JP4599990B2 - 水系塗料の塗装方法及び塗装システム - Google Patents

水系塗料の塗装方法及び塗装システム Download PDF

Info

Publication number
JP4599990B2
JP4599990B2 JP2004316104A JP2004316104A JP4599990B2 JP 4599990 B2 JP4599990 B2 JP 4599990B2 JP 2004316104 A JP2004316104 A JP 2004316104A JP 2004316104 A JP2004316104 A JP 2004316104A JP 4599990 B2 JP4599990 B2 JP 4599990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
intermediate coating
coated
water
preheating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004316104A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006122833A (ja
Inventor
修 田中
治 益子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004316104A priority Critical patent/JP4599990B2/ja
Publication of JP2006122833A publication Critical patent/JP2006122833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4599990B2 publication Critical patent/JP4599990B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、自動車ボディ等に適用して好ましい塗装方法に関し、特に水系中塗り塗料と水系上塗り塗料とをウェットオンウェットで塗装し、これを同時に硬化させる水系塗料の塗装方法及び塗装システムに関する。
自動車ボディの塗装系は、エポキシ系樹脂を主成分とする電着塗料と、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂又はアルキド樹脂を主成分とする中塗り塗料と、同じくポリエステル系塗料、アクリル樹脂又はアルキド樹脂を主成分とする上塗り塗料の3種の塗料を用い、電着塗装(下塗り塗装)を施したのちこれを焼き付け、硬化した電着塗膜の上に中塗り塗装を施したのちこれを焼き付け、硬化した中塗り塗膜の上に上塗り塗装を施したのちこれを焼き付けることで完成する、いわゆる3コート3ベーク系の塗装方法が採用されている。
ところが、こうした3コート3ベーク塗装系では、電着塗装工程、中塗り塗装工程及び上塗り塗装工程のそれぞれに乾燥炉が必要とされるので、乾燥炉を設置するための広い工程スペースが必要となり、また乾燥炉で消費されるエネルギが自動車の生産コストに反映するといった問題があった。
そこで、これら3つの工程に設けられた乾燥炉を2つ以下に減じて上記問題を解決するために、中塗り塗装と上塗り塗装をウェットオンウェットで塗装したのち、これらを同時に一つの乾燥炉で焼き付け硬化させることが検討されている(特許文献1参照)。
ところで、工程短縮化の課題とは別に、環境対策の観点から有機溶剤系塗料を水系塗料に変更することが検討、実用化されている。特に、溶剤分が多い(樹脂固形分が小さい)上塗りベース塗料を水系塗料に切り替えると環境対策効果が大きいので、上塗りベース塗料を始めとして、次に中塗り塗料の水系化が検討されている。この種の水系塗料は、未硬化塗膜からの水分蒸発速度が有機溶剤系塗料に比べて遅いので、未硬化状態の中塗り塗膜の表面に上塗り塗料を塗布したときに、上塗り塗料中に含まれる水分が中塗り塗膜中に移行し、中塗り塗膜と上塗り塗膜の境界部分が混合され(この現象を混層ともいう。)、その結果、鮮映性に代表される上塗り塗膜の平滑性が低下するといった問題があった。
特開2002−153805号公報
