JP3837285B2 - ガス用減圧弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス用減圧弁に関し、特に、ダイヤフラムの周縁部を挟持する弁ハウジング内に、ダイヤフラムの一面に作用するガス圧を発生する減圧室が形成され、減圧室に通じる弁孔を中央部に開口させた弁座に着座可能な弁体が、前記ダイヤフラムの中央部に一端が連結されて前記弁孔を軸方向移動可能に貫通する弁軸の他端に固定され、前記ダイヤフラムの他面を臨ませて弁ハウジング内に形成されるばね室には、前記弁体を弁座から離座させる方向にダイヤフラムを付勢するばねが収納されるガス用減圧弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるガス用減圧弁は、たとえば特開平11−270718号公報等で既に知られており、このものでは、弁ハウジングが、ボディと、該ボディに締結されるカバーとで構成されており、ダイヤフラムの周縁部がボディおよびカバー間に挟持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、減圧室がダイヤフラムの一面およびボディ間に形成されており、減圧室の周囲でボディの構造が複雑となり、加工精度の低下を招く可能性がある。またガス用減圧弁の小型化の要求に基づいてダイヤフラムの直径を小さく設定すると、ダイヤフラムの一面を臨ませた減圧室の直径も小さく設定せざるを得ず、ガス用減圧弁の流量特性が変化し、減圧室のガス圧が目標制御圧から大きく低下してしまうような事態が生じ得る。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ボディの構造を単純化して加工精度の向上を可能とするとともに、ダイヤフラムの直径に無関係に減圧室の直径を定め得るようにしたガス用減圧弁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ダイヤフラムの周縁部を挟持する弁ハウジング内に、ダイヤフラムの一面に作用するガス圧を発生する減圧室が形成され、減圧室の中心部に通じる弁孔を中央部に開口させた弁座に着座可能な弁体が、前記ダイヤフラムの中央部に一端が連結されて前記弁孔を軸方向移動可能に貫通する弁軸の他端に固定され、前記ダイヤフラムの他面を臨ませて弁ハウジング内に形成されるばね室には、前記弁体を弁座から離座させる方向にダイヤフラムを付勢するばねが収納されるガス用減圧弁において、前記弁ハウジングは、前記弁座が設けられるボディと、そのボディとは別体に形成されて該ボディとの間に前記減圧室を形成するとともに圧力作用室を前記ダイヤフラムの一面との間に形成する隔壁部材と、その隔壁部材及びボディとは別体に形成されて前記ばね室をダイヤフラムの他面との間に形成するとともに前記ダイヤフラムの周縁部を前記隔壁部材との間で挟持するカバーとの都合三部材より構成されると共に、その三者が互いに一体的に結合されて成り、前記圧力作用室は、前記弁軸と直交する断面が該弁軸と同心の円形に形成され、前記減圧室は、前記弁軸と直交する断面が、該弁軸と同心で且つ前記圧力作用室よりも大径の円形に形成されると共に、その減圧室の外周部に、前記ボディの出力ポートに通じる通路が連通しており、前記隔壁部材には、前記弁軸を気密にかつ軸方向摺動可能に貫通させしめる貫通孔と、前記圧力作用室を前記減圧室に通じさせる連通孔とが設けられることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、弁ハウジングは、弁座が設けられるボディと、そのボディとは別体に形成される隔壁部材と、その隔壁部材及びボディとは別体に形成されるカバーとの都合三部材より構成されると共に、その三者が互いに一体的に結合されて成り、ダイヤフラムの周縁部は、カバーおよびボディ間に挟まれる隔壁部材とカバーとの間に挟持され、減圧室は、隔壁部材およびボディ間に形成され、ダイヤフラムの一面および隔壁部材間には減圧室に通じる圧力作用室が形成されることになる。このため、ボディの減圧室に臨む部分の構造を単純化して、ボディの加工精度を向上することができ、また前記貫通孔及び連通孔を設けた隔壁部材の加工もボディとは分離した状態で容易に行なうことができる。またダイヤフラムの直径の変化に応じて圧力作用室の直径も変化するが、隔壁部材を前記圧力作用室との間に介在させた減圧室の直径はダイヤフラムの直径の変化にかかわらず独立して定めることが可能であり、ガス用減圧弁の小型化の要求に基づいてダイヤフラムの直径を小さく設定しても減圧室の直径を小さく設定することが不要であり、減圧室のガス圧が目標制御圧から大きく低下してしまうような流量特性変化が生じることを回避することができる。しかも減圧室のガス圧がダイヤフラムの一面に直接作用することはないので、減圧室のガス圧が大きく変化する際にダイヤフラムに無理な荷重が作用することを回避してダイヤフラムを保護することができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ボディには、前記弁体を摺動可能に嵌合させる摺動孔が設けられることを特徴とし、かかる構成によれば、弁体および弁軸の軸方向移動が、ボディの摺動孔の内面と、隔壁部材の貫通孔の内面との2箇所で支持されることになり、弁体および弁軸の倒れが生じることを防止して、弁体に確実な開閉作動を行わせることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図22は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は燃料ガス供給装置の構成を概略的に示す図、図2は燃料ガス供給装置を車両に搭載した状態を示す平面図、図3はレギュレータの側面図、図4は図3の4矢視方向から見たレギュレータの平面図、図5は図3の5矢視方向から見たレギュレータの底面図、図6は図4の6−6線断面図、図7は図3の7−7線断面図、図8は電磁遮断弁の拡大縦断面図、図9は一次減圧弁の拡大縦断面図、図10は一次減圧弁が備えるリーフばねの平面図、図11は図10の11ー11線断面図、図12は二次減圧弁の側面図であって図13の12矢視図、図13は図12の13矢視図、図14は図13の14矢視図、図15は図14の15−15線断面図、図16は図13の16−16線断面図、図17は図16の要部拡大図、図18は二次減圧弁が備える隔壁部材の平面図、図19は図18の19−19線断面図、図20は二次減圧弁が備えるダイヤフラムの拡大縦断面図、図21は二次減圧弁が備えるリーフばねの平面図、図22は図21の22ー22線断面図である。
【0010】
先ず図1において、燃料ガスである圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas:以下、CNGと言う)が、1または複数のCNGタンク20…にたとえば25〜1MPaの高圧で貯溜されており、それらのCNGタンク20…がそれぞれ備える容器遮断弁21…が、充填口22に逆止弁23を介して共通に接続されるとともに、手動遮断弁24に共通に接続され、各容器遮断弁21…および手動遮断弁24間の管路25には、圧力センサ26および温度センサ27が付設される。
【0011】
容器遮断弁21…および手動遮断弁24の開弁時に前記CNGタンク20…からのCNGは、CNGタンク20…へのコンプレッサによるCNGの充填時に混入する可能性のあるオイルを除去するためのオイルフィルタ29を備える高圧管路28を介してレギュレータRAに導かれ、該レギュレータRAでたとえば0.6〜0.7MPaに減圧されたCNGが、本発明に従うガス用減圧弁としての二次減圧弁31に低圧フィルタ30を経て導かれ、二次減圧弁31でたとえば0.2〜0.3MPaに減圧されたCNGが、エンジンEのインジェクタ32に管路33を介して導かれ、管路33には、温度センサ34および圧力センサ35が付設される。
