JP4599629B2 - ブレード先端位置検出装置及び検出方法 - Google Patents

ブレード先端位置検出装置及び検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブレード先端位置検出装置及び検出方法に係り、 特に半導体製造等において、ワークの溝切り加工を行うダイシング装置の高速回転ブレードの先端位置検出装置及び検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイシング装置において、消耗品であるブレードは交換作業が必要となる。その場合、ブレードを取付けるフランジとの嵌合スキマや、ブレードの真円度、同芯度の影響により主軸であるスピンドル軸心に対して変形が生ずる。 この変形を修正するため、新ブレード交換後にツルーイングと称する外形修正が行われる。 このツルーイングは、通常、目直しに用いるドレスボードに溝入れをすることによって行われる。 しかし、このツルーイングにおいてはブレードの変形量を定量的に把握できなかったため、過去の経験によって得られた条件で行われていた。 そのため、初期変形が大きい場合は変形が取りきれず、又その逆に、初期変形が少ない場合は余分なツルーイングを行っていた。
【0003】
また、ダイシング装置でワークの切り残し量を設定値と一致させることは重要な要素であり、ワークの切り残し量を設定値と一致させるにはワークの切込み方向であるZ軸の位置決めを繰返し高精度に行い、かつブレード(切断刃)の摩耗を検知して補正する必要がある。従来はZ軸の位置決めにおいて、先ず回転ブレードを加工テーブルに接触させて電気的導通を検出し、この位置を基準位置としてZ軸のコントロールを行っていた。 またブレードの磨耗補正は、設定されたライン数ワークを加工する度に回転ブレードと加工テーブルとを接触させ、前記基準位置を補正していた。 しかしながらこの方法は、ブレードを加工テーブルに接触させるのでブレードにダメージを与えるという問題があり、さらに加工テーブルに傷が付くという問題があった。
【0004】
この接触式の問題を解決するために、特開平5−50362号及び特開平5−50363号公報には、投光手段と受光手段との間で光軸に直行するZ軸方向にブレードを移動さて該ブレードで徐々に遮光し、予め設定した受光量に達した時に信号を出力する光学式検出装置を用い、この信号を出力した位置を基準としてブレードを位置決めする内容が記載されている。 図9はこの従来の光学式検出装置による受光量の測定結果を表すグラフであり、ブレード54が光束を遮蔽しない時の受光量をV0 とした時に、受光量V0 /2をスレッシュホールド値として信号を出力し、この時のブレード先端位置ZC を基準位置とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の特開平5−50362号及び特開平5−50363号公報においては、ブレードにダメージを与えるという問題や加工テーブルに傷が付くという接触式の問題は解決されるものの、ブレードの偏芯やワークの加工によって生じた偏摩耗による回転ブレード先端位置の周期的変動のために、予め設定した受光量に達した時に信号を出力しても、受光量検出のタイミングによってZ軸基準位置がバラツクという不具合が生じていた。 通常ワッシャタイプのブレードの場合、偏芯量は30〜50μm もあり、ハブタイプのブレードでも10〜20μm 偏芯しているため、このバラツキはとても許容できない値であった。 また、この公報における技術ではブレードの変形量を定量的に把握することもできなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ブレードに偏芯や偏摩耗等の変形があっても、正確なブレード先端位置を検出することができ、また高速回転中のブレードの変形量を定量的に把握することができるブレード先端位置検出装置及び検出方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係るブレード先端位置検出装置は、請求項1に記載のように、投光手段と、所定間隔をおいて対向して設けられ、前記投光手段から投光された光を一方の光学系で前記所定間隔内で集光し、集光後拡散した光を他方の光学系で集光する一対の光学系と、前記他方の光学系で集光された光を受光し光電変換する受光手段と、前記光学系の所定間隔内を光軸に直行するZ方向に移動し、前記