JP4592331B2 - 車両用表示装置 - Google Patents

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本発明は、車両用表示装置に関する。
従来の車両用表示装置において、文字板は、指針により指示される目盛を表示するためのメータ意匠が設けられ、その外周が見返し板で押さえられている。また、車両の異常を表示するウォーニング意匠も設けられているが、文字板の下位置または上位置に並べて配置したり(特許文献1参照)、文字板の横位置に配置したり(特許文献2参照)するか、あるいは両者を併用したりしている。そして、運転手が主に見る位置である中央位置には、速度計等のメータ意匠が配置されていた。
実開平4−26317号公報 実開平4−29824号公報
しかしながら、上述の従来の車両用表示装置の構成では、文字板の外周が見返し板で押さえられているが、文字板のサイズが大きくなると、外周のみの押さえでは不十分となり、浮く部分が生じて平面性が損なわれ、組み付け安定性に欠けることがあるという課題があった。
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、文字板の平面性を保ち組み付け安定性が優れた車両用表示装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明の車両用表示装置は、ケーシングと、前記ケーシングに取り付けられる文字板であって、その外周側に形成され、指針により指示される目盛を表示するためのメータ意匠と、車両の異常を表示するためのウォーニング意匠とを有する文字板と、前記文字板の前面に配置され、前記文字板の外周を押さえる見返し板と、前記文字板の前面に配置され、前記メータ意匠より内側で前記文字板を押さえる押さえ枠、および前記押さえ枠に一体形成され前記文字板に形成された貫通穴を介して前記ケーシングに係止される係止部を有する押さえ板とを備え、前記ウォーニング意匠は、前記メータ意匠と前記指針の回転軸心の間に形成され、前記押さえ枠は、前記メータ意匠と前記ウォーニング意匠を仕切る仕切り枠を兼ねていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用表示装置において、前記ケーシングに固定され、前記文字板に形成された切欠部に配置された表示器をさらに備え、前記押さえ板は、前記見返し板と一体形成されており、前記見返し板は、前記押さえ板を連結する連結部を有し、前記連結部は、前記文字板と前記表示器を仕切る仕切り枠を兼ねていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、押さえ板により、文字板が浮くことなく、文字板の組付け安定性に優れた車両用表示装置が得られる。
また、押さえ板により、文字板が浮くことなく、文字板の組付け安定性に優れていることに加えて、運転手の視界が集中しやすい文字板の中心位置にウォーニング意匠を配置するため、従来に比して視認性が向上する。すなわち、ウォーニングの点灯を視線移動を少なくして確認でき、気づきやすいという効果がある。また、押さえ板の押さえ枠がウォーニング意匠とメータ意匠を仕切る仕切り枠を兼ねているので、ウォーニング意匠とメータ意匠の区別が付きやすくなり、それぞれの視認性が向上する。
請求項記載の発明によれば、押さえ板が見返し板と一体形成されているので、部品点数が少なくなる。
また、連結部が文字板と表示器を仕切る仕切り枠を兼ねているので、文字板と表示器との区別が付きやすく、視認性が向上する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る車両用表示装置の実施の形態を示す分解斜視図、図2は正面図、図3は見返し板の背面側斜視図である。車両用計器は、表ガラス1、見返し板2、指針3、文字板4、表示器5、導光板6、トリップメータ用リセットノブ7、ケーシング8、回路基板9およびジャンクションブロック(J/B)14から構成されている。
ケーシング8の前面には凹部8aおよび8bが形成されている。凹部8aには、導光板6が配置され、凹部8bには、LCD(液晶ディスプレイ)等からなる表示器5が配置されている。
ケーシング8の裏面には、回路基板9が固定されている。回路基板9には、フラッシャーリレー10と、ステッパモータからなるムーブメント11と、外部コネクタに接続するためのコネクタ12,13と、ウォーニング意匠を照明する複数のLED(発光ダイオード)15と、その他の電気部品とが実装されている。
ムーブメント11の回転軸は、ケーシング8の中心に形成された貫通穴8cと文字板4の中心に形成された貫通孔4dを介して文字板4側に突出している。複数のLED15は、それぞれ、貫通穴8cの回りに形成されてLED15からの光を各ウォーニング意匠に案内するための複数の照明案内筒部8dの底に位置決めされている。表示器5の端子5aは、ケーシング8に形成された端子穴を介して回路基板9に接続されている。
導光板6の前面には、ケーシング8に取り付けられる文字板4が配置されている。文字板4は、その外周側に、指針3により指示される目盛を表示するためのメータ意匠4aが形成されている。ここでは、メータ意匠4aは、車両の走行速度を示す速度計に対応する目盛を文字、記号等で表示している。また、メータ意匠4aと貫通孔4d(または指針3の回転軸心)の間には、ウォーニング意匠4bが形成されている。ウォーニング意匠4bは、車両の種々の異常を表示する複数のシンボルマークとして、文字板4の中心の回りに形成されている。さらに、文字板4には、ケーシング8の凹部8bに配置された表示器5を取り囲む内周を有する切欠部4eが形成されている。
文字板4の前面には、合成樹脂でフード状に形成された見返し板2が配置されている。見返し板2は、その裏側の端面で文字板4の外周を押さえる。また、見返し板2の表側の端面付近には、表ガラス1の係止部1aが係止される係止孔2aが形成されている。また、フード状の見返し板2の開口部分のほぼ中央には、裏側の端面から内側にほぼ並行に延出する2本の棒状の連結部2bを介して、押さえ板2cが見返し板2と一体に形成されている。
