JP4590139B2 - 流体コントロール弁 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体を制御又は調節又は切り替えるために使用される流体コントロール弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、腐食性流体,有機溶剤,電解水,ガス等、各種の流体を所定状態に制御又は調節又は切り替えるために使用される減圧弁,背圧弁,安全弁,開度調節弁,混合比率調節弁等の流体コントロール弁には、例えば、日本特許第2671183号,特開2000−193106号,特開2001−99344号等に記載したダイヤフラムを利用したものがある。具体的に、従来既存の流体コントロール弁としては、図8及び図9に示すような、ボディ本体201と、第一ダイヤフラム部211及び第二ダイヤフラム部215を有する弁機構体210と、前記第一ダイヤフラム部211の外側に設けられて該第一ダイヤフラム部211を調圧する第一調圧手段220と、前記第二ダイヤフラム部215の外側に設けられて該第二ダイヤフラム部215を調圧する第二調圧手段230とを備え、前記弁機構体210の作動により流体の制御又は調節又は切り替えを行うように構成された流体コントロール弁200がある。
【0003】
図示の流体コントロール弁200は、二次側(流出側)の流体圧力を制御する圧力制御弁(減圧弁)であって、図中の符号202はチャンバ、203は流入部、204は流出部、205は弁座、212は前記弁機構体210の前記弁座205を開閉する弁部、213は前記第一ダイヤフラム部211と前記弁部212を有する弁機構体210の第一部材、216は前記第二ダイヤフラム部215を有し前記第一部材213と分離自在に遊嵌結合される第二部材である。そして、この流体コントロール弁200においては、前記第一調圧手段220及び第二調圧手段230によって前記第一ダイヤフラム部211及び第二ダイヤフラム部215に対して常時内向きに一定圧力を加えるようになっており、流入部203側である一次側の圧力変動は、常時内向きの一定圧力を加えられた第一ダイヤフラム部211及び第二ダイヤフラム部215に対する背圧(外向きの圧力)変動として現れ、前記調圧手段220,230による一定の内向きの調圧圧力と一次側の外向きの変動圧力とが釣り合いを保とうとして、弁機構体210を移動させる。弁機構体210の移動によってその弁部212が移動し、該弁部212と弁座205間の開口量が変化して、被制御流体の圧力(流量)が制御される。
【0004】
ところで、この種の流体コントロール弁にあっては、前記弁機構体のダイヤフラム部を調圧する調圧手段の少なくとも一つは、ダイヤフラム部に対する調圧圧力を調節可能に構成されることが多い。従来における前記調圧圧力の調節可能な調圧手段としては、図示の第二調圧手段230のように、前記ボディ本体201に設けられたシリンダ部231と、該シリンダ部231内に進退自在に配設されて前記第二ダイヤフラム部215を押圧する押圧部材235と、一側端部(図では下側端部)241が前記押圧部材235に当接して該押圧部材235を第二ダイヤフラム部方向(図では下方向)へ付勢するスプリング等からなる付勢部材240と、該付勢部材240の押圧部材235に当接する端部241とは反対側の端部(図では上側端部)242を押さえる付勢部材受け部材245と、ハンドル部(把持部)251と外周面に前記シリンダ部231のネジ穴232と螺合する外ネジ253が刻設された軸部252からなって、前記軸部252の先端(図では下端)254が前記付勢部材受け部材245に当接するように装着されると共に、前記ハンドル部251の回動操作により前進後退し、それによって前記付勢部材受け部材245の位置調節を行う調節部材250とを備えた手動調節式のものがある。
【0005】
そして、前記第二調圧手段230においては、前記調節部材250の操作(回動・進退)により、図8の状態から図9の状態、或いは図9の状態から図8の状態となるように、前記付勢部材受け部材245を進退させて該付勢部材受け部材245と押圧部材235間の間隔(距離)を変え、それによって付勢部材240の付勢力を変化させて、つまり荷重調節して、前記第二ダイヤフラム部215に対する調圧圧力を調節できるようになっている。また、この例では、前記調節部材250の軸部252の、前記ハンドル部251とシリンダ部231端面(図では上面)との間には、ロックナット255が螺着され、該ロックナット255をシリンダ部231端面に当接させるように締め付けることによって、調節部材250の前進方向(図では下方向)への回動が規制されるようになっている。なお、図示の例における第一ダイヤフラム部211を調圧する第一調圧手段220は、ボディ本体201の第一ダイヤフラム部211の外側に進退自在に設けられ、前記第一ダイヤフラム部211を押圧する押圧部材221と、該押圧部材221を第一ダイヤフラム部方向(図では上方向)へ付勢するスプリング等の付勢部材225とからなって、常時一定の調圧圧力が第一ダイヤフラム部211に加わるように構成されている。
【0006】
