JP4593272B2 - ジエンエラストマーと補強用窒化ケイ素をベースとするゴム組成物 - Google Patents

ジエンエラストマーと補強用窒化ケイ素をベースとするゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ類またはタイヤ用の半製品、とりわけこれらタイヤ用のトレッド類の製造において使用し得るジエンゴム組成物、並びにそのようなゴム組成物を補強し得る補強用充填剤に関する。
燃費および自動車が発出する汚染を軽減するために、以下の全てを有するタイヤ類を得んとする多くの試みがタイヤデザイナー等によってなされている:極めて低い転がり抵抗性、乾燥地面および湿潤または積雪地面の双方上での改良された接地性、並びに極めて良好な耐摩耗性。
転がり抵抗性を低減させ且つタイヤの接地性を改善ための多くの解決法が提案されているが、これらの解決法は、耐摩耗性の極めて大きな低下を一般にもたらしている。とりわけ、例えば、通常のシリカまたはアルミナ類、チョーク、タルク、ベントナイトまたはカオリンのようなクレー類のような通常の白色充填剤のタイヤ類、とりわけトレッド類の製造において使用するゴム組成物中への混入は、転がり抵抗性の低減および湿潤、積雪または氷結地面に対する接地性の改善をもたらしているものの、これらの混入もまた、これらの通常の白色充填剤がそのようなゴム組成物に対する十分な補強能力を有していないという事実と相俟って、耐摩耗性の許容し得ない低下をもたらすことは周知である。この理由により、これらの白色充填剤は、非補強性充填剤と一般に称され、不活性充填剤とも称されている。
この問題の1つの有効な解決法は、とりわけ特許出願EP-A-0 501 227号、EP-A-0 735 088号またはWO99/02602号に記載されており、これらの特許出願は、有意に改良された転がり抵抗性を有するトレッド類の製造を他の特性、とりわけグリップ性、耐久性、とりわけ耐摩耗性に悪影響を及ぼすことなく可能にする高分散性を有する沈降シリカ類(“高分散性シリカ”としてのいわゆる“HD”シリカ類)で補強したジエンゴム組成物を開示している。そのような相反する諸特性の妥協点を有する他の組成物は、出願EP-A-0 810 258号およびWO99/02602号にも記載されており、補強用白色充填剤としての高分散性を有する特定のアルミナ質充填剤による。
しかしながら、これら特定の白色充填剤を含有するゴム組成物は、これらの白色充填剤が高分散性タイプのものであっても、これら白色充填剤粒子が、相互に引付け合うために、エラストマーマトリックス内で一緒に凝集するという刺激的な性向を有するからことから、カーボンブラックを通常に充填したゴム組成物よりも加工(“加工性”)が困難である。これらの相互作用は、さらにまた、未硬化状態のゴム組成物のコンシステンシーを増大させる傾向を有し、従って、カーボンブラックの存在におけるよりも加工するのを困難にしている;また、これらの相互作用は、無機充填剤の分散性、従って、補強特性を、熱機械的混合操作中に生じ得る(白色充填剤/エラストマー)結合のすべてが実際に得られたと想定した場合の理論的に達成できたであろうレベルよりも実質的に低いレベルに制約するという結果を有する。
さらにまた、これらのシリカ質またはアルミナ質タイプの無機充填剤は、カーボンブラックを充填した通常の組成物と比較して、エラストマー組成物の加硫速度を有意に阻害するという既知の欠点も有する。とりわけ、シリカ類の場合、結果としての長硬化時間がシリカ類を含有するゴム物品の加工のようなエラストマー組成物の工業的加工に悪影響を及ぼし得ることが知られている。
今回、本出願人等は、研究中に、ゴム組成物中で真の補強用充填剤としても使用することのできる、即ち、タイヤ類用として通常のカーボンブラックに置換り得る上述の充填剤以外の特定の無機充填剤が存在することを見出した。予期に反して、これら特定の無機充填剤は、カーボンブラックにおいて利用し得るのと同様な、これら充填剤を含有するゴム組成物に優れた加工能力のみならず極めて高い分散性の双方を提供する。
従って、本発明の第1の主題は、少なくとも(i) 1種のジエンエラストマー、少なくとも(ii) 1種の補強用無機充填剤、少なくとも(iii) 1種のこれら補強用充填剤とエラストマー間の結合を与えるカップリング剤をベースとするゴム組成物に関し、上記無機充填剤が、下記の特性を有する窒化ケイ素(以下、“補強用窒化ケイ素”と称する)を含むことを特徴とする:
(a) 20〜200 m2/gのBET比表面積;
(b) 10〜350 nmの平均粒度(質量による)、(dw)。
伝統的には、窒化ケイ素類が積雪または氷結地面上でのグリップ性を改良するためにタイヤのトレッド類において本質的に使用されていることは知られている(例えば、JP-A-1985/258235号、JP-A-1987/198503号、JP-A-1990/135241号を参照されたい)。これらの文献においては、粗い粒度および極めて高い硬度について選択された窒化ケイ素粒子は、補強ではなく雪または氷上での周知の“かみ合い(claw)”作用によるグリップ性の改良機能を有する。また、窒化ケイ素類は、各種タイプの材料、とりわけ、JP-A-1986/040114号に記載されているようなタイヤの硬化用金型の膜の熱伝導性を改良するのにも使用されている。この場合、窒化ケイ素粒子の粒度はあまりにも粗い。また、これらの通常の窒化ケイ素類はカーボンブラックおよび/またはシリカのような真の補強用充填剤をも含有するゴム組成物に常に添加されていることにも留意すべきである。
また、本発明の主題は、少なくとも1種のジエンエラストマー中に、少なくとも1種の補強用無機充填剤と少なくとも1種のこれら補強用無機充填剤とエラストマー間の結合を付与するカップリング剤を混入する、タイヤ製造において有用なゴム組成物を取得する方法でもあり、該方法は、上記無機充填剤が、下記の特性:
(a) 20〜200 m2/gのBET比表面積;
(b) 10〜350 nmの平均粒度(質量による)、dw
を有する窒化ケイ素を含み、且つ混合物全体を1以上の工程で110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することを特徴とする。
本発明のもう1つの主題は、最終物品または半製品の製造における本発明に従う組成物の使用、さらにまた本発明に従うゴム組成物を含むこれら最終物品および半製品自体でもあり、これらの物品または製品は、タイヤ類、タイヤ用の内部安全支持体、車輪、ゴムスプリング、弾性連接体並びに他の懸垂および振動防止素子のような自動車用の任意の接地系を意図する。
本発明の正に特定の主題は、タイヤ類またはそのようなタイヤ類用のゴム半製品の製造における本発明に従う組成物の使用であり、上記の半製品は、とりわけ、トレッド類、例えばこれらトレッドの下に置くための下地層、クラウン補強プライ類、側壁類、カーカス補強プライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類およびチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類からなる群から選ばれる。
本発明の1つの特定の主題は、本発明に従うエラストマー組成物を含み、且つ乗用車類;4×4車両類(4駆動輪を有する);SUV(“スポーツ・ユーティリティー・ビークル”)類;2輪車両類(とりわけ、自転車またはモーターサイクル);バン類、“重量車両類”(即ち、地下鉄列車、バス、道路輸送機械類(トラック、トラクター、トレーラー)、道路外車両類、農業機械または建設機械、航空機および他の輸送または操作用車両)から選ばれた産業用車両に装着することを意図するタイヤ類である。
本発明は、とりわけタイヤ類用のトレッドに関し、これらのトレッドは、新品タイヤの製造においてあるいは磨耗タイヤの再トレッド形成において使用できる;本発明の組成物故に、これらのトレッド類は、次の特性すべてを有する:低転がり抵抗性、極めて良好なグリップ性および高耐摩耗性。
