JP4591498B2 - 複合構造物作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脆性材料の微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを基板に吹き付け、微粒子の構成材料からなる構造物をセラミック基材上に形成させる複合構造物作製方法に関する。
基材表面に脆性材料を主体とする構造物を形成させる方法として、エアロゾルデポジション法と呼ばれる手法が認知されている。これは脆性材料などの微粒子をガス中に分散させたエアロゾルをノズルから基材に向けて噴射し、金属やガラス、セラミックスやプラスチックなどの基材に微粒子を衝突させ、この衝突の衝撃により脆性材料微粒子を変形あるいは破砕させてこれらを接合させ、基材上に微粒子の構成材料からなる構造物をダイレクトで形成させることを特徴としており、特に加熱手段を必要としない常温で構造物が形成可能なプロセスにて、焼成体同等の機械的強度を保有する構造物を得ることができる。この方法に用いられる装置は、基本的にエアロゾルを発生させるエアロゾル発生器と、エアロゾルを基材に向けて噴射するノズルとからなり、ノズルの開口よりも大きな面積で構造物を作製する場合には、基材とノズルを相対的に移動・揺動させる位置制御手段を有し、減圧下で作製を行う場合には構造物を形成させるチャンバーと真空ポンプを有し、またエアロゾルを発生させるためのガス発生源を有することが一般的である。
エアロゾルデポジション法のプロセス温度は常温であり、微粒子材料の融点より十分に低い温度、すなわち数百℃以下で構造物形成が行われるところにひとつの特徴がある。
また使用される微粒子はセラミックスや半導体などの脆性材料を主体とし、異種の脆性材料微粒子を混合させたり、複合させて用いることが可能であり、また一部金属材料や有機物材料などを脆性材料微粒子に混合させたり、脆性材料微粒子表面にコーティングさせて用いることも可能である。これらの場合でも構造物形成の主となるものは脆性材料である。
この手法によって形成される構造物において、結晶性の脆性材料微粒子を原料として用いる場合、その構造物の脆性材料部分は、その結晶子サイズが原料微粒子のそれに比べて小さい多結晶体であり、その結晶は実質的に結晶配向性がない場合が多く、脆性材料結晶同士の界面にはガラス層からなる粒界層が実質的に存在しないと言え、さらに構造物の一部は基材表面に食い込むアンカー層を形成することが多いという特徴がある。
この方法により形成される構造物は、微粒子同士が圧力によりパッキングされ、物理的な付着で形態を保っている状態のいわゆる圧粉体とは明らかに異なり、十分な強度を保有している。
この構造物形成において、脆性材料微粒子が破砕・変形を起していることは、原料として用いる脆性材料微粒子および形成された脆性材料構造物の結晶子サイズをX線回折法で測定することにより判断できる。すなわちエアロゾルデポジション法で形成される構造物の結晶子サイズは、原料微粒子の結晶子サイズよりも小さくなっていることに大きな特徴がある。微粒子が破砕や変形をすることで形成されるずれ面や破面には、もともと内部に存在し別の原子と結合していた原子が剥き出しの状態となった新生面が形成される。この表面エネルギーが高い活性な新生面が、隣接した脆性材料表面や同じく隣接した脆性材料の新生面あるいは基板表面と接合することにより構造物が形成されるものと考えられる。また微粒子の表面に水酸基が程よく存在する場合では、微粒子の衝突時に微粒子同士や微粒子と構造物との間に生じる局部のずり応力により、メカノケミカルな酸塩基脱水反応が起き、これら同士が接合するということも考えられる。外部からの連続した機械的衝撃力の付加は、これらの現象を継続的に発生させ、微粒子の変形、破砕などの繰り返しにより接合の進展、緻密化が行われ、脆性材料構造物が成長するものと考えられる。