【0012】
図2において、車両Vのエンジンルーム内で、多気筒であるエンジンEが備える複数のインジェクタ32…は燃料ガス管路36に共通に接続されており、エンジンEの近傍に配置される二次減圧弁31が管路33を介して燃料ガス管路36に接続される。また二次減圧弁31に接続される低圧フィルタ30もエンジンEの近傍に配置されており、車両Vの後部に搭載されるCNGタンク20…からのCNGを導く高圧管路28の長さを極力短くするために、レギュレータRAはエンジンEから離隔してエンジンルーム内の後部に配置される。
【0013】
レギュレータRAは、温水通路37を有する共通のレギュレータボディ38Aに、高圧フィルタ39、電磁遮断弁40および一次減圧弁41が配設されて成るものであり、圧力スイッチ42が該レギュレータRAに付設される。
【0014】
高圧フィルタ39は、手動遮断弁24から高圧管路28を介して導かれるCNGに含まれる不純物を除去するものである。また一次減圧弁41は、高圧フィルタ39で不純物が除去された25〜1MPaの高圧のCNGを、たとえば0.6〜0.7MPaに減圧するように作動し、電磁遮断弁40は、エンジンEの運転停止時や圧力スイッチ42からの信号出力に伴って遮断すべく高圧フィルタ39および一次減圧弁41間に介設される。さらに圧力スイッチ42は、一次減圧弁41で減圧されたCNGが、たとえば予め設定された設定圧たとえば1.65MPa以上となるのに応じてスイッチング態様を変化させ、前記電磁遮断弁40を遮断させる信号を出力する。
【0015】
レギュレータボディ38Aの温水通路37には、一次減圧弁41での減圧作用に伴ってレギュレータボディ38Aの温度が低下し過ぎないようにするために、エンジンEからエンジン冷却水が導入されるのであるが、レギュレータボディ38Aとは別に配置されたサーモスタット43が、温水通路37を流通するエンジン冷却水がたとえば70℃を超えたときに閉弁するようにしてレギュレータボディ38Aの温度が上昇しすぎないようにする。
【0016】
図3〜図7を併せて参照して、レギュレータボディ38Aは、その横断面形状を略四角形状として形成されるものであり、該レギュレータボディ38Aの外側面のうち外方にわずかに膨らんで形成される第1側面44側からレギュレータボディ38Aに高圧フィルタ39が装着され、第1側面44とは反対側の第2側面45側でレギュレータボディ38Aに電磁遮断弁40が装着される。またレギュレータボディ38Aの外側面のうち第1および第2側面44,45間を結ぶ第3側面46には、温水通路37となる凹部が設けられており、その凹部を塞ぐようにして第3側面46に締結される蓋板47には、温水通路37へのエンジン冷却水の供給および排出を行うための一対の接続管48,49が取付けられる。
【0017】
レギュレータボディ38Aは、前記第1〜第3側面44〜46に直交する第1端面50と、第1端面50とは反対側の第2端面51を有しており、第1端面50側でレギュレータボディ38Aに一次減圧弁41が装着され、第2端面51から突出するようにしてレギュレータボディ38Aに設けられた突部51aに圧力スイッチ42が装着される。
【0018】
以下、レギュレータRAを構成する高圧フィルタ39、電磁遮断弁40および一次減圧弁41の構成について、順次説明する。
【0019】
〔高圧フィルタ39〕;図7に特に注目して、レギュレータボディ38Aの第1側面44には凹部53が設けられており、該凹部53の外端開口部に、管継手54がその内端とレギュレータボディ38Aとの間に環状のシール部材55を挟み込むようにして螺着され、手動遮断弁24からのCNGを導く高圧管路28が管継手54の外端部に接続される。前記凹部53には、管継手54の内端との間に間隔をあけるようにして高圧フィルタ39が嵌合されており、該高圧フィルタ39と管継手54との間には、高圧フィルタ39を凹部53の内端閉塞部に押付ける弾発力を発揮するばね56が設けられる。
【0020】
凹部53に嵌合された高圧フィルタ39の外周とレギュレータボディ38Aとの間には、管継手54内に通じる環状の未浄化室57が形成されており、レギュレータボディ38Aには、高圧フィルタ39内の浄化室58に通じる通路59が設けられる。而して高圧管路28を介して導かれるCNGは、未浄化室57から高圧フィルタ39を透過して浄化室58に流入することになり、不純物が除去されたCNGが通路59へと導かれる。
【0021】
〔電磁遮断弁〕;図8を併せて参照して、レギュレータボディ38Aの第2側面45において前記高圧フィルタ39に対応した位置に電磁遮断弁40が装着される。
【0022】
この電磁遮断弁40は、コイル組立体60と、一端側がコイル組立体60内に挿入されるとともに他端側がレギュレータボディ38Aに固定される非磁性材料製のガイド筒61と、該ガイド筒61の一端を塞ぐようにしてガイド筒61に固着される固定コア62と、固定コア62に対向してガイド筒61内に摺動可能に嵌合されるプランジャ63と、固定コア62およびプランジャ63間に設けられる戻しばね64と、コイル組立体60を覆うようにして固定コア62に締結される磁性金属製のソレノイドハウジング65と、コイル組立体60をソレノイドハウジング65との間に挟むようにしてレギュレータボディ38Aに螺合される磁性支持枠66と、固定コア62とは反対側でプランジャ63に保持される弁部材67とを備える。
【0023】
コイル組立体60は、合成樹脂製のボビン68と、該ボビン68に巻装されるコイル69とが合成樹脂から成る被覆部70で被覆されて成るものであり、被覆部70のレギュレータボディ38A側の部分には、前記コイル69に連なる一対の接続端子71…を臨ませたカプラ部70aが外側方に突出するようにして一体に設けられており、このカプラ部70aに図示しない導線が接続される。
【0024】
レギュレータボディ38Aの第2側面45には、内端を閉じた小径孔73と、小径孔73よりも大径にして小径孔73の外端に同軸に連なる大径孔74とが、外方に臨む環状の段部75を相互間に形成して設けられる。一端側をボビン59に挿入せしめるガイド筒61の他端側外面には、大径孔74の内面に外周面を近接、対向せしめる鍔部61aが半径方向外方に張出すようにして一体に設けられており、この鍔部61aおよび段部75間に環状のシール部材76を挟むようにしてガイド筒61の他端部が大径孔74に挿入される。
【0025】
磁性支持枠66は、大径孔74にねじ込まれることによりレギュレータボディ38Aに組付けられる。しかも段部75および磁性支持枠66間にシール部材76および鍔部61aが挟持されることにより、ガイド筒61もレギュレータボディ38Aに固定される。
【0026】
有底円筒状に形成されるソレノイドハウジング65の閉塞端中央部を貫通するねじ軸部62aが固定コア62に一体に連設されており、ねじ軸部62aのソレノイドハウジング65からの突出部には、ソレノイドハウジング65との間にワッシャ77を介在させて袋ナット78が螺合されており、該袋ナット78を締付けることによりソレノイドハウジング65の閉塞端中央部が固定コア62に締結されることになる。
【0027】
ガイド筒61の他端側が大径孔74への挿入状態でレギュレータボディ38Aに固定され、ガイド筒61にプランジャ63が摺動自在に嵌合されていることにより、レギュレータボディ38Aが備える小径孔73の内端部と、ガイド筒61およびプランジャ63の他端との間にはメイン弁室79が形成される。しかも前記高圧フィルタ39の浄化室58に通じる通路59が該メイン弁室79に連通されており、高圧フィルタ39で不純物が除去されたCNGがメイン弁室79に導入される。
