JP4593326B2 - シュープレス用ベルト - Google Patents

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本発明は、シュープレス機構、例えば、抄紙用シュープレスに利用されるベルト、特に、クローズドタイプのシュープレスに利用されるベルトに関する。
製紙のプレス領域において原単位低下のためにシュープレスの使用が増加しており、その中でもクローズドタイプが設置スペースが小さくて済むこと、又、オイル飛散の弊害が少ないことから主流になりつつある。
前記クローズドタイプのシュープレスに使用されるベルトは、オープンタイプのシュープレスに使用されるベルトに比して抄紙工程中の抄速やニップ圧等の使用条件が過酷になるため、ユーザーからベルトの耐久性向上が強く求められている。
前記クローズドタイプのベルトを製造する技術の中で代表的な方法としてマンドレルを使用した製造技術がいくつか知られている。例えば、芯材に無端状の織物を使用した製造方法が、特許文献1,2に開示されている。また、芯材に無端状のメッシュを使用した製造方法が、特許文献3に開示されている。しかし、これらの製造方法は、ベルトのMD方向の寸法合わせが困難である欠点を有している。
また、織物を使用しない製造方法が、特許文献4、5に開示されている。これらの製造方法はマンドレルの軸方向に糸を一定間隔でしかも全周にわたって張るものであるが、マンドレルの軸方向とほぼ平行に、然も均一な張力の下に糸を弛み無く配置することは難しく、この糸の張り合わせに非常に時間を要するという欠点が内在していた。
また、未硬化樹脂を含浸させたマット状の繊維帯や織物をマンドレルにスパイラル状に巻き付け硬化させる製造方法が、特許文献6,7に開示されている。しかし、これらの製造方法はスパイラルの継ぎ目で剥離が発生し易いという欠点があった。
次に、従来のシュープレス用ベルトの一製造方法を図10に示す。2本のロールA、B間に無端織物(無端状に製織した織物)Cを張設し、織物Cの外面に塗布機Dによりシュー側層Eを含浸塗布して硬化させた後、無端織物CをロールA、B間より外して表裏を反転させ、当初内側だった面を外側にしてロールA、B間に掛け直し、織物の外面に湿紙側層Fを含浸塗布し、硬化させ全厚を調整後、凹溝Gを形成してベルト1を得ていた。
従って、上記従来法では、1)無端織物の一方の面にシュー側層Eを、他方の面に湿紙側層Fに含浸塗布するために反転させる必要があり、このときベルト内部に歪みが発生する。2)樹脂硬化時に無端織物の製織中に内在した歪みが解放されるため、ベルトの波打ちによる形態の不安定さが起こり得るといった欠点があった。
これに対し、最初に、マンドレルに樹脂層を形成し、その樹脂層の外周に基体を形成し、しかる後、基体を通して最初の樹脂層に接合させるようにさらに樹脂層を形成する製造方法が、特許文献8,9に開示されている。
この製造方法によれば、最初の樹脂層を形成した後、その樹脂層を研磨したり反転させたりする必要がなく、作業効率が飛躍的に改善でき、生産性が向上するという効果を奏するとされている。
特公平3−57236号公報 特開昭64−45888号公報 特許3213589号公報 特表平1−503315号公報 特開平8−209578号公報 特開平1−298292号公報 特表平5−505428号公報 特許3408416号公報 特開2000−303377号公報
しかし、特許文献8の製造方法で製造されたシュープレス用ベルトは、基体に織物片を用いることから、織布の経糸と緯糸とで形成される交差部において屈曲(以下、「経糸と緯糸による屈曲」という。)があるため、ベルト使用時に交差部への応力集中が大きく、樹脂層にクラックが生じることがあり、耐久性に問題があった。
また、特許文献9の製造方法の場合、特許文献4,5と同様、マンドレルの軸方向に糸を一定間隔でしかも全周にわたって張らなければならず、製造に非常に時間と手間を要するという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み、耐クラック性及び生産性に優れたシュープレス用ベルトを提供することを目的としている。
本発明は、シュープレス装置のプレスロールとシューの間に配置され、基体、湿紙側層、及びシュー側層からなるシュープレスベルトにおいて、
