JP4597285B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、珪素原料を炭素原料と反応させて炭化珪素単結晶を得る炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置に関し、特に、溶融または気化した珪素原料を炭素原料中に導入して炭化珪素ガスを生成し、この炭化珪素ガスを炭化珪素種結晶基板上に到達せしめて炭化珪素単結晶を成長せしめる炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素は、ダイヤモンドに近い硬度を有し、熱的、化学的に非常に安定した物質で、しかもエネルギーバンドギャップが広い(約3eV)半導体材料であることから、従来からの研磨材、耐火材、発熱材等としての用途の他、高温下でも使用可能な耐環境素子材料、耐放射線素子材料、電力制御用パワー素子材料、短波長発光素子材料等としての利用が期待されている。
【0003】
炭化珪素単結晶を作製する方法としては、通常、昇華法が用いられている(例えば、特表平3−501118号公報等参照)。
図8は、従来の昇華法が適用された炭化珪素単結晶の製造装置を示す断面図であり、図において、符号1は黒鉛製の中空のルツボであり、有底筒状のルツボ本体2と、ルツボ本体2の上端部に着脱自在に設けられた黒鉛製の蓋板3とから構成されている。このルツボ本体2の底部には粉末状の炭化珪素原料4が貯留され、また、蓋板3の下面には炭化珪素種結晶基板5が装着されている。そして、このルツボ1の外側には加熱保温用のヒーター6、7が取り付けられ、炭化珪素種結晶基板5が炭化珪素原料4より低温になる様に温度制御されている。
【0004】
この製造装置を用いて炭化珪素単結晶を製造するには、ルツボ本体2の底部に粉末状の炭化珪素原料4を所定量置き、蓋板3の下面に炭化珪素種結晶基板5を装着し、蓋板3をルツボ本体2に固定する。その後、このルツボ1内をAr等の不活性ガス雰囲気とし、ヒーター6、7により炭化珪素原料4及び炭化珪素種結晶基板5をそれぞれ所望の温度に加熱する。
ここでは、粉末状の炭化珪素原料4は加熱により分解・昇華し、炭化珪素ガスとなって上昇し、成長温度域に保温された炭化珪素種結晶基板5に到達し、炭化珪素単結晶8としてエピタキシャル成長する。
【0005】
また、気化した珪素と固体炭素との反応を利用して炭化珪素単結晶を成長する方法も用いられている。
図9は、従来の珪素と炭素との反応を利用した炭化珪素単結晶の製造装置を示す断面図であり、図において、符号11はルツボ本体2の底部に貯留された珪素原料、12はルツボ本体2内かつ珪素原料11の上部に配置され気化した珪素ガスと反応する炭素材である。
この炭素材12は、多数の貫通孔13aが穿設された炭素板13と、炭素板13上に充填された炭素粉粒体14とにより構成されている。
【0006】
この製造装置を用いて炭化珪素単結晶を製造するには、ルツボ本体2の底部に塊状もしくは粉末状の珪素原料11を所定量置き、蓋板3の下面に炭化珪素種結晶基板5を固定し、蓋板3をルツボ本体2に固定する。その後、このルツボ1内を減圧し、ヒーター7により珪素原料11を加熱して溶融・気化させ、ヒーター6により炭化珪素種結晶基板5を加熱し炭化珪素単結晶の成長温度で保温する。
【0007】
ここでは、珪素原料11は加熱により溶融・気化し、珪素ガスとなって上昇し、炭素板13の貫通孔13a及び炭素粉粒体14中を通過する。珪素ガスはこの炭素材12中を通過する間にこの炭素材12と反応して炭化珪素ガスを発生する。この炭化珪素ガスは、成長温度域に保温された炭化珪素種結晶基板5に到達し、炭化珪素単結晶8としてエピタキシャル成長する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の方法においては、珪素ガスや溶融状態の珪素が生じるために、生じた珪素がルツボの材料である黒鉛と反応してしまい、ルツボがダメージを受けるという問題点があった。このため、最悪の場合にはルツボに穴があいてしまい、内部に収容した珪素ガスや珪素融液が外部に漏れ出して製造を中断せざるを得ない事態に陥る虞があった。この場合、不具合の生じたルツボを新しいルツボと交換して再度単結晶の成長を行うことになるが、交換用のルツボを購入するための費用や、交換したルツボを成長に必要な温度まで加熱するまでの時間的損失が発生し、製造コストの上昇、生産性の低下等の問題点が生じる。
【0009】
特に、従来の昇華法においては、粉末状の炭化珪素原料4を加熱すると、SiCの他にSi、Si2C、SiC2等が分解・昇華ガスとして発生するが、昇華ガス中の珪素成分の占める量が炭素成分に対して全体として等モル以上になるために、粉末状の炭化珪素原料4の組成が昇華過程で徐々に炭素過剰になる。したがって、粉末状の炭化珪素原料4が昇華する過程においては、上記の分解・昇華ガスのそれぞれの分圧が経時的に変化するために、炭化珪素単結晶中に結晶欠陥が発生し易くなり、得られた炭化珪素単結晶の結晶性が低下することとなる。
【0010】
また、従来の珪素と炭素との反応を利用した単結晶成長方法においては、炭素材への珪素ガス供給量を所定量に制御するのが困難であるために、SiC、Si、Si2C、SiC2等の反応ガスの各成分の比を高精度で制御することが困難で、その結果、成長の過程で結晶欠陥が生じ易くなり、得られた炭化珪素単結晶の結晶性が低下するという問題点があった。
【0011】
珪素ガス供給量を制御するのが困難である理由は、珪素ガス供給量を制御するには、珪素原料の気化量を温度を調整することでコントロールするが、珪素原料の量が経時的に変化し、ルツボ内の温度環境が変わり、珪素ガス供給量を一定にコントロールすることが難しいからである。
【0012】
