JP4596685B2 - 映像監視機能付きセンサ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災感知器や防犯センサ等の防災、防犯設備に適用されるセンサ装置に関し、特に、監視対象を映像情報として取得して、監視対象となる現場の状況を把握することができる映像監視機能が付属したセンサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物や施設の内部等に設置される火災感知器は、火炎から放射される赤外線や熱あるいは煙等を検出することにより火災を感知して、火災の発生を発報するとともに、火報信号を管理センター等に設けられた受信機に送信するように構成されていた。
また、防犯センサは、例えば、扉や窓ガラスの開閉や損傷、人体から放射される赤外線等に基づいて、不審者等の侵入を検知して、警報を発するとともに、侵入信号を管理センター等に送信するように構成されていた。
【0003】
一方、上述したような火災感知器や防犯センサ等の各種センサ装置を適用した防災、防犯設備においては、センサ装置による火災現場や不審者の侵入現場等の位置を特定する機能に加え、当該現場の状況や監視区域内の状況等を映像情報により確認、把握するために監視カメラ等の撮影装置を付設して、防災、防犯体制をさらに強化したシステムが知られている。
ここで、上述したようなセンサ装置と監視カメラを別個に設置するシステム構成を採用した場合、一般に、センサ装置と監視カメラが離間して設置されるために、センサ装置近傍の状況を十分かつ的確に把握することができないうえ、システムの設置スペースや設置コストの増大を招く等の問題を有していた。
【0004】
そこで、このような問題を解決する技術としては、例えば、特開平7-182579号公報等に、熱、煙等を検出する検出部を備えた火災感知器において、該検出部の下側に火災感知器下方を撮影するための撮像装置を備えた構成が記載されている。
また、特開平7-184190号公報等には、火災感知器と撮像装置を備えた異常監視設備において、火災感知器からの出力信号と撮像装置からの映像信号を、単一の回線を介して中央装置に伝送する技術が記載されている。
このような構成を有する従来技術によれば、火災感知器のみを設置した構成において、火災発報時に火災感知器近傍の状況を視覚的に把握することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来技術に記載された火災感知器においては、火災感知器の下側に撮像装置(カメラ)が固定的に設けられた構成を有しているため、実質的に、火災感知器が設置される取付面(天井面等)に対して、略垂直下方を中心とした比較的狭い領域しか撮影することができず、撮影可能領域に死角が生じて、火災発生現場の状況を十分かつ的確に把握することができないという問題を有している。そのため、通路(廊下)等の距離や奥行きを有する空間や広い空間を撮影する使用形態には適さない。
【0006】
また、上記従来技術における火災感知器は、火災感知器本来の火報機能と連動して撮像装置が動作するように構成され、発報時以外は、撮像装置の撮影機能が休止した状態となっているため、撮像装置を火災感知器の機能から切り離して単独で動作させ、所望の監視領域を任意に撮影する等の使用形態に適しておらず、防災設備が有効に利用されていないという問題を有していた。
【0007】
加えて、近年、治安の悪化に伴って、上述した火災感知器等の防災設備における機能とは別個かつ無関係に、防犯上の観点から監視カメラ(防犯カメラ)のみを新たに設置する形態が増加する傾向にある。この場合、新たに監視カメラの設置場所(スペース)を設定、確保し、かつ、監視カメラにより撮影された映像信号を伝送するための回線(信号ライン)を付設する必要があり、設置コストの増大や設計、工事等の煩雑化を招くという問題を有していた。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑み、任意の位置、方向の監視対象領域を任意に監視して、より信頼性の高い防災、防犯設備を安価に普及させることができる映像監視機能付きセンサ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る映像監視機能付きセンサ装置は、所定の異常状態を検出するセンサ本体と、前記センサ本体に付設され、少なくとも、前記センサ本体の外周の任意の位置に配置可能であるとともに、前記センサ本体の取付面に対して任意の傾斜角度に調整可能なカメラユニットと、を備え、前記カメラユニットにより、前記取付面への前記センサ本体の取付位置を基準として、任意の方向の監視対象領域を撮影することを特徴としている。
【0010】
すなわち、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置によれば、所定の取付面に取り付け固定されるセンサ本体の取付位置を基準として、カメラユニットを任意の位置に配置し、さらに、任意の傾斜角度に調整することにより、所望の方向に位置する(広がる)監視対象領域を撮影することができるので、センサ本体が本来有する異常状態を検知する機能に加えて、特定の監視対象領域における異常状態の発生状況を視覚的に把握することができ、該異常状態を阻止又は抑制するための有効な措置を迅速に講じることができる。
