円柱状をなし、その基部31bと従動部材3の差し込み孔3dとの嵌め合い公差は、軽圧入の中間ばめ〜すきまばめの範囲に設定されている。そして、スタッド31における従動部材3から突出する部分には、周面に軌道面が形成され、この軌道面を包囲して円筒状の外輪11が設けられている。この外輪11の内周面にも軌道面が形成されており、これらの軌道面間には両者に対して転がり接触する複数のニードル21が介装されていて、前記外輪11は前記スタッド31を中心として滑らかに回転する。また、前記スタッド31の端部には、外方に突出した環状段部が二段の階段状に形成されており、一段目の段部31tは、その外周面を外輪11によって包囲されて、二段目の段部31uは、その端面31yと外輪11端面とが隙間を有して対向している。そして、一段目の段部31t端面31xによって前記ニードル21のスラスト方向の位置ズレ防止がなされ、二段面の段部31u端面31yによって外輪11のスラスト方向の位置ズレ防止がなされる。このように、カムフォロア1はスタッド31、ニードル21、外輪11とからなる。
【0029】
ところで、前記差し込み孔3dに差し込まれるスタッド基部31bの端面には、前記スタッド31軸芯を中心として裁頭円錐面を有する凹部31cが形成され、この凹部31cの底部31eには、スタッド31軸芯上に沿って雌ネジ31aが設けられている。また、この凹部31cには、その円錐面に均等に当接する裁頭円錐状のくさび部材5が圧入される。このくさび部材5の円錐面5cのテーパー角度は、前記凹部31cと嵌合するように、前記凹部31cの円錐のテーパー角度と一致して設けられ、また、その裁頭面5eは、常時、前記凹部31cの底部31eとは接触せず、その間に隙間を有するように設定される。更に、このくさび部材5には、このくさび部材5の中心を挿通するボルト7の挿通孔5gが、このボルト7との間に隙間を有して設けられるとともに、挿通孔5gよりも大径なボルト頭部7fが収納されるざぐり穴5fが前記くさび部材5の大径側に設けられる。そして、この挿通孔5gに挿通されたボルト7の先端部に形成された雄ネジ部7aと前記スタッドの凹部31cの雌ネジ31aとが螺合するとともに、前記さぐり穴5fの底部にボルト頭部7fが係止されることで、前記ボルト7に引張の締結力が生じて、前記くさび部材5と前記スタッド31の凹部31cとが締結固定される。
【0030】
尚、差し込み孔3d、スタッド基部外周面31d、凹部31cおよびくさび部部材5の円錐面5cは、前記締結固定後に前記差し込み孔3dとスタッド基部外周面31dとの間、および前記凹部31cと前記円錐面5cとの間で各々静止摩擦状態となるように、各々表面粗度の調節や表面処理等が施される。
【0031】
次に本実施形態にかかるカムフォロアの固定構造の作用について説明する。
【0032】
前記スタッド基部31bが前記従動部材3の差し込み孔3dに軽圧入で差し込まれた状態では、前記スタッド基部31bと前記差し込み孔3dとは、若干の圧着がされているか、若しくはその間にすきまばめ程度の若干の隙間が存在している。
【0033】
前記ボルト7の雄ネジ部7aと前記スタッド31の雌ネジ31aとが螺合し、前記スタッドの凹部31cに前記くさび部材の円錐面5cが当接して前記ボルト7に引張の締結力が生じると、前記くさび部材5は、このくさび部材のさぐり穴5fの底部を介して前記ボルト7から、前記凹部31cに押し付けられる方向に圧入力を付与される。この圧入力は、前記くさび部材の円錐面5cのくさび効果により、前記凹部31cの円錐面に垂直に作用する当接力に変化する。そして、この当接力の径方向外方に向いた分力により前記凹部31cが拡径変形するとともに前記スタッド基部31bが拡径し、差し込み孔3dとスタッド基部31bとが圧着される。
【0034】
また、前記ボルト7の締結力を更に大きくすることにより、前記当接力が更に大きくなるため前記スタッド基部31bは更に拡径しようとするが、差し込み孔3d内周面にて従動部材3に押さえられ、スタッド基部31bは、従動部材3の前記内周面より径方向内方に当接力を受ける。すなわち、スタッド基部31bは、くさび部材5から受ける径方向外方に向いた当接力の分力と、従動部材3から受ける径方向内方に作用する当接力によって挾圧固定される。
【0035】
つまり、スタッド基部31bは、前記くさび部材5と前記従動部材3とで強固に挾圧固定される。
【0036】
したがい、スタッド基部31bの外径および差し込み孔3dの内径の嵌め合い公差を、軽圧入の中間ばめ〜すきまばめの範囲に設定して、スタッド基部31bと差し込み孔3dとの間に、若干の隙間が存在する場合であっても、前記隙間はスタッド基部31bの拡径変形により吸収され、更にスタッド基部31bが前記くさび部材5と前記従動部材3とで挾圧固定される。このため、スタッド基部31b外径と差し込み孔3d内径との嵌め合い公差を所定のしまりばめの範囲に高精度に管理しなくとも、カムフォロア1を強固に取り付けることが可能となる。