また、品質の高い単結晶を成長させるためには、炭素材と炭化珪素種結晶基板の温度を所定の温度範囲内に制御することが必要であるが、珪素原料の気化量を一定に保つために温度調整を行うと、炭素材と炭化珪素種結晶基板の温度も影響を受けてしまうため、珪素ガス供給量のみを一定にコントロールすることは、実際上難しいからである。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、格子歪の無い、しかも大口径かつ安定した品質の炭化珪素単結晶を、安定した条件下で連続的に製造することができる炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の様な炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置を提供した。すなわち、請求項1記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、溶融した珪素原料を、反応系の外方から前記珪素原料が気化する温度以上に加熱された炭素原料中に導入し、該炭素原料と前記珪素原料との反応により生成した炭化珪素ガス及び珪素ガスを含む反応ガスを、前記炭素原料より低温に保持された炭化珪素種結晶基板上に到達せしめ、該炭化珪素種結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させることを特徴としている。
【0015】
請求項2記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭素原料は、炭素粉粒体を充填してなる炭素層、多孔質炭素構造体、多数の貫通孔を穿設してなる炭素板のいずれか1種、または2種以上の組み合わせにより構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項2記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭素粉粒体は、平均粒径が100μm〜5mmの炭素粒子であることを特徴としている。
【0017】
請求項4記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1、2または3記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭素原料は、炭化珪素を含有することを特徴としている。
【0018】
請求項記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1ないしのいずれか1項記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記炭化珪素種結晶基板の温度範囲を1500〜2500℃とし、前記炭素原料の温度範囲を該炭化珪素種結晶基板の温度より高くかつその差が400℃を越えない範囲としたことを特徴としている。
【0019】
請求項記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1ないしのいずれか1項記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記珪素原料および/または前記炭素原料を、連続的または間欠的に供給することを特徴としている。
【0020】
請求項記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、請求項1ないしのいずれか1項記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、導入された前記珪素原料の容量に見合う反応ガスの容量を該反応系の外方へ排出、成長した炭化珪素単結晶を該反応系の外方へ移動、のいずれか一方または双方を行いつつ、炭化珪素単結晶を成長させることを特徴としている。
【0021】
請求項記載の炭化珪素単結晶の製造装置は、炭素原料が貯留されるとともに、頂部下面に炭化珪素種結晶基板が取り付けられるルツボと、該ルツボを加熱し保温する加熱手段と、珪素原料を貯留し加熱保温する原料容器と、該原料容器内の珪素原料を溶融状態で前記ルツボ内に導入する珪素導入管とを備えてなることを特徴としている。
【0022】
請求項9記載の炭化珪素単結晶の製造装置は、請求項8記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、少なくとも前記ルツボの内壁を炭化珪素としたことを特徴としている。
【0023】
請求項10記載の炭化珪素単結晶の製造装置は、請求項8記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、少なくとも前記珪素導入管の内壁を、炭化珪素および/またはその複合材としたことを特徴としている。
【0024】
請求項11記載の炭化珪素単結晶の製造装置は、請求項8、9または10記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、前記炭素原料は、前記珪素原料の流動方向に沿って複数段配置されていることを特徴としている。
【0025】
請求項12記載の炭化珪素単結晶の製造装置は、請求項ないし11のいずれか1項記載の炭化珪素単結晶の製造装置において、前記加熱手段は、前記炭素原料を加熱保温する第1の加熱手段と、該第1の加熱手段と独立に制御され前記炭化珪素種結晶基板を加熱保温する第2の加熱手段とを備えてなることを特徴としている。
【0026】
本発明の炭化珪素単結晶の製造方法では、溶融または気化した珪素原料を、反応系の外方から前記珪素原料が気化する温度以上に加熱された炭素原料中に導入することにより、炭素原料に対する珪素原料の供給量が所要量に制御される。これにより、反応に係わる炭化珪素ガス及び珪素ガスを含む反応ガス中の各成分の比を一定に保つことが可能になる。
【0027】
このようにして生成した反応ガス中の各成分の比が一定であるから、前記炭素原料より低温に保持された炭化珪素種結晶基板上に到達せしめることで、該炭化珪素種結晶基板上に、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さい炭化珪素単結晶が容易に得られる。
その理由は、反応ガス中の各成分の比に適した結晶成長条件で温度、圧力等を選択的に制御することにより、反応ガス中の各成分の比を一定に保つことが出来るので、この制御が容易になり、しかも安定化するからである。
この結果、得られた炭化珪素単結晶中の結晶欠陥の密度を、好ましい値である5.0×10個/cm2以下にすることが可能である。
【0028】