本発明は、水系中塗り塗料と水系上塗り塗料とをウェットオンウェットで塗装したのちこれらを同時に硬化させる場合に中塗り塗膜層と上塗り塗膜層との混層を防止して上塗り塗膜の平滑性を確保できる塗装方法及び塗装システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の水系塗料の塗装方法は、水平部と垂直部とを有する被塗物に水系中塗り塗料を塗装したのち、ウェットオンウェットで水系上塗り塗料を塗装し、これにより形成される中塗り塗膜層と上塗り塗膜層とを同じ工程で硬化させる塗装方法であって、前記被塗物に前記中塗り塗料を塗装する第1中塗り工程と、前記被塗物の上部側のみに熱源を配置して前記被塗物の水平部を加熱して前記第1中塗り工程で形成された第1中塗り塗膜層に含まれた水分を蒸発させる第1プレヒート工程と、前記第1プレヒート工程を経た被塗物に前記中塗り塗料を塗装する第2中塗り工程と、前記被塗物の水平部及び垂直部を加熱して前記第1中塗り工程で形成された第1中塗り塗膜層及び前記第2中塗り工程で形成された第2中塗り塗膜層に含まれた水分を蒸発させる第2プレヒート工程と、前記第2プレヒート工程を経た被塗物に前記上塗り塗料を塗装する上塗り工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の水系塗料の塗装システムは、水平部と垂直部とを有する被塗物に水系中塗り塗料を塗装したのち、ウェットオンウェットで水系上塗り塗料を塗装し、これにより形成される中塗り塗膜層と上塗り塗膜層とを同じ工程で硬化させる塗装システムであって、前記被塗物に前記中塗り塗料を塗装する第1中塗り手段と、前記被塗物の上部側のみに熱源を配置して前記被塗物の水平部を加熱して前記第1中塗り手段により形成された第1中塗り塗膜層に含まれた水分を蒸発させる第1プレヒート手段と、前記第1プレヒート手段により処理された被塗物に前記中塗り塗料を塗装する第2中塗り手段と、前記被塗物の水平部及び垂直部を加熱して前記第1中塗り手段により形成された第1中塗り塗膜層及び前記第2中塗り手段により形成された第2中塗り塗膜層に含まれた水分を蒸発させる第2プレヒート手段と、前記第2プレヒート手段により処理された被塗物に前記上塗り塗料を塗装する上塗り手段と、を有することを特徴とする。
本発明では、中塗り塗料を2ステージで塗装するとともに、1ステージ後および2ステージ後のそれぞれにおいてプレヒートする。特に1ステージ後のプレヒートは被塗物の水平部に対して主に実施する。
中塗り塗料を2ステージで塗装すると、1ステージで塗装した場合に比べて上塗り塗膜層の鮮映性が向上する(図5参照)。また、各ステージ後のそれぞれでプレヒートすると、中塗り塗装後にのみプレヒートした場合に比べて、上塗り塗膜層の鮮映性が向上する(図6参照)。
また、1ステージ後のプレヒートは鮮映性の低下が顕著に現れる被塗物の水平部に対して主に実施することで、ランニングコストを抑制しつつ品質向上が達成できる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る自動車ボディの塗装方法を示す工程図、図2は本発明の実施形態に係る自動車ボディの塗装方法により形成される積層塗膜を示す断面図、図3は本発明の実施形態に係る自動車ボディの塗装方法を実施する中上塗り工程の一例を示す平面図である。
本発明に係る自動車ボディの塗装方法は、中塗り塗料と上塗り塗料とをウェットオンウェットで塗装し、これにより形成された未硬化の中塗り塗膜層と上塗り塗膜層とを同じ乾燥炉で同時に硬化させる工程を有する塗装方法であればよい。代表的な実施形態を以下に説明するが、本発明に係る自動車ボディの塗装方法はこれらの実施形態にのみ限定される趣旨ではなく、したがって、これらの実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
なお本明細書において、被塗物に塗布する材料を塗料といい、この塗料を塗布することにより被塗物表面に形成される層であって硬化前を未硬化塗膜層、硬化後を硬化塗膜層、これら未硬化塗膜層及び硬化塗膜層を総称して塗膜層という。
本実施形態に係る積層塗膜は、図2に示すように被塗物である自動車ボディ101の表面に形成された電着塗膜層102と、この電着塗膜層102の表面に形成された第1中塗り塗膜層103aと、この第1中塗り塗膜層103aの表面に形成された第2中塗り塗膜層103bと、この第2中塗り塗膜層103bの表面に形成されたベース塗膜層104と、このベース塗膜層104の表面に形成されたクリヤ塗膜層105とから構成されている。
被塗物である自動車ボディ101としては、鋼板やアルミニウム板などの各種金属材料製部材のほか、プラスチック製部材も適用することができ、自動車ボディの外板や内板が塗装対象部位となる。この自動車ボディ101を図1に示す前処理工程1に搬入し、ここでアルカリ洗浄液などを用いて自動車ボディ101に付着した油分を脱脂洗浄したのち、自動車ボディ101の表面にリン酸亜鉛の化成皮膜を形成する。
