JP4063215B2 - 塗装方法及び該塗装方法に用いられる装置 - Google Patents

塗装方法及び該塗装方法に用いられる装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車ボディ等に適用して好ましい塗装方法及び該塗装方法に用いられる装置に関し、特に、中塗り塗料と上塗り塗料とをウェットオンウェットで塗装し、これらを同時に焼き付ける2コート1ベーク系の塗装方法及び該塗装方法に用いられる装置に関する。
自動車ボディの塗装系は、エポキシ系樹脂を主剤とする電着塗料等が適用される下塗り塗料と、ポリエステル系樹脂を主剤とする中塗り塗料と、同様にポリエステル系塗料を主剤とする上塗り塗料の3種類の塗料を用い、下塗り塗装を施した後にこれを焼き付け、当該硬化した下塗り塗膜の上に中塗り塗装を施した後にこれを焼き付け、当該硬化した中塗り塗膜の上に上塗り塗装を施した後にこれを焼き付けることで完成する、所謂、3コート3ベーク系の塗装方法が採用されている。
ところが、こうした3コート3ベーク塗装系では、下塗り塗装工程、中塗り塗装工程及び上塗り塗装工程のそれぞれに乾燥炉が必要とされるので、乾燥炉を設置するための広い工程スペースが必要となり、また、乾燥炉で消費されるエネルギが自動車の生産コストに反映される。
そこで、これら3つの工程に設けられた乾燥炉を2つ以下に減じて上記問題を解決するために、下塗り塗装と中塗り塗装とをウェットオンウェットで塗装する方法や、中塗り塗装と上塗り塗装とをウェットオンウェットで塗装する方法(例えば、特許文献1参照)が検討されている。
しかしながら、中塗り塗装と上塗り塗装とをウェットオンウェットで塗装し、これらを同時に焼き付ける塗装系では、以下のような問題があった。
即ち、一般的な自動車ボディの塗装工程における塗装焼付には熱風式乾燥が用いられているが、この熱風式乾燥では直接熱風が吹き付けられる表面部分から塗膜の硬化が開始するため、これをウェットオンウェットで塗装された中塗り塗装及び上塗り塗装にそのまま適用すると、直接熱風が吹き付けられる上塗り塗膜から先に硬化を開始し、その後に中塗り塗膜が硬化することとなる。
このため、上塗り塗膜が硬化した後に中塗り塗膜が硬化して収縮し、これにより上塗り塗膜に引張り歪みが生じて凹凸が出来るので、塗膜の鮮映性が悪化するという問題があった。
特開2002−153805号公報
本発明は、鮮映性が良好でありつつ、中塗り塗装と上塗り塗装とのウェットオンウェット塗装系が実現できる塗装方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、少なくとも下塗り塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料の3つの塗料を被塗物に塗布する塗装方法であって、前記中塗り塗料は、前記上塗り塗料の硬化温度と同一またはそれ以下の硬化温度を有しており、前記被塗物に化成被膜を形成し、前記下塗り塗料を前記化成皮膜に塗布して下塗り塗膜を形成し、前記下塗り塗膜に前記中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成し、未硬化の前記中塗り塗膜に前記上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜を形成し、未硬化の前記中塗り塗膜及び前記上塗り塗膜に対して5μm未満の波長の赤外線を照射して、前記中塗り塗膜を前記上塗り塗膜より先に硬化する塗装方法が提供される。

