JPS5941152Y2 - 自動車用前照灯におけるアジヤストスクリユの支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用前照灯の光軸調整を行なうためのアジ
ャストスクリュの支持構造に関する。

従来ではアジャストスクリュ口をリテーニングリンゲイ
等灯具側に遊貫挿し、ハウジングハに取付けたセルフロ
ッキングナットニに螺合連結すると共に、灯具側とハウ
ジングハとの間にスプリングホ介在させるが、スナップ
ワッシャへを使用してアジャストスクリュ口を灯具側と
連繋させていた。

その為、光軸調整時や調整後にガタつき光軸が狂う欠点
があるだけでなく、部品点数も多く組立に手間取ると言
った欠点があった。

係る欠点を解消するべく、特開昭４９−５０７８０号公
報に開示された如き支持構造（第１０図、第１１図参照
）が提案されたが、最近のようにプロパー型ヘッドラン
プが増加し、加えて大型化、重重量化の傾向にあるヘッ
ドランプにあっては自動車の振動に耐得る強度を持ち且
つアジャストスクリュ口の頭部口′を弾接的に支持させ
ることが困難である。

即ち、必要な強度を持たせるように受座トを設計すれば
受座トが厚肉となりアジャストスクリュ口の頭部口′を
嵌入するのが容易でなく、また変形してしまい、さらに
受座トを薄肉に形成すれば頭部口′の嵌入は容易となる
が、保持が充分でなくなり、振動によってアジャストス
クリュの頭部口′が脱落してしまう欠点がある。

本考案はこの様な従来品の欠点に鑑み、調整時や調整後
にガタつきや狂いが生じることなく安定的な操作で正確
に調整支持できると同時に、少ない部分点数で製造組立
が簡単で且つ走行時の振動にも十分に耐得るアジャスト
スクリュの支持構造を提供せんとするものである。

以下、本案実施例を図面に基づいて説明する。

球面受座１は球形状に形成したアジャストスクリュ２の
頭部２′を回動自在に嵌合包持するもので、円筒状側壁
３の内面に球形状受座４を形成すると共に、縦方向に縦
割穴５を切欠き形成してなり、また側壁３の上部（肩部
）３′は灯具６との密着性を良くする為に丸味を与え、
その上部に円筒状係止部７を一体形成する。

縦割穴５は受座４内にアジャストスクリュ２の頭部２′
を圧入しやすくする為のものであるが、防水性を考慮し
て側壁３の肩部３′に達しない程度の高さとする。

アジャストスクリュ２はその頭部２′を少なくとも球面
受座１の受座４と摺接する部分を球形状に形成してなり
、該頭部２′の上面にはドライバー（工具）９を係止す
る係止溝８を形成する。

円筒状係止部７は球面受座１を灯具６に対し脱落しない
ように支持するもので、球面受座１より小径の円筒形状
に形成し、球面受座１の上部に連通状に一体形成し、そ
の上部周線に係止鍔１０を突出形成してなる。

この円筒状係止部７にはアジャストスクリュ２を取付け
る場所の条件、すなわち第２図の如く、灯具６のレンズ
１１内に位置した所など特に防水性を必要とされる場所
に取付けるものでは天板１２を同一体に形成し、第１図
及び第３図の如く特に防水性を要求されない場所に取付
けるものでは上下貫通状に形成する。

而して、球面受座１にアジャストスクリュ２の頭部２′
を圧入嵌合せしめ、然る後該球面受座１を灯具６に形成
した取付穴１３に圧入嵌着する。

円筒状側壁３の外周径は取付穴１３の内径とほぼ等しく
形威し、アジャストスクリュ２の頭部２′を圧入嵌合す
ると円筒状側壁３の外周径が拡がり、取付穴１３の内周
面に密接すると共に円筒状側壁３が取付穴１３で内方へ
押圧され、アジャストスクリュの頭部２′の嵌合保持を
きわめて優れたものにしている。

尚、ここで言う灯具６とはアジャストスクリュ２を取付
ける部材を指し、第１図に示す如くリテニングリング１
４であったり、第２図及び第３図に示す如くボディ１５
のことである。

球面受座１を保持する取付穴１３は球面受座１と適合す
るよう形成すると共に、円筒状係止部７と相互に係合す
る段部１６を形成する。

本考案は斯様に構成したので、組立に際し球面受座に縦
割穴を形成してる為、アジャストスクリュの圧入嵌合時
に球面受座の側壁が若干拡開してアジャストスクリュの
圧入嵌合が容易となり、また球面受座を灯具の取付穴に
圧入嵌合して側壁の拡開を防止し内方向に押圧されるの
で、球面受座（円筒状側壁）の肉厚をそれほど厚肉に形
成せずともアジャストスクリュは強固に球面受座に包持
される。

又、球面受座の肉厚を薄く形成できるのでアジャストス
クリュの圧入嵌合がきわめて容易となる。

しかも、円筒状係止部が球面受座の上部に球面受座と連
通状に一体形成されている為、球面受座を容易に灯具の
取付穴に圧入嵌合することが出来ると共に、確実に係止
することが出来る。

また、アジャストスクリュと球面受座と灯具の取付穴と
が相互に密着圧入嵌合している為、ヘッドランプが大型
化、重重量化してもその保持力が優れアジャストスクリ
ュが球面受座から容易に脱落する恐れがなく、さらに防
水を要求される場所に設ける場合であってもこれらが防
水栓の役目を果し、安心して使用することが出来る。

しかも、組立に際し各部品毎を相互に圧入嵌合するだけ
でネジ等を使用しないので、その製造組立が簡単で作業
性も向上すると同時に、全体の形状寸法をコンパクトな
ものとすることが出来る。

依って、所期の目的を遠戚し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案支持構造の第１実施例を示す断面図、第
２図は第２実施例を示す断面図、第３図は第３実施例を
示す断面図、第４図は球面受座の拡大断面図、第５図は
球面受座の他の実施例を示す拡大断面図、第６図は球面
受座にアジャストスクリュを圧入嵌合した断面図、第７
図は第４図における球面受座の半断面図、第８図及び第
び第９図は従来例を示す断面図、第１０図は他の従来例
を示す断面図、第１１図は同斜視図である。 図中、１は球面受座、２はアジャストスクリュ、３は側
壁、５は縦割穴、６は灯具、７は円筒状係止部、１３は
取付穴である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側壁に縦割穴を有する球面受座の上部に円筒イス係止部
   を一体形成し、球面受座に球形状に形成したアジャスト
   スクリュの頭部を回動自在に嵌合せしめ、該球面受座を
   灯具に形成した取付穴に圧入嵌合した事を特徴とするア
   ジャストスクリュの支持構造。