JP4599757B2 - ディーゼルパティキュレートフィルタ装置の再生制御方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、車載されたディーゼルエンジン等の内燃機関の微粒子状物質(PM:パティキュレート)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ装置(DPF装置)の再生制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載等のディーゼルエンジンから排出される排気ガス中には、パティキュレート(PM)と呼ばれる微粒子状物質が含まれており、これを除去するためにディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を備えた装置が試みられている。
【0003】
このディーゼルパティキュレートフィルタ装置には、図9に示すような、ディーゼルエンジン1の排気下流側に、SiC等のセラミック繊維からなる不織布を耐熱金網で挟持して形成されたフィルタ6A,6Bを複数取り付けて、交互に排気ガスGを通過させて、微粒子状物質の捕集とフィルタの再生を交替しながら繰り返して、エンジン1から排出される微粒子状物質を捕集するタイプの装置10Xや、図10に示すような、ディーゼルエンジン1の排気下流側に、一つのフィルタ6Cとこのフィルタ6Cを迂回するバイパス通路12を設け、再生時には排気ガスGをバイパス通路12に流しながらフィルタ6Cをヒータ7Cで加熱して再生を行うタイプの装置10Yがある。
【0004】
また、図11に示すように、ディーゼルエンジン1の排気下流側に、一つのフィルタ6Dを設けたタイプでも、バイパス通路を設けずに、フィルタ6Dの上流に酸化触媒9を設けたり、フィルタ6Dに触媒を担持させたりして、エンジン1の運転状態を変化させることにより排気ガスGの温度や組成を変えて、フィルタ6Dの再生処理を行う連続再生型のディーゼルパティキュレートフィルタ装置10Zもある。
【0005】
これらのフィルタは、捕集された微粒子状物質の蓄積が進行するにつれて、フィルタの目詰まりが進行し、フィルタの前後の排気圧力が変化するので、再生を開始する時点を、排気圧力を用いて判定している。
【0006】
そのため、図9に示すような、複数のフィルタ6A,6Bを備えたタイプのディーゼルパティキュレートフィルタ装置10Xでは、このフィルタ6A,6Bの上流側には入口側排気圧力センサ(前圧センサ)51が、また、下流側には出口側排気圧力センサ(後圧センサ)52がそれぞれ配設され、入口側排気圧力PIと出口側排気圧力POを検出している。
【0007】
また、図10及び図11に示すような、単数のフィルタ6C(6D)で捕集と再生を繰り返すタイプのディーゼルパティキュレートフィルタ装置10X(10Y)では、このフィルタ6C(6D)の上流側には入口側排気圧力センサ51が、また、下流側には出口側排気圧力センサ52がそれぞれ配設され、入口側排気圧力PIと出口側排気圧力POを検出している。
【0008】
そして、各フィルタ6A〜6Dの入口側排気圧力PIや前後の圧力比(Rp=PI/PO)が所定の目詰まり状態判定値PI0やRp0より大きくなったら、微粒子状物質捕集中のフィルタ6A(又は6B),6C,6Dは目詰まり状態になったと判定して,排気ガスGの通路を切り換えて、他方のフィルタ6B(又は6A)で微粒子状物質の捕集を行ったり、バイパス通路に排ガスを逃がしたりすると共に、目詰まり状態と判定されたフィルタ6A(又は6B),6C,6Dの再生処理を行っている。
【0009】
この再生処理は、図9及び図10のディーゼルパティキュレートフィルタ装置10X,10Yでは、ヒータ7A(又は7B),7Cに通電して加熱し、捕集した微粒子状物質を焼却し、このフィルタ6A(又は6B),6Cを再生処理しており、また、図11の連続再生型のディーゼルパティキュレートフィルタ装置10Zでは、エンジン1の運転状態を変化させて、フィルタ6Dの再生に適した温度や成分組成を持つ排気ガスGを発生させて、フィルタ6Dを再生処理している。
【0010】
