JP4599355B2 - プロテインaアフィニティークロマトグラフィーの間のプロテインaの浸出の低減 - Google Patents

プロテインaアフィニティークロマトグラフィーの間のプロテインaの浸出の低減 Download PDF

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Description

本願は、その全開示を出典明示によりここに取り込む2003年7月28日出願の仮出願番号第60/490500号に基づいて米国特許法第119条の優先権を主張する非仮出願である。
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明はタンパク質の精製に関する。特に、本発明は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけた組成物の温度又はpHを低下させることにより、あるいはそれに一又は複数のプロテアーゼインヒビターを添加することによってプロテインAアフィニティークロマトグラフィー中のプロテインAの浸出を低減する方法に関する。
[関連技術の説明]
タンパク質の大規模で経済的な精製は、バイオテクロノジー産業にとってますます重要な問題となっている。一般に、タンパク質は、そのタンパク質の遺伝子を含む組換え型プラスミドの挿入により対象のタンパク質を産生するように遺伝子操作された哺乳類又はバクテリア何れかの細胞株を用いて、細胞培養によって産生される。使用される細胞株は生きている生物体であるので、それには、通常は動物の血清の製剤から供給される、糖、アミノ酸、及び増殖因子を含む複合増殖培地を与えなければならない。ヒトの治療用として使うために十分な純度で細胞に与えた化合物の混合物から、また細胞自体の副生成物から所望のタンパク質を分離することは、大変な挑戦である。
細胞片からタンパク質を精製する手順は、最初はタンパク質の発現部位に依存する。細胞から周囲の成長培地中へ直接分泌せしめられうるタンパク質があり;細胞内で作られるタンパク質もある。後者のタンパク質の場合は、精製プロセスの最初の工程は、機械的剪断、浸透圧ショック、あるいは酵素処理を含む多様な方法により行うことができる細胞の溶解を含む。このような破壊は、細胞の全内容物をホモジェネート中へ放出し、加えて、その微小なサイズのために取り除くことが難しい細胞内断片を作り出す。これらは一般に分画遠心法又は濾過法で取り除かれる。小さい規模でではあるが、細胞の自然死や、タンパク質産生工程の過程での細胞内宿主細胞タンパク質の放出のために直接分泌されるタンパク質の場合にも同じ問題が生じる。
対象タンパク質を含む精製溶液が一旦得られれば、細胞によって産生される他のタンパク質からの分離は、通常、異なるクロマトグラフィー法の組合せを用いて試みられる。これらの手法は、その電荷、親水性の程度、又は大きさに基づいてタンパク質混合物を分離する。幾つかの異なるクロマトグラフィー用樹脂を、これらのそれぞれの手法に使用することができ、関与する特定のタンパク質にこれらの分離スキームを正確に適合化することが可能である。これらそれぞれの分離法の本質は、タンパク質を、異なる速度で長いカラムを流下させ、それらがカラムを更に流下するにつれて増加する物理的分離を達成するか、又は、分離媒体に選択的に付着するようにし、ついで異なる溶媒によって差次的に溶出させるかのいずれかである。場合によっては、不純物が特にカラムに付着し、対象のタンパク質が付着しない場合、つまり、対象のタンパク質が「フロースルー(flow-through)」中に存在する場合に、所望のタンパク質が不純物から分離される。
精製するタンパク質と固定化された捕捉剤の間の特異的な相互作用を利用するアフィニティークロマトグラフィーはまたある種のタンパク質に対しての選択肢となりうる。プロテインAは、例えばFc領域を含む抗体のようなタンパク質のアフィニティークロマトグラフィーには有用な吸着剤である。プロテインAは、抗体のFc領域に高い親和性(ヒトIgGに対して約10−8M)で結合する黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureas)由来の41kDの細胞壁タンパク質である。
米国特許第6127526号及び第6333398号(Blank, G.)には、不純物を取り除くために疎水性電解質、例えば塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)及び塩化テトラエチルアンモニウム(TEAC)を用いるプロテインAクロマトグラフィーにおける中間洗浄工程が記載されているが、プロテインAカラムに結合した固定化プロテインA又は対象タンパク質についての記載はない。
[発明の概要]
本発明は、C2/C3領域を含むタンパク質を精製する方法において、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけたタンパク質と一又は複数の不純物を含む組成物の温度を約3℃から約20℃までの範囲に低減させることを含み、プロテインAの浸出を減少させる方法に関する。
好ましくは、タンパク質は抗体、例えば、HER2、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、IgE、CD20、CD40、CD11a、組織因子(TF)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、インターロイキン−8(IL−8)、上皮細胞増殖因子レセプター(EGFR)、HER3、HER4、α4β7又はα5β3である。他の実施態様では、タンパク質はイムノアドヘシン(免疫付着因子)、例えば、TNFレセプターイムノアドヘシンである。
本発明はまたC2/C3領域を含むタンパク質をプロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって精製する方法において、
(a)タンパク質をプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーから回収したタンパク質を含む組成物中の浸出したプロテインAを測定し;
(b)プロテインAの浸出が検出された場合には、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけたタンパク質と一又は複数の不純物を含む組成物の温度を約3℃から約20℃までの範囲に低減させて、プロテインAの浸出を減少させることを
含んでなる方法に関する。
本発明は更にプロテインAアフィニティークロマトグラフィー中におけるプロテインAの浸出を低減させる方法において、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけた組成物におけるプロテアーゼ活性を減少させることを含んでなり、組成物がC2/C3領域を含むタンパク質と一又は複数のプロテアーゼを含む方法を提供する。
[発明の詳細な説明]
[定義]
ここで用いられる場合、「プロテインA」という用語は、その天然源から回収されるプロテインA、合成的に(例えば、ペプチド合成あるいは組換え技術により)産生されるプロテインAで、C2/C3領域を持つタンパク質と結合する能力を保持しているそれらの変異体又は誘導体を含んでいる。プロテインAはRepligen, Pharmacia and Fermatechから商業的に購入することができる。
「プロテインAアフィニティークロマトグラフィー」は、プロテインAを使用する物質及び/又は粒子の分離又は精製を意味し、ここでプロテインAは一般に固相に固定される。C2/C3領域を含むタンパク質はプロテインAに可逆的に結合するか、又はそれによって吸着されうる。ここでのプロテインAアフィニティークロマトグラフィーに使用するプロテインAアフィニティークロマトグラフィーカラムの例には、PROSEP A(商標)及びPROSEPvA(商標)カラム(ミリポア・インク)を含む制御孔ガラス骨格上に固定化されたプロテインA;ポリスチレン固相に固定化されたプロテインA、例えばPOROS50A(商標)カラム(アプライド・バイオシステムズ・インク);又はアガロース固相に固定化されたプロテインA、例えばrPROTEIN A SEPHAROSE FAST FLOW(商標)又はMABSELECT(商標)カラム(アマシャム・バイソサイエンシーズ・インク)が含まれる。
「固相」とは、プロテインAが付着又は共有的に結合する非水性マトリックスを意味する。固相は一般に例えばプロテインAを固定化するためのガラス、シリカ、ポリスチレン又はアガロース表面を含みうる。固相は、精製カラム、離散粒子の不連続相、充填床カラム、拡張(expanded)床カラム、メンブレン等でありうる。
ここで、「浸出」とは、それが結合した固相からのプロテインA(その断片を含む)の脱着又は洗浄を意味する。浸出は、機械的剪断、低pHへの暴露、タンパク分解活性等々のような様々なメカニズムから生じうる。
「不純物」は所望されるタンパク質産物とは異なる物質である。不純物はウイルス不純物、所望のタンパク質又は他のタンパク質の変異体、核酸、エンドトキシン等々でありうる。ここでの不純物の特定の例には所望のタンパク質を産生する宿主細胞からのタンパク質(例えば、チャイニーズハムスター卵巣タンパク質CHOPで、宿主細胞はCHO細胞である)、プロテアーゼ、浸出プロテインA等々が含まれる。
「プロテアーゼ」は、限定されるものではないが、セリン、システイン、メタロ及びアスパラギン酸プロテアーゼを含むタンパク分解酵素である。対象のタンパク質を含有する組成物中に存在しているプロテアーゼはそのタンパク質を産生する組換え宿主から、又はそのタンパク質の天然源から誘導されうる。プロテアーゼの例には、サーモリシン、トリプシン、キモトリプシン、プラスミン、カリクレイン、トロンビン、パパイン、プラスミン、カテプシンB、レニン、キモシン等々が含まれる。
「プロテアーゼ活性」は一又は複数のプロテアーゼの酵素活性を意味する。そのような活性は例えばプロテインAの浸出を測定することによって間接的に測定することができる。活性は、プロテアーゼを含む組成物の温度を低下させることによって、及び/又は組成物に一又は複数のプロテアーゼを添加する等々によって低減させることができる。
「プロテアーゼインヒビター」は、プロテアーゼの酵素活性をある程度まで減少させる化合物又は組成物である。プロテアーゼインヒビターの例には、フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)、4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニル-フルオライド塩酸塩(AEBSF)(PEFABLOC(登録商標)SC)、ロイペプチン、ペプスタチン、ベンズアミジン、金属イオンキレート剤、例えばEDTA又はメタロプロテアーゼ活性を阻害するイミダゾール等々が含まれる。好適なプロテアーゼインヒビターはメタロプロテアーゼ活性(例えばEDTA)を阻害し、及び/又はある種のセリンプロテアーゼ活性を阻害する。
ここでの対象タンパク質はC2/C3領域を含むものであり、よってプロテインAアフィニティークロマトグラフィーによる精製に適しているものである。ここで用いる場合の「C2/C3領域」という用語は、プロテインAと相互作用する免疫グロブリン分子のFc領域内におけるそのアミノ酸残基を意味する。好ましい実施態様では、C2/C3領域は、無傷のC3領域が続く無傷のC2領域を含み、最も好ましくは免疫グロブリンのFc領域を含む。C2/C3領域含有タンパク質の例には、抗体、イムノアドヘシン及び、C2/C3領域と融合あるいは結合した対象タンパク質を含んでなる融合タンパク質が含まれる。
「抗体」という用語は、最も広義かつ具体的には、モノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び、ここに定義されるC2/C3領域をそれらが保持し又は含むように改変されている限り抗体断片を包含する。
「抗体断片」は、完全長抗体の一部分で、一般的にはその抗原結合あるいは可変領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片;単鎖抗体分子類;ダイアボディ(diabodies);線形抗体;及び抗体断片から形成される多重特異的抗体が含まれる。
ここに使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質の抗体の個体群から得られた抗体を示す。すなわち、個体群を含む個々の抗体は、少量で存在しているかもしれない天然に生じうる変異を除いて、同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、一つの抗原部位に対するものである。更に、典型的には異なる決定基(エピトープ)に対するものである異なる抗体を含む一般的な(ポリクローナル)抗体製剤とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一決定基に対する異なった抗体を含む。「モノクローナル」との修飾語句は、抗体の実質的に均質の個体群から得られているという抗体の特徴を示し、何か特別な方法により抗体が得られることを必要とするものと解釈してはならない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体はKohler等, Nature 256:495(1975)によって最初に記述されたハイブリドーマ法によって作られてもよいし、あるいは組換えDNA法(例えば米国特許第4816567号参照)によって作られてもよい。「モノクローナル抗体」はまた例えば、Clackson等, Nature 352:624-628(1991)及びMarks等, J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)によって記載された技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。