特許文献1では、超微粒子材料を加速し基板に衝突させて堆積するようにした超微粒子の成膜法において、超微粒子や基板に高速の高エネルギービームを照射することにより超微粒子や基板表面を溶融することなく活性化し、超微粒子と基板もしくは超微粒子相互の結合を促進させ、超微粒子の結晶性を保持したまま緻密で良好な膜物性と基板への良好な密着性を有する堆積物を形成する超微粒子成膜法の提案があり、高エネルギービームとして、イオン、原子、分子ビームや低温プラズマなどが上げられ、超微粒子流にこれら高エネルギービームを照射することが特に述べられている。プラズマ発生装置を使用する場合は、超微粒子流あるいは基板近傍にプラズマ発生電源を設置あるいは超微粒子流発生源と基板との間に設置するとしている。このような手段を用いる効果として、超微粒子や基板の表面に付着した水分子などによる汚染層や酸化物層を除去し、基板に低速で衝突しても、低温状態で超微粒子と基板もしくは超微粒子粒相互の強固な接合を実現し、超微粒子の結晶性を保持して緻密で優れた物性と基板への良好な密着性を有する薄い被膜を形成できることが挙げられている。
特許文献2では、エアロゾル中の超微粒子を基板に成膜する成膜装置において、成膜室とエアロゾルを噴射するノズルを持つノズル室との間に隔壁を設け、隔壁には成膜室とノズル室との圧力差を維持しつつノズルから放出される超微粒子を通過させる開口部を有し、また成膜室には基板に向かう超微粒子の飛行を妨げないプラズマ発生手段や高周波誘導コイル、マイクロ波導入窓などを設置させる工夫が挙げられており、超微粒子流にこれらエネルギーを照射して、成膜することが述べられている。これによりたとえばプラズマ発生の場合は、そのプラズマ状態がノズル条件によって大幅に左右される不具合を改善し、独立してプラズマ条件を制御可能とするとしている。
特開2000−212766号 特開2002−263473号
以上のように、微粒子になんらかエネルギー付与手段を与えることで、構造物の特性が向上することが挙げられているが、これらは微粒子表面の不純物の吸着などによる不活性面の存在が、微粒子同士の衝突による破砕や変形にて構造物を形成させるエアロゾルデポジション法にとって、不利に働くと考えられるため、微粒子表面をクリーニングすることで、破砕や変形による内部からの活性な新生面形成のみならず、もともとの微粒子の表面についてもある程度活性にしておき、構造物形成を助長させるという思想に基づいているものと考えられる。
しかしながら、従来の技術の場合、高速で微粒子が移動している微粒子流に、たとえばプラズマなどを照射するという特徴上、一粒の微粒子がプラズマにさらされている時間が非常に短く、その微粒子の表面を改質するためには十分でない場合がある。例えば特許文献1で述べられているような超微粒子の速度3〜300m/sの場合、ノズルの開口から基板までの距離を5cmとし、プラズマ照射距離を同じく5cmなどと仮定すると、ある微粒子がプラズマにさらされている時間は0.00017〜0.017秒である。しかもノズルの開口から基板までの距離は数cm程度と短いほど構造物形成の精度や特性にとって有利であることがわかっており、この距離を伸ばしてプラズマ照射時間を延長することも困難である。
また、プラズマはある真空度範囲にて安定的に存在できるが、成膜チャンバ内の圧力と、微粒子流の圧力には違いがあり、微粒子流圧力はかなり高い。微粒子流内でプラズマを維持させることが難しいのみならず、成膜チャンバ内で発生させたプラズマ粒子がガスシールドされている微粒子流内に導入されて、その中の超微粒子の表面にアタックする効率は悪いものと考えられる。この不具合を改善するために特許文献2にあるような、微粒子流内のガス圧を低下させる工夫が取られるわけであるが、装置構成として、ノズルから基板までの距離を大きくとらざるを得ず、従って形成される構造物の精度や特性にとって不利に働くことが考えられ、またノズル室にて真空引きを行うときに、超微粒子もそのガスの流れに影響を受けて方向を転じ、結局ノズルに衝突する微粒子の量を減じてしまうという不具合がある。
そこでこのような問題を解決するために、本発明においては、減圧雰囲気にて脆性材料の微粒子の表面の不純物を除去するためにエネルギー照射を行う工程と、微粒子の表面から除去された不純物を系外に排出させる工程と、不純物を排出させた後にこの表面の不純物が除去された微粒子をガス中に分散させてエアロゾルを発生させる工程と、エアロゾルを基材に向けてノズルより噴射して、エアロゾルを基表面に衝突させ、この衝突の衝撃によって微粒子を破砕・変形させて接合させ、微粒子の構成材料からなる構造物を基材表面上に形成させる工程を備える複合構造物の作製方法を提案する。
ここでまず、本件で使用する語句の説明を以下に行う。
本発明において微粒子とは、一次粒子が緻密質粒子である場合は、粒度分布測定や走査型電子顕微鏡で同定される平均粒径が5μm以下であるものを言う。また一次粒子が衝撃によって破砕しやすい多孔質粒子である場合は、平均粒径が50μm以下であるものを言う。
本発明においてエアロゾルとは、ヘリウム、窒素、アルゴン、酸素、乾燥空気、これらの混合ガスなどのガス中に前述の微粒子を分散させたものであり、一次粒子が分散している状態が望ましいが、通常はこの一次粒子が凝集した凝集粒を含む。エアロゾルのガス圧力と温度は任意であるが、ガス中の微粒子の濃度は、ガス圧を1気圧、温度を20℃と換算した場合に、ノズルから噴射される時点において0.0003mL/L〜0.06mL/Lの範囲内であることが構造物の形成にとって望ましい。
プラズマなどのエネルギーを照射する工程を、エアロゾルデポジション法による構造物作製工程にて行うのではなく、事前に行っておき、その後大気など不純物成分が存在している環境に触れさせることなく、できるだけ速やかにエアロゾルデポジション工程へ持っていき、構造物形成を行う。従ってエネルギー照射時間は任意であり、微粒子の表面クリーニングを十分に行うことができる。さらにエネルギー照射工程中で真空引きなど排気処理を行うことで、不純物を系外へ排出することができ、微粒子表面にこれらが再付着する不具合がなくなる。またプラズマ発生中のガス雰囲気やガス圧も任意に設定することができるため、その効率を向上させることが容易である。
また本発明においては、不純物を系外に排出する工程とエアロゾルを発生させる工程との間に、エネルギー照射を行った微粒子に水蒸気を暴露させて微粒子表面に化学吸着水層を形成させる工程を設けた複合構造物の作製方法を提案する。
一般に微粒子などに吸着している水分を大きく分けると物理吸着水と化学吸着水に分けられ、化学吸着水とは、ここでは微粒子の表面水酸基、および微粒子の表面水酸基や微粒子が酸化物である場合はその酸素原子と水素結合により強固に結合している水分子のことを指すが、本件においては微粒子に吸着している水分のうち、180℃以上で微粒子表面より離脱する水分のことを指す。
微粒子表面には、物理吸着水や化学吸着水、有機物やその他の不純物が付着していることが考えられ、プラズマを十分照射することが達成されれば、これらをほぼすべて除去することになる。水分に関して言えば、物理吸着水の存在は、構造物の形成を阻害し、形成速度を低下させ、また構造物の特性をも劣化させることがわかっている。一方、物理吸着水を除去して、化学吸着水のみを選択的に存在させた微粒子を用いて構造物形成を行った場合、化学吸着水をも除去した微粒子を用いて構造物形成を行った場合に比べて、機械的特性は少しばかり落ちるものの、構造物形成速度が大きくなることもわかっている。これは上述したように、微粒子の表面に化学吸着水が存在する場合では、微粒子の衝突時に微粒子同士や微粒子と構造物との間に生じる局部のずり応力により、メカノケミカルな酸塩基脱水反応が起き、これら同士が接合することで構造物化が起こるためと考えられる。従って、構造物形成速度を重視する場合には、プラズマ照射処理でほぼすべての不純物を除去した後に化学吸着水層を選択的に形成させる処理を行って、その後エアロゾルデポジション法による構造物形成工程へと持っていくことが好適である。この場合でも、有機物などの不純物は除去されているため、特性の劣化は最低限に抑えられる。
またエネルギー照射を行う工程において、エネルギー照射中に脆性材料の微粒子に対して攪拌、振動、飛散の内1つ以上の手段を施すことを提案する。
これらの操作を行うことで、例えばプラズマ発生空間中に微粒子を効率よく暴露することが可能となり、短時間で微粒子表面のクリーニングが達成でき好適である。
本発明においてノズルとは、エアロゾルが通過する空間を持つノズル本体と、エアロゾルを導入するための導入開口と、エアロゾルを噴射させるための導出開口を有する硬質の構成部であり、所望の構造物形態を獲得するために、ノズル本体の空間形状と、導出開口の形状に工夫を持たせて、エアロゾルを整流して噴出状態を制御するものである。
収容容器にてプラズマを起さしめる場合は、容器材質は絶縁性のものが望まれるため、単にエアロゾル発生部へ少量ずつ供給するための粉体の収容室とは別個に部屋を設け、ガラスなどの材質で作製したプラズマ照射室を設けることが考えられる。プラズマ照射中は、微粒子表面へのプラズマ粒子の衝突の効率を向上させるために、微粒子をプラズマ中で舞い上がらせるなどの工夫を施すとよい。
プラズマ照射中に振動などを与える場合は、これに適するように、ガラス容器などでできた粉体プラズマ処理前室を収容容器から切り離し可能な状態としておき、プラズマ処理中は切り離して使用し、処理後にこれを収容容器に接続して、収容容器側へ処理済粉体を移送させて、次のエアロゾルデポジション工程へもっていくことが好適である。この場合は、粉体プラズマ処理前室には大気との遮断ができるコックを設け、収容容器に接続後、収容容器内を減圧してのちコックをひらき、粉体を移送させることで、大気に触れさせることなく次の工程へ持っていくようにするとよい。
マイクロ波照射は、セラミック微粒子などの誘電体に作用し、微粒子そのものを直接加熱することができる。微粒子温度を真空中などで加熱することで微粒子表面の物理吸着水や有機物などの不純物を蒸発、分解し、微粒子の表面をクリーニングすることができる。このようにして清浄化された微粒子をもってエアロゾルデポジション法にて構造物形成を行うことで、作製される構造物の特性を改善させることが可能となる。
以上に説明したように本発明によれば、エアロゾルデポジション法によって複合構造物を形成させる場合に、プラズマ照射やマイクロ波照射により使用する微粒子の表面を予めクリーニングし、時間をかけて活性化処理することができ、引き続いて複合構造物を作製することで、活性な微粒子同士を衝突させられるため、微粒子の結合を強固にすることができ、構造物中に不純物が混在することを防止できる。従って高品質の構造物を形成することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。まず本発明の場となるエアロゾルデポジション法における複合構造物作製装置の一態様について説明する。
図1は複合構造物作製装置10を示したものであり、窒素ガスボンベ101の先にガス搬送管102を介してエアロゾル発生器103が設置され、その下流側にエアロゾル搬送管104を介して解砕器105が配設され、エアロゾル搬送管106を解して構造物形成室107内に例えば10mm×0.4mmの噴射開口をもつノズル108に接続されている。エアロゾル発生器103内には脆性材料微粒子例えば酸化アルミニウム微粒子粉体が充填されている。ノズル108の開口の先には、XYステージ109に保持された基材110が配置されている。構造物形成室107は真空ポンプ111と接続されている。
以下にエアロゾルデポジション法に基づく複合構造物作製装置10の作用を述べる。窒素ガスボンベ101を開栓し、ガスをエアロゾル発生器103内に送り込み、同時にエアロゾル発生器103を運転させて脆性材料微粒子と窒素ガスが適当比で混合されたエアロゾルを発生させる。また真空ポンプ111を稼動させ、エアロゾル発生器103と構造物形成室107の間に差圧を生じさせる。エアロゾルはこの差圧に乗って下流側の解砕器105内に導入され、含まれる凝集粒が解砕され、一次粒子が多く存在するエアロゾルへと変換される。このエアロゾルをエアロゾル搬送管106を通して加速させ、ノズル108より基材110に向けて噴射する。基材110はXYステージ109により揺動され、エアロゾル衝突位置を変化させつつ、微粒子の衝突により基材110上に膜状の脆性材料構造物が形成されていく。
次に本発明における複合構造物作製装置の実施の一態様について述べる。図2は、図1で示した複合構造物作製装置のうち、エアロゾル発生器に該当する部分において、本発明の要件を備えた装置2である。装置2は、図示しないガスボンベとガス搬送管201で接続され、図示しない解砕器にエアロゾル搬送管202で接続がとられている。ガス搬送管201とエアロゾル搬送管202はガス中に微粒子を分散させるエアロゾル発生部203に接続されている。エアロゾル発生部203には粉体収容容器204が配設され、その上部にガラス製の粉体プラズマ処理室205が設置され、これらは開閉可能なコック206で仕切られている。粉体プラズマ処理室205内にはプラズマ照射すべきセラミックスの微粒子粉体207が内蔵され、ここに攪拌器208が内挿される。粉体プラズマ処理室205の外部にはこれを挟んで対抗するようにプラズマ発生電極209が二枚設置され、プラズマ発生用電源210に接続される。また粉体プラズマ処理室205にはガス供給管211により酸素ガスボンベ212と接続され、また排気管213により真空ポンプ214と接続される。
以上の構成からなる装置2の作用と効果について述べる。セラミック微粒子粉体207が充填された状態で真空ポンプ214を稼動させて粉体プラズマ処理室205内部を真空状態にして、粉体に吸着している余分な物理吸着水の多くを予め除去する。続いて真空ポンプからの排気量を調整しつつ酸素ガスボンベ212を開栓して粉体プラズマ処理室205内を、プラズマを発生させるに適当な酸素ガス圧に設定する。ここでプラズマ発生用電源210をオンにして粉体プラズマ処理室205内で酸素プラズマを発生させつつ、攪拌器208を運転させて、セラミックの微粒子粉体207を攪拌、飛散させる。このようにして微粒子の表面に付着する残存水分を除去したり、有機物を酸素プラズマにより分解して排除するなど、表面吸着物を除去して表面活性化処理を行う。これらの吸着物は、真空ポンプ214により系外に排出される。一定時間の処理ののち、プラズマ発生を終了させ、酸素ガスボンベ212からのガスの供給を停止し、真空ポンプ214を停止させる。続いて予め粉体収容用器204を減圧状態にして大気成分と触れることを防止しつつ、コック206を開栓し、微粒子粉体207を粉体収容容器側へ落とし込む。続いて図示しないガスボンベからたとえば窒素ガスなどを導入しつつエアロゾル発生部203を稼動させて、粉体収容容器204から微粒子粉体207を取り込みつつ窒素ガスと混合させてエアロゾルを発生させ、図示しない解砕器、さらにはノズルへと搬送させ、前述したような複合構造物作製工程に準じて構造物の作製を行う。図中の矢印はガスあるいはエアロゾルの流れを示している。
ここで、プラズマ処理を行ったセラミック微粒子は、表面がクリーニングされて活性な状態となっており、そのまま構造物形成工程へ持ち込まれ、構造物の形成に使用されるため、構造物中には、もともと粉体表面に存在していた不純物が混入することがなく、また活性な表面同士の衝突により、強固な結合が達成され、品質に優れた構造物が形成される。ここでプラズマ処理用のガスは任意である。酸素を使用する場合は、活性な酸素イオンを作製することができるため、有機物の排除に有効である。ヘリウムなどでも、プラズマ化により微粒子表面へのスパッタ効果でクリーニングを行うことができる。また図2ではプラズマ発生電極209を粉体プラズマ処理室205の外部に設置したが、これを処理室の内部に設置することも可能である。電極の形状も任意であり、プラズマの種類も高周波プラズマやDCグロー放電プラズマなど任意である。
また、粉体へのプラズマ照射を行った後に、酸素ガスボンベ212を蒸気発生装置に交換して、粉体を攪拌しつつ粉体プラズマ処理室205内に水蒸気を導入して、クリーニング後の微粒子粉体207の表面に化学吸着水層を形成させることも考えられる。化学吸着水層の形成により、次のエアロゾルデポジション法工程における構造物の形成速度を向上させる効果が期待される。通常は物理吸着水までもが微粒子表面に形成されてしまうため、一度水蒸気を導入して水分吸着を行った後、粉体プラズマ処理室205を真空引きして、余分な物理吸着水のみ排除することが好適である。
図3は、粉体プラズマ処理前室を有する装置の実施の一態様である。図3のaでは、ガラス製の粉体プラズマ処理前室301内にセラミックの微粒子粉体302を内蔵させ、これを振動装置303に設置する。粉体プラズマ処理前室301の外部にプラズマ発生電極304を設置し、これはプラズマ発生用電源305に連結されている。粉体プラズマ処理前室301には開閉可能なコック306が設けられ、またヘリウムガスボンベ307がガス供給管308によって、真空ポンプ309が排気管310によって接続されている。
図3のbは、プラズマ照射後に粉体プラズマ処理前室301をスライドさせて粉体収容容器311へと連結した場合の図であり、粉体収容容器311の上部にコック306を挟んで粉体プラズマ処理前室301が接続されている。粉体収容容器311はエアロゾル発生部312が接続され、これには図示しないヘリウムガスボンベとガス搬送管313と連結し、図示しない解砕器とエアロゾル搬送管314と連結している。
以上の構成からなる装置の作用について述べる。まず図3のaにあるように、コック306を閉栓して真空ポンプ309を稼動させ、粉体プラズマ処理前室301内を真空状態にして、微粒子粉体302の乾燥を行う。続いて真空ポンプ309を停止し、ヘリウムガスボンベ307を開栓して、ヘリウムを粉体プラズマ処理前室301内に送り込み、プラズマを発生させるに適当なガス圧とする。続いてプラズマ発生用電源305をオンにして粉体プラズマ処理容器301内でヘリウムプラズマを発生させ、同時に振動装置303を稼動させて、粉体プラズマ処理前室301に振動を与えて内部の微粒子粉体302を攪拌、飛散させる。このようにして微粒子の表面に付着する残存水分を除去したり、有機物を排除するなど、表面吸着物を除去して表面活性化処理を行う。一定時間の処理ののち、プラズマ発生を終了させ、真空ポンプ309を運転させ、粉体プラズマ処理前室301内を真空状態とする。続いて図3のbにあるように、振動装置303を粉体プラズマ処理前室301から切り離して、粉体プラズマ処理前室301をスライドさせて粉体収容容器311に接続する。コック306を閉じたままで粉体収容用器311を減圧状態にして大気成分と触れることを防止しつつ、続いてコック306を開栓し、微粒子粉体302を粉体収容容器311側へ落とし込む。続いて図示しないガスボンベからたとえばヘリウムガスなどを導入しつつエアロゾル発生部312を稼動させて、粉体収容容器311から微粒子粉体302を取り込みつつヘリウムガスと混合させてエアロゾルを発生させ、図示しない解砕器、さらにはノズルへと搬送させ、前述したような複合構造物作製工程に準じて構造物の作製を行う。図中の矢印はガスあるいはエアロゾルの流れを示している。
本発明における複合構造物作製装置の、別の実施の一態様について述べる。図4は、図1で示した複合構造物作製装置のうち、エアロゾル発生器に該当する部分において、本発明の要件を備えた装置4である。装置4は、図示しないガスボンベとガス搬送管401で接続され、図示しない解砕器にエアロゾル搬送管402で接続がとられている。ガス搬送管401とエアロゾル搬送管402はガス中に微粒子を分散させるエアロゾル発生部403に接続されている。エアロゾル発生部403には粉体収容容器404が配設され、その上部に粉体マイクロ波処理室405が設置され、これらは開閉可能なコック406で仕切られている。粉体マイクロ波処理室405内にはマイクロ波照射すべきセラミックスの微粒子粉体407が内蔵される。粉体マイクロ波処理室405にはマイクロ波発生装置408が設置される。また粉体マイクロ波処理室405には排気管409により真空ポンプ410と接続される。
