JP4592093B2 - 照明装置 - Google Patents

Description

本発明は、時計や計器の文字板を照明する装置に関する。

一般に、ＬＥＤなどの発光素子を用いて時計や計器の文字板を照明する装置が知られている。文字板を照明することによれば、時計や計器の表示を暗い場所でも読み取ることが容易になるうえ、装飾的効果も大きい訳である。この種の装置は、特許文献１乃至６等にも開示されている。
特許第３６３１０８１号公報 実開平６−７２０７８号公報 特開平１０−１６０５２０号公報 特開２０００−２５６３号公報 特開２００４−１１８００８号公報 特開２００４−１８４１９７号公報

さて近年、時計や計器のデザインはますます多様化されており、文字板を照明する装置についても、文字板の機能及び美観を向上すべく、一層の工夫が求められている。本発明の目的は、デザイン性に優れ且つ合理的に構成された文字板の照明装置を提供することである。

本願第１請求項に記載した発明は、文字板を発光素子の光にて照明する照明装置において、前記文字板を覆う透明又は半透明のカバー体と、前記文字板の照明部及び前記カバー体に光を導く板状の導光体と、前記文字板、前記カバー体、及び前記導光体を支持するホルダとを備え、前記文字板の照明部は、前記導光体の正面に光透過性を有する部材を配置して構成するとともに、前記カバー体は、前記発光素子の光が投入されてそのエッジ部が発光するものとし、前記エッジ部に至る光の経路には、前記エッジ部の発光色を所定の色に設定する有色部を設け、前記エッジ部の色合が前記文字板の照明部と異なるようにし、前記有色部は、当該照明装置の正面から見て前記ホルダの奥に隠れている構成の照明装置である。

本願第２請求項に記載した発明は、請求項１において、前記導光体は、前記有色部が一体に設けられた２色成形部材である構成の照明装置である。

本願第３請求項に記載した発明は、請求項１において、前記有色部は、前記導光体及び前記カバー体の少なくとも一方の要所に印刷を施して設けた構成の照明装置である。

本願第４請求項に記載した発明は、請求項１乃至３のいずれかにおいて、前記導光体には、前記カバー体を装着する段部を設けた構成の照明装置である。

本願第５請求項に記載した発明は、請求項１乃至４のいずれかにおいて、前記発光素子を搭載する基板を備え、前記導光体は、前記発光素子の光を投入する凹状の光投入部を設けてなるものであるとともに、これを前記基板と重ね合わせるように配置し、前記発光素子は、前記光投入部と対向する位置に搭載した構成の照明装置である。

本願第６請求項に記載した発明は、請求項５において、前記導光体は、多角形を呈するとともに、前記光投入部は、前記多角形の角部に設けた構成の照明装置である。

本発明によれば、デザイン性に優れ且つ合理的に構成された文字板の照明装置を得ることができる。

以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１乃至図３に示す時計１は、自動車のインストルメントパネル７００に設けられた多角形（図例では矩形）のアナログ時計である。この時計１は、その文字板１００を発光素子２００の光にて照明する照明装置１０を備えたものである。

本例の照明装置１０は、文字板１００と、発光素子２００と、文字板１００の正面を覆う透明又は半透明のカバー体３００と、文字板１００の照明部１１０，１２０及びカバー体３００に光を導く板状の導光体４００と、発光素子２００を搭載する基板５００と、文字板１００、カバー体３００、導光体４００、及び基板５００を支持するホルダ６００とを備えたものである。発光素子としては、無色又は適宜色のＬＥＤを採用している。

ホルダ６００及び基板５００の要所には、それぞれフック６１０及び係止部５１０が設けられており、文字板１００、カバー体３００、及び導光体４００は、ホルダ６００及び基板５００の間に保持するとともに、フック６１０を係止部５１０に係止して組み付けられる。時計１は、インストルメントパネル７００にホルダ６００を嵌装して装着される。また、文字板１００、導光体４００、及び基板５００の中央には孔部１０１，４０１，５０１が設けられており、指針２を駆動する指針パイプ３は、これらの孔部１０１，４０１，５０１に挿通されている。指針パイプ３は、図示を省略したムーブメントにて駆動される。