次いで、化成皮膜が形成された自動車ボディ101は、図1に示す電着塗料塗布工程2に搬入され、ここでカチオン型電着塗料又はアニオン型電着塗料が満たされた電着槽に自動車ボディ101を浸漬し、自動車ボディ101と電着塗料との間に所定の電圧を印加することで、電気泳動作用により未硬化の電着塗膜層102が自動車ボディ101の表面に形成される。続く電着水洗工程3では、自動車ボディ101の表面に付着した余分な電着塗料を、工業用水や純水を用いてスプレーやディッピングすることで洗い流すとともに、洗い流された電着塗料を回収して再利用する。
次いで、電着水洗工程3を終了した自動車ボディ101を、電着硬化工程4である電着乾燥炉に搬入し、たとえば160℃〜180℃で15分〜30分焼き付けることで硬化した電着塗膜層102が得られる。自動車ボディ101の仕様や部位によっても相違するが、電着塗膜層101の膜厚はたとえば10〜40μmである。
第1中塗り塗膜層103a及び第2中塗り塗膜層103bは、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材、添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、水を溶剤とする水系塗料である。そして、この塗料を溶剤で希釈したものを、図1に示す第1中塗り工程6及び第2中塗り工程8においてスプレー塗装ガンや回転霧化式塗装ガンなどの塗装機を用いて電着塗膜層102の表面に2ステージ塗装する。
第1中塗り塗膜層103aを形成したら、この塗膜層に含まれた水分を蒸発させるために自動車ボディ101の水平部を加熱する(第1プレヒート工程7)。この第1プレヒート工程7は、中上塗りウェットオンウェット化によって鮮映性の低下が著しいボディの水平部、フード、ルーフ、トランクリッド、フェンダ上面部等々を、中塗り塗料の硬化温度より低い温度で加熱する。
尤も、加熱によるランニングコストを考慮しなければボディ全体を加熱することもできる。しかしながら、図4に示すように、従来の電着塗装→硬化→中塗り塗装→硬化→上塗り塗装→硬化という3コート3ベーク塗装系に対して、従来の3コート2ベーク塗装系、すなわち電着塗装→硬化→中塗り塗装→上塗り塗装→硬化の塗装系では、フェンダ垂直部、ドア、クォータ等のボディ垂直部の鮮映性の低下はさほど大きくなく(同図に示す例では0.55→0.50の低下)、これに対して、ボディ水平部の鮮映性の低下が著しい(同図に示す例では0.8→0.6の低下)。したがって、第1プレヒート工程7では、ランニングコストを考慮してボディの水平部のみ加熱することとしている。
第1プレヒート工程7における加熱条件は、第1中塗り塗膜層103aの塗着NV(塗着固形分)が80%に達するまでとする。または、中塗り塗着膜粘度が600〜800Pa・s前後になったときとする。図7に中塗り塗着NVと鮮映性との関係、図8に中塗り塗着膜粘度と鮮映性との関係をそれぞれ示すが、図7に示すように中塗り塗着NVが80%より小さいと鮮映性が0.65以下であるが、塗着NVが80%以上になると鮮映性が0.7となり、これ以上塗着NVを高めても鮮映性は向上しない。また、中塗り塗着膜粘度については600〜800Pa・s前後において鮮映性が最大となり、これより小さくても大きくても鮮映性は低下する。したがって、第1プレヒート工程7の加熱条件はこれらを考慮して決定する。
なお、第1プレヒート工程7の設定位置を図3に示すが、ボディ101を加熱する熱源として、ランプや熱風送風機などを採用することができる。また、ボディの水平部に対して熱が照射されるように、ランプや熱風送風機などはボディ101の上部側のみに配置する構成とする。
第1プレヒート工程7を終了したら、第2中塗り工程8にて中塗り塗料をボディ101に塗装し、第2中塗り塗膜層103bを形成する。ここで、第1中塗り塗膜層103aの膜厚と第2中塗り塗膜層103bの膜厚との関係(膜厚比率)は、第1中塗り塗膜層103aの膜厚を第2中塗り塗膜層103bの膜厚以上とする。第2中塗り塗膜層103bの膜厚を第1中塗り塗膜層103aの膜厚以上とすると、目的とする鮮映性が得られないからである。
第2中塗り塗膜層103bを形成したら、この塗膜層103bに含まれた水分及び先に形成した第1中塗り塗膜層103aに残った水分を蒸発させるために自動車ボディ101の全体(水平部及び垂直部)を加熱する(第2プレヒート工程9)。この第2プレヒート工程9は、第1プレヒート工程7と同様に中塗り塗料の硬化温度より低い温度で加熱する。
なお、第2プレヒート工程9における加熱条件も、第1プレヒート工程7と同様に第2中塗り塗膜層103bの塗着NV(塗着固形分)が80%に達するまでとする。または、中塗り塗着膜粘度が600〜800Pa・s前後になったときとする。また、第1プレヒート工程7と同様に、第2プレヒート工程9でもボディ101を加熱する熱源としてはランプや熱風送風機などが使用できるが、水平部と垂直部の両方を加熱するため、ボディ101の上部側及び左右側に上記熱源を配置する構成とする。