前記シュー側層が表面が磨かれたマンドレル上で形成されたものであり、前記基体が、経糸が緯糸で挟まれ、経糸と緯糸の交差部が接合されてなる格子状素材と、螺旋状に巻き込まれた糸巻層とからなることを特徴とするシュープレス用ベルトによって、前記の課題を解決した。
本発明によれば、経糸と緯糸の交差部が接合されてなり、経糸と緯糸による屈曲がない格子状素材を基体の構成要素として用いることで、ベルト使用時の樹脂層でのクラックの発生を防ぎ、耐久性を向上させることができる。
また、基体形成のために、糸をベルトのマンドレルの軸方向に張る必要がないだけでなく、経糸と緯糸の交差部が接合されているため、マンドレルに巻きつける際に織目のずれを修正する必要がないので、生産性が格段に向上する。
次に、本発明のシュープレスベルトの実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のシュープレスベルトの一部拡大断面図、図2(a)はシュー側層の形成過程を示すマンドレルの側面図、(b)は同斜視図、図3は本発明のシュープレスベルトを用いたシュープレス機構の斜視図、図4は基体に用いる格子状素材を説明するための一部平面図、図5はマンドレル表面に形成したシュー側層の外面に基体となる格子状素材を配置する過程を示す斜視図、図6は糸巻層を形成する過程を示す斜視図、図7は糸巻層形成後に接合する過程を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明のシュープレス用ベルト10は、シュー側層20と、シュー側層20の外周に形成された基体30と、基体30の外周に形成された湿紙側層60とからなり、シュー側層20が表面が磨かれたマンドレル上で形成され、基体30が経糸40Aと緯糸40Bの交差部が接合されてなる格子状素材40と、糸50Aを螺旋状に巻き込んでなる糸巻層50とからなることを特徴とする。
シュー側層20は、図2(b)に示すように、マンドレルMの磨かれた表面で形成される。この場合、マンドレルMの表面には予め剥離剤(図示せず。)を塗布するか、剥離シート(図示せず。)を貼着し、図2(a)に示すように、塗布機(ドクターバー又はコーターバー等)Tを用いて厚さ=0.5mm〜2.0mm程度に形成される。
本発明のシュープレスベルト10は、図3に示すように、シュープレス機構100のプレスロール102とシュー104との間に通されるため、本発明のシュープレスベルト10の最内層を構成するシュー側層20は、シュー104に強く接触した状態で常時滑走するので高い平滑性が要求される。この平滑性は前述のようにマンドレルMの磨かれた表面で確保されるから、平滑性を得るための後加工が不要となる。
なお、マンドレルMの表面を磨いているのは、本発明のシュープレスベルト10の最内層の平滑性の確保のみならず、出来上がった本発明のシュープレスベルトの離脱性を良好にする意図もあることは勿論である。また、マンドレルMには加熱装置(図示せず。)が付属し、シュー側層20を含む樹脂の硬化を促進できるようになっている。
次に、シュー側層20の外周に、経糸40Aと緯糸40Bの交差部が接合されてなる格子状素材40と、糸50AをマンドレルMに対して螺旋状に巻き込んでなる糸巻層50とにより、基体30を形成する。
格子状素材40は、特開2002−194855号公報に開示されているもの等が使用できる。特に、本発明においては、例えば、図4に示すような、経糸40Aよりも強度が高い緯糸40Bにより糸40Aが挟まれ、経糸40Aと緯糸40Bの交差部の接合が樹脂接着や熱溶融処理等により行われてなる格子状素材40を用いることができる。
基体30の形成方法の一例を、図1及び図5乃至図7に基づいて説明する。
シュー側層20形成後、最初に、複数枚物の格子状素材40を、経糸40Aよりも強度が高い緯糸40BがマンドレルMの軸方向Jに沿うようにシュー側層20の外周に1層配置する。この際、マンドレルMの両端に設置されている格子状素材40を牽引及び固定するための装置(図示せず。)を使用して、複数枚物の格子状素材40を其々均一な張力の下に牽引し固定することができる。
ここで、経糸40Aより強度の高い緯糸40BをマンドレルMの軸方向に沿わせたのは、本発明のシュープレスベルト10に幅方向(CMD方向)の強度と寸法安定性を付与するためである。