文字板１００の照明部１１０，１２０は、導光体４００の正面に光透過性を有する部材を配置して構成している。本例では、文字板１００の中央一帯に第１照明部１１０を設けるとともに、その周囲に時刻表示の指標となる第２照明部１２０が設けられている。第１照明部１１０は、黒色印刷１１２を施した透明又は半透明のシート部材１１１を配置して構成されている。黒色印刷１１２は、光透過性を有するインクにて施されている。第２照明部１２０は、ハーフ蒸着を施した透明又は半透明の環状部材１２１を枠体１３０に組み付け、この組み付け体を配置して構成されている。環状部材１２１には、複数の凸部が設けられており、それらが第２照明部１２０となっている。枠体１３０は、第２照明部１２０を貫通する孔部１３１が設けられた不透明の部材である。

カバー体３００は、文字板１００の正面及び側面を覆う形状の透明又は半透明の部材であり、導光体４００から発光素子２００の光が投入されてそのエッジ部３１０が発光するものとなっている。このエッジ部３１０は、カバー体３００に投入された光が外部にもたらされる部位であり、正面から見ると多角形の文字板１００を取り囲むように設けられている。

本例の場合、導光体４００には、エッジ部３１０の発光色を所定の色に設定する有色部４１０が設けられている。有色部４１０は、所定の着色料を含む半透明の部位である。エッジ部３１０の色合は、文字板１００の各照明部１１０，１２０の色合と異なるようになっている。すなわち、エッジ部３１０に至る光の経路に有色部４１０を設け、エッジ部の色合を有色部４１０にて設定し、その色合が第１照明部１１０や第２照明部１２０の色合と異なるようになっている。

この導光体４００は、有色部４１０が一体に設けられた透明又は半透明の２色成形部材である。導光体４００には、カバー体３００の端面３０１を装着する段部４２０が設けられるとともに、発光素子２００の光を投入する光投入部４３０が複数箇所に設けられている。カバー体３００の端面３０１は、有色部４１０に当接されている。また、導光体４００は、基板５００と重ね合わせるように配置し、発光素子２００は、複数の光投入部４３０と対向する位置にそれぞれ搭載されている。本例の導光体は、文字板１００及びカバー体３００と対応する多角形を呈するものであり、光投入部４３０は、多角形の各角部にそれぞれ設けられている。図例の光投入部４３０は、角部の基板５００側を切欠いた凹状のものである。尚、基板５００と対向する導光体４００の面には、光を拡散する光拡散手段として、微細な凹凸がその全面に設けられている。

このような構成によると、発光素子２００の光にて文字板１００の第１照明部１１０、第２照明部１２０、及びカバー体３００のエッジ部３１０を効率よく光らせることが可能である。本例の場合、発光素子２００の非点灯時には、第１照明部１１０が黒色、第２照明部１２０が銀色の光沢色、エッジ部３１０が無色透明となっている。そして、発光素子２００の点灯時には、第１照明部１１０が白色に光り、第２照明部１２０が銀色に光り、エッジ部３１０がオレンジ、赤、青、紫、又は緑等の蛍光色となって光る。エッジ部３１０の蛍光色は、有色部４１０の色にて設定される。特に、発光素子２００の点灯時と非点灯時における第１照明部１１０、第２照明部１２０、及びエッジ部３１０の色合がそれぞれ異なるので、見た目も美しく且つ意外性のある斬新なものとなっている。すなわち本例の照明装置１０は、単色の発光素子２００にてこのような複雑な発光色が得られるという優れたものである。

尚、有色部４１０は、別途部材にて構成し、これを導光体４００とカバー体３００との間に配置するように構成することも可能である。但し、かかる場合は、部品点数の増加を招くこととなる。すなわち、本例の導光体４００は、有色部４１０を一体に設けた２色成形部材であり、このような構成によると、部品点数が削減され、組み付け作業の容易化が達成されるという利点がある。或は、有色部は、カバー体３００と一体に設けることも可能である。かかる場合は、カバー体３００を２色成形部材とするとよい。

更に、本例の導光体４００には、カバー体３００を装着する段部４２０を設けたので、導光体４００とカバー体３００との組み付け作業を容易に且つ正確に行うことができるという利点もある。

また、本例の導光体４００は、発光素子２００の光を投入する凹状の光投入部４３０を設けてなるものであるとともに、これを基板５００と重ね合わせるように配置し、発光素子２００は、光投入部４３０と対向する位置に搭載したので、発光素子２００、導光体４００、及び基板５００の組み付け作業を容易に且つ正確に行うことができるという利点もある。そして、凹状の光投入部４３０によれば、導光体４００に対し発光素子２００の光りを効率よく投入することができる。