本発明のもう1つの主題は、上述したような補強用窒化ケイ素のジエンゴム組成物中での補強用充填剤としての使用である。
最後に、本発明のもう1つの主題は、上記で定義したような補強用窒化ケイ素を未硬化状態のジエンゴム組成物中に熱機械的混練によって混入することを特徴とするジエンゴム組成物の補強方法である。
本発明およびその利点は、下記の説明および実施例、並びにこれらの実施例に関連する図1および2に照らして容易に理解されるであろう。
I. 使用する測定法および試験
I-1. 補強用充填剤の特性決定
以下で説明する充填剤類は、公知のとおり、外力の作用下に、例えば、機械加工または超音波の作用下に粒子として離散し得る粒子の凝集物からなる。本出願において使用する用語“粒子”は、“凝結体”(“二次粒子”とも称する)のその通常の包括的意味で理解すべきであり、該当する場合、この凝結体の1部を構成し得る潜在的な元素状粒子(“一次粒子”とも称する)の意味ではない;“凝結体”とは、公知のとおり、上記充填剤の合成中に生成する、一緒に凝結する元素状(一次)粒子から一般に形成された非開裂性単位(即ち、切断または分割し得ない)を意味するものと理解すべきである。
これらの充填剤類は、下記のようにして特性決定する。
a) BET比表面積
BET比表面積は、“The Journal of the American Chemical Society” Vol. 60, page 309, February 1938に記載されているBrunauer-Emmett-Tellerの方法を使用する、さらに正確には、1996年12月のフランス規格NF ISO 9277 [多点容積法(5点);ガス:窒素、脱ガス:160℃で1時間、相対圧力p/po範囲:0.05〜0.17]に従うガス吸着によって測定する。
b) 平均粒度d w
粒子の平均粒度(質量による)、dwは、脱塩水中での分析すべき充填剤の超音波分散後に通常測定する。
測定は、シリカ粒子の特性決定においてとりわけ使用される公知の装置であるBrookhaven Instruments社から市販されているX線検出遠心沈降速度計タイプの“XDC”(“X-Ray Disk Centrifuge Sedimentometer”)を使用して実施する。
操作方法は、次のとおりである。40 mlの水中の分析すべき充填剤サンプル1〜4 g(例えば、1.7 gが適切である)の懸濁液を、1500ワット超音波プローブ(Bioblock社から標章M75450として市販されているVibracell 1.905 cm(3/4インチ)超音波発生器)の60%出力(“出力制御(output control)”の最高位置の60%)での8分間の活動により調製する。超音波発生中の加熱を制限するために、懸濁液は、好ましくは、冷水浴(例えば、5〜10℃の)中に置く。超音波発生後、15 mlの上記懸濁液を回転ディスク中に導入し;120分間の沈降後に、粒度の質量分布(mass distribution)および粒子の質量による平均粒度dwを“XDC”沈降速度計のソフトウェアによって公知の方法で算出する(dw = Σ(ni di 5) / Σ(ni di 4)、式中、ni = 直径diの粒度群内の対象物の数である)。
c) 離散速度α
離散速度(α)は、いわゆる“超音波離散試験”において、600 W (ワット)プローブの15%出力で、ここでは、測定中の超音波プローブの加熱を回避するためにパルスモード(即ち、1秒オン、1秒オフ)で操作して測定する。既知の原理のこの試験は、とりわけ特許出願WO99/28376号の主題であり、超音波発生中の粒子凝集物の平均粒度(容積による)の変化を連続的に測定するのを可能にする(WO99/28376号、WO99/28380号、WO99/28391号参照)。観察する対象物の極めて小さい粒度を考慮して、操作方法は、本発明の場合、Mieの方法を使用することによって適応させた。
使用する装備は、レーザー粒度計(Malvern Instruments社から市販されているタイプ“Mastersizer S”;He-Neレッドレーザー源、波長 632.8 nm)とその準備装置(“Malvern Small Sample Unit MSX1”)とから構成され、その間に、超音波プローブ(Bioblock社から標章M72412として市販されている600ワット1.27 cm(1/2インチ)超音波発生器タイプVibracell)を備えた連続流動処理セル(Bioblock M72410)が挿入されている。
100 mg量の分析すべき充填剤を30 mlの水中に導入する。得られた懸濁液を上記準備装置に130 mlの水と一緒に導入し、循環速度をその最高値にセットする(およそ3リットル/分)。少なくとも3回の連続測定を行い、既知のMie演算法[複素屈折率(例えば、窒化ケイ素においてはn* = 2.02 + 0.1i)によって確立させた演算行列Malvern 3RHD]に従い、凝集物の初期平均直径(容積による)、dv[0]を測定する。その後、超音波発生を、15%の出力(即ち、“チップ振幅”の最高位置の15%)において、1秒間の超音波発生(セッティング“オン”)、その後の超音波発生なしの3秒間(セッティング“オフ”)の順序連続を特徴とするパルスモードでセットする。時間“t”の関数としての容積による平均直径dv[t]の変化を、およそ10秒毎の測定により約9分間モニターする。誘導期間(約3分)後、容積による平均直径の逆数1/dv[t]が、時間“t”の経過につれ、直線状または実質的に直線状に変化するのを記録した(安定離散条件)。離散速度αは、安定離散条件(一般に、約3〜9分)の領域内の時間“t”の関数としての1/dv[t]の展開曲線の回帰直線によって算定する。離散速度αは、μm-1/分で表す。
I-2. ゴム組成物の特性決定
ゴム組成物は、以下に示すようにして、硬化の前後において特性決定する。
a) 引張試験
これらの試験は、弾性応力および破壊時諸特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフランス規格 NF T 46-002に従って行う。10%伸び(M10と記したモジュラス)、100%伸び(M100と記したモジュラス)および250%伸び(M250と記したモジュラス)においてMPaで表す真の割線モジュラス(即ち、試験片の真の断面に縮小して算出した)を、1回目の伸びで測定する(即ち、調節サイクルなしで;その後、モジュラスを“M”で記録する)。
破壊応力(MPaでの)と破壊時伸び(%での)も測定する。これらの引張測定は、すべて、フランス規格 NF T40-101 (1979年12月)に従う規定の温度(23±2℃)および湿度(50±5%相対湿度)条件下において実施する。
記録した引張データを処理することにより、伸びの関数としてのモジュラス曲線をトレースすることも可能であり(図2参照)、ここで使用するモジュラスは、1回目の伸びで測定した真の割線モジュラス(モジュラス“M”)である。
b) “結合ゴム試験”
いわゆる“結合ゴム”試験は、未加硫組成物において、補強用充填剤と緊密に結合しているエラストマーの割合(このエラストマーの割合は、通常の有機溶媒に不溶性である)を測定するのを可能にする。混合中に補強用充填剤と結合したゴムのこの不溶性割合を認識することは、ゴム組成物中での充填剤の補強活性の定量的指標を提供する。そのような方法は、例えば、カーボンブラックに結合させたエラストマー量の測定に適用されるフランス規格 NF T 45-114 (1989年6月)に記載されている。
この試験は、補強用充填剤によって付与される補強品質を特性決定するのに当業者にとって周知であり、例えば、以下の文献に記載されている:Plastics, Rubber and Composites Processing and Applications, Vol.25, No. 7, p. 327 (1996);Rubber Chemistry and Technology, Vol. 69, p. 325 (1996)。