特に、火災感知器や防犯センサ等のセンサ本体が本来有する機能とは独立して、所定の監視対象領域を任意に撮影することにより、当該領域を集中的かつ継続的に監視することができるので、防災上あるいは防犯上、より信頼性の高い防災、防犯設備を実現することができる。
【0011】
請求項2記載の発明に係る映像監視機能付きセンサ装置は、請求項1記載の映像監視機能付きセンサ装置において、前記センサ本体は、前記取付面に取り付け固定されるベース部と、該ベース部に着脱可能に係止固定され、前記異常状態を検出するセンサデバイスが内蔵されたセンサヘッドと、を備えていることを特徴としている。
【0012】
すなわち、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置によれば、センサ本体が、少なくともベース部とセンサヘッドから構成される周知の火災感知器等のセンサ装置に、上記カメラユニットを付加した構成を適用することができるので、設置スペースや設置コスト、設計、工事の繁雑化を抑制しつつ、既設又は既存のセンサ装置に簡易に撮像機能を付加して、任意の方向の監視対象領域を良好に撮影することができ、より信頼性の高い防災、防犯設備の普及に寄与することができる。
【0013】
請求項3記載の発明に係る映像監視機能付きセンサ装置は、請求項2記載の映像監視機能付きセンサ装置において、前記カメラユニットは、前記センサ本体を構成するベース部と前記センサヘッドとの間に介挿されていることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明に係る映像監視機能付きセンサ装置は、請求項2記載の映像監視機能付きセンサ装置において、前記カメラユニットは、前記センサ本体を構成するベース部と前記取付面との間に介挿されていることを特徴としている。
【0014】
すなわち、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置によれば、周知の火災感知器等のセンサ装置への一適用例として、既設又は既存のセンサ装置の各構成(部品)をそのまま利用して、カメラユニットをベース部とセンサヘッドの間、又は、ベース部と取付面の間に介挿することにより、簡易に撮像機能を付加して、任意の方向の監視対象領域を良好に撮影することができる。
【0015】
請求項5記載の発明に係る映像監視機能付きセンサ装置は、請求項2記載の映像監視機能付きセンサ装置において、前記カメラユニットは、前記センサ本体を構成するベース部と一体的に構成されていることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明に係る映像監視機能付きセンサ装置は、請求項2記載の映像監視機能付きセンサ装置において、前記カメラユニットは、前記センサ本体を構成するセンサヘッドと一体的に構成されていることを特徴としている。
【0016】
すなわち、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置によれば、周知の火災感知器等のセンサ装置への他の適用例として、既設又は既存のセンサ装置の一部の構成(ベース部又はセンサヘッド)をカメラユニットと一体化された構成に置き換えることにより、簡易に撮像機能を付加して、任意の方向の監視対象領域を良好に撮影することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ここでは、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の構成を、周知の火災感知器に適用した場合について説明する。
まず、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の構成が適用される火災感知器の構成について説明する。
図1は、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の構成が適用される周知の火災感知器の構成及び組み立て構造を示す概略図である。
【0018】
図1(a)に示すように、本実施形態に係る映像監視機能付きセンサ装置の構成が適用される火災感知器(センサ本体)1は、天井面や壁面等、所定の取付面PLに取り付け固定されるベース部10と、熱や煙等を検知して火災(異常状態)を検出するセンサデバイス(図示を省略)が内蔵されたセンサヘッド20と、を備え、図1(b)に示すように、取付面PLに取り付け固定されたベース部10に対して、着脱可能にセンサヘッド20が嵌合して係止固定されるように構成されている。ここで、このような構成を有する火災感知器においては、上述したように、ベース部10に対してセンサヘッド20を機械的に係止固定することにより、ベース部10及びセンサヘッド20の各々に設けられた端子や電極等が接続して、相互に電気的にも接続されるように構成されている。
