JP4596161B2 - 侵入防止器 - Google Patents

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本発明は、切込み線に沿って突片を切り起こし、突片により鳥の止まりを防止したり、不審者の侵入を防止する侵入防止器に関する。
ベランダや手すり、梁などに鳩などが降り立ったり、歩行することを防止するための、突起物を取り付けた鳥避け器具が知られている。このような鳥避け器具は、突起物を樹脂で成形したり、金属棒を基台に植え付けたりして形成されている。
また、金属板にV字状の切込み線を設け、その切込み線に沿って金属板を刺状に切り起こし、ねずみなどの侵入を防止した小動物侵入防止器具が知られている。
更に、塀の上面などに突起を設け、不審者の侵入を防止する侵入防止器具がある。
特開2000−245326号公報
しかしながら突起を樹脂製とした鳥避け装置は、単位面積当たりの単価が高く、施工費用が高くなっていた。また、部材を単位として取り付けるため、任意の形状に合わせて鳥避け装置を施工することができなかった。
また金属板に切込み線を設け、図7に示すように切込み線を切り起こした小動物侵入防止器具32は、刺30の高さが低く、ねずみなどには侵入防止の作用が機能しても、脚の長い鳥の降り立ちを防止するには適さなかった。一方刺30の突出高さを高くすると、切込み線が長くなるため隣接した刺30との間が広くなり、平面部分が増大して鳥の降り立ちを防止する機能が作用できなくなっていた。
本発明は、侵入防止機能が高く、しかも使用前の保管が容易な、安価に製造できる侵入防止器、鳥の止まり防止器、防犯用侵入防止器、およびそれを形成するための基板を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を解決するため次のように侵入防止器を構成した。
1、板状部材に、折り返し点を具えた切込み線を形成し、切込み線の両端近傍を通る折曲線に沿って切込み線の内側部分を立ち上げ、切込み線の折り返し点を頂点とする突片を設けた侵入防止器において、一の切込み線の折り返し点を、一の切込み線の先方に隣接した二の切込み線の折曲線より二の切込み線の内側に設け、一の切込み線からなる突片の突出高さを、一の切込み線の折曲線と二の切込み線の折曲線の設置間隔より長くして侵入防止器を形成した。
板状部材は、鉄板、アルミニウム板、銅板等材質は問わない。また金属板でなく、所定の強度を有し、折曲可能であれば合成樹脂板でもよい。切込み線の形状は、折曲線で折り曲げて突片が形成されれば、特に問わない。切込み線の折り返し点で形成される突片の頂点は、先鋭でも、円形や直線状でもよく、また複数あってもよい。
板状部材を金属製とした場合は、プレス加工等により切込み線を形成することが簡易な点で好ましいが、切込み線の形成はそれに限るものではない。また板状部材を樹脂製とした場合には、樹脂を成形する金型に予め切込み線を形成するように突出部を設け、射出成形とともに切込み線を成形してもよい。
かかる切込み線は、板状部材に少なくとも2箇所隣接させて形成する。隣接して順次形成される切込み線は、同一形状が好ましいが、異ならせてもよい。例えば先端を先鋭とした突片と、先端を緩やかに形成した突片とを交互に設けてもよい。
切込み線の折り返し点は、その切込み線の先方に隣接して形成された切込み線の折曲線を超えて切込み線の内側に位置している。尚先方とは、切込み線の端部側から折り返し点の方向を指す。これにより、折曲線から切込み線を順次切り起こすと、突出高さが高い突片が、短い間隔で順次形成される。
このように形成するには、切込み線を逆V字状に形成するのが好ましいが、切込み線の形状は逆V字状に限らず他の形状でもよい。また折曲線は、切込み線の両端を通る線上に設定することが好ましいが、切込み線の両端を通らなくともよい。
切込み線は、個々に切り起こしても、突起部を有する部材などを用い、複数の切込み線を同時に切り起こすようにしてもよい。
2、切込み線を逆V字状とした。これにより、切込み線を立ち上げて形成された突片の頂点が先鋭となる。
3、 複数の切込み線で形成される切込み線の列を板状部材に複数設け、突片を板状部材に並列に形成した。切込み線の形状は、切込み線の列ごとに異ならせてもよい。また切込み線を切り起こす方向を、切込み線の列ごとに異ならせてもよい。更に切込み線の列を、直線状とせず、蛇行させたり、円形、あるいは同心円状等にしてもよい。
4、 突片を形成するための切込み線を板状部材に設け、侵入防止器を形成するための基板を構成した。基板は連続した平板でも、コイル状に巻き取られていてもよい。基板は、任意な箇所で切断して用いることとする。
5、侵入防止器を鳥の止まり防止器とした。鳥の止まりとは、空中から鳥が着地するのみでなく、歩行により侵入するなど、立ち入ること全般を指す。鳥の止まり防止は、鳥が止まり易い、手すりや梁などに設置し、突片により脚を降ろすことができなくなるか、突片の間に脚を置いたときに突片の頂点が鳥の胴部に接触して鳥が居られないように作用する。したがって、止まりを防止しようとする鳥の大きさ、形態等により、突片の突出高さ、突片間の間隔等を適宜設定する。本件の鳥の止まり防止器上に鳥が居られなくなればよいので、突片の先端が鳥の体を突き刺し、傷つける必要はない。
6、侵入防止器を不審者の侵入防止器とした。これは、塀の上面などに設けて、不審者が塀を乗り越えることなどを防止する。
侵入防止器は、突出高さの高い複数の突片を、狭い間隔で設けることができる。これにより、侵入防止器に触れることや、その上面に侵入することを防止できる。