しかしながら、上で図8及び図9を用いて説明した流体コントロール弁200のような、従来のダイヤフラム部に対する調圧圧力が調節可能な流体コントロール弁においては、前記シリンダ部231の端面側から調節部材250が取り付けられ、該調節部材250と付勢部材受け部材245と押圧部材235が直列的に並んでいることに起因して、調圧手段が大型化し、ひいては流体コントロール弁全体が大型になってしまうといった問題があった。また、上記従来の流体コントロール弁にあっては、前記調節部材250の後退方向(図では上方)の回動を規制する規制手段は何ら設けられていないため、前記調圧圧力の調節時等において、調節部材250を後退方向へ回し過ぎた場合には、該調節部材250がシリンダ部231のネジ穴232から抜けて脱落してしまうおそれがあった。さらに、当該従来の流体コントロール弁では、前記シリンダ部231内周面と押圧部材235外周面間、及びシリンダ部231内周面と付勢部材受け部材245外周面間には、パッキン等のシール部材が配設されていないことが多く、その場合には、ダイヤフラム部215が破損した時やダイヤフラム部215を被制御流体或いはその一部が透過した時等に、被制御流体或いはその一部が前記シリンダ部231のネジ穴232と調節部材250の軸部252間から漏出するおそれがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、小型化を実現できると共に、ダイヤフラム部に対する調圧圧力を調節する際等における調圧手段の操作部位の脱落を防止することができ、しかも、前記操作部位からの被制御流体或いはその一部の漏出を防ぐことができる流体コントロール弁を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、ボディ本体と、ダイヤフラム部を有する弁機構体と、前記ダイヤフラム部を調圧する調圧手段とを備え、前記弁機構体の作動により流体の制御又は調節又は切り替えを行う流体コントロール弁であって、前記調圧手段が、前記ボディ本体に設けられ外周面に外ネジが刻設されたシリンダ部と、該シリンダ部内に進退自在に配設されて前記ダイヤフラム部を押圧する押圧部材と、一側端部が前記押圧部材に当接し、該押圧部材をダイヤフラム部方向へ付勢する付勢部材と、該付勢部材の押圧部材に当接する端部とは反対側の端部を押さえて、内周面に前記シリンダ部の外ネジに螺合する内ネジが刻設された蓋部材とを含み、前記蓋部材を前記シリンダ部に対して回動させることにより進退させ、それによって前記付勢部材の付勢力を変化させて前記ダイヤフラム部に対する調圧圧力を調節すると共に、前記シリンダ部の外ネジ及び前記蓋部材の内ネジのそれぞれの所定位置に、シリンダ部側ネジ落とし部及び蓋部材側ネジ落とし部がそれぞれ形成され、該各ネジ落とし部により前記シリンダ部の外ネジと前記蓋部材の内ネジの螺合が解除され、前記シリンダ部に対して前記蓋部材が空転するように構成されたことを特徴とする流体コントロール弁に係る。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記弁機構体には複数のダイヤフラム部が設けられると共に、それらの各ダイヤフラム部をそれぞれ調圧する複数の調圧手段が設けられ、かつ該複数の調圧手段の少なくとも一つが、ダイヤフラム部に対する調圧圧力を調節可能に構成されている流体コントロール弁に係る。
【0010】
請求項の発明は、請求項1又は2において、前記シリンダ部にその先端から突出し、進退自在な棒部材と、該棒部材を常時ダイヤフラム部反対方向へ付勢するスプリングが設けられていると共に、前記蓋部材の蓋体内面に前記棒部材の先端が嵌まる凹部が設けられ、前記蓋部材のシリンダ部に対する回動時における前記棒部材と前記蓋部材の凹部との嵌合によって、前記蓋部材のシリンダ部に対する位置、ひいてはダイヤフラム部に対する調圧圧力が把握できるように構成された流体コントロール弁に係る。
【0011】
請求項の発明は、請求項1〜3の何れか一項において、前記蓋部材の蓋体に開口部が形成されると共に、前記開口部内を進退する棒状部が押圧部材に突設され、前記棒状部の蓋体外面から突出する突出量によって、蓋部材の押圧部材に対する位置、ひいてはダイヤフラム部に対する調圧圧力が把握できるように構成された流体コントロール弁に係る。
【0012】
請求項の発明は、請求項1〜の何れか一項において、押圧部材外周面とシリンダ部内周面間にシール部材が介在されている流体コントロール弁に係る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る流体コントロール弁のシリンダ部と蓋部材とが螺合している状態を示す断面図、図2は同実施例の流体コントロール弁の蓋部材がシリンダ部に対して空転する状態を示す断面図、図3は他の実施例に係る流体コントロール弁の調圧圧力把握(識別)手段構成部分を示す部分断面図、図4は同実施例の蓋部材の蓋体内面を示す平面図、図5はさらに他の実施例に係る流体コントロール弁のシリンダ部と蓋部材とが螺合している状態を示す断面図、図6は同実施例の流体コントロール弁の蓋部材がシリンダ部に対して空転する状態を示す断面図、図7はさらに他の実施例に係る流体コントロール弁を示す断面図である。
【0014】
図1及び図2に示す流体コントロール弁10は、本発明の一実施例に係るもので、一次側の流体の圧力変動に対応して二次側の流体の圧力を所定状態に制御するための、圧力制御弁(減圧弁)として使用されるものである。この流体コントロール弁10は、ボディ本体11と弁機構体20とを備えている。なお、当該流体コントロール弁10により制御される被制御流体としては、純水,腐食性流体,有機溶剤,電解水,ガス等、各種の流体が挙げられる。
【0015】
ボディ本体11は、本実施例ではフッ素樹脂等の耐蝕性及び耐薬品性の高い樹脂から形成され、被制御流体のための流入部13を有する第一チャンバ12と、被制御流体のための流出部15を有する第二チャンバ14と、前記第一チャンバ12及び第二チャンバ14に連通しかつ弁座18が形成された連通流路17を有している。この連通流路17において、後述する弁機構体20の作動によって、該弁機構体20の弁部22と弁座18との間の開口量が変化して、一次側(流入部13側)から二次側(流出部15側)へ流通する被制御流体の流量(二次側圧力)が制御される。本実施例のボディ本体11は、第一ブロック11a,第二ブロック11b,第3ブロック11cに分割され、これらをボルト等の適宜の固定部材により一体に組み付けて構成されている。また、前記流入部13には流入用配管が、前記流出部15には流出用配管がそれぞれ接続される。
【0016】
弁機構体20は、ボディ本体11と同様に、本実施例ではフッ素樹脂等の耐蝕性及び耐薬品性の高い樹脂から形成され、前記連通流路17内に進退自在に挿通されるロッド部21と、前記第一チャンバ12内(流入部13側)に配される第一ダイヤフラム部30と、前記第二チャンバ14内(流出部15側)に配される第二ダイヤフラム部40とを含んでいる。
【0017】
ロッド部21は、前記弁座18を開閉する弁部22を有している。本実施例では、前記弁部22は、第一チャンバ12側に位置するようにロッド部21外周面に突出して形成されている。また、本実施例では、前記弁部22の表面はテーパ面にて形成されている。また、第一ダイヤフラム部30は、前記ロッド部21の第一チャンバ側端部に設けられ、ダイヤフラム面である薄肉の膜部(可動部)31と、その外周側の外周シール部32を有している。さらに、第二ダイヤフラム部40は、前記ロッド部21の第二チャンバ側端部に設けられ、ダイヤフラム面である薄肉の膜部(可動部)41と、その外周側の外周シール部42を有している。本実施例では、前記第一ダイヤフラム部30の膜部31の外径(ダイヤフラム有効径)は、第二ダイヤフラム部40の膜部41の外径(ダイヤフラム有効径)よりも小さくされている。
【0018】
前記第一ダイヤフラム部30及び第二ダイヤフラム部40は、それらの外周シール部32及び42がボディ本体11に固定されて、前記第一チャンバ12内又は第二チャンバ14内にそれぞれ配されている。実施例では、図示のように、第一ダイヤフラム部30は、その外周シール部32がボディ本体11の第一ブロック11aと第二ブロック11b間に挟着されて固定されている。これに対して、第二ダイヤフラム部40は、その外周シール部42がボディ本体11の第二ブロック11bと第三ブロック11c間に挟着されて固定されている。
【0019】
前記第一ダイヤフラム部30によって、前記第一チャンバ12は、第一ダイヤフラム部30内側の弁座18より上流側で、前記流入部13を含む第一弁室51と、第一ダイヤフラム部30外側の第一調圧室52とに区分される。また、前記第二ダイヤフラム部40によって、前記第二チャンバ14は、第二ダイヤフラム部40内側の弁座18より下流側で、前記流出部15を含む第二弁室55と、第二ダイヤフラム部40外側の第二調圧室56とに区分される。
【0020】
また、本実施例においては、前記弁機構体20のロッド部21は、第一ダイヤフラム部30に一体に設けられ、弁部22を有する第一部材23と、第二ダイヤフラム部40に一体に設けられ、前記第一部材23と分離自在に遊嵌結合される第二部材25とに分割されている。前記第一部材23と第二部材25の遊嵌結合は、第一部材23に形成された円台錘形状の凸部24と第二部材25に形成された円台錘形状の凹部26によってなされる。この例とは逆に第一部材23に円台錘形状の凹部を、第二部材25に円台錘形状の凸部が形成されてもよい。このように構成することによって、第一部材23と第二部材25の結合時における位置決めが確実に行える利点がある。なお、第一部材23及び第二部材25は、各ダイヤフラム部30,40と一体に形成してもよく、或いは独立して形成して螺着等によって一体に結合してもよい。勿論、ロッド部21を複数の部材からなる遊嵌結合構造とせず、日本特許第2671183号記載の流体コントロール弁のように、ロッド部21を非分割の単一部材で構成してもよい。その場合、ロッド部21と第一ダイヤフラム部30,第二ダイヤフラム部40の何れか一方とが一体に形成され、前記ロッド部21に他方のダイヤフラム部が螺着固定されても良いし、各部がそれぞれ螺着固定されるようにして良いし、或いは各部が一体形成されても良い。
【0021】
そして、前記第一ダイヤフラム部30及び第二ダイヤフラム部40は、該各ダイヤフラム部30,40の外側にそれぞれ設けられた第一調圧手段60及び第二調圧手段70によって、所定方向に所定圧力で調圧、この例では常時それぞれ内向き(各弁室方向)に一定圧力で加圧されている。
【0022】
第一調圧手段60は、前記第一調圧室52内に進退自在に設けられて前記第一ダイヤフラム部30を外側(下側)から押圧する押圧部材61と、該押圧部材61を第一ダイヤフラム部方向(図では上方)へ付勢する所定バネ定数のスプリング等の付勢部材62とからなって、常時一定の調圧圧力がダイヤフラム部30に加わるように構成されている。なお、図示の例では、前記押圧部材61は前記第一ダイヤフラム部30に係着されていると共に、前記付勢部材62は第一調圧室52内壁と押圧部材61との間に装着される。実施例の第一調圧手段60は、第一ダイヤフラム部30に対する調圧圧力を調節できるようになっていないが、後述する第二調圧手段70のように調圧圧力を調整可能な構成としても良い。また、第一調圧手段60は上記例示のものに限定されることはなく、加圧気体を採用したり、ソレノイド(電磁石)等を採用してもよい。図中の符号63は第一調圧室52内の空気の出入りを行う呼吸路を表す。
【0023】
一方、第二調圧手段70は、前記ボディ本体11、ここでは前記第三ブロック11cの外側(図では上側)に突設され、外周面72に外ネジ73が刻設されたシリンダ部71と、該シリンダ部71内に進退自在に配設されて前記第二ダイヤフラム部40を外側から押圧する押圧部材75と、一側端部(図では下端部)81が前記押圧部材75に当接し、該押圧部材75を第二ダイヤフラム部方向(内方向、図では下方向)へ付勢する所定バネ定数のスプリング等の付勢部材80と、該付勢部材80の押圧部材75に当接する端部81とは反対側の端部(図では上端部)82を押さえて、内周面91に前記シリンダ部71の外ネジ73に螺合する内ネジ92が刻設された蓋部材90とを含んでいる。なお、実施例の押圧部材75は、第二ダイヤフラム部40の外面に当接して押圧部となる大径の前部76と、該押圧部よりも小径で前記付勢部材80内に挿入される後部77とで構成されている。
【0024】
本実施例では、蓋部材90と付勢部材80の押圧部材反対側端部82の間に付勢部材受け部材100が介在され、該付勢部材受け部材100を介して蓋部材90により付勢部材80の押圧部材反対側端部82を間接的に押すようになっている。前記付勢部材受け部材100は、付勢部材80の内側に挿入可能な小径部101と、外径がシリンダ部71の内径より大となるように前記小径部101の後側にフランジ状に突設された大径部102とからなり、前記小径部101を付勢部材80の内側に挿入し、大径部102がシリンダ部71の外側端面(先端面、図では上端面)に引っかかるように配設される。このようにすれば、蓋部材の回動時(進退時)に付勢部材80がガタついたりするのを防ぐことができ、付勢部材80を安定して押さえることができるので、該付勢部材80の付勢力(弾性力)を効率的に押圧部材75に伝えることができる。なお、図中の符号Wは緩衝効果及び消音効果を目的として付勢部材受け部材100の大径部102とシリンダ部71の外側端面間に配されたリング部材である。
【0025】
上記第二調圧手段70では、前記蓋部材90をシリンダ部71に対して回動させることにより、図1の状態から図2の状態となるように、前記蓋部材90を後退させれば、該蓋部材90の蓋体内面(押圧部分)95と押圧部材75間の間隔(距離)が長くなって付勢部材80が伸び、それによって付勢部材80の押圧部材方向(図では下方向)の付勢力(弾性力)が減少し、その結果、押圧部材75から第二ダイヤフラム部40に加わる調圧圧力(図では下方向の圧力)が減少する。一方、前記回動方向とは反対方向へ蓋部材90をシリンダ部71に対して回動させることにより、図2の状態から図1の状態となるように、前記蓋部材90を前進させれば、該蓋部材90の内面部(押圧部)と押圧部材75間の間隔が短くなって付勢部材80が縮み、それによって付勢部材80の押圧部材方向(図では下方向)の付勢力が増大し、その結果、押圧部材75から第二ダイヤフラム部40に加わる調圧圧力が増大する。
【0026】
上記の如く第二調圧手段70を構成すれば、蓋部材90がシリンダ部71の外側に螺合により装着されているので、従来構造に比し、調圧手段70の全長が短くなり、流体コントロール弁10のコンパクト化を図ることができる。なお、本実施例では、前記シリンダ部71及び蓋部材90に呼吸孔71a,90aが形成され、該呼吸孔71a,90aを介してシリンダ部71内外の空気が流通するようになっている。これによって、前記調圧圧力の調整時における蓋部材90の進退動作や温度変化等に起因するシリンダ部71内の内圧変化を防ぐことができる。
【0027】
また、本実施例の第二調圧手段70においては、前記シリンダ部71の基部側にロックナット110が螺着され、該ロックナット110をボディ本体11外面、ここでは第三ブロック11c外面の前記シリンダ部71の基部周縁に当接させるように締め付けることによって、シリンダ部71の外ネジ73と蓋部材90の内ネジ92間の摩擦力を増大させ、蓋部材90の前進方向(図では下方向)への回動を規制するように構成されている。このようにすれば、前記調圧圧力の調節後、前記ロックナット110の締め付けにより蓋部材90を拘束して、当該調節された調圧圧力を維持することができる。
【0028】
さらに、本実施例では前記シリンダ部71の外ネジ73の先端(図では上端)から所定距離離れた位置にシリンダ部側ネジ落とし部(空転用溝部)D1が形成されていると共に、蓋部材90の内ネジ92の先端(図では下端)から所定距離離れた位置に蓋部材側ネジ落とし部(空転用溝部)D2が形成され、該各ネジ落とし部D1,D2によりシリンダ部71の外ネジ73と蓋部材90の内ネジ92の螺合が解除され、シリンダ部71に対して蓋部材90が空転するように構成されている。図2に示すように、各ネジ落とし部D1,D2の形成位置及び長さは、該各ネジ落とし部D1,D2に関係して前記外ネジ73と内ネジ92の螺合部分を無くすことができるように定められる。また、前記各ネジ落とし部D1,D2は、各ネジ73,92の所定位置のネジ山部分(谷底よりも高い部分)を所定長さ取り除く等により簡単に形成することができる。なお、前記各ネジ落とし部D1,D2の両側にはネジ部分(ネジ落としされていない部分)が位置するようにして、シリンダ部71の外ネジ73と蓋部材90の内ネジ92の螺合が2箇所以上でなされるようにする。このように各ネジ落とし部D1,D2を形成すれば、先の従来技術の欄で図6及び図7を用いて説明した従来の流体コントロール弁の如く、前記調圧圧力の調節時等において、蓋部材90(従来では調節部材が相当する。)を後退方向(図では上方向)へ回し過ぎて、該蓋部材90がシリンダ部71から抜けて脱落してしまうといった不具合を解消することができる。ここで、メンテナンス時等において前記蓋部材90を取り外す必要があるときには、蓋部材90の空転後、蓋部材90を後方(図では上方)へスライド移動させてから、シリンダ部71の外ネジ73のシリンダ部側ネジ落とし部D1より後側(図では上側)のネジ部分と蓋部材90の内ネジ92の蓋部材側ネジ落とし部D2より前側(図では下側)のネジ部分とを螺合させ、再度、蓋部材90を回動させシリンダ部71に対して後退させるようにすれば、当該蓋部材90を取り外すことができる。
【0029】
また、付勢部材(スプリング)80がフリー長(自然長)のときにも、シリンダ部71の外ネジ73と蓋部材90の内ネジ92とが螺合するように、より詳しく言えば、蓋部材90を後退方向(図では上方向)へ回す際における前記蓋部材90の空転前に前記付勢部材80がフリー長となるように、前記各ネジ落とし部D1,D2を設定するのが好ましい。このようにすれば、前記蓋部材90が空転する時に、付勢部材80の付勢力に起因してシリンダ部71の外ネジ73のシリンダ部側ネジ落とし部D1より後側(図では上側)のネジ部分と蓋部材90の内ネジ92の蓋部材側ネジ落とし部D2より前側(図では下側)のネジ部分とがぶつかって破損したりするのを防止することができる。
【0030】
本実施例では、前記シリンダ部側ネジ落とし部D1及び蓋部材側ネジ落とし部蓋部材D2はそれぞれ1箇所だけ形成されているが、前記シリンダ部側ネジ落とし部D1及び蓋部材側ネジ落とし部蓋部材D2をそれぞれ2箇所以上形成し、各ネジ落とし部で蓋部材が空転するようにしても良い。
【0031】
また、作業者に蓋部材90のシリンダ部71に対する位置、ひいては前記第二ダイヤフラム部40に対する調圧圧力を容易に確認させる手段として、請求項に規定し、かつ図3に示したように、前記シリンダ部71にその先端面から突出し、進退自在とされる棒部材P1と、該棒部材P1を常時ダイヤフラム部反対方向(図では上方向)へ付勢するスプリングP2を設けると共に、蓋部材90の蓋体内面95に前記棒部材P1の先端が嵌まる凹部96を設けるようにしても良い。このようにすれば、蓋部材90のシリンダ部71に対する回動時に前記棒部材P1と蓋部材90の凹部96とが嵌合する際に、嵌合の音が発せられると共に、作業者に蓋部材の回動に抗する抵抗感を与え、それによって、蓋部材90のシリンダ部71に対する位置(進退位置、この例では上下位置)、ひいては第二ダイヤフラム部40に対する調圧圧力が把握できるようになる。また、この例では、前記棒部材P1の先端が嵌まる蓋部材90の蓋体内面の凹部96は、図4に示すように、蓋体内面の同一円上に複数設けられている。これによって、蓋部材を1回り(360°)回動させるまでの間に、少なくとも1回、前蓋部材の回動に抗する抵抗感等を作業者に与えることができ、作業者はより細かくダイヤフラム部に対する調圧圧力の確認を行え、便利である。なお、図示のように、前記複数の凹部96を一定角度間隔で設けるようにすれば、所定角度毎に前記蓋部材の回動に抗する抵抗感等を作業者に与えることができ、その抵抗感等の数を数えることにより、作業者は極めて容易にダイヤフラム部に対する調圧圧力を確認でき、その結果、当該調圧圧力の調節が簡単となる。
【0032】
さらに、本実施例においては、請求項に規定したように、前記第二調圧手段70の押圧部材75外周面(厳密に言えば大径の前部76外周面)とシリンダ部71内周面間に、シール部材S1が介在されている。このようにすれば、前記第二ダイヤフラム部40が破損した時や第二ダイヤフラム部40を被制御流体或いはその一部が透過したとき等に、被制御流体或いはその一部が、前記押圧部材75外周面とシリンダ部71内周面間から漏出するのを阻止することができる。また、前記シール部材S1を、公知のリップパッキン等の、摺動抵抗の低いものとすれば、押圧部材75の動作性、ひいては弁機構体20の動作性が良く、当該流体コントロール弁の応答性(一次側の圧力変動に対する応答性)が良好となる。なお、前記摺動抵抗の低いシール部材(パッキン)S1の形状は、特に限定されるものではなく、例えばU型,V型,X型,Y型等、適宜の形状とされる。
【0033】
加えて、本実施例の流体コントロール弁10では、ボディ本体11(ここでは第三ブロック11c)に、前記第二ダイヤフラム部40(より厳密に言えば、膜部41)の外側の第二調圧室56と流体コントロール弁10外部とを連通する連通路16が形成されている。このように連通路16を形成すれば、該連通路16を介して、第二ダイヤフラム部40の動作時に前記第二調圧室56内外の空気を流通させることができると共に、前記第二ダイヤフラム部40が破損した時や第二ダイヤフラム部40を被制御流体或いはその一部が透過した等に、第二調圧室56へ流出した被制御流体或いはその一部を前記連通路16から排出することができる。なお、前記連通路16と、作業場(工場等)内に設置された不要流体排出路(作業場内雰囲気とは隔離された排出路)等とを配管を介して接続すれば、前記第二調圧室56へ流出した被制御流体或いはその一部が作業場内の雰囲気に影響を及ぼすことがない。
【0034】
次に、上記した流体コントロール弁(圧力制御弁)10の作用について説明する。この流体コントロール弁10によれば、前記第一調圧手段60及び第二調圧手段70によって、弁機構体20に対して、その第一ダイヤフラム部30及び第二ダイヤフラム部40を介して、常時内向きの調圧圧力が加えられている。そして、通常の制御状態(通水状態)では、前記内向きの調圧圧力は、被制御流体が所定圧力(所定流量)のとき釣り合いを保つように構成されていて、弁機構体20の弁部22と弁座18との間の開口量は一定間隔に保たれている。これによって、流入部13側(一次側)から第一弁室51を経て第二弁室55内に流入した被制御流体は所定の流量だけ流出部15側(二次側)へ流出される。
【0035】
流入部13側(一次側)において被制御流体に何らかの変化があると、その変化は一次側の圧力変動として現れ、前記第二設定圧力が加えられている弁機構体20の第二ダイヤフラム部40に対する背圧(外向きの圧力)変動として現れる。この一次側の外向きの変動圧力と前記各調圧手段60,70による内向きの調圧圧力とが釣り合いを保とうとして、弁機構体20が変動し、それに伴って弁部22が位置移動し、弁部22と弁座18間の開口量が変化して、被制御流体の圧力(流量)が制御される。この通常の制御状態では内向きの調圧圧力と外向きの背圧とが釣り合いを保っているので、前記弁機構体20の第一部材23と第二部材25とは一体の結合状態で作動する。
【0036】
これに対して、二次側の圧力が高くなった場合、背圧すなわち弁機構体20の各ダイヤフラム部30,40に作用する外向きの圧力は、通常制御状態に比して高くなる。その結果、第二ダイヤフラム部40は外向きに移動し、それに伴って弁部22及び第一ダイヤフラム部30は第二ダイヤフラム部40側に移動し、弁座18が弁部22により閉じられる。なお、実施例では、前記弁座18が閉じられた後、さらに背圧が第二ダイヤフラム部40に作用すると、弁機構体20の第一部材23と第二部材25が互いに分離する。これによって、第二ダイヤフラム部40に大きな背圧がかかっても、弁機構体20と弁座18に大きな負荷が加わるのが防止され、それらの劣化や損傷或いは破損に伴う微細な塵(いわゆるパーティクル)の発生が防止される。
【0037】
なお、上記説明では、作業者に第二ダイヤフラム部40に対する調圧圧力を確認させる一例として、前記蓋部材90のシリンダ部71に対する回動時における前記シリンダ部71の先端から進退自在に突出した棒部材P1と蓋部材90の蓋体内面の凹部96との嵌合による例について述べたが、これに限らず、別の手段によって作業者に第二ダイヤフラム部40に対する調圧圧力を確認させるようにしても良い。例えば、請求項に規定され、かつ図5及び図6に示す流体コントロール弁10Aの如く、蓋部材90の蓋体及び付勢部材受け部材100に、蓋部材90の進退方向(図では上下方向)に沿う開口部90x,100xを形成すると共に、前記押圧部材75の後側に、後側端部121が前記蓋部材90の開口部90x及び付勢部材受け部材100の開口部100x内を進退する棒状部120を突設することが挙げられる。このようにすれば、前記棒状部120の後側端部121の前記蓋体外面(図では上面)から突出する突出量Lによって、蓋部材90の押圧部材75に対する位置、ひいては第二ダイヤフラム部40に対する調圧圧力が視覚的に把握できるようになる。なお、図5及び図6では、前記図1及び図2を用いて説明した実施例の流体コントロール弁10と同一構成部分については同一符号が付されている。
【0038】
この実施例の流体コントロール弁10Aでは、図6に示すように、各ネジ落とし部D1,D2によりシリンダ部71に対して蓋部材90が空転する状態では、蓋部材90の蓋体外面と前記棒状部120の端面とが同一面上に位置するように設定され、蓋部材90の空転時が極めて分かり易いようになっている。なお、図示の例では、前記押圧部材75と棒状部120は別部材からなり、それらは螺合によって結合されているが、これに限定されず、押圧部材と棒状部とを一体成形しても良い。
【0039】
また、上記各実施例では、二次側の流体を所定の圧力状態に制御する圧力制御弁について記述したが、本発明は、一次側の流体を所定の圧力状態に制御する圧力制御弁(背圧弁や安全弁とも称される。)等にも適用することができる。以下、図7を用いて、一次側の流体の圧力を制御する流体コントロール弁10Bについて説明する。
【0040】
この流体コントロール弁10Bでは、一次側の第一チャンバ12B内に配される第一ダイヤフラム部30Bの膜部31B外径が、二次側の第二チャンバ14B内に配される第二ダイヤフラム部40Bの膜部41B外径よりも大きくされている。また、図示の弁機構体20Bは、ロッド部21Bと第一ダイヤフラム部30Bとが一体に形成され、前記ロッド部21Bに第二ダイヤフラム部40Bが螺着固定されている。勿論、これに限らず、ロッド部21Bと第二ダイヤフラム部40Bとが一体に形成され、前記ロッド部21Bに第一ダイヤフラム部30Bが螺着固定されても良いし、各部がそれぞれ螺着固定されるようにして良いし、或いは各部が一体形成されても良い。
【0041】
なお、図示の符号11Bはボディ本体、13Bは第一チャンバ12Bに設けられた被制御流体のための流入部、15Bは第二チャンバ14Bに設けられた被制御流体のための流出部、17Bは第一チャンバ12Bと第二チャンバ14Bとを連通する連通流路、18Bは弁座、22Bはロッド部21Bの弁座18Bを開閉する弁部、32Bは第一ダイヤフラム部30Bの外周シール部、42Bは第二ダイヤフラム部40Bの外周シール部、51Bは第一チャンバ12Bの第一弁室、52Bは第一チャンバ12Bの第一調圧室、55Bは第二チャンバ14Bの第二弁室、56Bは第二チャンバ14Bの第二調圧室である。
【0042】
また、図示の流体コントロール弁10Bでは、第一ダイヤフラム部30Bを調圧する第一調圧手段60Bは、先に図1等を用いて説明した実施例における第二調圧手段70と同一の構成(調圧圧力調節可能な構成)とされており、一方、第二ダイヤフラム部40Bを調圧する第二調圧手段70Bは、先の実施例における第一調圧手段60と同一の構成とされている。このように構成された流体コントロール弁10Bにあっては、先の実施例の流体コントロール弁10と同様な効果が得られる。なお、本実施例と先の実施例の同一構成部分については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
さらに、この例では、前記第二ダイヤフラム部40Bのダイヤフラム有効受圧面積、図示の例では膜部41B外径と内径(ロッド部21Bの小径部分の外径)を2分した位置における中間径を外周とする円の面積から前記内径を外周とする円の面積をひいた値に相当する面積は、前記連通流路17Bの弁座18Bの有効面積、図示の例では弁座18Bとロッド部21B(小径部分)間の開口面積と等しくされている。このようにすれば、弁座18Bの開放時において、被制御流体から前記弁部22Bに対して外向きに作用する力と被制御流体から第二ダイヤフラム部40Bに対して外向きに作用する力とが等しくなるので、仮に二次側で圧力変動が生じても、それに起因して弁機構体20Bのロッド部21Bの動きが抑制されるのを防ぐことができる。
【0044】
またさらに、この流体コントロール弁10Bにあっては、前記第一調圧手段60Bの押圧部材75外周面とシリンダ部71内周面間に、リング等の摺動抵抗の高いシール部材S2が介在されている。このようにすれば、前記第一ダイヤフラム部30Bが破損した時や第一ダイヤフラム部30Bを被制御流体或いはその一部が透過したとき等に、被制御流体或いはその一部が、前記押圧部材75外周面とシリンダ部71内周面間から外部へ漏出するのを阻止することができる。また、前記のようにシール部材S2が摺動抵抗の高いものであれば、先の実施例とは逆に、第一調圧手段60Bの押圧部材75の動作性、ひいては弁機構体20Bの動作性が悪くなり、当該流体コントロール弁10Bの応答性(二次側の圧力変動に対する応答性)が低下し、それによって、チャタリング等の不具合を防止できる。
【0045】
次に、上記流体コントロール弁10Bの作用について説明する。なお、この例では、当該流体コントロール弁10Bが流体回路中のユースポイントの下流に安全弁等として配備される場合、通常状態では、前記第一調圧手段60Bの調圧圧力(内向きの圧力、図では下向きの圧力)及び第二調圧手段70Bの調圧圧力(内向きの圧力、図では上向きの圧力)は、弁機構体20Bの弁部22Bが所定位置、この例では弁座18Bを閉じる位置となるように設定されている。
【0046】
そして、一次側において被制御流体の圧力に何らかの変化がある場合、具体的には、一次側で被制御流体の圧力が増大した場合、第一ダイヤフラム部30B内面に加わる外向きの力が第一調圧手段60Bから第一ダイヤフラム部30B外面に加わる内向きの力に打ち勝って、弁機構体20Bのロッド部21Bが第一調圧室方向に移動して、弁座18Bが開かれ、流体回路内の流体が流出部15Bを介して外部へ排出される。前記弁座18Bの開放後、一次側で被制御流体の圧力が減少すると、第一ダイヤフラム部30B内面に加わる外向きの力が第一調圧手段60Bから第一ダイヤフラム部30B外面に加わる内向きの力よりも低下し、前記ロッド部21Bが第二チャンバ方向に移動して弁座18Bが閉じられ二次側への流体の排出が減少する。
【0047】
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。例えば、上記各実施例における調圧圧力の調節可能な調圧手段の付勢部材には、円柱型のスプリングが採用されているが、これに限らず台形型のスプリング等を付勢部材として採用しても良い。さらに、上記各実施例における調圧圧力の調節可能な調圧手段では、付勢部材が一つであるが、これに限定されず、付勢部材を複数設けるようにしても良い。その場合、付勢部材の数に対応した数の押圧部材及び付勢部材受け部材をそれぞれ設けるようにしても良い。
【0048】
また、上記各実施例では、2つのダイヤフラム部が設けられた弁機構体を有しているが、これに限らず、弁機構体に1つ或いは3つ以上のダイヤフラム部が設けられた流体コントロール弁についても、本発明を適用することができる。さらに、上記各実施例の流体コントロール弁は、二次側或いは一次側の流体を所定の圧力状態に制御するために使用される圧力制御弁とされているが、この圧力制御弁に限らず、本発明は、開度調節弁,混合比率調節弁等、流体の調節或いは切り替えを行う様々な流体コントロール弁に広く適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、本発明の流体コントロール弁にあっては、弁機構体のダイヤフラム部を調圧する調圧手段における、前記ダイヤフラム部に対する調圧圧力を調節する際に回動操作する蓋部材が、前記ダイヤフラム部を押圧する押圧部材及びスプリング等の付勢部材を収容するシリンダ部の外側に螺合により装着されているので、従来構造に比し、調圧手段の全長が短くなり、それに伴って、流体コントロール弁全体の小型化を図ることができる。
【0050】
加えて、前記シリンダ部と蓋部材の螺合を可能にするためのシリンダ部の外ネジ及び蓋部材の内ネジのそれぞれの所定位置にネジ落とし部がそれぞれ形成され、該各ネジ落とし部によりシリンダ部の外ネジと蓋部材の内ネジの螺合が解除され、シリンダ部に対して蓋部材が空転するように構成すれば、前記ダイヤフラム部に対する調圧圧力の調節時等において、蓋部材を後退方向へ回動させ過ぎて、該蓋部材がシリンダ部から抜けて脱落するのを防ぐことができる。
【0051】
また、請求項2の発明のように、前記弁機構体に複数のダイヤフラム部が設けられると共に、それらの各ダイヤフラム部をそれぞれ調圧する複数の調圧手段が設けられれば、当該流体コントロール弁による流体の制御,調節,切り替えの精度が向上する。さらに、前記複数の調圧手段の少なくとも一つが、ダイヤフラム部に対する調圧圧力を調節可能に構成すれば、当該調圧手段の調圧圧力の調節により、被制御流体の圧力,流量,混合比率等の状態を、所望の状態に容易に調整することができる。