珪素原料としては、製造する炭化珪素単結晶の品質に合わせた純度の一般に市販されている珪素を用いればよい。一例として、半導体用の高い比抵抗の炭化珪素結晶を製造する場合には、結晶欠陥の抑制及び価電子制御が容易であることから高純度のもの、例えば、純度8ナイン以上の半導体グレードの珪素を用いることが好ましい。
【0029】
炭素原料としては、非晶質炭素やガラス状カーボン等の無定形炭素、もしくは黒鉛が好適に用いられる。
炭素原料の純度は、製造する炭化珪素単結晶の品質に合わせた純度のものを用いればよい。この炭素原料の純度を上げるには、例えば、2500℃以上で炭化処理し、その後ハロゲンガス等を用いて2000℃以上で高純度化処理すればよい。
【0030】
この炭素原料の構造としては、珪素ガスとの接触反応が効率よく起こりかつガス通過が容易な構造であればよく、炭素粉粒体を充填してなる炭素層、多孔質炭素構造体、多数の貫通孔を穿設してなる炭素板のいずれか1種、または2種以上の組み合わせにより構成することが好ましい。
炭素板としては、多数の貫通孔が穿設された炭素板の他に、多数の孔が形成された炭素板、気孔率の高い炭素板等を単独、もしくはこれら複数種を組み合わせて用いてもよい。
また、炭素板を目皿とし、その上に比表面積の大きい多孔質の炭素体、炭素粉粒体を堆積した炭素層を設けた構成としてもよい。
【0031】
この炭素粉粒体は、粉砕されたままの一次粒子、凝集体、造粒体のいずれの形状であってもよく、その平均粒径は100μm〜5mmのものが好ましい。その理由は、粒径が100μmより小さいと目皿を通り抜けてしまい、保持できなくなったり、珪素ガスが透過する流量が小さくなり、結晶成長速度が遅くなるからであり、粒径が5mmを越えると、珪素ガスとの接触面積が小さくなり、未反応のまま通り抜けてしまう珪素ガスの量が増加し、該炭素粉粒体と珪素ガスとの反応が不均一に進み、成長する炭化珪素単結晶の組成が化学量論的組成からズレてしまうからである。
【0032】
また、前記炭素原料は、炭素を主成分としたものであればよく、もちろん炭素のみでもよいが、炭化珪素を予め混合したものでもよい。例えば、炭素粉粒体と炭化珪素粉体との混合物等であってもよい。さらに、結晶成長中に珪素と炭素から生成した炭化珪素が共存していてもよい。
【0033】
炭化珪素種結晶基板としては、成長させたい炭化珪素単結晶と同一の結晶構造を有する炭化珪素の結晶を用いることが好ましい。この種結晶基板の成長結晶面は、成長させたい炭化珪素単結晶に合った面方位であることが好ましく、例えば、C軸垂直面({0001}面)、C軸平行面({1100}面)等が好適に用いられる。この炭化珪素種結晶基板の表面は、断面内分布の均一な単結晶を成長させるために、研磨により平坦面としておくことが望ましい。
【0034】
特に、高純度で結晶欠陥の無い高品質の炭化珪素単結晶を成長させるのでなければ、一般に入手することのできる炭化珪素単結晶を用いればよい。例えば、アチソン法、昇華法、本発明の製造方法等により得られた炭化珪素単結晶を加工して基板としたもの、あるいはそれを加工した種結晶が使用可能である。また、この種結晶基板の結晶面は、(1000)面がエピタキシャル成長させる上で好ましいが、(1000)面からずらして加工した種も使用することができる。
【0035】
炭化珪素種結晶基板の温度範囲は1500〜2500℃が好ましく、結晶の多型制御、成長速度制御の点を考慮すると1700〜2300℃が好ましい。
この種結晶基板の温度が1500℃より低いと、珪素と炭素との反応性が低下し、未反応の珪素が種結晶基板の表面に到達するので、成長した単結晶の組成が炭化と珪素の原子比1:1より珪素リッチとなり、化学量論的組成からずれた組成となるからであり、また、多型混入が起こり易いからである。
また、2500℃より高いと、種々の結晶欠陥が導入され易くなるとともに、多型混入が起こり易くなるからである。
【0036】
炭素原料の温度範囲は、該炭化珪素種結晶基板の温度より高くかつその差が400℃を越えない範囲が好ましい。その理由は、炭化珪素種結晶基板との温度差が400℃を越えると、成長する炭化珪素単結晶中に結晶欠陥や格子歪が導入され易くなるからである。
以上の点を考慮すると、炭素原料の温度範囲は、炭化珪素種結晶基板との温度差が400℃以内かつ1600℃以上とすることが好ましい。また、珪素原料のガス分圧を考慮すると、炭素原料の温度範囲は1700〜2600℃がより好ましい。
【0037】
炭素原料は、流動する珪素原料との接触面積を大きくするために、珪素原料の流動方向に複数段配置した構成とするのが好ましい。また、最終段を炭化珪素、または炭素原料と炭化珪素粒子との混合粉で構成すると、珪素原料が最終段を通過する間に反応ガスとしてSi、Si2C、SiC2、SiC等を発生させるので、炭化珪素種結晶基板の昇華及び表面インクルージョンの形成を抑制することができる。
また、炭素原料を連続供給する場合、最終段より前段に供給するのが好ましい。それは、供給の際に生じる炭素の微粒子が飛散して炭化珪素種結晶基板に付着する等の不具合を防止することができるからである。
【0038】
本発明の炭化珪素単結晶の製造装置では、炭素原料が貯留されるとともに、頂部下面に炭化珪素種結晶基板が取り付けられるルツボと、該ルツボを加熱し保温する加熱手段と、珪素原料を貯留し加熱保温する原料容器と、該原料容器内の珪素原料を溶融状態もしくは気化した状態で前記ルツボ内に導入する珪素導入管とを備えたことにより、溶融状態もしくは気化した状態の珪素原料を、ルツボ内に貯留された炭素原料に直接導入することが可能になり、炭素原料に対する珪素原料の供給量が所要量に制御される。これにより、反応に係わる反応ガス中の各成分の比が一定に保たれる。
【0039】
この反応ガスを炭化珪素種結晶基板に接触させることで、結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、格子歪の無い化学量論的組成の炭化珪素単結晶が成長する。
これにより、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、格子歪の無い安定した品質の炭化珪素単結晶を、長時間安定して製造することが可能になる。
【0040】
少なくとも前記ルツボの内壁を炭化珪素とした場合、珪素によりルツボがダメージを受ける虞が無くなる。