ここでのモノクローナル抗体は、特に、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種から誘導されるか特定の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一であるか又は相同であるが、鎖の残りが他の種から誘導されるか他の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一であるか又は相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、並びにそれらが所望の生物学的活性を示す限り、そのような抗体の断片を含む(米国特許第4816567号;及びMorrisonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855 (1984))。
ここで使用される「高頻度可変領域」という用語は、抗原結合を生じせしめている抗体のアミノ酸残基を意味する。高頻度可変領域は、「相補性決定領域」あるいは「CDR」(つまり、軽鎖可変ドメイン中の残基24−34(L1)、50−56(L2)及び89−97(L3)と、重鎖可変ドメイン中の残基31−35(H1)、50−65(H2)及び95−102(H3);Kabat ら, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))からのアミノ酸残基及び/又は「高頻度可変ループ」(つまり、軽鎖可変ドメイン中の残基26−32(L1)、50−52(L2)及び91−96(L3)と、重鎖可変ドメイン中の残基26−32(H1)、53−55(H2)及び96−101(H3);Chothia及び Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))からの残基を含む。「フレームワーク」あるいは「FR」残基は、ここに定義される高頻度可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。通例、ヒト化抗体は、所望の特異性、親和性及び能力を持つマウス、ラット、ウサギあるいは非ヒト霊長類のような非ヒト種(ドナー抗体)由来の高頻度可変領域残基によってレシピエントの高頻度可変領域残基が置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基が対応する非ヒト残基と置き換えられる。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体中あるいはドナー抗体中に見出されない残基を含みうる。これらの改変は抗体の性能を更に洗練するためになされる。一般に、ヒト化抗体は、高頻度可変ループの全て又は実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである少なくとも一つ、典型的には二つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、また、場合によっては、典型的にはヒト免疫グロブリンのものである免疫グロブリン定常領域(Fc)の一部分を少なくとも含むであろう。更なる詳細は、Jonesら, Nature 321:522-525 (1986);Riechmannら, Nature 332:323-329 (1988);及び Presta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (1992)を参照のこと。
ここで使用されるところの「イムノアドヘシン」という用語は、免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能と異種性「アドヘシン」タンパク質(例えばレセプター、リガンドあるいは酵素)の「結合ドメイン」を組合わせた抗体様分子を意味する。構造的には、イムノアドヘシンは、抗体(つまり、「異種性」)の抗原認識及び結合部位(抗原結合部位)以外の所望の結合特異性を備えたアドヘシンアミノ酸配列と免疫グロブリン定常ドメイン配列の融合体を含んでなる。イムノアドヘシン中の免疫グロブリン定常ドメイン配列は、これらの領域を含むイムノアドヘシンをプロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって精製することができるので(Linamarkら,J. Immunol. Meth. 62:1-13 (1983))、好ましくはγ1、γ2、あるいはγ4の重鎖から誘導される。
ここで使用される「リガンド結合ドメイン」という用語は、任意の天然細胞表面レセプターあるいは対応する天然レセプターの定性的リガンド結合を少なくとも保持しているその任意の領域あるいは誘導体を意味する。特定の実施態様では、レセプターは、免疫グロブリンのスーパーファミリーのメンバーと相同な細胞外ドメインを持つ細胞表面ポリペプチド由来である。免疫グロブリンのスーパーファミリーのメンバーではないが、それにもかかわらずこの定義によって特にカバーされる他のレセプターは、サイトカインに対するレセプター、特にチロシンキナーゼ活性(レセプターチロシンキナーゼ)を持つレセプター、ヘマトポエチン(hematopoietin)のメンバー及び神経成長因子レセプターのスーパーファミリー、及び細胞接着分子、例えば(E、L-及びP-)セレクチンである。
「レセプター結合ドメイン」という用語は、細胞接着分子を含むレセプターに対する任意の天然リガンド、あるいは対応する天然リガンドの定性的レセプター結合能力を少なくとも保持しているかかる天然リガンドの任意の領域又は誘導体を指すために使用する。この定義は、とりわけ、上述のレセプターに対するリガンドからの結合配列を特に含む。「抗体-イムノアドヘシンキメラ」は、(ここで定義された)抗体の少なくとも一つの結合ドメインを(本出願中で定義された)少なくとも一つのイムノアドヘシンと組み合わせる分子を含む。例示的な抗体-イムノアドヘシンキメラはBergら PNAS (USA) 88:4723-4727 (1991) 及び Chamow ら J. Immunol. 153:4268 (1994)に記載された二重特異性CD4-IgGキメラ類である。
「HER2」という表現は、例えばSembaら, PNAS (USA) 82:6497-6501 (1985)及びYamamotoら Nature 319:230-234 (1986)(ジェンバンク受託番号X03363)に記載されているヒトHER2タンパク質を意味する。
「トラスツズマブ (Trastuzumab)」あるいは「ハーセプチン(HERCEPTIN)(登録商標)」は、配列番号1の軽鎖アミノ酸配列と、配列番号2の重鎖アミノ酸配列を含んでなるか、あるいはHER2に結合する能力を保持し、HER2を過剰発現する腫瘍細胞の成長を阻害するそのアミノ酸配列変異体(出典明示によりここに取り込む米国特許第5677171号参照)を含んでなるヒト化抗HER2抗体である。
「ヒト化2C4」は、配列番号3の可変軽鎖アミノ酸配列と、配列番号4の可変重鎖アミノ酸配列を含んでなるか、あるいはHER2に結合する能力を保持し、HER2のリガンド活性化をブロックするそのアミノ酸配列変異体(出典明示によりここに取り込む国際公開第01/00245号参照)を含んでなるヒト化抗HER2抗体である。
[発明の実施の形態]
ここでのプロセスはプロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって不純物からC2/C3領域含有タンパク質を精製することを含む。好ましい実施態様では、タンパク質は、C2/C3領域に融合し、又は結合した抗体、イムノアドヘシンあるいはタンパク質である。そのような分子を産生するための技術を以下に検討する。
1.抗体
本発明によって精製される好ましいタンパク質は抗体である。本発明の範囲に入る抗体は、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))(Carterら Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285-4289(1992), 米国特許第5725856号)及びヒト化2C4(国際公開第01/00245号, Adamsら)を含む抗HER2抗体;例えば米国特許第5736137号におけるようなキメラ抗CD20「C2B8」(リツキサン(RITUXAN)(登録商標))、米国特許第5721108B1号におけるような2H7抗体のキメラ又はヒト化変異体、あるいはトシツモマブ(Tositumomab)(BEXXAR(登録商標))のような抗CD20抗体;抗IL-8抗体(St Johnら Chest, 103:932 (1993),及び国際公開番号WO95/23865);例えばヒト化抗VEGF抗体huA4.6.1アバスチン(AVASTIN)(登録商標)(Kimら Growth Factors, 7:53-64 (1992),国際公開番号WO96/30046、及びWO98/45331、1998年10月15日公開)のようなヒト化及び/又は親和成熟抗VEGF抗体を含む抗VEGF抗体;抗前立腺幹細胞抗原(PSCA)抗体(国際公開第01/40309号);S2C6及びそのヒト化変異体(国際公開第00/75348号)を含む抗CD40抗体;抗CD11a抗体(米国特許第5622700号、国際公開第98/23761号,Steppeら Transplant Intl. 4:3-7 (1991)、及び Hourmantら Transplantation 58:377-380 (1994));抗CD18(1997年4月22日発行の米国特許第5622700号、又は1997年7月31日公開の国際公開第97/26912号);抗IgE抗体(E25、E26及びE27を含む;1998年2月3日発行の米国特許第5714338号、あるいは1992年2月25日発行の米国特許第5091313号、1993年3月4日公開の国際公開第93/04173号、又は1998年6月30日出願の国際出願第PCT/US98/13410号、米国特許第5714338号、Prestaら, J. Immunol. 151:2623-2632 (1993)、及び国際公開第95/19181号);抗Apo-2レセプター抗体(1998年11月19日公開の国際公開第98/51793号);cA2(REMICADE(登録商標))、CDP571及びMAK-195(1997年9月30日発行の米国特許第5672347号, Lorenzら J. Immunol. 156(4):1646-1653 (1996)及び Dhainautら Crit. Care Med. 23(9):1461-1469 (1995)を参照のこと)を含む抗TNF-α抗体;抗組織因子(TF)抗体(欧州特許第0420937B1号,1994年11月9日許可);抗ヒトαβインテグリン抗体(1998年2月19日公開の国際公開第98/06248号);抗内皮増殖因子レセプター(EGFR)抗体(例えば1996年12月19日公開の国際公開第96/40210号におけるようなキメラ化あるいはヒト化225抗体);OKT3(1985年5月7日発行の米国特許第4515893号)のような抗CD3抗体;CHI-621(SIMULECT(登録商標))及びZENAPAX(登録商標)(1997年12月2日発行の米国特許第5693762号参照)のような抗CD25抗体あるいは抗Tac抗体;cM-7412抗体(Choyら, Arthritis Rheum 39(1):52-56 (1996))のような抗CD4抗体;CAMPATH-1H(Riechmannら, Nature 332:323-337 (1988))のような抗CD52抗体;Grazianら J. Immunol. 155(10):4996-5002 (1995)におけるようなFcγRIに対するM22抗体のような抗Fcレセプター抗体;hMN-14(Sharkeyら、Cancer Res. 55(23Suppl): 5935s-5945s (1995))のような抗癌胎児性抗原(CEA)抗体;huBrE-3、hu-Mc3及びCHL6を含む乳房上皮細胞に対する抗体(Cerianiら, Cancer Res. 55(23): 5852s-5856s (1995);及びRichmanら, Cancer Res. 55(23 Supp): 5916s-5920s (1995));C242のような大腸癌腫細胞に結合する抗体(Littonら, Eur J. Immunol. 26(1):1-9 (1996));抗CD38抗体、例えばAT13/5(Ellisら, J. Immunol. 155(2):925-937 (1995));HuM195(Jurcicら, Cancer Res 55(23 Suppl):5908s-5910s (1995))及びCMA-676又はCDP771のような抗CD33抗体;LL2あるいはLymphoCide(Juweidら、Cancer Res 55(23 Suppl):5899s-5907s (1995))のような抗CD22抗体;17-1A(PANOREX(登録商標))のような抗EpCAM抗体;アブシキマブ(abciximab)あるいはc7E3Fab(REOPRO(登録商標))のような抗GpIIb/IIIa抗体;MEDI-493(SYNAGIS(登録商標))のような抗RSV抗体;PROTOVIR(登録商標)のような抗CMV抗体;PRO542のような抗HIV抗体;抗HepB抗体OSTAVIR(登録商標)のような抗肝炎抗体;抗CA125抗体、例えばOvaRex;抗イディオタイプGD3エピトープ抗体BEC2;VITAXIN(登録商標)を含む抗αvβ3抗体;ch-G250のような抗ヒト腎臓細胞癌腫抗体;ING-1;抗ヒト17-1A抗体(3622W94);抗ヒト結腸直腸腫瘍抗体(A33);GD3ガングリオシドに対する抗ヒト黒色腫抗体R24;抗ヒト扁平上皮細胞癌腫(SF-25);及びSmart ID10及び抗HLA DR抗体Oncolym(Lym-1)のような抗ヒト白血球抗原(HLA)抗体などを含むが、それらに制限されない。ここでの抗体に対して好ましい標的抗原は、HER2レセプター、VEGF、IgE、CD20、CD11a及びCD40である。