図3は、本実施形態に係る中上塗り塗装ブース50及び中上塗り乾燥炉100を示す平面図であり、被塗物である自動車ボディ101は図の左からブース50内に搬入され、フロアコンベアCによって図の右方向に定速で搬送される。中上塗りブース50と中上塗り乾燥炉100との間の99は中塗り塗料及び上塗り塗料を塗布した後のセッティング室である。
中上塗り塗装ブース50の入口にはボディ101のワイピングを行うための準備室が設けられ、その次に、ボディ101の主として水平部を塗装するためのレシプロ塗装機とボディ101の主として垂直部を塗装するための左右一対のレシプロ塗装機とを有する第1中塗り塗装機6Aが設けられている。各レシプロ塗装機の先端には、上述した回転霧化式塗装ガン又はスプレー塗装ガンが装着され、ここからボディ101に向かって中塗り塗料が噴霧される(第1中塗り工程6)。
第1中塗り塗装機6Aの後に第1プレヒート工程7でボディを加熱するためのランプ又は熱風送風機が設けられている。さらに、第1プレヒート工程7の後に、ボディ101の主として水平部を塗装するためのレシプロ塗装機とボディ101の主として垂直部を塗装するための左右一対のレシプロ塗装機とを有する第2中塗り塗装機8Aが設けられ、その後に第2プレヒート工程9でボディを加熱するためのランプ又は熱風送風機が設けられている。
図1に戻り、中塗り塗料を塗布したら1〜2分程度のフラッシュオフをおいて、次の上塗りベース工程10にてボディの内外板に上塗りベース塗料を塗布する。上塗りベース塗料は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材、光輝材、各種添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、水を溶剤とする水系塗料である。そして、この塗料を溶剤で希釈したものを、図1に示す上塗りベース工程10においてスプレー塗装ガンや回転霧化式塗装ガンなどの塗装機を用いて第2中塗り塗膜層103bの表面に塗装する。これにより上塗りベース塗膜層104が形成される。自動車ボディ101の仕様や部位によっても相違するが、上塗りベース塗膜層104の膜厚はたとえば10〜30μmである。
上塗りベース工程10は、図3に示すようにボディ101の主として水平部を塗装するためのレシプロ塗装機とボディ101の主として垂直部を塗装するための左右一対のレシプロ塗装機とを有する上塗り塗装機10Aを2ステージ配設することで構成することができる。なお、上塗り塗膜がソリッド系塗膜である場合にはこの上塗りベース工程10の塗装機10Aは回送となる。
上塗りベース塗料を塗布したら1〜2分程度のフラッシュオフをおいて、次のクリヤ工程11にてボディの内外板にクリヤ塗料を塗布する。クリヤ塗料は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに各種添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものを、図1に示すクリヤ工程11においてスプレー塗装ガンや回転霧化式塗装ガンなどの塗装機を用いて上塗りベース塗膜層104の表面に塗装する。これにより透明のクリヤ塗膜層105が形成される。自動車ボディ101の仕様や部位によっても相違するが、クリヤ塗膜層105の膜厚はたとえば10〜40μmである。なお、本発明に係るクリヤ塗料は水系塗料及び有機溶剤系塗料の何れをも用いることができる。
クリヤ工程11は、図3に示すようにボディ101の主として水平部を塗装するためのレシプロ塗装機とボディ101の主として垂直部を塗装するための左右一対のレシプロ塗装機とを有する上塗り塗装機11Aを2ステージ配設することで構成することができる。
クリヤ塗料を塗布したら、セッティング室99を通過させることで数分の静置を経たのちボディを中上塗り硬化工程12(図3に示す中・上塗り乾燥炉100)に搬入し、先に塗布して形成した第1中塗り塗膜層103a、第2中塗り塗膜層103b、上塗りベース塗膜層104及びクリヤ塗膜層105を、同時に、たとえば120℃〜160℃で10分〜30分焼き付ける。
以上により、自動車ボディ101の表面に、電着塗膜層102、第1中塗り塗膜層103a、第2中塗り塗膜層103b、上塗りベース塗膜層104及びクリヤ塗膜層105の各硬化塗膜が形成される。
図4は、従来の3コート3ベーク塗装系によるボディ水平部と垂直部の鮮映性、及び従来の3コート2ベーク塗装系(中塗り工程を1ステージにて実施)によるボディ水平部と垂直部の鮮映性を比較したグラフであり、そのまま中塗り工程と上塗り工程とをウェットオンウェットしただけでは、特に水平部の鮮映性の低下が著しく、塗装品質が極めて低下する。