押さえ板2cは、図3の背面側斜視図に示すように、ほぼリング状の押さえ枠2c1と、押さえ枠2c1の裏側から突出し、押さえ枠2c1上に間隔を置いて一体形成された複数(たとえば3個)の係止部2c2とからなる。この係止部2c2は、弾性を有する係合爪の形状に形成されている。さらに、見返し板2には、その裏側の端面から突出する複数(たとえば5個)の係止部2eが、間隔を置いて一体形成されている。この係止部2eも、弾性を有する係合爪の形状に形成されている。
次に、上述の車両用表示装置の組み立て方法について説明する。まず、ケーシング8のの裏面に回路基板9を固定する。次に、ケーシング8の凹部8aおよび8bに、それぞれ、導光板6および表示器5を嵌合する。次に、導光板6の上に文字板4を載置する。
次に、文字板4の上から、見返し板2と押さえ板2cの一体物をケーシング8に組み付ける。すなわち、押さえ板2cの係止部2c2を、文字板4に形成された貫通穴4cを介してケーシング8に形成された係止孔8eに挿入し、係止させる。この係止により、文字板4は、メータ意匠4aより内側、すなわち、メータ意匠4aとウォーニング意匠4bの境界付近がリング状の押さえ枠2c1で押さえられると共に、外周が見返し板2の裏側端面で押さえられる。
次に、上述の組付け後、ケーシング8をJ/B14に形成された凹部14aに嵌合する。次に、見返し板2の係止部2eを、J/B14の表側端面付近の外周に形成された係止孔14bに挿入し、係止させる。次に、表ガラス1の上部に一体形成された係止部1aを見返し板2の係止孔2aに挿入し、係止させると共に、表ガラス1の下部に一体形成された係止部1bをJ/B14の下部に形成された係止孔14cに挿入し、係止させる。以上のようにして、車両用表示装置の組み立てが完了する。
このようにして組み立てられた車両用表示装置は、使用時、指針3が、車両の走行速度に応じたメータ意匠4aの目盛を指示する。また、車両の異常時、その異常の内容に対応するウォーニング意匠4bのシンボルマークが、ケーシング8の照明案内筒部8dを介するLED15からの光によって点灯する。
このとき、ウォーニング意匠4bは、運転手の視界が集中しやすい文字板4の中心位置に配置されているため、従来に比して視認性が向上する。すなわち、ウォーニング意匠4bのシンボルマークの点灯を視線移動を少なくして確認でき、気づきやすいという効果がある。なお、ウォーニング意匠4bの各シンボルマークは、運転手に確実に見せなければならないもの(たとえば、重大な異常を表示するもの)を指針3の移動範囲外(たとえば、図2における文字板4の下部および右下部)に配置するのが好適である。
また、文字板4は、その外周が見返し板2で押さえられだけでなく、メータ意匠4aより内側の部分が押さえ板2cで押さえられるため、文字板4が浮くことがなくなり、サイズが大きい文字板4でもその平面性が保たれ、文字板4の組付け安定性に優れた車両用表示装置が得られる。さらに、押さえ板2cの押さえ枠2c1がメータ意匠4aとウォーニング意匠4bの境界に位置しているため、押さえ枠2c1がメータ意匠4aとウォーニング意匠4bを仕切る仕切り枠も兼ねていることになり、ウォーニング意匠4bとメータ意匠4aの区別が付きやすく、それぞれの視認性が向上する。
また、押さえ板2cが、連結部2bを介して見返し板2と一体形成されているので、部品点数が少なくなる。さらに、連結部2bが、文字板4または各意匠と、表示器5との境界を仕切る仕切り枠の役目も果たしているので、それぞれの区別が付きやすく、それぞれの視認性が向上する。
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
たとえば、上述の実施の形態では、押さえ板2cは、見返し板2と一体形成されているが、これに限らず、見返し板2と別部材で構成しても良い。
また、上述の実施の形態では、車両用表示装置として速度計用の一眼メータの場合について説明したが、本発明はこれに限らず、二眼以上のコンビネーションメータにも適用可能である。さらに、本発明は、速度計以外の他の計器(たとえば、回転計等)でも適用可能である。
本発明に係る車両用表示装置の実施の形態を示す分解斜視図である。 図1の車両用表示装置の正面図である。 図1の車両用表示装置における見返し板の背面側斜視図である。
符号の説明
2 見返し板
2b 連結部
2c 押さえ板
2c1 押さえ枠
2c2 係止部
3 指針
4 文字板
4a メータ意匠
4b ウォーニング意匠
4c 貫通穴
5 表示器
8 ケーシング

Claims (2)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシングに取り付けられる文字板であって、その外周側に形成され、指針により指示される目盛を表示するためのメータ意匠と、車両の異常を表示するためのウォーニング意匠とを有する文字板と、
    前記文字板の前面に配置され、前記文字板の外周を押さえる見返し板と、
    前記文字板の前面に配置され、前記メータ意匠より内側で前記文字板を押さえる押さえ枠、および前記押さえ枠に一体形成され前記文字板に形成された貫通穴を介して前記ケーシングに係止される係止部を有する押さえ板とを備え
    前記ウォーニング意匠は、前記メータ意匠と前記指針の回転軸心の間に形成され、
    前記押さえ枠は、前記メータ意匠と前記ウォーニング意匠を仕切る仕切り枠を兼ねていることを特徴とする車両用表示装置。
  2. 請求項1記載の車両用表示装置において、
    前記ケーシングに固定され、前記文字板に形成された切欠部に配置された表示器をさらに備え、
    前記押さえ板は、前記見返し板と一体形成されており、
    前記見返し板は、前記押さえ板を連結する連結部を有し、
    前記連結部は、前記文字板と前記表示器を仕切る仕切り枠を兼ねていることを特徴とする車両用表示装置。
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