【0019】
<第1の実施形態>
次に、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の構成を、上述した火災感知器1に適用した場合の第1の実施形態について説明する。
図2は、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る火災感知器(映像監視機能付きセンサ装置)1Aは、上述した火災感知器1を構成するベース部10とセンサヘッド20との間に、カメラユニット30を介挿した構成を有している。
【0020】
カメラユニット30は、大別して、所望の監視対象領域を撮影するためのカメラ本体31と、火災感知器1A(ベース部10及びセンサヘッド20)の外周に沿って任意に摺動可能に構成されたアダプタ部32と、アダプタ部32から延在してカメラ本体31を接続、支持するとともに、取付面PLに対してカメラ本体31の傾斜角度を任意に調整可能に構成されたステー33と、を備えている。ここで、カメラ本体31は、CCD(個体撮像素子)や赤外線センサ等の撮像デバイスを良好に適用することができる。
【0021】
以下に、本実施形態に係る火災感知器に適用可能なカメラユニット30の具体的な構成例を示しつつ、カメラユニット30の回動状態について説明する。
図3は、本実施形態に係る火災感知器に適用されるカメラユニットの回動状態を示す概略図であり、図4は、本実施形態に係る火災感知器に適用されるカメラユニットのアダプタ部の一構成例を示す概略断面図である。
【0022】
カメラ本体31は、図2及び図3(a)に示すように、例えば、略円筒形の外周面を有し、一対の締付ネジ31a、31bにより、該外周面の所定の対向位置に対して、アダプタ部32から延在するステー33を共締めにした構成を有している。すなわち、本構成例においては、後述するように、締付ネジ31a、31bがカメラ本体31の回転軸としての機能と、カメラ本体31の傾斜角度を固定する部材としての機能とを備えている。
【0023】
このようなカメラ本体31の取付構造において、締付ネジ31a、31bを緩めることにより、締付ネジ31a、31bを回転軸としてステー33に対してカメラ本体31を自在に回転させることが可能となり、図3(a)に示すように、火災感知器1Aの取付面PLに対して、カメラ本体31を任意の傾斜角度(矢印B)に調整することができる。そして、任意の傾斜角度に調整した後、締付ネジ31a、31bを再び締め付けることにより、カメラ本体31が該傾斜角度に固定される。これにより、カメラ本体31は、取付面PLの鉛直方向に対して任意の方向に位置する(広がる)領域を監視対象領域とするように設定される。
【0024】
また、上述したように、本実施形態に係る火災感知器1Aは、カメラユニット30が、火災感知器1Aを構成するベース部10及びセンサヘッド20の間に介挿可能であって、かつ、火災感知器1Aの外周に沿って任意の回動状態に摺動可能とするために、アダプタ部32は、例えば、以下に示すような構成を有している。
【0025】
アダプタ部32は、図4(a)に示すように、ベース部10に嵌合して係止固定されるアタッチメント部32aと、該アタッチメント部32aの外周に沿って摺動可能なように構成されたリング部32bと、を有し、アタッチメント部32aに対してリング部32bを摺動させることにより、図3(b)に示すように、カメラ本体31が火災感知器1Aの円周方向(矢印A)に回転して、任意の配置位置に設定される。
【0026】
ここで、アタッチメント部32aのベース部10側の接続形状FMaは、センサヘッド20の接続形状と同一の構成を有して、ベース部10に対して嵌合して係止固定され、また、アタッチメント部32aのセンサヘッド20側の接続形状FMbは、ベース部10の接続形状と同一の構成を有して、センサヘッド20に対して嵌合して係止固定される。
【0027】
すなわち、図1に示したような周知の火災感知器1を構成するベース部10とセンサヘッド20の構成を何ら設計変更することなく、図2に示したように、両者の間に上記カメラユニット30が介挿して接続されるように構成されている。
これにより、極めて簡易な作業で既設又は既存の火災感知器を監視カメラ(カメラユニット)を備えた火災感知器(映像監視機能付きセンサ装置)に改良することができるので、監視カメラの設置スペースやコスト等の問題を解決しつつ、信頼性の高い防災、防犯設備の普及に寄与することができる。
【0028】
また、図4(a)に示したカメラユニット30のアダプタ部32の構成において、リング部32bをアタッチメント部32aに対して回転させて任意の位置に設定したカメラ本体の配置位置を固定するために、例えば、図4(b)に示すように、リング部32bに押しネジ32cを設け、上記任意の位置で押しネジ32cを締めて、押しネジ32cの先端でアタッチメント部32aの外周面を押圧することにより、リング部32bの回転を禁止する(停止固定させる)ように構成してもよい。
【0029】