所定間隔内で集光した光を遮光する回転ブレードと、前記回転ブレードのZ方向移動量検出手段と、前記回転ブレードのZ方向位置を算出する演算手段と、から成り、前記受光手段は前記回転ブレードの回転1周期内で複数点の受光量データを検出し、前記演算手段は、前記回転ブレード先端のZ方向位置が前記光軸近傍の少なくとも2箇所の位置において、回転ブレードの回転1周期内で得られた複数の受光量データの内の最低受光量を夫々検出し、この少なくとも2箇所の位置における最低受光量データから、受光量と前記回転ブレードのZ方向位置との関係を関数として求め、前記関数から予め設定された受光量となる前記回転ブレードのZ方向位置を算出することを特徴としている。
【0008】
この請求項1に記載の発明によれば、前記受光手段は前記回転ブレードの回転1周期内で複数点の受光量データを検出しているので、正確なブレード先端位置を検出することができ、また高速回転中のブレードの変形量を定量的に把握することができる。また、受光量と前記回転ブレードのZ方向位置との関係を関数として算出しているので、受光量に対応する回転ブレードのZ方向位置を正確に求めることができる。さらに、受光量の変化分を回転ブレードのZ方向位置の変化分に正確に換算できる。
【0011】
また請求項に記載のブレード先端位置検出装置は、前記回転ブレード先端のZ方向位置が前記光軸又は光軸近傍に位置する時の、前記回転ブレードの回転角と受光量との関係を表示することにより、前記回転ブレードの回転中心に対する変形状態を表示する表示手段を有することを特徴としている。
【0012】
この請求項に記載の発明によれば、前記回転ブレードの回転中心に対する偏芯、偏摩耗及び欠け等の変形状態を定量的に把握できるので、適正なツルーイング条件を設定できる。
【0013】
更に、請求項に記載のブレード先端位置検出装置は、前記回転ブレードのZ方向移動位置決め精度が2μm /5mm以内であり、前記受光手段の応答速度が10μs 以内であることを特徴としている。
【0014】
請求項に記載の発明によれば、高速回転するブレードの先端位置を高精度で検出できると共に、ダイシングに必要な高精度のブレード高さコントロールを行うことができる。
【0015】
また、本発明に係るブレード先端位置検出方法は、請求項に記載のように、投光手段と、所定間隔をおいて対向して設けられ、前記投光手段から投光された光を一方の光学系で前記所定間隔内で集光し、集光後拡散した光を他方の光学系で集光する一対の光学系と、前記他方の光学系で集光された光を受光し光電変換する受光手段と、前記光学系の所定間隔内を光軸に直行するZ方向に移動し、前記所定間隔内で集光した光を遮光する回転ブレードと、前記回転ブレードのZ方向移動量検出手段と、から成り、前記受光手段が前記回転ブレードの回転1周期内で複数点の受光量データを検出するブレード先端位置検出装置を用い、前記回転ブレード先端のZ方向位置が前記光軸近傍の少なくとも2箇所の位置において、回転ブレードの回転1周期内で得られた複数の受光量データの内の最低受光量を夫々検出し、この少なくとも2箇所の位置における最低受光量データから、受光量と前記回転ブレードのZ方向位置との関係を関数として求め、前記関数から予め設定された受光量となる前記回転ブレードのZ方向位置を算出することを特徴としている。
【0016】
この請求項に記載の発明によれば、受光量と前記回転ブレードのZ方向位置との関係を関数として求めているので、受光量に対応する回転ブレードのZ方向位置を正確に算出することができる。 また受光量の変化分を回転ブレードのZ方向位置の変化分に正確に換算できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るブレード先端位置検出装置及び検出方法の好ましい実施の形態について詳説する。尚各図において、同一の部材については同一の番号を付している。
【0020】