例えば、ルツボに穴があいて内部に収容した珪素ガスや珪素融液が外部に漏れ出して製造を中断せざるを得ない事態に陥る等の不具合が生じる虞が無くなり、従来において問題とされた、交換用のルツボを購入するための費用や、交換したルツボを成長に必要な温度まで加熱するまでの時間的損失が発生する虞が無くなり、製造コストの上昇や、生産性の低下等が生じる虞も無くなる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置の各実施形態について図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置(製造装置)を示す断面図、図2は同装置の要部拡大断面図であり、図において、符号21は黒鉛製のルツボ、22は黒鉛製の原料容器、23は炭化珪素製の珪素導入管、24はルツボ21、原料容器22及び珪素導入管23を収納するための減圧可能な筐体、25は筐体24に設けられて該筐体24内部の圧力を制御するための排気装置、26は筐体24内を雰囲気制御するためにAr、N2等の不活性ガスを導入するためのラインであり、導入と排気をバランスすることにより減圧から常圧付近までの圧力制御を行うことが可能になっている。
【0042】
ルツボ21は、有底筒状の黒鉛製のルツボ本体31と黒鉛製の蓋板32により構成され、このルツボ本体31内には、ガスが通る貫通孔33が多数形成された炭素板34が水平に配置され、炭素板34の上及びルツボ本体31の底部には炭素粉粒体を堆積した炭素層35がそれぞれ配置されている。また、蓋板32の下面中央部には、炭化珪素単結晶8を成長させるために(1000)面を結晶面とする炭化珪素種結晶基板5が装着されている。
【0043】
また、このルツボ21は高温になるため、炭素繊維製の断熱材36で周囲が覆われている。断熱材36とルツボ21の間に空間を設けてもよい。この断熱材36には、ルツボ21を加熱・保温するための高周波コイル(加熱手段)37が巻回されている。このルツボ21内の炭素層35、炭化珪素種結晶基板5各々の温度の制御は、高周波コイル37を炭素層35の部分と炭化珪素種結晶基板5の部分に分割して設け、これら分割部分各々をルツボ21内全体の温度勾配が所望の値になるように制御することにより行われる。
なお、断熱材36の上端部中央には、ルツボ21の温度を図示しない放射温度計で測定するための温度測定穴38が形成されている。
【0044】
原料容器22は、原料となる珪素41を貯留・加熱し、溶融状態で保温するためのもので、周囲には珪素41を加熱・保温するための黒鉛ヒーター42が配置され、原料容器22及び黒鉛ヒーター42は熱遮蔽のための炭素繊維製の断熱材43で覆われている。珪素41の温度は、上部より放射温度計(図示せず)で測温する。
なお、断熱材43の上端部中央には、珪素41の温度を図示しない放射温度計で測定するための温度測定穴38が形成されている。この原料容器22は、反応装置内あるいは反応装置の外のいずれに設置してもよい。
【0045】
この原料容器22としては、溶融状態の珪素41の温度に耐え、かつ、溶出やアウトガスにより内部に収容する珪素41の純度を悪化させる虞の無いものであればよく、例えば、黒鉛製の容器、黒鉛製の容器内に石英ルツボを設置した構造のもの、黒鉛製の容器の内面に炭化珪素をコートしたもの、炭化珪素製の容器等が好適に用いられる。
【0046】
珪素導入管23は、原料容器22内の珪素41を溶融状態でルツボ21底部に導入するためのもので、この珪素導入管23の周囲には、加熱・保温のための円筒状の黒鉛ヒーター51が配置され、珪素導入管23及び黒鉛ヒーター51は断熱のための炭素繊維製の断熱材52で覆われている。
【0047】
この珪素導入管23の一方の先端部23aには、図2に示すように、融液あるいはガス状の珪素41の漏洩を防止するために密度の高い封止材である炭素繊維フェルトのパッキング材53が嵌め込まれ、この先端部23aはルツボ本体31の底部に設けられた炭化珪素製のスパージャー54に、パッキング材53を介して珪素導入管23と同じ材質のナット55により締結されている。なお、スパージャー54には、珪素41をガス化してルツボ21内に導入するのに好適な様に、適当に調整した穴56が多数形成されている。
【0048】
また、他方の先端部23bは、先端部23aと同様に、原料容器22の底部にパッキング材(図示せず)を介してナット55により締結されている。
珪素導入管23のL字型の曲げ部分は一体加工が難しいため、該珪素導入管23と同じ材質の材料でエルボ57を作製し、パッキング材を用いてネジ嵌合することによりL字型に加工されている。
【0049】
この珪素導入管23の材質は、後述する高温に耐え、かつ、溶出やアウトガスにより内部を流動する珪素41の純度を悪化させないものであれば良く、例えば、炭化珪素、石英、黒鉛等の材料を単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0050】
また、珪素導入管23とルツボ21及び原料容器22との接合部分は、溶融した珪素41またはガス化した珪素が外部に漏れないような構造、例えば、ねじ止め方式が好適に用いられる。また、パッキング材としては、耐熱性はもちろんのこと、高温におけるシール性の高いものが好ましく、更に好ましくは熱膨張係数が異なる材料の熱膨張差を吸収することができるものであればなおよい。例えば、発泡性の黒鉛の圧縮シートや密度の高い炭素繊維フェルトが好適である。
【0051】
筐体24内部の全圧は、高度の減圧から常圧より少し高い程度、例えば0.01〜1000Torrの圧力範囲で制御できることが好ましい。黒鉛製のルツボ21を使用した場合は、黒鉛が通気性があるので、ルツボ21内の全圧はこれとほぼ同じ圧力になる。
【0052】
スパージャー54は、ルツボ21内でガス状の珪素41と炭素層35をより均一に効率よく接触させるように、珪素ガスを拡散させる効果を有する向きや形状を有したものとすることができる。例えば、コーン状で放射状に細孔を開けた構造、細孔を開けたパイプ状の構造のもの、あるいはそれらを複数組み合わせた構造のものを用いることができる。
スパージャー54のより具体的なものとしては、炭化珪素質の多孔板、嵩密度の低い焼結炭化珪素、炭化珪素に細かい穴を開けたもの等がある。
【0053】
次に、本実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置を用いて炭化珪素単結晶を成長させる方法について説明する。
