JP4602526B2 - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色素増感型太陽電池に関するものであり、詳しくは、特定の構造を有するモノマー単位により構成された3次元的に架橋された高分子化合物に電解質を保持させた高分子電解質を使用した色素増感型太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
色素増感型太陽電池は、有機系太陽電池の中で高変換効率を示すため、広く注目されている。この色素増感型太陽電池で用いられている光電変換材料からなる半導体層には、半導体表面に可視光領域に吸収を持つ分光増感色素を吸着させたものが用いられている。例えば、特許掲載公報2664194号では、遷移金属錯体からなる分光増感色素を半導体層の表面に吸着させた金属酸化物半導体層を用いた太陽電池が記載されている。
【0003】
また、特公平8−15097号公報には、金属イオンをドープした酸化チタン半導体層の表面に、遷移金属錯体などの分光増感色素層を有する太陽電池が記載されている。さらに、特開平7−249790号公報には、半導体層の表面に分光増感剤のエタノール溶液を加熱還流させることにより得られた光電変換材料用半導体層を用いた太陽電池が記載されている。
【0004】
一般的な電解液を使用した色素増感型太陽電池の作成工程について図2を使用して説明を行う。
【0005】
透明支持体21の表面に形成された透明導電体膜22上に酸化チタンなどの多孔性半導体層23を形成させ、その多孔性半導体層23に色素を吸着させる。対極25に白金膜26などの触媒をコーティングし、半導体層23と白金膜26を対面するように透明支持体21と対極25を重ね合わせ、その間に電解液を注入して電解液層24とし、透明支持体21と対極25の側面をエポキシ樹脂27などで封止する。この工程により色素増感型太陽電池が作成される。
【0006】
また、電解液層24からの液漏れを防止するため、特開平8−236165号公報、特開平9−27352号公報には、電解液層を固体化した太陽電池が記載されている。電解液層の固体化方法としては、次の方法が知られている。まず、一般式(1);
【0007】
【化1】
Figure 0004602526
【0008】
(式中、R1、R2は水素原子またはメチル基であり、R3は水素原子あるいは炭素数1以上の低級アルキル基である。nは1以上の整数であり、mは0以上の整数であって、m/nは0〜5の範囲である。)
で表されるモノマーを、エチレングリコールに溶解して得られたモノマー溶液に、酸化還元種であるヨウ素化合物(ヨウ化リチウムなど)を溶解させ、多孔性半導体層に含浸させた後、紫外線もしくは熱により重合させて高分子化合物を作製する。その後、別の酸化還元種であるヨウ素を昇華させることによりドープを行うことで固体化された電解液層が形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のモノマーのみで重合を行うと、一般式(1)のモノマーにはビニル基が一つしかないため、3次元架橋構造を有する高分子化合物を作製することは困難である。得られる高分子化合物は、線状あるいは分岐高分子となるため、電解液の保持能力が小さくなり、機械的強度も悪い。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、3次元的に架橋された高分子を使用することにより、優れた液保持力と機械的強度を有する高分子電解質を有する色素増感型太陽電池を提供するものである。
【0011】
本発明者らは上記の問題点を解決するために、透明基板の表面に形成された透明導電膜と導電性基板との間に色素が吸着された多孔性半導体層と電解質層を有する色素増感型太陽電池において、少なくとも電解質層中の電解質が2個または3個以上のグリシジル基が構成要素となるモノマーを重合して得られた3次元的に架橋した高分子化合物により保持されており、2個のグリシジル基が構成要素となるモノマーが、以下の一般式
【化9】
Figure 0004602526
により示されることを特徴とする色素増感型太陽電池を提案している。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記のモノマーとして、下記式(2)〜(20)で表されるものが挙げられる。なお、下記式中のnは0以上の整数である。
【0013】
【化2】
Figure 0004602526
【0014】
【化3】
Figure 0004602526
【0015】
【化4】
Figure 0004602526
【0016】
【化5】
Figure 0004602526
【0017】
さらには、構造式(21)および(22)で表されるような3個のグリシジル基が点対称に配置されている構造を有するモノマーを用いることが好ましい。これは、モノマーが点対称構造をとっているため、架橋反応の際に立体障害が少なく反応性が良くなり、高品質な3次元ネットワーク構造を持つ高分子化合物を作製できるためである。
【0018】
【化6】
Figure 0004602526
【0019】
高分子電解質は、電解質を高分子化合物に保持させて構成されているが、高分子化合物に保持させる電解質は通常、溶媒に溶解または注入させた電解液の形態をとっている。
【0020】
電解液は、一般に電池や太陽電池などにおいて使用することができる電解液であれば特に限定されない。さらに、電解液中の電解質は酸化還元性のものがよく、これも一般に電池や太陽電池などにおいて使用することができる電解質であれば特に限定されない。具体的にはLiI、NaI、KI、CaI2などの金属ヨウ化物とヨウ素の組み合わせおよびLiBr、NaBr、KBr、CaBr2などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、この中でも、LiIとヨウ素の組み合わせが好ましい。
