JP4601300B2 - 半導電性セラミックス及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

半導電性セラミックス及びこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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本発明は、半導電性セラミックスに関し、特にこれを用いた画像形成装置用部材、例えばスペーサ、背面板等に関し、さらにはこれらを用いた画像形成装置に関するものである。
従来から、プラズマディスプレイ(PDP)、プラズマアレイド液晶ディスプレイ(PALC)、フィールド・エミッション・ディスプレイ(FED)等のディスプレイ装置は、ガス中や真空中での蛍光体の電子や紫外線による刺激で発光して高精度な画像形成装置として用いられている。
例えばフィールド・エミッション・ディスプレイ(以下FEDと称す)は、図1に示すように、多くの電界放出素子5を備えた背面板1と、該背面板1とスペーサ3及び側壁4を介して対向配置された前面板2とからなり、上記背面板1に電子源となる電界放出素子5を、前面板2に蛍光体等を備えたアノード6を有し,上記電界放出素子より放出される電子を上記アノード6に衝突させ、発光画像を形成させる仕組みで画像形成装置を形成してある。
上記FEDにおけるスペーサ3や背面板1は、FEDと発光原理の類似するカソード・レイ・チューブ(以下CRTと称す)に用いられるガラス製真空管や液晶ディスプレイ(以下LCDと称す)の基板技術の応用で、例えばガラスやセラミックス材料等が用いられる。
そして、例えばスペーサ3は背面板1と対向配置される前面板2とを所定距離に保持するために複数並べて配置されるが、上記スペーサ3の高さは画像形成装置の構造や電界放出するための電界放出素子5の方式、及び電界放出素子5とアノード6間にかかる電圧によって違いはあるものの、概ね0.5〜5mmであり、スペーサ同士の配置間隔は数十mm〜数百mmで配置される。
そして、特許文献1に示すように、上記スペーサ3の材料として、シリカ(SiO)10〜35質量%、B 9〜30質量%、及びAl0〜10質量%を含み、実質的にアルカリ金属を含有しないガラス組成を有し、かつ、線膨張係数が76〜92×10−7/℃の無アルカリガラスで構成する方法が提案されている。
また、特許文献2においては、セラミックスの概ね全体に渡って分散された遷移金属酸化物を含んでいるスペーサ3が提案されている。
特開2002−104839号公報 特許第3340440号公報
上記背面板1と前面板2との間には10−6torr程度の高真空が形成されることから、スペーサ3には大きな圧縮力がかかることとなり、特性として高ヤング率が求められる。
しかしながら、特許文献1に示されるようなガラスをスペーサ3の材料として用いると、ガラスのヤング率は50〜100GPaと比較的小さいために、スペーサ3のみならず、スペーサ3とともに背面板1や前面板2が変形したり、割れたりするという問題があった。
さらに、このような画像形成装置の作製工程では、スペーサ3と背面板1及び前面板2とを低融点のガラスにて接合するのであるが、スペーサ3のヤング率が小さいとスペーサ自身の撓みや、外部からの荷重による撓みによって、背面板1や前面板2の所望の位置に接合するということが困難であった。
また、上記電界放出素子5からは電子が放出されるが、この放出された電子の一部はスペーサ3表面にて静電的に帯電してしまうため、スペーサ3近傍では所望の電圧分布が変化し、電子流に歪が生じ、輝点や暗点、さらには画像の歪み、ぼやけなどの欠陥を発生するという問題があった。さらに酷い場合には、上記帯電した電子が短絡、あるいは局部放電することによって、スペーサ3を破壊してしまうこともあり、そのため、スペーサ3には絶縁破壊をしない半導電性領域で静電的な帯電を除去する機能が必要となり、特許文献1に示されるような絶縁体であるガラスを用いる場合は、スペーサ3表面に適正な抵抗値をもつ帯電防止膜を形成しなければならず、製造コストに問題があった。
