JP2004053381A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】指針13が上方を運針する透明な文字板7の下側に太陽電池素子8を配置し、指針13の外周側を囲むように枠状の光透過性部材14を設け、この枠状の光透過性部材14の外周面に微細な凹凸部16を形成し、且つ光透過性部材14の内部に発光素子17を配置した。従って、明るい所で外部光が透明な文字板7を透過して太陽電池素子8に照射されるので、太陽電池素子8を発電させることができる。また、発電された電気によって発光素子17を発光させると、その光が光透過性部材14の内部に照射されて導かれるときに、光透過性部材14の外周面の微細な凹凸部16で拡散、反射されて光透過性部材14の内周面から出射されるので、枠状の光透過性部材14が環状に発光し、指針13および文字板7の全体を外周側から明るく照明する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、太陽電池素子を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、太陽電池素子を備えた腕時計においては、腕時計ケース内に配置された太陽電池に外部光を照射させるために、文字板を透明な材料で形成し、この文字板の下側に太陽電池素子を配置した構造のものがある。
このような腕時計では、暗い所でも時刻を知ることができるように、文字板や指針などの時計部品に夜光塗料や蓄光塗料などの発光性塗料を印刷などにより部分的に塗布して発光部を設けることにより、明るい所で太陽電池素子に照射される外部光をできるだけ遮らずに発光部に照射させ、この外部光によって発光部にエネルギを蓄え、暗い所で発光部が蓄えたエネルギにより発光するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような腕時計では、発光部が発光性塗料を印刷などにより部分的に塗布した構造であるから、暗い所で発光部が発光する発光時間に限界があり、使用者が所望するときに発光部が発光していないことがあるという問題があるほか、発光性塗料を部分的に塗布した構造の発光部による発光であるから、指針や文字板を十分に明るく照明することができず、視認性に欠けるなどの問題もある。
【0004】
また、このような問題を解消するために、従来では、文字板の側部上方に位置する腕時計ケースの内面に発光ダイオードなどの発光素子を設け、この発光素子を所望するときに自由に発光させることにより、文字板および指針を照明するように構成したものもあるが、このような構成のものでは、発光素子の近傍に位置する文字板および指針を部分的に照明するだけで、文字板および指針の全体を明るく照明することができないという問題がある。
なお、文字板および指針の全体を明るく照明する発光素子として、EL素子(エレクトロルミネッセンス素子)があるが、このEL素子を用いると、外部光が遮られてしまうため、太陽電池素子に外部光を十分に照射させることができないという問題がある。
【0005】
この発明の課題は、太陽電池素子に外部光を十分に照射させることができると共に、指針などの表示部材全体を明るく照明できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。なお、各構成要素には、後述する各実施形態の項で説明される各要素に付されている図面の参照番号などを括弧と共に付す。
請求項1に記載の発明は、図1〜図5に示すように、表示部材(指針13、液晶表示素子35)と、この表示部材の下側に配置された太陽電池素子(8)と、前記表示部材の外周側を囲むように設けられ、外周面に微細な凹凸部(16)が形成された枠状の光透過性部材(14)と、この枠状の光透過性部材の内部に配置された発光素子(発光素子17、紫外線発光素子30)とを備えたことを特徴とする電子機器である。
【0007】
この発明によれば、明るい所で外部光が表示部材を介して太陽電池素子に照射されるので、太陽電池素子を十分に発電させることができると共に、この太陽電池素子で発電された電気によって所望するときに自由に発光素子を発光させることができる。また、発光素子を発光させると、その光が光透過性部材の内部に向けて照射され、この照射された光が光透過性部材で導かれるときに、光透過性部材の外周面の微細な凹凸部で拡散、反射されて光透過性部材の内周面から出射されるので、枠状の光透過性部材が環状に発光し、これにより暗い所でも表示部材全体を外周側から明るく照明することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、図4に示すように、前記太陽電池素子(8)の上面に平板状の光透過性部材(文字板7)が配置され、前記発光素子が紫外線発光素子(30)であり、前記平板状の光透過性部材の上面に、紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光を発光する透明な発光層(31)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器である。
【0009】
この発明によれば、平板状の光透過性部材の上面の発光層が透明であるから、紫外線領域の光が存在しない室内などの明るい所で外部光が表示部材を介して平板状の光透過性部材の発光層に照射されると、この発光層および平板状の光透過性部材を透過するので、請求項1に記載の発明と同様、太陽電池素子を良好に発電させることができるほか、発電された電気により紫外線発光素子を発光させると、人間の目に見えない紫外線領域の光が枠状の光透過性部材の内部で導かれてその内周面から環状に出射され、この出射された紫外線領域の光が平板状の光透過性部材の上面に設けられた発光層に照射されるので、この発光層が紫外線領域の光に反応して人間の目に見える可視光線領域の光を発光し、平板状の光透過性部材を面発光させることができ、これにより暗い所でも表示部材の下面全体を明るく照明することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、図6〜図11に示すように、表示部材(指針13、液晶表示素子35)と、この表示部材の下側に配置された平板状の光透過性部材(文字板7、光透過性部材36)と、この平板状の光透過性部材の下側に配置された太陽電池素子(8)と、前記表示部材の外周側を囲むように設けられると共に、内周面が前記平板状の光透過性部材の外周面に対向する枠状の光透過性部材(41)と、前記平板状の光透過性部材の外周面と前記枠状の光透過性部材の内周面との間に配置された発光素子(発光素子17、紫外線発光素子30)とを備えたことを特徴とする電子機器である。