【0021】
電解質の電解液中の濃度としては、0.1〜1.5モル/リットルの範囲が挙げられるが、この中で、0.1〜0.7モル/リットルが好ましい。
【0022】
また、電解質の溶媒としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、その他、水や非プロトン極性物質などが挙げられるが、その中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が好ましい。
【0023】
色素増感型太陽電池では、多孔性半導体層中に十分に高分子電解質が分散されていれば変換効率が高くなる。そのため、液状であるモノマーまたは固体状のモノマーを適当な溶媒に溶解させたものを多孔性半導体中に含浸させ、その後に開環重合させることが好ましい。これらモノマーを溶解させる溶媒としては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、酢酸エチル、クロロエタン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
【0024】
重合方法については、光や熱により開環重合を行うことができる。しかし、色素増感型太陽電池において、多孔性半導体層の材料に酸化チタンを使用する場合が多いが、酸化チタンは紫外線領域にて光触媒反応を起こす物質であり、光により重合を行う際に紫外線光が照射されると光触媒反応が起こり、多孔性半導体層に吸着させた色素が分解するなどの問題が考えられる。そのため熱による開環重合を行うことが好ましい。
【0025】
重合は硬化剤の存在下で行ってもよい。使用できる硬化剤としては、重合付加型硬化剤、触媒型硬化剤などが挙げられる。重合付加型硬化剤にはアミン系化合物や酸無水物などがあり、下記に示す硬化剤が考えられる。
【0026】
アミン系重合付加型硬化剤としては、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、イソホロンジアミン(IPD)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジシアンジアミド(DICY)などが挙げられる。一方、酸無水物重合付加型硬化剤としては、ドデセニル無水コハク酸(DDSA)、ポリアゼライン酸無水物(PAPA)、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などが挙げられる。
【0027】
また、触媒型硬化剤としては、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)、2−メチルイミダゾール(2MZ)、2−エチル4−メチルイミダゾール(EMI24)などが挙げられる。さらに、実用プラスチック事典(材料編)/産業調査会事典出版センターに記載してある化合物も使用することができる。
【0028】
通常、熱による開環重合は、上記の硬化剤を使用して加熱することにより行うが、硬化剤濃度および加熱温度は、使用するモノマーにより適宜調整および選択することができる。具体的な濃度としては、触媒型硬化剤は0.5〜10wt%、重合付加型硬化剤は、0.5〜50wt%程度であり、重合付加型硬化剤は相対的に多く加える方が好ましい。
【0029】
触媒型硬化剤の場合は、モノマー含有溶液に適当な濃度に溶解させた後、多孔性半導体層中に注入することができる。一方、重合付加型硬化剤を用いる場合は、モノマーに硬化剤を添加した直後に硬化が開始する場合が考えられるため、はじめに多孔性半導体層中にモノマー含有溶液を注入し、その後、重合付加型硬化剤を浸透させることにより重合を行うことができる。この際の注入は低温で行うことが好ましく、約10℃程度がよい。
【0030】
上述した高分子化合物中に電解液を注入するには、高分子化合物を電解液中に浸すことにより、電解液を浸透させる方法が挙げられる。浸透時間は2時間程度は必要であるが、浸透温度を高くすれば、電解液は活性化され浸透速度が速くなり、高分子電解質の作製時間が短縮できる。なお、浸透温度については、35〜65℃程度が好ましい。
【0031】
多孔性半導体層を構成する材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公知の半導体の1種または2種以上を用いることができる。なかでも、変換効率、安定性、安全性の点から酸化チタンまたは酸化亜鉛が好ましい。
【0032】
上述の多孔性半導体層には、粒子状、膜状など種々な形態の半導体を用いることができるが、基板上に形成された膜状の多孔性半導体が好ましい。膜状の多孔性半導体を形成する場合の基板としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板などを使用することができ、なかでも透明性の高い基板が好ましい。
【0033】
膜状の多孔性半導体を基板上に形成する方法としては、公知の種々の方法を使用することができる。具体的には、基板上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥および焼成する方法、基板上に所望の原料ガスを用いたCVD法またはMOCVD法などにより半導体膜を成膜する方法、あるいは原料固体を用いたPVD法、蒸着法、スパッタリング法またはゾルーゲル法などにより半導体膜を形成する方法などが挙げられる。なお、この際の半導体の膜厚は、特に限定されるものではないが、透過性、変換効率などの観点より、0.5〜20μm程度が好ましい。さらに、変換効率を向上させるためには、後述する色素を膜状の多孔性半導体により多く吸着させることが必要である。このために、膜状の多孔性半導体は比表面積が大きなものが好ましく、10m2/g〜200m2/g程度が好ましい。
【0034】
