JP5013888B2 - 減圧弁 - Google Patents

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Description

本発明は、減圧室の圧力を一面に作用せしめるダイヤフラムの周縁部が、ボディと、該ボディに取付けられるダイヤフラムカバーとの間に挟持され、高圧通路に通じる弁室に臨む弁座が、前記減圧室に通じる弁孔を中央部に開口させて前記ボディ側に配設され、前記弁座に着座可能な弁体の一端部が前記ダイヤフラムの中央部に同軸に連結され、前記ダイヤフラムカバーおよび前記ダイヤフラムの他面間にコイルばねが縮設される減圧弁に関する。
ボディと、鋳造またはダイキャスト成形後に細部に切削加工が施されて成るダイヤフラムカバーとの間に、一面に減圧室の圧力を作用せしめるダイヤフラムの周縁部が挟持され、前記ダイヤフラムカバーに進退自在に螺合される調節ねじに当接するばね受け部材およびダイヤフラム間にコイルばねが縮設され、コイルばねのばね荷重を前記調節ねじの進退位置調節によって調節するようにした減圧弁が、たとえば特許文献1によって既に知られている。
特開2005−227859号公報
ところで、コストおよび重量低減を図るとともに小型化を図るために、ダイヤフラムカバーを薄肉金属のプレス成形によって形成することが考えられるが、その場合、ダイヤフラムおよびダイヤフラムカバー間に縮設されるコイルばねのばね荷重を調節する機構をダイヤフラムカバーに設けることが困難となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ダイヤフラムカバーを薄肉金属のプレス成形によって形成してコストおよび重量低減を図るとともに小型化を図った上で、ダイヤフラムおよびダイヤフラムカバー間に縮設されるコイルばねのばね荷重を調節することを可能とした減圧弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、減圧室の圧力を一面に作用せしめるダイヤフラムの周縁部が、ボディと、該ボディに取付けられるダイヤフラムカバーとの間に挟持され、高圧通路に通じる弁室(66)に臨む弁座が、前記減圧室に通じる弁孔を中央部に開口させて前記ボディ側に配設され、前記弁座に着座可能な弁体の一端部が前記ダイヤフラムの中央部に同軸に連結され、前記ダイヤフラムカバーおよび前記ダイヤフラムの他面間にコイルばねが縮設される減圧弁において、前記ダイヤフラムカバーは、閉塞底壁を有する有底円筒部を一体に備えて、薄肉金属のプレス成形により形成され、その閉塞底壁に前記コイルばねの固定端部が軸方向移動不能に当接し、前記弁体に関して前記ダイヤフラムとは反対側で前記ボディには、前記弁体と同軸の軸線に沿う方向の進退を可能とした調節部材が螺合され、該調節部材および前記弁体の他端部間に、前記調節部材の軸方向進退位置の変化に応じてばね荷重を変化させ得る背面コイルばねが介設され、この背面コイルばねのばね荷重を変化させることにより、前記コイルばねのばね荷重を調節するようにしたことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ボディには、前記ダイヤフラムカバーとは反対側に開口した挿入孔が、該挿入孔の開口端側から前記弁体を挿入することを可能として該弁体と同軸に設けられ、前記挿入孔の開口端が前記調節部材で気密に閉じられることを特徴とする。
さらに請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成に加えて、前記調節部材で開口端が気密に閉じられた前記挿入孔内に、前記高圧通路と気密に隔絶されるとともに前記減圧室に連通される背圧室が、前記弁体の他端を臨ませるようにして形成されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ダイヤフラムカバーが、閉塞底壁を有する有底円筒部を一体に備えて薄肉金属のプレス成形により形成されるので、コストおよび重量低減を図るとともに小型化を図ることができる。しかもその閉塞底壁には、可動端部をダイヤフラムに当接させたコイルばねの固定端部が軸方向移動不能に当接すると共に、一端部をダイヤフラムに連結した弁体に関してダイヤフラムとは反対側でボディ側には、弁体と同軸の軸線に沿う方向の進退を可能とした調節部材が螺合されて、該調節部材および弁体の他端部間にこの調節部材の軸方向進退位置の変化に応じてばね荷重を変化させ得る背面コイルばねが設されるので、弁体には、背面コイルばねのばね荷重が閉弁方向に作用するとともに、ダイヤフラムカバーおよびダイヤフラム間に縮設されるコイルばねのばね荷重が開弁方向に作用することになり、背面コイルばねのばね荷重を変化させることで、ダイヤフラムカバーおよびダイヤフラム間のコイルばねのばね荷重調節と同等の作用を得ることができる。
また請求項2記載の発明によれば、ボディに設けられた挿入孔に、ダイヤフラムとは反対側から弁体を挿入するとともに調節部材を螺合して組付けることができ、組付け性を高めることができるとともに調節部材で挿入孔を気密に閉じることができる。
さらに請求項3記載の発明によれば、弁体を軸方向に駆動する圧力差が生じることがないように弁体の両端に圧力作用室の圧力を作用せしめるようにして弁体の作動を円滑化することができるとともに、背面コイルばねに接触する部材からこすれによって切粉が生じたとしても、その切粉が弁体および弁座間に噛み込んでしまうことを極力防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図11は本発明の一実施例を示すものであり、図1はガス用減圧弁の全体斜視図、図2はガス用減圧弁の縦断面図、図3は第1ボディ部材、電磁遮断弁の一部、弁機構、押さえ部材、背面コイルばねおよび調節部材を分解した状態で図2と同一方向から見た縦断面図、図4は図1の4矢視底面図、図5は図4の5−5線拡大断面図、図6は電磁遮断弁の一部を拡大して示す断面図、図7は第2ボディ部材、リリーフ弁および出口側接続管を分解した状態で図2と同一方向から見た縦断面図、図8は図7の8−8線断面図、図9は図8の9−9線断面図、図10は第1ボディ部材および第2ボディ部材の組付け前の状態を示す縦断面図、図11はボディ側にダイヤフラムおよびダイヤフラムカバーを組付ける前の状態を示す縦断面図である。