本発明の場合、トルエンによって抽出できないエラストマー量を、この溶媒中(例えば、80〜100 cm3のトルエン中)でゴム組成物サンプル(典型的には、300〜350 mg)を15日間膨潤させ、次いで、このようにして処理したゴム組成物のサンプルを秤量する前の真空中で100℃で24時間の乾燥工程後に、測定する。好ましくは、上記の膨潤工程は周囲温度(約20℃)で実施し、光から保護し、溶媒(トルエン)を、例えば、最初の5日間の膨潤後に1度交換する。“結合ゴム”量(質量%)は、ゴム組成物の初期質量と最終質量の差異により、ゴム組成物中に当初から存在しているエラストマー以外の本質的に不溶性の成分割合を考慮し計算から除外した後に、公知の方法で算出する。
II. 本発明を実施する条件
本発明に従うゴム組成物は、以下の構成成分、即ち、(i) (少なくとも)1種のジエンエラストマー、(ii) (少なくとも)1種の補強用無機充填剤および(iii) (少なくとも)1種の上記無機充填剤とジエンエラストマー間の結合を与えるカップリング剤をベースとし、上記無機充填剤が、以下に詳述するような補強用窒化ケイ素を含む。
勿論、“ベースとする組成物”なる表現は、使用する上記各ベース成分の混合物および/または現場反応生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、これらベース成分の幾つかは、上記組成物製造の種々の段階またはその後の硬化中に、少なくとも部分的に一緒に反応し得るか或いは反応するように意図される。
II-1 ジエンエラストマー
“ジエン”エラストマーまたはゴムは、公知のとおり、ジエンモノマー類(共役型あるいはそうでないにしろ、2個の炭素-炭素二重結合を担持するモノマー類)に少なくとも1部由来するエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解されたい。
一般に、“本質的に不飽和”のジエンエラストマーは、本明細書においては、共役ジエンモノマー類に少なくとも1部由来し、15%(モル%)よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の1員または単位の含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
従って、例えば、ブチルゴムまたはEPDMタイプのジエン類とアルファ-オレフィン類とのコポリマー類のようなジエンエラストマーは、上述の定義に属さず、詳細には、“本質的に飽和”のジエンエラストマー類(常に15%未満である低いまたは極めて低いジエン起原単位含有量)として説明し得る。
“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和”ジエンエラストマーは、とりわけ、50%よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
上記の一般的定義を考慮すると、下記のものが、とりわけ、本発明に従う組成物中で使用し得るジエンエラストマーを意味するものと理解されたい:
(a) 4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られた任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエン類相互或いは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c) 例えば、エチレン、プロピレンと上述のタイプの、とりわけ1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのような上述のタイプの非共役ジエンモノマーとから得られるエラストマーのような、エチレン、3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィンおよび6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる任意の3成分コポリマー;
(d) イソブテンとイソプレンの任意のコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、とりわけ塩素化または臭素化形。
本発明は任意のタイプのジエンエラストマーに適応するけれども、タイヤ技術における熟練者であれば、とりわけ上記ゴム組成物をタイヤトレッド用として意図する場合、本発明を真っ先に本質的に不飽和のジエンエラストマー類、とりわけ上述のタイプ(a)または(b)のエラストマーにおいて使用するものであることを理解し得るであろう。
適切な共役ジエン類は、とりわけ、1,3-ブタジエン;2-メチル-1,3-ブタジエン;例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエンのような2,3-ジ(C1〜C5アルキル)-1,3-ブタジエン類;アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンおよび2,4-ヘキサジエンである。
適切なビニル芳香族化合物は、例えば、スチレン;オルソ-、メタ-およびパラ-メチルスチレン;市販混合物の“ビニルトルエン”;パラ-tert.-ブチルスチレン;メトキシスチレン類;クロロスチレン類;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンおよびビニルナフタレンである。
上記のコポリマー類は、99〜20質量%のジエン単位と1〜80質量%のビニル芳香族単位を含有し得る。これらのエラストマーは、使用する重合条件の、とりわけ、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量の関数である任意のミクロ構造を有し得る。これらのエラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得、分散液または溶液中で調製し得る;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型化剤(starring agent)或いは官能化剤によってカップリング化および/または星型化或いは官能化し得る。
好ましいのは、ポリブタジエン類、とりわけ、4%〜80%の1,2-単位含有量を有するポリブタジエン類または80%よりも多いシス-1,4含有量を有するポリブタジエン類;ポリイソプレン類;ブタジエン/スチレンコポリマー類、とりわけ、5質量%〜50質量%とりわけ20質量%〜40質量%のスチレン含有量、4%〜65%のブタジエン成分1,2-結合含有量および20%〜80%のトランス-1,4結合含有量を有するコポリマー類;ブタジエン/イソプレンコポリマー類、とりわけ、5質量%〜90質量%のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のガラス転移温度(ASTM規格 D3418-82に従って測定した“Tg”)を有するコポリマー類;イソプレン/スチレンコポリマー類、とりわけ、5%〜50質量%のスチレン含有量および−25℃〜−50℃のTgを有するコポリマー類である。
ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマー類の場合、適し得るコポリマー類は、とりわけ、5質量%〜50質量%とりわけ10質量%〜40質量%のスチレン含有量、15質量%〜60質量%とりわけ20質量%〜50質量%のイソプレン含有量、5質量%〜50質量%とりわけ20質量%〜40質量%のブタジエン含有量、4%〜85%のブタジエン成分1,2-単位含有量、6%〜80%のブタジエン成分トランス-1,4単位含有量、5%〜70%のイソプレン成分1,2-+3,4-単位含有量および10%〜50%のイソプレン成分トランス-1,4単位含有量を有するコポリマー類、さらに一般的には、−20℃〜−70℃のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーである。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明に従う組成物のジエンエラストマーは、ポリブタジエン(BR)類、合成ポリイソプレン(IR)類、天然ゴム(NR)、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)類、ブタジエン/イソプレンコポリマー(BIR)類、ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(NBR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)類、ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマー(SBIR)類およびこれらエラストマーの混合物からなる高不飽和ジエンエラストマー類の群から選択する。