上述の粒子状の半導体としては、市販されているもののうち適当な平均粒径、例えば1nm〜500nm程度の平均粒径を有する単一または化合物半導体の粒子などが挙げられる。また、この半導体粒子を懸濁させるために使用される溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶媒、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、イソプロピルアルコール/トルエンなどの混合溶媒、水などが挙げられる。
【0035】
上述の多孔性半導体の乾燥および焼成は、使用する基板や半導体粒子の種類により、温度、時間、雰囲気などを適宜調整することも必要になる。例えば、大気下または不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲内で、10秒〜12時間程度行うことができる。この乾燥および焼成は、単一の温度で1回または温度を変化させて2回以上行うことができる。
【0036】
電極として使用することができる透明導電膜は、特に限定されるものではないが、例えばITO、SnO2などの透明導電膜が好ましい。これら電極の作製方法および膜厚などは、適宜選択することができる。
【0037】
多孔性半導体層上に光増感剤として機能する色素(以下、単に「色素」と記す)を吸着させる方法としては、例えば基板上に形成された多孔性半導体層を、色素を溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。
【0038】
ここで使用することができる色素は、種々の可視光領域および赤外光領域に吸収を持つものであって、半導体層に強固に吸着させるために、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル記、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。
【0039】
インターロック基は、励起状態の色素と半導体の導電帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を提供するものである。これらインターロック基を含有する色素として、例えば、ルテニウムビピリジン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポリフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ベリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げられる。
【0040】
色素を溶解するために用いる溶媒は、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの窒素化合物、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。
【0041】
溶液中の色素濃度は、使用する色素および溶媒の種類は適宜調整することができ、吸着機能を向上させるためにはできるだけ高濃度である方が好ましい。例えば5×10-5モル/リットル以上の濃度であればよい。
【0042】
色素を溶解した溶液中に半導体を浸漬する際、溶液および雰囲気の温度および圧力は特に限定されるものではなく、例えば室温程度、かつ大気圧下が挙げられ、浸漬時間は、使用する色素、溶媒の種類、溶液の濃度などにより適宜調整することができる。なお、効果的に行うには加熱下にて浸漬を行えばよい。これにより、多孔性半導体上に色素を吸着させることができる。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
高分子電解質を用いた色素増感型太陽電池の作製方法について図1の作製手順を追った色素増感型太陽電池の断面図を用いて説明する。図1(a)〜(e)において、1は透明基板、2は透明電導膜、3は酸化チタン膜、4はセパレーター、5はPETフィルム、6は押さえ板、7はモノマー、8は高分子化合物層、9は電解液、10は容器、11は封止剤、12は白金膜、13は導電性基板を示している。
【0044】
酸化チタン膜3を作製するための酸化チタン懸濁液は、市販の酸化チタン粒子(テイカ株式会社製、商品名AMT−600、アナターゼ型結晶、平均粒径30nm、比表面積50m2/g)4.0gとジエチレングリコールモノメチルエーテル20mlとをガラスビーズを使用し、ペイントシェイカーで6時間分散させることで調整した。この酸化チタン懸濁液をドクターブレードを用いて、10μm程度の膜厚、10mm×10mm程度の面積で、SnO2からなる透明導電膜2をガラスからなる透明基板1上に作製した基板上の透明導電膜2側に塗布し、100℃で30分間予備乾燥した後、460℃で40分間酸素下で焼成した。その結果、膜厚が8μm程度の酸化チタン膜3が得られた。
【0045】
次にルテニウム色素(Solaronix社製、商品名Ruthenium535)を無水エタノールに濃度4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色素溶液を作製した。この吸着用色素溶液と、上述で得られた酸化チタン膜3と透明導電膜2を具備した透明基板1とを容器に入れ、約4時間溶液中に浸漬させることにより酸化チタン膜3に色素を吸着させた。その後、無水エタノールで数回洗浄し、約60℃で約20分間乾燥させた(図1(a)〜(b))。
【0046】
次に、式(22)で表されるトリグリシジルイソシアヌレートをモノマーとして使用する。このモノマーをN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと記載する)に20wt%の濃度で溶解させ、また、硬化剤として2−メチルイミダゾールをモノマーに対して5wt%の濃度で溶解させてモノマー溶液を作製する。
【0047】
