図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられている。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、複数の図柄を変動表示する変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられている。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施例では、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
表示窓4L,4C,4Rの右側には、当り表示ランプ(いわゆるWINランプ)17及び払出表示部18が設けられている。当り表示ランプ17は、基本的に、BB又はRBの入賞成立が実現可能となった後、BB又はRBの入賞が成立するまでの間、点灯する。ここで、BB及びRBを総称して、以下「ボーナス」という。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられている。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDから成り、後で説明するBB一般遊技状態におけるゲームの回数等を表示する。表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、遊技に関連する情報等が表示される。
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。この停止ボタン7L,7C,7Rは、リール3L,3C,3Rによる図柄の変動表示の停止操作を遊技者から受け付ける停止操作受付手段を構成している。
図2は、各リール3L,3C,3Rに表された複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図8参照)に格納されている。各リール3L,3C,3R上には、“7(図柄91)”、“BAR(図柄92)”、“Replay(図柄93)”、“プラム(図柄94)”、“ベル(図柄95)”、及び“チェリー(図柄96)”の図柄で構成される図柄列が表されている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
図3は、各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数を示す。
実施例の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」、「BB一般遊技状態」及び「RB遊技状態」がある。これら“5種類”の各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類及び入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別により区別される。各遊技状態の特徴、すなわち各遊技状態において内部当選する役の種類、その確率及び各遊技状態におけるリール3L,3C,3Rの停止制御(入賞する可能性のある役の種類等)については、後で図4及び図5を参照して説明する。また、各遊技状態間の移行は、後述の遊技状態監視処理(図12)により行われる。
ここで、BBの入賞成立を契機として発生し、「BB一般遊技状態」及び「RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「BB遊技状態」という。また「BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選している状態であり、これらを総称して、以下「内部当選状態」という。なお、「内部当選状態」では、少なくともいずれか一方のボーナスを持ち越している状態にあり、ボーナスの入賞が成立するまでの間、ボーナスを内部当選役として保持する(一般に、「持ち越し」と称される)。
図3に示すように、BBの入賞は、内部当選状態において“7−7−7”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。BBの入賞が成立した後、遊技状態がBB一般遊技状態となる。
RBの入賞は、内部当選状態において“BAR−BAR−BAR”が有効ラインに沿って並ぶこと、又はBB一般遊技状態において“Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより成立する。BB一般遊技状態においてRBの入賞が成立することを、一般に「JAC IN(ジャックイン)」と称し、ジャックインした時には5枚のメダルが遊技者に払い出される。RBの入賞が成立した後、遊技状態がRB状態となる。
ここで、一般遊技状態においてボーナスに内部当選した場合(後述の図13のST56の判別が“NO”の場合)には、次のゲームにおいて別の遊技状態へ移行する。従って、一般遊技状態においてボーナスの入賞が成立することはない。
リプレイ(再遊技)の入賞は、一般遊技状態及び内部当選状態において、
1)“Replay−Replay−Replay”、
又は2)“7−7−7”以外の“7/Re−7/Re−7/Re”(つまり、“7−7−Replay”,“7−Replay−7”,“Replay−7−7”,“7−Replay−Replay”,“Replay−7−Replay”,又は“Replay−Replay−7”のいずれか)、