まず、原料となる珪素41を原料容器22に収納し、その原料容器22を黒鉛ヒーター42(あるいは高周波加熱装置)を用いて所定の温度に加熱し、珪素41を溶融させる。
【0054】
原料容器22とルツボ21を連結する珪素導入管23は、珪素41の固化を防ぐ必要があるため、少なくとも珪素41の融点1414℃以上に加熱する。加熱源としては、1414℃以上に加熱できるものであればいずれでも良く、例えば、黒鉛ヒーターが好適に用いられる。
【0055】
原料容器22内の珪素41を溶融させ、原料容器22の珪素41の液面をルツボ21の珪素導入管23接続部より高く設定することで、溶融した珪素41を原料容器22からルツボ21内に、珪素導入管23を経由して供給する。
この時、サイホンの原理により、珪素導入管23の配管位置を、原料容器22の珪素41の液面、ルツボ21の珪素導入管23接続部より高く設定することができる。あるいは、原料容器22内を不活性ガスで加圧して原料容器22からルツボ21内に珪素導入管23を経由して圧送することも可能である。
【0056】
次に、ルツボ21内でガス状態の珪素41と、炭素原料である炭素板34及び炭素層35、35を接触させるために、溶融状態の珪素41をルツボ21導入時に気化させる。珪素41の気化は、ルツボ21に接続された珪素導入管23の出口に設けられたスパージャー54により行われる。
【0057】
スパージャー54の温度を、内部全圧で珪素41が気化する温度以上、例えば、炭素層35、35と同じ程度に高温に設定することで、溶融状態の珪素41はガス化される。
この時、ルツボ21内に導入される融液状態の珪素41は導入のために圧力を受けているので、融液状態の珪素41がそのままルツボ21内に導入され、溜まらないようにスパージャー54の細孔が調整される。
【0058】
スパージャー54で蒸発、拡散した気体状の珪素41は、加熱された炭素板34及び炭素層35、35に均一に効率よく接触させられ、反応して炭化珪素ガスとなる。
また炭素粉を用いた場合は、珪素ガスと炭素との衝突接触面積を稼ぐために、目皿上に堆積させたものを複数枚配置することができる。
【0059】
次に、炭素層35、35の温度制御について説明する。
ルツボ21内の炭素原料である炭素板34及び炭素層35、35、炭化珪素種結晶基板5各々の温度の制御は、全体の温度勾配を所望の値になるように制御するのが好ましい。例えば、高周波炉では各々の側面部分に当る高周波コイル37の巻回密度を上げる、あるいは高周波コイル37を炭素材の部分、炭化珪素種結晶基板5の部分に分割して設けることもできる。
【0060】
炭化珪素単結晶の成長機構、即ち珪素ガスが炭素と接触し、炭化珪素種結晶基板5上に炭化珪素単結晶8として成長するメカニズムは複雑である。ルツボ21内のガス状の珪素41は炭素板34及び炭素層35、35、炭素層35内の炭素ガス等と接触反応した結果、反応ガスとして、気相中に、SiCの他、Si、Si2C、SiC2等の各種成分が生成すると考えられている。
【0061】
珪素供給速度、炭素材温度、ルツボ内圧力、不活性ガス圧等の条件を組合わせることにより、この反応ガス中の各成分の組成比を調整することができる。上記した温度条件等及び装置の容量、構造等に従って最適な条件を選ぶことにより、炭化珪素種結晶基板5の表面に炭化珪素単結晶8を安定して成長させることができる。
【0062】
実際に成長させる際には、炭素原料と炭化珪素単結晶の成長点との間の距離を一定に保ちながら炭化珪素単結晶を成長させる方法を採ることができる。
ルツボ21内で時間とともに炭化珪素単結晶8が成長する場合に、炭素原料(炭素板34及び炭素層35、35)と炭化珪素単結晶8の成長点との間の距離を一定に保つことにより、結晶成長に必要な炭化珪素種結晶基板5と炭素原料の温度勾配を所望の値に維持することができる。また、成長する空間が狭くなる等の不都合を無くすこともできる。
【0063】
この場合、連続的あるいは一定時間毎に炭化珪素単結晶8を引き上げる方法が好ましい。例えば、炭化珪素単結晶8の成長方向と逆方向に移動可能な種結晶台座を設け、炭化珪素単結晶8が成長して台座が移動しても、高さ方向に十分な容積を有するルツボを用いることができる。さらに種結晶の台座の移動する部分すなわち摺動部分に炭化珪素単結晶が成長しない機構を設けることができる。例えば、台座を常時回転させる、あるいは炭化珪素が成長しないよう摺動部分の温度を種結晶の温度より高く設定する方法を採ることができる。成長中に台座を常時回転させることにより炭化珪素種結晶基板5を回転させれば、温度、ガス組成等が均質化し、不所望な結晶の成長を抑制する効果もある。
【0064】
図3は、本実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置の変形例を示す概略構成図であり、珪素41をルツボ21内に連続的に供給するために、原料容器22に並列に第2の原料容器61を設置している。この原料容器22と第2の原料容器61とは珪素導入管62により連結されている。
この原料容器23と第2の原料容器61を連結する珪素導入管62および原料容器22とルツボ21を連結する珪素導入管23は、珪素41の固化を防ぐ必要があるため、例えば、少なくとも珪素41の融点1414℃以上に加熱されている。なお、加熱源としては、1414℃以上に加熱できるものであればよく、例えば、黒鉛ヒーター等が好適に用いられる。この加熱源の外側は熱損失を防ぐために炭素繊維等の断熱材で覆うのが好ましい。
【0065】
次に、この炭化珪素単結晶の製造方法の実施例について説明する。
「実施例1」
図1に示す反応装置を用いて炭化珪素単結晶を成長させた。
6H−SiC単結晶の(0001)面を20mm径、厚さ2.5mmに加工して炭化珪素種結晶基板5とし、この炭化珪素種結晶基板5を黒鉛製のルツボ21の蓋板32の下面中央に装着した。なお、黒鉛製のルツボ21は、その内径が5cm、高さが17cmであった。
【0066】
この黒鉛製のルツボ21の下端から高さ8cmの位置に、厚さ約10mmの炭素板34を設置した。炭素板34は、気孔率23%の材料にさらに直径1.5mmの貫通孔を5mm間隔で形成し、炭素板34の上及びルツボ本体31の底部に平均粒径が約2mmの黒鉛粒を各々3cmの高さに堆積させて炭素層35とした。