先ず図1において、このガス用減圧弁は、燃料ガスである圧縮天然ガスを減圧してエンジン(図示せず)に供給するためのものであり、そのハウジング15は、第1および第2ボディ部材18,19が相互に結合されて成るボディ16と、該ボディ16に結合されるダイヤフラムカバー17とで構成され、前記ボディ16には、弁機構20(図2参照)が収容されるとともに、電磁遮断弁21およびリリーフ弁22が配設される。
図2において、ボディ16は、相互に異なる強度を有する複数のボディ部材、この実施例では、高強度の第1ボディ部材18と、低強度の第2ボディ部材19とが上下に重なりつつ複数たとえば4本のボルト23,23…で相互に結合されて成るものであり、第1ボディ部材18は、たとえばアルミニウム合金製の引き抜き材の切削成形またはアルミニウム合金の鍛造成形後の細部切削により形成され、第2ボディ部材19は、たとえばアルミニウム合金の鋳造成形後の細部切削により形成される。
図3において、第1ボディ部材18の中央部には、半径方向内方に張り出す内向き鍔24を上端に有して上下に延びる挿入孔25が設けられており、この挿入孔25は、前記内向き鍔24側から順に、小径孔25aと、該小径孔25aよりも大径の中径孔25bと、該中径孔25bよりもわずかに大径のねじ孔25cと、該ねじ孔25cよりも大径の大径孔25dとが同軸に連なって成り、大径孔25dの下端は第1ボディ部材18の下端面で下方に開放される。
図4および図5を併せて参照して、第1ボディ部材18の下部には、減圧前の圧縮天然ガスを導入するための入口側接続孔26が設けられ、その入口側接続孔26に同軸に連なる第1高圧通路27と、入口側接続孔26および第1高圧通路27の軸線と斜めに交差する方向に延びるとともに第1高圧通路27の内端に一端が連なる第2高圧通路28と、第2高圧通路28の軸線と斜めに交差する軸線を有して第1ボディ部材18の側面に開口するとともに第2高圧通路28の他端が内端部に開口される弁取付け孔29と、該弁取付け孔29の内端に同軸に連なる第3高圧通路30とが第1ボディ部材18に設けられる。
前記電磁遮断弁21は、合成樹脂製のボビン31ならびに該ボビン31に巻装されるコイル32が合成樹脂から成る被覆部33で被覆されて成るコイル組立体34と、一端側がコイル組立体34内に挿入されるとともに他端側が第1ボディ部材18に固定される非磁性材料製のガイド筒35と、該ガイド筒35の一端を塞ぐようにしてガイド筒35に固着される固定コア36と、固定コア36に対向してガイド筒35内に摺動可能に嵌合されるプランジャ37と、固定コア36およびプランジャ37間に設けられる戻しばね38と、コイル組立体34を覆うようにして固定コア36に締結される磁性金属製のソレノイドハウジング39と、コイル組立体34をソレノイドハウジング39との間に挟むようにしてボディ16に螺合される磁性支持枠40と、固定コア36とは反対側でプランジャ37に保持される弁部材41とを備える。
図6を併せて参照して、前記弁取付け孔29は、側面に第2高圧通路28の他端が開口されるととも内端中央部に第3高圧通路30が同軸に連なる小径部29aと、小径部29aよりも大径にして小径部29aの外端に同軸に連なる大径部29bと、外方に臨むようにして小径部29aおよび大径部29b間に形成される環状の段部29cとから成る。一端側をボビン31に挿入せしめるガイド筒35の他端側には、大径部29bの内面に外周面を近接、対向せしめる鍔部35aが半径方向外方に張出すようにして一体に設けられており、この鍔部35aおよび段部29c間に環状のシール部材42を挟むようにしてガイド筒35の他端部が大径部29bに挿入される。
磁性支持枠40は、大径部29bにねじ込まれることにより第1ボディ部材18に組付けられる。しかも段部29cおよび磁性支持枠40間にシール部材42および鍔部35aが挟持されることにより、ガイド筒35も第1ボディ部材18に固定される。
有底円筒状に形成されるソレノイドハウジング39の閉塞端中央部を貫通するねじ軸部36aが固定コア36に一体に連設される。このねじ軸部36aのソレノイドハウジング39からの突出部には、ソレノイドハウジング39との間にワッシャ44を介在させて袋ナット43が螺合されており、該袋ナット43を締付けることによりソレノイドハウジング39の閉塞端中央部が固定コア36に締結されることになる。
ガイド筒35の他端側が大径部29bへの挿入状態で第1ボディ部材18に固定され、ガイド筒35にプランジャ37が摺動自在に嵌合されていることにより、第1ボディ部材18に設けられた弁取付け孔29における小径部29aの内端部と、ガイド筒35およびプランジャ37の他端との間にはメイン弁室45が形成され、該メイン弁室45に第2高圧通路28が連通される。また小径部29aの内端部における中央での第3高圧通路30の開口端を囲繞する弁座46が第1ボディ部材18に設けられる。
弁部材41は、プランジャ37側に向けて小径となるテーパ面47を一端面に有して円盤状に形成される一端側のパイロット弁部41aと、弁座46に対向して円盤状に形成される他端側のメイン弁部41bとが、両弁部41a,41bとの間で段差をなす連結筒部41cを介して一体に連設されて成るものであり、パイロット弁部41aの直径はメイン弁部41bの直径よりも小さく設定される。この弁部材41の中心部には、第3高圧通路30に常時連通する第1通路48と、第1通路48に通じてパイロット弁部41aの一端面中央部に開口する第2通路49とが同軸に設けられ、第2通路49は第1通路48よりも小径に形成される。
プランジャ37においてメイン弁室45に臨む端部には、パイロット弁部41aを挿入せしめる凹部50が設けられており、パイロット弁部41aは、プランジャ37の他端に固定されるC字形の止め輪51で凹部50からの離脱を阻止されるようにして凹部50に緩く挿入され、パイロット弁部41aおよびプランジャ37間にはメイン弁室45に通じるパイロット弁室52が形成される。またパイロット弁部41aの一端面中央部を着座させたときに前記第2通路49のパイロット弁室52への開口を塞ぐゴムシール53が前記凹部50の閉塞端中央部に埋設される。而して前記止め輪51は、凹部50の閉塞端および止め輪51間でパイロット弁部41aがプランジャ37との間での軸方向相対移動が可能となる位置でプランジャ37に固定される。
