JP4595260B2 - 携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯端末におけるプログラム実行環境をテストするためのテストプログラムの自動実行方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話などの携帯端末では、内蔵若しくはダウンロードされたアプリケーションプログラムの実行により様々な機能を提供するようになっている。このような携帯端末は、アプリケーションプログラムの記述に用いるプログラム言語の実行環境を備えている必要があるため、その開発に当たっては、携帯端末上で動作するプログラム言語の言語仕様の確認や提供するライブラリ関数の動作確認など様々なテストを行わなければならない。このため、これらのテストに用いるテスト用プログラムが多数使用されている。
【0003】
一方、携帯端末は容易に持ち運ぶというそのハードウェアの制限から記憶領域が小さく、多数のテストプログラムを内蔵することができないため、テストを実施するときにはテスト項目ごとにテストプログラムを外部からダウンロードしなければならない。このため、通常はテストプログラムを蓄積したパーソナルコンピュータをサーバとし、携帯端末をクライアントとしてネットワークで接続してテストを行う方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯端末とパーソナルコンピュータでは、装置構成や基本ソフトウェアが異なり、直接操作や遠隔操作でお互いを制御することができないため、テストプログラムの転送やテストの開始などの操作を手動で行う必要があった。また、テスト結果を人手で確認する必要があった。このため、これらのテストを自動で効率的に行う方法が求められていた。本発明の目的は、携帯端末上で連続して複数のテストプログラムを自動的にダウンロードして実行する、携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法は、サーバに格納されてテストプログラムの名称をテストの実行順に記載した任意のプログラムリストを携帯端末より通信ネットワークを介して特定するステップと、特定されたプログラムリストに記載されたテストプログラムの名称をサーバより順次携帯端末へ通知するステップと、テストプログラムの名称が通知されるごとに携帯端末が通知されたテストプログラムの名称に基づいてサーバから通信ネットワークを介して当該テストプログラムをダウンロードし、プログラム実行環境で実行し、テスト結果をサーバへ通知するステップとを有することによって特徴づけられる。
【0006】
この場合、サーバへ通知するステップの一構成例は、テスト結果に当該テストプログラムが実行するテスト項目を示す識別子を付加する。また、サーバへ通知するステップの別の構成例は、テスト結果をテキスト形式で通知する。このテストプログラムの自動実行方法の一構成例は、通知されたテスト結果をサーバが集計処理し、集計結果を格納するステップをさらに有する。集計処理の一構成例は、あらかじめ用意したテスト結果の期待値と、通知されたテスト結果とを比較してテスト結果の正誤を判定する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に図を用いて発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示すブロック図であり、携帯端末におけるプログラム実行環境のテストに用いるサーバと携帯端末のテスト形態を示している。同図において、サーバ1は、試験対象の携帯端末2とネットワーク3を介して接続されている。
【0008】
ここで、ネットワーク3はサーバ1と携帯端末2との間で相互にプログラムやデータを送受信可能な通信ネットワークであればよく、例えば、携帯端末2が行う無線通信を経路に含む公衆回線を利用したパケット通信網や、携帯端末2が持つ通信機能を利用して携帯端末2と通信を行うとともにサーバ1との間で通信を行う中継装置を用いて公衆回線を模擬したものでよい。この場合、携帯端末2が持つ通信機能は、電波や赤外線を利用した無線通信機能であってもよいし、周知の有線によるシリアル通信機能又はパラレル通信機能であってもよい。
【0009】
サーバ1は、例えばパーソナルコンピュータなどのネットワーク接続可能な周知のコンピュータであり、テスト制御部4、集計処理部5、プログラムリスト格納部7、テストプログラム格納部8、テスト結果格納部9及び集計結果格納部10を有する。テスト制御部4は、携帯端末2との間でプログラムやデータを送受信し、携帯端末2がプログラム実行環境のテストを自動的に実行できるようにする機能と携帯端末2が送信するテスト結果をテスト結果格納部9に格納する機能とを有する。集計処理部5は、テスト制御部4によって格納されたテスト結果を所定の基準に基づいて集計処理し、集計結果を集計結果格納部10に格納する機能を有する。