【0011】
この発明によれば、明るい所で外部光が表示部材を介して平板状の光透過性部材に照射されると、この照射された光が平板状の光透過性部材を透過するので、太陽電池素子に外部光を十分に照射させることができ、これにより太陽電池素子を良好に発電させることができると共に、この太陽電池素子で発電された電気によって所望するときに自由に発光素子を発光させることができる。また、発光素子を発光させると、その光が平板状の光透過性部材と枠状の光透過性部材との各内部に向けて照射され、これらのうち、枠状の光透過性部材の内部に向けて照射された光が枠状の光透過性部材で導かれてその内周面から出射されるので、枠状の光透過性部材が環状に発光する。これにより、表示部材全体を外周側から照明すると共に、環状に発光した光が平板状の光透過性部材の外周面全域から入射し、この入射した光が発光素子から直接入射した光と共に平板状の光透過性部材で導かれながらその上面から出射されるので、平板状の光透過性部材が面発光する。これにより、暗い所でも枠状の光透過性部材による環状発光と平板状の光透過性部材による面発光との両方で表示部材全体を明るく照明することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、図6〜図11に示すように、前記枠状の光透過性部材(41)の外周面に微細な凹凸部(16)が形成され、前記平板状の光透過性部材(文字板7、光透過性部材36)の上下面のうち、少なくとも下面に、微細な凹凸部(46)が放射状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器である。
この発明によれば、発光素子で発光した光が枠状の光透過性部材の内部で導かれるときに、この枠状の光透過性部材の外周面の微細な凹凸部で拡散、反射されるので、枠状の光透過性部材をほぼ均一な明るさで環状に発光させることができ、これにより表示部材全体を外周側からほぼ均一に照明することができると共に、この枠状の光透過性部材の環状発光により平板状の光透過性部材の外周面全域に光を照射させることができ、この照射された光が平板状の光透過性部材の内部に入射して導かれるときに、その下面に放射状に形成された微細な凹凸部によって拡散、反射されるので、平板状の光透過性部材の上面からもほぼ均一に光を出射させることができ、これにより枠状の光透過性部材による環状発光と平板状の光透過性部材による面発光との両方で表示部材全体をほぼ均一な明るさで照明することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、図10に示すように、前記発光素子が紫外線発光素子(30)であり、前記平板状の光透過性部材(文字板7)と前記枠状の光透過性部材(41)とのうち、少なくとも前記平板状の光透過性部材の上面に、紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光を発光する透明な発光層(31)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器である。
【0014】
この発明によれば、平板状の光透過性部材の上面の発光層が透明であるから、紫外線領域の光が存在しない室内などの明るい所で外部光が表示部材を介して平板状の光透過性部材の発光層に照射されると、この発光層および平板状の光透過性部材を透過するので、請求項3に記載の発明と同様、太陽電池素子に外部光を十分に照射させて良好に発電させることができるほか、発電された電気により紫外線発光素子を発光させると、人間の目に見えない紫外線領域の光が平板状の光透過性部材と枠状の光透過性部材との各内部に向けて照射される。このため、これら紫外線領域の光のうち、枠状の光透過性部材の内部に照射された紫外線領域の光が枠状の光透過性部材で導かれてその内周面から環状に出射され、この出射された紫外線領域の光のうち、枠状の光透過性部材の上部から出射された光が平板状の光透過性部材の発光層に上方から照射され、また枠状の光透過性部材の下部から出射された光が平板状の光透過性部材の外周面から内部に入射して導かれ、この導かれた紫外線領域の光が平板状の光透過性部材の上面から出射して発光層に下方から照射される。これにより、発光層はその上面に照射された紫外線領域の光と下面に照射された紫外線領域の光との両方に反応して人間の目に見える可視光線領域の光を発光するので、発光層を面発光させることができ、これにより暗い所でも表示部材の下面全体を明るく照明することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、図1〜図11に示すように、前記枠状の光透過性部材(14、41)の外周面に白色の枠状部材(15)が配置され、前記枠状の光透過性部材の下面に反射シート(20)が設けられていることを特徴とする請求項1または3に記載の電子機器である。
この発明によれば、枠状の光透過性部材の内部に向けて照射された光が枠状の光透過性部材の下面から外部に漏れないように反射シートで反射させることができると共に、枠状の光透過性部材の内部に向けて照射された光が枠状の光透過性部材で導かれるときに、その光透過性部材の外周面から外部に漏れないように白色の枠状部材で反射させることができ、これにより枠状の光透過性部材の内部に向けて照射された光を効率良く枠状の光透過性部材で導くことができると共に、枠状の光透過性部材の内周面全域から良好に出射させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図1〜図3を参照して、この発明を腕時計に適用した第1実施形態について説明する。
図1はこの発明の腕時計の要部を示した拡大断面図である。この腕時計は、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の上部には、時計ガラス2が装着されており、腕時計ケース1の内部には、時計モジュール3が見切り部材4を介して収納されている。また、この腕時計ケース1の下部には、裏蓋5が取り付けられている。
【0017】
時計モジュール3は、アナログ機能とデジタル機能のうち、少なくともアナログ機能を備えたものである。すなわち、この時計モジュール3は、ハウジング6を備えており、このハウジング6の上面には、文字板7が配置されている。この文字板7は、透明な樹脂でほぼ平板状に形成された光透過性部材である。この文字板7の下面には、光が照射されると電気を発生する太陽電池素子8が配置されており、文字板7の上面にける外周部分には、時字9が等間隔で設けられている。また、ハウジング6の内部には、アナログムーブメント10が設けられている。このアナログムーブメント10は、指針軸11が文字板7および太陽電池素子8の両者の中心部分に連続して設けられた貫通孔12に下側から挿入して文字板7の上方に突出し、この突出した指針軸11の上部に時針、分針、秒針などの指針13が取り付けられ、これら指針13が文字板7の上方を運針するように構成されている。