【0028】
また小径孔73の内端部における中央で開口するようにしてレギュレータボディ38Aに通路80が設けられており、この通路80のメイン弁室79への開口端を囲繞するようにしてメイン弁室79側にわずかに突出する環状の弁座81がレギュレータボディ38Aに設けられる。
【0029】
弁部材67は、プランジャ63側に向けて小径となるテーパ面を一端面に有して円盤状に形成される一端側のパイロット弁部67aと、小径孔73の内端部に対向して円盤状に形成される他端側のメイン弁部67bとが、両弁部67a,67bとの間で段差をなす連結筒部67cを介して一体に連設されて成るものであり、パイロット弁部67aの直径はメイン弁部67bの直径よりも小さく設定される。この弁部材67の中心部には、通路80に常時連通する第1通路82と、第1通路82に通じてパイロット弁部67aの一端面中央部に開口する第2通路83とが同軸に設けられ、第2通路83は第1通路82よりも小径に形成される。
【0030】
プランジャ63においてメイン弁室79に臨む端部には、パイロット弁部67aを挿入せしめる凹部84が設けられており、パイロット弁部67aは、プランジャ63の他端に固定されるC字形の止め輪85で凹部84からの離脱を阻止されるようにして凹部84に緩く挿入され、パイロット弁部67aおよびプランジャ63間にはメイン弁室79に通じるパイロット弁室86が形成される。またパイロット弁部67aの一端面中央部を着座させたときに前記第2通路83のパイロット弁室86への開口を塞ぐゴムシール87が前記凹部84の閉塞端中央部に埋設される。而して前記止め輪85は、凹部84の閉塞端および止め輪85間でパイロット弁部67aがプランジャ63との間での軸方向相対移動が可能となる位置でプランジャ63に固定される。
【0031】
またメイン弁部67bにおいて小径孔73の閉塞端に対向する面には、弁座81に着座してメイン弁室79および通路80間を遮断するための環状のゴムシール88が埋設される。
【0032】
このような電磁遮断弁40では、コイル60への電力供給遮断により、プランジャ63が戻しばね64のばね力により固定コア62から離反する方向に移動し、メイン弁部67bのゴムシール88が弁座81に着座してメイン弁室79および通路80間が遮断されるとともに、パイロット弁部67aがゴムシール87に着座してパイロット弁室86および通路80間も遮断され、高圧のCNGの通路80側への供給が停止される。
【0033】
一方、コイル60に電力が供給されると、先ずプランジャ63がパイロット弁部67aをゴムシール87から離反させるだけ固定コア62側に移動し、第1通路82を介して通路80に連通している第2通路83がパイロット弁室86に連通することになる。これにより、メイン弁室79からパイロット弁室86、第2通路83および第1通路82を経て通路80にCNGが徐々に流れることになり、それによりメイン弁部67bにメイン弁室79および通路80側から作用している圧力の差が小さくなる。而してコイル60による電磁力がメイン弁部67bに作用している差圧に打ち勝ったときに、プランジャ63が固定コア62側にさらに移動して、メイン弁部67bのゴムシール88が弁座81から離反し、メイン弁室79から通路80へとCNGが流れることになる。
【0034】
〔一次減圧弁41〕;図9を併せて参照して、一次減圧弁41の弁ハウジング90は、レギュレータボディ38Aの第1端面50側の部分と、該レギュレータボディ38Aの第1端面50に複数のボルト92…で締結されるカバー91とで構成されるものであり、レギュレータボディ38Aの第1端面50と、円筒部91aを有するカバー91との間にダイヤフラム93の周縁部が挟持される。
【0035】
第1端面50には、ダイヤフラム93との間に減圧室94を形成する凹部95が設けられており、レギュレータボディ38Aには、減圧室94の中心部に一端を開口せしめて第2端面51側に延びる取付け孔97が設けられる。この取付け孔97は、凹部95の閉塞端中央部に一端を開口する第1孔部97aと、第1孔部97aよりも小径にして第1孔部97aの他端に一端が同軸に連なる第2孔部97bと、第2孔部97bよりも小径にして第2孔部97bの他端に一端が同軸に連なる第3孔部97cと、第3孔部97cよりも小径にして第3孔部97cの他端に一端が同軸に連なる第4孔部97dとで構成され、電磁遮断弁40からCNGを導く通路80が第2孔部97bの内面に開口される。
【0036】
取付け孔97における第1孔部97aには、円筒状である弁座部材98が、第1および第2孔部97a,97b間の段部との間に環状のシール部材99を挟むようにして螺合される。すなわち取付け孔97における第1孔部97aの一端側内面には雌ねじ100が刻設されており、該雌ねじ100に弁座部材98が螺合される。
【0037】
弁座部材98の減圧室94側の端面には、取付け孔97の軸線に直交する平面内で弁座部材98の半径方向に延びる複数たとえば4つの溝101…を相互間に形成する複数たとえば4つの突部102…が突設されており、それらの溝101…は十字状に配置される。而して弁座部材98の雌ねじ100への螺合時には、十字状に配置された溝101…に図示しない工具を係合して弁座部材98を回転操作することが可能であり、弁座部材98をレギュレータボディ38Aに容易に取付けることができる。
【0038】
弁座部材98と、取付け孔97における第2および第3孔部97b,97c間の段部との間には前記通路80に通じる弁室103が形成される。また弁座部材98は、その減圧室94側の端部で半径方向内方に張出す内向き鍔98aを一体に備えるものであり、該内向き鍔98aの内周で減圧室94に通じる弁孔104が形成され、内向き鍔98aの内面には、前記弁孔104を中央部に開口させて弁室103に臨むテーパ状の弁座105が形成される。
【0039】
弁室103内には前記弁座105に着座可能な合成樹脂製の弁体106が収納され、該弁体106は、弁孔104と同軸に配置される弁軸107に固定される。
【0040】
弁体106は、テーパ状である弁座105に着座すべく該弁座105に対向する一端面をテーパ状にして円筒状に形成されるものであり、弁軸107が弁体106に弾発的に嵌合されることにより、弁軸107に固定される。しかも弁軸107の外面には、弁体106の内面に弾発的に接触するOリング108が装着されている。
【0041】
弁軸107の一端部は、取付け孔97における第3孔部97cの内面との間に介装せしめたOリング109により軸方向の移動を可能としてレギュレータボディ38Aに支承される。また弁体106の外面は、弁座部材98の内面にその周方向に等間隔をあけた複数箇所で摺接しており、それらの摺接部相互間で弁体106および弁座部材98間には弁軸107の軸方向に沿って延びる流通路110…が形成される。
【0042】
取付け孔97における第3および第4孔部97c,97d間の段部との間に前記Oリング109を保持するための保持板111が、第2および第3孔部97b,97c間の段部に当接されており、この保持板111と弁体106との間に、弁体106を弁座105に着座させる方向のばね力を発揮するばね112が設けられる。
【0043】
カバー91およびダイヤフラム93間にはばね室115が形成され、該ばね室115には、ダイヤフラム93を減圧室94側に付勢するコイルばね116が収納される。
【0044】