これらのディーゼルパティキュレートフィルタ装置においては、いずれも、フィルタの上流側の入口側排気圧力、又は、この上流側の入口側排気圧力と下流側の出口側排気圧力を用いて、フィルタの再生処理の開始時期を判定し、排気ガスの通路の切り換えによる捕集と再生のフィルタの切り換え、捕集と再生の切り換え、あるいは、エンジンの運転状態の変更による捕集と再生の切り換えを行って、各フィルタを再生処理している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このフィルタの上流側の入口側排気圧力を目詰まり判定に使用する場合は、この入口側排気圧力はフィルタの目詰まりの増加と共に上昇するが、エンジン回転数、負荷、排気温度等の影響を受けるために、予め、エンジンの運転状態に対応する入口側排気圧力判定値を設定して、マップデータ等の形で、再生制御装置に記憶させておく必要がある。
【0012】
そして、目詰まり判定時に、エンジンの運転状態に対応する入口側排気圧力判定値を算定し、この入口側排気圧力判定値と計測された入口側排気圧力とを比較する必要がある。そのため、エンジン回転数、負荷、排気温度等の運転条件を考慮した複雑な制御が必要になるという問題がある。
【0013】
更に、この入口側排気圧力で目詰まり判定する場合は、エンジンが高負荷運転領域にある場合には、目詰まり判定の精度は良いが、低負荷及び中負荷運転領域及び中負荷運転にある場合には、検出遅れが生じ目詰まり判定の精度が悪くなるという問題がある。
【0014】
また、入口側排気圧力と出口側排気圧力の比である圧力比を目詰まり判定に使用する場合は、エンジン回転数、負荷等の運転条件の影響は少なく制御が単純化されるが、圧力比の精度が悪く測定データの平均化やノイズ除去等の演算化が必要になり、検出遅れが生じるという問題がある。
【0015】
特に、この圧力比で目詰まり状態を判定する場合には、エンジンが低負荷及び中負荷運転領域にある場合には、目詰まり判定の精度は良いが、高負荷運転領域にある場合には、検出遅れが生じ目詰まり判定の精度が悪くなるという問題がある。
【0016】
そして、更に、この圧力比で目詰まりを判定する場合には、入口側排気圧力センサと出口側排気圧力センサの2つの排気圧力センサが必要になるため、排気圧力センサの故障発生の可能性による信頼性の低下とコストアップという問題がある。
【0017】
一方、フィルタの目詰まりの進行と、出口側排気圧力の脈動成分との関係を調べた結果、図7及び図8に示すように、目詰まり量の増加に伴って、脈動成分(脈動振幅)が少なくなることが分かった。
【0018】
本発明は、上記の知見を得て、上述の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、フィルタの再生開始の判定を測定した排気圧力で行うディーゼルパティキュレートフィルタ装置の再生制御方法において、一つの排気圧力センサで精度良く、フィルタの目詰まり状態を検出できるディーゼルパティキュレートフィルタ装置の再生制御方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するためのディーゼルパティキュレートフィルタ装置の制御方法は、次のように構成される。
【0020】
1)エンジンの排気通路に接続され、排気ガス中の微粒子状物質の捕集と、捕集した微粒子状物質を酸化除去する再生処理とを交互に繰り返しながら、排気ガス中の微粒子状物質を浄化するフィルタと、該フィルタに捕集された微粒子状物質を酸化除去するための再生手段と、前記フィルタの出口側排気圧力を検出する出口側排気圧力センサと、前記フィルタの再生処理操作を制御する再生制御装置を備えたディーゼルパティキュレートフィルタ装置において、前記再生制御装置がフィルタの目詰まり状態の判定を、前記出口側排気圧力の大きさと所定の圧力判定値との比較と、該出口側排気圧力の脈動成分の大きさと所定の第1の脈動判定値との比較の両方により目詰まり判定を行うように構成される。
この目詰まり判定方法では、出口側排気圧力の大きさと、出口側排気圧力の脈動成分の大きさとを別々に比較し、出口側排気圧力の大きさが所定の圧力判定値より大きく、かつ、出口側排気圧力の脈動成分の大きさが所定の第1の脈動判定値より小さい場合に、目詰まり状態にあり、再生開始が必要であるとの判定を行う。
【0021】