特に上で特定した抗体とは別に、熟練した実務者は、例えば以下に記載の技術を使用して、対象抗原に対して抗体を産生させることができるであろう。
(i)抗原選択と調製
ここでの抗体は対象の抗原に対して産生される。好ましくは、抗原は、生物学的に重要なポリペプチドであり、疾病や疾患を患っている哺乳動物への抗体の投与によりその哺乳動物に治療的恩恵がもたらされうる。しかしながら、非ポリペプチド抗原(例えば腫瘍関連糖脂質抗原;米国特許第5091178号参照)に対して産生された抗体もまた考慮される。抗原がポリペプチドである場合、それは膜貫通型分子(例えばレセプター)又はリガンド、例えば成長因子でありうる。例示的な抗原は、以下のセクション(3)に記述されるタンパク質を含む。本発明に包含される抗体に対する典型的な分子標的は、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22及びCD34のようなCDタンパク質;EGFR、HER2、HER3あるいはHER4レセプターのようなErbBレセプターファミリーのメンバー;細胞接着分子、例えばLFA-1、Mac1、p150、95、VLA-4、ICAM-1、VCAM及びαv/β3インテグリンで、そのα又はβ何れかのサブユニットを含むもの(例えば抗CD11a、抗CD18あるいは抗CD11b抗体);VEGFのような成長因子;IgE;血液型抗原;flk2/flt3レセプター;肥満(OB)レセプター;mplレセプター;CTLA-4;プロテインC,あるいはここで言及された他の抗原の任意のものを含む。
他の分子に場合によっては結合した可溶型抗原あるいはその破片は、抗体産生のための免疫原として用いることができる。レセプターのような膜貫通型分子については、これらの断片(例えば、レセプターの細胞外ドメイン)は免疫原として用いることができる。あるいは、膜貫通型分子を発現する細胞を免疫原として用いることができる。そのような細胞は、天然源(例えば癌細胞株)に由来しうるか、あるいは膜貫通型分子を発現させるために組換え技術によって形質転換された細胞でありうる。
抗体の調製に役立つ他の抗原及びその形態は当業者には明らかであろう。
(ii)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連する抗原及びアジュバントの複数回の皮下注射(sc)又は腹腔内(ip)注射によって動物中で産生させる。抗原を免疫される種において免疫原性であるタンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシニアン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、大豆トリプシンインヒビターに、二官能性又は誘導体化剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を経由して結合)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基経由)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl、又はRとRが異なるアルキル基であるRN=C=NRを使用して、結合させることは有用でありうる。
動物は、抗原、免疫原性コンジュゲート、又は誘導体に対して、例えばタンパク質又はコンジュゲート100μg又は5μg(それぞれウサギ又はマウスに対して)をフロイント完全アジュバント3容積量と混合し、その溶液を複数部位において皮内投与注射することによって免疫される。1か月後に、動物は、複数部位での皮下注射によって、フロイント完全アジュバント中の抗原又はコンジュゲートの初期量の1/5から1/10の量で追加免疫される。7−14日後に、動物から採血し、血清の抗体力価を分析する。動物は抗体力価が一定になるまで追加免疫される。好ましくは、動物は、同じ抗原のコンジュゲートであるが異なったタンパク質及び/又は異なった架橋試薬によってコンジュゲートされたもので追加免疫される。コンジュゲートはまたタンパク質融合体として組換え細胞培養において作成することができる。また、ミョウバンのような凝集剤が免疫反応を増強するために適宜用いられる。
(iii)モノクローナル抗体
モノクローナル抗体はKohlerら, Nature, 256:495 (1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法を使用して作られうるか、あるいは組換えDNA法(米国特許第4816567号)によって作られうる。
ハイブリドーマ法では、マウス又はハムスター又はマカクザルのような他の適切なホスト動物が、上に記載したようにして免疫されて、免疫化に使われるタンパク質に特異的に結合する抗体を産生するか、あるいは産生する能力を有するリンパ球を誘発する。あるいは、リンパ球はインビトロで免疫されうる。ついでリンパ球はポリエチレングリコールのような適切な融合剤を使用して骨髄腫細胞と融合されて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp.59-103 (Academic Press, 1986))。
このようにして調製されたハイブリドーマ細胞を、未融合の親骨髄腫細胞の成長又は生存を阻害する一又は複数の物質を好ましくは含む適切な培養培地中に播種し成長させる。例えば、親骨髄腫細胞に酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシル転移酵素(HGPRT又はHPRT)が欠けると、ハイブリドーマ用の培養培地は典型的にはHGPRT欠乏細胞の成長を阻害する物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン(HAT培地)を含む。
好ましい骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定した高レベルの産生を支援し、HAT培地のような培地に感受性であるものである。これらの中で、好ましい骨髄腫細胞株は、ソーク・インスティテュート細胞流通センター(the Salk Institute Cell Distribution Center, San Diego, California USA)から入手可能なMOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍由来のもの、及びアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(the American Type Culture Collection, Rockville, Maryland USA)から入手可能なSP-2あるいはX63-Ag8-653細胞のような、マウス骨髄腫株である。ヒトの骨髄腫及びマウス-ヒト異種骨髄腫細胞株がまたヒトモノクローナル抗体の産生についても記載されている(Kozbor, J. Immunol., 133:3001 (1984);Brodeurら, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp.51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987))。
ハイブリドーマ細胞が成長している培養培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生のために分析する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降あるいはラジオイムノアッセイ(RIA)あるいは酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)のようなインビトロ結合アッセイによって定量される。
所望の特異性、親和性及び/又は活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンが希釈手順を制限することによりサブクローン化され、標準的方法により成長させられる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp.59-103 (Academic Press, 1986))。この目的のための適切な培養培地には、例えば、D-MEMあるいはRPMI-1640培地が含まれる。また、ハイブリドーマ細胞は、動物中の腹水腫瘍としてインビボで成長させてもよい。
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-セファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析あるいはアフィニティークロマトグラフィーのような常套的な免疫グロブリン精製手順によって、培養培地、腹水流体あるいは血清から適切に分離される。好ましくは、ここに記述されるプロテインAアフィニティークロマトグラフィー法が用いられる。
モノクローナル抗体をコードするDNAは、常套的な手順(例えば、モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブの使用による)を使用して、直ぐに単離され配列決定される。ハイブリドーマ細胞はそのようなDNAの好適な入手源となる。ひとたび分離されれば、DNAは発現ベクター中に配され、組換え宿主細胞中におけるモノクローナル抗体の合成を達成するために、例えば、大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、あるいは骨髄腫細胞で免疫グロブリンタンパク質を他の形で産生しないもののような宿主細胞中へ形質移入される。
DNAはまた例えば相同のマウス配列の代わりにヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインをコード配列に置換することにより(米国特許第4816567号; Morrisonら, Proc. Natl Acad. Sci. USA, 81:6851 (1984))、あるいは非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全て又は一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合で連結することによって、改変することができる。
典型的には、そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインに置換されるか、あるいはそれらは、抗原に対する特異性を有する一つの抗原結合部位と、異なる抗原に対する特異性を有する他の抗原結合部位とを含むキメラ二価抗体をつくるために抗体の一つの抗原結合部位の可変領域に置換される。
更なる実施態様では、モノクローナル抗体はMcCaffertyら, Nature, 348:552-554 (1990) に記載された技術を使用して産生された抗体ファージライブラリーから単離することができる。Clacksonら, Nature, 352:624-628 (1991)及びMarksら, J. Mol. Biol, 222:581-597 (1991)には、それぞれファージライブラリーを使用するマウス及びヒト抗体の分離について記述されている。続く文献には、鎖シャッフリング(Marksら, Bio/Technology, 10:779-783 (1992))による高親和性(nM範囲)ヒト抗体の産生、並びに非常に大きなファージライブラリーを構築するための戦略としてのコンビナトリアル感染及びインビボ組換え(Waterhouse ら, Nuc. Acids. Res., 21:2265-2266 (1993))について記載がある。よって、これらの技術は、モノクローナル抗体の単離のための伝統的なハイブリドーマ法の実行可能な代替策である。