さらに、画像形成装置内に有機物や水分が残存すると、アウトガス化によって、内部を高真空に保つことが出来なくなり、電界放出素子5から放出された電子の流れを妨げるという問題が起こる。このために、予め加熱することによって上記有機物や水分の除去を行うが、上記スペーサ3にガラスを用いた場合は、ガラスの耐熱性が低いことから、十分な加熱を行うことができず、有機物や水分が残存するという問題があった。
このため、ガラスに換えて遷移金属元素の酸化物を分散したセラミックスをスペーサ3に用いることが特許文献2に提案されているが、このようなセラミックスを用いることによって、前述の高ヤング率や半導電性領域で静電的な帯電を除去する機能を有することができ、さらにはガラスに比べて耐熱性も良いことから、有機物や水分の残存の問題も解決することができる。
しかしながら、導電性を得るために添加されている鉄(Fe)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)などの遷移金属元素の酸化物を分散したセラミックスの場合、画像形成装置はスペーサ3近傍に高電界がかかることから、スペーサ3内に分散している遷移金属酸化物に高電界がかかると、これら遷移金属酸化物は、磁性を有するため、スペーサ3自身が磁気的影響を受け、電子流をゆがめ、スペーサ3近傍に輝点や暗点、さらには画像の歪み、ぼやけなどの欠陥を生じてしまうという問題を有していた。
本発明の半導電性セラミックスは、電子源を備えた背面板と、前面板とがスペーサを介して対向配置されてなる画像形成装置の上記スペーサに用いられる半導電性セラミックスであって、Al ・MgOからなるスピネルまたは2MgO・SiO からなるフォルステライトを主成分とし、インジウムと錫の複合酸化物および/または酸化インジウムを3〜15質量%含有し、気孔率が1%以下、体積固有抵抗値が10 〜10 11 Ω・cmであり、かつ常温から400℃までの線膨張係数が6×10 −6 〜10×10 −6 /℃であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は上記半導電性セラミックス上記スペーサに用いたことを特徴とする。
本発明の半導電性セラミックスは、絶縁酸化物を主成分とし、インジウムと錫の複合酸化物および/または酸化インジウムを3〜15質量%含有したことから、絶縁破壊をしない半導電性領域で静電的な帯電を除去する機能を付与することができるため、特に、画像形成装置用部材として用いた場合には高電界下における磁気的影響を受けることがなく、電界放出された電子流の歪みを防止することができる。
また、本発明の半導電性セラミックスは、上記絶縁酸化物がスピネル及びフォルステライトであることから、高ヤング率、耐熱性が良いスピネルと、配合比を調整するだけで容易に線膨張係数を調整できるフォルステライトを主成分として用いることで、画像形成装置用部材や帯電除去部材としての高ヤング率、強度、耐熱性を必要とされる部品に好適に用いることができ、また、加熱接着される場合に、接着剤や接着される部材との線膨張係数を容易に調整できることから、接着後の歪を小さくすることが可能である。
また、本発明の上記半導電性セラミックスは、気孔率が1%以下、体積固有抵抗値が10〜1011Ω・cmであり、且つ常温から400℃までの線膨張係数が6×10−6〜10×10−6/℃とすることによって、充分なヤング率を得ることができるとともに、前面板及び背面板との接合に用いられる接着用の低融点ガラスの線膨張係数と近似させることが出来るために、前面板及び背面板との接合部でのクラック発生による真空リークを防止、また歪によるスペーサ変形や精度劣化を防ぐことができるとともに、画質の劣化や欠陥を有効に防止することができる。
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明は、絶縁性酸化物にインジウムと錫の複合酸化物(Indium−Tin−Oxide、以下ITOと称す)および/または酸化インジウムを3〜15質量%含有することを特徴とするものである。
ここで、絶縁性酸化物とは、体積固有抵抗値が1012Ω・cm以上の酸化物であり、アルミナ、ジルコニア、フォルステライト、あるいはそれらの複合物等を用いる。
これら絶縁性酸化物は、ヤング率が高く、耐熱性に優れるため、画像形成装置用部材として用いた際には、外部からの荷重に対して、撓むことなく、形状を維持でき、また真空装置内に組み込まれた際には、予め高温での加熱処理を行うことにより有機物や水分といったアウトガス成分を除去できるため、高真空を維持するのに好適である。