なお、ここでは格子状素材40が、経糸40Aとそれよりも強度が高い緯糸40Bとからなる格子状素材を説明してきたが、経糸40Aと緯糸40Bとが同等の強度からなる糸であって、然も格子状素材を構成する糸本数(メッシュ;本数/cm)において前記緯糸本数が前記経糸本数より2倍以上多い格子状素材を使用することができる。
また、ベルトの強度向上のために、複数枚物の格子状素材40をマンドレルMの軸方向に沿わせて、その幅方向の端部が重なり合うように配置することが好ましい。なお、このように幅方向の端部を重ね合わせても、格子状素材40は、織布と違って経糸と緯糸による屈曲がないので、ベルト使用時、樹脂層にクラックが生じることはない。
格子状素材40は、図4に示すような複数枚物でなく、1枚物で構成することも可能であるが、マンドレルMの両端に設置されている格子状素材40の牽引及び固定するための装置(図示せず。)を効果的に使用して、格子状素材40を均一な張力の下に牽引し固定するためには、複数枚物を使う方が好ましく然も格子状素材40を簡便に配置できる。
また、格子状素材40は、マンドレルMの軸方向に沿って配置するものに限るものではなく、例えば、シュー側層20に対して螺旋状に巻き込むように配置することもできる。この場合も、ベルトの強度向上のために、格子状素材40の幅方向の端部同士が重なり合うように配置することが好ましい。
次に、格子状素材40の外周に、糸50Aを螺旋状に巻き込んでなる糸巻層50を形成する。この糸巻層50は、図6に示すように、糸50Aを保有する糸供給装置(図示せず。)に組込まれたボビンBoから引き出された糸を、マンドレルMを回転させながら基体30の周囲に全域にわたって螺旋状に糸50Aを巻き込んで行く。このとき、ボビンBoを複数用いて複数条に巻いて行く場合もある。
糸供給装置は、糸50Aを螺旋状に巻込んでなる糸巻層50を形成しながら、それに連動してマンドレルMの軸方向に沿って移動するための移動装置をも具備している。
この糸巻層50は、本発明のシュープレスベルト10にMD方向の強度を付与するのに効果がある。
糸巻層50形成後、図7に示すように、マンドレルMを回転させながら、格子状素材40と糸巻層50の隙間を塞ぐ程度に上から樹脂を塗布し、基体30を一体化する。これにより、基体30が完成する。
このときの樹脂は、格子状素材40と糸巻層50の隙間に浸透しやすい粘度となる温度に加熱されていることが好ましい。
これまで、シュープレスベルトの基体30の成形は、シュー側層20の外周に格子状素材40を1層配置し、その外周に糸巻層50を形成するものとして説明してきたが、格子状素材40と糸巻層50の配置形態はこれに限るものではない。
例えば、(1)先に糸巻層50を形成し、次に格子状素材40を配置したり、(2)格子状素材40を複数層配置したり、(3)先に糸巻層50を形成し、次に格子状素材40を配置した後、さらに、糸巻層50を形成したり、(4)先に格子状素材40を配置し、次に糸巻層50を形成した後、さらに、格子状素材40を配置して糸巻層50を形成すること等、様々な形態が可能である。
なお、格子状素材40を複数層配置する場合、或る層の幅方向の端部の重なり部分が、他の層の幅方向の端部の重なり部分と重ならないように配置することが好ましい。
さらにその後、前記糸巻層50の外周に無端状の湿紙側層60を形成する。湿紙側層60を形成する樹脂は、格子状素材40と糸巻層50とからなる基体30を通過して含浸し、シュー側層20の外面と接合して一体化する。シュー側層20と湿紙側層60との接合面は、通常、自然に、互いに接合一体化するが、必要に応じて、プライマや接着剤を用いて一体化の程度を向上させてもよい。
前記シュー側層20及び湿紙側層60に使用される樹脂は、ゴム、エラストマーの中から選択できるが、好ましくはポリウレタン樹脂が使用される。ポリウレタン樹脂としては、その物性面からすると熱硬化性ウレタン樹脂が好ましく、硬度80〜98°(JIS−A)の範囲で選択するとよい。勿論、シュー側層20と湿紙側層60との硬度は同じでも異なっていてもよい。
前記基体30として使用する格子状素材40に用いた緯糸40Bは、前述のように、本発明のシュープレスベルト10に幅方向(CMD方向)の強度を付与するために、図4に示すような、比較的太く剛直な糸、例えば、500〜10000デシテックス相当のモノフィラメント糸やマルチフィラメント糸又はこれらの撚糸を用い、これに交差する糸は緯糸40Bの間隔がずれないように支持できれば足りる。