これに対して、図5は、3コート2ベーク塗装系(中塗り工程と上塗り工程とをウェットオンウェット)において中塗り工程を1ステージで実施した場合と2ステージ(第1中塗り工程で膜厚10μm、第2中塗り工程で膜厚10μmを形成する)で実施した場合の水平部の鮮映性を比較したグラフであり、本実施形態のように中塗り工程を2ステージ化することにより、鮮映性を向上させることができる。
また、図6は、3コート2ベーク塗装系(中塗り工程と上塗り工程とをウェットオンウェット)において中塗り工程を1ステージで実施し、その後にプレヒートした場合と、2ステージ(第1中塗り工程で膜厚10μm、第2中塗り工程で膜厚10μmを形成する)で実施し、それぞれのステージ後にプレヒートした場合の水平部の鮮映性を比較したグラフであり、本実施形態のように中塗り工程を2ステージ化するとともにそれぞれの後にプレヒートすることにより、鮮映性を向上させることができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
本発明の実施形態に係る自動車ボディの塗装方法を示す工程図である。 本発明の実施形態に係る自動車ボディの塗装方法により形成される積層塗膜を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る自動車ボディの塗装方法を実施する中上塗り工程の一例を示す平面図である。 従来の3コート2ベーク塗装系の鮮映性と従来の3コート3ベーク塗装系の鮮映性とを比較したグラフである。 本発明に係る中塗り2ステージの鮮映性と従来の中塗り1ステージの鮮映性とを比較したグラフである。 本発明に係る中塗り2ステージ(プレヒート有る)の鮮映性と従来の中塗り1ステージ(プレヒート有り)の鮮映性とを比較したグラフである。 中塗り塗着NVと鮮映性との関係を示すグラフである。 中塗り塗着膜粘度と鮮映性との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…前処理工程
2…電着塗料塗布工程
3…電着水洗工程
4…電着硬化工程
5…中上塗り塗装工程
6…第1中塗り工程
7…第1プレヒート工程
8…第2中塗り工程
9…第2プレヒート工程
10…上塗りベース工程
11…クリヤ工程
12…中上塗り硬化工程
101…自動車ボディ
102…電着塗膜層
103a…第1中塗り塗膜層
103b…第2中塗り塗膜層
104…ベース塗膜層
105…クリヤ塗膜層

Claims (7)

  1. 水平部と垂直部とを有する被塗物に水系中塗り塗料を塗装したのち、ウェットオンウェットで水系上塗り塗料を塗装し、これにより形成される中塗り塗膜層と上塗り塗膜層とを同じ工程で硬化させる塗装方法であって、
    前記被塗物に前記中塗り塗料を塗装する第1中塗り工程と、
    前記被塗物の上部側のみに熱源を配置して前記被塗物の水平部を加熱して前記第1中塗り工程で形成された第1中塗り塗膜層に含まれた水分を蒸発させる第1プレヒート工程と、
    前記第1プレヒート工程を経た被塗物に前記中塗り塗料を塗装する第2中塗り工程と、
    前記被塗物の水平部及び垂直部を加熱して前記第1中塗り工程で形成された第1中塗り塗膜層及び前記第2中塗り工程で形成された第2中塗り塗膜層に含まれた水分を蒸発させる第2プレヒート工程と、
    前記第2プレヒート工程を経た被塗物に前記上塗り塗料を塗装する上塗り工程と、
    を有することを特徴とする水系塗料の塗装方法。
  2. 前記第1中塗り工程における塗装膜厚は、前記第2中塗り工程における塗装膜厚以上であることを特徴とする請求項1記載の水系塗料の塗装方法。
  3. 前記第1プレヒート工程は、前記第1中塗り工程にて被塗物の水平部に形成された第1中塗り塗膜層の塗着固形分が80%以上となるまで加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の水系塗料の塗装方法。
  4. 水平部と垂直部とを有する被塗物に水系中塗り塗料を塗装したのち、ウェットオンウェットで水系上塗り塗料を塗装し、これにより形成される中塗り塗膜層と上塗り塗膜層とを同じ工程で硬化させる塗装システムであって、
    前記被塗物に前記中塗り塗料を塗装する第1中塗り手段と、
    前記被塗物の上部側のみに熱源を配置して前記被塗物の水平部を加熱して前記第1中塗り手段により形成された第1中塗り塗膜層に含まれた水分を蒸発させる第1プレヒート手段と、
    前記第1プレヒート手段により処理された被塗物に前記中塗り塗料を塗装する第2中塗り手段と、
    前記被塗物の水平部及び垂直部を加熱して前記第1中塗り手段により形成された第1中塗り塗膜層及び前記第2中塗り手段により形成された第2中塗り塗膜層に含まれた水分を蒸発させる第2プレヒート手段と、