またメイン弁部41bにおいて小径部29aの閉塞端に対向する面には、弁座46に着座してメイン弁室45および第3高圧通路30間を遮断するための環状のゴムシール54が埋設される。
このような電磁遮断弁21では、コイル32への電力供給を遮断することにより、プランジャ37が戻しばね38のばね力により固定コア36から離反する方向に移動し、メイン弁部41bのゴムシール54が弁座46に着座してメイン弁室45および第3高圧通路30間が遮断されるとともに、パイロット弁部41aがゴムシール53に着座してパイロット弁室52および第3高圧通路30間も遮断され、高圧の圧縮天然ガスの第3高圧通路30側への供給が停止される。
一方、コイル32に電力が供給されると、先ずプランジャ37がパイロット弁部41aをゴムシール53から離反させるだけ固定コア36側に移動し、第1通路48を介して第3高圧通路30に連通している第2通路49がパイロット弁室52に連通することになる。これにより、メイン弁室45からパイロット弁室52、第2通路49および第1通路48を経て第3高圧通路30に圧縮天然ガスが徐々に流れることになり、それによりメイン弁部41bにメイン弁室45および第3高圧通路30側から作用している圧力の差が小さくなる。而してコイル32による電磁力がメイン弁部41bに作用している差圧に打ち勝ったときに、プランジャ37が固定コア36側にさらに移動して、メイン弁部41bのゴムシール54が弁座46から離反し、メイン弁室45から第3高圧通路30に圧縮天然ガスが流れることになる。
弁機構20は、ダイヤフラム115によって駆動されるものであり、前記挿入孔25に挿入、固定される弁ハウジング57と、該弁ハウジング57に設けられる弁座58に着座することを可能として弁ハウジング57に摺動可能に支持されるとともに前記ダイヤフラム115に連結される弁体59とを備える。
図3に注目して、弁ハウジング57は、第1ボディ部材18の内向き鍔24側である一端側の小径部57aと、該小径部57aよりも大径である他端側の大径部57bとを軸方向両端に有して円筒状に形成されるものであり、小径部57aおよび大径部57b間の中間部で弁ハウジング57の外周には環状凹部60が設けられ、該環状凹部60を囲むようにしてフィルタ61が弁ハウジング57の外周に装着される。
而して弁ハウジング57は、小径部57aの一端に装着される環状のシール部材62を前記内向き鍔24に弾発接触させるようにして挿入孔25の小径孔25aに挿入されるものであり、大径部57bの外周には小径孔25aの内周に弾発接触する環状のシール部材63が装着される。而して弁ハウジング57の前記小径孔25aへの挿入状態では、図2で示すように、小径孔25aの内周および弁ハウジング57間に環状の第4高圧通路64が形成されることになり、第3高圧通路30は、第4高圧通路64に通じるようにして小径孔25aの内周面に開口される。
ところで、弁体59は弁ハウジング57の他端部を同軸にかつ軸方向移動自在に貫通するものであり、該弁体59の外周には弁ハウジング57の他端部内周に弾発的に摺接する環状のシール部材65が装着される。しかも弁ハウジング57内には、弁体59を囲むようにして弁室66が形成されており、弁ハウジング57には、前記フィルタ61を介して第4高圧通路64を前記弁室66に通じさせる複数の連通孔67…が設けられる。
前記弁ハウジング57の一端部には、弁体59と同軸の弁孔68が設けられており、この弁孔68を中央部に開口させたテーパ状の弁座58が、前記弁室66に臨んで弁ハウジング57の先端側内面に形成され、弁体59の一端部には前記弁座58に着座可能な環状のシール部59aが形成される。
前記弁体59の一端には、弁孔68および内向き鍔24の中央部を緩く貫通するようにして弁孔68の内径よりも小径に形成される軸69の基端が同軸にかつ一体に連設されており、この軸69の先端には拡径係合部69aが形成される。
前記挿入孔25のねじ孔25cには、前記弁ハウジング57の他端に当接して該弁ハウジング57を前記内向き鍔24との間に挟持するリング状の押さえ部材70が螺合されており、該押さえ部材70には、前記弁体59よりも大径であるねじ孔71が、弁体59の他端部を挿入するようにして該弁体59と同軸に設けられる。しかも押さえ部材70の前記弁ハウジング57とは反対側の端面には、前記ねじ孔25cに螺合すべく前記押さえ部材70を回転操作するための工具(図示せず)を係脱可能に係合するための有底の係合孔76が設けられる。
前記挿入孔25の開口端は調節部材72で気密に閉じられる。この調節部材72は、前記挿入孔25における大径孔25dの内面に弾発的に接触する環状のシール部材75が外周に装着されて前記大径孔25dに嵌合される大径部72aと、該大径部72aよりも小径に形成されるとともに前記押さえ部材70のねじ孔71に螺合する雄ねじ73が外周に刻設されるようにして前記大径部72aの一端に同軸にかつ一体に連設される小径部72bと、図示しない工具を係合することを可能としてたとえば六角形状に形成されるとともに前記大径部72aの他端から同軸に突設される工具係合部72cとを一体に有する。而して雄ねじ73を押さえ部材70のねじ孔71に螺合した状態で工具係合部72cに工具を係合して回転操作することにより、前記調節部材72は、弁機構20の弁体59と同軸の軸線に沿う方向の進退が可能となる。
また前記調節部材72の小径部72bおよび前記弁機構20における弁体59の他端間には背面コイルばね74が縮設されており、前記調節部材72の軸方向に沿う進退位置を該調節部材72の回転操作によって調節することにより、前記背面コイルばね74のばね荷重を調節することができる。
図7〜図9を併せて参照して、第2ボディ部材19には、前記第1ボディ部材18側に配設される弁機構20の軸線に沿う中間部に位置する隔壁78が設けられ、その隔壁78よりも第1ボディ部材18側で第2ボディ部材19には、隔壁78側から順に減圧室形成孔79と、該減圧室形成孔79よりも大径である嵌合孔80とが、第1ボディ部材18に設けられる挿入孔25と同軸にして相互に連なるように設けられ、前記隔壁78に関して第1ボディ部材18とは反対側で前記第2ボディ部材19には、圧力作用室形成孔81が、前記減圧室形成孔79および前記嵌合孔80と同軸に設けられる。
一方、第1ボディ部材18には、前記挿入孔25と同軸である横断面円形の嵌合突部18aが一体に突設されており、この嵌合突部18aは前記嵌合孔80に嵌合される。而して嵌合突部18aの外周には嵌合孔80の内周に弾発的に接触する環状のシール部材82が装着されており、嵌合突部18aは嵌合孔80に気密に嵌合されることになる。
前記嵌合突部18aを嵌合孔80に嵌合した状態で、第1および第2ボディ部材18,19は、嵌合突部18aを囲繞して第1ボディ部材18に装着された環状のシール部材90を相互間に介在せしめるようにして前記ボルト23…で結合されるものであり、第1および第2ボディ部材18,19の結合状態では、嵌合突部18aの先端および隔壁78間には、前記減圧室形成孔79で外周が規定される第1の低圧室としての減圧室83が形成されることになり、この減圧室83は前記弁機構20の弁孔68に連通する。
ところで調節部材72で開口端が気密に閉じられた前記挿入孔25内には、前記弁機構20における弁体20の他端を臨ませる第2の低圧室としての背圧室84が形成されており、この背圧室84は、弁ハウジング57の外周に装着されるシール部材63が挿入孔25における小径孔25aの内面に弾発的に接触し、また弁体59の外周に装着されるシール部材65が弁ハウジング57の内周に弾発的に接触していることにより、前記小径孔25a内で弁ハウジング57および第1ボディ部材18間に形成されている環状の第4高圧通路64とは気密に隔絶されている。しかも第1ボディ部材18には、前記減圧室83を前記背圧室84に連通せしめる第1の低圧通路としての小径連通路85(図2参照)が設けられており、背圧室84は減圧室83に連通している。
第2ボディ部材19には、減圧室形成孔79の内面に内端を開口させる第2の低圧通路である出口通路86が、減圧室形成孔79の半径方向に軸線を沿わせるようにして設けられる。すなわち出口通路86は減圧室83に通じるものであり、出口通路86に同軸に連なって第2ボディ部材19に設けられた出口側接続孔88に、減圧された圧縮天然ガスを導出する出口側接続管89が圧入等によって気密に接続される。
前記リリーフ弁22は、減圧室83内の圧力が設定圧以上となるのに応じて開弁するものであり、ボディ16の第2ボディ部材19と、第2ボディ部材19に固定されるガイド体91と、ガイド体91でガイドされる弁体92と、ガイド体91および弁体92間に縮設されるばね93とで構成される。
図7に特に注目して、第2ボディ部材19には、前記出口通路86と同軸上に軸線を配置して前記減圧室83に通じる第3の低圧通路としての弁孔94と、該弁孔94を中央部に臨ませた環状の弁座95を内端に有して前記弁孔94よりも大径に形成される収納孔96とが同軸に連なって設けられ、収納孔96の外端は外部に開放される。前記ガイド体91は、外部に通じる弁室97を第2ボディ部材19との間に形成して第2ボディ部材19に固定されるものであり、前記収納孔96の軸線に沿う方向の移動を可能とした前記ガイド体91でガイドされる前記弁体92は、弁座95に着座することを可能として前記弁室97に収納され、前記ばね93は、弁体92を前記弁座95に着座させるように付勢する所定のばね力を発揮して前記弁体92および前記ガイド体91間に縮設される。また前記弁体92および前記弁座95のいずれか一方、この実施例では弁体92に設けられるシート部98はゴム製である。
しかもガイド体91の第2ボディ部材19への固定時には、該ガイド体91が、弁座95に着座した前記弁体92との間の前記ばね93を圧縮しつつ第2ボディ部材19に固定されるのであるが、前記ガイド体91には、該ガイド体91の第2ボディ部材19への固定が完了するまでに前記収納孔96内に所定の案内距離Lだけ嵌入されるガイド筒部91aが一体に設けられている。すなわち前記ガイド筒部91aには、その先端から前記案内距離Lだけ間隔をあけた位置に半径方向外方に張り出す鍔部91bが設けられており、該鍔部91bを第2ボディ部材19の外側面に当接させるまでガイド筒部91aが収納孔96に嵌入される。而してこの実施例では、前記ガイド体91は、そのガイド筒部91aが前記所定の案内距離Lだけ収納孔96に圧入されることによって第2ボディ部材19に固定される。
またガイド体91、弁体92およびばね93は、ガイド体91に対する弁体92の移動を可能としたガイド体組立体99として構成されるものであり、弁体92に同軸に連なる弁軸92aが、前記ガイド体91に同軸に設けられたガイド孔100に摺動可能に嵌合され、該ガイド孔100から突出した前記弁軸92aに、前記ばね93のばね付勢力による弁体92の移動を規制するようにして前記弁座95とは反対側から前記ガイド体91に当接し得るクリップ101が係合される。
ところで、ガイド体91のガイド筒部91aが収納孔96に嵌入(圧入)される前記案内距離Lは、前記ばね93のばね力が前記弁体92を介して前記弁座95に作用することのない無負荷案内区間と、前記ばね93のばね力が前記弁体92を介して前記弁座95に作用する負荷案内区間との和であり、この実施例では、前記案内距離Lが、前記ばね93が前記所定のばね力を発揮するまでの自由長からの圧縮距離よりも大きく設定されている。すなわちこの実施例では、第2ボディ部材19に組付けられる前のガイド体組立体99のばね93は自由状態から圧縮されていない状態にあり、前記ガイド体組立体99の第2ボディ部材19への組付け時に、自由状態にある前記ばね93が、前記弁体92の弁座95への当接後にガイド体91の収納孔96への嵌入(圧入)を継続することで圧縮されて所定のばね力を発揮するまでの圧縮距離よりも前記案内距離Lが大きく設定される。なおガイド体組立体99を組立てた状態で、前記ばね93が前記所定のばね力よりも小さなばね力を発揮するまで自由状態から圧縮された状態となるように、前記クリップ101の前記弁軸92aへの係合位置を設定しておき、前記弁座95に前記弁体92が当接してから前記ガイド体91を前記収納孔96にさらに嵌入(圧入)することによって、前記ばね93が所定のばね力を発揮するように前記案内距離Lが設定されていてもよい。
第2ボディ部材19の前記隔壁78の中央部には、前記弁機構20の弁体59と同軸である貫通孔104が設けられ、合成樹脂により円筒状に形成されるガイド部材106が前記貫通孔104に嵌入される。またダイヤフラム115の中央部に一端が同軸に連結されるとともに他端が前記弁体59に連結される弁軸105が前記ガイド部材106に摺動可能に嵌合され、弁軸105の外周には、該動部材106に内周に弾発的に接触するOリング103が装着される。
このガイド部材106の一端には、前記隔壁78におけるの両面の一方に当接するフランジ部106aが一体に設けられ、ガイド部材106の他端には、貫通孔104内に挿通されるようにして撓むことを可能とした係合部106bが、前記貫通孔104から突出した状態では前記隔壁78の他面に弾発係合するようにして一体に設けられ、この実施例では、前記係合部材106bが減圧室83側で前記隔壁78に弾発係合する。
前記弁軸105の前記弁機構20側の端部には、該弁軸105の軸線と直交する平面に沿うとともに弁軸105の側面に開口する係合溝107が設けられるとともに、前記弁軸105の前記弁機構20側の端面および前記係合溝107間にわたるスリット108が前記係合溝107と同方向で弁軸105の側面に開口するようにして設けられる。
而して前記弁機構20の弁体59に同軸かつ一体に連なる軸96が、その拡径係合部96aを前記係合溝107に係合せしめるようにして前記スリット108に挿通され、これにより弁機構20の弁体59の一端側が弁軸105に連結される。
第1および第2ボディ部材18,19は、図10で示すように、第1ボディ部材18側に、電磁遮断弁21の一部、弁機構20、押さえ部材70、調節部材72および背面コイルばね74等を装着するとともに弁機構20の弁体59に前記弁軸105を連結し、第2ボディ部材19側に、リリーフ弁22、出口側接続管89およびガイド部材106等を装着した状態で、前記弁軸105を前記ガイド部材106に嵌合させるようにして相互に結合されるものであり、第1および第2ボディ部材18,19の結合状態で、加熱媒体であるエンジン冷却水を流通させる加熱媒体通路109が第1および第2ボディ部材18,19間に形成される。
この加熱媒体通路109は、弁機構20における弁体59の軸線に沿う方向で見て弁体59および弁座58を囲む円弧状に形成されるとともに、前記弁体59の軸線に沿う方向で前記弁座58と略同一位置に配置されるものであり、第1および第2ボディ部材18,19間に介装される環状のシール部材90よりも内方で第1ボディ部材18の嵌合突部18aを囲むように配置される。
しかも第1および第2ボディ部材18,19の結合面の少なくとも一方、この実施例では第2ボディ部材19の第1ボディ部材18への結合面に、前記加熱媒体通109を第1および第2ボディ部材18,19間に形成するための溝110が設けられる。また第2ボディ部材19は型成形されるものであり、前記溝110は第2ボディ部材19の型成形時に同時に形成される。
図8に注目して、前記溝110は、出口側接続孔88に対応する部分に周方向両端を配置して嵌合孔80を同軸に囲繞する円弧状に形成されるものであり、この溝110の周方向両端部で出口通路86および前記出口側接続孔88に対応する部分には、出口通路86および出口側接続孔88と干渉しないように溝110の深さを浅くした浅溝部110a,110bが形成され、前記溝110の周方向中間部でリリーフ弁22の弁孔94および収納孔96に対応する部分には、弁孔94および収納孔96と干渉しないように溝110の深さを浅くした浅溝部110cが形成される。
一方、第1ボディ部材18には、前記加熱媒体通路109の周方向一端に通じる媒体入口通路111と、前記加熱媒体通路109の周方向他端に通じる媒体出口通路113とが上下に延びるようにして設けられ、媒体入口通路111に通じる導入管112ならびに媒体出口通路113に通じる導出管114が下方に延びるようにして第1ボディ部材18の下端に接続される。
図11を併せて参照して、前記ダイヤフラム115の周縁部は、前記ボディ16における第2ボディ部材19と、第2ボディ部材19に取付けられるダイヤフラムカバー17との間に挟持されるものであり、第2ボディ部材19およびダイヤフラム115間には、第2ボディ部材19の圧力作用室形成孔81で外周が規定される第3の低圧室としての圧力作用室116がダイヤフラム115の一面を臨ませるようにして形成され、ダイヤフラム115およびダイヤフラムカバー17間にはダイヤフラム115の他面を臨ませるばね室117が形成され、該ばね室117に収容されるコイルばね118がダイヤフラムカバー17およびダイヤフラム115間に縮設される。しかも第2ボディ部材19の隔壁78には、圧力作用室116を減圧室83に連通させる連通路119が設けられており、ガス通過時に圧力作用室116の圧力は減圧室83の圧力よりも低い。
ところで、前記ボディ16には、高圧ガスを流通させる第1〜第4高圧通路27,28,30,64と、第1〜第4の低圧路である小径連通路85、出口通路86、弁孔94および連通路119ならびに第1〜第3の低圧室である減圧室83、背圧室84および圧力作用室116が形成されるのであるが、第1〜第4高圧通路27,28,30,64の全てが高強度の第1ボディ部材18内に形成され、小径連通路85、出口通路86、弁孔94、連通路119、減圧室83、背圧室84および圧力作用室116の少なくとも一部、この実施例では出口通路86、弁孔94および連通路119が低強度の第2ボディ部材19に形成され、小径連通路85は第1ボディ部材18に形成され、減圧室83は第1および第2ボディ部材18,19間に形成され、圧力作用室116は第2ボディ部材19およびダイヤフラム115間に形成される。
前記ダイヤフラムカバー17は、ダイヤフラム115とは反対側の端部を閉塞底壁とした有底円筒部17aと、該有底円筒部17aの開口端から半径方向外方に張り出す鍔部17bと、該鍔部17bの外周縁からボディ16側に延びる円筒部17cを一体に有するようにして、薄肉金属のプレス成形により形成される。
ダイヤフラム115の周縁部は、前記ダイヤフラムカバー17の鍔部17bおよび第2ボディ部材19間に挟まれるものであり、ダイヤフラムカバー17における円筒部17cの一部を内方側にかしめて第2ボディ部材19に係合することにより、ダイヤフラムカバー17が第2ボディ部材19との間にダイヤフラム115の周縁部を挟持して第2ボディ部材19に結合される。
前記ダイヤフラム115の圧力作用室116に臨む面の中央部にはリング状の第1リテーナ120が当接され、前記ダイヤフラム115のばね室117に臨む面の中央部にはリング状の第2リテーナ121が当接される。
一方、弁機構20の弁体59に連結される弁軸105には、前記第1リテーナ120の内周に係合する環状係合部105aと、第1リテーナ120、ダイヤフラム115および第2リテーナ121の中央部に挿通される軸部105bが同軸に設けられており、軸部105bの外周には雄ねじ123が刻設される。而して第1リテーナ120との間にOリング122を介在させて第1リテーナ120、ダイヤフラム115および第2リテーナ121の中央部に挿通される軸部105bの前記雄ねじ123には、第2リテーナ121との間にワッシャ124を挟むようにしてナット125が螺合され、ナット125を締めつけることにより、ダイヤフラム115が弁機構20の弁体59の一端に同軸に連動、連結されることになる。
前記コイルばね118は、ダイヤフラムカバー17における有底円筒部17aの閉塞底壁および第2リテーナ121間に、それの可動端部が第2リテーナ121に当接し、固定端部が前記閉塞底壁に軸方向移動不能に当接するようにして縮設される。このコイルばね118のばね荷重は、前記弁機構20における弁体59に開弁方向に作用するが、該弁体59および調節部材72間に縮設される背面コイルばね74のばね荷重は、前記弁体59に閉弁方向に作用するものであり、この背面コイルばね74のばね荷重は、調節部材72の軸方向進退位置の変化に応じて変化させ得るので、該背面コイルばね74のばね荷重を変化させることにより前記コイルばね118のばね荷重も実質的に調節されることになる。
またダイヤフラムカバー17における有底円筒部17aの閉塞底壁には、ばね室117に通じる負圧導入管126が、たとえば圧入、ろう付けによって接続されており、この負圧導入管126はエンジンに接続され、前記ばね室117にはエンジンの吸気負圧が導入される。
このようなダイヤフラム115が、圧力作用室116の圧力によりコイルばね118のばね力に抗してばね室117側に撓むと弁機構20は閉弁し、また前記圧力作用室116の圧力低下によってダイヤフラム115が圧力作用室116側に撓むと弁機構20は開弁し、このような弁機構20の開閉が繰り返されることにより、高圧の圧縮天然ガスが減圧されて出口側接続管89から出力される。
次にこの実施例の作用について説明すると、ダイヤフラムカバー17は、ダイヤフラム115との間に縮設されるコイルばね118の前記ダイヤフラム115とは反対側の固定端部を閉塞底壁に当接させる有底円筒部17aを一体に有して、薄肉金属のプレス成形により形成されるものであり、ダイヤフラム115に一端が連動、連結される弁体59に関してダイヤフラム115とは反対側でボディ16の第1ボディ部材18には、弁体59と同軸の軸線に沿う方向の進退を可能とした調節部材72が螺合され、該調節部材72および弁体59の他端部間に、調節部材72の軸方向進退位置の変化に応じてばね荷重を変化させ得る背面コイルばね74が介設されている。
したがってダイヤフラムカバー17を、薄肉金属のプレス成形により形成するようにしてコストおよび重量低減を図るとともに小型化することができる。しかも調節部材72の軸方向進退位置の変化に応じて背面コイルばね74のばね荷重を変化させることができ、弁体59には、圧力作用室116およびばね室117間の圧力差および背面コイルばね74のばね力に基づく閉弁側への力と、ダイヤフラムカバー17およびダイヤフラム115間に縮設されるコイルばね118のばね力による開弁方向の力とが作用することになり、背面コイルばね74のばね荷重を調節することで、ダイヤフラムカバー17およびダイヤフラム115間のコイルばね118のばね荷重調節と同等の作用を得ることができる。
しかもボディ16の第1ボディ部材18には、ダイヤフラムカバー17とは反対側に開口した挿入孔25が、前記弁体59を含む弁機構20を挿入することを可能として弁体59と同軸に設けられており、その挿入孔25の開口端が調節部材72で気密に閉じられるので、前記挿入孔25に、ダイヤフラム115とは反対側から、弁体59を含む弁機構20を挿入するとともに調節部材72を螺合して組付けることができ、組付け性を高めるとともに調節部材72で挿入孔25を気密に閉じることができる。
また調節部材72で開口端が気密に閉じられた挿入孔25内に、ボディ16の第1ボディ部材18内に形成されている第1〜第4高圧通路27,28,30,64とは気密に隔絶されるとともに減圧室83に連通される背圧室84が、弁体59の他端を臨ませるようにして形成されるので、弁体59を軸方向に駆動する圧力差が生じることがないように弁体59の両端に減圧室83の圧力を作用せしめるようにして弁体59の作動を円滑化することができるとともに、背面コイルばね74に接触する部材からこすれによって切粉が生じたとしても、その切粉が弁体59および弁座58間に噛み込んでしまうことを極力防止することができる。
また前記ボディ16は、強度の異なる複数のボディ部材、この実施例では第1および第2ボディ部材18,19の結合により構成されており、高圧ガスを流通させる第1〜第4高圧通路27,28,30,64の全部が高強度の第1ボディ部材18内に形成され、第1〜第4の低圧路である小径連通路85、出口通路86、弁孔94および連通路119ならびに第1〜第3の低圧室である減圧室83、背圧室84および圧力作用室116の少なくとも一部、この実施例では出口通路86、弁孔94および連通路119が低強度の第2ボディ部材19に形成されており、ボディ16全体を必要以上の高強度の材料で形成することを回避して、コストを低減することができる。しかも高圧ガスが作用する部分に過不足なく高強度の材料からなる部分を配置して、ボディ16全体で低強度の第2ボディ部材19が占める割合を多くして、より一層のコスト低減を図ることができる。