また、この絶縁性酸化物にITOおよび/または酸化インジウムを3〜15質量%含有することで、体積固有抵抗値を10〜1012Ω・cmと半導電性を得ることができ、しかも磁気的影響のない半導電性セラミックスを得ることができる。
特に、得られた半導電性セラミックスを画像形成装置内の部材として用いた場合、電子源から電解放出された電子流を歪めることなく目的の電子流を得ることが可能であり、高電界がかかる領域において磁気的影響がなく、より鮮明な発光画像を形成することができる。また、帯電除去部材として好適に使用することが可能となる。
さらに、上記絶縁性酸化物として、スピネル及びフォルステライトを用いることが好ましい。
これは、スピネルは、ヤング率が350GPa程度、曲げ強度が400MPa程度と高いものであるが、例えば画像装置用部材として、外部からの荷重に対して撓むことのない十分なヤング率を有するばかりでなく、耐熱性も十分であるため、加熱処理によって予め有機物や水分といったアウトガス成分を除去できることにより、高真空を維持することが可能であるためである。
また、フォルステライトを用いたことから、このスピネルとフォルステライトの存在比率を変えることによって、例えばフォルステライトの存在比率をスピネルより大きくするとフォルステライト単体に近いヤング率となり、小さくするとスピネル単体に近いヤング率と調整することが可能となる。また、スピネルとフォルステライトはその存在比率によって、その混合されたセラミックスの線膨張係数を調整することが可能となる。
なお、上記スピネルはAl ・MgOを、フォルステライトは2MgO・SiOを示すものである。
また、フォルステライトの存在比率は、スピネル及びフォルステライトを100質量%とした場合に40〜75質量%が好ましく、より好ましくは45〜70質量%である。これは、ヤング率を画像形成装置用部材として、外部からの荷重に十分撓まないとされる150GPa以上とすることができ、また線膨張係数を画像形成装置用部材として前面板及び背面板との接合に用いられる接着用の低融点ガラスの線膨張係数と近似させることが出来るために、前面板及び背面板との接合部でのクラック発生による真空リークを防止、また歪によるスペーサ変形や精度劣化を防ぐことができるとともに、画質の劣化や欠陥を有効に防止することができる6×10−6〜10×10−6/℃に調整できるからである。
また、スピネル及びフォルステライトを主成分として用いる場合には、ITOおよび/または酸化インジウムの含有量は3〜10質量%とすることが好ましく、これによって体積固有抵抗値を10〜1011Ω・cmの半導電性セラミックスを得ることができるため、帯電除去効果を十分に得られる。特に、この半導電性セラミックスを画像形成装置用部材として用いた場合に、電界放出素子から発せられた電子を吸収することなく、電子流が曲げられることなく目的とするアノードへ衝突させることができるため、鮮明な発光画像を形成できる。この含有量が3質量%未満となると、帯電除去効果が得られないという問題が起こり、10質量%を超えると導電効果が大きすぎ、電界放出素子から発せられた電子を吸収してしまい近傍の電子流を歪めてしまうという問題が生じる。画像形成装置用部材としてより好ましい体積固有抵抗値は10〜1011Ω・cmであり、より好ましいITOおよび/または酸化インジウムの含有量はスピネルおよびフォルステライトの総量に対して3〜8質量%である。
以下、本発明の半導電性セラミックスを用いた画像形成装置用部材並びにこれを用いた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置用部材並びにこれを用いた画像形成装置の部分断面図であり、本発明の画像形成装置は、多くの電界放出素子5を備えた背面板1と、該背面板1とスペーサ3及び側壁4を介して対向配置された前面板2とからなり、上記背面板1に電子源となる電界放出素子5を、前面板2に蛍光体等を備えたアノード6を有し、上記電界放出素子5より放出される電子を上記アノード6に衝突させ、発光画像を形成させる仕組みにしてある。