カバー91の円筒部91a内には、弁孔104と同軸に延びる収納孔117が外端を開口するようにして設けられており、該収納孔117は、軸方向外方側のねじ孔部117aと、該ねじ孔部117aよりも大径としてねじ孔部117aに同軸に連なる軸方向内方側の摺動孔部117bとから成る。
【0045】
ダイヤフラム93の中央部の減圧室94側に臨む面には、ダイヤフラム93の中心部を貫通してばね室115側に突出する円筒部118aを一体に有する第1ダイヤフラムリテーナ118が当接され、ダイヤフラム93の中央部のばね室115側に臨む面には、前記円筒部118aの外面に設けられる環状段部119に内周を係合せしめてダイヤフラム93の中央部を第1ダイヤフラム118との間に挟み込む第2ダイヤフラムリテーナ120が当接される。
【0046】
弁軸107の他端部すなわちダイヤフラム93側の端部にはダイヤフラムロッド121が同軸に締結されており、このダイヤフラムロッド121が、第1ダイヤフラムリテーナ118の中央部に減圧室94側から挿入される。第1ダイヤフラムリテーナ118における円筒部118aの内面には、減圧室94側に臨む環状段部122が設けられ、ダイヤフラムロッド121は該環状段部122に係合される。また第2ダイヤフラムリテーナ120は、ダイヤフラム93および補助リテーナ123間に挟まれており、円筒部118aからの突出部分でダイヤフラムロッド121に設けられたねじ軸部121aに、前記補助リテーナ123との間にワッシャ124…を介在させたナット125が螺合され、このナット125を締付けることにより、ダイヤフラム93の中央部を両ダイヤフラムリテーナ118,120で挟むとともに、ダイヤフラム93の中央部に弁軸107が固定されることになる。しかも減圧室94およびばね室115間をシールするために、ダイヤフラムロッド121の外周に装着されたOリング126が円筒部118aの内面に弾発的に接触する。
【0047】
ところで、ダイヤフラム93は、弁軸107の連結部すなわち中央部の肉厚と、レギュレータボディ38Aおよびカバー91間に挟持される部分すなわち周縁部の肉厚とを比較的大にするとともに、前記中央部および周縁部間を結ぶ部分が比較的薄肉の曲面形状に形成されて成るものであり、このようなダイヤフラム93によれば、ダイヤフラム93の耐圧性を向上することが可能であるとともに、低温時の応答性も向上することができる。
【0048】
第2ダイヤフラムリテーナ120は、ダイヤフラム93のばね室115側への撓みを規制する撓み規制部120aを外周側に一体に備える。この撓み規制部120aは、ばね室115側に膨らんだ彎曲形状に形成されるものであり、該撓み規制部120aの外周縁はカバー91の内面に近接、対向せしめられる。しかも撓み規制部120aの外縁およびカバー91の内周面間の間隙に対応する部分でダイヤフラム93の肉厚が、上記間隙よりも大に形成されている。
【0049】
このような第2ダイヤフラムリテーナ120の形状により、減圧室94に規定以上の圧力が作用したときでも、第2ダイヤフラムリテーナ120からカバー91の内面へとダイヤフラム93を滑らかに彎曲させることが可能であり、第2ダイヤフラムリテーナ120の外縁でダイヤフラム93がばね室115側に屈曲してしまうことを防止し、その屈曲によるダイヤフラム93の寿命低下を防止してダイヤフラム93の耐久性を向上することができる。
収納孔117の外端開口部すなわちねじ孔部117aには、調節ねじ127が進退可能に螺合され、調節ねじ127のカバー91からの突出部には、調節ねじ127の進退位置を調節するためのロックナット128が螺合される。また調節ねじ127には、ばね室115を大気に開放するための開放孔129が設けられる。
【0050】
コイルばね116は、前記調節ねじ126と、ばね室115側でダイヤフラム93に装着される補助リテーナ123に当接されるリーフばね132との間に縮設される。したがって調節ねじ126の進退位置を調節することにより、コイルばね116のばね荷重を調節することができる。
【0051】
図10および図11を併せて参照して、リーフばね132は、弁ハウジング90の一部である円筒部91aの内面に摩擦接触することでダイヤフラム93に摺動抵抗を付与するためのものであり、ばね室115側でダイヤフラム93の中央部に装着される補助リテーナ123およびコイルばね116間に閉塞端が挟まれる有底円筒状のカップ部132aと、前記円筒部91aにおける摺動孔117bの内面の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば8箇所に弾発的に摺接するようにして前記カップ部132aの開口端に一体に連設される複数のリーフ部132b,132b…とから成る。
【0052】
レギュレータボディ38Aには、減圧室94に一端を通じさせる複数たとえば2つの出口通路133,133が、取付け孔97と平行に穿設されており、これらの出口通路133,133の他端を共通に開口させる接続孔134が、レギュレータボディ38Aの第2端面51側に配置される突部51aに設けられる。
【0053】
このような一次減圧弁41において、弁室103に高圧のCNGが流入していない状態では、コイルばね116のばね力によりダイヤフラム93が減圧室94側に撓んでおり、弁体106は弁座105から離反して弁孔104を開口せしめている。而して弁室103に流入した高圧のCNGが弁孔104から減圧室94側に流入し、減圧室94の圧力が、コイルばね116のばね力に抗してダイヤフラム93をばね室115側に撓ませる程度に増大すると、弁体106が弁座105に着座して弁孔104が閉鎖されることになり、そのような弁孔104の開放・閉鎖が繰り返されることにより、弁室103にたとえば25〜1MPaの高圧で流入したCNGが、たとえば0.6〜0.7MPaに減圧されて減圧室94から出口通路133,133へと流れることになる。
【0054】
図6に特に注目して、レギュレータボディ38Aの突部51aには、圧力スイッチ42をねじ込んで装着するための有底の装着孔135が設けられており、この装着孔135の閉塞端側内面に開口する検出孔136が、取付け孔97と同軸にしてレギュレータボディ38Aに設けられる。またレギュレータボディ38Aには、接続孔134および検出孔136間を結ぶ連絡孔137が設けられており、圧力スイッチ42は、一次減圧弁41で減圧されて出口通路133,133から接続孔134に流れるCNGの圧力が、たとえば1.65MPa以上となるのに応じてスイッチング態様を変化させることになる。
【0055】
二次減圧弁31は、レギュレータRAの前記接続孔134に接続されるものであり、この二次減圧弁31の構成について次に説明する。
【0056】
〔二次減圧弁31〕;図12〜図16を併せて参照して、二次減圧弁31の弁ハウジング140は、ボディ141と、隔壁部材142と、カバー143とが、ボディ141およびカバー143間に隔壁部材142を挟んで複数のボルト144,144…により締結されて成るものであり、隔壁部材142に中間部が挿通される複数のノックピン145…の両端がボディ141およびカバー143にそれぞれ嵌合されることにより、ボディ141、隔壁部材142およびカバー143の相対位置が一定に位置決めされる。
【0057】
隔壁部材142の周縁部はボディ141およびカバー143間に挟持され、隔壁部材142およびカバー143間にダイヤフラム146の周縁部が挟持される。而してボディ141および隔壁部材142間には減圧室147が形成され、隔壁部材142およびダイヤフラム146の一面間には前記減圧室147に通じる圧力作用室148が形成され、ダイヤフラム146の他面およびカバー143間にはばね室149が形成される。前記圧力作用室148は、弁軸168と直交する断面が該弁軸168と同心の円形に形成され、また前記減圧室147は、弁軸168と直交する断面が、該弁軸168と同心で且つ圧力作用室148よりも大径の円形に形成される。