又は、3)“BAR−BAR−BAR”以外の“BAR/Re−BAR/Re−BAR/Re”(つまり、“BAR−BAR−Replay”,“BAR−Replay−BAR”,“Replay−BAR−BAR”,“BAR−Replay−Replay”,“Replay−BAR−Replay”,又は“Replay−Replay−BAR”のいずれか)
が並ぶことにより成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
また、一般遊技状態、内部当選状態及びBB一般遊技状態では、「チェリーの小役」、「ベルの小役」、及び「プラムの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、その払出枚数は図示の通りである。
役物の入賞は、RB遊技状態において“Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより成立する。役物の入賞成立回数が“8回”となったとき、遊技状態が変化する。ここで、役物の入賞が成立する可能性のあるRB遊技状態のゲームは、一般に「JACゲーム」と称される。
図4は、BET数が“3”のとき、一般遊技状態又は内部当選状態において内部当選役を決定する際(後述の図13)に使用される確率抽選テーブルAを示す。この確率抽選テーブルAのうち、「一般遊技状態」の欄は、一般遊技状態時に後述する内部当選役抽選手段に参照されて複数の内部当選役の中からいずれかの内部当選役を遊技毎に抽選する際に用いられる通常時確率抽選テーブルである。また、「内部当選状態」の欄は、内部当選状態時に後述する内部当選役抽選手段に参照されて内部当選役を遊技毎に抽選する際に用いられる、上記の通常時確率抽選テーブルとは別の内部当選時確率抽選テーブルである。
これら確率抽選テーブルには、各内部当選役が抽選される抽選確率値が示されている。内部当選役は、範囲“0”〜“16383”の16384個の乱数の中から1個の乱数が抽出され、抽出された乱数値が属する内部当選役の乱数区画に割り当てられた役に決定される。
本実施形態では、内部当選状態時には「再遊技」の抽選確率が16384/16384に設定されており、遊技媒体を新たに投入することなく再度遊技が行える「再遊技」が必ず抽選される抽選確率に設定されている。
次に、図5を参照して、遊技状態と、内部当選役と、選択される停止テーブル群Aとの関係について説明する。停止テーブル群とは、例えば、後述の図6或いは図7に示すような停止テーブルの集合を示し、リール3L,3C,3Rの停止制御の際に選択されるものである。
ここで、選択される停止テーブル群の内容は、基本的に、遊技状態及び内部当選役毎に変化しうるものであるが、本実施形態では、停止テーブル群の欄に示すテーブル群の名称を、入賞の可能性の有無及びその可能性がある役の種類に基づいて定めている。このため、本実施形態では、同一の名称の停止テーブル群が選択されたとしても、常にリール3L,3C,3Rの停止態様までもが一致するわけではない。入賞不成立停止テーブル群が選択された場合には、内部当選役、遊技状態に拘わらず、いずれの役の入賞も成立することはない。入賞成立可能停止テーブル群が選択された場合には、対応する役の入賞成立は可能であるが、その他の役の入賞成立を実現することはできない。例えば、「チェリー入賞成立可能停止テーブル群」が選択された場合には、「チェリーの小役」の入賞成立を実現しうるが、BB等の他の役の入賞成立を実現することはできない。また、「再遊技入賞成立可能停止テーブル群」が選択された場合には、「再遊技」の入賞成立を実現しうるが、他の役の入賞成立を実現することはできない。
図5に示すように、一般遊技状態では、ボーナスに内部当選した場合には、入賞不成立停止テーブル群が選択される。このため、ボーナスの入賞成立を実現することはできない。
BB内部当選状態では、図4の内部当選時確率抽選テーブルに示したように「再遊技」が100%の確率で抽選されるため、BB・再遊技入賞成立可能停止テーブル群が選択されるので、BBまたは再遊技の入賞成立を実現することができる。
RB内部当選状態でも、図4の内部当選時確率抽選テーブルに示したように「再遊技」が100%の確率で抽選されるため、RB・再遊技入賞成立可能停止テーブル群が選択されるので、RBまたは再遊技の入賞成立を実現することができる。
BB一般遊技状態及びRB遊技状態では、図示の停止テーブル群が選択され、リール3L,3C,3Rの停止制御が行われる。
次に、図6及び図7を参照して、ボーナス内部当選状態において再遊技に内部当選したときに使用される入賞成立停止テーブルの例について説明する。停止テーブルは、後述の滑りコマ数決定処理(図10のST20)で使用される。
「停止テーブル」には、各リール3L,3C,3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表す。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、後述する停止制御表示手段により、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表す。
ここで、本実施形態では、図柄をリール3L,3C,3Rに停止表示させられる引込範囲、いわゆる「滑りコマ数」を最大“4コマ”としている。従って、例えば、左リール3Lの回転中において、コードナンバー“10”の“プラム(図2の図柄94)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Lが操作された場合、コードナンバー“06”のチェリー(図2の図柄96)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右リール3Rを停止制御することができる。また、本実施形態では、「再遊技」の内部当選役およびボーナスの内部当選役の双方に対応した各図柄“Replay”及び“7”又は“BAR”が「滑りコマ数」の範囲にある場合、ボーナスの内部当選役に対応した図柄“7”又は“BAR”を優先的にリール3L,3C,3Rに停止表示させる。