本発明に従う組成物は、とりわけ、新品または中古タイヤ(再トレッド形成の場合)用のトレッドを意図する。
そのようなトレッドを、例えば、乗用車タイヤ用に意図する場合、ジエンエラストマーは、好ましくは、SBR、またはSBR/BR、SBR/NR(またはSBR/IR)もしくはBR/NR(またはBR/IR)のブレンド(混合物)である。SBRエラストマーの場合、とりわけ、20質量%〜30質量%のスチレン含有量、15%〜65%のブタジエン成分ビニル結合含有量、15%〜75%のトランス-1,4結合含有量および−20℃〜−55℃のTgを有するSBRを使用し、このSBRコポリマーは、好ましくは、溶液中で調製され(SSBR)、必要に応じて、好ましくは90%よりも多いシス-1,4結合を有するポリブタジエン(BR)との混合物において使用する。
上記トレッドを重量車両タイヤのような実用タイヤ用に意図する場合、上記ジエンエラストマーは、好ましくはイソプレンエラストマーである。“イソプレンエラストマー”は、公知のとおり、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマー類およびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれたジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーのうちでは、とりわけ、イソブテン/イソプレンコポリマー(ブチルゴム;IIR)類、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)類、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)類またはイソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)類が挙げられる。イソプレンエラストマーは、好ましくは天然ゴムまたはシス-1,4タイプの合成ポリイソプレンである。これらの合成ポリイソプレンのうち、好ましくは90%よりも多い、より好ましくは98%よりも多いシス-1,4結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。勿論、ジエンエラストマーは、例えば、SBRエラストマーのような他の高不飽和エラストマーによってその1部を構成させてもよい。
本発明のもう1つの有利な実施態様によれば、とりわけ本発明をタイヤ側壁として意図する場合、本発明に従う組成物は、少なくとも1種の本質的に飽和のジエンエラストマー、とりわけ少なくとも1種のEPDMコポリマーを、このコポリマーを、例えば、上述の1種以上の高不飽和ジエンエラストマー類との混合物として使用するまたは使用しないにかかわらず、含有し得る。
本発明の組成物は、単一のジエンエラストマーまたは数種のジエンエラストマーの混合物を含有し得、これら1種以上のエラストマーは、ジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマー或いはエラストマー以外のポリマー類、例えば、熱可塑性ポリマー類とさえも一緒に使用し得る。
II-2. 補強用充填剤
補強用無機充填剤として使用する窒化ケイ素は、全補強用充填剤の全てまたはほんの1部を構成し得、後者の場合、例えば、シリカのような他の補強用無機充填剤または通常のカーボンブラックと併用し得る。
好ましくは、窒化ケイ素は、全補強用充填剤の大多数、即ち、50%よりも多くを構成し(この場合、このパーセントは、質量ではなく容量によって表す)、窒化ケイ素とカーボンブラックまたはシリカタイプの通常の充填剤との間に有意の密度差を与えるようにする。有利には、補強用窒化ケイ素は、全補強用(無機)充填剤を構成し得る。
本出願においては、“補強用”充填剤とは、一般に、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段に何らよることなく、タイヤ製造を意図するゴム組成物を補強し得る充填剤を意味するものと理解されたい;換言すれば、“補強用”充填剤と称する無機充填剤は、通常のタイヤ級カーボンブラック充填剤とその補強機能において置換わり得る。
従って、本発明に従う組成物は、補強用充填剤として、下記の特性を有する窒化ケイ素を使用する:
(a) 20〜200 m2/gのBET比表面積;
(b) 10〜350 nmの平均粒度(質量による)、dw
“窒化ケイ素”とは、存在し得る不純物は別として、その形状の如何、結晶質または非晶質の如何にかかわらず、既知の式Si3N4に相応する任意の化合物を意味するものと理解されたい。
20 m2/g未満のBET表面積においては、上記組成物は容易な加工性と低下したヒステリシスを有するものの、減退したタイヤにおいて破壊特性と耐摩耗性の低下が観察され;200 m2/gよりも大きいBET表面積においては、未硬化状態における加工がより難しくなり(より高めのムーニー可塑度)、充填剤の分散が結果として悪影響を受ける。350 nmよりも大きい過剰に大きい粒度dwにおいては、粒子は、応力を局在化させる欠陥様に作用し、磨耗の点で有害であり;一方、10 nm未満の小さ過ぎる粒度dwは、未硬化状態の加工性およびこの加工中の充填剤の分散性を損なう。
上述した理由の全てにより、BET表面積は、好ましくは40〜180 m2/gであり、粒度dwは、好ましくは20〜300 nm、より好ましくは20〜250 nmである。
充填剤固有の分散性は、前記の章Iにおいて説明した既知の超音波離散試験を使用し、この充填剤の離散速度αを測定することによって評価し得る。好ましくは、上述の補強用窒化ケイ素は、600 W超音波プローブの15%の出力においてパルスモード(1秒“オン”/3秒“オフ”)で操作する離散試験において測定したとき、1×10-3μm-1/分よりも大きい離散速度αを有する。そのような好ましい特徴は、このタイプの製品に対し、第1にエラストマーとの混合中にマトリックス中に混入し第2に離散して微分割形でゴムマトリックス中に均質に分散する極めて良好な能力を担保する。そのような1×10-3μm-1/分よりも大きい離散速度αにおいては、当該技術の基準に従って調製したゴム組成物の切片上で、光学顕微鏡映像により、僅かな微細な凝集物しか観察されなかったことが注目された。
より好ましくは、とりわけ本発明の組成物を低転がり抵抗性および高耐摩耗性を有するタイヤトレッド類用に意図する場合、使用する補強用窒化ケイ素は、下記の特性の少なくとも1つ、好ましくは双方を満たす:
(a) 50〜170 m2/gのBET表面積;
(b) 20〜250 nmの平均粒度、dw
さらにまた、上記補強用窒化ケイ素のジエンゴムマトリックス中でのより一層良好な分散性、従って、最適な補強のためには、その離散速度αは、4×10-3μm-1/分よりも大きいことが好ましい。
上記補強用窒化ケイ素粒子は、さらにまた、良好な表面反応性、即ち、カップリング剤に対して反応性である高価の表面ヒドロキシル官能基(-OH)を有し、この反応性は、充填剤が奏する補強機能にとって、従って、本発明のゴム組成物の機械的諸特性にとってとりわけ好ましい。