【0018】
また、文字板7の外周側に位置するハウジング6の上面には、見切り部材4が腕時計ケース1の内周面に沿って設けられている。この見切り部材4は、枠状の光透過性部材14と、この光透過性部材14の外周に配置される白色の枠状部材15とからなっている。枠状の光透過性部材14は、透明な樹脂でほぼリング状に形成されており、図2に示すように、その断面形状がほぼ台形状に形成されている。すなわち、枠状の光透過性部材14の内周面は、上部から下部側に向けて左下がりに傾斜する傾斜面14aと、この傾斜面14aの下部から垂直に連続する垂直面14bとからなっており、枠状の光透過性部材14の外周面は、上部から下部側に向けて右下がりに傾斜する傾斜面14cと、この傾斜面14cの下部から外周側に突出する凸部14dとからなっている。
【0019】
この場合、光透過性部材14の外周面および下面には、図2に示すように、微細な凹凸部16が形成されている。また、この枠状の光透過性部材14の所定個所、例えば互いに対向する12時と6時とに位置する個所には、後述する発光素子17が挿入する素子挿入穴18がそれぞれ設けられている。白色の枠状部材15は、白色系の樹脂でほぼリング状に形成され、図1に示すように、その断面形状がほぼ逆台形状に形成されている。これにより、白色の枠状部材15は、光透過性部材14の外周側の傾斜面14cに密着した状態で、腕時計ケース1の内周面、光透過性部材14の凸部14dの上面、および時計ガラス2の下面に接触して配置されるように構成されている。また、光透過性部材14の下面および凸部14dの外周面には、反射シート20が連続して配置されている。
【0020】
一方、ハウジング6の下面には、回路基板21が配置されている。この回路基板21には、アナログムーブメント10の動作制御、太陽電池素子8で発電された電気の充電制御、発光素子17の発光制御などを行うLSI、および太陽電池素子8で発電した電力を蓄える2次電池(いずれも図示せず)などの各種の電子部品が搭載されている。この場合、発光素子17は、図3(a)および図3(b)に示すように、可視光線領域の光を発光する発光ダイオード(LED)などの発光体22を素子基板23上に搭載して透明なモールド樹脂24で封止した構造になっている。
【0021】
すなわち、発光体22は、大きさの小さいチップ形状、例えば1辺が2mm程度のほぼ立方体形状に形成されており、その上下面には、チップ電極22a、22bがそれぞれ設けられている。素子基板23には、一対の接続電極23a、23bが素子基板23の上面から側面を経て下面に亘って設けられている。そして、素子基板23の上面に位置する一方の接続電極23aには、発光体22の下面側のチップ電極22aが半田や導電性接着剤などで電気的に接続されており、他方の接続電極23bには、ワイヤーボンディングによる金属細線25によって発光体22の上面側のチップ電極22bが電気的に接続されている。モールド樹脂24は、透明な樹脂からなり、素子基板23上に発光体22および金属細線25を覆った状態で円柱状に形成されている。
【0022】
この発光素子17は、図1に示すように、円柱状のモールド樹脂24が枠状の光透過性部材14の素子挿入穴18内に下側から挿入され、この状態でハウジング6に設けられた接続用の貫通孔26内に配置された一対のコイルばね27a、27b(図3(b)参照)によって、素子基板23の一対の接続電極23a、23bと回路基板21の各電極端子(図示せず)とが電気的に接続されている。これにより、発光素子17は、腕時計ケース1に設けられた押釦スイッチ(図示せず)の操作に応じて回路基板21の2次電池から発光体22に電力が供給されて発光体22が発光し、この発光した光が円柱状のモールド樹脂24を透過して放出されるように構成されている。なお、太陽電池素子8も、図示しないコイルばねなどの接続部材によって回路基板21と電気的に接続され、これにより発電した電力を回路基板21に搭載された2次電池に供給するように構成されている。
【0023】
このような腕時計によれば、明るい所で外部光が時計ガラス2を透過して腕時計ケース1の内部に入射するので、この入射した外部光によって指針13および文字板7を照明することができ、これにより通常の腕時計と同様、時刻を知ることができる。このときには、腕時計ケース1内に入射した外部光が透明な樹脂からなる文字板7を透過するので、文字板7の下面に設けられた太陽電池素子8に外部光を確実に照射させることができ、これにより太陽電池素子8を十分に発電させることができると共に、この太陽電池素子8で発電した電力を回路基板21に搭載された2次電池(図示せず)に蓄えることができる。
【0024】
また、暗い所では、太陽電子素子8で発電した電力が2次電池に蓄えられているので、図示しない押釦スイッチを操作することにより、2次電池に蓄えられた電力により発光素子17を所望するときに自由に発光させることができる。このときには、発光素子17の透明なモールド樹脂24が見切り部材4の枠状の光透過性部材14における12時と6時とに位置する2か所に設けられた素子挿入穴18内にそれぞれ挿入されているので、発光素子17の発光体22が発光すると、その光がモールド樹脂24を透過して素子挿入穴18の内面から枠状の光透過性部材14の内部に入射する。
【0025】
このように枠状の光透過性部材14の内部に入射した光は、その光透過性部材14によって導かれると共に、光透過性部材14の外周面および下面に形成された微細な凹凸部16によって順次拡散、反射されて光透過性部材14の内周面における傾斜面14aと垂直面14bとから腕時計ケース1の内部に向けて出射される。このときには、光透過性部材14の外周面の傾斜面14cに密着する白色の枠状部材15と、光透過性部材14に下面および凸部14dの外周面に設けられた反射シート20とによって、光透過性部材14で導かれる光を外周側および下面側から外部に漏らさないように反射することができ、これにより発光素子17からの光を確実に且つ効率良く光透過性部材14で導くことができる。このため、枠状の光透過性部材14の内周面全体が環状に発光するので、文字板7および指針13を外周側から明るく照明することができ、暗い所でも良好に時刻を知ることができる。
【0026】