更に、本例の導光体４００は、多角形を呈するものであり、光投入部４３０は、多角形の角部に設けられている。このような構成によると、発光素子２００の光りを十分に利用することができる。特に、カバー体３００のエッジ部３１０をその多角形の辺と対応するように設ければ、エッジ部３１０全体の明るさが均一化するという効果を得ることができる。

以上説明したように、本例の照明装置は、デザイン性に優れ且つ合理的に構成されたものであり、時計の文字板を照明する装置として好適に利用することができる。尚、本例における各部の構成は、特許請求の範囲に記載した技術的範囲において適宜に設計変更が可能であり、図例説明したものに限定されないことは勿論である。本例の照明装置の構成は、時計のほか、各種計器の文字板にも応用することが可能である。

次に、本発明の第２実施例を図４及び図５に基づいて説明する。本例の場合、有色部４１０，３２０は、導光体４００及びカバー体３００の要所に印刷を施して設けたものである。かかる印刷には、有色の透明インクを用いている。導光体４００の側面は、その全面が有色部４１０となっている。カバー体は、その端面３０１が基板５００に当接するものとし、導光体４００の側面と対向する部位が有色部３２０となっている。尚、その他の基本構成は前述した実施例と同様である。

このように、有色部は、導光体やカバー体の要所に印刷を施して設けることも可能である。このような構成によると、有色部を別途部材にて設けずともよいので、部品点数が削減され、組み付け作業の容易化が達成されるという利点がある。また、印刷によれば、コスト的にも廉価である。

本発明の照明装置は、時計や計器の文字板を照明する装置として好適に利用することが可能である。例えば、自動車のインストルメントパネルに設けられた時計の文字板に応用し、その時計のデザイン性を向上することが可能である。

本発明の実施例に係り、時計を示す正面図である。 本発明の実施例に係り、照明装置の要部を示す側面断面図である。 本発明の実施例に係り、発光素子、導光体、及び基板を示す斜視図である。 本発明の実施例に係り、照明装置の要部を示す側面断面図である。 本発明の実施例に係り、発光素子、導光体、及び基板を示す斜視図である。

符号の説明

１ 時計
２ 指針
３ 指針パイプ
１０ 照明装置
１００ 文字板
１０１ 孔部
１１０ 第１照明部
１１１ シート部材
１１２ 黒色印刷
１２０ 第２照明部
１２１ 環状部材
１３０ 枠体
１３１ 孔部
２００ 発光素子
３００ カバー体
３０１ 端面
３１０ エッジ部
３２０ 有色部
４００ 導光体
４０１ 孔部
４１０ 有色部
４２０ 段部
４３０ 光投入部
５００ 基板
５０１ 孔部
５１０ 係止部
６００ ホルダ
６１０ フック
７００ インストルメントパネル

Claims (6)

1. 文字板を発光素子の光にて照明する照明装置において、
   前記文字板を覆う透明又は半透明のカバー体と、前記文字板の照明部及び前記カバー体に光を導く板状の導光体と、前記文字板、前記カバー体、及び前記導光体を支持するホルダとを備え、
   前記文字板の照明部は、前記導光体の正面に光透過性を有する部材を配置して構成するとともに、前記カバー体は、前記発光素子の光が投入されてそのエッジ部が発光するものとし、
   前記エッジ部に至る光の経路には、前記エッジ部の発光色を所定の色に設定する有色部を設け、前記エッジ部の色合が前記文字板の照明部と異なるようにし、
   前記有色部は、当該照明装置の正面から見て前記ホルダの奥に隠れていることを特徴とする照明装置。
2. 前記導光体は、前記有色部が一体に設けられた２色成形部材であることを特徴とする請求項１記載の照明装置。
3. 前記有色部は、前記導光体及び前記カバー体の少なくとも一方の要所に印刷を施して設けたことを特徴とする請求項１記載の照明装置。
4. 前記導光体には、前記カバー体を装着する段部を設けたことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか記載の照明装置。
5. 前記発光素子を搭載する基板を備え、
   前記導光体は、前記発光素子の光を投入する凹状の光投入部を設けてなるものであるとともに、これを前記基板と重ね合わせるように配置し、
   前記発光素子は、前記光投入部と対向する位置に搭載したことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか記載の照明装置。
6. 前記導光体は、多角形を呈するとともに、前記光投入部は、前記多角形の角部に設けたことを特徴とする請求項５記載の照明装置。

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