一方、炭化珪素製の原料容器22に、半導体グレードの珪素41を200g収容した。
【0067】
次いで、筐体41内を10-3Torrに減圧し、その後、黒鉛製のルツボ21を1450℃に、珪素導入管23を1400℃にそれぞれ昇温した後30分間保持し、ルツボ21等に付着したガス等を除去する熱処理を行った。なお、このとき、原料容器22の加熱は行っていない。
次いで、原料容器22の温度を1700℃、珪素導入管23の温度を1700℃、炭素層35、35の温度を約2400℃、炭化珪素種結晶基板5の温度を2100℃に昇温した後、筐体24内にArを導入して50TorrのAr雰囲気とし、結晶成長を開始した。
【0068】
得られた炭化珪素単結晶の先端部は円形に近い断面形状で、径が41.4mm、成長長さが15.8mmであった。この単結晶の成長方向に垂直に切断し、研磨により磨きだし、その後顕微鏡観察を行った。その結果、インクルージョンが皆無であり、結晶欠陥が3.5×10個/cm2であることがわかった。また、ラマン分光測定によるピーク位置から、この炭化珪素単結晶は6H炭化珪素で、他の多型の混入が全く認められないことを確認した。
【0069】
本実施形態の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、溶融した珪素41を、ルツボ21の外側から炭素原料(炭素板34及び炭素層35、35)中に導入するので、珪素41の供給量を所要量に制御することができ、反応ガスの各成分の比を一定に保つことができる。その結果、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、安定した品質の炭化珪素単結晶を成長させることができる。
【0070】
また、本実施形態の炭化珪素単結晶の製造装置によれば、ルツボ21と、溶融した珪素41を貯留し加熱保温する原料容器22とを、珪素41を溶融状態もしくは気化した状態でルツボ21内に導入する珪素導入管23で接続したので、溶融状態の珪素41を、ルツボ21内の炭素原料に直接導入することができ、反応ガスの各成分の比を一定に保つことができる。その結果、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、格子歪の無い安定した品質の炭化珪素単結晶を、長時間安定して製造することができる。
【0071】
[第2の実施形態]
図4は本発明の第2の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置を示す断面図であり、上述した第1の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置と異なる点は、ルツボ本体31内に、炭素板34を多段(この図の場合、2段)に配置し、炭素板34、34それぞれの上に炭素層35を配置した点である。
この場合、各炭素板34の貫通孔33は互いにその中心をずらして配置しガス流が直線的に通過することなく炭素板34にできるだけ多数回衝突接触するように配置することが望ましい。
【0072】
この様な構成とすることにより、気体状の珪素41と炭素原料(炭素板34、34及び炭素層35、35)との接触反応を効率よく起こさせることができ、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、安定した品質の炭化珪素単結晶をより短い時間で成長させることができる。
【0073】
[第3の実施形態]
図5は本発明の第3の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置のルツボを示す断面図であり、上述した第1の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置と異なる点は、ルツボ本体31内に炭化珪素製の内ルツボ71を設置し、この内ルツボ71内に黒鉛粒等の炭素粉粒体を堆積させて炭素材72とした点である。
このルツボは、内ルツボ71内に充填された炭素材72に溶融した珪素41を導入し、炭素材72と珪素41を直接接触させる構造である。
珪素導入管の先端部23aには、0.5mmの穴が2カ所に形成された炭化珪素製のスパージャー73が設置されている。
【0074】
次に、この炭化珪素単結晶の製造方法の実施例について説明する。
「実施例2」
図5に示すルツボを用いて炭化珪素単結晶を成長させた。
6H−SiC単結晶の(0001)面を20mm径、厚さ2.5mmに加工して炭化珪素種結晶基板5とし、この炭化珪素種結晶基板5を黒鉛製のルツボ21の蓋板32の下面中央に装着した。黒鉛製のルツボ21は、内径が5cm、高さが15cmのものを用いた。
【0075】
このルツボ21の中に、高さ12cmの炭化珪素製の内ルツボ71を配置し、この内ルツボ71の中に平均粒径が約2mmの黒鉛粒を8cmの高さに堆積させ炭素材72とした。
次いで、反応装置内を10-3Torrに減圧し、次いで、ルツボ21を1450℃に、珪素導入管を1400℃にそれぞれ昇温させて、30分間保持する熱処理を行った後、ルツボ21等に付着したガス等を除去する熱処理を行った。なお、このとき、原料容器は加熱を行っていない。
【0076】
次いで、原料容器を1700℃、珪素導入管を1800℃、炭素材72を約2600℃、炭化珪素種結晶基板5を2250℃にそれぞれ昇温した後、反応装置内にArを導入して700TorrのAr雰囲気とし、結晶成長を開始した。
得られた炭化珪素単結晶の先端部は円形に近い断面形状で、径が40.4mm、成長長さが11.7mmであった。この単結晶の成長方向に垂直に切断し、研磨により磨きだし、その後顕微鏡観察を行った。その結果、インクルージョンが皆無であり、結晶欠陥が2.3×10個/cm2であることがわかった。
【0077】
また、ラマン分光測定によるピーク位置から、この炭化珪素単結晶は6H炭化珪素で、他の多型の混入が全く認められないことを確認した。
本実施形態においても、上述した第1の実施形態の炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置と全く同様に、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、安定した品質の炭化珪素単結晶を得ることができる。