前記格子状素材40に用いる緯糸40Bの素材は、ベルト使用時の耐久性や寸法安定性のみならず、マンドレルから本発明のシュープレスベルト10を離脱させる際の牽引力に対する耐久性や離脱を容易にするために、ナイロン、PET、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、高強度ポリエチレン等の高いモジュラス、高弾性率の合成繊維がよい。そして、前記格子状素材40の緯糸40Bが形成する格子の強度が50〜250kg/cm、1%モジュラスが5〜40kg/cmの範囲にあることが好ましい。また、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維を使用することも可能である。
前記格子状素材40を、前記シュー側層20の外周に配置するに際し、シュー側層20の硬化前(未だ可膠性を保持する間)に、前記マンドレルMを少しずつ回転させ、緯糸40BがマンドレルMの軸方向に沿うようにして配置する。このとき、マンドレルMの両端に設置されている格子状素材40を牽引及び固定するための装置(図示せず。)を使用する。それにより複数枚物の格子状素材40は、個々に掴み部材にて掴まれ、均一な張力の下に牽引されつつ固定される。
上記場合、格子状素材40が1枚物のときは、その寸法をシュー側層20の円周寸法に対して100%以上に調整して1周り廻して幅方向端部が重なり合うように被せる。また、格子状素材40が複数枚物のときは、互いの幅方向の端部が重なり合うように注意することが肝要である。
なお、「端部が重なり合う」というのは、文字通り、上下に重なり合う場合だけでなく、隣合う格子状素材から対向して突出している糸同士が、当該糸を、格子状素材がなす面に沿って直角方向に見たとき重なり合っている場合も含むものとする。
前記糸巻層50に用いる糸50Aの素材は、前記格子状素材40の緯糸40Bと同様にナイロン、PET、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、高強度ポリエチレン等の高強力、高モジュラス、高弾性率の合成繊維からなるモノフィラメント糸やマルチフィラメント糸又はこれらの撚糸が用いられる。
前記糸50AはナイロンやPETのマルチフィラメント(7000dtex)では10本〜50本/5cmで巻き込み、また、芳香族ポリアミドからなるマルチフィラメント(3000dtex)では10本〜30本/5cmで巻き込んで、最終製品の強度が100〜300kg/cmになるように製造することが望ましい。
前記湿紙側層60の形成は、糸50Aを巻き込んで糸巻層50を形成させた後でもよいが、糸50Aの巻き込みと並行して進めることもできる。この湿紙側層60を形成後、マンドレルMに付属している加熱装置によって樹脂を加熱硬化させ、さらに本発明のシュープレスベルト10の目標の厚みに表面を研磨し、必要に応じて表面に凹溝(盲孔でもよい。)70の仕上げ加工を行い、本発明のシュープレスベルト10を得る。
しかる後、前記マンドレルMから本発明のシュープレスベルト10を離脱させる。この離脱は、前述のように、マンドレルM表面に予め剥離材や剥離シートを使用しておき、図8に示すように、ベルト10の一方の端部をマンドレルMより径の大きなリングRに連結し、エア圧、水圧、油圧、又は樹脂の膨張収縮を利用して、リングRをマンドレルMから離すことで、簡易に行われる。
従来、このシュープレスベルト成形後の離脱はマンドレルMとほぼ同一径のリングを使用していたがスムーズに離脱できなかった。それはマンドレルMの周端部でのシュープレスベルトとの摩擦が非常に強いことが考慮されていなかったためで、本発明においては、ベルト10の一方の端部をマンドレルMより径の大きなリングRに固定し、リングRをマンドレルMから離すことで、離脱を簡易に行うことが可能になった。
上記構成による本発明のシュープレスベルトについて、具体的に以下に示す工程により実施例1乃至10及び比較例1を作製した。
(実施例1)
工程1:適宜駆動手段により回転可能な直径1500mmのマンドレルの磨かれた表面に剥離剤(KS−61:信越化学工業製)を塗布した。次に、マンドレルを回転させながら、マンドレル表面に熱硬化性ウレタン樹脂(TDI系プレポリマー(タケネートL2395[武田製薬製])とDMTDAを含有する硬化剤(ETHACURE300[アルベマール社製])とを、H/NCO当量比が0.97となるように混合したもの)をドクターバーを用いて1mm厚みに塗布し、マンドレルを回転させたまま室温で10分間放置し、さらに、マンドレルに付属している加熱装置によって樹脂を70℃で30分間加熱し硬化させた。なお、ETHACURE300は、3,5−ジメチルチオ2,4−トルンジアミンと、3,5−ジメチルチオ2,6−トルンジアミンとの混合物である。