【0058】
図17を併せて参照して、ボディ141には、隔壁部材142側に臨んで開口した凹部150が隔壁部材142との間に前記減圧室147を形成するようにして設けられるとともに、該凹部150の閉塞端中央部で一端を開口せしめるとともに他端を閉じた有底の取付け孔151が設けられる。しかも取付け孔151の他端閉塞部には、減圧室147側に向けて隆起した隆起部152が設けられている。
【0059】
取付け孔151の減圧室147側内面には雌ねじ153が刻設されており、円筒状である弁座部材154が該雌ねじ153に螺合され、弁座部材154の外面には取付け孔151の内面に弾発的に接触するOリング155が装着される。
【0060】
しかも弁座部材154の減圧室147側の端面には、取付け孔151の軸線に直交する平面内で弁座部材154の半径方向に延びる複数たとえば4つの溝156…を相互間に形成する複数たとえば4つの突部157…が突設されており、それらの溝156…は十字状に配置される。而して弁座部材154の雌ねじ153への螺合時には、十字状に配置された溝156…に図示しない工具を係合して弁座部材154を回転操作することが可能であり、弁座部材154をボディ141に容易に取付けることができる。
【0061】
弁座部材154と、取付け孔151の他端閉塞部との間には弁室158が形成され、該弁室158には、ボディ141の側面に開口するようにして該ボディ141に設けられる入力ポート159が連通される。而して入力ポート159すなわち弁室158には、一次減圧弁41からのCNGが導入される。
【0062】
またボディ141には、前記入力ポート159が設けられる側面と異なる側面に開口する出力ポート160と、該出力ポート160を減圧室147の外周部に通じさせる通路161とが設けられており、減圧室147からのCNGは、通路161および出力ポート160を経て燃料ガス管路36に導かれる。
【0063】
弁座部材154は、その減圧室147側の端部で半径方向内方に張出す内向き鍔154aを一体に備えるものであり、該内向き鍔154aの内周で減圧室147に通じる弁孔162が形成され、内向き鍔154aの内周部には、前記弁孔162を中央部に開口させて弁室158に臨む環状の弁座163が弁室158側に突出するようにして形成される。
【0064】
隆起部152には、弁孔162側に開放した有底の摺動孔164が弁孔162と同軸に設けられており、弁体165が該摺動孔164に摺動自在に嵌合される。しかも該弁体165には、前記弁座163に着座可能な環状のゴムシール166が固着される。
【0065】
弁体165には、少なくとも減圧室147側の部分に雌ねじ167aを有する貫通孔167が軸方向両端間にわたって設けられており、弁孔162と同軸である弁軸168の一端が前記雌ねじ167aに螺合される。すなわち弁体165は弁軸168の一端に固定される。
【0066】
弁体165と摺動孔164の閉塞端との間には背圧室169が形成されており、弁体165の外面には、摺動孔164の内面に弾発的に摺接するOリング170が装着される。
【0067】
図18および図19を併せて参照して、隔壁部材142は、ダイヤフラム146との間に圧力作用室148を形成すべく該ダイヤフラム146側に臨む円形の凹部171を有して皿状に形成されており、ダイヤフラム146がその周縁部に備えるリング状の外周シール部146aを嵌合せしめる環状溝172が凹部171を囲繞するようにして隔壁部材142に設けられる。
【0068】
また隔壁部材142には、弁軸168を該隔壁部材142の中央で軸方向移動可能に貫通せしめる貫通孔173が設けられるとともに、圧力作用室148の容積を縮少する側へのダイヤフラム146のストローク限を規制する複数たとえば4つの規制突部174,174…が、貫通孔173を囲むように配置されて、ダイヤフラム146側に突設される。
【0069】
また隔壁部材142には、圧力作用室148を減圧室147に通じさせるための連通孔175が穿設される。
【0070】
図20において、ダイヤフラム146は、隔壁部材142の環状溝172に嵌合されて隔壁部材142およびカバー143間に挟持されるリング状の外周シール部146aと、弁軸168を連結するために中央に配置される円筒状の弁軸連結部146bと、ばね室149側に膨らんだ横断面形状を有して外周シール部146aよりも内方側に配置される撓み部146cとを一体に備えるように形成されるものであり、ダイヤフラム146に外力が作用しない自然な状態では、撓み部146cの内周部を外周部よりも減圧室147側に設定オフセット量eだけオフセットさせようにダイヤフラム146が形成される。
【0071】
前記撓み部146cおよび弁軸連結部146b間でダイヤフラム146の圧力作用室148側に臨む面には第1ダイヤフラムリテーナ176が当接され、前記撓み部146cよりも内方側でダイヤフラム146のばね室149側に臨む面には、挿通孔177を中心部に有する第2ダイヤフラムリテーナ178が第1ダイヤフラムリテーナ176との間にダイヤフラム146を挟み込むようにして当接される。
【0072】
弁体165が一端に固定された弁軸168は、弁座部材154の弁孔162、隔壁部材142の貫通孔173、ダイヤフラム146の弁軸連結部146b、ならびに第1および第2ダイヤフラムリテーナ176,178の中央部を同軸に貫通してばね室149側に延びるものであり、第1ダイヤフラムリテーナ176の内周縁部に係合する環状段部179ならびに弁軸連結部146bを第2ダイヤフラムリテーナ178との間に挟持する環状段部180が弁軸168に設けられ、貫通孔137の内面に弾発接触するOリング199が弁軸168の外周に装着される。
【0073】
ダイヤフラム146の弁軸連結部146bおよび第2ダイヤフラムリテーナ178の挿通孔177を貫通してばね室149に突出する弁軸168の他端部にはねじ軸部168aが設けられ、第2ダイヤフラムリテーナ178との間にワッシャ181を介在させて前記ねじ軸部168aにナット182が螺合される。このナット182を締付けることにより、ダイヤフラム146の中央部を第1および第2ダイヤフラムリテーナ176,178で挟むとともに、ダイヤフラム146の中央部に弁軸168が連結されることになる。しかも弁軸168には、弁体165の貫通孔167を介して減圧室149を背圧室169に通じさせる連通路183が設けられる。
【0074】
而して中央部を両ダイヤフラムリテーナ176,178で挟まれたダイヤフラム146と、該ダイヤフラム146の中央部に連結される弁軸168と、弁軸168に固定される弁体165とは、弁ハウジング140への組付時にダイヤフラム146が外力の作用を避けた自然な状態に在るときには、弁体165のゴムシール166が、弁座163から離れた位置に在るように組み立てられる。
【0075】
カバー143は、ダイヤフラム146とは反対側の端部に端壁143bが設けられる円筒部143aを有しており、端壁143bの中央部には、円筒部143a内に同軸に配置されて両端を開口せしめた支持筒部184が一体に連設される。
【0076】
支持筒部184には、軸方向内方側の小径孔185と、少なくとも一部に雌ねじ187が刻設される軸方向外方側の大径孔186とが同軸に設けられ、該支持筒部184には、進退位置を調節可能として調節ねじ188が螺合される。この調節ねじ188は、小径孔185に嵌合されるとともに小径孔185の内面に弾発接触する環状のシール部材189が外面に装着される小径軸部188aと、前記雌ねじ187に螺合する雄ねじ190を外周に有するとともに外端面には回転操作工具を係合可能な係合凹部191が設けられた大径軸部188bとが一体にかつ同軸に連設されて成るものであり、調節ねじ188の軸方向位置は、小径軸部188aの内端がばね室149に突入するとともに大径軸部188bの外端が端壁143bの外面よりも内方に位置するように設定される。
【0077】
このような調節ねじ188の軸方向位置の設定により、大径軸部188bの外端を閉塞端とした凹部192が大径孔186の外端部に形成され、この凹部192には、固化し得る充填剤193が充填される。しかも端壁143bの外面には、凹部192を覆うようにしてシール194が貼着される。
【0078】
また調節ねじ188を螺合させる前記雌ねじ187は、その一部が前記凹部192に臨むようにして大径孔186に刻設される。
【0079】
ばね室149内において調節ねじ188の内端にはリテーナ195が当接、支持されており、このリテーナ195と、ばね室149側でダイヤフラム146の中央部に装着された第2ダイヤフラムリテーナ178に当接されるリーフばね197との間に、弁体165が弁座163から離座する方向にダイヤフラム146を付勢するコイルばね196が縮設される。したがって調節ねじ180の進退位置を調節することにより、コイルばね196のばね荷重を調節することができる。
【0080】
図21および図22を併せて参照して、リーフばね197は、弁ハウジング140の一部である円筒部143aの内面に摩擦接触することでダイヤフラム146に摺動抵抗を付与するためのものであり、ばね室149側でダイヤフラム146の中央部に装着される第2ダイヤフラムリテーナ178およびコイルばね196間に閉塞端が挟まれる有底円筒状のカップ部197aと、前記円筒部143aの内面の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば5箇所に弾発的に摺接するようにして前記カップ部197aの開口端に一体に連設される複数のリーフ部197b,197b…とから成る。
【0081】
さらにカバー143には接続管198が接続されており、この接続管198ならびに該接続管に接続される管路(図示せず)を介してばね室149内にはエンジンEの吸気負圧が導入される。
【0082】
このような二次減圧弁31において、弁室158にCNGが流入していない状態では、コイルばね196のばね力によりダイヤフラム146が減圧室147側に撓んでおり、弁体165は弁座163から離反して弁孔162を開口せしめている。而して弁室158に流入したCNGが弁孔162から減圧室147を経て圧力作用室148に流入し、圧力作用室158およびばね室149間の差圧が、コイルばね196のばね力に抗してダイヤフラム146をばね室149側に撓ませる程度に増大すると、弁体165のゴムシール166が弁座163に着座して弁孔162が閉鎖されることになり、そのような弁孔162の開放・閉鎖が繰り返されることにより、弁室158にたとえば0.6〜0.7MPaで流入したCNGが、たとえば0.2〜0.3MPaに減圧され、減圧室147から出力ポート160および管路33を介してエンジンEのインジェクタ32…に供給されることになる。
【0083】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、CNGタンク20…およびエンジンEのインジェクタ32…間に介設される高圧フィルタ39、電磁遮断弁40、一次減圧弁41、圧力スイッチ42および二次減圧弁31のうち、高圧フィルタ39、電磁遮断弁40、一次減圧弁41が、高圧フィルタ39および電磁遮断弁40間を結ぶ通路59、電磁遮断弁40および一次減圧弁41間を結ぶ通路80、一次減圧弁41に一端が接続される出口通路133…を有する共通のレギュレータボディ38Aに配設されることでレギュレータRAが構成され、圧力スイッチ42が該レギュレータRAに付設されている。
【0084】
このように高圧側である高圧フィルタ39、電磁遮断弁40および一次減圧弁41をレギュレータボディ38Aに集積してレギュレータRAを構成することにより、高圧部および低圧部を全て集積してレギュレータを構成したものに比べると、レギュレータボディ38Aの通路構成が単純化され、それに応じてレギュレータボディ38Aに施す加工も容易となる。しかもレギュレータRAのコンパクト化が可能となり、車両Vへの搭載時に生じる他の部品とのレイアウト上の制約を少なくすることがきる。
【0085】
また低圧側である二次減圧弁31の弁ハウジング140がレギュレータボディ38Aとは別体に構成されるので、二次減圧弁31の弁ハウジング140を比較的強度の弱い材料で構成するようにしてコスト低減を図ることができる。
【0086】
また一次減圧弁41は、弁ウジング90の一部である円筒部91a内の摺動孔部117bに摩擦接触することでダイヤフラム93に摺動抵抗を付与せしめるリーフばね132を備えており、二次減圧弁31は、弁ハウジング140の一部である円筒部143aの内面に摩擦接触することでダイヤフラム146に摺動抵抗を付与せしめるリーフばね197を備えている。
【0087】
これらのリーフばね132,197は、ばね室115,149側でダイヤフラム93,146の中央部に装着されるリテーナ123,178およびコイルばね116,196間に閉塞端が挟まれる有底円筒状のカップ部132a,197aと、前記円筒部91a,143aの内面の周方向に等間隔をあけた複数箇所に弾発的に摺接するようにしてカップ部132a,197aの開口端に一体に連設される複数のリーフ部132b,132b…;197b,197b…とから成るものである。
【0088】
すなわちリーフばね132,197は、複数のリーフ部132b,132b…;197b,197b…を円筒部91a,143aの内面に弾発的に摺接させることで、コイルばね116,196の自励振動に対抗する摺動抵抗をダイヤフラム93,146に付与するものであるので、ダイヤフラム93,146の直径が小さくなるのに応じて円筒部91a,143aの直径が小さくなっても、リーフばね132,197の円筒部91a,143aへの接触面積が変化することはなく、したがってリーフばね132,197が発揮する摺動抵抗が一次減圧弁41および二次減圧弁31の小型化に伴って増加することはなく、また温度が変化してもリーフばね132,197の円筒部91a,143aへの弾発的な摺接による摺動抵抗が変化することはないので、ダイヤフラム93,146の小型化および温度変化によらず、コイルばね116,196の自励振動に対抗する安定した摺動抵抗をダイヤフラム93,146に付与することができ、一次減圧弁41および二次減圧弁31の応答性が低下することを防止することができる。
【0089】
しかも剛性が比較的高いカップ部132a,197aで複数本のリーフ部132b,132b…;197b,197b…が支持された構成であるので、リーフばね132,197の弁ハウジング90,140内への組付時に、リーフ部132b,132b…;197b,197b…が折損したりすることがないようにして、組付性を向上することができる。
【0090】
また二次減圧弁31では、ダイヤフラム146の周縁部が、カバー143およびボディ141間に挟まれる隔壁部材142とカバー143との間に挟持され、減圧室147は、隔壁部材142およびボディ141間に形成されており、ダイヤフラム146の一面および隔壁部材142間には減圧室147に通じる圧力作用室148が形成される。このため、ボディ141の減圧室147に臨む部分の構造を単純化して、ボディ141の加工精度を向上することができ、ボディ141とは分離した状態で隔壁部材142の加工も容易に行なうことができる。