(iv)ヒト化及びヒト抗体
ヒト化抗体は非ヒトである供給源からその中に導入される一又は複数のアミノ酸残基を有している。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト化は本質的に齧歯動物のCDR又はCDR配列でヒト抗体の該当する配列を置換することによりWinter及び共同研究者(Jonesら, Nature, 321:522-525 (1986);Riechmannら, Nature, 332:323-327 (1988);Verhoeyenら, Science, 239:1534-1536 (1988))の方法に従って本質的に実施できる。従って、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4816567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及び場合によっては幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。
ヒト化抗体を作るのに使用されるヒト可変ドメインの選択は、軽鎖でも重鎖でも、抗原性を低減させるために非常に重要である。いわゆる「ベストフィット(best-fit)」法によれば、齧歯類抗体の可変ドメインの配列は、既知のヒト可変ドメイン配列の全ライブラリーからスクリーニングされる。齧歯類の配列に最も近いヒト配列は、ヒト化抗体のためのヒトFRとして受容される(Simsら,J. Immunol., 151:2296 (1993))。別の方法は、軽鎖又は重鎖の特定のサブグループの全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来した特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークを、幾つかの異なるヒト化抗体のために使用することができる(Carterら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);Prestaら, J. Immunol, 151:2623 (1993))。
抗体は抗原への高親和性及び他の好ましい生物学的性質を保持したままヒト化されることが更に重要である。この目標を達成するために、好ましい方法では、ヒト化抗体は、親及びヒト化配列の三次元モデルを用いて、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析プロセスによって調製される。三次元の免疫グロブリンモデルは一般的に入手可能で、当業者にはなじみが深い。選択された候補免疫グロブリン配列の有望な三次元立体構造を例証し表示するコンピュータプログラムを利用することができる。これらの表示の検査により、候補免疫グロブリン配列の機能中で残基の可能な役割の分析、つまり、候補免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、標的抗原に対する親和性の増大のような、所望の抗体特性が達成されるように、FR残基をレシピエント及びインポート配列から選び、組み合わせることができる。一般に、CDR残基は、抗原結合に影響を及ぼすことに直接的かつ最も実質的に関与している。
別法として、内因性の免疫グロブリン産生がなくともヒト抗体の全レパートリーを免疫化することで産生することのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を作ることが今は可能である。例えば、キメラ及び生殖系列突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(J)遺伝子の同型接合除去が内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。このような生殖系列突然変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子列の転移は、抗原投与時にヒト抗体の産生をもたらす。Jakobovitsら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:2551 (1993);Jakobovitsら, Nature 362:255-258 (1993); Bruggermanら, Year in Immuno., 7:33 (1993);Duchosalら, Nature 355:258(1992)を参照のこと。ヒト抗体は、ファージディスプレーライブラリーから取り出すこともできる(Hoogenboomら, J.Mol.Biol., 227:381(1991);Marksら, J.Mol.Biol. 222:581-597(1991);Vaughanら, Nature Biotech 14:309(1996))。
(v)抗体断片
抗体断片を生産するために様々な技術が開発されている。伝統的には、これらの断片は、無傷の抗体のタンパク分解性消化を介して誘導されている(例えば、Morimotoら, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117 (1992)及びBrennanら, Science, 229:81(1985)を参照されたい)。しかし、これらの断片は、現在は組換え宿主細胞により直接生産することができる。例えば抗体断片は上において検討した抗体ファージライブラリーから単離することができる。別法として、Fab'-SH断片は大腸菌から直接回収することができ、化学的に結合してF(ab')断片を形成することができる(Carterら, Bio/Technology 10:163-167(1992))。他のアプローチ法では、F(ab')断片を組換え宿主細胞培養から直接分離することができる。抗体断片を生産するための他の技術は当業者には明らかである。他の実施態様では、選択された抗体は単鎖Fv断片(scFv)である。国際公開第93/16185号を参照のこと。
(vi)多重特異性抗体
多重特異性抗体は、少なくとも二つの異なるエピトープに対して結合特異性を有する。そのような分子は通常二つの抗原に結合するだけであるが(つまり二重特異性抗体、BsAbs)、ここで使用される場合、三重特異性抗体のような更なる特異性を備えた抗体もこの表現に包含される。
二重特異性抗体を作成する方法は当該分野において既知である。完全長二重特異性抗体の伝統的な産生は、二つの鎖が異なる特異性を持っている二つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の同時発現に基づく(Millsteinら, Nature, 305:537-539(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖が無作為に取り揃えられているため、これらのハイブリドーマ(四部雑種)は10個の異なる抗体分子の可能性ある混合物を産生し、そのうちただ一つが正しい二重特異性構造を有する。通常、アフィニティークロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は、かなり煩わしく、生成物収率は低い。同様の方法が国際公開第93/08829号及びTrauneckerら、EMBO J. 10:3655-3659(1991)に開示されている。
国際公開第96/27011号に記載された他のアプローチ法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収されるヘテロダイマーのパーセントを最大にすることができる。好適な界面は抗体定常ドメインのC3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第一抗体分子の界面からの一又は複数の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖と同じ又は類似のサイズの相補的「キャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第二の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモダイマーのような不要の他の最終産物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される。
二重特異性抗体は、架橋した又は「ヘテロコンジュゲート」抗体を含む。例えば、ヘテロコンジュゲートの抗体の一方はアビジンに結合し、他方はビオチンに結合できる。そのような抗体は、例えば、不要の細胞に対する免疫系細胞をターゲティングするため(米国特許第4676980号)、及びHIV感染の治療のため(国際公開第91/00360号、同92/200373号、及び欧州特許第03089号)に提案された。ヘテロコンジュゲート抗体は、あらゆる簡便な架橋法を用いて作製することができる。好適な架橋剤は、多くの架橋技術と共に当該分野において良く知られており、米国特許第4676980号に開示されている。
抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennanら, Science, 229:81 (1985) は、無傷の抗体をタンパク分解性に切断してF(ab')2断片を産生する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤、亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生されたFab'断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab'-TNB誘導体の一つを、次にメルカプトエチルアミンによる還元でFab'-チオールに再転換し、他のFab'-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成する。作成した二重特異性抗体は、酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することができる。
最近の進歩により、化学的に結合させて二重特異性抗体を形成することができるFab'-SH断片の大腸菌からの直接回収が促進される。Shalaby等, J. Exp. Med., 175:217-225 (1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab')分子の製造を記述している。各Fab'断片は大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方向化学カップリングを受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、またヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活性を誘因する。
組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体断片を作成し分離する様々な技術もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して生成されている。Kostelny等, J.Immunol. 148(5):1547-1553 (1992)。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により二つの異なった抗体のFab'部分に結合させる。抗体ホモダイマーをヒンジ領域で還元してモノマーを形成し、ついで再酸化して抗体ヘテロダイマーを形成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生成に対して使用することができる。Hollinger等, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により記述された「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体断片を作成する別のメカニズムを提供した。断片は、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには十分に短いリンカーにより軽鎖可変ドメイン(V)に重鎖可変ドメイン(V)を結合してなる。従って、一つの断片のV及びVドメインは他の断片の相補的V及びVドメインと強制的に対形成させられ、よって2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用により二重特異性抗体断片を製造する他の方策もまた報告されている。Gruber等, J.Immunol. 152:5368 (1994)を参照のこと。あるいは、抗体は、Zapataら, Protein Eng. 8(10):1057-1062 (1995)において記載されるような「線形抗体」であってもよい。簡潔に述べると、これらの抗体は、一対の抗原結合領域を形成する一対のタンデム型Fd配列(V-C1-V-C1)を含む。線形抗体は二重特異性又は単一特異性でありうる。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt等 J.Immunol. 147:60(1991)。