図6は、BB・再遊技入賞成立可能停止テーブル群に含まれる、入賞ライン右上がり、つまり、クロスアップライン8eに入賞図柄が揃うBB・再遊技入賞成立可能停止テーブルを示す。このテーブルは、「BB内部当選状態」において再遊技に内部当選したゲームにおいて使用される
図6において、左リール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“04”,“08”,“13”,“16”又は、“20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の一つ下に配置された図柄は、“Replay”又は“7”である。
図6において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー“00”,“05”,“10”,“12”,“13”又は、“18”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄も、“Replay”又は“7”である。
図6において、右リール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“01”,“03”“07”,“09”,“12”,“16”又は、“18”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の一つ上に配置された図柄も、“Replay”又は“7”である。
以上のように、図6に示すBB・再遊技入賞成立可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスアップライン8eに沿って、再遊技入賞を成立させる1)“Replay−Replay−Replay”、又は2)“7−7−7”以外の“7/Re−7/Re−7/Re”、つまり、“7−7−Replay”,“7−Replay−7”,“Replay−7−7”,“7−Replay−Replay”,“Replay−7−Replay”,又は“Replay−Replay−7”のいずれかか、BB入賞を成立させる“7−7−7”が並ぶこととなる。
つまり、必ずBB又は再遊技の入賞が成立することとなる。
図7は、RB・再遊技入賞成立可能停止テーブル群に含まれる、入賞ライン中段、つまり、センターライン8cに入賞図柄が揃うRB・再遊技入賞成立可能停止テーブルを示す。このテーブルは、「RB内部当選状態」において再遊技に内部当選したゲームにおいて使用される
図7において、左リール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”,“07”,“12”,“13”,“17”又は、“20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay”又は“BAR”である。
図7において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”,“05”,“08”,“13”,“16”又は、“18”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄も、“Replay”又は“BAR”である。
図7において、右リール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”,“03”“06”,“11”,“15”又は、“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄も、“Replay”又は“BAR”である。
以上のように、図7に示すRB・再遊技入賞成立可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、センターライン8cに沿って、再遊技入賞を成立させる1)“Replay−Replay−Replay”、又は3)“BAR−BAR−BAR”以外の“BAR/Re−BAR/Re−BAR/Re”、つまり、“BAR−BAR−Replay”,“BAR−Replay−BAR”,“Replay−BAR−BAR”,“BAR−Replay−Replay”,“Replay−BAR−Replay”,又は“Replay−Replay−BAR”のいずれかか、RB入賞を成立させる“BAR−BAR−BAR”が並ぶこととなる。
つまり、必ずRB又は再遊技の入賞が成立することとなる。
図8は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル,停止ボタン操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「デモ表示コマンド」、「全リール停止コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。なお、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