    前記第2プレヒート手段により処理された被塗物に前記上塗り塗料を塗装する上塗り手段と、
    を有することを特徴とする水系塗料の塗装システム。
  5. 前記第1中塗り手段により形成される第1中塗り塗膜層の塗装膜厚は、前記第2中塗り手段により形成される第2中塗り塗膜層の塗装膜厚より厚いことを特徴とする請求項記載の水系塗料の塗装システム。
  6. 前記第1プレヒート手段及び第2プレヒート手段の加熱源は、ランプ又は熱風送風機であることを特徴とする請求項4又は5記載の水系塗料の塗装システム。
  7. 前記第1プレヒート手段は、前記第1中塗り手段により被塗物の水平部に形成された第1中塗り塗膜層の塗着固形分が80%以上となるまで加熱することを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の水系塗料の塗装システム。
JP2004316104A 2004-10-29 2004-10-29 水系塗料の塗装方法及び塗装システム Expired - Fee Related JP4599990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004316104A JP4599990B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 水系塗料の塗装方法及び塗装システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004316104A JP4599990B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 水系塗料の塗装方法及び塗装システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006122833A JP2006122833A (ja) 2006-05-18
JP4599990B2 true JP4599990B2 (ja) 2010-12-15

Family

ID=36718068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004316104A Expired - Fee Related JP4599990B2 (ja) 2004-10-29 2004-10-29 水系塗料の塗装方法及び塗装システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4599990B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4804282B2 (ja) * 2006-09-05 2011-11-02 日産自動車株式会社 積層塗膜、積層塗膜用水系塗料、塗装方法及び塗装物品
JP5491303B2 (ja) * 2010-07-07 2014-05-14 日産自動車株式会社 自動車車体の積層塗膜、自動車車体の塗装方法及び自動車車体
CN102658258B (zh) * 2012-04-28 2014-06-04 浙江坤博机械制造有限公司 一种用于海水淡化处理的阀门的防腐涂装工艺
CN102962171B (zh) * 2012-12-05 2015-03-18 深圳市创荣发电子有限公司 一种热熔胶枪的控制方法及装置
JP7124720B2 (ja) * 2019-01-15 2022-08-24 マツダ株式会社 揮発性有機化合物の回収装置及び回収方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6075369A (ja) * 1983-10-01 1985-04-27 Mazda Motor Corp 中塗塗装方法
JPS63175674A (ja) * 1987-01-13 1988-07-20 Nissan Motor Co Ltd 自動車用鋼板の塗装方法
JPH01168386A (ja) * 1987-12-24 1989-07-03 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車ボデーの塗装方法
JPH02157068A (ja) * 1988-12-08 1990-06-15 Mitsubishi Motors Corp 塗装方法
JPH02305995A (ja) * 1989-05-18 1990-12-19 Nissan Motor Co Ltd 複合塗膜
JPH0788422A (ja) * 1993-09-20 1995-04-04 Nissan Motor Co Ltd 被塗装樹脂成形部品の支持装置