この出口側排気圧力の大きさとは、所定の時間内における出口側排気圧力の平均値であり、直流成分(DC成分)のことをいい、また、出口側排気圧力の脈動成分の大きさとは、所定の時間内における出口側排気圧力の脈動振幅の大きさのことをいい、この所定の時間内における、最大値と最小値との差や、極大値の平均値と極小値の平均値との差や各脈動振幅の平均値等として求めることができるものである。
【0022】
なお、再生手段としては、各フィルタを再生処理時に加熱するための電気ヒータ等があり、この場合の再生処理操作としては、フィルタの切り換え、再生側のフィルタのヒータへの通電、微粒子状物質燃焼用の酸素供給等がある。
【0023】
2)または、エンジンの排気通路に接続され、排気ガス中の微粒子状物質の捕集と、捕集した微粒子状物質を酸化除去する再生処理とを交互に繰り返しながら、排気ガス中の微粒子状物質を浄化するフィルタと、該フィルタに捕集された微粒子状物質を酸化除去するための再生手段と、前記フィルタの出口側排気圧力を検出する出口側排気圧力センサと、前記フィルタの再生処理操作を制御する再生制御装置を備えたディーゼルパティキュレートフィルタ装置において、前記再生制御装置がフィルタの目詰まり状態の判定を、前記出口側排気圧力の脈動成分の大きさと、該出口側排気圧力の大きさに対して決まる所定の第2の脈動判定値との比較とから目詰まり判定を行うように構成される。
この目詰まり判定方法では、出口側排気圧力の大きさと出口側排気圧力の脈動成分の大きさとを関連付けて判定し、出口側排気圧力の大きさから決まる所定の第2の脈動判定値と、測定した出口側排気圧力の脈動成分の大きさとを比較して、測定値の方が、所定の第2の脈動判定値より小さくなった場合に、目詰まり状態にあり、再生開始が必要であるとの判定を行う。
【0024】
3)そして、上記のディーゼルパティキュレートフィルタ装置の再生制御方法において、前記排気ガス中の微粒子物質を浄化するフィルタが複数設けられている。
【0028】
以上の構成によれば、排気圧力センサは、フィルタの出口側排気圧力センサの一つだけで、目詰まり状態を判定できるので、センサを減らすことができて、その分システムの信頼度を向上でき、コストダウンもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明に係る実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタ装置(DPF装置)の制御方法について、図1のフィルタが2つあり、捕集するフィルタと再生処理するフィルタを交互に切り換えるタイプのディーゼルパティキュレートフィルタ装置を例にして説明する。
【0030】
なお、図1〜図3は本発明に係るディーゼルパティキュレートフィルタ装置の構成を示す図で、図4〜図6は本発明に係るディーゼルパティキュレートフィルタ装置の制御方法の制御フローを示す図である。
【0031】
図1に示すディーゼルパティキュレートフィルタ装置10Aは、SiC等のセラミック繊維からなる不織布を2つの金網により挟持して構成された2つのフィルタ6A,6Bを有して構成され、エンジン1の排気通路2から流入する排気ガスGの通路を一方のフィルタ6A(又は6B)から他方のフィルタ6B(又は6A)に切り換える切換弁(通路切換手段)4と、各フィルタ6A,6Bを再生処理時に加熱するための、上記の挟持用金網の少なくとも一方を通電可能として構成されたヒータ7A,7Bとを備えて形成される。
【0032】
このディーゼルパティキュレートフィルタ装置10Aのフィルタ6A,6Bの下流側に出口側排気圧力センサ52を配設する。
【0033】
更に、この出口側排気圧力センサ52で検出される出口側排気圧力POを入力とし、切換弁制御とフィルタ加熱制御等の再生制御を行うDPF制御部(再生制御装置)80がエンジンコントロールユニット(ECU)と呼ばれるコントローラ(コントロールユニット:C/U)8内に設けられる。より具体的には、プログラムとしてコントローラ8内のCPUに入力される。
【0034】
この再生制御装置80で、フィルタ6A,6Bの目詰まり状態の判定を行うが、本発明では、出口側排気圧力PO(t)の大きさ(平均値:DC成分)POmとこの出口側排気圧力PO(t)の脈動成分の大きさ(AC成分)δPOを用いて行うように構成される。
【0035】