【0037】
また、従動部材3には、セットボルト取り付け用の雌ネジ孔が必要でないため、断面欠損による強度低下を招くことがなく、従動部材3の薄肉化等の小型化が図れる。
【0038】
更には、前記ボルト頭部7fはくさび部材5に設けられたざぐり穴5f内に概ね収納され、前記くさび部材5も差し込み孔3dおよびスタッド31内に収納されるため、取り付けスペースを小さくすることができる。
【0039】
図2は第1実施形態の変形例を示す断面図である。ここで、本変形例の全体的な概略構成は前述の第1実施形態で示した図1の構成とほぼ同じであり、よって同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0040】
図2に示すように、基本的に本変形例は、ボルトの挿通方向およびその螺合する部材が異なる点で前記第1実施形態と相違する。
【0041】
スタッド31には、その軸芯を中心とする前記スタッド31を挿通するボルト7の挿通孔31gが、このボルト7との間に隙間を有して設けられ、そのスタッド31の差し込み方向後方の端部の端面には、その挿通孔31gよりも大径なボルト頭部7fが収納されるざぐり穴31fが設けられる。
【0042】
また、前記スタッド31の差し込み方向前方の端部には、差し込み孔3dに差し込まれるスタッド基部31bが設けられている。このスタッド基部31bの端面には、前記スタッド31軸芯を中心として、円錐面を有する凹部31cが形成されている。この凹部31cには、その円錐面に当接する、裁頭円錐状のくさび部材5が圧入される。このくさび部材の円錐面5cのテーパー角度は、前記凹部31cの円錐面のテーパー角度と一致して設けられ、また、その裁頭面5eは、常時、前記凹部の底部31eとは接触せず、その間に隙間を有するように設定される。更に、このくさび部材5には、このくさび部材5中心とその中心が一致するように雌ネジ5hが設けられている。そして、前記挿通孔31gに挿通されたボルト7の先端部に形成された雄ネジ部7aと前記くさび部材5の雌ネジ5hとが螺合するとともに、前記さぐり穴31fの底部にボルト頭部7fが係止されることで、前記ボルト7に引張の締結力が生じて、前記くさび部材5と前記スタッド31の凹部31cとが締結固定される。
【0043】
尚、前記ざぐり穴31fの深さは、図3に示すように深く設定しても良く、設計段階で自在に設定可能である。
【0044】
また、本変形例の作用は前述した第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0045】
図4は本発明に係るカムフォロアの固定構造の第2実施形態を示す断面図である。ここで、図4に示すように、基本的に本第2実施形態は、第1実施形態に追加して、スタッド基部31bの差し込み方向の後縁に位置させて径方向外方に突出して従動部材3に当接する段部31kを形成したものであり、大半の構成は第1実施形態と同様のため、同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0046】
本実施形態のカムフォロアの固定構造は、カム機構の従動部材3に貫通形成した差し込み孔3dにカムフォロアのスタッド基部31bを差し込んで固定するカムフォロア1の固定構造において、前記スタッド基部31bの端面に凹設され、同面がスタッド軸芯を中心とする円錐面に形成された凹部31cと、該凹部31cに圧入され該凹部31cを拡径変形させることで、前記スタッド基部31bを前記従動部材3とで挾圧固定する、裁頭円錐形状部を有するくさび部材5と、このくさび部材5とスタッド31とを締結してくさび部材5を凹部31cに圧入固定するネジ部材7とを備えて、前記スタッド基部31bの差し込み方向の後縁に位置させて、径方向外方に突出して従動部材3に当接する段部31kを一体に形成して構成される。
【0047】
前記段部31kは、その形状は断面矩形形状で、前記スタッド31の外周面の全周に亘り一体的に設けられて鍔状の外観を呈する。そして、この段部31kの従動部材側の端面31mが従動部材3と当接することにより、スタッド31と従動部材3との軸方向の位置決め、すなわちカムフォロア1と従動部材3との位置決めがなされる。また、この段部31kは、そのもう一方の端面31nに前述したニードル21の端面が当接することで、前記ニードル21のスラスト方向の位置ズレ防止機能も奏する。
【0048】