工程2:PET繊維の5000dtexのマルチフィラメント糸の撚糸を経糸及び緯糸として、経糸が緯糸で挟まれ、緯糸と経糸の交差部がウレタン系樹脂接着により接合されてなる格子状素材(緯糸密度は表1に記載。経糸密度は全実施例共通で1本/cmとした。)を用意した。複数枚物の格子状素材を、緯糸がマンドレルの軸方向に沿い、幅方向の端部が重なり合うように、シュー側層の外周に1層配置した。そして、この格子状素材の外周に、PET繊維の7000dtexのマルチフィラメント糸を螺旋状に表1に記載したピッチで巻き付けて、糸巻層を形成した。その後、格子状素材と糸巻層の隙間を塞ぐ程度に樹脂を塗り一体化して、基体を形成した。
工程3:糸巻層の上から、前記シュー側層に用いた樹脂と同じ熱硬化性ウレタン樹脂を、5.5mm厚に含浸コートし、100℃で5時間加熱硬化させた後、湿紙側層の表面を研磨して全厚が5.0mm厚になるようにしてから、回転刃でベルトのMD方向に凹溝を形成して本発明のシュープレスベルトを得た。
(実施例2)
工程2において、シュー側層の外周に、糸巻層を形成した後、その外周に、緯糸がマンドレルの軸方向に沿い、幅方向の端部が重なり合うように複数枚物の格子状素材を1層配置し、基体を形成した。
(実施例3)
工程2において、シュー側層の外周に、緯糸がマンドレルの軸方向に沿い、一方の層の幅方向の端部の重なり部分が、他の層の幅方向の端部の重なり部分と重ならないように幅方向の端部を重ね合わせ、複数枚物の格子状素材を2層配置した後、その外周に、糸巻層を形成し、基体を形成した。
(実施例4)
工程2において、シュー側層の外周に、糸巻層を形成した後、その外周に、緯糸がマンドレルの軸方向に沿い、一方の層の幅方向の端部の重なり部分が、他の層の幅方向の端部の重なり部分と重ならないように幅方向の端部を重ね合わせ、複数枚物の格子状素材を2層配置し、基体を形成した。
(実施例5)
工程2において、シュー側層の外周に、螺旋状に巻き込み、幅方向の端部が重なり合うように1枚物の格子状素材1層配置した後、その外周に、糸巻層を形成し、基体を形成した。
(実施例6)
工程2において、シュー側層の外周に、糸巻層を形成した後、その外周に、螺旋状に巻き込み、幅方向の端部が重なり合うように1枚物の格子状素材を1層配置し、基体を形成した。
(実施例7)
工程2において、シュー側層の外周に、螺旋状に巻き込み、幅方向の端部が重なり合うように1枚物の格子状素材を1層配置し、さらに逆向きに、螺旋状に巻き込み、幅方向の端部が重なり合うように格子状素材をもう1層配置し、その外周に、糸巻層を形成し、基体を形成した。
(実施例8)
工程2において、シュー側層の外周に、糸巻層を形成した後、その外周に、螺旋状に巻き込み、幅方向の端部が重なり合うように1枚物の格子状素材を1層配置し、さらに逆向きに、螺旋状に巻き込み、幅方向の端部が重なり合うように格子状素材をもう1層配置し、基体を形成した。
(実施例9)
工程2において、シュー側層の外周に、糸巻層を形成した後、その外周に、緯糸がマンドレルの軸方向に沿い、幅方向の端部が重なり合うように複数枚物の格子状素材を1層配置し、さらにその外周に糸巻層を形成し、基体を形成した。
(実施例10)
工程2において、シュー側層の外周に、緯糸がマンドレルの軸方向に沿い、幅方向の端部が重なり合うように格子状素材を1周配置した後、その外周に、糸巻層を形成し、さらにその外周に、緯糸がマンドレルの軸方向に沿い、下の格子状素材の幅方向の端部の重なり部分と重ならないように幅方向の端部を重ね合わせ、格子状素材を1周配置し、さらにその外周に糸巻層を形成し、基体を形成した。
(比較例1)
図10に示すように、二本のロールA、B間に無端織物Cを掛けわたし、織物Cの表面に、塗布機Dにより実施例1と同じ熱硬化性ウレタン樹脂を含浸塗布して加熱硬化させた。その樹脂の外周を研磨してシュー側層Eを形成した。
次いで、シュー側層Eが内側、無端織物が外側となるように反転させ、その織物の外周にシュー側層に用いた樹脂と同じ熱硬化性ウレタン樹脂を含浸塗布して100℃で5時間加熱硬化させて湿紙側層Fを形成し、湿紙側層Fを研磨して全厚を5.0mm厚にしてから、回転刃でベルトのMD方向に凹溝Gを形成して比較例1を得た。