侵入防止器は、切込み線の内側を切り起こすことのみで、突片を立ち上げることができ、安価に提供できる。
板状部材は、切込み線にかかわらず任意の長さに切断可能で、任意の位置で切断して所望の形状に形成し、侵入防止器を所望の箇所に取り付け突片を密に設置できる。また侵入防止器は折り曲げが可能で、湾曲面にも設置できる。
プレス加工等より切込み線を板状部材に形成できるので、基板を容易に製造できる。切込み線を所望の形状に形成することにより、突片を任意な形状にできる。複数列の切込み線を設けた板状部材を、列を単位として切断し、侵入防止器の突片の列を所望の数にできる。これにより、ひさしなど、面積の広い部分に突片を全面に設けることができる。
基板を、積み重ねて保管したり、巻き取ることができ、広い場所を必要とすることなく保管できる。
鳥の止まり防止器には密に突片が設けられているので、鳥が降り立とうとしても、脚を着く空間がなく降り立つことができない。また、突片の間に脚を置いた場合でも、突片の突出高さが高いため鳥の胴体下部に突片の先端が当接し、鳥がその場に居られなくなり、立ち去ることとなる。また、鳥の止まり防止器に鳥が歩行により立ち入ることも同様の理由により防止される。
防犯用の侵入防止器は、突片により侵入防止器が設けられた箇所に手を着いたり、脚を踏み入れることができず、不審者の侵入を防止できる。
本発明の侵入防止器として、鳥の止まり等を防止した鳥の止まり防止器を例に説明する。
図1に鳥の止まり防止器2を示す。鳥の止まり防止器2は、金属製で、図1に示すように2本の平行に延びる取付片板4と、取付片板4から立ち上がる突片6から構成されている。
突片6は、逆V字状に形成された2本の脚部7を具え、上部に折り返し点としての先鋭な頂点8を有し、脚部7の間には空間9が設けられている。脚部7は、折曲線11で取付片板4から折り曲げ、取付片板4に対してほぼ垂直に立ち上げてある。
図2に、鳥の止まり防止器2を形成するための基板3を示す。基板3は、板状部材としての金属板20に、金属板20を表裏に貫通する切込み線5を複数所定の間隔で形成してある。切込み線5は、逆V字状の形状で、V字の頂点8が、隣接した先方の切込み線5の折曲線11を超えて先方の切込み線5の内側に位置している。つまり、端部10(すなわち折曲線11)から頂点8までの距離aより隣接した切込み線5との間隔bの方が短くなっている。
したがって切込み線5を図3に示すように順次切り起こして突片6を立ち上げると、突片6の上部が、隣接した先方の突片6の空間9を形成しながら、高さの高い突片6が短い間隔で図1および図6に示すように複数形成される。
鳥の止まり防止器2は、ベランダの手すり上面や梁など、鳥の止まりを防止したい箇所に置き、取付板4を接着剤や、釘などで固定する。すると、突片6が鳥の脚が突片6の間に入り込めないように密に設けられるので、鳥の止まり防止器2上に鳥が降り立ったり、歩行して侵入すること等を防止できる。
また、突片6の間に脚が入るような場合であっても、突片6の高さが高く、鳥の胴体下部に頂点8が接触することから、鳥は鳥の止まり防止器2上に居ることができず、立ち去ることとなる。
図4、図5に鳥の止まり防止器2の他の例を示す。
これは、切込み線5を連続させた列を基板3に2列に形成した。このように切込み線5を2列に設けることにより突片6を横方向に広い範囲に形成できる。突片6の構成等は上記例と同様である。尚、列は2列に限るものではない。
これにより、手すり上面などにかぎらず、ひさし、屋根、ベランダなど面積の広い箇所の全面に突片6を、容易かつ安価に設けることができる。
本発明にかかる鳥の止まり防止器の一実施形態を示す斜視図である。 基板を示す平面図である。 鳥の止まり防止器を示す斜視図である。 鳥の止まり防止器の他の例を示す平面図である。 図4の鳥の止まり防止器を示す斜視図である。 鳥の止まり防止器の側面図である。 従来例を示す側面図である。
符号の説明
2 鳥の止まり防止器
3 基板
4 取付片板
5 切込み線
6 突片
7 脚
8 頂点
9 空間
10 端部
11 折曲線
20 金属板

Claims (6)

  1. 板状部材に、折り返し点を具えた切込み線を形成し、該切込み線の両端近傍を通る折曲線に沿って前記切込み線の内側部分を立ち上げ、前記切込み線の折り返し点を頂点とする突片を具えた侵入防止器において、
    一の切込み線の折り返し点を、該一の切込み線の先方に隣接した二の切込み線の折曲線より該二の切込み線の内側に設け、前記一の切込み線からなる突片の高さ幅を、前記一の切込み線の折曲線と前記二の切込み線の折曲線の間隔より長くしたことを特徴とする侵入防止器。
  2. 切り込み線を逆V字状とし、先鋭の突片を有することを特徴とした請求項1に記載の侵入防止器。
  3. 複数の切込み線で形成される切込み線列を複数具え、突片を並列に有することを特徴とした請求項1または2に記載の侵入防止器。
  4. 板状部材に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の侵入防止器を形成するための切込み線を設けた基板。
  5. 侵入防止器は、鳥の止まり防止器である請求項1〜3のいずれか1項に記載の侵入防止器。
  6. 侵入防止器は、侵入路に設置する防犯用侵入防止器である請求項1〜3のいずれか1項に記載の侵入防止器。
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