このように、この腕時計では、明るい所で外部光が時計ガラス2を透過して腕時計ケース1内に入射し、この入射した光が文字板7を透過するので、文字板7の下側に配置された太陽電池素子8に外部光を十分に照射させることができ、これにより太陽電池素子8を良好に発電させることができると共に、この太陽電池素子8で発電した電力を2次電池(図示せず)に蓄えることができ、このため乾電池などの電力が有限の電源を用いる必要がないので、電池交換が不要で、省資源化を図ることができると共に、環境対策上、好ましいものを得ることができる。
【0027】
[第2実施形態]
次に、図4を参照して、この発明を腕時計に適用した第2実施形態について説明する。なお、図1〜図3に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、発光素子として紫外線発光素子30を用い、且つ文字板7の上面に紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光を発光する透明な発光層31を設けた構造になっており、これ以外は第1実施形態と同じ構造になっている。
【0028】
すなわち、紫外線発光素子30は、波長が350〜400nm(ナノメートル:ナノは10億分の1メートル)、好ましくは350〜380nmの近紫外線(UV−A)を発光するブラックライトと呼ばれる紫外線発光ダイオード(LED)などの発光体を備えた構造で、これ以外は第1実施形態の発光素子17と同じ構造になっている。また、発光層31は、350〜420nmまたは254〜365nmの紫外線領域の波長の光に反応して可視光線領域の光を発光し、紫外線領域の光が照射されないときに透明な状態を呈するものであり、その発光色は、無色または白色であっても良く、また赤、青、緑(黄色)を基本とする有色であっても良い。この場合の色バリエーションは10〜13種類ある。なお、時計ガラス2の内面には、紫外線領域の光を反射する紫外線反射膜(図示せず)が設けられていることが望ましい。
【0029】
このような腕時計よれば、紫外線領域の光が当らない室内などの明るい所で外部光が時計ガラス2を透過して腕時計ケース1の内部に入射し、この入射した外部光によって指針13および文字板7が照明されるので、第1実施形態と同様、時刻を知ることができると共に、文字板7の上面に設けられた発光層31が透明な状態を呈するので、腕時計ケース1内に入射した外部光が発光層31および文字板7を透過して太陽電池素子7に照射される。このため、第1実施形態と同様、太陽電池素子8を発電させることができ、この太陽電池素子8で発電した電力を回路基板21の2次電池(図示せず)に蓄えることができる。この場合、時計ガラス2に紫外線反射膜が設けられていれば、屋外などの紫外線領域の光を含む外部光が時計ガラス2に照射されると、外部光に含まれている紫外線領域の光が紫外線反射膜で反射されて発光層31に照射されることがないので、外部光を太陽電池素子8に十分に照射させることができ、これにより太陽電池素子8を良好に発電させることができる。
【0030】
また、暗い所では、第1実施形態と同様、図示しない押釦スイッチを操作することにより、2次電池に蓄えられた電力により紫外線発光素子30を所望するときに自由に発光させることができる。このときには、紫外線発光素子30が人間の目に見えない紫外線領域の光を発光し、この発光した紫外線領域の光が、第1実施形態と同様、見切り部材4の枠状の光透過性部材14内に入射して光透過性部材14で導かれながら、光透過性部材14の外周面および下面に形成された微細な凹凸部16で順次拡散、反射されて光透過性部材14の内周面全域から環状に出射される。このため、環状に出射された紫外線領域の光が文字板7の上面に設けられた発光層31に照射され、この紫外線領域の光に発光層31が反応して人間の目に見える可視光線領域の光を発光するので、発光層31全体が面発光し、これにより暗い所でも文字板7および指針13の下面側全体を明るく照明することができる。
【0031】
[第3実施形態]
次に、図5を参照して、この発明を腕時計に適用した第3実施形態について説明する。なお、図1〜図3に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、表示部材として液晶表示素子35を用い、この液晶表示素子35の下側に文字板7に代えて平板状の光透過性部材36を配置し、この光透過性部材36の下側に太陽電池素子8を配置すると共に、光透過性部材36の外側面に対応させて発光素子17を配置した構造で、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構造になっている。
【0032】
すなわち、液晶表示素子35は、上下一対の透明な電極基板間に液晶を封入し、各電極基板の外側面にそれぞれ偏光板を設け、一対の電極基板間に選択的に電圧を印加することにより、その電圧印加に応じて時刻などの情報を表示するように構成されている。この場合、液晶表示素子35は、インターコネクタ(図示せず)によって回路基板21と電気的に接続されている。
また、光透過性部材36は、第1実施形態の文字板7と同様、透明な樹脂でほぼ円板状に形成されている。この場合、見切り部材4の枠状の光透過性部材14は、その内周面の垂直面14bが平板状の光透過性部材36の外周面に密着して配置されている。これにより、発光素子17は、平板状の光透過性部材36の外周面に対向し、この状態で枠状の光透過性部材14の素子挿入穴18内に配置されている。
【0033】
このような腕時計によれば、明るい所で外部光が時計ガラス2を透過して腕時計ケース1の内部に入射すると、この入射した外部光が液晶表示素子35を照明すると共に、この液晶表示素子35を透過して光透過性部材36に照射され、この照射された光が光透過性部材36を透過するので、第1実施形態と同様、太陽電池素子8に外部光を十分に照射させることができ、これにより太陽電池素子8を良好に発電させることができると共に、この太陽電池素子8で発電した電力を回路基板21に搭載された2次電池(図示せず)に蓄えることができる。このときには、太陽電池素子8で外部光が反射され、この反射された光が上記と逆の光路を経て時計ガラス2から腕時計ケース1の外部に出射されるので、液晶表示素子35に表示された時刻などの情報を視認することができる。
【0034】
また、暗い所では、第1実施形態と同様、図示しない押釦スイッチを操作することにより、2次電池に蓄えられた電力により発光素子17を所望するときに自由に発光させることができる。このときには、発光素子17で発光した光が、第1実施形態と同様、見切り部材4の枠状の光透過性部材14内に入射して導かれながら、光透過性部材14の外周面および下面に形成された微細な凹凸部16で順次拡散、反射され、これにより枠状の光透過性部材14の内周面全域から出射されて、光透過性部材14全体が環状に発光する。
【0035】
この場合、枠状の光透過性部材14の内周面における傾斜面14aから出射された光は、液晶表示素子35の上面側に外周側から照射される。また、枠状の光透過性部材14の内周面における垂直面14bから出射された光は、液晶表示素子35の側面に照射されると共に、平板状の光透過性部材36の外周面全域から入射し、この平板状の光透過性部材36で導かれながら、その上面から出射されることにより、平板状の光透過性部材36を面発光させて液晶表示素子35の下面全体を照明する。これにより、枠状の光透過性部材14による環状発光と平板状の光透過性部材36による面発光との両方で液晶表示素子35全体を明るく照明することができ、暗い所でも液晶表示素子35に表示された情報を見ることができる。
【0036】
なお、上記第3実施形態では、発光素子として可視光線領域の光を発光する発光素子17を用いたが、これに限らず、例えば第2実施形態と同様、発光素子として紫外線発光素子30を用いても良い。この場合には、太陽電池素子8の上側に位置する平板状の光透過性部材36の上面に、第2実施形態と同様、紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光を発光する透明な発光層31を設ければ良い。このような構造でも、室内などの明るい所で外部光が発光層31を透過するので、太陽電池素子8に外部光を十分に照射させて良好に発電させることができる。また、紫外線発光素子30を発光させると、その発光した紫外線領域の光が枠状の光透過性部材14で導かれて内周面全域から出射され、この出射された紫外線領域の光が、第3実施形態と同様、平板状の光透過性部材36の上面に設けられた発光層31にその上下両方向から照射されるので、この発光層31が紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光で発光し、これにより液晶表示素子35の下面全体を照明することができ、暗い所でも液晶表示素子35に表示された情報を見ることができる。
【0037】
[第4実施形態]
次に、図6〜図9を参照して、この発明を腕時計に適用した第4実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図3に示された第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
この腕時計は、見切り部材40の枠状の光透過性部材41の内周面と文字板7の外周面との間に発光素子17を配置した構造で、これ以外は第1実施形態とほぼ同じ構造になっている。すなわち、見切り部材40は、枠状の光透過性部材41と、この光透過性部材41の外周に配置される白色の枠状部材15とからなり、白色の枠状部材15は、第1実施形態と同じ構造になっている。
【0038】
枠状の光透過性部材41は、図7に示すように、上リング部42と下リング部43とからなり、これらが透明な樹脂でほぼリング状に一体に形成されている。すなわち、この枠状の光透過性部材41は、上リング部42の断面形状がほぼ台形状に形成され、下リング部43の断面形状がほぼ矩形状に形成され、この矩形状の下リング部43が上リング部42の下面の中間部分よりも外周側に位置し、これにより上リング部42がオーバーハング状に形成されている。この場合、光透過性部材41の台形状の上リング部42は、第1実施形態と同様、その内周面が、上部から下部側に向けて傾斜する傾斜面42aと、この傾斜面42aの下部から垂直に連続する垂直面42bとからなり、この上リング部42の外周面が、上部から下部側に向けて傾斜する傾斜面42cと、この傾斜面42cの下部から外周側に突出する凸部42dとからなっている。
【0039】
また、光透過性部材41の矩形状の下リング部43は、上リング部42の下面の中間部分から凸部42dに亘る下面に形成されている。また、この枠状の光透過性部材41における上リング部42の外周側の傾斜面42c、凸部42dの外周面、下リング部43の外周面、および下リング部43の下面には、微細な凹凸部16がそれぞれ形成されている。さらに、上リング部42の外周側の傾斜面42cには、図6に示すように、白色の枠状部材15が密着して配置されるようになっており、下リング部43の外周面と下リング部43の下面には、反射シート20が連続して配置されている。
【0040】
一方、文字板7と太陽電池素子8とは、図6に示すように、その両者の外周面が枠状の光透過性部材41における上リング部42の下側に位置した状態で、光透過性部材41の下リング部43の内周面に密接して対向するように配置されている。また、発光素子17は、図6に示すように、文字板7および太陽電池素子8の両者の外周面と枠状の光透過性部材41における下リング部43の内周面との間に配置されている。すなわち、枠状の光透過性部材41における下リング部43の内周面の互いに対向する2か所、例えば3時と9時とに位置する2か所には、図8に示すように、半円形状の素子挿入凹部44が設けられており、文字板7および太陽電池素子8の両者の外周面には、図9(a)および図9(b)に示すように、半円形状の素子挿入凹部45がそれぞれ下リング部43の内周面の素子挿入凹部44に対応して設けられている。
【0041】
これにより、発光素子17は、光透過性部材41の素子挿入凹部44と文字板7および太陽電池素子8の素子挿入凹部45とによって形成されるほぼ円形状の素子挿入部内に下側から発光素子17のモールド樹脂24が挿入され、このモールド樹脂24の半分が光透過性部材41の素子挿入凹部44内に位置し、モールド樹脂24の他の半分が文字板7および太陽電池素子8の素子挿入凹部45内に位置した状態で配置されている。この場合、文字板7の下面には、図9(a)に示すように、微細な凹凸部46が放射状に形成されている。この文字板7は、その上面側から下面側に光が透過する光の透過率が微細な凹凸部46によって若干低下するが、この透過率の低下を考慮しても80%〜90%程度の透過率を有するように形成されている。
【0042】
このような腕時計によれば、明るい所で外部光が時計ガラス2を透過して腕時計ケース1の内部に入射するので、第1実施形態と同様、入射した外部光によって指針13と文字板7とを照明することができ、これにより通常の腕時計と同様、時刻を知ることができる。このときには、文字板7に照射された外部光が文字板7を透過するので、太陽電池素子8に外部光を照射させることができ、これにより太陽電池素子8を発電させることができると共に、この太陽電池素子8で発電した電力を回路基板21に搭載された2次電池(図示せず)に蓄えることができる。この場合、文字板7は、その下面に微細な凹凸部46が放射状に形成されているため、外部光の透過率が微細な凹凸部46によって若干低下するが、80%〜90%程度の外部光を透過させることができるので、太陽電池素子8に外部光を十分に照射させることができ、これにより太陽電池素子8を良好に発電させることができると共に、十分な電力を2次電池に蓄えることができる。
【0043】
また、暗い所では、太陽電子素子8で発電した電力が2次電池に蓄えられているので、図示しない押釦スイッチを操作することにより、2次電池に蓄えられた電力により発光素子17を所望するときに自由に発光させることができる。このときには、発光素子17の透明なモールド樹脂24が枠状の光透過性部材41の素子挿入凹部44と文字板7および太陽電池素子8の素子挿入凹部45とによるほぼ円形状の素子挿入部内に配置されているので、発光素子17の発光体22が発光すると、その光がモールド樹脂24を透過して枠状の光透過性部材41と文字板7との各素子挿入凹部44、45から光透過性部材41および文字板7の各内部に入射する。
【0044】
この場合、枠状の光透過性部材41の内部に入射した光は、その光透過性部材41によって導かれると共に、光透過性部材41の外周面および下面に形成された微細な凹凸部16によって順次拡散、反射されて光透過性部材41の内周面全域から出射されるので、枠状の光透過性部材41を環状に発光させることができる。このときには、枠状の光透過性部材41の外周面の傾斜面42cに密着する白色の枠状部材15と、この光透過性部材41に外周面および下面に設けられた反射シート20とによって、光透過性部材41で導かれる光が外周側および下面側に漏れないように反射することができ、これにより発光素子17からの光を確実に且つ効率良く枠状の光透過性部材41で導くことができる。
【0045】
このように枠状の光透過性部材41が環状に発光したときには、光透過性部材41の上リング部42の内周面から出射された光で文字板7の上面および指針13が外周側から照明されると共に、光透過性部材41の下リング部43の内周面から出射された光が文字板7の外周面全域から入射し、この入射した光が発光素子17から直接入射した光と共に文字板7の内部で導かれながら、文字板7に形成された放射状の微細な凹凸部46で拡散、反射されて文字板7の上面から出射されるので、文字板7が面発光する。これにより、文字板7による面発光と枠状の光透過性部材41の上リング部42による環状発光との両方で文字板7および指針13の全体を明るく照明することができ、これにより暗い所でも良好に時刻を知ることができる。
【0046】
[第5実施形態]
次に、図10を参照して、この発明を腕時計に適用した第5実施形態について説明する。この場合には、図6〜図9に示された第4実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
この腕時計は、第2実施形態と同様、発光素子として紫外線発光素子30を用い、且つ文字板7の上面に紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光を発光する透明な発光層31を設けた構造になっており、これ以外は第4実施形態と同じ構造になっている。
【0047】
すなわち、紫外線発光素子30は、第2実施形態と同様、波長が350〜400nm(ナノメートル:ナノは10億分の1メートル)、好ましくは350〜380nmの近紫外線(UV−A)を発光するブラックライトと呼ばれる紫外線発光ダイオード(LED)などの発光体を備えた構造で、これ以外は第1実施形態の発光素子17と同じ構造になっている。また、発光層31は、第2実施形態と同様、350〜420nmまたは254〜365nmの紫外線領域の波長の光に反応して可視光線領域の光を発光し、紫外線領域の光が照射されないときに透明な状態を呈するものである。なお、時計ガラス2の内面には、紫外線領域の光を反射する紫外線反射膜(図示せず)が設けられていることが望ましい。
【0048】
このような腕時計よれば、紫外線領域の光が当らない室内などの明るい所で外部光が時計ガラス2を透過して腕時計ケース1の内部に入射し、この入射した外部光によって指針13および文字板7が照明されるので、第4実施形態と同様、時刻を知ることができると共に、文字板7の上面に設けられた発光層31が透明な状態を呈するので、文字板7に照射された外部光が発光層31および文字板7を透過して太陽電池素子7に照射される。このため、第4実施形態と同様、太陽電池素子8を発電させることができ、この太陽電池素子8で発電した電力を回路基板21の2次電池(図示せず)に蓄えることができる。この場合、時計ガラス2に紫外線反射膜が設けられていれば、屋外などの紫外線領域の光を含む外部光が時計ガラス2に照射されると、外部光に含まれている紫外線領域の光が紫外線反射膜で反射されて発光層31に照射されることがないので、外部光を太陽電池素子8に十分に照射させることができ、これにより太陽電池素子8を良好に発電させることができる。
【0049】
また、暗い所では、第4実施形態と同様、図示しない押釦スイッチを操作することにより、2次電池に蓄えられた電力により紫外線発光素子30を所望するときに自由に発光させることができる。このときには、紫外線発光素子30が人間の目に見えない紫外線領域の光を発光し、この発光した紫外線領域の光が、第4実施形態と同様、枠状の光透過性部材41と文字板7との両方の内部に入射する。このため、枠状の光透過性部材41の内部に入射した光は、その光透過性部材41によって導かれながら、光透過性部材41の外周面および下面に形成された微細な凹凸部16によって順次拡散、反射されて光透過性部材41の内周面全域から出射される。
【0050】
この場合には、光透過性部材41の上リング部42の内周面から出射された紫外線領域の光が文字板7の上面に設けられた発光層31に上方から照射されるので、発光層31が紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光で面発光すると共に、光透過性部材41の下リング部43の内周面から出射された光が文字板7の外周面に入射し、この入射した光が紫外線発光素子30から直接入射した紫外線領域の光と共に文字板7の内部で導かれながら、文字板7に形成された放射状の微細な凹凸部46で拡散、反射されて文字板7の上面から出射され、この出射された紫外線領域の光が文字板7の上面に設けられた発光層31に下方から照射され、これにより発光層31が紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光で面発光する。このため、文字板7の発光層31には、枠状の光透過性部材41の上リング部42による環状発光と文字板7による面発光との両方によって紫外線領域の光が照射されるので、発光層31を十分に発光させることができ、これにより文字板7および指針13の全体を明るく照明することができ、暗い所でも良好に時刻を知ることができる。