2.イムノアドヘシン
最も簡単で最も直接的なイムノアドヘシンの設計は、アドヘシンの結合ドメイン(例えば、レセプターの細胞外ドメイン(ECD))を免疫グロブリン重鎖のFc領域と組み合わせるものである。通常は、本発明のイムノアドヘシンを調製する場合、アドヘシンの結合ドメインをコードする核酸を、免疫グロブリン定常ドメイン配列のN末端をコードする核酸にC末端的に融合されるが、N末端融合もまた可能である。
典型的には、そのような融合において、コード化されるキメラポリペプチドは免疫グロブリン重鎖の定常ドメインの機能的に活性なヒンジ、C2及びC3ドメインを保持する。融合はまた定常ドメインのFc領域のC末端、又は重鎖のC1又は軽鎖の対応する領域にN末端に直ぐになされる。融合がなされる正確な部位は重要なものではない;特定の部位がよく知られており、イムノアドヘシンの生物活性、分泌、又は結合特性を最適化するために選択されうる。
好適な実施態様では、アドヘシン配列が免疫グロブリンG(IgG)のFc領域のN末端に融合される。アドヘシン配列に重鎖定常領域全体を融合させることができる。しかし、より好ましくは、IgGのFcを化学的に定めるパパイン切断部位の直ぐ上流のヒンジ領域に始まる配列(すなわち、重鎖定常領域の最初の残基を114として残基216)、又は他の免疫グロブリンの類似部位が融合において使用される。特に好適な実施態様では、アドヘシンアミノ酸配列はIgG重鎖の(a)ヒンジ領域及びC2及びC3又は(b)C1、ヒンジ、C2及びC3ドメインに融合される。
二重特異的イムノアドヘシンについては、イムノアドヘシンは多量体として、特にヘテロ二量体又はヘテロ四量体として組み立てられる。一般には、これらの組み立てられた免疫グロブリンは既知の単位構造を有している。基本的な四鎖構造単位はIgG、IgD及びIgEが存在する型である。四鎖単位はより高分子量の免疫グロブリンにおいて繰り返される;IgMは一般にジスルフィド結合によって一緒に保持される四つの基本単位の五量体として存在する。IgGグロブリン、そして時折IgGグロブリンが血清中に多量体型で存在しうる。多量体の場合、四つの単位の各々は同じでも異なっていてもよい。
ここに記載した範囲内の様々な組み立てられたイムノアドヘシンの例は以下に概略的に模式化される:
(a)AC-AC
(b)AC-(AC,AC-AC,AC-V,又はV-AC);
(c)AC-AC-(AC-AC,AC-V,V-AC,又はV-V);
(d)AC-V-(AC,又はAC-V,又はV-AC);
(e)V-AC-(AC-V,又はV-AC);及び
(f)(A-Y)-(V-V)
ここで、各Aは同一又は異なったアドヘシンアミノ酸配列を示し;
は免疫グロブリン軽鎖可変ドメインであり;
は免疫グロブリン重鎖可変ドメインであり;
は免疫グロブリン軽鎖定常ドメインであり;
は免疫グロブリン重鎖定常ドメインであり;
nは1より大きい整数であり;
Yは共有結合架橋剤の残基を示す。
簡潔のため、先の構造はキーとなる特徴を示しているのみである;これらは、免疫グロブリンの結合する(J)又は他のドメインを示していないしジスルフィド結合も示していない。しかし、そのようなドメインが結合活性に対して必要である場合は、それらを構築して、免疫グロブリン分子にそれらが占める通常の位置に存在させることができる。
あるいは、アドヘシン配列は、キメラ重鎖を含んでなる免疫グロブリンが得られるように、免疫グロブリン重鎖と軽鎖配列の間に挿入することができる。この実施態様では、アドヘシン配列は免疫グロブリンの各アームの免疫グロブリンの重鎖の3'末端に、ヒンジとC2ドメインの間、又はC2とC3ドメインの間の何れかで融合される。同様な作成物がHoogenboom等,Mol.Immunol.28:1027-1037(1991)によって報告されている。
免疫グロブリン軽鎖の存在は本発明のイムノアドヘシンにおいて必要ではないけれども、免疫グロブリン軽鎖はアドヘシン-免疫グロブリン重鎖融合ポリペプチドに共有結合的に結合するか、アドヘシンに直接的に融合されるかもしれない。前者の場合、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAは典型的にはアドヘシン-免疫グロブリン重鎖融合タンパク質をコードするDNAと同時発現される。分泌時に雑種重鎖及び軽鎖が共有結合的に結合されて、二つのジスルフィド結合免疫グロブリン重鎖-軽鎖対を含んでなる免疫グロブリン様構造を提供する。そのような構造の調製に好適な方法は、例えば1989年3月28日に発行された米国特許第4816567号に開示されている。
イムノアドヘシンは最も簡便には免疫グロブリンcDNA配列に読み枠を一致させてアドヘシン部分をコードするcDNA配列を融合させることにより構築される。しかし、ゲノム免疫グロブリン断片への融合もまた使用することができる(例えば、Aruffo等,Cell61:1303-1313(1990);及びStamenkovic等,Cell66:1133-1144(1991)を参照のこと)。融合の後者のタイプは、発現に対してIg調節配列の存在を必要とする。IgG重鎖定常領域をコードするcDNAは、脾臓又は抹消血リンパ球から取り出されたcDNAライブラリーからの刊行された配列に基づいて、ハイブリダイゼーションにより、又はポリメラーゼ鎖反応(PCR)法により単離することができる。「アドヘシン」をコードするcDNAとイムノアドヘシンの免疫グロブリンが、選ばれた宿主細胞において効率的な発現を指示するプラスミドベクター内にタンデムに挿入される。
3. 他のC2/C3領域を含むタンパク質
他の実施態様では、精製されるタンパク質は、C2/C3領域へ融合されるか、コンジュゲートされるものである。そのような融合タンパク質を産生して、タンパク質の血清半減期を増加させ及び/又はプロテインAアフィニティークロマトグラフィーによるタンパク質の精製を容易にしてもよい。このようにしてコンジュゲートされ得る生物学的に重要なタンパク質の例には次のものが含まれる:レニン;ヒト成長ホルモン及びウシ成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α-1-アンチトリプシン;インシュリンA鎖;インシュリンB鎖;プロインシュリン;濾胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;VIIIC因子、IX因子、組織因子、及びウィルブランズ(Willbrands)因子などの凝固因子;プロテインCなどの抗凝固因子;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性剤;プラスミノーゲン活性化剤、例えばウロキナーゼ又はヒト尿素又は組織型プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA);ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子-α及びβ;エンケファリン分解酵素;RANTES(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted);ヒトマクロファージ炎症タンパク質(MIP-1-α);ヒト血清アルブミン等の血清アルブミン;ミューラー阻害物質;リラキシンA-鎖;リラキシンB-鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;β-ラクタマーゼ等の微生物タンパク質;DNアーゼ;IgE;CTLA-4のような細胞毒性Tリンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子(VEGF);ホルモン又は成長因子のレセプター;プロテインA又はD;リウマチ因子;脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3、-4、-5又は-6(NT-3、NT-4、NT-5、又はNT-6)、又はNGF-β等の神経成長因子等の神経成長因子;血小板誘導成長因子(PDGF);aFGF及びbFGF等の線維芽細胞成長因子;上皮成長因子(EGF);TGF-α及びTGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、又はTGF-β5を含む、TGF-βのようなトランスフォーミング成長因子(TGF);インシュリン様成長因子-I及び-II(IGF-I及びIGF-II);des(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インシュリン様成長因子結合タンパク質;CD3、CD4、CD8、CD19及びCD20等のCDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン-α、-β、及び-γ等のインターフェロン;コロニー刺激因子(CSFs)、例えば、M-CSF、GM-CSF、及びG-CSF;インターロイキン(ILs)、例えば、IL-1からIL-10;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞レセプター;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス性抗原、例えばAIDSエンベロープの一部等;輸送タンパク質;ホーミングレセプター;アドレシン;調節タンパク質;インテグリン、例えばCD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA-4及びVCAM;腫瘍関連抗原、例えばEGFR、HER2、HER3又はHER4レセプター;及び上に列挙したポリペプチドの何れかの断片が含まれる。
4.プロテインAアフィニティークロマトグラフィー
ここに記載された方法を用いて精製されるタンパク質は、一般的に組換え技術を使用して産生されるか、又は天然の供給源から単離される。組換えタンパク質を産生する方法は、例えば、特に出典明示によりここに取り込まれる米国特許5534615号及び同4816567号に記載されている。
好ましくは、C2/C3領域を含む対象のプロテイン又は生成物は、抗体、例えばHER2、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、IgE、CD20、CD40、CD11a、組織因子(TF)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、インターロイキン−8(IL-8)、上皮細胞増殖因子レセプター(EGFR)、HER3、HER4、α4β7あるいはα5β3からなる群から選択される抗原に結合するものである。例えば、抗体は、そのような抗体のプロテインAアフィニティークロマトグラフィー中のプロテインAの浸出と共にHER2抗原に結合し得、特に問題があることが見出された。ここでの抗体の更なる特定の例には、トラスツズマブ、ヒト化2C4、ヒト化CD11a抗体、又はヒト化VEGF抗体が含まれる。対象となる他のC2/C3領域を含むプロテインは、イムノアドヘシン類、例えばTNFレセプターイムノアドヘシン(例えばエタネルセプト(etanercept)、ENBREL(登録商標)である。
組換え技術を使用する場合、タンパク質は細胞膜周辺腔に細胞内産生されるか、あるいは直接培地へ分泌されうる。最初の段階として、タンパク質が細胞内産生されると、宿主細胞からでも溶解断片からでも何れでも、微粒状細片が、例えば、遠心分離又は限外濾過によって除去される。タンパク質が培地へ分泌される場合、組換え宿主細胞は、例えば、遠心分離又はタンジェンシャルフロー濾過によって細胞培養培地から分離することもできる。
ここでの方法により、C2/C3領域を含むプロテインと一又は複数の不純物を含む組成物のプロテインAアフィニティークロマトグラフィー中に生じうるプロテインAの浸出が低減する。
一実施態様では、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー中に浸出するプロテインAを伴うタンパク質の感受性が先ず評価される。よって、タンパク質をプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけ、回収された組成物中に浸出したプロテインAを測定する。例えば、回収された組成物は、対象タンパク質1mg当たり約20ngを超えるプロテインA(ng/mg)、例えば約20ng/mgから約500ng/mgのプロテインAを含む場合、これは浸出プロテインAのレベルが許容できない程であると考えられ、この場合には、続くタンパク質のプロテインAクロマトグラフィー精製に、回収された組成物中のプロテインAの量を低減させる方法が含まれるであろう。好ましくは、これらの工程の実施後の回収タンパク質組成物中のプロテインAの量は、対象タンパク質1mg当たりのプロテインAが約0ng(ng/mg)から約15ng/mgの範囲にある。