本発明では、中塗り塗装と上塗り塗装とのウェットオンウェット塗装系において、塗膜硬化手段により、上層に塗布された上塗り塗膜より、下層に塗布された中塗り塗膜を先に硬化させるので、塗膜の良好な鮮映性を確保しつつ、中塗り塗装と上塗り塗装とのウェットオンウェット塗装系を実現することが出来る。これにより、従来必要とされていた中塗り塗装用の乾燥炉が不要となり、塗装ラインの工程スペースが格段に縮小される。また、当該乾燥炉に使用されていた熱エネルギーも不要となるので生産コストを低減させることが出来る。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る塗装方法を示す工程図、図2は図1の中上塗り塗装工程のラインを示す図、図3は本発明の実施形態における中塗り塗料及び上塗り塗料の硬化温度と硬化時間との関係を示すグラフ、図4は自動車ボディの水平部と垂直部との鮮映性の関係を示すグラフ、図5は本発明の実施形態に係る赤外線による焼付時間と焼付温度との関係を示すグラフである。
本実施形態に係る塗装方法は、下塗り塗装、中塗り塗装、及び、上塗り塗装の3コート塗装系において、下塗り塗料を塗布して焼き付けて硬化させた後に、中塗り塗料と上塗り塗料とをウェットオンウェットで塗布し、これらを同時に焼き付けて硬化させる、所謂、3コート2ベークの塗装系である。
中塗り塗装と上塗り塗装に関して言えば、2コート1ベークの塗装系であり、より詳しくは、例えば、上塗り塗料がソリッド系塗料の場合には2コート1ベークであり、例えば、上塗り塗料がメタリック系塗料等のように上塗りベース塗料と上塗りクリア塗料とを含む場合には3コート1ベークである。以下に、この上塗り塗料がベース塗料及びクリア塗料を含む場合について説明する。
本発明の実施形態に係る塗装方法では、先ず、ホワイトボディとして組み立てられた自動車ボディBが、車体組立工程から塗装工場に搬入され、図1に示すように、最初に前処理工程1において、当該ボディBに付着した油や塵埃が除去されると共に、当該ボディBを構成する鋼板表面に防錆用の化成皮膜が形成される。
前処理工程1を経て洗浄及び化成皮膜が形成されたボディB(被塗物)は、電着塗装工程2において、電着塗料で満たされた電着塗装槽に浸漬される。電着塗装槽では、電着塗料に高電圧が印加されることにより電着塗料が電気泳動し、これによりボディBに電着塗膜(下塗り塗膜)が形成される。電着塗装工程2の電着塗装槽から出槽したボディBは、電着水洗工程3において、ボディBに付着した余分な電着塗料が洗い流される。
電着水洗を終了したボディBは、次に、下塗り焼付工程4において、電着乾燥炉に搬入されて電着塗膜を焼き付けて硬化させた後に、中上塗り塗装工程5に搬入される。
中上塗り塗装工程5では、先ず、中塗り塗装工程6において、図2に示すように、中塗り塗装装置61が自動車ボディBに中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成し、中塗り用フラッシュオフ装置62が中塗り塗膜をフラッシュオフした後に、当該中塗り塗膜を焼き付け硬化させることなく、上塗りベース塗装工程7に搬出する。
次いで、上塗りベース塗装工程7において、上塗りベース塗装装置71が、中塗り塗膜が未硬化な状態の自動車ボディBに、上塗りベース塗料をウェットオンウェットで塗布して上塗りベース塗膜を形成し、上塗りベース用フラッシュオフ装置72が上塗りベース塗膜をフラッシュオフした後に、当該中塗り塗膜及び上塗りベース塗膜を焼き付け硬化させることなく、上塗りクリア塗装工程8に搬出する。
次いで、上塗りクリア塗装工程8において、上塗りクリア塗装装置81が、中塗り塗膜及び上塗りベース塗膜が未硬化な状態の自動車ボディBに、上塗りクリア塗料をウェットオンウェットで塗布した後に、中塗り塗膜、上塗りベース塗膜、及び、上塗りクリア塗膜を焼き付け硬化させることなく、セッティングブース82に搬出する。
なお、中塗り塗装装置61、上塗りベース塗装装置71及び上塗りクリア塗装装置81は、例えば、自動塗装装置や塗装ロボット等であり、その塗布方法は特に限定されず、ベル式塗装ガンやスプレー式塗装ガン等を用いて塗装する。