【0010】
テスト制御部4の機能は、サーバ1を構成するコンピュータの外部記憶装置に格納されたテスト制御プログラムが、このコンピュータの主記憶メモリに読み込まれてこのコンピュータの演算処理装置(CPU)により実行されることにより実現される。また、集計処理部5の機能は、サーバ1を構成するコンピュータの外部記憶装置に格納された集計プログラムが、このコンピュータの主記憶メモリに読み込まれてこのコンピュータのCPUにより実行されることにより実現される。
【0011】
プログラムリスト格納部7、テストプログラム格納部8、テスト結果格納部9及び集計結果格納部10は、プログラム又はデータの記憶手段であり、サーバ1を構成するコンピュータの外部記憶装置により実現される。プログラムリスト格納部7は、実行するテストプログラムの名称を実行順に記述したプログラムリストを少なくとも1つ格納している。テストプログラム格納部8は、携帯端末2におけるプログラム実行環境のテストを行うテストプログラムを少なくとも1つ格納している。テスト結果格納部9には、テストプログラムの実行結果が格納される。集計結果格納部10には、集計処理部5が集計した集計結果が格納される。
【0012】
携帯端末2は、例えば、携帯電話機や携帯情報端末などの通信機能を備えプログラムのダウンロードと実行が可能なクライアント装置として動作する携帯型情報処理装置である。この携帯端末2は、演算処理装置21(以後、CPUと記す)と、メモリ22と、マンマシンインタフェース23(以後、M/MIFと記す)と、通信インタフェース24(以後、通信IFと記す)と、これらを接続するバス25とを有する。メモリ22は、テスト開始プログラム22aとプログラムマネージャ22bとライブラリ関数22cとを記憶した領域と、アプリケーションプログラム格納領域22dとを有する。M/MIF23は、キー23aと表示器23bを備えている。
【0013】
テスト開始プログラム22aは、サーバ1にテストの開始を通知する機能を有する。マネージャプログラム22bは、実行するテストプログラムをサーバ1からダウンロードし、実行を制御するマネージャ機能を有する。これらのプログラムは、CPU21により実行されることにより、その機能を実現する。ライブラリ関数22cは、アプリケーションプログラム格納領域22dに格納されるアプリケーションプログラムにより利用される各種共用プログラムであり、携帯端末2のプログラム実行環境を構成する構成要素である。
【0014】
ここで、この実施の形態の携帯端末におけるプログラム実行環境について説明する。プログラム実行環境は、携帯端末のハードウェアとソフトウェアとから構成されている。この場合、プログラム実行環境を構成するハードウェアは、アプリケーションプログラムを実行するCPU22aと、アプリケーションプログラムが格納されるメモリ22と、アプリケーションプログラムの入力手段となるキー23a及び出力手段となる表示器23bである。また、ソフトウェアは、アプリケーションプログラムにより利用されるライブラリ関数22cである。
【0015】
プログラム実行環境のテストは、図2に示すように、マネージャプログラム22bがCPU21により実行されて機能するプログラムマネージャ11がテストプログラムをサーバ1からダウンロードし、プログラム実行環境12で実行させ、その実行結果(テスト結果)をサーバ1へ通知することにより行う。この場合、プログラムマネージャ11は、サーバ1からテストプログラムの名称が通知されるごとに当該テストプログラムをダウンロードして実行させるので、人間が携帯端末2を操作して個々のテストプログラムのダウンロードや実行を行うことなく、連続してプログラム実行環境12のテストを実行することができる。
【0016】
次に、テストプログラムについて説明する。テストプログラムは、ソースプログラムをコンパイルしてできた実行プログラムであり、サーバ1のテストプログラム格納部8に格納されている。このテストプログラムは、携帯端末2のプログラム実行環境でのみ動作するように作製されており、プログラム実行環境について所定のテストを行い、テスト結果を通知する。この場合、テスト結果は、テストプログラム名とテスト項目における報告順位とテスト結果とテスト結果の期待値とから構成されている。また、テストプログラム名は、テスト項目の識別子として項目番号を含んでいる。
【0017】