プロテインAの浸出は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、SDS PAGE、ウエスタンブロット、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析等を含む種々の技術により測定することができる。
浸出したプロテインAを測定するための好ましいアッセイはELISAである。例えば、サンドイッチELISAを使用してもよい。このアッセイ形式では、抗プロテインA抗体を96ウェルマイクロタイタープレートにコーティングしてもよい。サンプルを0.2mg/mLの生成物抗体に希釈し、ウェルに塗布する。サンプル中のプロテインAを被覆抗体に結合させ、結合したプロテインAの量を、西洋わさびペルオキシターゼ(HRP)に結合させた抗プロテインAを用いて検出することもできる。生成物抗体による被覆抗体及びHRP結合抗体へのプロテインAの結合阻害を防止するために、0.2mg/mLの均質な生成物抗体でスパイクされる個々のプロテインA標準曲線を使用して、希釈サンプルにおいて生成物抗体が作用する阻害に適合させてもよい。この方法では多くの時間を要し、コストもかかるが、プロテインAレベルはより正確かつ厳密に決定される。例示的なプロテインAサンドイッチELISAを、以下の実施例に更に詳細に記載する。
好ましくは、本方法は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけられた組成物の温度を、例えば組成物の温度が室温以下、特に約3℃〜約20℃、中でも約10℃〜約18℃の範囲まで低下させることを含む。組成物の温度は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーの前及び/又はその間に低下させてもよい。しかしながら、本発明の好ましい実施態様では、本方法は、例えばクロマトグラフィーにかけられる集菌細胞培養液(HCCF)の温度を低下させることにより、組成物をプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかける前に組成物の温度を低下させることを含む。
一実施態様では、上述した温度低下は、例えばプロテアーゼインヒビター(類)を添加することにより、及び/又はプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけられる組成物のpHを低下させることにより、プロテインAの浸出を低減する一又は複数の方法と組み合わせることができる。
プロテアーゼインヒビター(例えば、フェニルメチルスルホニルフロリド(PMSF)、4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニル-フロライド・塩酸塩(AEBSF)(PEFABLOC(登録商標)SC)、ペプタシン、ベンズアミジン、及び/又は金属イオンキレート剤、例えばEDTA、又はメタロプロテアーゼ活性を阻害するイミダゾール)を、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけられる組成物に添加してもよい。好ましいプロテアーゼインヒビターは、メタロプロテアーゼ活性を阻害し(例えばEDTA)、及び/又はある種のセリンプロテアーゼ活性を阻害する。例えば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけられる組成物に、約0.001μMから約100mMの量で、プロテアーゼインヒビター(類)を添加してもよい。プロテアーゼインヒビター(類)は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーの前及び/又はその間に組成物に添加されてもよい。
また本発明は、プロテインAの浸出を低減するために、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかける前の組成物をpHを、例えば約2.5から約3.5の範囲まで低下させることを考慮している。
種々の例示的な平衡、充填、洗浄、及び溶出バッファー及び方法を以下に記載する。
任意の準備工程として、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー用の固相は、対象タンパク質のクロマトグラフィーの前に適切なバッファーで平衡に保たれる。例えば、平衡バッファーは25mMトリス、25mM NaCl、5mM EDTA、pH 7.1でよい。
ついで、対象タンパク質を含有する調製物は、平衡バッファーと同じであってよい充填バッファーを使用し、平衡にされた固相に充填されうる。汚染された調製物が固相を流れ通る際に、タンパク質が固定されたプロテインAに吸着される。
しばしば、ある種の不純物(例えば、タンパク質がCHO細胞の中で産生されるチャイニーズハムスター卵巣タンパク質、CHOP)が、固相、タンパク質又はプロテインAに非特異的に結合するおそれがある。このようなことが生じるならば、対象タンパク質を溶出させる前に、このような不純物を除去するために「中間洗浄工程」を使用してもよい。固相は、中間洗浄工程の開始前に、平衡バッファーで平衡にしておいてもよい。
一実施態様では、中間洗浄工程は、疎水性電解質溶媒、例えば洗浄用溶媒の疎水性電解質がTMAC及び/又はTEACであるものを使用して実施される。米国特許第6127526号及び同6333398号(Blank, G.)を参照。洗浄用溶媒中に単一の疎水性電解質が存在していてもよいが、ある実施態様では、このような電解質が2種又はそれ以上使用されてもよい。疎水性電解質は、約4〜約8の範囲、好ましくは約5〜約7の範囲のpHを有するpHバッファー液に添加される。この目的のために適切なバッファーには、トリス、ホスファート(リン酸塩)、MES、及びMOPSOバッファーが含まれる。洗浄用溶媒中における疎水性電解質の好ましい最終濃度は、約0.1〜約1.0Mの範囲、好ましくは約0.25〜約0.5Mの範囲である。
別の実施態様では、中間洗浄バッファーは、塩及び更なる化合物を含有していてもよく、ここで更なる化合物とは、(a)洗浄剤(好ましくはポリソルベート、例えばポリソルベート20又はポリソルベート80);(b)溶媒(好ましくはヘキシレングリコール);及び(c)ポリマー(例えばPEG)である。
使用される塩は、対象タンパク質に基づいて選択されうるが、好ましくは、特に抗体がトラスツズマブ等の抗HER2抗体である場合はアセテート(酢酸塩)(例えば酢酸ナトリウム);又は特に抗体がE26等の抗IgE抗体である場合はシトラート(クエン酸塩)(例えばクエン酸ナトリウム)である。
組成物における塩及び更なる化合物の量は、対象タンパク質を実質的に除去することなく、組み合わせた量で不純物又は不純物類が溶出されるようになされる量である。このような洗浄バッファーにおける好ましい塩濃度は、約0.1〜約2M、好ましくは約0.2M〜約0.6Mである。有用な洗浄剤の濃度は、洗浄剤がポリソルベートである場合、約0.01〜約5%、より好ましくは約0.1〜1%、最も好ましくは約0.5%である。例示的な溶媒濃度は、約1%〜40%、好ましくは約5〜約25%である。E26用の溶媒(ヘキシレングリコール)の好ましい濃度は約20%であるが、トラスツズマブ用の溶媒(再度ヘキシレングリコール)の好ましい濃度は約10%である。更なる化合物がポリマー(例えばPEG400又はPEG8000)である場合、それらの濃度は、例えば約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約15%であってよい。
他の実施態様では、中間洗浄工程は、高濃度のバッファー溶液、例えば約0.8Mを超えて、例えば約2Mまで、好ましくは約0.8M〜約1.5Mの範囲、最も好ましくは約1Mの範囲の濃度のバッファーの使用を含む。この実施態様では、バッファーは好ましくはトリスバッファー、例えばトリスアセテートである。
中間洗浄バッファーのpHは、好ましくは約4〜約8、より好ましくは約4.5〜約5.5、最も好ましくは約5.0である。他の好ましい実施態様では、pHは約7.0である。
対象タンパク質は、適切な溶出バッファーを使用し、カラムから回収され得る。タンパク質は、例えば低pH、例えば約2〜約5の範囲、好ましくは約2.5〜約3.5の範囲のpHを有する溶出バッファーを使用して、カラムから溶出され得る。この目的のための溶出バッファーの例には、例えばクエン酸塩又は酢酸塩バッファーが含まれる。溶出したタンパク質調製物は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー工程の前後のいずれかに、追加の精製工程にかけてもよい。例示的な追加の精製工程には、限定されるものではないが、濾過、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー;透析;タンパク質を捕捉する抗体を使用するアフィニティークロマトグラフィー;疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC);硫安分画;アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィー;エタノール沈殿;逆相HPLC;シルカによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;ゲル濾過等が含まれる。
このようにして回収されたタンパク質は、製薬的に許容可能な担体で製剤化されてもよく、またこのような分子に公知の様々な診断、治療又は他の用途に使用される。
次の実施例は、例証のためのものであり、限定するためのものではない。明細書中のすべて引用文献の開示は、出典明示によりここに取り込まれる。
実施例1
プロテインAの浸出を低減させるための温度低下
プロテインAアフィニティークロマトグラフィー中
プロテインAアフィニティークロマトグラフィーは、抗体を精製するための、強力で幅広く使用されているツールである。それにより、宿主細胞タンパク質、DNA、及び小分子が、生成物から効率的に除去される。集菌細胞培養液(HCCF)は、樹脂に直接充填することができ、抗体がプロテインAに結合する。低pHで結合した抗体が溶出するが、生成物プール中に浸出プロテインAを運びうる。プロテインAリガンドは、黄色ブドウ球菌から誘導され、免疫原性であるために、下流プロセシングにより生成物プールから除去しなければならない。
プロテインAの浸出の温度依存性を特徴付けるために、プロテインAの浸出に対する温度の影響を、次のタンパク質に関して評価した:
1.組換えヒト化HER2抗体のトラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)); Carter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285-4289 (1992), 米国特許第5725856号、米国特許第5821337号、及び本願の図4A−B。
2.ヒト化CD11a抗体のMHM24、PAPTIVA(商標);Wertherら J. Immunology 157: 4986-4995 (1996), 米国特許第5622700号、国際公開第98/23761号、及び本願の図6A−B。
3.ヒト化VEGF抗体 A4.6.1,F(ab)-12, アバスチン(登録商標);Kimら, Growth Factors, 7:53-64 (1992), Prestaら Cancer Research 57: 4593-4599 (1997), 国際公開第96/30046号、1998年10月15日に公開された国際公開第98/45331号、及び本願の図7A−B。
4.ヒト化2C4;国際公開第01/00245号、及び本願の図5A−B。
材料及び方法
小スケール:小規模実験をAKTA EXPLORER 100(商標)を使用して実施した。カラムと5mlステンレススチール上流ラインを、実験の所望温度に制御した水浴中に浸漬して温度を制御した。流入ラインは、製造規模のタンクでのHCCFのチルド冷却効果と同様に、プロテインAカラムに入れる前に、HCCFを冷却又は加熱する熱交換器として作用した。所望の温度が確実に達成されるように流出温度を測定した。
数セットのプロテインA実験を、種々の抗体に対するPROSEP A(商標)及びPROSEP vA(商標)からのプロテインA浸出の温度依存性を決定するために実施した。それぞれのタイプの樹脂の種々のロットを試験した。各条件で3回試験した。それぞれ使用前に、カラムを、3カラム容量(CV's)の溶出バッファー、及び3CV'sの再生バッファーを用いて事前サイクルにかけ、それぞれの使用後に、0.1Mの酢酸ナトリウム、2%のベンジルアルコール、pH5.0中に保存した。トラスツズマブを7つの温度設定(10、12、15、18、20、25及び30℃)にて実験した。他の抗体を3つの温度設定(10、20及び30℃)で実験した。定誤差を低減させるため温度は順序をバラバラにして実験した。6回の400Lの実験からのトラスツズマブHCCFを比較した。一ロットの20℃の樹脂に一ロットのトラスツズマブHCCFを使用し、プロテインAの浸出に対する床高の影響を調べた。