【0091】
またダイヤフラム146の直径の変化に応じて圧力作用室148の直径も変化するが、隔壁部材142を圧力作用室148との間に介在させた減圧室147の直径はダイヤフラム146の直径の変化にかかわらず独立して定めることが可能であり、二次減圧弁31の小型化の要求に基づいてダイヤフラム146の直径を小さく設定しても減圧室147の直径を小さく設定することが不要であり、減圧室147のガス圧が目標制御圧から大きく低下してしまうような流量特性変化が生じることを回避することができる。
【0092】
しかも減圧室147のガス圧がダイヤフラム146の一面に直接作用することはないので、減圧室147のガス圧が大きく変化する際にダイヤフラム146に無理な荷重が作用することを回避してダイヤフラム146を保護することができる。
【0093】
またボディ141には、弁体165を摺動可能に嵌合させる摺動孔164が設けられるので、弁体165および弁軸168の軸方向移動が、ボディ141の摺動孔164の内面と、隔壁部材142が備える貫通孔173の内面との2箇所で支持されることになり、弁体165および弁軸168の倒れが生じることを防止して、弁体165に確実な開閉作動を行わせることができる。
【0094】
ところで、二次減圧弁31におけるダイヤフラム146、弁軸168および弁体165は、弁ハウジング140への組付時にダイヤフラム146が外力の作用を避けた自然な状態に在るときには、弁体165のゴムシール166が弁座162から離れた位置に在るように組立られるものであり、減圧室147に通じた圧力作用室148のガス圧が作用するのに応じて弁体165が弁座163に着座するようにダイヤフラム146が撓んだときに、該ダイヤフラム146はコイルばね196のばね力と同一方向すなわち減圧室147のガス圧による閉弁方向の力と対抗する方向の弾発力を発揮する状態となるようにばね室149側に撓むことになる。したがって弁体165を弁座163からより大きく離反させてガス流量を大きくしたときに、ダイヤフラム146が減圧室147のガス圧による閉弁方向の力に抗して発揮する弾発力は小さくなり、ダイヤフラム146が発揮する弾発力が応答性に悪影響を及ぼすのを極力抑制することができ、ガス流量が大きくなっても減圧室147の圧力がより低い値に制御されてしまうことはない。
【0095】
しかもダイヤフラム146は、弁ハウジング140に挟持されるリング状の外周シール部146aと、弁軸168が連結される弁軸連結部146bと、ばね室149側に膨らんだ横断面形状を有して外周シール部146aよりも内方側に配置される撓み部146cとを一体に有し、自然な状態では撓み部146cの内周部が外周部よりも前記減圧室147側に設定オフセット量eだけオフセットさせた形状に形成されている。このためダイヤフラム146を自然な状態で弁ハウジング140に組付けたときに、ダイヤフラム146の撓み部146cにおける内周部すなわち弁体165が弁軸168を介して連結される中央部側が、撓み部146cの外周部よりも減圧室147側にオフセットすることになり、自然な状態でダイヤフラム146を弁ハウジング140に組付けたときに弁体165が弁座163から離座する状態を容易に現出させることができ、ダイヤフラム146の組付作業が容易となる。
【0096】
さらに二次減圧弁31では、弁ハウジング140の一部を構成する円筒部143aのダイヤフラム146とは反対側の端部に端壁143bが設けられており、この端壁143bに一体に連設された円筒部143a内に同軸に配置される支持筒部184に、コイルばね196のばね荷重を軸方向進退位置に応じて調節可能な調節ねじ188が螺合されている。したがって調節ねじ188を支持筒部184に螺合して進退位置を調節するだけでコイルばね196のばね荷重を調節することができ、コイルばね196のばね荷重を調節すために必要な部品点数を低減することができるとともに組立工数の削減が可能となる。
【0097】
しかも支持筒部184には、内方側の小径孔185と、外方側の大径孔186とが同軸に設けられており、調節ねじ188は、小径孔185に嵌合されるとともに小径孔185の内面に弾発接触する環状のシール部材189が外面に装着される小径軸部188aを先端側に備えており、調節ねじ188を支持筒部184内に挿入する際に、大径孔186の内面に設けられる雌ねじ187で前記シール部材189に傷が付くことを極力回避することができる。
【0098】
また調節ねじ188は、その外端が端壁143bの外面よりも内方となる位置まで支持筒部184に螺合されるので、調節ねじ188が端壁143bの外面から突出することはなく、二次減圧弁31の小型化に寄与することができる。
【0099】
さらに調節ねじ188が備える大径軸部188bの外端を閉塞端として大径孔886の外端部に凹部192が形成され、その凹部192に充填剤193が充填されるので、充填剤193の固化により、ロックナットやキャップを不要としつつ、調節ねじ188の回り止めおよび誤操作防止を果すことができ、特に充填剤193が調節ねじの外端の係合凹部191に入り込むことで調節ねじ188の回り止めをより一層確実なものとすることができる。
【0100】
しかも調節ねじ188を螺合させる雌ねじ187は、その一部を前記凹部192に臨ませて大径孔186に刻設されており、凹部192に充填された充填剤193が雌ねじ187のねじ溝に入り込むことで、充填剤193を凹部192内に確実に保持することができるとともに、調節ねじ188の雄ねじ190と、大径孔186の雌ねじ187との螺合部に充填剤193を効率よく浸透させることができ、より一層確実に調節ねじ188の回り止めを果すことができる。
【0101】
図23および図24は本発明の第2実施例を示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0102】
高圧フィルタ39、電磁遮断弁40、一次減圧弁41が共通のレギュレータボディ38Bに配設されることで、レギュレータRBが構成される。
【0103】
一次減圧弁41が配設される側とは反対側でレギュレータボディ38Bの端面が平坦な取付け面201として形成されており、この取付け面201には、一端を一次減圧弁41の減圧室94に通じさせてレギュレータボディ38Bに設けられた出口通路133′の他端が開口される。
【0104】
前記取付け面201には、図23で示すボディ202Aならびに図23で示すボディ202Bが、択一的にかつ着脱可能に取付けられるものであり、各ボディ202A,202Bには、それらのボディ202A,202の前記取付け面201への取付け時に出口通路133′に連通する低圧通路203,203がそれぞれ設けられる。
【0105】
図23で示す一方のボディ202Aには、リリーフ弁204が装着されるものであり、このリリーフ弁204は、低圧通路203に通じる弁孔205を先端に有してボディ202Aに固着される弁ハウジング206内に、前記弁孔205を塞ぎ得るゴムシール207を前端に有する弁体208と、前記ゴムシール207で弁孔205を塞ぐ方向に弁体208をばね付勢するばね209とが収納されており、弁ハウジング206および弁体208は、弁孔205の開放時には低圧通路203からのCNGを外部に開放し得るように形成される。
【0106】
すなわちリリーフ弁204は、低圧通路203の圧力すなわち一次減圧弁41の出力圧がばね209で定まる設定圧たとえば1.65MPa以上となるのに応じて開弁してCNGを大気に放出する働きをする。
【0107】