JP2002273322A (ja) * 2001-03-21 2002-09-24 Nippon Paint Co Ltd 塗膜形成方法
JP2004267834A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Nissan Motor Co Ltd 中上塗りウェットオンウェット塗装方法および塗膜の乾燥装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6075369A (ja) * 1983-10-01 1985-04-27 Mazda Motor Corp 中塗塗装方法
JPS63175674A (ja) * 1987-01-13 1988-07-20 Nissan Motor Co Ltd 自動車用鋼板の塗装方法
JPH01168386A (ja) * 1987-12-24 1989-07-03 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車ボデーの塗装方法
JPH02157068A (ja) * 1988-12-08 1990-06-15 Mitsubishi Motors Corp 塗装方法
JPH02305995A (ja) * 1989-05-18 1990-12-19 Nissan Motor Co Ltd 複合塗膜
JPH0788422A (ja) * 1993-09-20 1995-04-04 Nissan Motor Co Ltd 被塗装樹脂成形部品の支持装置
JP2002273322A (ja) * 2001-03-21 2002-09-24 Nippon Paint Co Ltd 塗膜形成方法
JP2004267834A (ja) * 2003-03-05 2004-09-30 Nissan Motor Co Ltd 中上塗りウェットオンウェット塗装方法および塗膜の乾燥装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006122833A (ja) 2006-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4599990B2 (ja) 水系塗料の塗装方法及び塗装システム
JP4734919B2 (ja) 塗装方法及び塗装装置
JP2005177631A (ja) 塗装方法
JP4517646B2 (ja) 自動車ボディの塗装方法
JP6222226B2 (ja) クリヤ塗装方法、塗装方法及び塗膜構造
JP5464963B2 (ja) 押出成形セメント板の表面塗装方法
US20120276281A1 (en) Method of Coating a Workpiece Incorporating a Color Contributing Primer Layer
JP4935086B2 (ja) 回転霧化式塗装装置を用いた塗装方法
JP4063215B2 (ja) 塗装方法及び該塗装方法に用いられる装置
JPS62110779A (ja) 自動車々体の上塗り塗装方法
JP2006181498A (ja) 塗装方法及び塗装システム
US20030005568A1 (en) Metal body painting system and method
JP2570362B2 (ja) 塗装方法
JP4075871B2 (ja) 塗装方法
JP2024058348A (ja) 車両ボディを塗装する方法
JP4802858B2 (ja) 車両用車体の塗装方法及び車両用車体
JP4572655B2 (ja) 自動車ボディの塗装方法
JPH0326371A (ja) 水性塗料の塗装方法
JP4321001B2 (ja) 塗装方法
JP4124177B2 (ja) 塗装方法
JP4507590B2 (ja) 自動車ボディの塗装方法
JP2006181501A (ja) メタリック塗装方法及び塗装システム
JP2003211040A (ja) 塗装方法及び塗装ブース
JP2009233574A (ja) 塗装方法
JPS61138570A (ja) 自動車車体の上塗り塗装方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100730

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100831

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100913

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees