JP4591758B2 - 転回ユニット - Google Patents
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Description
従来の転回ユニットについてみると、特許文献1のように、2個の反転ヘッドによる受け渡し方式が主である。
この発明は、ワークの反転そのものに厳密なタイミングが要求されず、ワーク反転のための機構が簡単で、かつ、反転作動(180°の回転)を高速化できる転回ユニットの提供を課題とする。また、さらに進んで、180°に限らず、反転を包含する所定の角度に転回できる転回ユニットの提供を課題とする。
ヘッドは、貫通したワーク配置孔を有するワーク収容部材とこれの両面を開閉できる蓋部材を備えたものとする。
間欠駆動機構は、ヘッドを正転位置、反転位置を含む所定の角度位置との間で転回するものとする。
なお、この明細書において、反転は180°回転した姿勢を意味し、転回は回転によって姿勢を変えることを意味する。また、90°の転回を含むその他の所定角度姿勢への変更を角度転回と称することとする。
制御機構は、ワーク収容部材や蓋部材など、ヘッド構成部材の作動を制御するものであり、次のタイミングとする。
ワークをワーク配置孔に収容して蓋部材で閉じる。ついで、ヘッド全体を回転し、ワーク配置孔に収容したワークを転回する。ワークの受け入れと取り出しは、蓋部材によりワーク配置孔を開閉して行う。すなわち、ワークを受け入れるときは蓋部材を開いて受け入れ、ついで蓋を閉じる。ワークの取り出しは蓋部材を開いて行う。
同一個所で転回できるので、PPUなどの先端作業部の移動を単純な一方向とでき、PPUなどの制御や機構を簡単なものとできる。
ワーク配置孔はワークの形状に合わせ、内部で回転が生じない貫通孔でよく、通常単純な形態となるので加工が容易であり、転回ユニットのコストダウンを図ることができる。
間欠駆動機構にステッピングモーターを利用してワーク転回作業の高速化を図ることができる。
ワークの受け渡しが不調となって、ワークの姿勢変更(転回)に失敗するということが生じない。
受け渡しにエア回路を用いないので、制御にエア応答のロス時間を見込む必要がなく、転回操作を高速化できる。
本体2(図、2,3)は、内部を円筒穴6とした外形角筒のシャーシ7と円筒穴6に収めた主軸8とスライドブロック9、駆動ローラー10、移動リング11、固定リング12及びリニアガイド13(13a,13b)を備える。円筒穴6は、前方(図左)が開放され、後壁に主軸貫通用の孔14が、また、底壁にスライド駆動モーター5のモーターヘッド15が位置する開口16が形成されている。
スライドブロック9は、スライド軸受け構造により主軸8に支持されると共に回転方向の移動が規制され、且つ、主軸8の軸方向へ往復移動可能とされている。スライドブロック9は、主軸より上部が半円筒形でその前方に移動リング11を一体に有している。移動リング11は、1個の環状リングを上下に分割した上半180°の部分であり、前記半円筒形部分の半円に沿っている。
前記スライドブロック9の下面には駆動ローラー10を受け入れるカム溝19が左右方向直線に形成されている(図4)。
リニアガイド13は、主軸8の上面側と下面側に上下対称に配置され、レール部材20が主軸8に固定されてスライド部材21が前後方向へ移動可能となっている(図5)。
ワーク収容部材24は前端部にワーク配置孔26を備え、後端部をスリーブ27に連結している。ワーク配置孔26は、取り扱うワークの形状に合わせた上下方向に貫通した孔である。ワークの形状に合わせるとは、この配置孔26に収容されたワーク収容部材の反転時に配置孔26の内部で回転したり、反転したりしない大きさと形状のことである。
リニアガイド13に後部を固定されたヘッド3は、その全体としての中間部に取り付けた軸支部材29により、シャーシ7の開口縁に前記のベアリング18を介して回転可能に軸支される(図8)。これは同時に、主軸8の前部をシャーシ7へ回転可能に軸支することになる。
転回駆動モーター4とスライド駆動モーター5には制御装置30(図1)から次の作動を行うタイミングでそれぞれに所定のパルス量が送られる。この発明では、制御装置30とスライドブロック9など第1、第2の蓋部材23a,23bをスライド移動させるための機構及びヘッド3を回動させるための機構により制御機構が構成されている。
また、移動リング11と固定リング12は上下方向で同じ面に位置している。
転回駆動モーター4が駆動されると、ヘッド3が第1、第2の蓋部材23a,23b及びワーク収容部材24ともども回転し、反転される。また、スライド駆動モーター5が駆動されると、駆動ローラー10が回動され、カム溝19との係合でスライドブロック9が前後に移動する。
イ. 転回ユニット1は、第1蓋部材23aを後方へ引き、ワーク収容部材24のワーク配置孔26が開放された待機状態にある。ワーク配置孔26の下方は第2蓋部材23bで閉鎖されている。PPUの吸着ヘッドp(先端作業部)でワークwを吸引し、転回ユニット1のワーク配置孔26にワークwを入れる(図9)。
ロ. PPUの吸着ヘッドpがワークwの保持を解除して上方に退避する。上方の蓋部材23aが前進してワーク配置孔26を閉じる。ワーク配置孔26は上方及び下方の開口が第1、第2の蓋部材23a,23bにより閉鎖されてワークwを内部に閉じ込めた状態となる。
ハ. ついで、主軸8の回転でヘッド3が180°回転して、収容したワークwを反転する。
ニ. 上方となっている第2の蓋部材23bが後方へ引かれ、ワーク配置孔26を開放し、ホ. PPUの吸着ヘッドpにより内部のワークwを取り出す。このワークwは反転されている。
ワーク置き台33は、第1、第2の蓋部材の直前にあって、上面の高さが第2蓋部材の上面と同じ高さとされている。
PPUの吸着ヘッドpによってワークwをワーク配置孔26に入れて吸着ヘッドpが上方へ退避した後(図14イ、ロ)、まず、ワーク収容部材24を後方に移動してワーク配置孔26を第1、第2の蓋部材23a,23bの対向位置とする(図15ハ)。すると、ワーク収容部材24の先端はワーク置き台33の上面を離れ、且つ、ワークwは第1、第2の蓋部材によりワーク配置孔26に閉じ込められた状態となる。
この実施例では、第1の実施例のようにスライドブロック9を用いないので、機構が簡素になり、ヘッド3を回転可能に軸支する構造を頑丈に、且つ、安定したものとできる特徴がある。
したがって、スライド駆動モーター5が反復回転すると、第1の蓋部材23aと第2の蓋部材23bは交互にワーク配置孔26を開閉し、第1蓋部材23aがワーク配置孔26を開放するとき第2蓋部材23bはワーク配置孔26を閉じている。また、その交互開閉が入れ替わるとき、すなわち、図の状態では第1、第2の蓋部材23a,23bが共にワーク配置孔26を閉じており、この時に転回駆動モーター4でヘッド3を反転させるタイミングとなっている。
ワークを反転操作する手順とタイミングは第1実施例の場合と同様である。
第3の実施例では、第1、第2の蓋部材23a,23bの前後移動を一枚の円板カムで行うので、作動が滑らかであり、また、繰り返し精度が高い特徴がある。
第1の実施例では、第1、第2のスライドプレート22a,22bのガイドローラー25a,25bが移動リング11と固定リング12間を乗り移り移動する構造であるから、前記ガイドローラー25a,25bが移動リングと固定リングの両方に渡ってしまうときは、スライドプレート22a,22bを前後に移動できない。従って、ワークwの転回角度をこのときの角度に設定することができない。また、第2の実施例ではワーク置き台33の上面に第1あるいは第2の蓋部材23a,23bの平面を合わせなくてはならないから、結局は180°の転回角度すなわち反転しかできない。第1、第2の実施例構造は、反転操作に適合したものといえる。
例えば、ワーク配置孔26に上方からワークwを収容して、第1、第2の蓋部材23a,23bで閉じ、90°転回した位置でワークwの正面を画像検査機で検査し、ついで反転させて背面を同じ画像検査機で検査し、さらに、水平に戻してPPUで取り出し次の工程に搬送するなどのことができる。この結果、高価な画像検査機を2台用意するよりもコスト的にもスペース的にも節約が可能となる。
本願の発明では、1個のヘッドが回転してワークがその位置で転回される構造が重要である。
2 本体
3 ヘッド
4 転回駆動モーター
5 スライド駆動モーター
6 円筒穴
7 シャーシ
8 主軸
9 スライドブロック
10 駆動ローラー
12 固定リング
13a,13b リニアガイド
14 主軸貫通用孔
15 モーターヘッド(スライド駆動モーターの)
16 開口
17 ベアリング(主軸後部の)
18 ベアリング(シャーシ開口縁s)
19 カム溝
20 レール部材(リニアガイドの)
22a 第1のスライドプレート
22b 第2のスライドプレート
23a 第1蓋部材
23b 第2蓋部材
24 ワーク収容部材
25a,25b (一対の)ガイドローラー
26 ワーク配置孔
27 スリーブ
28 モーターヘッド(転回駆動モーターの)
29 軸支部材
30 制御装置
32a 上方プレート
32b 下方プレート
33 ワーク置き台
34 プーリー
35 タイミングベルト
36 カップリング
37 円板カム
38 第1スライドスリーブ
39 第2スライドスリーブ
40 第1のカム溝
41 第2のカム溝
42 駆動ローラー(第1スライドスリーブの)
43 駆動ローラー(第2スライドスリーブの)
44 環状溝(スライドプレート22aの)
45 ローラー
46 環状溝(スライドプレート22bの)
47 ローラー
Claims (4)
- ワーク収納部材と、第1、第2の蓋部材を有するヘッドと、ヘッドを正転位置、及び反転位置とする間欠駆動機構及びヘッド構成部材の作動を制御する制御機構を備え、ワーク収容部材は貫通したワーク配置孔を有し、第1蓋部材はワーク配置孔の一方側開口を開閉する位置にあり、第2蓋部材は他方側の開口を開閉する位置にあり、制御機構は、ヘッドが正転位置にあるとき第1蓋部材でもって前記一方側開口を開閉すると共に第2蓋部材でもって前記他方側の開口を閉じた状態に維持し、ヘッドが反転位置にあるとき第2蓋部材でもって他方側の開口を開閉すると共に第1蓋部材でもって前記一方側の開口を閉じた状態に維持し、ヘッドが転回するとき第1、第2の蓋部材をともにワーク配置孔を閉じた位置とするタイミングの制御を行うことを特徴としたワーク転回ユニット。
- 本体に主軸とヘッドを同軸で回転可能に取付け、主軸を間欠駆動機構に結合すると共にヘッドを制御機構に結合し、主軸前端部をワーク配置孔を設けたワーク収納部材に構成すると共に、ヘッドに、主軸の軸方向へスライド可能な第1、第2のスライドプレートを設け、スライドプレートの前端部に第1、第2の蓋部材を取付けて前記のワーク配置孔の両面をスライド移動により開閉可能とし、第1スライドプレートの後端部を環状リングを上下に2分した一方の移動リングに係合し、他方の固定リングに第2スライドプレートの後端部を係合し、移動リングは本体へ制御機構により前後移動可能に取付け、固定リングは本体の定位置に固定し、第1、第2の蓋部材がワーク配置孔を閉じた前進位置にあるとき、移動リングと固定リングが上下方向で環状面を揃えた位置にあることを特徴とした請求項1に記載のワーク転回装置。
- ワーク収容部材と第1、第2の蓋部材を有するヘッドと、ヘッドを正転位置、角度転回位置及び反転位置とする間欠駆動機構及びヘッド構成部材の作動を制御する制御機構を備え、ワーク収容部材は貫通したワーク配置孔を有し、第1蓋部材はワーク配置孔の一方側開口を開閉する位置にあり、第2蓋部材は他方側の開口を開閉する位置にあり、制御機構は、ヘッドが正転位置及び正転側角度転回位置にあるとき第1蓋部材を開閉し、ヘッドが反転位置及び反転側角度転回位置にあるとき第2蓋部材を開閉するとともに、ヘッドが転回するとき第1、第2の蓋部材をともにワーク配置孔を閉じた位置とするタイミングの制御を行うことを特徴とした請求項1に記載のワーク転回ユニット。
- 第1、第2蓋部材の開閉タイミングが、制御機構において間欠駆動機構から機械的に独立して作動が可能な、カム溝式の円盤カムによって達成されていることを特徴とした請求項2又は3に記載のワーク転回装置。
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