また第1〜第4の低圧路である小径連通路85、出口通路86、弁孔94および連通路119ならびに第1〜第3の低圧室である減圧室83、背圧室84および圧力作用室116に通じる弁孔68を中央部に開口させるとともに第1〜第4高圧通路27,28,30,64に通じる弁室66に臨む弁座58に着座可能な弁体59を有する弁機構20が、出口通路86に通じる減圧室83の圧力に応じて作動するダイヤフラム115に弁体59を連結せしめて前記ボディ16内に収容されるのであるが、弁機構20を同軸に収容する挿入孔25が、高強度の第1ボディ部材18に設けられ、第1および第2ボディ部材18,19が、減圧室83を相互間に形成しつつ弁体59の軸線に沿う方向で重なるように結合され、挿入孔25と同軸にして第1ボディ部材18に一体に突設された横断面円形の嵌合突部18aが、第2ボディ部材19に気密に嵌合されているので、第1および第2ボディ部材18,19の同心性を容易に得ることができる。
また第1および第2ボディ部材18,19の結合面の少なくとも一方側、この実施例では第2ボディ部材19の第1ボディ部材18への結合面に、加熱媒体を流通させる加熱媒体通路109を相互に結合された状態にある両ボディ部材18,19相互間に形成するための溝110が設けられるので、加熱媒体通路109を形成するためにボディ16全体が大型化することを回避するとともに、他の部品を用いて加熱媒体通路を形成することを不要として部品点数の増加を回避した上で、ボディ16の温度低下を防止することができる。
しかも溝110が形成される第2ボディ部材19が型成形されるものであり、溝110が第2ボディ部材19の型成形時に同時に形成されるので、溝110を形成するための機械加工を不要とし、コスト低減を図ることができる。
また加熱媒体通路109が、弁体59の軸線に沿う方向で見て前記弁体59および前記弁座58を囲む円弧状に形成されるので、弁機構20の作動に伴う減圧作用時に温度が低下し易い弁座58および弁体59の周囲を効果的に温めることができ、しかも加熱媒体通路109が円弧状であることから弁座58および弁体59の周囲を略均等に温めることができる。
また加熱媒体通路109が、弁体59の軸線に沿う方向で前記弁座58と略同一位置に配置されるものであり、弁機構20の作動に伴う減圧作用時に温度が低下し易い弁座58および弁体59の周囲をより効果的に温めることができる。
さらに加熱媒体通路109にはエンジン冷却水が導かれるので、エンジン冷却水を有効に利用してボディ16を温めることができる。
またダイヤフラム115の一面を臨ませる圧力作用室116ならびに該圧力作用室116に通じる減圧室83間に配置される隔壁78を、前記弁機構20における弁体59およびダイヤフラム115の中央部間を連動、連結するための弁軸105が摺動可能に貫通するのであるが、前記隔壁78には前記弁体59と同軸である貫通孔104が設けられ、合成樹脂により形成されて前記貫通孔104に嵌入される円筒状のガイド部材106の一端に、隔壁78の両面の一方に当接するフランジ部106aが一体に設けられ、ガイド部材106の他端には、貫通孔104内に挿通されるようにして撓むことを可能とした係合部106bが、貫通孔104から突出した状態では隔壁78の他面に弾発係合するようにして一体に設けられ、弁軸105がガイド部材106を貫通するようにして該ガイド部材106に摺動可能に嵌合される。
したがって弁軸105が、合成樹脂から成るガイド部材106でガイドされることになり、弁軸105の摺動に伴う磨耗粉の発生を抑制することができる。しかも隔壁78に設けられる貫通孔104が第2ボディ部材19の鋳造時に成形されるものであって面祖度が高い状態であったとしても、ガイド部材106を貫通孔104に嵌入することにより弁軸105の摺動性を高めることができ、貫通孔104の平滑性を高めるための二次加工を隔壁に施すことを不要としてコスト低減を図ることができる。またガイド部材106は、その一端のフランジ部106aを隔壁78の一面に当接させるまで貫通孔104に嵌入したときに、ガイド部材106の他端の係合部106bが隔壁78の他面に弾発係合するので、特殊工具を用いることなくガイド部材106を隔壁78に容易に組付けることができる。
さらにボディ16の第2ボディ部材19にはリリーフ弁22が装着され、このリリーフ弁22は、減圧室83に通じる弁孔94を中央部に臨ませた環状の弁座95を内端に有する収納孔96が設けられる第2ボディ部材19と、外部に通じる弁室97を第2ボディ部材19との間に形成して第2ボディ部材19に固定されるガイド体91と、収納孔96の軸線に沿う方向の移動を可能としてガイド体91でガイドされるとともに弁座95に着座可能として弁室97に収納される弁体92と、該弁体92を弁座95に着座させるように付勢する所定のばね力を発揮して前記弁体92および前記ガイド体91間に縮設されるばね93とを備えており、ガイド体91の第2ボディ部材19への固定時には該ガイド体91が弁体92との間に介在せしめた前記ばね93を圧縮しつつ第2ボディ部材19に固定されるものであり、ガイド体91には、該ガイド体91第2ボディ部材19への固定が完了するまでに前記収納孔96内に所定の案内距離Lだけ嵌入されるガイド筒部91aが一体に設けられている。しかも前記案内距離Lは、前記ばね93のばね力が前記弁体92を介して前記弁座95に作用することのない無負荷案内区間と、前記ばね93のばね力が前記弁体92を介して前記弁座95に作用する負荷案内区間との和である。
したがってガイド体91の収納孔96への嵌入時には、弁体92および弁座95間に負荷が作用することのない状態で弁体92がガイド体91で調心されつつ無負荷案内区間だけガイド体91が収納孔96に嵌入された後、さらにガイド体91を負荷案内区間だけ収納孔96に嵌入する途中でばね93のばね力が弁座95に作用することになり、弁体92および弁座95間に負荷が作用するようになった状態では、弁座95と、該弁座95に着座した弁体92との間に位置ずれが生じることはなく、弁体92および弁座95間にこじれが生じたり、弁体95およびガイド体91間にかじりが生じることはない。