そして、この画像形成装置用部材としてスペーサ3に、本発明のスピネルとフォルステライトを主成分とする半導電性セラミックスを用いる場合、このスピネルとフォルステライトの存在比率としてフォルステライトを40〜75質量%、残部をスピネルとすることが、ヤング率、線膨張係数の観点から好適である。フォルステライトが75質量%を超えると、ヤング率が小さくなり、背面板1と前面板2との間には10−6torr程度の高真空が形成されることから、スペーサ3には背面板1と前面板2からの大きな圧縮力がかかることになり、画像形成装置内に収容されるスペーサ3としての充分な耐気圧支持体として必要なヤング率を得ることはできない。また、40質量%未満となると、緻密に焼結をさせる場合、焼成の反応温度を高く設定する必要があり、この場合、スピネル、フォルステライトが反応し、低熱膨張を有するコージェライトが生成してしまい、線膨張係数が小さくなり、画像形成装置の作製において熱膨張差による歪みが大きくなってしまうという結果となるので注意が必要である。
そして、上記スペーサ3を本発明の半導電性セラミックスを用いて構成したことから、
スペーサ3近傍の電界放出素子から放出される電子流が歪められることなく対象とするアノードへの衝突が可能となり、より好適な画像形成装置用部材とすることができ、さらにはこのような画像形成装置用部材を用いたことから、より鮮明な発光画像を形成できるといった画質の向上の点で好適な画像形成装置を得ることができる。
さらに、本発明の半導電性セラミックスは、気孔率が1%以下、体積固有抵抗値が10〜1011Ω・cmであり、且つ常温から400℃までの線膨張係数が6×10−6〜10×10−6/℃であることが好ましい。
ここで、気孔率を1%以下としたのは、1%を超えるとヤング率が低下することによって、各種の構造材として用いるには変形したり、破壊したりする問題があるからであり、
体積固有抵抗値は10〜1011Ω・cmが好ましく、より好ましくは10〜1011Ω・cmである。10Ω・cm未満となると、電界放出素子から発せられた電子を吸収してしまい近傍の電子流を歪めてしまうという問題があるからであり、1011Ω・cmを超えると、充分な帯電除去効果が得られないという問題が起こるからである。そして、常温から400℃までの線膨張係数を6×10−6〜10×10−6/℃としたのは、画像形成装置用部材として前面板、背面板を構成するガラスやガラス接着剤との線膨張係数差を小さくできるため、画像形成装置の作製において熱膨張差による歪みを低減できるからで、この範囲外であるとこれら接触部材との熱膨張差が大きくなり、歪みが大きくなり、変形や割れるという問題が生じるからである。
このような半導電性セラミックスは、まず、主成分となるスピネルとフォルステライトの存在比率としてフォルステライトを45〜75質量%、残部スピネルとする。次いで、添加成分として、ITOおよび/または酸化インジウムをスピネルとフォルステライトの総量に対して3〜10質量%を秤量した後、ボールミルで湿式混合などの手段を用いて均一に混合する。その後、スプレードライヤーなどの任意の乾燥手段により粉末を得る。その後、任意の形状に成形し、1300〜1500℃の常圧にて大気雰囲気焼成の製法により得ることができる。
なお、この半導電性セラミックスは、上述の画像形成装置用部材に限定されるものではなく、半導電性の特性を有することから、帯電除去が必要となる部材として有効に用いることができ、画像形成装置や半導体製造装置、および磁気ヘッド製造装置等の各装置や装置製造用冶具に用いることが可能である。
次いで、本発明の実施例を説明する。
まず、主成分として、アルミナ粉末を100質量%、およびスピネル(Al・MgO)粉末を55質量%とフォルステライト(2MgO・SiO)粉末を45質量%混合したものを準備した。これら主成分にITO粉末または酸化インジウム粉末を上記アルミナ粉末総量に対して、またはスピネル粉末とフォルステライト粉末の混合物総量に対して表1に示すような割合となるように秤量後、回転ミルにて湿式混合した。混合後のスラリーをスプレードライヤーにて噴霧乾燥して焼結用原料とした。
得られた焼結用原料をプレス成形し、大気中において表1に示す焼成温度で2時間焼成することによって試料を作製した。尚、各組成における焼成温度は各組成における最小気孔率を示した温度を採用した。
さらに、比較例としてガラス4種類を試料No.32〜35に示す。