前記段部31kは外輪11の端部により包囲されているが、この段部31kの外径は前記外輪11端部の内径よりも小さく設定され、その間に隙間が設けられている。この隙間は、許容値以下のラジアル荷重がカムフォロア1に作用しても、外輪11の内周面11pと段部31kの外周面31pとは当接しないが、許容値以上のラジアル荷重が作用した場合には、前記外輪11端部の内周面11pと段部31kの外周面31pとが当接するように設定される。これは、外輪11およびニードル21およびスタッド31の前記軌道面である転がり接触部に、許容値以上の負荷が作用しないようにして、前記転がり接触部に精度上無視できない圧痕等の永久変形が生じることを防止するフェールセーフ機構である。
【0049】
次に本実施形態にかかるカムフォロアの固定構造の作用について説明する。
【0050】
図5は本第2実施形態のカムフォロアにラジアル荷重が作用した場合に生じる荷重を示す断面図である。ここで、図5に示す矢印はその部位に作用する荷重を示し、白抜きの矢印はカムフォロア1に作用する荷重、黒塗りの矢印は従動部材3に作用する荷重を各々示す。
【0051】
カムフォロア1の外輪11の中心にラジアル荷重Fr(以降、Frと略記)が作用すると、このラジアル荷重Frに起因して、前記カムフォロア1を前記ラジアル荷重Fr方向に傾倒するモーメントM(以降、Mと略記)が作用する。このモーメントMに抗して、スタッド31には、差し込み孔3dの差し込み方向後縁Bから前記Frと逆向きの荷重Fr’(白抜き矢印)(以降、Fr’と略記)および、差し込み孔3dの、スタッド基部31bの差し込み方向前縁との当接部CからFrと同じ向きの荷重Fr”(白抜き矢印)(以降、Fr”と略記)が作用する。
【0052】
しかし、この時、従動部材3に段部31kが当接して、当接力Ftがスタッド軸方向に作用することで、カムフォロア1の傾倒を受けて前記Mに抗するため、前記Fr’(白抜き矢印)が著く軽減され、前記Fr’の反力である前記差し込み孔3dの差し込み方向後縁に作用する圧縮力Fr’(黒塗り矢印)も著く軽減される。つまり、スタッド31の倒れを前記段部31kでも支持することができるため、前記差し込み孔後縁Bに過大な圧縮力が作用することを防止できる。
【0053】
したがい、差し込み孔3dの差し込み方向後縁Bの角が丸められダレを生じることがなく、よって従動部材3の差し込み孔3dとスタッド基部31bとの軸方向の接触長が保たれ、取り付け剛性を維持することができる。
【0054】
また、前記段部31kに従動部材3が当接することで、前記カムフォロア1と前記従動部材3とのスタッド軸方向の位置決めができるようになり、取り付け作業性を容易となしつつ、取り付け精度の向上が図れる。
【0055】
図6は第2実施形態の変形例を示す断面図である。ここで、本変形例の全体的な概略構成は前述の第2実施形態で示した図4の構成とほぼ同じであり、よって同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0056】
図6に示すように、基本的に本変形例は、スタッド基部31bが従動部材3の差し込み孔3dから突出しない程度に長く設定されて、かつボルト頭部7fが完全に前記スタッド基部31b内に埋設されている点で前記第2実施形態と相違する。
【0057】
そして、上記のようにスタッド基部31bを長くしているので、この円筒部においても前述したカムフォロア1の傾倒を受けることができて、傾倒防止作用が向上しているとともに、カムフォロア1を取り付ける際の位置決め時の傾きも小さくでき取り付け精度の更なる向上が図れる。
【0058】
また、ボルト7fが完全に前記スタッド基部31b内に埋設されて、前記差し込み孔3dに完全に収まっているので、従動部材3の近隣に位置する構造物との干渉を可及的に防止することができる。
【0059】
図7も第2実施形態の変形例を示す断面図である。ここで、本変形例の全体的な概略構成も前述の第2実施形態で示した図4の構成とほぼ同じであり、よって同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0060】
図7に示すように、基本的に本変形例は、スタッド31の端部が二段の階段状段部になっていない点で図4に示す第2実施形態と相違する。すなわち、図4における一段目の段部31tがなく、二段目の段部31uのみがスタッド31端部の外周に環状に突出して形成されている。そして、この段部31uの端面31zにニードル21および外輪11の端面が対向しており、この端面31zによって前記ニードル21および外輪11のスラスト方向の位置ズレ防止がなされる。
【0061】
また、一段目の段部がない分、段部31kの軸方向厚みを大きくすることができる。