またこの実施例では、ガイド筒部91aを収納孔96に圧入する前記案内距離Lが、所定のばね力を発揮するまでの前記ばね93の自由長からの圧縮距離よりも大きいので、ガイド体91の案内距離Lのうちばね93を自由状態から圧縮する前までの圧入距離は、無負荷案内区間であり、弁座95および弁体92間のこじれや位置ずれを確実に防止することができる。
しかも弁体92および弁座95のいずれか一方のシート部、この実施例では弁体92のシート部98がゴム製であるが、弁体92および弁座95間にこじれが生じることはないので、こじれによる破損がシート部98に生じることはない。
またガイド筒部91aが前記案内距離Lだけ収納孔96に圧入されることで前記ガイド体91の第2ボディ部材19への固定がなされるものであるので、ガイド体91の第2ボディ部材19への固定構造を簡素化し、組立を容易とすることができる。
さらにガイド体91、弁体92およびばね93がガイド体91に対する弁体92の移動を可能としたガイド体組立体99として構成されることにより、ガイド体91の収納孔96への嵌入(圧入)による第1ボディ部材19への組付け時に、ガイド体91の案内開始から弁体92が弁座95に着座するまでの距離を容易に無負荷案内区間とすることができ、弁座95および弁体92間のこじれや位置ずれを確実に防止しつつ、リリーフ弁22の組立がより容易となる。また弁体92に同軸に連なる弁軸92aが、ガイド筒部91aと同軸にして前記ガイド体91に設けられたガイド孔100に摺動可能に嵌合され、該ガイド孔100から突出した前記弁軸92aに、前記ばね93のばね付勢力による弁体92の移動を規制するようにしてガイド体91に当接し得るクリップ101が係合されるので、ガイド体91に当接し得るクリップ101が弁軸に係合されるだけの簡単な構造で、ガイド体組立体99を構成することができる。
しかもリリーフ弁22の一部を構成するボディ16の第2ボディ部材19が、減圧弁の一部を構成するものであるので、減圧弁にリリーフ弁22をコンパクトに配設することができる
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例では第1および第2ボディ部材18,19を結合してボディ16が構成されていたが、ボディ全体が一体である減圧弁に本発明を適用することも可能である。さらに上記実施例では、減圧室83との間に隔壁78を介在させた圧力作用室116にダイヤフラム115の一面が臨む構成としたが、隔壁78を省略し、ダイヤフラムの一面が減圧室に直接臨むように構成することも可能である。
ガス用減圧弁の全体斜視図である。 ガス用減圧弁の縦断面図である。 第1ボディ部材、電磁遮断弁の一部、弁機構、押さえ部材、背面コイルばねおよび調節部材を分解した状態で図2と同一方向から見た縦断面図である。 図1の4矢視底面図である。 図4の5−5線拡大断面図である。 電磁遮断弁の一部を拡大して示す断面図である。 第2ボディ部材、リリーフ弁および出口側接続管を分解した状態で図2と同一方向から見た縦断面図である。 図7の8−8線断面図である。 図8の9−9線断面図である。 第1ボディ部材および第2ボディ部材の組付け前の状態を示す縦断面図である。 ボディ側にダイヤフラムおよびダイヤフラムカバーを組付ける前の状態を示す縦断面図である。
16・・・ボディ
17・・・ダイヤフラムカバー
25・・・挿入孔
27,28,30,64・・・高圧通路
58・・・弁座
59・・・弁体
66・・・弁室
68・・・弁孔
72・・・調節部材
74・・・背面コイルばね
83・・・減圧室
84・・・背圧室
115・・・ダイヤフラム
117・・・ばね室
117a・・・有底円筒部
118・・・コイルばね

Claims (3)

  1. 減圧室(83)の圧力を一面に作用せしめるダイヤフラム(115)の周縁部が、ボディ(16)と、該ボディ(16)に取付けられるダイヤフラムカバー(17)との間に挟持され、高圧通路(27,28,30,64)に通じる弁室(66)に臨む弁座(58)が、前記減圧室(83)に通じる弁孔(68)を中央部に開口させて前記ボディ(16)側に配設され、前記弁座(58)に着座可能な弁体(59)の一端部が前記ダイヤフラム(115)の中央部に同軸に連結され、前記ダイヤフラムカバー(17)および前記ダイヤフラム(115)の他面間にコイルばね(118)が縮設される減圧弁において、
    前記ダイヤフラムカバー(17)は、閉塞底壁を有する有底円筒部(17a)を一体に備えて、薄肉金属のプレス成形により形成され、その閉塞底壁に前記コイルばね(118)の固定端部が軸方向移動不能に当接し、
    前記弁体(59)に関して前記ダイヤフラム(115)とは反対側で前記ボディ(16)には、前記弁体(59)と同軸の軸線に沿う方向の進退を可能とした調節部材(72)が螺合され、該調節部材(72)および前記弁体(59)の他端部間に、前記調節部材(72)の軸方向進退位置の変化に応じてばね荷重を変化させ得る背面コイルばね(74)が介設され、この背面コイルばね(74)のばね荷重を変化させることにより、前記コイルばね(118)のばね荷重を調節するようにしたことを特徴とする減圧弁。
  2. 前記ボディ(16)には、前記ダイヤフラムカバー(17)とは反対側に開口した挿入孔(25)が、該挿入孔(25)の開口端側から前記弁体(59)を挿入することを可能として該弁体(59)と同軸に設けられ、前記挿入孔(25)の開口端が前記調節部材(72)で気密に閉じられることを特徴とする請求項1記載の減圧弁。
  3. 前記調節部材(72)で開口端が気密に閉じられた前記挿入孔(25)内に、前記高圧通路(27,28,30,64)と気密に隔絶されるとともに前記減圧室(83)に連通される背圧室(84)が、前記弁体(59)の他端を臨ませるようにして形成されることを特徴とする請求項2記載の減圧弁。
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