ここで試料No.32はSiO純度78%のガラス、試料No.33はSiO純度71%のガラス、試料No.34はSiO純度60%のガラス、試料No.35はSiO純度71%で導電性を有し、かつ高ヤング率のガラスである。
まず、上記方法により得られた試料をアルキメデス法によって、気孔率の測定を行った。
次いで、表1に示す各組成を3mm×4mm×50mmの角柱状に切り出した後、ヤング率を超音波パルス法(JIS R1602準拠)で測定した。
また、常温から400℃までの線膨張係数をセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定方法(JIS R1611準拠)でセイコー電子工業製のSSC5000で測定した。
さらに別の試料を直径30mm、厚み2mmの円板上に切り出し、そしてこの試料をJIS C2141に定められた絶縁抵抗の測定方法に基づき、抵抗値rを測定し、R=r×S/t(R:体積固有抵抗値、r:抵抗値、S:電極面積、t:試料厚み)により算出した。
これらの結果を表1に示す。
そして、各試料の評価として上記測定結果より、ヤング率が150GPa以上、常温から400℃までの線膨張係数が6×10−6〜10×10−6/℃、体積固有抵抗値が10〜1011Ω・cmの試料を○、さらに体積固有抵抗値が10〜1011Ω・cm、気孔率が1%以下の試料を◎として評価した。
その結果を表1に示す。
Figure 0004601300
表1より明らかなように、ITOまたは酸化インジウムを3〜15質量%、主組成をアルミナ、およびスピネルとフォルステライトとした試料(No.2〜5、No.10〜18、No.22〜30)は、150GPa以上のヤング率、常温から400℃の範囲内で6×10―6〜10×10−6/℃の線膨張係数、10〜1011Ω・cmとし、スペーサをはじめとする画像装置用部材として好適に使用することが可能となる。
これに対し、出発原料がスピネルとフォルステライトのみである試料(No.7)は、
体積固有抵抗値が9×1013Ω・cmと絶縁性を示し、所望の体積固有抵抗値を得ることができなかった。また、ITOまたは酸化インジウムの添加量が3質量%よりも少ない試料(No.1、8、9、20、21)は、絶縁性を示し、所望の体積固有抵抗値を得ることができず、導電性としての効果をることができない。さらにITOまたは酸化インジウムの添加量が15質量%をえる試料(No.6、19、31)は、導電性が大きすぎ、所望の体積固有抵抗値を得ることができなかった。且つITOまたは酸化インジウムの添加量が15質量%より大きい試料では、気孔率がより大きくなり、そのためヤング率が低下していた。即ち、添加量が15質量%より大きいと焼結時に緻密化しなかったため、所望の特性を得ることができなかった。
また、比較例であるガラス(試料No.32〜35)では明らかな通り、ヤング率が全て100GPa以下と低くなっていた。
本発明は、半導電性セラミックスに関するもので、特にこれを用いた画像形成装置用部材、例えばスペーサ、背面板等に関し、さらにはこれらを用いた画像形成装置に関するものである。
また、半導電性セラミックスに関することから、各種の帯電除去防止部材として用いることができる。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
1:背面板
2:前面板
3:スペーサ
4:側壁
5:電界放出素子
6:アノード

Claims (2)

  1. 電子源を備えた背面板と、前面板とがスペーサを介して対向配置されてなる画像形成装置の上記スペーサに用いられる半導電性セラミックスであって、Al ・MgOからなるスピネルまたは2MgO・SiO からなるフォルステライトを主成分とし、インジウムと錫の複合酸化物および/または酸化インジウムを3〜15質量%含有し、気孔率が1%以下、体積固有抵抗値が10 〜10 11 Ω・cmであり、かつ常温から400℃までの線膨張係数が6×10 −6 〜10×10 −6 /℃であることを特徴とする半導電性セラミックス。
  2. 電子源を備えた背面板と、前面板とがスペーサを介して対向配置されてなり、請求項に記載の半導電性セラミックス上記スペーサに用いたことを特徴とする画像形成装置。
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