このモノマー溶液を上述の酸化チタン膜3に含浸させる手順について以下に示す。▲1▼真空容器内にビーカーなどの容器を設置し、その中に透明導電膜2を具備した透明基板1上の酸化チタン膜3を入れ、ロータリーポンプで約10分間真空引きする。▲2▼真空容器内を真空状態に保ちながらモノマー溶液をビーカー内に注入し、約15分間含浸させ酸化チタン3膜中にモノマー溶液を十分にしみ込ます。▲3▼図1(c)に示すようにポリエチレン製セパレーター4、PETフィルム5と押さえ板6を設置し治具にて固定する。その後、約85℃で30分間加熱することにより、熱重合させ高分子化合物層8を作製する。このように熱重合された高分子化合物層8はNMPに不要な固形状に変化していた。
【0048】
次に、高分子化合物層8に含浸させる電解液を作製する。電解液は、NMPを溶媒として濃度0.5モル/リットルのヨウ化リチウムと濃度0.05モル/リットルのヨウ素を溶解させて作製した。この溶液中に上述の酸化チタン膜3に作製した高分子化合物層8を50℃の温度で1時間浸漬することにより、高分子化合物層8中に酸化還元性電解液を染み込ませて高分子電解質層(電解液層ともいう)を作製した(図1(d))。
【0049】
その後、白金膜12を具備した導電性基板13を設置し、エポキシ系の封止剤11にて周囲を封止する(図1(e))。この場合、本発明で電解質層に使用する2個以上のグリシジル基を有するモノマー単位からなる高分子化合物を封止剤として用いてもよい。
【0050】
上述した方法で作成した高分子電解質を使用した色素増感型太陽電池は、液体からなる電解質を使用した太陽電池と同等な変換効率を有している。具体的には、短絡電流が11.88[mA/cm2]、開放電圧が0.772[V]、フィルファクターが0.436、変換効率が4.0[%](測定条件:AM−1.5)の性能を有する色素増感型太陽電池が得られた。
【0051】
以下の実施例2〜11には、モノマーを変えて高分子化合物層8を作製し、その他の工程および構成材料については、実施例1に準じて色素増感型太陽電池を作製した。これら各色素増感型太陽電池について変換効率を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例2)
式(2)で表されるモノマーを使用した。
(実施例3)
式(4)で表されるモノマーを使用した。
(実施例4)
式(5)で表されるモノマーを使用した。
(実施例5)
式(6)で表されるモノマーを使用した。
(実施例6)
式(7)で表されるモノマーを使用した。
(実施例7)
式(8)で表されるモノマーを使用した。
(実施例8)
式(9)で表されるモノマーを使用した。
(実施例9)
式(10)で表されるモノマーを使用した。
(実施例10)
式(11)で表されるモノマーを使用した。
(実施例11)
式(12)で表されるモノマーを使用した。
【0052】
【表1】
Figure 0004602526
【0053】
モノマーを変えることにより、色素増感型太陽電池の変換効率に変化が見られた。全体として分子鎖が長いほど高い変換効率が得られた。式(2)〜(12)で表されるモノマーは、末端にグリシジル基があり、分子鎖が長いほど作製される高分子化合物のネットワークが大きくなり、酸化還元性電解液の保持力が強まり、そのため、変換効率が高くなったものと考えられる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、酸化還元性電解液が3次元的に架橋した高分子化合物に安定でかつ多量に保持されているため、高分子フリーの酸化還元性電解液と同等レベルのイオン伝導率を有する高分子電解質が作製することができ、高性能な高分子電解質を用いた色素増感型太陽電池を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における高分子電解質を用いた色素増感型太陽電池の作製手順を追った色素増感型太陽電池の断面概要図である。
【図2】従来の色素増感型太陽電池の層構成を示す要部の断面概略図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 透明電導膜
3 酸化チタン膜
4 セパレーター
5 PETフィルム
6 押さえ板
7 モノマー
8 高分子化合物層
9 電解液
10 容器
11 封止剤
12 白金膜
13 導電性基板
21 透明支持体
22 透明導電体膜
23 多孔性半導体層
24 電解液層
25 対極
26 白金膜
27 エポキシ樹脂

Claims (4)

  1. 透明基板の表面に形成された透明導電膜と導電性基板との間に色素が吸着された多孔性半導体層と電解質層を有する色素増感型太陽電池において、少なくとも電解質層中の電解質が2個または3個以上のグリシジル基が構成要素となるモノマーを重合して得られた3次元的に架橋した高分子化合物により保持されており、2個のグリシジル基が構成要素となるモノマーが、以下の一般式
    Figure 0004602526
    により示されることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 上記高分子化合物が、以下の一般式
    Figure 0004602526
    により示されるモノマー単位により構成されている請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 上記多孔性半導体層が、酸化チタンまたは酸化亜鉛により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 電解質が、少なくともヨウ素とヨウ素化合物が構成要素となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の色素増感型太陽電池。
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