したがって、上述したような構成を有するカメラユニット30によれば、カメラ本体31が、火災感知器1Aの外周に沿って、例えば、全周方向(略360°)に自在に回転して任意の配置位置に設定され、また、取付面PLに対して、例えば、0〜90°の任意の傾斜角度に調整される。なお、以下に示す各実施形態においては、カメラユニットについて詳細な説明を省略するが、本実施形態と同一又は略同等の構成を良好に適用することができる。
【0030】
ここで、このようなカメラ本体31の回動状態は、例えば、取付面PLへの火災感知器1Aの設置工事の際等に、工事作業者等がカメラ本体31を任意の配置位置及び傾斜角度になるように手動で調整することにより、任意の監視対象領域が撮影可能領域に含まれるように設定される。なお、カメラユニット30にアダプタ部32の回転位置及びカメラ本体31の傾斜角度を制御する駆動機構を設けることにより、例えば、管理センター等からの制御指令により遠隔操作して、撮影可能領域を任意に設定できるようにしてもよい。
【0031】
なお、上記カメラユニット30の説明においては、火災感知器1Aを構成するベース部10及びセンサヘッド20との機械的な接続構造についてのみ言及したが、これらカメラユニット30とベース部10又はセンサヘッド20との機械的な接続とともに、電気的な接続も行われる。
具体的には、カメラユニット30のアダプタ部32(アタッチメント部32a)は、本実施形態に適用されるベース部10及びセンサヘッド20の各々に予め設けられた端子や電極等に対応して、電気的な接続が可能な構成(端子や電極等)を有し、上述したようなベース部10及びセンサヘッド20との機械的な接続(係止固定)の際に、該接続と同時に端子や電極相互が接触あるいは密着して、自動的に電気的な接続が行われる構成、あるいは、該接続とは別に、例えば、アダプタ部32とベース部10又はセンサヘッド20から延在する信号線(リード線)等を圧着端子や端子ネジを用いて電気的に接続する構成等を適用することができる。また、取付面PLに取り付け固定されるベース部10には、管理センターや監視盤等から引き出された信号線が電気的に接続される。
【0032】
これにより、センサヘッド20により検知された異常状態(火災)に関する検出信号や、カメラユニットにより撮影された所望の監視対象領域の映像信号等が管理センター等に伝送される。ここで、以下に示す各実施形態においては、電気的な接続構造について詳細な説明を省略するが、本実施形態と同一又は略同等の構成を良好に適用することができる。
【0033】
また、このような構成を有する火災感知器(映像監視機能付きセンサ装置)1Aにおいて、カメラユニット30は、火災感知器による火炎、煙等の検知に連動して撮像動作を開始して、任意の監視対象領域の火災発生状況(異常状態の発生状況)を撮影、取得して、映像信号を管理センター等に送信するものであってもよいし、火災感知器による火災検知の機能とは独立して、常時、あるいは、定期的又は不定期に撮像動作を実行することにより、任意の監視対象領域(通路や薬品棚、不審者等)を撮影して、管理センター等に送信するものであってもよい。
【0034】
そして、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置における監視対象は、本実施形態のように、本発明を火災感知器に適用した場合には、火災発生可能性の高い領域や、通路(廊下)等の距離や奥行きを有する空間又は広い空間、あるいは、特定の物品等のほか、火災感知器(センサ装置)の近傍領域や見通しが可能な領域であって、かつ、機密性の高い領域、犯罪が発生する可能性が高い領域等、監視カメラによる撮影が防災上又は防犯上有効であると考えられる領域に設定される。
【0035】
なお、上述した実施形態において、カメラユニット30(カメラ本体31)により撮影された映像の信号は、映像信号の伝送用に設けられた専用の回線(信号ライン)を介して管理センターに伝送するようにしてもよいし、上述した特開平7−184190号公報等に記載されている公知技術を適用して、既設の火報用の回線を利用して送信するようにしてもよい。さらに他の構成として、火災感知器1A内、又は、カメラユニット30内に、無線通信手段を内蔵することにより、無線データ通信により映像信号を伝送するようにしてもよい。この場合、火報用の回線を利用する構成、及び、無線データ通信を利用する構成を適用することにより、映像信号伝送用の専用回線を設置するためのコストや工期の削減を図ることができる。
【0036】
このように、本実施形態に係る映像監視機能付きセンサ装置によれば、火災感知器1Aが取り付け固定される取付面PL上の位置を基準として、所望の方向に位置する(又は、広がる)監視対象領域を、カメラユニット30(カメラ本体31)により任意に撮影することができるので、防災上あるいは防犯上、火災や犯罪等の異常状態が発生する可能性の高い領域や物品等における状況を視覚的に十分かつ的確に把握することができる。
【0037】
また、この場合、既設の火災感知器等のセンサ装置のうち、監視対象領域に近接して設置されたセンサ装置、あるいは、監視対象領域に見通しのきく位置に設置されたセンサ装置に対してのみカメラユニット30を簡易に付設して、カメラ本体31の配置位置及び傾斜角度を任意に調整することにより、上記監視対象領域を良好に監視することができるので、設置コストの削減や設計、工事等の簡略化を図りつつ、より信頼性の高い防災、防犯設備を普及させることができる。