図1は、本発明に係るブレード先端位置検出装置の実施の形態を説明する概念図で、ブレード先端位置検出装置10は、Xテーブル51上に設けられた検査台37に組み込まれた一対の光学系30を有している。 この一対の光学系の一方の光学系はレンズ系31とプリズム32を、他方の光学系はレンズ系34とプリズム33を有しており、プリズム32とプリズム33とは対向して配置されている。 又一方の光学系はグラスファイバ35にて投光手段21に、他方の光学系はグラスファイバ36にて受光手段22に連結されている。 投光手段21として発光ダイオードを、受光手段22としてフォトダイオードが用いられている。 一方、高周波モータ内蔵のスピンドル53の先端に取付けられたブレード54は、Z方向駆動手段55によりZ方向に、また図示しないY方向駆動手段によりY方向に夫々駆動される。 このZ方向駆動手段55は、Z方向移動量検出手段56による位置情報を基に閉ループ制御を行って、位置決め精度が2μm /5mm以内(ブレード54をZ方向に最大5mmまで移動させた時の位置決め誤差が2μm 以内)の高精度で位置決めを行う。 更に、ブレード54を駆動制御する制御手段43、ブレード54の回転に同期して得られる受光量を演算処理する演算手段41、記憶手段44、及びブレード54の変形状態その他を表示する表示手段42等を有するコントローラ40が設けられている。
【0021】
投光手段21の発光ダイオードから発した光は、グラスファイバ35を経てレンズ系31に入射して屈折され、プリズム32で水平方向に反射されてプリズム32とプリズム33の間で直径約0. 5mmの光束に集光される。集光された光はプリズム33で反射され、レンズ系34で屈折されてグラスファイバ36の一端に入射する。グラスファイバ36の一端に入射した光は、受光手段22のフォトダイオードを照射し、フォトダイオードで光電変換された信号がコントローラ40に入力される。
【0022】
回転ブレード54の先端位置を検出する時は、先ずXテーブル51が移動して一対の光学系30の光軸をブレード54の回転軸芯の真下に位置付ける。 次にブレード54が図示しないY方向駆動手段によってプリズム32とプリズム33の間の集光点の真上に位置付けられ、Z方向駆動手段55によって下方に移動されて集光された光束を部分的に遮り、受光量が測定される。
【0023】
次にブレード先端位置検出の詳細について説明する。 図2は、回転ブレードのZ方向基準位置算出方法を説明するグラフである。 図2(a) は、ブレード下降量を横軸に、縦軸には受光量をとり、ブレードのZ方向位置と受光量との関係を表している。 また図2(b) 、(c) は横軸にブレード回転角度、縦軸に受光量をとり、Z1 およびZ2 夫々の位置におけるブレード回転角度に対する受光量の周期的変動を示すカーブを表している。
【0024】
図2に示すように、先ずブレード54が収束された光束を遮らない位置で受光手段22の検出する受光量データV0 を記憶する。 次にZ方向駆動手段55により、回転するブレード54の先端を光学系によって集光された光の光軸近傍の任意の位置Z1 に位置決めする。この位置でブレード54の回転に同期させて、1周期あたり複数点の受光量データを読込み記憶手段44にメモリーする。受光手段に用いられているフォトダイオードは応答速度が10μs 以内と高速であるので、ブレード54の回転速度が例えば60, 000rpm の速度で回転するとしても、1回転当り100個以上の受光量データが採取できる。 ブレード54の先端は、偏芯により回転軸芯に対して変形しているので、回転角度θに対する受光量Vは、図2(b) に示すようにサインカーブとなる。このサインカーブの谷底部の値V1 が、Z1 位置におけるブレード54の最先端で光束を遮った時の受光量となる。この受光量V1 を記憶手段44にメモリーした後、次に回転ブレード54の先端を光軸近傍の他の任意の位置Z2 に位置決めする。この位置でもブレード54の回転に同期させて、1周期あたり複数点の受光量データを読込み記憶手段44にメモリーし、最低受光量V2 を得る。この2点のデータ(Z1 、V1 )、(Z2 、V2 )からコントローラ40の演算手段41により、受光量と回転ブレード54のZ方向位置との関係を関数として求める。 本実施の形態の場合は、光軸近傍の2箇所の位置における受光量データを求めているので、関数は一次関数となり、グラフは2点間の直線となる。 次にこの関数を用いて、受光量V0 /2に対応するブレード54のZ方向位置Z0 が、演算手段41により算出される。ここで算出されたZ0 をZ方向基準位置として以後のブレード54の高さ方向制御を行う。尚、受光量データを光軸近傍の位置で求めるのは、光軸近傍ではブレード下降量に対する受光量がリニアに近い変化を示すため検出精度がよいからである。
【0025】