上記補強用窒化ケイ素が存在し得る物理的状態は、粉末、マイクロビーズ、粒状物、球体または他の任意の濃密形のいずれであれ、無形状であるが、勿論、濃密化の態様がこの充填剤において推奨される本質的なまたは好ましい特性に悪影響を及ぼさないことを条件とする。
上述の補強用窒化ケイ素は、それ単独で、或いは他の1種または数種の補強用無機充填剤、例えば、シリカまたはアルミナと一緒に使用し得る。ここで、通常のカーボンブラックに対して、“白色”充填剤(“透明”充填剤とも称される)とは、その色合およびその起源(天然または合成)の如何にかかわらず、任意の無機または鉱質充填剤を意味するものと理解すべきことを再認識されたい。
シリカの場合、好ましくは、高分散性沈降シリカを、とりわけ低転がり抵抗性を有するタイヤ用のトレッド類製造において本発明を使用する場合に使用する;そのような好ましい高分散性シリカの非限定的な例としては、Degussa社からのシリカ類Ultrasil 7000およびUltrasil 7005;Rhodia 社からのシリカ類Zeosil 1165 MP、1135MPおよび1115 MP;PPG社からのシリカHi-Sil EZ150G;Huber社からのシリカ類Zeopol 8715、8745および8775;および、例えば、前述の出願EP-A-0 735 088号に記載されているアルミニウム-“ドープ化”シリカのような処理沈降シリカ類を挙げることができる。補強用アルミナを使用する場合は、そのアルミナは、好ましくは、前述の出願EP-A-0 810 258号記載されているような高分散性アルミナ類、例えば、アルミナ類“Baikalox”“A125”または“CR125”(Baikowski社)、“APA-100RDX”(Condea社)、“Aluminoxid C”(Degussa社)または“AKP-G015”(Sumitomo Chemicals社)である。
単独または必要に応じて他の補強用無機充填剤と一緒の補強用窒化ケイ素は、1種以上の通常のタイヤ級カーボンブラックとのブレンド、即ち、混合物においても使用し得る。適切なカーボンブラックは、任意のカーボンブラック類、とりわけ、タイヤ類において、とりわけタイヤトレッド類において通常使用されるタイプHAF、ISAF、SAFのカーボンブラック類である。そのようなブラック類の非限定的な例としては、ブラック類N115、N134、N234、N330、N339、N347、N375を挙げることができる。
全補強用充填剤中に存在するカーボンブラックの量は広範囲で変化し得るが、この量は、ゴム組成物中に存在する窒化ケイ素量よりも少ないのが好ましい。
本発明に従う組成物においては、カーボンブラックは、有利には、上記補強用窒化ケイ素と一緒に、2〜20 phrの好ましい量、より好ましくは5〜15 phr(エラストマー100質量部当りの質量部)範囲内の小割合で使用する。これらの範囲内では、カーボンブラックの着色特性(黒色着色剤)および耐UV特性からの利益を、上記補強用窒化ケイ素によって付与される典型的な性能にさらなる悪影響を及ぼすことなしに有する。
本発明の組成物中の補強用充填剤全体の量は、無機充填剤の量に関する限りは、好ましくは20〜400 phr、より好ましくは30〜200 phrの範囲内である。実際の最適量は、意図する用途によって異なる:知られているとおり、例えば、自転車タイヤに期待される補強レベルは、乗用車用または重量車両のような実用車両用のタイヤにおいて要求される補強レベルよりも明らかに低い。本発明の組成物をタイヤ類のトレッド用に意図する場合、補強用無機充填剤の、従って、補強用無機充填剤全体を構成する場合の補強用窒化ケイ素の量は、好ましくは50 phr以上、例えば、50〜150 phr、より好ましくは60 phr以上であるように選定する。
本発明のゴム組成物において適切であり得る補強用窒化ケイ素の例としては、とりわけ、CO2 レーザーCVD(化学蒸着)法によって公知の方法で得られた窒化ケイ素が挙げられる(例えば、FR-A-2677558号参照);その合成は、とりわけ、下記の刊行物に詳細に記載されている:“Synthese de poudres ultrafines par laser”, M. Cauchetier, Le Vide, No. 243, August/September/October (1988)。
本発明に従う組成物中で使用し得る補強用窒化ケイ素のもう1つの例は、標章“NP-S1050”としてMarkeTech International社(米国、ワシントン州ポートタウンゼンド)から市販されている窒化ケイ素である。
II-3. カップリング剤
例えば、シリカまたは補強用アルミナのような補強用無機充填剤においては、(白色充填剤/エラストマー)カップリング剤(結合剤とも称される)を使用する必要があり、その役割は、白色充填剤とエラストマー間の結合即ち“カップリング”を、エラストマーマトリックス内でのこの無機充填剤の分散を容易にしながら形成させることであることは、当業者にとって周知である。
上述した補強用窒化ケイ素も、本発明に従うゴム組成物中でその補強用充填剤の機能を奏するためにはそのようなカップリング剤の使用を必要とする。
“カップリング剤”とは、より正確には、当該充填剤とエラストマー間に十分な化学的および/または物理的結合を確立し得る薬剤を意味するものと理解されたい;そのようなカップリング剤は、少なくとも二官能性であり、例えば、簡略化した一般式“Y-T-X”を有し、式中、
Yは、無機充填剤と物理的および/または化学的に結合し得、そのような結合が、例えば、カップリング剤のシリコン原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカの場合の表面シラノール類)間で確立され得る官能基(“Y”官能基)を示し;
Xは、ジエンエラストマーと、例えば、イオウ原子により物理的および/または化学的に結合し得る官能基(“X”官能基)を示し;
Tは、YとXを結合させることのできる基である。
これらのカップリング剤は、とりわけ、無機充填剤に対して活性である官能Yを公知の形で含み得るがジエンエラストマーに対して活性である官能Xは含んでいない当該無機充填剤を被覆するための単純な薬剤と混同すべきではない。
種々の有効性を有するそのようなカップリング剤は、極めて多数の文献に記載されており、当業者にとって周知である。事実、タイヤトレッド類の製造において有用なジエンゴム組成物において、シリカのような補強用白色充填剤とジエンエラストマー間の有効な結合即ちカップリングを確立することが知られているまたは確立するであろう任意のカップリング剤、例えば、オルガノシラン類、とりわけ、上述の官能基XおよびYを担持するポリ硫化アルコキシシラン類もしくはメルカプトシラン類、またはポリオルガノシロキサン類を使用することができる。
シリカ/エラストマーカップリング剤は多数の文献に詳細に記載されており、知られている最良のカップリング剤は、ポリ硫化アルコキシシラン類のような二官能性アルコキシシラン類である。
とりわけ、例えば、そのような公知の化合物を詳細に記載している特許:米国特許第3,842,111号、米国特許3,873,489号、米国特許3,978,103号、米国特許3,997,581号、米国特許第4,002,594号、米国特許第4,072,701号、米国特許第4,129,585号;またはより最近の特許米国特許第5,580,919号、米国特許第5,583,245号、米国特許5,650,457号、米国特許第5,663,358号、米国特許第5,663,395号、米国特許第5,663,396号、米国特許第5,674,932号、米国特許第5,675,014号、米国特許第5,684,171号、米国特許第5,684,172号、米国特許第5,696,197号、米国特許第5,708,053号、米国特許第5,892,085号、EP-A-1 043 357号に記載されているカップリング剤のような、その特定の構造により、“対称形”または“無対称形”と称されるポリ硫化アルコキシシラン類が使用される。
本発明を実施するのにとりわけ適するのは、以下の定義に限定することなしに、下記の一般式(I)を満たす対称形ポリ硫化シラン類である:
(I) Z-A-Sn-A-Z
(式中、nは、2〜8 (好ましくは2〜5)の整数であり;
Aは、2価の炭化水素基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、とりわけC1〜C10アルキレン基、とりわけC1〜C4アルキレン基、特にプロピレン)であり;
Zは、下記の式の1つに相当する:
Figure 0004593272
(基R1は、置換されていても置換されていなくてもよく、同一または異なるものであり、C1〜C18アルキル基、C5〜C18シクロアルキル基またはC6〜C18アリール基(好ましくはC1〜C6アルキル基、シクロヘキシルまたはフェニル、とりわけC1〜C4アルキル基、とりわけメチルおよび/またはエチル)を示し;
基R2は、置換されていても置換されていなくてもよく、同一または異なるものであり、C1〜C18アルコキシル基またはC5〜C18シクロアルキル基(好ましくはC1〜C8アルコキシル基またはC5〜C8シクロアルコキシル基、より好ましくはC1〜C4アルコキシル基、とりわけメトキシルおよびエトキシル)を示す)。
上記式(I)に従うポリ硫化アルコキシシラン類の混合物、とりわけ商業的に入手し得る通常の混合物の場合、“n”の平均値は、好ましくは2〜5の、より好ましくは4に近い分数である。しかしながら、本発明は、例えば、ジ硫化アルコキシシラン類(n = 2)によっても有利に実施し得る。
ポリ硫化シラン類としては、とりわけ、例えば、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3-トリエトキシシリルプロピル)のポリスルフィド類のような、ビス((C1〜C4)アルコキシル-(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)のポリスルフィド類(とりわけ、ジスルフィド類、トリスルフィド類またはテトラスルフィド類)を挙げることができる。これらの化合物のうち、とりわけ、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するTESPTと略称されるビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドまたは式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2を有するTESPDと略称されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが使用される。
TESPDは、例えば、Degussa社から商品名Si266またはSi75 (後者においては、ジスルフィド(75質量%)とポリスルフィド類の混合物形)として、あるいはWitco社から商品名Silquest A1589として市販されている。TESPTは、例えば、Degussa社から商品名Si69として(または、カーボンブラック上に50質量%まで支持されている場合には、X50Sとして)、あるいはOsi Specialties社から商品名Silquest A1289として市販されている(両者とも、nが4に近い平均値を有するポリスルフィド類の市販混合物)。
上述のポリ硫化アルコキシシラン類以外のカップリング剤の例としては、例えば、前述の出願WO99/02602号に記載されているような二官能性ポリオルガノシロキサン類が挙げられる。
当業者であれば、本発明の組成物中のカップリング剤の含有量は、意図する用途、使用するエラストマーの性質、および補強用窒化ケイ素の量(必要に応じて、補助補強用充填剤として使用する任意の他の無機充填剤を補充した)に応じて調整し得るであろう。
使用し得る窒化ケイ素(および、必要に応じての任意の他の併用補強用無機充填剤)の比表面積と密度の差異並びにカップリング剤のモル量を勘案するためには、使用する補強用無機充填剤(窒化ケイ素 + 必要に応じての併用補助補強用無機充填剤)毎に、補強用無機充填剤の平方メートル当りのモル量でのカップリング剤の最適量を決定するのが好ましい;この最適量は、質量比[カップリング剤/補強用無機充填剤]、充填剤のBET表面積およびカップリング剤のモル量(以下、Mで示す)から、下記の既知の等式に従い算出する:
(モル数/m2無機充填剤) = [カップリング剤/無機充填剤] (1/BET) (1/M)
好ましくは、本発明に従う組成物中で使用するカップリング剤の量は、補強用無機充填剤のm2当り、即ち、補強用窒化ケイ素を併用補強用無機充填剤なしで使用する場合の補強用窒化ケイ素m2当りの10-7〜10-5モルである。より好ましくは、カップリング剤量は、無機充填剤全体(窒化ケイ素 + 必要に応じての併用補助補強用無機充填剤)のm2当り5×10-7〜5×10-6モルである。
上記で示す量を考慮すれば、概して、ジエンエラストマーの質量に対して低減されたカップリング剤の量は、好ましくは0.1〜25 phrである。より好ましくは0.5〜20 phrである。
使用するカップリング剤は、本発明の組成物のジエンエラストマー上に予めグラクトさせ得(“X”官能基により)、そのようにして官能化即ち“予備カップリングさせた”エラストマーは、その場合、補強用窒化ケイ素に対しての遊離の“Y”官能基を含む。また、カップリング剤は、補強用窒化ケイ素上に予めグラフトさせ得(“Y”官能基により)、そのようにして“予備カップリングさせた”充填剤は、その場合、遊離の“X”官能基によりジエンエラストマーに結合し得る。しかしながら、とりわけ未硬化状態での組成物のより良好な加工のためには、遊離の(即ち、グラフトさせない)状態のまたは補強用窒化ケイ素にグラフトさせたカップリング剤を使用するのが好ましい。
最後に、カップリング剤には、適切な“カップリング活性化剤”、即ち、このカップリング剤と混合したとき、カップリング剤の有効性を増大させる物質(単一化合物または化合物の混合物)を必要に応じて混合し得る。置換グアニジン、とりわけN,N'-ジフェニルグアニジン(“DPG”と略記する)とエナミンまたはジチオリン酸亜鉛との混合物からなるポリ硫化アルコキシシラン類用のカップリング活性化剤は、例えば、前述の出願WO00/5300号およびWO00/5301号に記載されている。これらカップリング活性化剤の存在は、例えば、エラストマーとの改良されたカップリングのために、補強用無機充填剤の量を低減させるのを可能にする。
II.4 各種添加剤
勿論、本発明に従う組成物は、既に説明した化合物以外に、可塑剤;顔料;酸化防止剤、耐オゾン剤タイプの保護剤;イオウ系、またはイオウおよび/またはパーオキサイドおよび/またはビスマレイミド供与体系のいずれかのような架橋系;加硫促進剤;加硫活性化剤等;増量剤オイル類等のような、とりわけタイヤ類の製造を意図するジエンゴム組成物において通常使用される構成成分のすべてまたは1部をも含み得る。また、必要に応じて、クレー、ベントナイト、タルク、チョークまたはカオリンのような通常の非補強用の白色充填剤も、本発明の補強用白色充填剤と併用し得る。
本発明に従うゴム組成物は、前述したカップリング剤以外に、補強用無機充填剤を被覆するための薬剤(例えば1個の官能基Yを含む);或いはゴムマトリックス中での補強用無機充填剤の分散性改善および組成物の粘度を低下により、公知の方法で、未硬化状態における加工能力を改善させるためのより一般的な加工助剤も含有し得;0.5〜3 phrの好ましい量で使用するこれら薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン類(とりわけ、Degussa-Huls社から商品名Dynasylan Octeoとして市販されている1-オクチル-トリエトキシシランまたはDegussa-Huls社から商品名Si216として市販されている1-ヘキサ-デシル-トリエトキシシランのようなアルキルトリエトキシシラン類);ポリオール類;ポリエーテル類(例えば、ポリエチレングリコール類);第1級、第2級または第3級アミン類(例えば、トリアルカノールアミン類);ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類、例えば、α,ω-ジヒドロキシポリオルガノシロキサン類(とりわけ、α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン類)である。