図8の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、当り表示ランプ17)と、各種表示部(払出表示部18,クレジット表示部19,ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払い出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図8の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宣のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。ここで、CPU31,乱数発生器36及びサンプリング回路37は、複数の内部当選役の中からいずれかの内部当選役を抽選する内部当選役抽選手段を構成している。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは、一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順序付与されるコードナンバーとそれぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示すコードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞メダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
ここで、マイクロコンピュータ30、モータ駆動回路39及びリール停止信号回路46は、停止ボタン7L,7C,7Rで受け付けられた停止操作の受付タイミング、及び内部当選役抽選手段で抽選された内部当選役に基づいて、リール3L,3C,3Rに図柄を停止表示する停止表示制御手段を構成している。本実施形態では、この停止表示制御手段は、「内部当選状態」において、内部当選役抽選手段によって「再遊技」の内部当選役が抽選されると、「再遊技」の内部当選役、又は「BB」もしくは「RB」の内部当選役のいずれかに対応した図柄を、停止ボタン7L,7C,7Rで受け付けられた停止操作の受付タイミングに応じてリール3L,3C,3Rに停止表示する。
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダル払出処理」を終了する。
次に図9〜図11に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31の制御動作について説明する。
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ「以下STと表記する」1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の所定の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次に、前回のゲーム終了後、即ち全リール3L,3C,3R停止後から“30秒”経過したか否かを判別する。(ST3)この判別が“YES”であれば、副制御回路72に対し、「デモ画像」の表示を要求する「デモ表示コマンド」を送信する(ST4)。
次に、CPU31は、メダルの自動投入要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技の入賞が成立したか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST6)、ST8に移る。ST5の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST7)。この判別が“YES”のときは、ST8に移り、“NO”のときはST3に移る。
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST8)。この判別が“YES”のときは、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過しているか否かを判別し(ST9)、この判別が“YES”のときは、ST11に移り、“NO”のときはST10に移る。ST10では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1秒”経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
次に、CPU31は、リール回転処理を行い(ST11)、同時に乱数発生器36で発生した抽選用の乱数をサンプリング回路37によって抽出し(ST12)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST13)。ST12の処理で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ST13の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
図10のST14では、後で図12を参照して説明する遊技状態監視処理を行う。続いて、後で図13を参照して説明する確率抽選処理を行う(ST15)。この確率抽選処理は、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、上記ST12において抽出した乱数値がどの役の乱数範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。続いて、後で図14を参照して説明する停止テーブル群選択処理を行い(ST16)、ST17に移る。ST17では、ゲーム開始時の送信処理を行う。具体的には、内部当選役の情報、停止テーブル群選択処理の決定結果、遊技状態等の情報を含むコマンドを副制御回路72へ送信する処理を行う。