図3は、テストプログラムが出力するテスト結果の構成例を示す説明図である。図3において、テスト結果を構成する各データはカンマで区切られたテキスト形式で構成されており、左からテストプログラム名、テスト項目における報告順位、テスト結果、テスト結果の期待値の順に配置されている。また、テストプログラム名は、テスト項目の項目番号を含み、左から4桁目が大項目を示し、5桁目と6桁目で中項目を示している。ここで、1行目は、プログラム名「100」の大項目「1」、中項目「1」に係るテストの1番目のテスト結果であることを示し、テスト結果とテスト結果の期待値が共に「1」であることを示している。
【0018】
同様に、2行目は、プログラム名「100」の大項目「1」、中項目「1」に係るテストの2番目のテスト結果であることを示し、テスト結果「1」に対しテスト結果の期待値が「2」であることを示している。3行目は、プログラム名「100」の大項目「2」に係るテストの1番目のテスト結果であることを示し、テスト結果とテスト結果の期待値が共に「ABC」であることを示している。ここで、5桁目と6桁目が「0」となっているのは、大項目「2」に中項目がないことを示している。4行目は、プログラム名「100」の大項目「2」に係るテストの2番目のテスト結果であることを示し、テスト結果「DEF」に対しテスト結果の期待値が「DEE」であることを示している。
【0019】
このように、各テストプログラムが通知するテスト結果は、カンマで区切られたテキスト形式で構成されているので、市販の表計算ソフトウェアで集計や加工を行うことができる。また、テストプログラムのプログラム名やテスト項目を識別する識別子が含まれているので、テスト結果の集計が容易になる。さらに、テスト結果とともにテスト結果の期待値が含まれているので、テスト結果の判定が容易になる。
【0020】
次に、この実施の形態の動作について図4を参照して説明する。図4は、この実施の形態の動作を示すフローチャートである。まず、試験者が携帯端末2のキー23aと表示器23bを用いてテスト開始プログラム22aを起動する操作を行い、テスト開始プログラム22aを起動した後、キー23aにより所望のテストを行うプログラムリストの名称を入力する。これにより、携帯端末2がプログラムリストの名称をサーバ1へ通知する(S01)。この場合、入力されたプログラムリストの名称を含むメッセージがテスト開始プログラム22aにより通信IF24を介してネットワーク3に送信され、サーバ1のテスト制御部4がネットワーク3からプログラムリストの名称を含むメッセージを受信する。
【0021】
次に、サーバ1が通知された名称のプログラムリストに記載されているテストプログラムの名称を携帯端末2に通知する(S02)。この場合、サーバ1のテスト制御部4がプログラムリストの名称を受信することにより、サーバ1のプログラムリスト格納部7に格納されてテストプログラムの名称をテストの実行順に記載した任意のプログラムリストからテストに用いるプログラムリストを特定してプログラムリスト格納部7から読み出し、記載されたテストプログラムの名称を順次携帯端末2に通知する。
【0022】
次に、携帯端末2が通知された名称のテストプログラムをサーバ1からダウンロードして実行し(S03)、テスト結果をサーバ1に通知する(S04)。この場合、携帯端末2のプログラムマネージャ11が通知されたテストプログラムの名称に基づいて当該テストプログラムのダウンロードをサーバ1に要求すると、サーバ1のテスト制御部4が要求されたテストプログラムをテストプログラム格納部8から読み出して携帯端末2へ送信する。携帯端末2では、プログラムマネージャ11が送信されたテストプログラムをプログラム実行環境12にダウンロードして実行させ、テスト結果をサーバ1に通知する。なお、プログラムマネージャ11は、ダウンロード要求前又はテスト結果通知後にプログラム実行環境12からテストプログラムを削除する。
【0023】
次に、サーバ1が通知されたテスト結果を格納し(S05)、プログラムリストに記載されたテストプログラムの名称をすべて通知したか確認する(S06)。この場合、テスト制御部4が通知されたテスト結果をテスト結果格納部9に格納した後、通知された名称のプログラムリストに名称未通知のテストプログラムがあるか否か確認する。名称未通知のテストプログラムがあるときはステップS02からステップS06を繰り返し、すべて通知済みとなったらテストを終了する。テストが終了したら、サーバ1がテスト結果を集計処理し、集計結果を保存する(S07)。この場合、サーバ1の集計処理部5がテスト結果格納部9からテスト結果を読み出し、テスト結果ごとに期待値と比較して正誤の件数を集計し、集計結果格納部10に格納する。
【0024】