実際の加工装置に適用する場合には、図1に示すように、このZ方向基準位置Z0 とワーク加工テーブル52の上面位置との相対距離Kを求め、このKの値をオフセット値として用い高さ方向の制御を行う。前述したワーク加工テーブル52の上面位置を求める場合は、ブレード54とワーク加工テーブル52とを夫々通電しておき、ブレード54を徐々に下降させてワーク加工テーブル52上面に接触させ、導通した瞬間の位置を読取る。このオフセット値Kは一度記憶されると、ブレード54を交換してブレード54の外径が異なっても適用できる。
【0026】
尚、本実施の形態の説明では受光量を検出する回転ブレード54の位置を、光軸近傍の任意の位置Z1 及びZ2 の2箇所で説明したが、3箇所又はそれ以上であっても構わない。
【0027】
次に、本発明のブレード先端位置検出装置をダイシング装置に適用した例を図3、図4、図5、図6により説明する。図3はダイシング装置50でワーク60を加工している状態を示し、図4、図5はブレード先端位置検出装置10の要部拡大図を示している。図3、図4に示すように、検査台37の近傍には水及びエアを供給するための配管38が設けられ、配管38の先端にはノズル39が取付けられている。 そして、図3に示すワーク60の加工中にはノズル57から切削水を射出して、ブレード54でワーク60を加工している位置に注水する。これにより、ブレード54は冷却され、切削性が維持される。
【0028】
一方、加工中はブレード54が高速回転しているので加工により発生したワーク60の切粉が切削水のミストと共に加工位置近傍に漂う。 この場合、ブレード先端位置検出装置10の配管38を介してノズル39から水を射出して、プリズム32、33の各々の対向面32A、33Aに水膜を形成する。(図5参照)。従って、ミストや切粉がプリズム32、33の各々の対向面32A、33Aに付着しない。
【0029】
ワーク60を所定枚数加工した後、ブレード54の摩耗補正を行うため、図6に示すように、Xテーブル51が移動してブレード先端位置検出装置10の光軸をブレード54の回転中心の真下に位置付け、ブレード54が下降するがその前に、ノズル39からエアを数秒間射出して、プリズム32、33の各々の対向面32A、33Aをエアブローする。これにより、プリズム32、33の各々の対向面32A、33Aに残っている水滴が除去されるので、プリズム32、33の対向面32A、33Aをクリーンに保つ。 従って、プリズム32からプリズム33に導かれる光がプリズム32、33の対向面32A、33Aを通過する時、通過する光は水滴で屈折や散乱しない。 このノズル39から水を射出する場合とエアを射出する場合との切替えは、自動的に行われるようにシーケンスを作成してもよく、または手動で操作してもよい。
【0030】
前述のごとく構成された本発明に係るブレード先端位置検出装置の作用を図7に示すフローチャートで説明する。
【0031】
ワーク60の加工中にはノズル57から切削水を射出してブレード54の加工位置に注水する。 そしてワーク60を所定枚数加工後、ブレード54をブレード先端位置検出装置10のプリズム32、33間に配置する前に、ノズル39からの水の射出を停止する。 次に、ノズル39からエアを数秒間射出して、プリズム32、33の各々の対向面32A、33Aをエアブローする(ステップ70)。次に、ブレード54をY、Z軸方向に移動すると共にXテーブル51がX軸方向に移動して、ブレード54を対向するプリズム32、33の検査位置にセットする(ステップ72)。 次いで、投光手段21の発光ダイオードをОNにし、受光手段22にて読取られた受光量データが一定時間連続するまでループする(ステップ74)。ループ完了後、読取られた受光量データが所定値(すなわち、プリズム32、33がブレード54を検査可能な状態にクリーンに保たれている時の光量データ)以上であることをチェックする(ステップ76)。次いで、読取られた受光量データを初期光量V0 として記憶手段44に記憶する(ステップ78)。
【0032】
次に、ブレード54を下降して光軸近傍の任意の検出位置Z1 に位置決めする(ステップ80)。ここで回転ブレード54を検出位置Z1 に固定したまま、回転周波数に同期させて複数点の受光量データを読取る(ステップ82)。読取った複数の受光量データを記憶手段44に記憶する(ステップ84)。記憶した複数の受光量データから最低受光量V1 を算出して記憶する(ステップ86)。同様にして最低受光量V2 を算出して記憶する(ステップ88〜ステップ94)。
【0033】