そして、第1の実施の形態では、この再生制御装置80がフィルタ6A,6Bの目詰まり状態の判定を、出口側排気圧力の大きさPOmと所定の圧力判定値PO0との比較と、この出口側排気圧力の脈動成分の大きさδPOと所定の第1の脈動判定値δPO1との比較の両方により目詰まり判定を行う。
【0036】
つまり、出口側排気圧力の大きさPOmと、出口側排気圧力の脈動成分の大きさδPOとを別々に比較し、出口側排気圧力の大きさPOmが所定の圧力判定値PO0より大きく、かつ、出口側排気圧力の脈動成分の大きさδPOが所定の第1の脈動判定値δPO1より小さい場合(図8のA領域)に、微粒子状物質(PM)捕集中のフィルタ6A(又は6B)は目詰まり状態になったと判断し、再生開始が必要であるとの判定を行う。
【0037】
また、第2の実施の形態では、この再生制御装置80がフィルタ6A,6Bの目詰まり状態の判定を、出口側排気圧力の脈動成分の大きさδPOと、この出口側排気圧力の大きさPOmに対して決まる所定の第2の脈動判定値δPOm2との比較とから目詰まり判定を行うように構成される。
【0038】
つまり、出口側排気圧力の大きさPOmと出口側排気圧力の脈動成分の大きさδPOとを関連付けて判定し、出口側排気圧力の大きさPOmから決まる所定の第2の脈動判定値δPOm2と、測定した出口側排気圧力の脈動成分の大きさδPOとを比較して、測定値δPOの方が、所定の第2の脈動判定値δPOm2より小さくなった場合(図8のB領域)に、微粒子状物質捕集中のフィルタ6A(又は6B)は目詰まり状態になったと判断し、再生開始が必要であるとの判定を行う。
【0039】
これらの所定の圧力判定値PO0、所定の第1の脈動判定値δPO1、出口側排気圧力の大きさPOmの関数となる所定の第2の脈動判定値δPOm2(POm)は、実験や測定結果や計算等により、エンジンが許容できる排気圧損とフィルタの耐圧性能等を考慮して定められる。
【0040】
そして、再生制御装置80は、これらの判定に従って、切換弁4により排気ガスGの流れを切り換えて、他方のフィルタ6B(又は6A)で微粒子状物質の捕集を行うように構成される。
【0041】
上記のディーゼルパティキュレートフィルタ装置10Aの制御は、図4〜図6に示すようなフローに従って行われる。このフローは、エンジン1の制御と並行して実行されるものであり、説明し易いように複数のフィルタ6A,6Bの内の一つに注目した制御フローとして示してある。実際には、複数のフィルタ6A,6Bを同時に制御するので、各フィルタ6A,6B毎の制御よりも、纏めて全体のフィルタ制御を行うように構成される。
【0042】
先ず、全体の再生制御のフローの概略を図4で説明する。
【0043】
この図4の制御フローでは、スタートすると、制御の対象となっている一方のフィルタ6A(又は6B)では、ステップS10の捕集モードで微粒子状物質の捕集を行い、次のステップS20で、フィルタ6Aが再生開始であるか否かを判定し、再生開始でないと判定した場合には、ステップS10の捕集モードに戻り、フィルタ6Aで捕集を継続する。
【0044】
また、ステップS20で再生開始であると判定した場合には、ステップS30の再生モードに移行し、ステップS30の再生処理で、切換弁4を制御して排気ガスGの通路を切り換えて、このフィルタ6Aでは、ヒータ7Aへの通電によるフィルタの予備加熱、捕集された微粒子状物質を酸化するための酸素供給のための燃焼用エアー導入、フィルタ6Aの冷却等を行う。そして、この間は、他方のフィルタ6B(又は6A)で微粒子状物質の捕集を行う。
【0045】
そして,このステップS30の再生処理が終了した後に、ステップ40の待機状態となり、他方のフィルタ6Bの再生モードへの移行に伴う排気ガスGの通路の切換により、ステップS10の捕集モードに戻る。
【0046】
次に、本発明の再生開始の判定の制御の第1の実施の形態について、図5を参照しながら説明する。
【0047】
先ず、図5に示すように、ステップS20の再生開始判定では、最初に、ステップS21で、出口側排気圧力PO(t)の大きさPOm(DC成分)とその脈動成分(AC成分)の大きさ(脈動振幅)δPOを検出する。
【0048】
この出口側排気圧力PO(t)の大きさPOmは、所定のサンプリング期間の出口側排気圧力PO(t)の平均値として求められ、脈動成分の大きさδPOは、所定のサンプリング期間の内の最大値と最小値との差や、極大値の平均値と極小値の平均値との差や各振幅の平均値等として求められるが、別のデータ処理によって算出してもよい。