以上の構成からなる装置4の作用と効果について述べる。セラミック微粒子粉体407が充填された状態で真空ポンプ410を稼動させて粉体マイクロ波処理室405内部を減圧状態にし、続いて、マイクロ波発生装置を稼動させて粉体にマイクロ波照射を行う。このようにして微粒子の表面を加熱し、表面に付着する残存水分を除去したり、有機物を分解して排除するなど、表面吸着物を除去して表面活性化処理を行う。これらの吸着物は、真空ポンプ410により系外に排出される。一定時間の処理ののち、マイクロ波照射処理を終了させ、真空ポンプ410を停止させる。続いて予め粉体収容用器404を減圧状態にして大気成分と触れることを防止しつつ、コック406を開栓し、微粒子粉体407を粉体収容容器側へ落とし込む。続いて図示しないガスボンベからたとえば窒素ガスなどを導入しつつエアロゾル発生部403を稼動させて、粉体収容容器404から微粒子粉体407を取り込みつつ窒素ガスと混合させてエアロゾルを発生させ、図示しない解砕器、さらにはノズルへと搬送させ、前述したような複合構造物作製工程に準じて構造物の作製を行う。図中の矢印はガスあるいはエアロゾルの流れを示している。

エアロゾルデポジション法で用いる複合構造物作製装置を示す模式図 本発明に係る複合構造物作製装置のプラズマ処理、エアロゾル発生部を示す模式図 本発明に係る複合構造物作製装置のプラズマ処理、エアロゾル発生部を示す模式図 本発明に係る複合構造物作製装置のマイクロ波処理、エアロゾル発生部を示す模式図
符号の説明
10・・・複合構造物作製装置
101・・・窒素ガスボンベ
102・・・ガス搬送管
103・・・エアロゾル発生器
104・・・エアロゾル搬送管
105・・・解砕器
106・・・エアロゾル搬送管
107・・・構造物形成室
108・・・ノズル
109・・・ステージ
110・・・基材
111・・・真空ポンプ
2・・・装置
201・・・ガス搬送管
202・・・エアロゾル搬送管
203・・・エアロゾル発生部
204・・・粉体収容容器
205・・・粉体プラズマ処理室
206・・・コック
207・・・微粒子粉体
208・・・攪拌器
209・・・プラズマ発生電極
210・・・プラズマ発生用電源
211・・・ガス供給管
212・・・酸素ガスボンベ
213・・・排気管
214・・・真空ポンプ

Claims (5)

  1. 減圧雰囲気にて脆性材料の微粒子の表面の不純物を除去するためにエネルギー照射を行う工程と、
    前記微粒子の表面から除去された前記不純物を系外に排出させる工程と、
    前記不純物を排出させた後にこの表面の不純物が除去された前記微粒子をガス中に分散させエアロゾルを発生させる工程と、
    前記エアロゾルを基材に向けてノズルより噴射して、前記エアロゾルを前記基表面に衝突させ、この衝突の衝撃によって前記微粒子を破砕・変形させて接合させ、前記微粒子の構成材料からなる構造物を前記基材表面上に形成させる工程を備える複合構造物の作製方法。
  2. 前記エネルギー照射を行う工程と前記不純物を系外に排出させる工程を同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の複合構造物の作製方法。
  3. 前記エネルギー照射で用いるエネルギー照射手段は、プラズマもしくはマイクロ波のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の複合構造物の作製方法。
  4. 前記不純物を系外に排出させる工程と前記エアロゾルを発生させる工程との間に、
    エネルギー照射を行った前記微粒子に水蒸気を暴露させて微粒子表面に化学吸着水層を形成させる工程を設けたことを特徴とする請求項1に記載の複合構造物の作製方法。
  5. 前記エネルギー照射を行う工程において、エネルギー照射中に前記脆性材料の微粒子に対して、攪拌、振動、飛散の内1つ以上の手段を施すことを特徴とする請求項1に記載の複合構造物の作製方法。
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