【0051】
なお、上記第5実施形態では、文字板7の上面のみに発光層31を設けたが、これに限らず、見切り部材40の枠状の光透過性部材41における上リング部42の内周面にも発光層31を設けても良い。この場合には、第5実施形態と同様、枠状の光透過性部材41における下リング部43の内周面から紫外線領域の光が出射されて文字板7上の発光層31に照射され、これにより発光層31が可視光線領域の光で面発光するので、文字板7および指針13を下面側から照明することができるほか、特に枠状の光透過性部材41における上リング部42の内周面から出射される紫外線領域の光に光透過性部材41の上リング部42の内周面に設けられた発光層31が反応して可視光線領域の光を発光するので、枠状の光透過性部材41の上リング部42を環状に発光させて文字板7および指針13を上面側から照明することができ、これらによって文字板7および指針13の全体を明るく照明することができる。
【0052】
[第6実施形態]
次に、図11を参照して、この発明を腕時計に適用した第6実施形態について説明する。この場合にも、図6〜図9に示された第4実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
この腕時計は、第3実施形態と同様、表示部材として液晶表示素子35を用い、この液晶表示素子35の下側に文字板7に代えて平板状の光透過性部材36を配置し、この光透過性部材36の下側に太陽電池素子8を配置すると共に、この光透過性部材36の外周面と見切り部材40の枠状の光透過性部材41の内周面との間に発光素子17を配置した構造で、これ以外は第4実施形態とほぼ同じ構造になっている。
【0053】
すなわち、液晶表示素子35は、第3実施形態と同様、上下一対の透明な電極基板間に液晶を封入し、各電極基板の外側面にそれぞれ偏光板を設け、一対の電極基板間に選択的に電圧を印加することにより、その電圧印加に応じて時刻などの情報を表示するように構成されている。この場合、液晶表示素子35は、インターコネクタ(図示せず)によって回路基板21と電気的に接続されている。
また、平板状の光透過性部材36は、第1実施形態の文字板7と同様、透明な樹脂でほぼ円板状に形成され、その外周面が枠状の光透過性部材41における下リング部43の内周面に対向して配置されている。また、枠状の光透過性部材41における上リング部42の内周面の垂直面42bには、液晶表示素子35の外周面が対向している。
【0054】
このような腕時計によれば、明るい所で外部光が時計ガラス2を透過して腕時計ケース1の内部に入射すると、この入射した外部光が液晶表示素子35を照明すると共に、この液晶表示素子35を透過して光透過性部材36に照射され、この照射された光が光透過性部材36を透過するので、第4実施形態と同様、太陽電池素子8に外部光を十分に照射させることができ、これにより太陽電池素子8を良好に発電させることができると共に、この太陽電池素子8で発電した電力を回路基板21に搭載された2次電池(図示せず)に蓄えることができる。このときには、太陽電池素子8で外部光が反射され、この反射された光が上記と逆の光路を経て時計ガラス2から腕時計ケース1の外部に出射されるので、液晶表示素子35に表示された時刻などの情報を視認することができる。
【0055】
また、暗い所では、第4実施形態と同様、太陽電子素子8で発電した電力が2次電池に蓄えられているので、図示しない押釦スイッチを操作することにより、2次電池に蓄えられた電力により発光素子17を所望するときに自由に発光させることができる。このときには、発光素子17で発光した光が枠状の光透過性部材41と平板状の光透過性部材36の各内部に入射する。そして、枠状の光透過性部材41の内部に入射した光は、その光透過性部材41で導かれながら微細な凹凸部16によって順次拡散、反射されて光透過性部材41の内周面全域から出射されるので、枠状の光透過性部材41が環状に発光する。
【0056】
このため、枠状の光透過性部材41の上リング部42の内周面から出射された光で液晶表示素子35の上面側を外周側から照明すると共に液晶表示素子35の側面をも照明することができ、また枠状の光透過性部材41の下リング部43の内周面から出射された光が発光素子17から直接入射する光と共に平板状の光透過性部材36の外周面から入射し、この入射した光が平板状の光透過性部材36で導かれながら上面から出射されるので、平板状の光透過性部材36が面発光し、これにより液晶表示素子35の下面側を照明することができる。これにより、平板状の光透過性部材36による面発光と枠状の光透過性部材41の上リング部42による環状発光との両方で液晶表示素子35の全体を明るく照明することができ、暗い所でも良好に時刻を知ることができる。
【0057】
なお、上記第6実施形態では、発光素子として可視光線領域の光を発光する発光素子17を用いたが、これに限らず、例えば第5実施形態と同様、発光素子として紫外線発光素子30を用いても良い。この場合には、太陽電池素子8の上側に位置する平板状の光透過性部材36の上面に、第5実施形態と同様、紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光を発光する透明な発光層31を設ければ良い。このような構造でも、室内などの明るい所で外部光が発光層31を透過するので、太陽電池素子8に外部光を十分に照射させて良好に発電させることができる。また、暗い所で紫外線発光素子30を発光させると、その発光した紫外線領域の光が枠状の光透過性部材41と平板状の光透過性部材36の各内部に入射するので、第5実施形態と同様、枠状の光透過性部材41の上リング部42による環状発光と平板状の光透過性部材36による面発光との両方から紫外線領域の光を発光層31に照射することができるので、発光層31を十分に発光させることができ、これにより液晶表示素子35の全体を明るく照明することができる。
【0058】
また、上記第4〜第6実施形態およびその変形例では、文字板7または平板状の光透過性部材36の下面に微細な凹凸部46を形成したが、これに限らず、文字板7または平板状の光透過性部材36の上面に微細な凹凸部46を形成しても良く、また文字板7または平板状の光透過性部材36の上下両面に微細な凹凸部46を形成しても良い。このようにな構造でも、第4〜第6実施形態と同様の作用効果がある。