ここで、中上塗り塗装工程5において塗布される中塗り塗料、上塗りベース塗料、及び、上塗りクリア塗料は、後述する赤外線照射における硬化順序を助長するように、下層に位置する塗膜が上層に位置する塗膜より速く硬化するように構成されており、より具体的には、図3に示すように、この3種類の塗料のなかで中塗り塗料が最も速く硬化を開始し、次に上塗りベース塗料が硬化を開始し、最後に上塗りクリア塗料が硬化するように構成されている。なお、図3及び図5に示す中塗り塗料、上塗りベース塗料、及び、上塗りクリア塗料の架橋温度は何れも140℃程度である。
このように中塗り塗料の硬化速度を速くするための具体的な手法としては、中塗り塗料の硬化温度を既存の中塗り塗料の硬化温度と比較して低温化させたり、各塗料のポリエステル樹脂等の低分子化や樹脂成分の含有量を増減調整する手法等が考えられる。
中塗り塗料の硬化温度の低温化の手法としては、例えば、中塗り塗料が水酸基とカルボキシル基とを有する基体樹脂と、架橋剤としてのブロックポリイソシアネートとを含む材質である場合には、ブロックポリイソシアネートをブロックするアルコール系ブロック剤に、既存のアルコール系ブロック剤より短いアルキル基のアルコール系ブロック剤を採用する。短いアルキル基のアルコール系ブロック剤を用いることでブロック剤の解離温度が下降し、これにより中塗り塗料の反応温度を低温化させることが出来る。
また、中塗り塗料の硬化温度を低温化させる他の手法としては、中塗り塗料が水酸基とカルボキシル基とを有する基体樹脂と、架橋剤としてのブロックイソシアネートとを含む材質である場合には、中塗り塗料中に中和しているアミンについて既存のアミンよりも低沸点のアミンを採用する。これにより、アミンと溝との結合力が向上し、短い時間しかカルボキシル基をブロックすることが出来ないので、中塗り塗料の反応温度を低温化することが出来る。
中上塗り工程5にて、中塗り塗料、上塗りベース塗料、及び、上塗りクリア塗料がウェットオンウェットで塗布された自動車ボディBは、セッティングブース82から赤外線照射工程9の赤外線照射炉91内に搬入されて赤外線(塗膜硬化手段)が照射される。
この赤外線照射工程9の赤外線照射炉91の内部には、特に図示しないが、自動車ボディBから1m程度離れた位置から、例えば、フード、ルーフ及びトランクリッド等の自動車ボディBの水平部に向けて赤外線が照射されるように、ヒータが設置されている。
赤外線照射工程9において赤外線を照射する部位を、自動車ボディBの例えばフロントフェンダ、ドア及びリアフェンダ等の垂直部を対象とせずに、当該ボディBの例えばフード、ルーフ及びトランクリッド等の水平部を対象とするのは、垂直部と比較して水平部に特に高品質な鮮映性が要求されるからであり、また、図4に示すように、中上塗り塗装のウェットオンウェット化による鮮映性の悪化程度が大きな部位だからである。この図4は、実質的に同一の表面粗さ(Ra値)の下地に対して、溶剤系中塗り塗料、溶剤系上塗りベース塗料、及び、溶剤系上塗りクリア塗料を順次焼き付け硬化した従来塗装系と、水系中塗り塗料、水系上塗りベース塗料、及び、溶剤系上塗りクリア塗料をウェットオンウェットで塗装した後焼き付け硬化した3ウェット塗装系と、をそれぞれ適用した場合の鮮映性(PGD)を比較したグラフであるが、このグラフから、中上塗り塗装のウェットオンウェット化に伴って垂直部よりも水平部の方が鮮映性が悪化していることが分かる。
この赤外線照射工程9における赤外線照射炉91の内壁には、ステンレス製鋼板が用いられており、当該ステンレス鋼板の内側表面には、0.01〜0.1μm程度の膜厚の金メッキ処理が施されている。このような金メッキ処理を施した鋼板により近赤外線の反射光を自動車ボディBに対して効率的に照射させることにより、塗膜を効果的に焼き付け硬化することが可能となっている。
この赤外線照射工程9において、赤外線照射炉91内に設けられたヒータから照射される赤外線は、近赤外線や中赤外線が好ましく、特に0.2〜2.5μmの波長を持つ近赤外線がより好ましい。5μmより短い波長の赤外線は、上塗りクリア塗膜、上塗りベース塗膜、中塗り塗膜、及び、下塗り塗膜(電着塗膜)を透過して、上述の前処理工程1にて形成された化成皮膜に吸収されて、ボディBの鋼板が加熱されるので、下層に位置する中塗り塗膜から上塗りベース塗膜、上塗りクリア塗膜の順序で、内側から塗膜が乾燥されて硬化する。これに対し、5μm以上の波長域の赤外線を用いると、鋼板が高温となるためワキが発生する場合がある。