II.5 ゴム組成物の製造
上記組成物は、当業者にとって周知の以下の2つの連続する製造段階を使用して適切なミキサー内で調製する:110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度(Tmax)までの高温で熱機械加工または混練する第1段階(“非生産”段階とも称する);その後の、典型的には110℃より低い、例えば、60℃〜100℃の低めの温度で機械加工し、この仕上げ段階において架橋または加硫系を混入する第2段階(“生産”段階とも称する)。そのような各段階は、例えば、前述の出願 EP-A-0 501 227号、EP-A-0 735 088号、EP-A-0 810 258号、WO00/05300号およびWO00/05301号に記載されている。
本発明に従う製造方法は、少なくとも上記補強用充填剤とカップリング剤を、第1のいわゆる非生産段階において、ジエンエラストマー中に混練によって混入させること、即ち、少なくともこれらの各ベース成分をミキサー内に導入し、1以上の工程で、110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することに特徴を有する。
例えば、上記第1(非生産)段階は、1回の熱機械工程において実施し、その間に、加硫系を除く必要なベース成分、任意の補助的被覆剤または処理剤および各種他の添加剤の全てを通常の密閉式ミキサーのような適切なミキサー中に導入する。熱機械加工の第2工程は、この密閉式ミキサー内で、混合物を落下させた後で且つ中間冷却した後に(好ましくは100℃よりも低い冷却温度)、組成物に補足的な熱処理を受けさせる目的で、とりわけ、補強用無機充填剤とそのカップリング剤とのエラストマーマトリックス内での分散をさらに改善するために追加し得る。この非生産段階における総混練時間は、好ましくは2〜20分間である。
このようにして得られた混合物を冷却させた後、加硫系を、低温で、一般的に開放ミルのような開放式ミキサー内で混入する;その後、組成物全体を数分間、例えば、5〜15分間混合する(生産段階)。
その後、このようにして得た最終組成物を、例えば、とりわけ実験室での特性決定のためのフィルムまたはシートの形にカレンダー加工するか、或いは、押出加工して、トレッド、クラウンプライ、側壁、カーカスプライ、ビーズ、プロテクター、内部チューブまたはチューブレスタイヤ用の気密性内部ゴムのような半製品の製造において使用するゴム形状要素を製造する。
加硫(即ち硬化)は、公知の方法で、一般的には130℃〜200℃の温度で、加圧下に、とりわけ硬化温度、使用する加硫系、当該組成物の加硫速度またはタイヤサイズに応じて、例えば5〜90分で変動し得る十分な時間で実施する。
適切な加硫系は、好ましくは、イオウと一次加硫促進剤とりわけスルフェンアミドタイプの促進剤とをベースとする。このベース加硫系に、上記第1の非生産段階中および/または上記生産段階中に、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(とりわけ、ジフェニルグアニジン)等のような各種公知の二次促進剤または加硫活性化剤を添加し、混入する。イオウは、本発明をタイヤトレッドに応用する場合、好ましくは0.5〜10 phr、より好ましくは0.5〜5.0 phr、例えば、0.5〜3.0 phrの量で使用する。一次加硫促進剤は、とりわけ本発明をタイヤトレッドに応用する場合、好ましくは0.5〜10 phr、より好ましくは0.5〜5.0 phrの量で使用する。
本発明が“未硬化”状態(即ち、硬化前)および“硬化”即ち加硫状態(即ち、架橋または加硫後)の双方の上述したゴム組成物に関するものであることは、言うまでもない。
勿論、本発明に従う組成物は、単独、またはタイヤ類の製造において使用し得る任意の他のゴム組成物とのブレンド(混合物)において使用し得る。
III 本発明の実施例
III.1. 使用する充填剤
以下の実施例において使用する各充填剤の特性は、下記の表1に示している。
充填剤Aは、タイヤ類のトレッドにおいて通常使用されるタイヤ級カーボンブラック(N234)である。充填剤Bは、タイヤカーカスにおいて通常使用される粗めのカーボンブラック(N550)である。充填剤Cは、高比表面積(BET 約160 m2/g)を有する通常のシリカ、即ち、“グリーンタイヤ”のトレッドの補強における参照無機充填剤(Rhodia社からのシリカ“Zeosil 1165 MP”)である。最後に、充填剤Dは、補強用窒化ケイ素、即ち、本発明に従う組成物において使用し得る窒化ケイ素である(特性aおよびbを満たす)。
充填剤Dは、商業的に入手可能である(MarkeTech International社より、標章“NP-S1050”として)。
充填剤Dは、充填剤Cの粒度dwよりも極めて小さい粒度dwを有することに注目されたい。窒化ケイ素DのBET表面積は、試験したシリカCのBET表面積に近い。その離散速度αは、有利なことに、極めて高い(4×10-3 μm-1/分よりも高い)。カーボンブラック類の離散する能力は優れており他の充填剤の離散能力よりも極めて明白に大きいことが知られているので、充填剤AおよびBの速度αを測定する必要はない。
充填剤Eは、通常の非補強用窒化ケイ素である。これは、商業的に入手可能である(INTERCHIM社より標章0429429として、バッチK11J11)。
図1は、充填剤Dにおける超音波離散試験において記録した凝集物の粒度変化[1/dv(t) = f(t)]の曲線を再現している。この図面において、記録した最初のポイントは初期平均直径dv(0)の測定値に相当し、その後(超音波プローブの作動後)、安定な離散条件への進行過程があり、その間に、“dv”の逆数は時間“t”につれて実質的に線状に変化することが明らかに理解できる;データの記録は、この場合、約8〜9分で中止する。離散速度αは、このデータから、安定な離散条件の領域(3〜4分および8〜9分)内で粒度計の計算機により実施した直線回帰の初等微積分によって推論する。
III-2. 組成物の調製
その後、試験組成物を、以下のようにして公知の方法で調製する:ジエンエラストマー(または、必要に応じてのジエンエラストマー混合物)を密閉式ミキサーに導入し、80%まで満たす;ミキサーの初期タンク温度はおよそ90℃である;その後、例えば30秒程度の適切な混練時間後、加硫系を除き充填剤および同伴カップリング剤を含む他の成分全てを添加する。次に、約16分間の熱機械加工を、70 rpmの平均ブレード速度で、約140℃の落下温度が得られるまで実施する。
このようにして得た混合物を回収し、冷却し、次いで、加硫系(イオウおよびスルフェンアミドタイプ1次促進剤)を、30℃の開放型ミキサー(ホモ-フィニッシャー)で、場合によるが5〜12分の適切な時間で全てを混合する(生産工程)ことによって添加する。
その後、このようにして得られた組成物をゴムプレートの形状(2〜3 mm厚)にカレンダー加工してその機械的特性を測定する。加硫(硬化)は、150℃で40分間加圧下に実施する。
以下の試験の全てにおいて、補強用窒化ケイ素は、本発明に従う組成物中に、70 phrより多い好ましい量で存在する。さらにまた、窒化ケイ素は、補強用充填剤全体の全てまたは90質量%よりも多くを構成し、補強用充填剤の少量成分(10%未満)はカーボンブラックによって構成され得る。
III-3. 試験
本試験の目的は、上述したような補強用窒化ケイ素が、相反して、補強用無機充填剤であり得ることを示すことである。
このため、タイヤ類、とりわけ乗用車タイヤ用のトレッドの製造において使用し得る4つのジエンゴム組成物を比較する。ジエンエラストマーは、27質量%のスチレンを含み、そのポリブタジエン単位が24%の1,2-ポリブタジエン単位および46%のトランス-1,4ポリブタジエン単位であるSSBRである。