【0078】
[第4の実施形態]
図6は本発明の第4の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置を示す断面図であり、上述した第1の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置と異なる点は、ルツボ21の直下に原料容器22を配置し、ルツボ21と原料容器22とを直管の珪素導入管23で連結し、原料容器22内で気化した珪素ガスを珪素導入管23を介してルツボ21内の炭素層35に直接導入するようにした点である。
この装置では、ルツボ本体31内略中央に炭素板34が配置され、炭素板34の上及びルツボ本体31の底部それぞれに黒鉛粒等の炭素粉粒体が堆積されて炭素層35とされている。
【0079】
この様な構成とすることにより、気化した珪素ガスを、ルツボ21内の炭素原料に直接導入することができ、反応ガスの各成分の組成比を一定に保つことができる。その結果、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、格子歪の無い安定した品質の炭化珪素単結晶を、長時間安定して製造することができる。
【0080】
また、ルツボ21の直下に原料容器22を配置したので、珪素導入管23の長さを短縮することができる。その結果、珪素導入管23からの熱放散が減少し、省エネルギーを図ることができる。
また、第1の実施形態の反応装置と比べて占有面積が狭くなるので、床面積の有効利用を図ることができる。
【0081】
[第5の実施形態]
図7は本発明の第5の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置を示す断面図であり、上述した第1の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置と異なる点は、黒鉛製のルツボ本体31の内壁に、炭化珪素膜81を形成した点である。
【0082】
この装置では、ルツボ本体31の内壁に炭化珪素膜81を形成したので、高硬度かつ耐熱性に優れた炭化珪素膜81がルツボ本体31の内壁を保護することとなり、珪素によりルツボ21がダメージを受ける虞が無くなる。
したがって、ルツボに穴があいて内部に収容した珪素ガスや珪素融液が外部に漏れ出して製造を中断せざるを得ない事態に陥る等の不具合が生じる虞が無くなり、従来において問題とされた、交換用のルツボを購入するための費用や、交換したルツボを成長に必要な温度まで加熱するまでの時間的損失が発生する虞が無くなり、製造コストの上昇や、生産性の低下等が生じる虞も無くなる。
【0083】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
この製造方法は、ルツボ内で炭素材と珪素を直接反応させる方法で、この場合、溶融珪素のガス化を抑えるために、ルツボ内でスパージャーと炭素材を直接接触させる構造とする。
このスパージャーの構造は、コーン状で放射状に細孔が形成され、さらにその細孔の径が拡径されかつその数が増加した構造とする。
また、ルツボ内の圧力は常圧付近まで上げておけばよい。
【0084】
炭素材としては、比表面積の大きい多孔質の炭素体、炭素粉末あるいは粒子の堆積層が好適に用いられる。この炭素体、炭素粉末あるいは粒子の粒径は、100μm〜5mmの範囲のものが好ましい。粒径が100μmより小さいと炭素材と反応したガスの透過の抵抗が大きくなる可能性があり、一方、粒径が5mmを越えると、炭素材と珪素ガスの接触面積が小さくなるので、生成する炭化珪素ガスの収量が少なくなり、単結晶の成長速度が著しく低下するからである。
なお、温度条件等は、第1の実施形態の製造方法と略同一で良い。
【0085】
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態の炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
この製造方法は、原料容器内でガス化させた珪素をルツボ内に導入する方法であり、珪素ガスをルツボ内に導入するため、ルツボ内で珪素ガスを発生させるより、温度コントロールが容易であるという特徴がある。
この場合、珪素を原料容器内でガス化させるためには、原料容器は1800〜2400℃とし、圧力は1〜100Torrとするのが好ましい。
【0086】
また、ガスを供給する点から、原料容器をルツボの真下に配置し、導入管を直列に接続するのが好ましい。導入管としては、珪素融液より温度が高い珪素ガスと触れるために炭化珪素、炭化珪素をコーティングした黒鉛材が好ましい。この導入管の加熱方式は第1の実施形態と同等で良い。
【0087】
以上、本発明の各実施形態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。
例えば、ルツボ21、原料容器22、珪素導入管23等の配置や、炭素層35の段数等は、適宜変更可能である。
【0088】
また、炭素材が減少した場合に備えて、ルツボ等に炭素材を供給する装置を取り付けても良い。この場合、ルツボ内部の雰囲気の純度を保つために、炭素材を予備室に搬送し、一度予備室を真空引きした後、成長雰囲気のガスに置換し、その後予備室内からルツボ内に炭素材を供給する構成とすることが好ましい。
【0089】
また、珪素導入管もしくは原料容器に珪素原料の導入量を制御する制御手段を設けることにより、炭素原料中に導入する珪素原料の供給量を制御する構成としてもよい。
また、原料容器内でドーピング剤を珪素原料に混合することにより、ドーピング剤を添加した炭化珪素単結晶を成長させることができる。
さらに、ドーピング元素を気化した状態でルツボ内に供給する事も可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、溶融または気化した珪素原料を、反応系の外方から前記珪素原料が気化する温度以上に加熱された炭素原料中に導入するので、炭素原料に対する珪素原料の供給量を所要量に制御することができ、反応ガス中の各成分の比を一定に保つことができる。
したがって、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、しかも安定した高品質の炭化珪素単結晶を成長させることができる。