【0052】
さらに、請求項の発明のように、シリンダ部にその先端から進退自在に突出する棒部材と、該棒部材を常時ダイヤフラム部反対方向へ付勢するスプリングとを設けると共に、蓋部材の蓋体内面に前記棒部材の先端が嵌まる凹部を設けるようにすれば、蓋部材の回動時における前記棒部材と蓋部材の凹部との嵌合によって、蓋部材のシリンダ部に対する位置、ひいてはダイヤフラム部の調圧圧力を作業者は簡単に把握でき、調圧圧力の調節が容易となる。
【0053】
また、請求項の発明の如く、蓋部材の蓋体に開口部を形成すると共に、前記開口部内を進退する棒状部を押圧部材に突設すれば、前記棒状部の蓋体外面から突出する突出量によって、蓋部材の押圧部材に対する位置、ひいてはダイヤフラム部の調圧圧力を作業者は簡単に把握でき、調圧圧力の調節が容易となる。
【0054】
また、請求項の発明のように、前記押圧部材外周面とシリンダ部内周面間にシール部材を介在させれば、前記ダイヤフラム部が破損した時やダイヤフラム部を被制御流体或いはその一部が透過した等に、被制御流体或いはその一部が、前記押圧部材外周面とシリンダ部内周面間から漏出するのを防止することができ、この種流体コントロール弁において極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る流体コントロール弁のシリンダ部と蓋部材とが螺合している状態を示す断面図である。
【図2】 同実施例の流体コントロール弁の蓋部材がシリンダ部に対して空転する状態を示す断面図である。
【図3】 他の実施例に係る流体コントロール弁の調圧圧力把握手段構成部分を示す部分断面図である。
【図4】 同実施例の蓋部材の蓋体内面を示す平面図である。
【図5】 さらに他の実施例に係る流体コントロール弁のシリンダ部と蓋部材とが螺合している状態を示す断面図である。
【図6】 同実施例の流体コントロール弁の蓋部材がシリンダ部に対して空転する状態を示す断面図である。
【図7】 さらに他の実施例に係る流体コントロール弁を示す断面図である。
【図8】 従来の流体コントロール弁における調圧圧力が大の状態を示す断面図である。
【図9】 同流体コントロール弁における調圧圧力が小の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 流体コントロール弁
11 ボディ本体
20 弁機構体
30 第一ダイヤフラム部
40 第二ダイヤフラム部
60 第一調圧手段
70 第二調圧手段
71 シリンダ部
73 シリンダ部の外ネジ
75 押圧部材
80 付勢部材
90 蓋部材
92 蓋部材の内ネジ
95 蓋部材の蓋体内面
96 蓋部材の蓋体内面の凹部
100 付勢部材受け部材
110 ロックナット
D1 シリンダ部側ネジ落とし部
D2 蓋部材側ネジ落とし部
P1 棒部材
P2 スプリング
S1 シール部材

Claims (5)

  1. ボディ本体と、ダイヤフラム部を有する弁機構体と、前記ダイヤフラム部を調圧する調圧手段とを備え、前記弁機構体の作動により流体の制御又は調節又は切り替えを行う流体コントロール弁であって、
    前記調圧手段が、前記ボディ本体に設けられ外周面に外ネジが刻設されたシリンダ部と、該シリンダ部内に進退自在に配設されて前記ダイヤフラム部を押圧する押圧部材と、一側端部が前記押圧部材に当接し、該押圧部材をダイヤフラム部方向へ付勢する付勢部材と、該付勢部材の押圧部材に当接する端部とは反対側の端部を押さえて、内周面に前記シリンダ部の外ネジに螺合する内ネジが刻設された蓋部材とを含み、前記蓋部材を前記シリンダ部に対して回動させることにより進退させ、それによって前記付勢部材の付勢力を変化させて前記ダイヤフラム部に対する調圧圧力を調節すると共に、
    前記シリンダ部の外ネジ及び前記蓋部材の内ネジのそれぞれの所定位置に、シリンダ部側ネジ落とし部及び蓋部材側ネジ落とし部がそれぞれ形成され、該各ネジ落とし部により前記シリンダ部の外ネジと前記蓋部材の内ネジの螺合が解除され、前記シリンダ部に対して前記蓋部材が空転するように構成された
    ことを特徴とする流体コントロール弁。
  2. 前記弁機構体には複数のダイヤフラム部が設けられると共に、それらの各ダイヤフラム部をそれぞれ調圧する複数の調圧手段が設けられ、かつ該複数の調圧手段の少なくとも一つが、ダイヤフラム部に対する調圧圧力を調節可能に構成されている請求項1に記載の流体コントロール弁。
  3. 前記シリンダ部にその先端から突出し、進退自在な棒部材と、該棒部材を常時ダイヤフラム部反対方向へ付勢するスプリングが設けられていると共に、前記蓋部材の蓋体内面に前記棒部材の先端が嵌まる凹部が設けられ、前記蓋部材のシリンダ部に対する回動時における前記棒部材と前記蓋部材の凹部との嵌合によって、前記蓋部材のシリンダ部に対する位置、ひいてはダイヤフラム部に対する調圧圧力が把握できるように構成された請求項1又は2に記載の流体コントロール弁。
  4. 前記蓋部材の蓋体に開口部が形成されると共に、前記開口部内を進退する棒状部が押圧部材に突設され、前記棒状部の蓋体外面から突出する突出量によって、蓋部材の押圧部材に対する位置、ひいてはダイヤフラム部に対する調圧圧力が把握できるように構成された請求項1〜3の何れか一項に記載の流体コントロール弁。
  5. 押圧部材外周面とシリンダ部内周面間にシール部材が介在されている請求項1〜の何れか一項に記載の流体コントロール弁。
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