図24で示す他方のボディ202Bには、圧力スイッチ42が装着されており、この圧力スイッチ42は、低圧通路203の圧力すなわち一次減圧弁41の出力圧が、たとえば予め設定された設定圧たとえば1.65MPa以上となるのに応じてスイッチング態様を変化させ、電磁遮断弁40を遮断させる信号を出力する。
【0108】
この第2実施例によれば、二次減圧弁31(第1実施例参照)に設定圧以上の高圧が作用することを防止するにあたり、一次減圧弁41の出力圧が設定圧以上となるのに応じて一次減圧弁41から出力されるCNGの一部を放出するリリーフ弁204を用いるか、一次減圧弁41の出力圧が設定圧以上となるのに応じて電磁遮断弁40を遮断するための圧力スイッチ42を用いるかを任意に選択し、リリーフ弁204および圧力スイッチ42のいずれか択一的に選択してレギュレータRBに接続することが可能であり、ガス燃料供給装置の車両搭載時の汎用性を増すことができる。
【0109】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0110】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、弁ハウジングは、弁座が設けられるボディと、そのボディとは別体に形成される隔壁部材と、その隔壁部材及びボディとは別体に形成されるカバーとの都合三部材より構成されると共に、その三者が互いに一体的に結合されて成り、ダイヤフラムの周縁部は、カバーおよびボディ間に挟まれる隔壁部材とカバーとの間に挟持され、減圧室は、隔壁部材およびボディ間に形成され、ダイヤフラムの一面および隔壁部材間には減圧室に通じる圧力作用室が形成されるので、ボディの減圧室に臨む部分の構造を単純化して、ボディの加工精度を向上することができ、また弁軸を気密にかつ軸方向摺動可能に貫通させしめる貫通孔と圧力作用室を減圧室に通じさせる連通孔とを設けた隔壁部材の加工も、ボディとは分離した状態で容易に行なうことができる。またダイヤフラムの直径の変化に応じて圧力作用室の直径も変化するが、隔壁部材を前記圧力作用室との間に介在させた減圧室の直径はダイヤフラムの直径の変化にかかわらず独立して定めることが可能であるため、ガス用減圧弁の小型化の要求に基づいてダイヤフラムの直径を小さく設定しても減圧室の直径を小さく設定することが不要であり、減圧室のガス圧が目標制御圧から大きく低下してしまうような流量特性変化が生じることを回避することができる。しかも減圧室のガス圧がダイヤフラムの一面に直接作用することはないので、減圧室のガス圧が大きく変化する際にダイヤフラムに無理な荷重が作用することを回避してダイヤフラムを保護することができる。また上記圧力作用室は、弁軸と直交する断面が該弁軸と同心の円形に形成され、一方、弁孔を中心部に通じさせる上記減圧室は、弁軸と直交する断面が、該弁軸と同心で且つ圧力作用室よりも大径の円形に形成されると共に、その減圧室の外周部に、ボディの出力ポートに通じる通路が連通している。
【0111】
また請求項2記載の発明によれば、弁体および弁軸の軸方向移動が、ボディの摺動孔の内面と、隔壁部材の貫通孔の内面との2箇所で支持されることになり、弁体および弁軸の倒れが生じることを防止して、弁体に確実な開閉作動を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の燃料ガス供給装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】燃料ガス供給装置を車両に搭載した状態を示す平面図である。
【図3】レギュレータの側面図である。
【図4】図3の4矢視方向から見たレギュレータの平面図である。
【図5】図3の5矢視方向から見たレギュレータの底面図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】図3の7−7線断面図である。
【図8】電磁遮断弁の拡大縦断面図である。
【図9】一次減圧弁の拡大縦断面図である。
【図10】一次減圧弁が備えるリーフばねの平面図である。
【図11】図10の11ー11線断面図である。
【図12】二次減圧弁の側面図であって図13の12矢視図である。
【図13】図12の13矢視図である。
【図14】図13の14矢視図である。
【図15】図14の15−15線断面図である。
【図16】図13の16−16線断面図である。
【図17】図16の要部拡大図である。
【図18】二次減圧弁が備える隔壁部材の平面図である。
【図19】図18の19−19線断面図である。
【図20】二次減圧弁が備えるダイヤフラムの拡大縦断面図である。
【図21】二次減圧弁が備えるリーフばねの平面図である。
【図22】図21の22ー22線断面図である。
【図23】第2実施例の図6に対応した断面図である。
【図24】ボディを取替えた状態での図23に対応した断面図である。
【符号の説明】
31・・・ガス用減圧弁としての二次減圧弁
140・・・弁ハウジング
141・・・ボディ
142・・・隔壁部材
143・・・カバー
146・・・ダイヤフラム
147・・・減圧室
148・・・圧力作用室
149・・・ばね室
162・・・弁孔
163・・・弁座
164・・・摺動孔
165・・・弁体
168・・・弁軸
196・・・ばね
173・・・貫通孔
175・・・連通孔
Claims (2)
- ダイヤフラム(146)の周縁部を挟持する弁ハウジング(140)内に、ダイヤフラム(146)の一面に作用するガス圧を発生する減圧室(147)が形成され、減圧室(147)の中心部に通じる弁孔(162)を中央部に開口させた弁座(163)に着座可能な弁体(165)が、前記ダイヤフラム(146)の中央部に一端が連結されて前記弁孔(162)を軸方向移動可能に貫通する弁軸(168)の他端に固定され、前記ダイヤフラム(146)の他面を臨ませて弁ハウジング(140)内に形成されるばね室(149)には、前記弁体(165)を弁座(163)から離座させる方向にダイヤフラム(146)を付勢するばね(196)が収納されるガス用減圧弁において、 前記弁ハウジング(140)は、前記弁座(163)が設けられるボディ(141)と、そのボディ(141)とは別体に形成されて該ボディ(141)との間に前記減圧室(147)を形成するとともに圧力作用室(148)を前記ダイヤフラム(146)の一面との間に形成する隔壁部材(142)と、その隔壁部材(142)及びボディ(141)とは別体に形成されて前記ばね室(149)をダイヤフラム(146)の他面との間に形成するとともに前記ダイヤフラム(146)の周縁部を前記隔壁部材(142)との間で挟持するカバー(143)との都合三部材より構成されると共に、その三者(141,142,143)が互いに一体的に結合されて成り、
前記圧力作用室(148)は、前記弁軸(168)と直交する断面が該弁軸(168)と同心の円形に形成され、
前記減圧室(147)は、前記弁軸(168)と直交する断面が、該弁軸(168)と同心で且つ前記圧力作用室(148)よりも大径の円形に形成されると共に、その減圧室(147)の外周部に、前記ボディ(141)の出力ポート(160)に通じる通路(161)が連通しており、
前記隔壁部材(142)には、前記弁軸(168)を気密にかつ軸方向摺動可能に貫通させしめる貫通孔(173)と、前記圧力作用室(148)を前記減圧室(147)に通じさせる連通孔(175)とが設けられることを特徴とするガス用減圧弁。 - 前記ボディ(141)には、前記弁体(165)を摺動可能に嵌合させる摺動孔(164)が設けられることを特徴とする、請求項1記載のガス用減圧弁。
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