パイロットスケール:パイロットスケールの実験をトラスツズマブHCCFを用いて実施した。HCCFを400Lのジャケットタンクに保存し、冷却した。HCCFの温度を所望の温度の1℃の範囲内に制御した。タンク中、ポンプの後であるがカラムの前、またカラム流出口の温度を測定した。各使用前に、カラムを、3CV'sの溶出バッファー、及び3CV'sの再生バッファーを用いて事前サイクルにかけ、各使用後に、0.1Mの酢酸ナトリウム、2%のベンジルアルコール、pH5.0に保存した。トラスツズマブを7通りの温度設定(10、12、15、18、20、25及び30℃)にて実験した。定誤差を低減させるため温度は順序をバラバラにして実施した。
フルスケール(12000Lの細胞培養):全容量100.5L PROSEP vA(商標)用に、カラムを、直径が80cm、高さが20cmのものにした。5つの集菌をプロテインA工程を介して回収した。HCCFを収集し、充填期間中、15+/−3℃に保持した。
分析:各プロテインAプールを、A280−A320/濃度に対する減衰係数のODにより分析した。減衰係数は、トラスツズマブ及びヒト化2C4では1.5(mg/ml)-1cm-1、ヒト化CD11a抗体では1.46(mg/ml)-1cm-1、ヒト化VEGF抗体では1.7(mg/ml)-1cm-1であった。各実験の収率を算出した。収率が85%未満であれば、実験を繰り返した。各プールにおけるプロテインAの浸出を、ELISAを使用して測定した。可能な限り、多くのアッセイ及び希釈変動を含むように、各サンプルを別々のプレートで3回アッセイした。
ELISA:ニワトリの抗プロテインAで、ポリスチレン製の96-ウェルマイクロタイタープレートをコーティングし、2−8℃で12−72時間インキュベートする。プレートをPBS/TWEEN20(商標)で洗浄する。NaCl/NaPO4/魚のゼラチン/TWEEN20(商標)を含有する洗浄バッファー及びアッセイ希釈液をプレートに添加し、あらゆる未結合の被覆抗体をブロックする。プレートを室温で1−2時間インキュベートする。プレートのインキュベート中、プロテインA標準曲線を、サンプル中に含まれる生成物抗体に対して相同な0.2mg/mlの生成物抗体でスパイクしたアッセイ希釈液を使用し、0.39−50ng/mlの範囲で作成する。サンプルを、0.2mg/mlの生成物抗体に、スパイクされていないアッセイ希釈液で希釈する。同様の生成物抗体から調製されたアッセイコントロールを使用する。インキュベーションの1−2時間後、プレートを洗浄バッファーで洗浄し、アッセイ希釈液を除去する。ついで、アッセイ標準曲線、アッセイコントロール及びサンプルをウェルプレートに添加し、室温で2時間インキュベートし、ここで標準体、コントロール及びサンプル中のプロテインAが、被覆抗体に結合する。インキュベーションの2時間後、プレートを洗浄バッファーで洗浄し、あらゆる未結合抗体並びにサンプルマトリックスを除去する。ついで、HRP結合ニワトリ抗プロテインAをウェルに塗布し、室温で1時間インキュベートする。HRP結合ニワトリ抗プロテインAは、あらゆる結合プロテインAに結合するであろう。インキュベーションの1時間後、再度、プレートを洗浄バッファーで洗浄し、あらゆる未結合抗体を除去する。リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中においてHに溶解させたo-フェニレンジアミン錠剤からなる基質溶液を、ついでウェルプレートに添加し、HRP酵素によるプロセシングを行い、基質溶液に色調変化を生じさせる。基質の色調が所望のOD範囲に到達するとすぐ、硫酸を添加して酵素反応を停止させる。結合したプロテインAの量を、マイクタイタープレートリーダーを使用し、490nmでの光学密度を測定することにより決定する。
結果及び議論
プロテインAの浸出に対する温度の影響を特徴付けるために、小スケールでの7通りまでの温度で、PROSEP A(商標)又はPROSEP vA(商標)にてプロテインAアフィニティークロマトグラフィーを実施することにより、数種の抗体をHCCFから精製した。プロテインAの浸出は、試験した抗体においては、様々な程度で温度による影響を受ける(図1)。HER2抗体、トラスツズマブ及びヒト化2C4の溶出中、プロテインAの浸出は最も有意に影響を受けるが、ヒト化VEGF及びヒト化CD11a抗体では、温度による影響はわずかしか受けない。ランダムな実験順序と関連して小さな誤差バーは、プロテインAの浸出に対する温度の影響の真実性を確実にしている。グラフの傾向線は各セットのデータの指数適合を表す。このタイプの非線形相関は、温度活性化タンパク分解的切断と一致した。
400Lのパイロットプラント実験からのトラスツズマブHCCFのいくつかのロットを、室温で、PROSEP A(商標)において実験し、プロテインAの浸出に対するHCCFのロット間変動の影響を調査した。結果を以下の表1に示す。各ロットのHCCFを、PROSEP A(商標)において3回運転した。ロットには、0.2〜1.1ng/mgの小さな標準偏差を有する4〜13ng/mgの範囲のプロテインA浸出が見られた。これらの数値はトラスツズマブを使用した以前のプロテインA ELISAの結果と比較して低い。また、その日になされたELISAにおける正のコントロールでの実験も低かった。他の日時にアッセイされたサンプルとではなく、互いにのみ比較した結果では、トラスツズマブHCCFのロット間での浸出において、いくらかの変動が示された。
表1:ロット間変動
直径0.66cm、高さ20cmのカラムに充填されたPROSEP A(商標)樹脂について実験を3回実施した。カラムを平衡にし、 25mMのトリス、25mMのNaCl、5mMのEDTA、pH 7.1で洗浄し、25mMのトリス、25mMのNaCl、0.5MのTMAC、5mMのEDTA、pH5.0で洗浄し、25mMのクエン酸塩、pH2.8で溶出させ、0.1Mのリン酸で再生させ、0.2Mの酢酸ナトリウム、 2%のベンジルアルコール、pH5.0に、 40CV/hrで保存した。400Lのパイロットプラント実験からのトラスツズマブを、20cmの床高で流し、20gトラスツズマブ/L樹脂に充填し、25mMのクエン酸塩pH2.8で溶出させ、0.1AUから2CV'sをプールした。
Figure 0004599355
図2では、3つの抗体について、PROSEP A(商標)及びPROSEP vA(商標)間の、プロテインAの浸出に対する温度の影響を比較した。ヒト化CD11a抗体について、PROSEP A(商標)及びPROSEP vA(商標)の結果は、ぴったりと重複している。ヒト化2C4及びトラスツズマブの場合には、結果は重複していないが、樹脂のロット間変動(表1)の予期範囲内に入っており、おそらく、結果は、PROSEP A(商標)及びPROSEP vA(商標)の間の差異によるものではない。PROSEP A(商標)からのプロテインAの浸出に対する温度の影響は、PROSEP vA(商標)からのものと等価である。
予め決定された製造条件でそれぞれを実験したために、図1に示した浸出増加の生成物シーケンスは、各抗体の実験における不一致に関連している可能性がある。樹脂の床高及び溶出バッファーは、当初、試験される各抗体で同じではないため、床高及び溶出バッファーに対する依存可能性を調査した。ヒト化2C4を、酢酸塩溶出バッファーを使用して予め試験し、その結果を表2に示した。ヒト化2C4を、ラボスケールでは室温で、パイロットスケールでは15℃で運転した。アッセイにおける誤差と運転間の変動の範囲内において、全ての条件で、類似した浸出プロテインAの結果が生じた。クエン酸塩及び酢酸塩は、プロテインAの浸出に対して、ほぼ等価な効果を有している。床高は、試験された他の抗体と比較して、ヒト化2C4及びトラスツズマブで見られるよりも高いレベルのプロテインAの浸出に対する、他の潜在的寄与因子であった。一つのロットのトラスツズマブHCCFを、3つの床高で3回実験した場合、浸出したプロテインAの結果は、表2に示したようにほぼ同一であった。床高は、プロテインAの浸出のレベルに影響するとは思われない。
表2:プロテインAの浸出に対する床高の影響
実験を、直径0.66cm、高さ20cmのカラムに充填されたPROSEP vA(商標)樹脂において、トラスツズマブHCCFを使用し、20℃で実施した。カラムを平衡にし、 25mMのトリス、25mMのNaCl、5mMのEDTA、pH7.1で洗浄し、25mMのトリス、25mMのNaCl、0.5MのTMAC、5mMのEDTA、pH5.0又は7.1で洗浄し、25mMのクエン酸塩、pH2.8、又は0.1Mの酢酸、pH2.9で溶出させ、0.1Mのリン酸で再生させ、0.2Mの酢酸ナトリウム、 2%のベンジルアルコール、pH5.0に、 40CV/hrで保管した。トラスツズマブパイロットプラント400L HCCFの力価は0.7mg/mlであり、カラムには、樹脂1リットル当たり20gのトラスツズマブを充填した。溶出プールを0.2AU〜2CV'sまで収集した。
Figure 0004599355
また、プロテインAの浸出に対する溶出バッファーの影響を評価した。以下の表3に示すように、クエン酸塩及び酢酸塩は、プロテインAの浸出に対して、ほぼ等価な影響を有している。
表3:浸出したプロテインAに対する溶出バッファーの影響
浸出したプロテインAを、樹脂1リットル当たり14gのヒト化2C4抗体を充填した、床高20cmのカラムにおいて実験した、ヒト化2C4抗体100万分の1単位で示している。カラムを平衡にし、 25mMのトリス、25mMのNaCl、5mMのEDTA、pH7.1で洗浄し、25mMのトリス、25mMのNaCl、0.5MのTMAC、5mMのEDTA、pH7.1で洗浄し、0.1Mの酢酸、pH2.9で溶出させ、0.1Mのリン酸で再生させ、0.2Mの酢酸ナトリウム、 2%のベンジルアルコール、pH5.0に、 40CV/hrで保管した。いくつかの運転では、25mMのクエン酸塩、pH2.8で溶出させた。プールを0.5AU〜2CV'sプール容量まで収集した。ラボスケールの実験は直径0.66cmのカラムを用いて実施し、パイロットスケールの実験は、PROSEP A(商標)を含有する直径10cmのカラムを使用して実施した。パイロットスケールでは、3回のヒト化2C4抗体の実験を酢酸塩を用いて溶出させ、2回のヒト化2C4抗体の実験をクエン酸塩を用いて溶出させた。ラボスケールでは、3回のヒト化2C4抗体の実験を、それぞれの溶出バッファーを用いて実施した。
Figure 0004599355
パイロットスケール(1.26Lのカラム)における2つのロットのトラスツズマブHCCFの温度に対するプロテインAの浸出性を図3に示す。パイロットスケールでも、小スケールで観察されたものと同様の指数傾向が再現された。小スケールの2回の実験を、パイロットプラントで使用されるHCCFのロットを使用して実施した。パイロットプラントの結果は、フルスケールでのトラスツズマブ、同じロットのPROSEP vA(商標)において、同じHCCFを使用して実施した実験によるラボスケールでの結果と正確に並んだ。HCCFを15+/−3℃まで冷却し、PROSEP vA(商標)樹脂で実験した。表4には、5回の実験のプロテインAプールにおけるプロテインAのレベルを示す。全ての実験において、浸出したプロテインAのレベルは10ng/mg以下であり、これはHCCFの温度の制御でプロテインAの浸出温度が制御されることを示している。
表4:12000LプロセスのプロテインAプールにおける浸出プロテインA
HCCFを15+/−3℃まで冷却し、カラムは100.5L、直径80cm、高さ20cmであり、クエン酸塩を用いて溶出させた。温度を、HCCFタンク、ポンプとカラム間、カラム出口において測定した。カラムを平衡にし、 25mMのトリス、25mMのNaCl、5mMのEDTA、pH7.1で洗浄し、25mMのトリス、25mMのNaCl、0.5MのTMAC、5mMのEDTA、pH5.0で洗浄し、25mMのクエン酸塩、pH2.8で溶出させ、0.1Mのリン酸で再生させ、0.2Mの酢酸ナトリウム、2%のベンジルアルコール、pH5.0に保存した。
Figure 0004599355
結論
抗体のプロテインAアフィニティークロマトグラフィー中、温度は様々な程度で、プロテインAの浸出に影響を与える。いくつかの抗体は、他のものよりもより大きな影響を受ける;HER2抗体トラスツズマブ及びヒト化2C4抗体は、大きく影響を受けた。低浸出の抗体は、全て床高14cmのカラムで運転し、0.1Mの酢酸で溶出させたが、高浸出のものは、床高20cmで運転し、25mMのクエン酸を使用して溶出させた。床高との相関関係を調査し、プロテインAの浸出に対して何の影響も有さないことが見出された。クエン酸塩又は酢酸塩溶出はプロテインAの浸出に対して本質的に等価な効果を有する。
HCCFの温度を調節することにより、プロテインAプール中のプロテインAのレベルを調節又は低減することができる。同様の試験をパイロットスケールで実施した。2つのロットのトラスツズマブHCCFを、5通りの温度にて、1.26LのPROSEP vA(商標)カラムで実験し、溶出プールにおけるプロテインAのレベルを測定した。プロテインAの浸出は、小スケールでの同じHCCF実験、及び小スケールでの他のロットのHCCFで、全く同じように温度に依存した。大規模では、トラスツズマブHCCFを15+/−3℃まで冷却し、プロテインAの浸出を10ng/mg以下に調節した。全ての抗体は温度による影響を受けるが、程度は様々である。全てのスケールにおいて、充填中のHCCFの温度を調節することで、プロテインAの浸出を調節することができた。HCCFの温度の上昇が、プロテインAの浸出に対して指数関数的に増加する効果を有している。