次に、CPU31は、停止ボタンが“オン”かどうかを判別する(ST18)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST20に移り、“NO”のときはST19に移る。ST19では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST20に移り、“NO”のときはST18に移る。
ST20では、CPU31は、滑りコマ数決定処理を行う。この滑りコマ数決定処理では、停止テーブル群選択処理で選択された停止テーブル群に含まれる停止テーブル、及び遊技者の停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する処理を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ST21)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示す。また、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、実際にリールが停止したときに、その入賞ラインに停止した図柄のコードナンバーとの差の絶対値により表される。この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。
ST22では、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別し、この判別が“YES”のときは、ST23に移り、“NO”のときはST18に移る。ST23では、全てのリールが停止したことを示す「全リール停止コマンド」を送信し、図11のST24に移る。
図11のST24では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST25)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST26)。この場合、遊技は中止となる。ST25の判別が“YES”のときは、ST27に移る。ST27では、遊技状態に応じてメダルのクレジット、又は払出しを行う。
次に、CPU31によって現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かが判別される(ST28)。BBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合には、CPU31による遊技処理はST2に戻り、次の新たな遊技が開始される。また、BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、BBゲームまたはRBゲームの遊技数がCPU31によってチェックされる(ST29)。この遊技数チェック処理では、RB遊技状態が発生した回数、BB一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックするとともに、BB一般遊技状態及びRB遊技状態間における遊技状態の移行を行う。
次に、CPU31によって現在の遊技状態がBBゲーム又はRBゲームの終了時か否かが判別される(ST30)。具体的には、BBの入賞が成立した後では、3回目のRB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。また、“BAR−BAR−BAR”が有効ラインに沿って並ぶことによりRBの入賞が成立した後では、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか否かを判別する。ここで、BBゲーム終了時であればBBゲーム終了時のRAMクリア処理がRAM33に対して行われ(ST31)、その後、遊技処理はST2に戻って次の新たな遊技が開始される。また、ST30でBBゲームまたはRBゲームの終了時でなければ、遊技処理はそのままST2に戻って次の新たな遊技が開始される。
次に、図12を参照して、遊技状態監視処理について説明する。ここで、以下の処理に用いるヒットリクエストフラグは、一般遊技状態においてBB又はRBに内部当選したとき(後述の図13のST57)、及びBB遊技状態等が終了したときにおいてのみ変更される可能性がある。
初めに、CPU31は、遊技状態がBB一般遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する(ST41)。この判別が“YES”のときは、それぞれの遊技状態に合わせて遊技状態をセットする(ST42)。具体的には、ST29(図11)の処理でチェックした遊技数に基づいた遊技状態をセットする。続いて、図10のST15に移る。ST41の判別が“NO”のときは、ヒットリクエストフラグが“10(H)”であるか否かを判別する(ST43)。この判別が“YES”のときは、遊技状態をRB内部当選状態にセットする(ST44)。続いて図10のST15に移る。
ST43の判別が“NO”のときは、ヒットリクエストフラグが“20(H)”であるか否かを判別する(ST45)。この判別が“YES”のときは、遊技状態をBB内部当選状態にセットする(ST46)。続いて、図10のST15に移る。ST45の判別が“NO”のときは、遊技状態を一般遊技状態にセットし(ST47)、図10のST15に移る。
以上のように、ゲーム開始時におけるヒットリクエストフラグに基づいて遊技状態の変更を行うようにしている。つまり、前回のゲームにおける遊技状況に応じて遊技状態を変更するようにしている。例えば、後述のST57(図13)でヒットリクエストフラグの内容が変更され得るが、その変更を契機とした遊技状態の変更は、次のゲームの開始時に行われることとなる。そして、この遊技状態監視処理においてセットされた遊技状態に基づいて後述の確率抽選処理(図13)及び停止テーブル群選択処理(図14)が行われる。