【0091】
本発明の炭化珪素単結晶の製造装置によれば、炭素原料が貯留されるとともに、頂部下面に炭化珪素種結晶基板が取り付けられるルツボと、該ルツボを加熱し保温する加熱手段と、珪素原料を貯留し加熱保温する原料容器と、該原料容器内の珪素原料を溶融状態もしくは気化した状態で前記ルツボ内に導入する珪素導入管とを備えたので、溶融状態もしくは気化した状態の珪素原料を、ルツボ内に貯留された炭素原料に直接導入することができ、成長方向における結晶欠陥の密度及びばらつきが小さく、格子歪の無い安定した高品質の炭化珪素単結晶を、安定した条件下で連続的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置を示す断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置の要部拡大断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置の変形例を示す概略構成図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置を示す断面図である。
【図5】 本発明の第3の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置のルツボを示す断面図である。
【図6】 本発明の第4の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置を示す断面図である。
【図7】 本発明の第5の実施形態の炭化珪素単結晶の反応装置を示す断面図である。
【図8】 従来の昇華法が適用された炭化珪素単結晶の製造装置を示す断面図である。
【図9】 従来の珪素と炭素との反応を利用した炭化珪素単結晶の製造装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ルツボ
2 ルツボ本体
3 蓋板
4 炭化珪素原料
5 炭化珪素種結晶基板
6、7 ヒーター
8 炭化珪素単結晶
11 珪素原料
12 炭素材
13 炭素板
13a 貫通孔
14 炭素粉粒体
21 ルツボ
22 原料容器
23 珪素導入管
24 筐体
25 排気装置
26 ライン
31 ルツボ本体
32 蓋板
33 貫通孔
34 炭素板
35 炭素層
36 断熱材
37 高周波コイル
38 温度測定穴
41 珪素
42 黒鉛ヒーター
43 断熱材
51 黒鉛ヒーター
52 断熱材
53 パッキング材
54 スパージャー
55 ナット
56 穴
57 エルボ
61 第2の原料容器
62 珪素導入管
71 内ルツボ
72 炭素材
73 スパージャー
81 炭化珪素膜

Claims (12)

  1. 融した珪素原料を、反応系の外方から前記珪素原料が気化する温度以上に加熱された炭素原料中に導入し、該炭素原料と前記珪素原料との反応により生成した炭化珪素ガス及び珪素ガスを含む反応ガスを、前記炭素原料より低温に保持された炭化珪素種結晶基板上に到達せしめ、該炭化珪素種結晶基板上に炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記炭素原料は、炭素粉粒体を充填してなる炭素層、多孔質炭素構造体、多数の貫通孔を穿設してなる炭素板のいずれか1種、または2種以上の組み合わせにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記炭素粉粒体は、平均粒径が100μm〜5mmの炭素粒子であることを特徴とする請求項2記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記炭素原料は、炭化珪素を含有することを特徴とする請求項1、2または3記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記炭化珪素種結晶基板の温度範囲を1500〜2500℃とし、前記炭素原料の温度範囲を該炭化珪素種結晶基板の温度より高くかつその差が400℃を越えない範囲としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記珪素原料および/または前記炭素原料を、連続的または間欠的に供給することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 導入された前記珪素原料の容量に見合う反応ガスの容量を該反応系の外方へ排出、成長した炭化珪素単結晶を該反応系の外方へ移動、のいずれか一方または双方を行いつつ、炭化珪素単結晶を成長させることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 炭素原料が貯留されるとともに、頂部下面に炭化珪素種結晶基板が取り付けられるルツボと、該ルツボを加熱し保温する加熱手段と、珪素原料を貯留し加熱保温する原料容器と、該原料容器内の珪素原料を溶融状態で前記ルツボ内に導入する珪素導入管とを備えてなることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  9. 少なくとも前記ルツボの内壁を炭化珪素としたことを特徴とする請求項8記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  10. 少なくとも前記珪素導入管の内壁を、炭化珪素および/またはその複合材としたことを特徴とする請求項8記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  11. 前記炭素原料は、前記珪素原料の流動方向に沿って複数段配置されていることを特徴とする請求項8、9または10記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  12. 前記加熱手段は、前記炭素原料を加熱保温する第1の加熱手段と、該第1の加熱手段と独立に制御され前記炭化珪素種結晶基板を加熱保温する第2の加熱手段とを備えてなることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
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