【0038】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図5は、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第2の実施形態を示す概略構成図であり、図6は、本実施形態に係る火災感知器に適用されるカメラユニットの回動状態を示す概略図である。また、図7は、本実施形態に係る火災感知器に適用されるカメラユニットのアダプタ部の一構成例を示す概略断面図である。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0039】
図5(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る火災感知器(映像監視機能付きセンサ装置)1Bは、上述した火災感知器1(図1参照)を構成するベース部10と取付面PLとの間に、カメラユニット40を介挿した構成を有している。
カメラユニット40は、第1の実施形態に示した構成(カメラユニット30)と同様に、大別して、カメラ本体41と、アダプタ部42と、ステー43と、を備えている。そして、図6(a)、(b)に示すように、アダプタ部42が火災感知器1Bの外周に沿って摺動することにより、カメラ本体41を火災感知器1Bの円周方向(矢印A)に回転するとともに、取付面PLに対して任意の傾斜角度(矢印B)に調整することにより、取付面PLの鉛直方向に対して任意の方向に設定される。これにより、火災感知器1Bの取付位置を基準にして、任意の方向に位置する(広がる)監視対象領域を良好に監視することができる。
【0040】
ここで、本実施形態に係る火災感知器1Bにおいては、カメラユニット40を、火災感知器1Bを構成するベース部10と取付面PLの間に介挿可能であって、かつ、任意の回動状態に設定可能とするために、例えば、図7に示すような構成を有している。
すなわち、図7に示すように、カメラユニット40のアダプタ部42は、取付面PL及びベース部10に密着固定されるアタッチメント部42aと、該アタッチメント部42aの外周に沿って摺動可能なように構成されたリング部42bと、を有し、アタッチメント部42aに対してリング部42bを摺動させることにより、図6(b)に示したように、カメラ本体41が火災感知器1Bの外周に沿って任意の位置(角度)に回転する。
【0041】
ここで、アタッチメント部42aは、ベース部10を密着させつつ、取付面PLに取り付け固定が可能な構成を有し、図1に示したような周知の火災感知器を構成するベース部10とセンサヘッド20の構成を何ら設計変更することなく、図5に示したように、ベース部10と取付面PLとの間に上記カメラユニット40が介挿して接続されるように構成されている。
【0042】
また、アダプタ部42(アタッチメント部42a)は、ベース部10に予め設けられた端子や電極等に対応して、電気的な接続が可能な構成(端子や電極等)を有し、上述したようなベース部10との機械的な接続(係止固定)の際に、例えば、アダプタ部42とベース部10から延在する信号線(リード線)等を圧着端子や端子ネジを用いて電気的に接続する構成を適用することができる。また、アダプタ部42は、取付面PLへの取り付け固定の際に、管理センターや監視盤等から引き出された信号線が電気的に接続される。
【0043】
このように、本実施形態に係る映像監視機能付きセンサ装置によれば、上述した第1の実施形態と同様に、火災感知器1Bが取り付け固定された取付位置を基準として、所望の方向に位置する監視対象領域を、カメラユニット40により任意に撮影することができるので、防災上あるいは防犯上、火災や犯罪等の異常状態が発生する可能性の高い領域や物品等における状況を視覚的に十分かつ的確に把握することができる。
【0044】
また、既設の火災感知器等のセンサ装置のうち、監視対象領域に近接して設置されたセンサ装置、あるいは、監視対象領域に見通しのきく位置に設置されたセンサ装置に対して、極めて簡易な作業で監視カメラ(カメラユニット)を備えた火災感知器(映像監視機能付きセンサ装置)に改良することができるので、設置コストの削減や設計、工事等の簡略化を図りつつ、より信頼性の高い防災、防犯設備を普及させることができる。
【0045】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図8は、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した各実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0046】
図8(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る火災感知器(映像監視機能付きセンサ装置)1Cは、上述した火災感知器1(図1参照)を構成するベース部10に替えて、取付面PLとセンサヘッド20の間に、カメラユニット50を介挿した構成を有している。