次に図13を参照して、確率抽選処理について説明する。
初めに、CPU31は、遊技状態が内部当選状態であるか否かを判別する(ST51)。この判別が“YES”のときは、ST53に移り、“NO”のときは、ST52に移る。ST52では、通常時確率抽選テーブル(図4の一般遊技状態の欄)に基づいて内部当選役の抽選を行い、ST54に移る。ST53では、内部当選時確率抽選テーブル(図4の内部当選状態の欄)に基づいて内部当選役の抽選を行い、ST54に移る。ST54では、選択された内部当選役の情報をRAM33に格納し、ST55に移る。
ST55では、セットされているヒットリクエストフラグが“10(H)”又は“20(H)”であるか否かを判別する。この判別が“NO”のとき、すなわち、「一般遊技状態」であるときは、ST56に移る。ST55の判別が“YES”のときは、図10のST16に移る。ST56では、内部当選役がBB又はRBであるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST57に移り、“NO”のときは図10のST16に移る。ST57では、ボーナスの種別に基づいてヒットリクエストフラグをセットする。具体的には、内部当選役がRBであるときは、ヒットリクエストフラグとして“10(H)”をセットし、BBであるときは、“20(H)”をセットする。その後、図10のST16に移る。
次に、図14を参照して、停止テーブル群選択処理について説明する。
初めに、CPU31は、停止テーブル選択用の乱数を抽出する(ST61)。次に、抽出した乱数値を用いて、遊技状態及び内部当選役に対応する停止テーブル群に含まれる停止テーブルのうち、いずれの停止テーブルを選択するかを決定する(ST62)。
上述した本実施形態によれば、上記のように、ボーナスの内部当選状態中には、図4の確率抽選テーブルAに示したように、必ず「再遊技」が抽選される。そして、停止ボタン7L,7C,7Rで受け付けられた停止操作の受付タイミングに応じて、「再遊技」の内部当選役または「BB」もしくは「RB」の内部当選役のいずれかに対応した図柄が、リール3L,3C,3Rに停止表示される。このため、停止ボタン7L,7C,7Rによって受け付ける停止操作の受付タイミングが悪く、リール3L,3C,3Rにボーナスの内部当選役に応じた図柄を停止表示できない場合であっても、「再遊技」が入賞する。従って、ボーナスの内部当選状態中、「BB」もしくは「RB」の内部当選役に応じた図柄組合せをリール3L,3C,3Rに停止表示させることが出来なくても、遊技に賭けたメダルは損失にならなくなり、手持ちのメダル量の増減は完全にしなくなる。この結果、目押し操作に不慣れな初心者等の遊技者であっても、従来のように直ぐに手持ちのメダルが無くなることはなく、安心して十分に遊技を楽しむことが出来るようになる。
また、本実施形態では、前述したように、「再遊技」の内部当選役およびボーナスの内部当選役の双方に対応した各図柄“Replay”及び“7”又は“BAR”が「滑りコマ数」の範囲にある場合、ボーナスの内部当選役に対応した図柄“7”又は“BAR”を優先的にリール3L,3C,3Rに停止表示させる。従って、「再遊技」の内部当選役およびボーナスの内部当選役の双方が入賞可能な場合、ボーナスの内部当選役が入賞させられる。このため、遊技者にとって有利な遊技機が提供される。
なお、上記の実施形態では、図4に示す内部当選時確率抽選テーブルを参照して、ボーナス内部当選状態時には「再遊技」が必ず抽選される場合について説明した。しかし、内部当選時確率抽選テーブルは、例えば、図15,図17,図19に示す確率抽選テーブルB,C,Dのように、「再遊技」の内部当選役の抽選確率が他の内部当選役の抽選確率よりも極めて高く設定されるようにしてもよい。このように構成しても、ボーナス内部当選状態中には極めて高い確率で「再遊技」が抽選される。そして、「再遊技」が抽選されると、停止ボタン7L,7C,7Rで受け付けられた停止操作の受付タイミングに応じて、図16,図18,図20に示す、選択される停止テーブル群B,C,Dの中のBB・再遊技入賞可能成立停止テーブル群またはRB・再遊技入賞可能成立停止テーブル群が参照されて、「再遊技」の内部当選役またはボーナスの内部当選役のいずれかに対応した図柄がリール3L,3C,3Rに停止表示される。
図15に示す確率抽選テーブルBでは、「内部当選状態」の欄に示す内部当選時確率抽選テーブルが、配当の無い「ハズレ」の内部当選役の抽選確率1/16384が「再遊技」の内部当選役の抽選確率16383/16384よりも極めて低く設定されている。従って、ボーナス内部当選役の内部当選状態中には、極めて高い確率で「再遊技」が抽選される他、「ハズレ」の内部当選役が極めて低い確率で抽選される。しかし、極めて高い確率で「再遊技」が抽選され、「再遊技」が抽選されると、図16に示す選択される停止テーブル群Bが参照され、BB内部当選状態中にはBB・再遊技入賞可能成立停止テーブル群が用いられて、RB内部当選状態中にはRB・再遊技入賞可能成立停止テーブル群が用いられて、「再遊技」の内部当選役またはボーナスの内部当選役のいずれかに対応した図柄がリール3L,3C,3Rに停止表示される。