【0062】
図8は第2実施形態の変形例を示す断面図である。ここで、本変形例の全体的な概略構成は前述の第2実施形態で示した図4の構成とほぼ同じであり、よって同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0063】
図8に示すように、基本的に本変形例は、段部の形状が異なること、および前記段部と従動部材3との間に、カラー17を介装している点で図4に示す第2実施形態と相違する。
【0064】
本実施形態の段部31k’は、前記スタッドの軌道面31qの外径より前記スタッド基部31bの外径を小さくして、スタッドの軌道面31qとスタッド基部31bとの境界の全周に亘り段差を形成して設けられる。そして、この段部31k’と従動部材3との間には、スタッド基部31bが挿通される孔を中央部に有する円環板状のカラー17が介装され、このカラー17を介して前記段部31k’と従動部材3とは間接的に当接している。このカラー17は、ニードル21のスラスト方向の位置ズレ防止機能を有するとともに、前記段部31k’と組み合わされてカムフォロア1と従動部材3との位置決めとしても作用する。
【0065】
前記外輪11の従動部材3と対向する端面11zには、前記カラー17が収納される円形の凹部11mが設けられ、この凹部11mの内周面と前記カラー17の外周面との間には隙間が設けられる。この隙間が、許容値以下のラジアル荷重では前記カラー17と凹部11mの内周面とが当接せず、許容値以上では当接するように設定されるのは、前述した段部31kの場合と同様である。
【0066】
次に本変形例の作用について説明する。
【0067】
カムフォロア1の外輪11の中心にラジアル荷重Fr(白抜き矢印)が作用すると、このラジアル荷重Frに起因して、前記カムフォロア1を前記ラジアル荷重Fr方向に傾倒するモーメントM(白抜き矢印)が作用する。このモーメントMに抗して、スタッド31には、差し込み孔3dの差し込み方向後縁Bから前記Frと逆向きの荷重Fr’(白抜き矢印)および、差し込み孔3dの、スタッド基部31bの差し込み方向前縁との当接部CからFrと同じ向きの荷重Fr”(白抜き矢印)が作用する。
【0068】
しかし、この時、段部31k’が、カラー17を介して、従動部材3に当接して、当接力Ftがスタッド軸方向に作用することで、このFtがカムフォロア1の傾倒を受けて前記Mに抗するため、前記Fr’(白抜き矢印)が著く軽減され、前記Fr’の反力である前記差し込み孔3dの差し込み方向後縁に作用する圧縮力Fr’(黒塗り矢印)も著く軽減される。したがい、差し込み孔3dの差し込み方向後縁Bの角が丸められダレを生じることなく、よって従動部材3の差し込み孔3dとスタッド基部31bとの軸方向の接触長が保たれ、取り付け剛性を維持することができる。
【0069】
また、前記従動部材3のダレを軽減するには、前記当接力Ftを従動部材側で大きな面積で受けて、その当接応力を小さくすることも有効である。通常、大きな面積で受けるには、前記段部31k’の段差を大きくする、すなわち軌道面31qとスタッド基部31bの外径差を大きくする必要がある。一般には軌道面31qの外径が決まっているため、スタッド基部31bの外径を小さくせざるを得ず、スタッド基部31bでの曲げ剛性が低下して、倒れ防止効果が低下してしまう。
【0070】
しかしながら、本変形例によれば、前記段差が小さくてもカラーを介することによって、従動部材3においてはFtを大きな面積で受けるように受圧面積を拡大することができる。したがい、スタッド基部31bの外径を小さくすることなく倒れ防止効果を維持しつつダレを軽減することができる。
【0071】
更には、本変形例の場合は、前述したように、スタッド31と独立した部材である前記カラー17がニードル21の位置ズレ防止の保持機能を有するため、スタッドの軌道面31qの外径を大きくする等、スタッド軌道面31qの外径を自由に設定することができ、カムフォロア設計の自由度が増す。
【0072】
図9は本発明に係るカムフォロアの固定構造の第3実施形態を示す断面図である。ここで、図9に示すように、基本的に本第3実施形態は、第2実施形態に追加して、くさび部材5とスタッド基部31bとを締結させた状態で、従動部材3と当接する係止部5tを前記くさび部材5の大径側に設けたものであり、大半の構成は第2実施形態と同様のため、同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0073】