カメラユニット50は、ベース部10の機能を一体的に備えているとともに、第1の実施形態に示した構成(カメラユニット30)と同様に、大別して、カメラ本体51と、アダプタ部52と、ステー53と、を備えている。そして、アダプタ部52が火災感知器1Cの外周に沿って摺動することにより、カメラ本体51を火災感知器1Cの円周方向に回転するとともに、取付面PLに対して任意の傾斜角度に調整することにより、取付面PLの鉛直方向に対して任意の方向に設定される。これにより、火災感知器1Cの取付位置を基準にして、任意の方向に位置する(広がる)監視対象領域を良好に監視することができる。
【0047】
このような構成を有する映像監視機能付きセンサ装置によれば、上述した各実施形態と同様に、火災感知器1Cが取り付け固定された取付位置を基準として、所望の方向に位置する監視対象領域を、任意に撮影することができるので、防災上あるいは防犯上、火災や犯罪等の異常状態が発生する可能性の高い領域や物品等における状況を視覚的に十分かつ的確に把握することができる。
また、既設又は既存の火災感知器等のセンサ装置に対して、構成部品の一部(本実施形態においては、ベース部)を交換する簡易な作業で監視カメラを備えた映像監視機能付きセンサ装置に改良することができるので、部品点数の増加を抑制しつつ、より信頼性の高い防災、防犯設備を普及させることができる。
【0048】
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
図9は、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第4の実施形態を示す概略構成図である。ここで、上述した各実施形態と同等の構成については、同一の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
【0049】
図9(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る火災感知器(映像監視機能付きセンサ装置)1Dは、上述した火災感知器1(図1参照)を構成するカメラユニット(61、62、63)が一体的に構成されたセンサヘッド60が、ベース部10に嵌合して係止固定された構成を有している。
センサヘッド60は、大別して、第1の実施形態に示した構成(カメラユニット30)と同様のカメラ本体61と、アダプタ部62と、ステー63に加え、上述したセンサヘッドと同様に、熱や煙等を検知して火災(異常状態)を検出するセンサデバイス(図示を省略)が内蔵されたセンサ収納部64と、を備えている。そして、アダプタ部62が火災感知器1D(センサ収納部64)の外周に沿って摺動することにより、カメラ本体61を火災感知器1Dの円周方向に回転するとともに、取付面PLに対して任意の傾斜角度に調整することにより、取付面PLの鉛直方向に対して任意の方向に設定される。これにより、火災感知器1Dの取付位置を基準にして、任意の方向に位置する(広がる)監視対象領域を良好に監視することができる。
【0050】
このような構成を有する映像監視機能付きセンサ装置によれば、上述した各実施形態と同様に、火災感知器1Dが取り付け固定された取付位置を基準として、所望の方向に位置する監視対象領域を、任意に撮影することができるので、防災上あるいは防犯上、火災や犯罪等の異常状態が発生する可能性の高い領域や物品等における状況を視覚的に十分かつ的確に把握することができる。
【0051】
また、既設又は既存の火災感知器等のセンサ装置に対して、構成部品の一部(本実施形態においては、センサヘッド)を交換する簡易な作業で監視カメラを備えた映像監視機能付きセンサ装置に改良することができるので、部品点数の増加を抑制しつつ、より信頼性の高い防災、防犯設備を普及させることができる。
さらに、センサヘッド60が単一の構成により火災感知器本来の火報機能と監視カメラの撮影機能の双方を併せ持った構成を有しているので、センサヘッド60側の端子と回線との接続構造を簡略化することができ、既設又は既存のセンサ装置への適用を促進することができる。
【0052】
なお、上述した各実施形態においては、カメラユニットが火災感知器に付設された構成を示したが、本発明が適用されるセンサ装置は、これに限定されるものではなく、施設や建物の内部や屋外等、特定の場所に特定の目的を持って設置される各種のセンサ装置(ガス漏れ検知器や防犯センサ等の防災、防犯設備に適用されるセンサ装置)に付設されるものであってもよいことはいうまでもない。
【0053】
また、この場合、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置が適用される対象が、ベース部及びセンサヘッドからなる構成を有しているものに限定されるものではなく、センサ装置が1部品からなるものに対して、カメラユニット(又は、カメラ本体)が一体的に構成されるものであってもよいし、また、センサ装置が2以上の部品からなるものに対して、各部品間に介挿するように接続される構成を有するものであってもよいし、カメラユニット(又は、カメラ本体)が任意の一部品に一体的に構成されたものであってもよい。