以上、実施の形態について説明したが、本発明の携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法はこれに限られるものではない。例えば、サーバ1に集計処理部5と集計結果格納部10を設けて集計処理と処理結果の格納を行うようにしたが、これらがなくとも携帯端末におけるテストプログラムの自動実行が可能である。また、テスト結果をテキスト形式で出力するとともに、テスト項目の識別子を付加するようにしたが、テスト結果の出力形式はテキスト形式に限られるものではない。また、テスト項目の識別子がなくてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法によれば、連続して複数のテストプログラムを実行させるときに、実行するテストプログラムを手動で切り替えなくてもよいので、試験者の負担を減らすことができる。また、テスト結果にテストプログラムが実行するテスト項目を示す識別子を付加するので、テスト結果の集計が容易になる効果が得られる。また、テスト結果をテキスト形式で通知するので、表計算ソフトウェアなどの入力データとして用いることができ、整理や集計を効率化することが可能となる。
【0026】
また、通知されたテスト結果をサーバが集計処理し、集計結果を格納するので、試験者が自分で集計を行わずともよく、テストを効率的に行うことができる。さらに、集計処理において、あらかじめ用意したテスト結果の期待値と、通知されたテスト結果とを比較してテスト結果の正誤を判定するので、テスト結果を人手で確認する必要がなく、より効率的にテストを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】プログラム実行環境のテスト方法を示す説明図である。
【図3】テストプログラムが出力するテスト結果の構成例を示す説明図である。
【図4】実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…サーバ、2…携帯端末、3…ネットワーク、4…テスト制御部、5…集計処理部、7…プログラムリスト格納部、8…テストプログラム格納部、9…テスト結果格納部、10…集計結果格納部、11…プログラムマネージャ、12…プログラム実行環境、21…演算処理装置(CPU)、22…メモリ、22a…テスト開始プログラム、22b…マネージャプログラム、22c…ライブラリ関数、22d…アプリケーションプログラム格納領域、23…マンマシンインタフェース(M/MIF)、23a…キー、23b…表示器、24…通信インタフェース(通信IF)、25…バス。
Claims (5)
- プログラム実行環境をテストする複数のテストプログラムを用いた携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法であって、
サーバに格納されて前記テストプログラムの名称をテストの実行順に記載した任意のプログラムリストを前記携帯端末より通信ネットワークを介して特定するステップと、
特定された前記プログラムリストに記載されたテストプログラムの名称を前記サーバより順次前記携帯端末へ通知するステップと、
前記テストプログラムの名称が通知されるごとに前記携帯端末が通知されたテストプログラムの名称に基づいて前記サーバから前記通信ネットワークを介して当該テストプログラムをダウンロードし、前記プログラム実行環境で実行し、テスト結果を前記サーバへ通知するステップとを有する
ことを特徴とする携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法。 - 前記サーバへ通知するステップにおいて、
前記テスト結果に当該テストプログラムが実行するテスト項目を示す識別子を付加することを特徴とする請求項1記載の携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法。 - 前記サーバへ通知するステップにおいて、
前記テスト結果は、テキスト形式で通知することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法。 - 通知された前記テスト結果を前記サーバが集計処理し、集計結果を格納するステップをさらに有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法。
- 前記集計処理において、
あらかじめ用意した前記テスト結果の期待値と、通知された前記テスト結果とを比較して前記テスト結果の正誤を判定することを特徴とする請求項4記載の携帯端末におけるテストプログラムの自動実行方法。
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