この赤外線照射工程9では、このような近赤外線又は中赤外線を用いて、図5に示すように、焼付温度140℃で焼付時間60〜120秒程度の間、塗膜の焼き付けを行う。なお、焼付温度140℃以上で焼き付けを行う場合には、焼付時間を短く設定することが可能であるが、中塗り塗膜、上塗りベース塗膜、及び、上塗りクリア塗膜の3コートの場合には膜厚が厚くなるため、ワキの発生を防止する観点から160℃程度を焼付温度の上限とすることが好ましく、この場合の焼付時間は30秒程度であり、これが焼付時間の下限となる。
なお、図2に示す中塗り用フラッシュオフ装置62や上塗りベース用フラッシュオフ装置72に赤外線炉をそれぞれ設けることも可能であるが、設備投資やエネルギー効率の観点から、本実施形態のように熱風式の中上塗り乾燥炉101の直前で赤外線照射を行って塗膜焼き付け硬化を行う方が好ましい。
赤外線照射工程9にて赤外線が照射された自動車ボディBは、中上塗り焼付工程10において、中上塗り乾燥炉101内に搬入されて、従来公知の方法により熱風が吹き付けられ、中塗り塗料、上塗りベース塗料、及び、上塗りクリア塗料が焼き付け硬化される。
以上のように、本実施形態に係る塗装方法では、ウェットオンウェットで塗布された中塗り塗膜及び上塗り塗膜に対して、熱風乾燥をさせる前に、赤外線を照射することにより、上塗り塗膜より先に中塗り塗膜を硬化させることが出来るので、塗膜の良好な鮮映性を確保しつつ、中塗り塗装と上塗り塗装とのウェットオンウェット塗装系を実現することが出来る。これにより、従来必要とされていた中塗り塗料用の乾燥炉が不要となり、塗装ラインの工程スペースが格段に縮小される。また、当該乾燥炉に使用されていた熱エネルギーも不要となるので生産コストを低減させることが出来る。
また、本実施形態に係る塗装方法では、自動車ボディの例えばフード、ルーフ及びトランクリッド等の水平部に向けて赤外線を照射することにより、特に高品質な鮮映性が要求され、中上塗り塗装のウェットオンウェット化による影響が大きな部位の鮮映性を良好とすることが可能となる。
さらに、本実施形態に係る塗装方法では、自動車ボディに対して0.2〜2.5μmの波長を持つ近赤外線を照射して、140〜160℃で30〜120秒間焼き付けを行うことにより、当該赤外線を、上塗りクリア塗膜、上塗りベース塗膜、中塗り塗膜、及び、下塗り塗膜を透過させると共に、前処理工程にて形成された化成皮膜に吸収させて、自動車ボディの鋼板を加熱させることが出来るので、下層に位置する中塗り塗膜から上塗りベース塗膜、上塗りクリア塗膜の順序で、内側から塗膜を乾燥させ硬化させることが可能となる。
また、本実施形態に係る塗装方法では、赤外線照射に加えて、中塗り塗料の硬化温度を既存の中塗り塗料の硬化温度より低温化させたり、各塗料のポリエステル樹脂等の低分子化や樹脂成分の含有量を増減調整する等して中塗り塗料の硬化速度を上塗り塗料の硬化速度より速くすることにより、上塗り塗膜より中塗り塗膜を先に確実に硬化を開始させることが可能となり、鮮映性を確実に確保することが可能となる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上述の実施形態では、中塗り塗料及び上塗りベース塗料を水系塗料、上塗りクリア塗料を有機溶剤系塗料として説明したが、本発明では特に限定されず、中塗り塗料、上塗りベース塗料、及び、上塗りクリア塗料に、水系塗料及び有機溶剤系塗料の何れも使用することが出来る。