【0054】
さらに、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置が取り付け固定される取付面は、上述した天井面に限定されるものではない。すなわち、カメラユニット(カメラ本体)により、所望の監視対象領域(又は、監視対象物体等)を見通せる位置の取付面であればよく、例えば、壁面や床面等であってもよい。
また、カメラユニット(カメラ本体)により撮影される映像は、静止画像に限定されるものではなく、動画像、コマ撮り画像等であってもよく、監視カメラとしての使用頻度や形態に応じて適宜設定されるものであってよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置によれば、所定の取付面に取り付け固定されるセンサ本体の取付位置を基準として、カメラユニットを任意の位置に配置し、さらに、任意の傾斜角度に調整することにより、所望の方向に位置する(広がる)監視対象領域を撮影することができるので、センサ本体が本来有する異常状態を検知する機能に加えて、特定の監視対象領域における異常状態の発生状況を視覚的に把握することができ、該異常状態を阻止又は抑制するための有効な措置を迅速に講じることができる。
【0056】
特に、火災感知器や防犯センサ等のセンサ本体が本来有する機能とは独立して、所定の監視対象領域を任意に撮影することにより、当該領域を集中的かつ継続的に監視することができるので、防災上あるいは防犯上、より信頼性の高い防災、防犯設備を実現することができる。
さらに、本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置によれば、周知の火災感知器等のセンサ装置の一部にカメラユニットを付加ことにより、簡易に監視カメラを備えたセンサ装置に改良することができるので、監視カメラの設置スペースや設置コスト、設計、工事の繁雑化を抑制しつつ、より信頼性の高い防災、防犯設備の普及に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の構成が適用される周知の火災感知器の構成及び組み立て構造を示す概略図である。
【図2】本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る火災感知器に適用されるカメラユニットの回動状態を示す概略図である。
【図4】第1の実施形態に係る火災感知器に適用されるカメラユニットのアダプタ部の一構成例を示す概略断面図である。
【図5】本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図6】第2の実施形態に係る火災感知器に適用されるカメラユニットの回動状態を示す概略図である。
【図7】第2の実施形態に係る火災感知器に適用されるカメラユニットのアダプタ部の一構成例を示す概略断面図である。
【図8】本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。
【図9】本発明に係る映像監視機能付きセンサ装置の第4の実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1A〜1D 火災感知器
10 ベース部
20、60 センサヘッド
30、40、50 カメラユニット
PL 取付面

Claims (6)

  1. 所定の異常状態を検出するセンサ本体と、
    前記センサ本体に付設され、少なくとも、前記センサ本体の外周の任意の位置に配置可能であるとともに、前記センサ本体の取付面に対して任意の傾斜角度に調整可能なカメラユニットと、
    を備え、
    前記カメラユニットにより、前記取付面への前記センサ本体の取付位置を基準として、任意の方向の監視対象領域を撮影することを特徴とする映像監視機能付きセンサ装置。
  2. 前記センサ本体は、前記取付面に取り付け固定されるベース部と、該ベース部に着脱可能に係止固定し、前記異常状態を検出するセンサデバイスが内蔵されたセンサヘッドと、を備えていることを特徴とする請求項1記載の映像監視機能付きセンサ装置。
  3. 前記カメラユニットは、前記センサ本体を構成するベース部と前記センサヘッドとの間に介挿されていることを特徴とする請求項2記載の映像監視機能付きセンサ装置。
  4. 前記カメラユニットは、前記センサ本体を構成するベース部と前記取付面との間に介挿されていることを特徴とする請求項2記載の映像監視機能付きセンサ装置。
  5. 前記カメラユニットは、前記センサ本体を構成するベース部と一体的に構成されていることを特徴とする請求項2記載の映像監視機能付きセンサ装置。
  6. 前記カメラユニットは、前記センサ本体を構成するセンサヘッドと一体的に構成されていることを特徴とする請求項2記載の映像監視機能付きセンサ装置。
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