【0049】
そして、ステップS22で、出口側排気圧力POの大きさPOmが、所定の目詰まり状態判定値である圧力判定値PO0より大きいか否かを判定する。
【0050】
この判定で、出口側排気圧力POの大きさPOmが所定の圧力判定値PO0より小さい場合には、まだ目詰まりの進行が少なく捕集可能であるとして、再生開始ではない(ステップS25)と判定し、大きくなったら、ステップS23に行く。
【0051】
そして、ステップS23では、出口側排気圧力の脈動成分の大きさδPOが所定の第1の脈動判定値δPO1より小さいか否かを判定する。小さい場合には、微粒子状物質(PM)捕集中のフィルタ6A(又は6B)は目詰まり状態(図8のA領域)になったと判断し、再生開始である(ステップS24)と判定し、大きい場合には、まだ目詰まりの進行が少なく捕集可能であるとして、再生開始ではない(ステップS25)と判定する。
【0052】
この再生制御方法により、出口側排気圧力POの大きさPOmが所定の圧力判定値PO0より大きく、かつ、出口側排気圧力POの脈動成分の大きさδPOが所定の第1の脈動判定値δPO1より小さい場合に、目詰まり状態にあり、再生開始が必要であるとの判定を行うことができる。
【0053】
次に、本発明の再生開始の判定の制御の第2の実施の形態について、図6を参照しながら説明する。
【0054】
第2の実施の形態では、図5に示すフローの代りに、図6に示すようなフローで行われ、ステップS20Aの再生開始判定では、最初に、ステップS21Aで、出口側排気圧力PO(t)の大きさPOmとその脈動成分の大きさδPOを検出する。
【0055】
そして、ステップS22Aで、出口側排気圧力POの大きさPOmに対応する所定の第2の脈動判定δPOm2を、予め実験や計測結果、あるいは計算から求められ、マップデータ等として予め入力されているデータから算出する。
【0056】
次のステップS23Aで、この算出された所定の第2の脈動判定δPOm2と検出された脈動成分の大きさδPOを比較し、測定値δPOの方が、所定の第2の脈動判定値δPOm2より大きい場合に、まだ目詰まりの進行が少なく捕集可能であるとして、再生開始ではない(ステップS25A)と判定し、また、小さくなった場合には、微粒子状物質(PM)捕集中のフィルタ6A(又は6B)は目詰まり状態(図8のB領域)になったと判断し、再生開始である(ステップS24A)と判定する。
【0057】
この再生制御方法により、出口側排気圧力の大きさPOmから決まる所定の第2の脈動判定値δPOm2と、測定した出口側排気圧力の脈動成分の大きさδPOとを比較して、測定値δPOが、所定の第2の脈動判定値δPOm2より小さくなった場合に、目詰まり状態にあり再生開始が必要であるとの判定を行うことができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るディーゼルパティキュレートフィルタ装置の制御方法によれば、再生制御において、再生開始の判定としてのフィルタの目詰まり状態の判定の際に、出口側排気圧力の大きさとこの出口側排気圧力の脈動成分の大きさを用いて行うので、排気圧力センサが一つあれば目詰まり判定を行えることになるので、排気圧力センサの数を減らすことができて、その分システムの信頼度を向上でき、また、コストダウンもできる。
【0059】
また、出口側排気圧力の大きさと、出口側排気圧力の脈動成分の大きさとを別々に比較し、出口側排気圧力の大きさが所定の圧力判定値より大きく、かつ、出口側排気圧力の脈動成分の大きさが所定の第1の脈動判定値より小さい場合に、目詰まり状態にあり、再生開始が必要であるとの判定を行うことにより、比較的簡単な制御で、再生開始のための目詰まり状態を判定できる。
【0060】