これら4つの組成物は、下記の違いを別にすれば、同一である:
‐組成物C-1 (対照):充填剤A (カーボンブラック、N234)
‐組成物C-2 (対照):充填剤B (カーボンブラック、N550)
‐組成物C-3 (対照):充填剤C (シリカ)、カップリング剤(TESPT)を含む
‐組成物C-4:本発明に従う充填剤 (Si3N4)、カップリング剤(TESPT)を含む
‐組成物C-5 (対照):充填剤E、本発明に従わないSi3N4、カップリング剤(TESPT)を含む。
対照組成物C-1において選定したカーボンブラックは、乗用車タイヤ用のトレッドの補強において通常使用される極めて大きな補強能力を有するタイヤ級ブラックである。対照組成物C-2において選定したカーボンブラックは、タイヤカーカスにおいて通常使用されるタイヤ級ブラックである。組成物C-4およびC-5においては、窒化ケイ素は、カーボンブラック(組成物C-1)と等容量で使用する。カップリング剤TESPT (Si69)に関しては、このカップリング剤を、組成物C-4においては71 phrの窒化ケイ素の総表面積被覆に相応する割合、即ち、およそ9.27×10-7モル/m2窒化ケイ素で、組成物C-5においては80 phrの窒化ケイ素の総表面積被覆に相応する割合、即ち、およそ9.27×10-7モル/m2窒化ケイ素で導入する。ここでは参照として機能する組成物C-1およびC-2は、これらの組成物がカーボンブラックで補強されるので、知られているとおり、カップリング剤を必要としない。
表2および3は、各種組成物の配合(表2、phrで表す各種成分の量)および150℃で40分間の硬化前後のそれら組成物の諸特性(表3)を続けて示す。図2は、伸び(%での)の関数としての割線モジュラス“M”(MPaでの)の曲線を示しており;これらの曲線はC1〜C5と記しており、それぞれ、ゴム組成物C1〜C5に相応する。
各種結果の検証は、本発明の組成物が、硬化後、とりわけ高変形(M100およびM250)における高めのモジュラス、同様なM250/M100比、実質的に高い“結合ゴム”試験での測定値によって、各対照組成物のレベルよりも高い補強レベルを有しており、これら当業者にとって周知の補強指標の全てが充填剤Dのカップリング剤の存在下での顕著な補強活性を実証している。図2は、上記の観察を確証している。驚くほど顕著なそのような結果は、当業者にとって予期し得ないものであった。
さらにまた、単独の充填剤としての粗い粒度の通常の窒化ケイ素、即ち、充填剤Eによっては、補強効果は観察されていないことに注目されたい:“結合ゴム”試験におけるゼロ測定値および極めて低いM250/M100比。さらにまた、上記通常の窒化ケイ素を含有する組成物C-5は、極めて低い破壊応力を有し、このことは、エラストマー混合物中での実質的な結合のないこと、従って補強が存在しないことの証しである。
結論として、本発明に従う組成物の特定の窒化ケイ素は、本発明に従う組成物に、高度に有利な特性、とりわけ顕著な補強能力、従って、カーボンブラックまたは通常のHDシリカによって得られていた耐摩耗性と少なくとも同等さもなくばより大きい耐摩耗性を付与し、このことは、従来技術のタイヤ類用のゴム組成物において通常使用されていた窒化ケイ素においてはこれまで知られていなかったことである。
本発明の組成物の工業的加工性および硬化速度は、通常のゴム組成物の加工性と硬化速度に予期に反して匹敵しており、上述の補強用窒化ケイ素をHDシリカのような補強用無機充填剤の使用に対する極めて有利な代替物とするものである。
このように、本発明は、低転がり抵抗性と高耐摩耗性の双方を有するタイヤのトレッド類の製造において使用し得るゴム組成物において、とりわけこれらのトレッド類を乗用車用または重量車両タイプの産業車両用のタイヤ用に意図する場合に好ましく応用し得る。
表1
Figure 0004593272
* 測定できず:粗い粒度の窒化ケイ素は速く沈降し過ぎる。
** そのような粗い充填剤における離散速度の測定は無意味。
表2
Figure 0004593272
(1) 24%の1,2-ポリブタジエン単位、46%の1,4-ポリブタジエン単位、27%のスチレンを含む溶液SBR;Tg = −48℃ (乾燥エラストマーで測定したTg)
(2) TESPT (DEGUSSA-HULS社からの“Si69”)
(3) N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニルパラフェニレンジアミン(Flexsys社からの“Santoflex 6-PPD”)
(4) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(Flexsys社からの“Santocure CBS”)







表3
Figure 0004593272
本発明に従う充填剤における超音波発生中の凝集物の粒度変化曲線を示し、この曲線により、離散速度αを決定する。 本発明に従うジエンゴム組成物における伸びの関数としてのモジュラスの変化曲線を示す。

Claims (8)

  1. 少なくとも1種のジエンエラストマー、少なくとも1種の補強用無機充填剤、少なくとも1種のこれら無機充填剤とエラストマー間の結合を与えるカップリング剤をベースとするゴム組成物において、
    前記無機充填剤が、下記の特性を有する窒化ケイ素を含むことを特徴とする前記ゴム組成物:
    (a) 20〜200 m2/gのBET比表面積;
    (b) 10〜350 nmの平均粒度(質量による)、dw
  2. 窒化ケイ素の量が50 phrよりも多い、請求項1記載の組成物。
  3. 前記無機充填剤が、前記窒化ケイ素以外に、補強用無機充填剤としてのシリカまたはアルミナを含む、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 前記組成物が、前記補強用無機充填剤以外に、補強用充填剤としてのカーボンブラックを含む、請求項1又は2記載の組成物。
  5. 前記窒化ケイ素が下記の特性の少なくとも1つを満たす、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物:
    ‐そのBET表面積が50〜170 m2/gの範囲にあること;
    ‐その粒度dwが20〜250 nmの範囲にあること;
    ‐その離散速度αが4×10-3μm-1/分よりも大きいこと。
  6. 少なくとも(i) 1種のジエンエラストマー中に、少なくとも(ii) 1種の補強用無機充填剤と少なくとも(iii) 1種のこれら無機充填剤とエラストマー間の結合を与えるカップリング剤とを混入する、タイヤ製造において有用なゴム組成物を取得する方法において、
    前記無機充填剤が、下記の特性:
    (a) 20〜200 m2/gのBET比表面積;
    (b) 10〜350 nmの平均粒度(質量による)、dw
    を有する窒化ケイ素を含み、且つ混合物全体を1以上の工程で110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することを特徴とする前記方法。
  7. 特に、トレッド類、トレッド用の下地層、クラウンプライ類、側壁類、カーカスプライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類およびチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類からなる群から選ばれた、請求項1〜のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ用の半製品。
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ。
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