次に、この2点のデータ(Z1 、V1 )、(Z2 、V2 )からコントローラ40の演算手段41により、受光量と回転ブレード44のZ方向位置との関係を関数として求める(ステップ96)。 次いでこの関数を用いて、受光量V0 /2に対応するブレード54のZ方向位置Z0 を演算手段41により算出する(ステップ98)。次に、ここで求めたブレード54のZ方向位置Z0 をZ方向基準位置として更新する(ステップ100)
以上説明した本発明に係るブレード先端位置検出装置10によれば、光軸近傍の少なくとも2箇所の位置における最低受光量(ブレード54の最先端で光束を遮っている時の受光量)を基にブレード54の基準位置を算出しているので、偏芯や偏摩耗等でブレード54が回転中心に対して変形していても、常に安定した精度のよい基準位置が得られる。
【0034】
次に本発明に係るブレード先端位置検出装置10を用いてブレード54の偏芯や偏摩耗等の変形状態を把握する手段について説明する。
【0035】
先ず、変形状態を把握したいブレード54をスピンドル53に取付けて回転させる。 その後は前述した方法によって、少なくとも2箇所の位置における最低受光量データから、受光量と前記回転ブレードのZ方向位置との関係を関数として算出する。次にブレード54を光軸近傍の任意の位置に位置決めして、ブレード54の回転角度に同期した受光量データを取得して、コントローラ40の表示手段42にグラフで図形表示する。 図8にブレード54の種々の変形状態を示す。 図8(a) 〜(e) において、左側の図は真円に対するブレード54(斜線部分)の変形状態を示し、右側のグラフはブレード1回転内の受光量の変化を示している。 ここで表示されたグラフの最大値と最小値との幅が、ブレード54の偏芯や偏摩耗等の変形によって生ずるブレード先端の変移量を表している。 この変移量の絶対値は、先に求めた受光量と前記回転ブレードのZ方向位置との関係の関数から算出して表示することができる。
【0036】
図8において、(a) は受光量のカーブが1箇所鋭く飛び出しているので、ブレード54の一部が欠けた状態と判断できる。 (b) はブレード1回転の中の1部分に山があるので、その部分が偏摩耗している状態と判断でき、(c) は1回転の中に山がすっぽりと1つ存在しているので、偏芯状態を表していると判断できる。
更に(d) は2個の山が均等に現れているので、対向する2箇所で均等に偏摩耗しており、(e) では1個の山の上部が平らになっているので、1部分を残して均等に摩耗している夫々特殊な変形例を表している。
【0037】
このように、ブレード54を高速回転させたままでブレード54の各種変形状態と変形量を把握することができるので、過不足なく適正なツルーイングを行うことができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のブレード先端位置検出装置及び検出方法によれば、受光手段は回転ブレードの回転1周期内で複数点の受光量データを検出しているので、正確なブレード先端位置を検出することができ、また高速回転中のブレードの変形量を定量的に把握することができる。
【0039】
また光軸近傍の少なくとも2箇所の位置における最低受光量(ブレードの最先端で光束を遮っている時の受光量)を基に、受光量と回転ブレードのZ方向位置との関係を関数として求め、ブレードの基準位置を算出しているので、偏芯や偏摩耗等でブレードが回転中心に対して変形していても、常に安定した精度のよい基準位置が得られる。 また受光量の変化分を回転ブレードのZ方向位置の変化分に正確に換算できる。
【0040】
更に、ブレード54を高速回転させたままで、回転ブレードの回転中心に対する偏芯、偏摩耗及び欠け等の変形状態を定量的に把握できるので、測定データを基に効率的なツルーイング条件を設定できる。例えば、変形量が大きい場合は粒度の粗いドレスボードを用い、深い切込み、低速送りにてツルーイングを行ったり、その逆に、変形量が小さい場合は、粒度の細かいドレスボードを用いて、浅い切込み、高速送りにてツルーイングを行うといったことを自動で行うことができる。 また、あるブレードに対し、数回の変形量データを採取することにより、最終的にそのブレードが破損した時にその破損に至る過程から限界点を見出したり、未然に破損を防ぐといったことが可能になる。 更に、ブレードに微細な欠けが発生した場合、通常はその欠けが伝播し破損にいたるが、欠けを早期に発見することによりツルーイングで修復を行い、破損を防止することができる。
【0041】