さらに、上記第1〜第6実施形態およびその変形例では、文字板7または平板状の光透過性部材36の各側部における互いに対向する2か所、例えば12時と6時、または3時と9時とに位置する個所に発光素子17または紫外線発光素子35を設けたが、これに限らず、文字板7または平板状の光透過性部材36の各側部の1か所に設けても良く、また3か所以上に設けても良い。
【0059】
なおまた、上記第1〜第6実施形態およびその変形例では、腕時計に適用した場合について述べたが、これに限らず、トラベルウォッチや置き時計、あるいは掛け時計などの時計にも適用することができるほか、特に表示部材として液晶表示素子を用いた場合には、時計に限らず、携帯電話機などの電子機器にも広く適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、表示部材の下側に太陽電池素子を配置し、表示部材の外周側を囲むように枠状の光透過性部材を設けると共に、この枠状の光透過性部材の外周面に微細な凹凸部を形成し、この枠状の光透過性部材の内部に発光素子を配置したので、明るい所で外部光が表示部材を介して太陽電池素子に照射され、これにより太陽電池素子を十分に発電させることができると共に、この太陽電池素子で発電された電気によって所望するときに自由に発光素子を発光させることができ、また発光素子を発光させると、その光が光透過性部材の内部に向けて照射され、この照射された光が光透過性部材で導かれるときに、光透過性部材の外周面の微細な凹凸部で拡散、反射されて光透過性部材の内周面から出射されるので、枠状の光透過性部材が環状に発光し、これにより暗い所でも表示部材全体を外周側から明るく照明することができる。
【0061】
また、請求項3に記載の発明によれば、表示部材の下側に平板状の光透過性部材を配置し、この平板状の光透過性部材の下側に太陽電池素子を配置し、表示部材の外周側を囲むように枠状の光透過性部材を配置してその内周面に平板状の光透過性部材の外周面を対向させ、この平板状の光透過性部材の外周面と枠状の光透過性部材の内周面との間に発光素子を配置したので、明るい所で表示部材を介して外部光が平板状の光透過性部材を透過して太陽電池素子に照射されるので、太陽電池素子を良好に発電させることができ、また発光素子を発光させると、その光が平板状の光透過性部材と枠状の光透過性部材との各内部に向けて照射され、枠状の光透過性部材の内部に向けて照射された光が枠状の光透過性部材の内周面から出射して枠状の光透過性部材を環状に発光させると共に、平板状の光透過性部材の外周面に入射し、この入射した光が発光素子から直接入射した光と共に平板状の光透過性部材の上面から出射されて平板状の光透過性部材を面発光させるので、暗い所でも枠状の光透過性部材による環状発光と平板状の光透過性部材による面発光との両方で表示部材全体を明るく照明することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を腕時計に適用した第1実施形態の要部を示した拡大断面図。
【図2】図1の見切り部材における枠状の光透過性部材を拡大した断面図。
【図3】図1の発光素子を拡大して示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のA−A矢視における断面図。
【図4】この発明を腕時計に適用した第2実施形態の要部を示した拡大断面図。
【図5】この発明を腕時計に適用した第3実施形態の要部を示した拡大断面図。
【図6】この発明を腕時計に適用した第4実施形態の要部を示した拡大断面図。
【図7】図6の見切り部材における枠状の光透過性部材を拡大した断面図。
【図8】図7の底面図。
【図9】図6の平板状の光透過性部材を拡大して示し、(a)はその平面図、(b)は(a)のB−B矢視における断面図。
【図10】この発明を腕時計に適用した第5実施形態の要部を示した拡大断面図。
【図11】この発明を腕時計に適用した第6実施形態の要部を示した拡大断面図。
【符号の説明】
1 腕時計ケース
2 時計ガラス
3 時計モジュール
4、40 見切り部材
7 文字板
8 太陽電池素子
10 アナログムーブメント
13 指針
14、41 枠状の光透過性部材
15 白色の枠状部材
16、46 微細な凹凸部
17 発光素子
18 素子挿入穴
20 反射シート
30 紫外線発光素子
31 発光層
35 液晶表示素子
36 平板状の光透過性部材
Claims (6)
- 表示部材と、
この表示部材の下側に配置された太陽電池素子と、
前記表示部材の外周側を囲むように設けられ、外周面に微細な凹凸部が形成された枠状の光透過性部材と、
この枠状の光透過性部材の内部に配置された発光素子と
を備えたことを特徴とする電子機器。 - 前記太陽電池素子の上面には平板状の光透過性部材が配置され、前記発光素子は紫外線発光素子であり、前記平板状の光透過性部材の上面には紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光を発光する透明な発光層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 表示部材と、
この表示部材の下側に配置された平板状の光透過性部材と、
この平板状の光透過性部材の下側に配置された太陽電池素子と、
前記表示部材の外周側を囲むように設けられると共に、内周面が前記平板状の光透過性部材の外周面に対向する枠状の光透過性部材と、
前記平板状の光透過性部材の外周面と前記枠状の光透過性部材の内周面との間に配置された発光素子と
を備えたことを特徴とする電子機器。 - 前記枠状の光透過性部材の外周面には微細な凹凸部が形成され、前記平板状の光透過性部材の上下面のうち、少なくとも下面には微細な凹凸部が放射状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
- 前記発光素子は紫外線発光素子であり、前記平板状の光透過性部材と前記枠状の光透過性部材とのうち、少なくとも前記平板状の光透過性部材の上面には紫外線領域の光に反応して可視光線領域の光を発光する透明な発光層が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
- 前記枠状の光透過性部材の外周面には白色の枠状部材が配置され、前記枠状の光透過性部材の下面には反射シートが設けられていることを特徴とする請求項1または3に記載の電子機器。
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