本実施形態のカムフォロアの固定構造は、カム機構の従動部材3に貫通形成した差し込み孔3dにカムフォロアのスタッド基部31bを差し込んで固定するカムフォロア1の固定構造において、前記スタッド基部31bの端面に凹設され、同面がスタッド軸芯を中心とする円錐面に形成された凹部31cと、該凹部31cに圧入され該凹部31cを拡径変形させることで、前記スタッド基部31bを前記従動部材3とで挾圧固定する、裁頭円錐形状部を有するくさび部材5と、このくさび部材5とスタッド31とを締結してくさび部材5を凹部31cに圧入固定するネジ部材7とを備えて、前記スタッド基部31bの差し込み方向の後縁に位置させて、径方向外方に突出して従動部材3に当接する段部31kを一体に形成されるとともに、前記くさび部材5の大径側に、該くさび部材5とスタッド基部31bとを締結させた状態で、前記従動部材3に当接する係止部5tとを設けて構成される。
【0074】
図9に示すように、スタッド基部31bの差し込み方向の後縁には、第2実施形態と同様に、径方向外方に突出して従動部材3に当接する段部31kが形成されている。
【0075】
前記スタッド基部31bの端面には、前記実施形態1と同様に、凹部31cと雌ネジ31aが形成され、この凹部31cにはくさび部材5が圧入される。
【0076】
このくさび部材5の大径側には、このくさび部材5と前記凹部31cとを締結固定させた状態で、前記段部31kとで前記従動部材3を挟み込む、径方向外方に突出した環状の係止部5tが一体に形成されている。
【0077】
更に、このくさび部材5には、第1実施形態と同様に、ボルト7の挿通孔5gが設けられるとともに、ボルト頭部7fが収納されるざぐり穴5fが前記くさび部材5の大径側に設けられる。そして、この挿通孔5gに挿通されたボルト7の先端部に形成された雄ネジ部7aと前記スタッドの凹部31cの雌ネジ31aとが螺合するとともに、前記さぐり穴5fの底部とボルト頭部7fとが係止されることで、前記くさび部材5と前記スタッド31の凹部31cとが締結固定される。
【0078】
次に本実施形態にかかるカムフォロアの固定構造の作用について説明する。
【0079】
前記スタッド基部31bが前記従動部材3の差し込み孔3dに軽圧入で差し込まれた状態では、前記スタッド基部31bと前記差し込み孔3dとは、若干の圧着がされているか、若しくはその間にすきまばめ程度の若干の隙間が存在している。また、スタッド31の段部31kと従動部材3は当接しているが、くさび部材5の係止部5tと従動部材3との間には隙間が存在し、前記係止部5tと従動部材3とは当接していない。
【0080】
前記ボルト7の雄ネジ部7aと前記スタッド31の雌ネジ31aとが螺合し、前記スタッドの凹部31cに前記くさび部材の円錐面5cが当接して前記ボルト7に引張の締結力が生じると、前記くさび部材5は、そのさぐり穴5fの底部を介して前記ボルト7から、前記凹部31cに押し付けられる方向に圧入力を付与され、前記係止部5tと従動部材3との間の隙間は徐々に小さくなる。
【0081】
一方、この圧入力は、前記くさび部材の円錐面5cのくさび効果により、前記凹部の円錐面31cに垂直に作用する当接力に変化する。そして、この当接力の径方向外方に向いた分力により、前記凹部31cが拡径変形するとともに前記スタッド基部31bが拡径し、差し込み孔3dと前記スタッド基部31bとが圧着される。
【0082】
そして、前記ボルト7の締結力を更に大きくすることにより、前記実施形態1と同様に、スタッド基部31bが前記くさび部材5と前記従動部材3とで挾圧固定される。これに若干後行して、前記係止部5tと従動部材3との間の隙間もなくなり、前記スタッド31の段部31kと前記くさび部材5の係止部5tとで従動部材3は挾圧固定される。
【0083】
したがい、スタッド基部31bと差し込み孔3dとの嵌め合いは、強固なしまりばめにせずとも、前記くさび部材5と前記従動部材3とでスタッド基部31bを挾圧固定することに加えて、前記段部31kと前記係止部5tとで従動部材3を挾圧固定することができるため、非常に強固にカムフォロアを固定することができる。
【0084】
また、差し込み方向と逆方向の引き抜き力がカムフォロア1に作用しても、前記くさび部材5の係止部5tと従動部材3とが係止されているため、この係止部5tにて前記引き抜き力に対抗して、カムフォロア1の抜け落ちを防止できる。
【0085】
図10は第3実施形態の変形例を示す断面図である。ここで、本変形例の全体的な概略構成は前述の第2実施形態で示した図9の構成とほぼ同じであり、よって同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0086】
図10に示すように、基本的に本変形例は、くさび部材5の係止部の形状および、これと係止し当接する従動部材の形状が異なる点で前記第3実施形態と相違する。