このように、高速回転中のブレードの変形量を定量的に把握できることにより様々な効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレード先端位置検出装置の実施の形態を説明する概念図
【図2】本発明に係るブレード先端位置検出装置における回転ブレードのZ方向基準位置算出方法を説明する概念図
【図3】本発明に係るブレード先端位置検出装置を使用したダイシング装置でワークを加工している状態を示す斜視図
【図4】本発明に係るブレード先端位置検出装置の要部拡大図
【図5】本発明に係るブレード先端位置検出装置の一対の光学系のプリズムの対抗面に水が射出している状態を説明する平面図
【図6】本発明に係るブレード先端位置検出装置を使用したダイシング装置でブレードを検出している状態を示す斜視図
【図7】本発明に係るブレード先端位置検出装置の作動状態を説明するフローチャート
【図8】本発明に係るブレード先端位置検出装置で検出したブレードの各種変形を表す状態図
【図9】従来のブレード位置検出装置における回転ブレードのZ方向基準位置算出方法を説明する概念図
【符号の説明】
10…ブレード先端位置検出装置、21…投光手段、22…受光手段、30…一対の光学系、31、34…レンズ系、32、33…プリズム、41…演算手段、42…表示手段、50…ダイシング装置、54…ブレード、56…Z方向移動量検出手段、60…ワーク

Claims (4)

  1. 投光手段と、
    所定間隔をおいて対向して設けられ、前記投光手段から投光された光を一方の光学系で前記所定間隔内で集光し、集光後拡散した光を他方の光学系で集光する一対の光学系と、
    前記他方の光学系で集光された光を受光し光電変換する受光手段と、
    前記光学系の所定間隔内を光軸に直行するZ方向に移動し、前記所定間隔内で集光した光を遮光する回転ブレードと、
    前記回転ブレードのZ方向移動量検出手段と、
    前記回転ブレードのZ方向位置を算出する演算手段と、
    から成り、
    前記受光手段は前記回転ブレードの回転1周期内で複数点の受光量データを検出し、
    前記演算手段は、前記回転ブレード先端のZ方向位置が前記光軸近傍の少なくとも2箇所の位置において、回転ブレードの回転1周期内で得られた複数の受光量データの内の最低受光量を夫々検出し、この少なくとも2箇所の位置における最低受光量データから、受光量と前記回転ブレードのZ方向位置との関係を関数として求め、前記関数から予め設定された受光量となる前記回転ブレードのZ方向位置を算出することを特徴とするブレード先端位置検出装置。
  2. 前記回転ブレード先端のZ方向位置が前記光軸又は光軸近傍に位置する時の、前記回転ブレードの回転角と受光量との関係を表示することにより、前記回転ブレードの回転中心に対する変形状態を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載のブレード先端位置検出装置。
  3. 前記回転ブレードのZ方向移動位置決め精度が2μm /5mm以内であり、前記受光手段の応答速度が10μs 以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のブレード先端位置検出装置。
  4. 投光手段と、所定間隔をおいて対向して設けられ、前記投光手段から投光された光を一方の光学系で前記所定間隔内で集光し、集光後拡散した光を他方の光学系で集光する一対の光学系と、前記他方の光学系で集光された光を受光し光電変換する受光手段と、前記光学系の所定間隔内を光軸に直行するZ方向に移動し、前記所定間隔内で集光した光を遮光する回転ブレードと、前記回転ブレードのZ方向移動量検出手段と、から成り、前記受光手段が前記回転ブレードの回転1周期内で複数点の受光量を検出するブレード先端位置検出装置を用い、前記回転ブレード先端のZ方向位置が、前記光軸近傍の少なくとも2箇所の位置において、回転ブレードの回転1周期内で得られた複数の受光量データの内の最低受光量を夫々検出し、この少なくとも2箇所の位置における最低受光量データから、受光量と前記回転ブレードのZ方向位置との関係を関数として求め、前記関数から予め設定された受光量となる前記回転ブレードのZ方向位置を算出することを特徴とするブレード先端位置検出方法。
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