また、図17に示す確率抽選テーブルCでは、「内部当選状態」の欄に示す内部当選時確率抽選テーブルが、配当の無い「ハズレ」の内部当選役と配当の低い「プラム」,「ベル」,「チェリー」小役の内部当選役との各抽選確率1/16384が、「再遊技」の内部当選役の抽選確率16380/16384よりも極めて低く設定されている。従って、ボーナス内部当選役の内部当選状態中には、極めて高い確率で「再遊技」が抽選される他、「ハズレ」と小役の「プラム」,「ベル」,「チェリー」各内部当選役が極めて低い確率で抽選される。しかし、極めて高い確率で「再遊技」が抽選され、「再遊技」が抽選されると、図18に示す選択される停止テーブル群Cが参照され、BB内部当選状態中にはBB・再遊技入賞可能成立停止テーブル群が用いられて、RB内部当選状態中にはRB・再遊技入賞可能成立停止テーブル群が用いられて、「再遊技」の内部当選役またはボーナスの内部当選役のいずれかに対応した図柄がリール3L,3C,3Rに停止表示される。
また、図19に示す確率抽選テーブルDでは、「内部当選状態」の欄に示す内部当選時確率抽選テーブルが、配当の無い「ハズレ」の内部当選役と配当の低い「プラム」,「ベル」,「チェリー」小役の内部当選役と「BB」又は「RB」のボーナス内部当選役との各抽選確率1/16384が、「再遊技」の内部当選役の抽選確率16378/16384よりも極めて低く設定されている。従って、ボーナス内部当選役の内部当選状態中には、極めて高い確率で「再遊技」が抽選される他、「ハズレ」と小役の「プラム」,「ベル」,「チェリー」とボーナス内部当選役「BB」又は「RB」の各内部当選役が極めて低い確率で抽選される。しかし、極めて高い確率で「再遊技」が抽選され、「再遊技」が抽選されると、図20に示す選択される停止テーブル群Dが参照され、BB内部当選状態中にはBB・再遊技入賞可能成立停止テーブル群が用いられて、RB内部当選状態中にはRB・再遊技入賞可能成立停止テーブル群が用いられて、「再遊技」の内部当選役またはボーナスの内部当選役のいずれかに対応した図柄がリール3L,3C,3Rに停止表示される。
このため、これらテーブルを用いる各構成のパチスロ機でも、極めて高い確率で「再遊技」が抽選されるため、停止ボタン7L,7C,7Rによって受け付ける停止操作の受付タイミングが悪く、リール3L,3C,3Rにボーナス内部当選役に応じた図柄を停止表示できない場合であっても、「再遊技」が入賞する。従って、これらの各構成によっても、ボーナスの内部当選状態中、「BB」もしくは「RB」の内部当選役に応じた図柄組合せをリール3L,3C,3Rに停止表示させることが出来なくても、遊技に賭けたメダルは損失にならなくなって、手持ちメダル量の増減はほとんどしなくなり、上記実施形態と同様な効果が得られる。
また、上記の説明では、ボーナス内部当選役が抽選されると、内部当選時確率抽選テーブル(図4)を参照して「再遊技」が必ず抽選される遊技、または、内部当選時確率抽選テーブル(図15,図17,図19)を参照して「再遊技」が極めて高い確率で抽選される遊技が、無制限に行われることとした。しかし、遊技店の稼働率が実質的に低下して発生する遊技店の損失を防止するため、これらの遊技は、無制限ではなく、ボーナス内部当選役が抽選された後の所定回数の遊技だけ、例えば、10回の遊技だけにするようにしてもよい。その後のボーナス内部当選状態中の遊技における内部当選役の抽選は、別に用意した内部当選時確率抽選テーブルを参照して行う。このようにすると、「再遊技」が必ず抽選される、または、極めて高い確率で抽選される遊技店に不利な状態が制限され、遊技者と遊技店の各利益の均衡が図られる。
また、ボーナス内部当選状態中、図15に示す確率抽選テーブルBでは、極めて低いが「ハズレ」が抽選される確率があり、メダルが減ることにもなりうる。また、図17に示す確率抽選テーブルCでは、極めて低いが小役が抽選される確率があり、図19に示す確率抽選テーブルDでは、さらにボーナスが抽選される確率があるため、メダルが増加することにもなりうる。しかし、例えば、図17に示す確率抽選テーブルCを採用する場合には、図21のテーブルの「期待値調整」欄に「内部当選状態」欄に比較して示すように、「ハズレ」の抽選確率値を1/16384から3/16384に高め、メダルの獲得期待値を調整するようにしてもよい。
この期待値調整により、小役でのメダル獲得枚数と抽選確率値とから得られる期待獲得枚数分だけ、「ハズレ」の確率が増え、全体の期待値は100%になる。つまり、「プラム」入賞でのメダル獲得枚数は6枚、「ベル」入賞でのメダル獲得枚数は10枚、「チェリー」入賞でのメダル獲得枚数は2枚、これら各入賞の抽選確率値はそれぞれ1/16384で、「ハズレ」入賞の抽選確率値は3/16384であるから、6/16384の確率で合計18枚(=6+10+2)のメダル獲得になる。従って、1/16384の確率ではその1/6の3枚のメダル獲得枚数になり、賭け時の3枚のメダル投入を考慮すると、メダルの増減は理論的には0(=3−3)になる。
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1−BETランプ、9b…2−BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1−BETスイッチ、12…2−BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…当り表示ランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21L,21R…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、23…配当表パネル、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路。