【0087】
本変形例の係止部5vは、前記くさび部材5の大径側に設けられ、前記差し込み方向前方に進むに従いその外径が大径となる円錐面5wからなる。また、前記従動部材3の取り付け孔3dには、前記くさび部材5と前記円錐面5wにて係合するように、前記差し込み孔3dの差し込み方向前方に設けられるとともに、差し込み方向前方に進むに従い内径が大径となる断面テーパー状孔3wが設けられている。前記係止部5vの円錐面5wのテーパー角度と前記断面テーパー状孔3wのテーパー角度とは一致するように設けられる。
【0088】
尚、本変形例の場合は、前記断面テーパー状孔3wのテーパー角度と前記凹部31cのテーパー角度とを同じに設定しているが、必ずしも同じでなくても良い。
【0089】
次に本変形例の作用について説明する。
【0090】
前記スタッド基部31bが前記従動部材3の差し込み孔3dに軽圧入で差し込まれた状態では、前記スタッド基部31bと前記差し込み孔3dとは、若干の圧着がされているか、若しくはその間にすきまばめ程度の若干の隙間が存在している。また、スタッド31の段部31kと従動部材3は当接しているが、くさび部材5の係止部5vと従動部材3との間には隙間が存在し、前記係止部5vと従動部材3とは当接していない。
【0091】
前記ボルト7の雄ネジ部7aと前記スタッド31の雌ネジ31aとが螺合し、前記スタッドの凹部31cに前記くさび部材の裁頭円錐面5cが当接して前記ボルト7に引張の締結力が生じると、前記くさび部材5は、前記くさび部材のさぐり穴5fの底部を介して前記ボルト7から、前記凹部31cに押し付けられる方向に圧入力を付与され、前記係止部5vと従動部材3との間の隙間は徐々に小さくなる。
【0092】
一方、この圧入力は、前記くさび部材の円錐面5cのくさび効果により、前記凹部の円錐面31cに垂直に作用する当接力に変化し、この当接力の径方向外方に向いた分力により前記凹部31cが拡径変形するとともに前記スタッド基部31bが拡径し、差し込み孔3dと前記スタッド基部31bとの隙間は吸収される一方、この圧入力は、前記くさび部材の円錐面5cのくさび効果により、前記凹部の円錐面31cに垂直に作用する当接力に変化する。そして、この当接力の径方向外方に向いた分力により、前記凹部31cが拡径変形するとともに前記スタッド基部31bが拡径し、差し込み孔3dと前記スタッド基部31bとは圧着される。
【0093】
そして、前記ボルト7の締結力を更に大きくすることにより、前記実施形態1と同様に、スタッド基部31bが前記くさび部材5と前記従動部材3とで挾圧固定される。これに若干後行して、前記係止部5vと従動部材3との間の隙間もなくなり、前記係止部5vの円錐面5wと前記従動部材3の断面テーパー状孔3wとは、面接触状態で係合し、前記スタッド31の段部31kと前記くさび部材5の係止部5vとで従動部材3は挾圧固定される。
【0094】
すなわち、前記くさび部材5と前記従動部材3とでスタッド基部31bを挾圧固定することに加えて、前記段部31kと前記係止部5vとで従動部材3を挾圧固定するため、非常に強固にカムフォロア1を固定することができる。
【0095】
また、本変形例は、係止部5vが従動部材3内に収納されるため、係止部5vが従動部材3の平面から突出することなく面一にすることができ、見た目に好ましい外観にすることができるとともに、従動部材3に隣接する構造物との干渉を完全に防止することができる。
【0096】
図11は第3実施形態の変形例を示す断面図である。ここで、本変形例の全体的な概略構成は前述の第3実施形態で示した図9の構成とほぼ同じであり、よって同一の部材には同一の符号を付して、その相違点についてのみ説明する。
【0097】
図11に示すように、基本的に本変形例は、くさび部材5とスタッド31とを複数のボルトで締結固定する点で前記第3実施形態と相違する。
【0098】
本変形例のくさび部材5には、このくさび部材5の中心軸に対して各々が互いに均等な位置関係となるように、このくさび部材5を挿通するボルト7の挿通孔5gが複数設けられる。例えば、前記複数の挿通孔5gは、前記くさび部材5の中心軸からの距離が等しく、かつ前記距離を半径とする円周上に等間隔に配設される。また、前記くさび部材5には、この挿通孔5gよりも大径なボルト頭部7fが収納されるざぐり穴5fがくさび部材5の大径側に設けられる。
【0099】
そして、この複数の挿通孔5gに挿通されたボルト7の先端部に形成された雄ネジ部7aと、前記した複数の挿通孔5gに対応して凹部31cに設けられた複数の雌ネジ31aとが螺合されて、くさび部材5と前記スタッド31の凹部31cとが締結固定される。
【0100】