上記実施例1乃至10と比較例1について、切断強度、耐クラック性等の物性を調べた。
耐クラック性を調べるために使用した装置を、図9に示す。この装置は、実験片13の両端が、クランプハンドCH、CHにより挟持され、クランプハンドCH、CHが、連動して左右方向に往復移動可能に構成されている。実験片13における評価面は、回転ロールRR1側に向けられており、プレスシューPSが回転ロールRR1方向に移動することにより、実験片13は加圧される。この装置により、クラックが生じるまでの往復回数を測定し、シュープレスベルトの耐クラック性を調べた。
なお、この際、実験片13に掛けられる張力は3kg/cm、圧力は36kg/cm2、往復速度は40cm/秒である。
実施例1乃至10と比較例1の切断強度、耐クラック性等の物性を表1に示す。
Figure 0004593326
表1より本発明の実施例は、特に、耐クラック性が比較例に比して優れていることが分かる。
このように、実施例が耐クラック性に優れているのは、比較例の基体は経糸と緯糸による屈曲がある織布からなるため、ベルト使用時における交差部への応力集中によりクラックが発生しやすいのに対し、実施例は、経糸と緯糸の交差部が接合されてなり、経糸と緯糸による屈曲がない格子状素材を基体の構成要素に用いているので、ベルト使用時の樹脂層でのクラックが発生しにくいためと理解される。
以上説明したように、本発明によれば、経糸と緯糸の交差部が接合されてなり、経糸と緯糸による屈曲がない格子状素材を基体の構成要素に用いることにより、ベルト使用時の樹脂層でのクラックの発生を防ぎ、耐久性を向上させることができる。
また、基体形成のために、糸をマンドレルの軸方向に張る必要がないだけでなく、経糸と緯糸の交差部が接合されているため、マンドレルに巻きつける際に織目のずれを修正する必要がないので、生産性が格段に向上するという効果を奏する。
本発明のシュープレスベルトの一部拡大断面図。 (a)はシュー側層の形成過程を示すマンドレルの断面図、(b)は同斜視図。 本発明のシュープレスベルトを用いたシュープレス機構の斜視図。 基体に用いる格子状素材を説明するための一部平面図。 マンドレル表面に形成したシュー側層の外面に基体となる複数枚物の格子状素材を配置する過程を示す斜視図。 糸巻層を形成する過程を示す斜視図。 糸巻層形成後に接合する過程を示す斜視図。 シュープレスベルト成形後の離脱の過程を示す側面図。 耐クラック性を調べるために使用した装置の概要図。 (a)は従来のシュープレス用ベルトの製造過程を示す断面図、(b)は従来方法で得たシュープレス用ベルトの部分断面図。
符号の説明
10:シュープレスベルト
20:シュー側層
30:基体
40:格子状素材
40A:経糸
40B:緯糸
50:糸巻層
50A:糸
60:湿紙側層
M:マンドレル

Claims (5)

  1. シュープレス装置のプレスロールとシューの間に配置され、基体、湿紙側層、及びシュー側層からなるシュープレスベルトにおいて、
    前記シュー側層が表面が磨かれたマンドレル上で形成されたものであり、前記基体が、経糸が緯糸で挟まれ、経糸と緯糸の交差部が接合されてなる格子状素材と、螺旋状に巻き込まれた糸巻層とからなることを特徴とする、
    シュープレス用ベルト。
  2. 前記緯糸と前記経糸の交差部が樹脂接着又は熱溶融処理により接合されている、請求項1のシュープレス用ベルト。
  3. 前記格子状素材の前記緯糸が前記経糸より強度が高く、及び/又は前記格子状素材の前記緯糸本数が前記経糸本数より2倍以上多く構成され、前記緯糸が前記マンドレルの軸方向に沿うように前記格子状素材が配置されている、請求項1又は2のシュープレス用ベルト。
  4. 前記格子状素材が前記マンドレルに対して螺旋状に巻き込むように配置されている、請求項1又は2のシュープレス用ベルト。
  5. 前記格子状素材が幅方向の端部が互いに重なり合うように配置されている、請求項1から4のいずれかのシュープレス用ベルト。
JP2005076216A 2004-03-26 2005-03-17 シュープレス用ベルト Active JP4593326B2 (ja)

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