実施例2
プロテインAアフィニティークロマトグラフィー中のプロテインAの浸出を低減させるためのプロテアーゼインヒビター
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞によって組換え産出される抗体等の抗体の、回収プロセスにおける最初の捕捉工程として、プロテインAクロマトグラフィーを使用することができる。この工程は高純度を達成し、さらに高収率も維持する。溶出プールへのプロテインAリガンドの浸出は、この工程の欠点であり、浸出したプロテインAを除去するための後続するクロマトグラフィー工程が必要になる可能性もある。プロテインAクロマトグラフィーに使用可能なPROSEP A(商標)及びPROSEP vA(商標)は、制御孔質ガラス(CPG)骨格上に固定されたプロテインAリガンドを含む。
プロテインAは、限定するものではないが、機械的剪断、溶出段階中の低pHへの暴露、及び/又はタンパク質分解アッセイを含む、いくつかのメカニズムを通して、CPG骨格から浸出しうる。上述した実施例1に示すように、プロテインAの浸出は、充填中の温度に依存することが示された。
またプロテインAの浸出は、集菌細胞培養液(HCCF)のpH処理により、部分的に阻害されることも示された。特に、pH3でHCCFを2時間インキュベートすると、約30ppmから4ppmまで、浸出性が低減する。
プロテアーゼは、それらの作用態様に基づき、主として4つのクラスに組織化することができる。これらは、セリン、システイン、メタロ-及びアスパラギン酸プロテアーゼである。これらのクラスを選択的に阻害するインヒビターを、所定の濃度範囲で試験した(表5)。これらのインヒビターをトラスツズマブHCCFに個々に添加し、調整HCCFを、固定温度25℃でPROSEP vA(商標)樹脂を通して精製した。特定のインヒビターにより、浸出したプロテインAの低減が観察された場合、その効果を、浸出が低減することが知られている温度である15℃で再調査した。これにより、プロテインAの浸出に対する温度及びインヒビター濃度の組み合わせ効果を検査することができる。以下の表5に列挙したインヒビターを、ペプスタチンを除いて試験した。
Figure 0004599355
結果及び議論
EDTA濃度が増加すると、プロテインAの浸出が低減した(図8)。さらに、プロテインAの浸出阻害に対するEDTAと温度との組み合わせ効果も存在した。
PEFABLOC(登録商標)濃度が増加すると、プロテインAの浸出が低減した(図9)。この実験は15℃で繰り返される。
アプロチニン、及び他のセリンプロテアーゼは、プロテインAの浸出に対する効果を有さなかった(表6)。セリン及びシステインプロテアーゼの双方を阻害可能なプロテアーゼインヒビター、ロイペプチンは、プロテインAの浸出に対する効果を有さなかった。
Figure 0004599355
Figure 0004599355
図1は、PROSEP A(商標)における種々の抗体生成物に対する温度の関数として、プロテインAの浸出を表す。浸出したプロテインAは、ng/mg(抗体1mg当たりのプロテインAng)で示している。x軸上の温度は水浴の温度を表す。カラムを平衡にし、25mMのトリス、25mMのNaCl、5mMのEDTA、pH 7.1で洗浄し、25mMのトリス、25mMのNaCl、0.5MのTMAC、5mMのEDTA、pH5.0又はpH7.1で洗浄し、25mMのクエン酸塩pH2.8又は0.1Mの酢酸塩pH2.9で溶出させ、0.1Mのリン酸で再生させ、0.2Mの酢酸ナトリウム、2%のベンジルアルコール、pH5.0に保管した。トラスツズマブを床高20cmで流し、20gのトラスツズマブ/L樹脂に充填し、TMAC、pH5.0で洗浄し、25mMのクエン酸塩pH2.8で溶出させ、0.1AUから2CV'sをプールした。ヒト化2C4を床高20cmのカラムに流し、樹脂1リットル当たり15gのヒト化2C4を充填し、TMAC、pH7.1で洗浄し、25mMのクエン酸塩pH2.8で溶出させ、0.1AUから2CV'sのプール容量をプールした。ヒト化VEGFを床高14cmで流し、樹脂1リットル当たり20gのヒト化VEGF抗体を充填し、TMAC、pH5.0で洗浄し、0.1Mの酢酸pH2.9で溶出させ、0.2AUから2CV'sのプール容量をプールした。ヒト化CD11aを床高14cmで流し、樹脂1リットル当たり20gのヒト化CD11a抗体を充填し、TMAC、pH7.1で洗浄し、0.1Mの酢酸pH2.9で溶出させ、0.2AUから2CV'sをプールした。 図2は、トラスツズマブ、ヒト化2C4、及びヒト化CD11aを用いた、PROSEP A(商標)及びPROSEP vA(商標)からのプロテインA浸出の温度依存の比較を表す。浸出したプロテインAは、ng/mg(抗体1mg当たりのプロテインAng)で示している。x軸上の温度は水浴の温度を表す。全てのカラムは直径0.66cmで、高さは14cm又は20cmのいずれかである。一ロットの集菌細胞培養液(HCCF)を、各運転対に使用した。カラムを平衡にし、25mMのトリス、25mMのNaCl、5mMのEDTA、pH 7.1で洗浄し、25mMのトリス、25mMのNaCl、0.5MのTMAC、5mMのEDTA、pH5.0又はpH7.1で洗浄し、25mMのクエン酸塩pH2.8又は0.1Mの酢酸塩pH2.9で溶出させ、0.1Mのリン酸で再生させ、0.2Mの酢酸ナトリウム、2%のベンジルアルコール、pH5.0に、40CV/hrで保管した。ヒト化CD11aを床高14cmで流し、樹脂1リットル当たり20gのヒト化CD11a抗体を充填し、TMAC、pH7.1で洗浄し、0.1Mの酢酸pH2.9で溶出させ、0.2AUから2CV'sをプールした。ヒト化2C4を床高20cmのカラムに流し、樹脂1リットル当たり15gのヒト化2C4を充填し、TMAC、pH7.1で洗浄し、25mMのクエン酸塩pH2.8で溶出させ、0.1AUから2CV'sのプール容量をプールした。トラスツズマブ(0.57mg/ml濃度、400L規模のパイロットプラントからのもの)を床高20cmで流し、20gのトラスツズマブ/L樹脂に充填し、TMAC、pH5.0で洗浄し、25mMのクエン酸塩pH2.8で溶出させ、0.1AUから2CV'sをプールした。 図3は、パイロット規模対温度での、プロテインAの浸出を表す。浸出したプロテインAは、ng/mg(抗体1mg当たりのプロテインAng)で示している。x軸上の温度はHCCFタンクの設定温度を表す。直径9cm、高さ20cmのカラムに、1.26LのPROSEP vA(商標)を包装した。トラスツズマブHCCFは0.59mg/mlであり、タンク内のHCCFの温度を10、15、20、25又は30℃に維持した。カラムに、樹脂1リットル当たり20gのトラスツズマブを充填した。温度を、HCCFタンク内、ポンプとカラムの間、及びカラムの流出口で測定した。カラムを平衡にし、25mMのトリス、25mMのNaCl、5mMのEDTA、pH 7.1で洗浄し、25mMのトリス、25mMのNaCl、0.5MのTMAC、5mMのEDTA、pH5.0で洗浄し、25mMのクエン酸塩pH2.8で溶出させ、0.1Mのリン酸で再生させ、0.2Mの酢酸ナトリウム、2%のベンジルアルコール、pH5.0に保管した。各HCCFのサンプルを取り出し、直径0.66cm、高さ20cmのPROSEP vA(商標)が包装されたカラムにおいて、パイロット規模と同じバッファーを使用して、研究室規模で運転し、丸によりグラフに表した。 図4Aはトラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))の軽鎖アミノ酸配列(配列番号1)を示す。 図4Bはトラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))の重鎖アミノ酸配列(配列番号2)を示す。 図5A−Bはヒト化2C4の可変軽鎖(配列番号3)及び可変重鎖(配列番号4)ドメインのアミノ酸配列をそれぞれ示す。 図6A−Bはヒト化CD11a抗体ラプチバ(RAPTIVA)(商標)の可変軽鎖(配列番号5)及び可変重鎖(配列番号6)ドメインのアミノ酸配列をそれぞれ示す。 図7A−Bはヒト化VEGF抗体アバスチン(商標)の可変軽鎖(配列番号7)及び可変重鎖(配列番号8)ドメインのアミノ酸配列をそれぞれ示す。 プロテインAの浸出に対するEDTA及び温度の効果を示す。 プロテインAの浸出に対するセリンプロテアーゼインヒビターの4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニル-フルオライド塩酸塩(AEBSF)(PEFABLOC(登録商標))の効果を示す。

Claims (14)

  1. 2/C3領域を含むタンパク質を精製する方法において、
    a)タンパク質と一又は複数の不純物を含む組成物に3℃から15℃の範囲の温度でプロテインAアフィニティークロマトグラフィーを施して、精製された組成物を得、
    (b)得られた精製された組成物を回収し、
    (c)上記精製された組成物中の浸出したプロテインAを測定し、ここで、
    (i)上記精製された組成物は0ngプロテインA/mgタンパク質から15ngプロテインA/mgタンパク質を含み、
    (ii)上記組成物の試料の室温でのプロテインA精製によって得られた精製された組成物が20ngプロテインA/mgタンパク質を越えて含む方法
  2. プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかける組成物をプロテアーゼインヒビターに暴露することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. タンパク質が抗体である、請求項1に記載の方法。
  4. 抗体が、HER2、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、IgE、CD20、CD40、CD11a、組織因子(TF)、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、インターロイキン−8 (IL−8)、上皮細胞増殖因子レセプター(EGFR)、HER3、HER4、α4β7及びα5β3からなる群から選択される抗原に結合する、請求項に記載の方法。
  5. 抗体がトラスツズマブ、ヒト化2C4、ヒト化CD11a抗体、及びヒト化VEGF抗体からなる群から選択される、請求項に記載の方法。
  6. 抗体がHER2抗原に結合する、請求項に記載の方法。
  7. 抗体がトラスツズマブ又はヒト化2C4である、請求項に記載の方法。
  8. タンパク質がイムノアドヘシンである、請求項1に記載の方法。
  9. イムノアドヘシンがTNFレセプターある、請求項に記載の方法。
  10. 2/C3領域を含むタンパク質をプロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって精製する方法において、
    (a)タンパク質の試料をプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーから回収したタンパク質を含む組成物中の浸出したプロテインAを測定し;
    (b)工程(a)において20ngプロテインA/mgタンパク質を越えるプロテインAの浸出が検出された場合には、3℃から15℃の範囲の低減された温度で、タンパク質と一又は複数の不純物を含む更なる組成物のプロテインAクロマトグラフィー精製を実施し、プロテインAの浸出を減少させることを含んでなる方法。
  11. プロテインAアフィニティークロマトグラフィー中におけるプロテインAの浸出を低減させる方法において、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけた組成物におけるプロテアーゼ活性を減少させることを含んでなり、組成物がC2/C3領域を含むタンパク質と一又は複数のプロテアーゼを含み、プロテアーゼ活性を低下させるために3℃から15℃の範囲の低減された温度でプロテインAアフィニティークロマトグラフィーを実施し、プロテアーゼ活性の低下を確認する方法。
  12. プロテアーゼ活性を低下させるためにプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにかけた組成物をプロテアーゼインヒビターに暴露することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. プロテアーゼインヒビターがEDTA又は4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニル-フルオライド塩酸塩(AEBSF)である、請求項12に記載の方法。
  14. プロテインAアフィニティークロマトグラフィーの前に組成物のpH2.5から3.5までの範囲のpHに調節することを含む、請求項11に記載の方法。
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