このように複数のボルト7で締結しているので、大きな締結力を付与することができ、より強固にカムフォロア1を固定することが可能となる。また、当然のことながら、この複数のボルトによる締結は前述した各実施形態にも適用し得る。
【0101】
以上、本発明の実施形態およびその代表的な変形例について説明したが、本発明は、かかる実施形態および変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0102】
例えば、本第1実施形態では、ボルト7(ネジ部材)とくさび部材5を別部品としたが、くさび部材の裁頭面上に雄ネジ部のボルト部を突出して一体に形成したくさび部材を用いても良い。この場合、前記くさび部材の大径側の端部には、前記雄ネジ部をスタッド31の雌ネジ31aと螺合させる際の締め付けトルクを付与する係止部を設けることは言うまでもない。
【0103】
また、前記雄ネジ部を前記くさび部材の円錐面に形成するとともに、前記スタッド31の雌ネジを凹部の円錐面に形成して、前記雄ネジ部と雌ネジを螺合させて前記くさび部材とスタッドを締結固定させても同様の作用・効果を奏する。
【0104】
更には、前記くさび部材5を裁頭円錐形状としたが、裁頭円錐形状を有する形状であればこれに限るものではなく、例えば、くさび部材の大径側が円柱となっていても良い。
【0105】
本第2実施形態では、前記段部31kを、前記スタッド31の外周面の全周に亘り設けたが、前記ラジアル荷重の方向が前記スタッドに対して一定であれば、その方向のみ円周方向の一部分に倒れ防止用の段付部を設ければ良く、全周に亘り設ける必要はない。
【0106】
また、前記段部31kの断面形状については矩形形状としたが、従動部材3と当接して、カムフォロア1の傾倒を支持できればこれに限るものではない。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本請求項1に示すカムフォロアの固定構造によれば、くさび部材とスタッド基部の凹部とを締結して圧入固定するネジ部材の締結力により、スタッド基部の凹部に前記くさび部材が圧入されるにつれて、くさび効果によりくさび部材から前記凹部の円錐面に垂直に当接力が作用し、この当接力の径方向外方に向いた分力により前記凹部が拡径変形するとともに前記スタッド基部の外径が拡径するようになっているので、スタッド基部と差し込み孔の嵌め合い公差を高精度なしまりばめに設定しなくても、両者間の嵌め合い時の隙間は、スタッド基部の拡径変形により吸収され、スタッド基部は、前記くさび部材と前記従動部材とで挾圧固定される。
【0108】
したがい、前記した高精度な嵌め合い公差は必要なく、カムフォロアの製作工数、取り付け作業工数の大幅な削減が可能となる。
また、従動部材には、セットボルト取り付け用の雌ネジ孔が必要でないため、断面欠損による強度低下を招くことがなく、従動部材の小型化が図れる。
更には、前記くさび部材およびネジ部材を、概ね差し込み孔とスタッド内に収納できるため、取り付けスペースを小さく抑えることができる。
【0109】
本請求項2に示すカムフォロアの固定構造によれば、請求項1に加えて、前記スタッド基部は、径方向外方に突出する段部を備えており、当該段部の前記従動部材側の端面が当該従動部材に当接する構成としたので、カムフォロアにラジアル荷重が作用して、前記カムフォロアを傾倒するモーメントが作用しても、前記段部の前記従動部材側の端面が従動部材に当接することでカムフォロアの傾倒を受けて前記モーメントに抗するため、前記差し込み孔の差し込み方向後縁に過大な圧縮力が作用することを防止できる。
【0110】
したがい、差し込み孔の差し込み方向後縁の角が丸められダレを生じることもなく、カムフォロアの取り付け剛性を維持することができる。
また、前記段部に従動部材が当接することで、前記カムフォロアと前記従動部材とのスタッド軸方向の位置決めもできるようになるため、取り付け精度が向上する。
【0111】
本請求項3に示すカムフォロアの固定構造によれば、請求項2に加えて、前記くさび部材の大径側に、このくさび部材とスタッド基部とを締結させた状態で、前記従動部材に当接する係止部を設けた構成としたので、前記請求項1記載の、スタッド基部が前記くさび部材と前記従動部材とで挾圧固定されることに追加して、前記スタッドの段部と前記くさび部材の係止部とで前記従動部材を挟み込み固定することができるので、非常に強固にカムフォロアを固定することができる。
【0112】
また、差し込み方向と逆方向の引き抜き力がカムフォロアに作用しても、前記くさび部材の係止部と従動部材とが当接し係止されているため、この係止部にて前記引き抜き力に対抗して、カムフォロアの抜け落ちを防止できる。