あるいは、出口側排気圧力の脈動成分の大きさと、該出口側排気圧力の大きさに対して決まる所定の第2の脈動判定値との比較で目詰まり判定を行うことにより、比較的簡単な制御で、再生開始のための目詰まり状態をより精度良く判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複数のフィルタを有するディーゼルパティキュレートフィルタ装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る単数のフィルタとバイパス通路を有するディーゼルパティキュレートフィルタ装置の構成の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る連続再生型のディーゼルパティキュレートフィルタ装置の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るディーゼルパティキュレートフィルタ装置の制御方法の制御フローを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る再生開始判定用の制御フローを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る再生開始判定用の制御フローを示す図である。
【図7】出口側排気圧力の大きさ及び脈動成分の大きさと、目詰まりの進行状態との関係を模式的に示す図である。
【図8】出口側排気圧力の大きさに対する脈動成分の大きさと、目詰まりの進行状態との関係を模式的に示す図である。
【図9】従来技術の複数のフィルタを有するディーゼルパティキュレートフィルタ装置の構成の一例を示す図である。
【図10】従来技術の単数のフィルタとバイパス通路を有するディーゼルパティキュレートフィルタ装置の構成の一例を示す図である。
【図11】従来技術の連続再生型のディーゼルパティキュレートフィルタ装置の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 排気通路
4 切換弁
52 出口側排気圧力センサ
6A,6B,6C,6D フィルタ
7A,7B,7C ヒータ
8 コントローラ
9 酸化触媒
10A,10B,10C,10D ディーゼルパティキュレートフィルタ装置
G 排気ガス
Gc 浄化された排気ガス
PO(t) 出口側排気圧力
POm 出口側排気圧力の大きさ
PO0 所定の圧力判定値(所定の目詰まり状態判定値)
δPO 出口側排気圧力の脈動成分の大きさ
δPO1 所定の第1の脈動判定値
δPOm2 所定の第2の脈動判定値
Claims (3)
- エンジンの排気通路に接続され、排気ガス中の微粒子状物質の捕集と、捕集した微粒子状物質を酸化除去する再生処理とを交互に繰り返しながら、排気ガス中の微粒子状物質を浄化するフィルタと、該フィルタに捕集された微粒子状物質を酸化除去するための再生手段と、前記フィルタの出口側排気圧力を検出する出口側排気圧力センサと、前記フィルタの再生処理操作を制御する再生制御装置を備えたディーゼルパティキュレートフィルタ装置において、前記再生制御装置がフィルタの目詰まり状態の判定を、前記出口側排気圧力の大きさと所定の圧力判定値との比較と、該出口側排気圧力の脈動成分の大きさと所定の第1の脈動判定値との比較の両方により目詰まり判定を行うことを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタ装置の再生制御方法。
- エンジンの排気通路に接続され、排気ガス中の微粒子状物質の捕集と、捕集した微粒子状物質を酸化除去する再生処理とを交互に繰り返しながら、排気ガス中の微粒子状物質を浄化するフィルタと、該フィルタに捕集された微粒子状物質を酸化除去するための再生手段と、前記フィルタの出口側排気圧力を検出する出口側排気圧力センサと、前記フィルタの再生処理操作を制御する再生制御装置を備えたディーゼルパティキュレートフィルタ装置において、前記再生制御装置がフィルタの目詰まり状態の判定を、前記出口側排気圧力の脈動成分の大きさと、該出口側排気圧力の大きさに対して決まる所定の第2の脈動判定値との比較とから目詰まり判定を行うことを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタ装置の再生制御方法。
- 前記排気ガス中の微粒子物質を浄化するフィルタが複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディーゼルパティキュレートフィルタ装置の再生制御方法。
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