図1は、本発明の実施形態に係る塗装方法を示す工程図である。 図2は、図1の中上塗り塗装工程のラインを示す図である。 図3は、本発明の実施形態における中塗り塗料及び上塗り塗料の硬化温度と硬化時間との関係を示すグラフである。 図4は、自動車ボディにおける水平部と垂直部との鮮映性の関係を示すグラフである。 図5は、本発明の実施形態に係る赤外線による焼付温度と焼付時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…前処理工程
2…電着塗装工程
3…電着水洗工程
4…下塗り焼付工程
5…中上塗り塗装工程
6…中塗り塗装工程
61…中塗り用塗装装置
62…中塗り用フラッシュオフ装置
7…上塗りベース塗装工程
71…上塗りベース用塗装装置
72…上塗りベース用フラッシュオフ装置
8…上塗りクリア塗装工程
81…上塗りクリア用塗装装置
82…セッティングブース
9…赤外線照射工程
91…赤外線照射炉
10…中上塗り焼付工程
101…中上塗り乾燥炉
B…自動車ボディ

Claims (8)

  1. 少なくとも下塗り塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料の3つの塗料を被塗物に塗布する塗装方法であって、
    前記中塗り塗料は、前記上塗り塗料の硬化温度と同一またはそれ以下の硬化温度を有しており、
    前記被塗物に化成被膜を形成し、
    前記下塗り塗料を前記化成皮膜に塗布して下塗り塗膜を形成し、
    前記下塗り塗膜に前記中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成し、
    未硬化の前記中塗り塗膜に前記上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜を形成し、
    未硬化の前記中塗り塗膜及び前記上塗り塗膜に対して5μm未満の波長の赤外線を照射して、前記中塗り塗膜を前記上塗り塗膜より先に硬化する塗装方法。
  2. 前記上塗り塗料は、上塗りベース塗料と上塗りクリア塗料とを含み、
    前記中塗り塗料は、前記上塗りベース塗料の硬化温度と同一又はそれ以下の硬化温度を有し、前記上塗りベース塗料は、前記上塗りクリア塗料の硬化温度と同一又はそれ以下の硬化温度を有しており、
    前記下塗り塗膜に前記中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成し、
    未硬化の前記中塗り塗膜に前記上塗りベース塗料を塗布して上塗りベース塗膜を形成し、
    未硬化の前記上塗りベース塗膜に前記上塗りクリア塗料を塗布して上塗りクリア塗膜を形成し、
    未硬化の前記中塗り塗膜、前記上塗りベース塗膜及び前記上塗りクリア塗膜に対して5μm未満の波長の赤外線を照射して、前記中塗り塗膜、前記上塗りベース塗膜、及び、前記上塗りクリア塗膜の順に硬化する請求項1記載の塗装方法。
  3. 前記赤外線は、前記被塗物の水平部に向けて照射される請求項1又は2記載の塗装方法。
  4. 前記赤外線は、0.2〜2.5μmの波長を有する近赤外線である請求項1〜3の何れかに記載の塗装方法。
  5. 前記赤外線の照射による前記被塗物の焼付温度は160℃以下であり、焼付時間は30秒以上である請求項1〜4の何れかに記載の塗装方法。
  6. 前記被塗物は、前記赤外線の照射により、140〜160℃で30〜120秒間焼き付けが行われる請求項記載の塗装方法。
  7. 前記中塗り塗料の硬化速度は、前記上塗り塗料の硬化速度より速い請求項1〜6の何れかに記載の塗装方法。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の塗装方法において、前記中塗り塗膜が前記上塗り塗膜より先に硬化するように、それぞれ未硬化の前記中塗り塗膜及び前記上塗り塗膜に対して赤外線を照射するために用いられる装置であって、
    金属製の内壁を有し、当該内壁の内側表面に金メッキ処理が施されている装置。
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