【0113】
本請求項4に示すカムフォロアの固定構造によれば、カム機構の従動部材に貫通形成した差し込み孔にカムフォロアのスタッド基部を差し込んで固定するカムフォロアの固定構造において、前記スタッド基部の端面に凹設され、スタッド軸芯を中心とする円錐面を有する凹部と、該凹部に圧入され該凹部を拡径変形させることで、前記スタッド基部を前記従動部材とで挾圧固定する、裁頭円錐形状部を有するくさび部材と、このくさび部材とスタッドとを締結してくさび部材を凹部に圧入固定するネジ部材とを備え、前記スタッドには、前記ネジ部材の挿通孔が、当該ネジ部材との間に隙間を有して設けられており、前記くさび部材には、雌ネジが設けられており、前記ネジ部材の先端部には雄ネジ部が形成されており、前記挿通孔に挿通された前記ネジ部材の前記雄ネジ部と、前記くさび部材に設けられた前記雌ネジとが螺合するように構成することにより、前述した目的を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカムフォロアの固定構造の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の変形例を示す断面図である。
【図3】第1実施形態の変形例を示す断面図である。
【図4】本発明に係るカムフォロアの固定構造の第2実施形態を示す断面図である。
【図5】第2実施形態の作用を説明するための作用荷重分布を示す断面図である。
【図6】第2実施形態の変形例を示す断面図である。
【図7】第2実施形態の変形例を示す断面図である。
【図8】第2実施形態の変形例を示す断面図である。
【図9】本発明に係るカムフォロアの固定構造の第3実施形態を示す断面図である。
【図10】第3実施形態の変形例を示す断面図である。
【図11】第3実施形態の変形例を示す断面図である。
【図12】従来のカムフォロアの固定構造を示す断面図である。
【図13】従来のカムフォロアの固定構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カムフォロア
31 スタッド
31a 雌ネジ
31b スタッド基部
31c 凹部
31k 段部
3 従動部材
3d 差し込み孔
5 くさび部材
5t 係止部
7 ボルト(ネジ部材)
Claims (4)
- カム機構の従動部材に貫通形成した差し込み孔にカムフォロアのスタッド基部を差し込んで固定するカムフォロアの固定構造において、
前記スタッド基部の端面に凹設され、スタッド軸芯を中心とする円錐面と、当該スタッド軸芯に沿った雌ネジを有する凹部と、
該凹部に圧入され該凹部を拡径変形させることで、前記スタッド基部を前記従動部材とで挾圧固定する、裁頭円錐形状部を有するくさび部材と、
このくさび部材とスタッドとを締結してくさび部材を前記凹部に圧入固定するネジ部材とを備え、
前記円錐面は、前記スタッド軸芯の軸線方向において、前記雌ネジよりも、前記スタッド基部の前記端面の側に配置されており、
前記くさび部材には、前記ネジ部材の挿通孔が、当該ネジ部材との間に隙間を有して設けられ、
前記ネジ部材の先端部には雄ネジ部が形成されており、
前記挿通孔に挿通された前記ネジ部材の前記雄ネジ部と、前記スタッドに設けられた前記雌ネジとが螺合することを特徴とするカムフォロアの固定構造。 - 前記スタッド基部は、径方向外方に突出する段部を備えており、当該段部の前記従動部材側の端面が当該従動部材に当接することを特徴とする請求項1記載のカムフォロアの固定構造。
- 前記くさび部材の大径側に、該くさび部材とスタッド基部とを締結させた状態で、前記従動部材に当接する係止部を設けたことを特徴とする請求項2記載のカムフォロアの固定構造。
- カム機構の従動部材に貫通形成した差し込み孔にカムフォロアのスタッド基部を差し込んで固定するカムフォロアの固定構造において、
前記スタッド基部の端面に凹設され、スタッド軸芯を中心とする円錐面を有する凹部と、
該凹部に圧入され該凹部を拡径変形させることで、前記スタッド基部を前記従動部材とで挾圧固定する、裁頭円錐形状部を有するくさび部材と、
このくさび部材とスタッドとを締結してくさび部材を凹部に圧入固定するネジ部材とを備え、
前記スタッドには、前記ネジ部材の挿通孔が、当該ネジ部材との間に隙間を有して設けられており、
前記くさび部材には、雌ネジが設けられており、
前記ネジ部材の先端部には雄ネジ部が形成されており、
前記挿通孔に挿通された前記ネジ部材の前記雄ネジ部と、前記くさび部材に設けられた前記雌ネジとが螺合することを特徴とするカムフォロアの固定構造。
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