JP3881769B2 - ガス用減圧弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス用減圧弁に関し、特に、ボディおよびダイヤフラム間に形成される減圧室に通じる弁孔を中央部に開口させた弁座に着座可能な弁体がダイヤフラムの中央部に連結され、カバーおよびダイヤフラム間に形成されるばね室に収納されるコイルばねのばね荷重を調節する調節ねじがカバーに進退自在に螺合され、該調節ねじの外端部と、その外端部に螺合されるナットとが合成樹脂から成る円筒状のキャップで覆われるガス用減圧弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるガス用減圧弁では、カバーの外方にナットおよび調節ねじが剥き出しに配置されていると、ナットの進退位置が不所望に操作されて、コイルばねのばね荷重が変化してしまうことを防止するために、調節ねじの外端部およびナットが合成樹脂製のキャップで覆われている。そのキャップの装着にあたっては、たとえば図16で示すように、カバー141との間に円盤状の係合板233を介在させてナット234を調節ねじ180に螺合するようにし、係合板233の全周に設けられた係合溝235にキャップ236がその開口端内周に備える係合突部237を係合させたり、たとえば図17で示すように、ナット238の外周面の周方向に間隔をあけた6箇所に設けられる係合溝239に、キャップ240の内周面に突設された係合突部241を係合させたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記図16で示した従来例では、キャップ236の装着のために係合板233が必要となるので部品点数が多くなり、しかも係合板233の直径がナット234の直径よりも大きいのでキャップ236も大きくなってしまう。
【0004】
また上記図17で示した従来例においてナット238は、6個の平坦面238aが相互に連設されて成る六角形状の外周面を有するものであり、係合溝239は、各平坦面238aの連設部すなわち角部に設けられるものであるので、係合溝239の長さが比較的短く、したがって係合突部241の係合溝239へのかかり量が少ないのでキャップ240が簡単に外れてしまう。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数の低減およびキャップの小型化を可能とした上で、キャップを外れ難くしたガス用減圧弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、ボディと、該ボディに締結されるカバーおよびボディ間に周縁部が挟持されるダイヤフラムとの間に減圧室が形成され、該減圧室に通じる弁孔を中央部に開口させた弁座に着座可能な弁体がダイヤフラムの中央部に連結され、前記カバーおよびダイヤフラム間に形成されるばね室に、前記減圧室の容積を縮少する方向にダイヤフラムを付勢するコイルばねが収納され、軸方向の進退位置に応じて前記コイルばねのばね荷重を調節すべく外端部をカバーの外方に突出せしめる調節ねじが前記カバーに進退自在に螺合され、該調節ねじの進退位置を固定すべく該調節ねじの外端部にナットが螺合され、前記調節ねじの外端部およびナットが合成樹脂から成る円筒状のキャップで覆われるガス用減圧弁において、前記ナットの外周面が、調節ねじの軸線に平行にして周方向等間隔に配置される4つの平坦面と、それらの平坦面間を結ぶ彎曲面とで構成され、前記キャップの内周面には、前記ナットの外周面の軸方向中間部に対応する位置で環状の係合突部が全周に亘って突設され、前記4つの彎曲面には、その各彎曲面を横切るように延びて前記環状の係合突部を係合させる4つの係合溝がそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、キャップがナットにのみ装着されるので、キャップの小型化が可能である。しかもナットが4面取りの外周面を有するものであるのでナットの加工工数を低減することができ、4つの平坦面間を結ぶ4つの彎曲面に係合溝が、その各彎曲面を横切るようにそれぞれ設けられるので、各係合溝を比較的長く形成してキャップの係合突部の各係合溝へのかかり量を比較的大とし、キャップが簡単には外れないようにすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0009】
図1ないし図15は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両の燃料供給装置の構成を概略的に示す図、図2はレギュレータの側面図、図3はレギュレータの平面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図4の5−5線断面図、図6は電磁遮断弁の拡大縦断面図、図7は電磁遮断弁における吸引特性を示す図、図8は一次減圧弁の拡大縦断面図、図9は図8の9−9線拡大断面図、図10は図8の要部拡大図、図11は一次減圧弁の環境温度に応じた減圧特性を示す図、図12はピストンに装着されるOリングの個数によるヒステリシス特性を示す図、図13は二次減圧弁の拡大縦断面図、図14は図13の14−14線断面図、図15は図14の15−15線に沿ってキャップのみを切断した縦断側面図である。
【0010】
先ず図1において、圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas;以下、CNGと言う)が、1または複数のCNGタンク20…にたとえば250〜10kg/cm2 の高圧で貯溜されており、それらのCNGタンク20…がそれぞれ備える容器遮断弁21…が、充填口22に逆止弁23を介して共通に接続されるとともに、手動遮断弁24に共通に接続され、各容器遮断弁21…および手動遮断弁24間の管路25には、圧力センサ26および温度センサ27が付設される。
【0011】
容器遮断弁21…および手動遮断弁24の開弁時に前記CNGタンク20…からのCNGは、CNGタンク20…へのコンプレッサによるCNGの充填時に混入する可能性のあるオイルを除去するためのオイルフィルタ41を備える管路28を介してレギュレータRに導かれ、該レギュレータRで2〜3kg/cm2 に減圧されたCNGが、エンジンEのインジェクタ29に管路30を介して導かれる。而して該管路30には、温度センサ31および圧力センサ32が付設される。
【0012】
図2ないし図5を併せて参照して、レギュレータRは、温水通路33を有する共通のボディ34に、フィルタ35、電磁遮断弁36、一次減圧弁37、二次減圧弁38、リリーフ弁39およびサーモスタット40が配設されて成るものである。
【0013】
フィルタ35は、手動遮断弁24からの管路28を介して導かれるCNGに含まれる不純物を除去するものであり、電磁遮断弁36は、エンジンEの運転停止に伴ってフィルタ35および一次減圧弁37間を遮断してCNGの供給を停止する働きをする。
【0014】
一次減圧弁37は、CNGタンク20…からの250〜10kg/cm2 の高圧のCNGを、たとえば6〜7kg/cm2 に減圧するように作動し、二次減圧弁38は、一次減圧弁37からのCNGをたとえば2〜3kg/cm2 まで減圧するように作動し、二次減圧弁38からのCNGが管路30を介してインジェクタ29に導かれる。
【0015】
リリーフ弁39は、一次減圧弁37および二次減圧弁38間に接続されるものであり、一次減圧弁37で減圧されて二次減圧弁38に導かれるCNGが、たとえば予め設定された開弁圧たとえば16.5kg/cm2 を超えて上昇したときに開弁してCNGを大気に放出する働きをする。
【0016】
さらにボディ34の温水通路33には、一次および二次減圧弁37,38での減圧作用に伴ってボディ34の温度が低下し過ぎないようにするために、エンジンEからエンジン冷却水が導入されるのであるが、サーモスタット40は、温水通路33からエンジンE側へのエンジン冷却水の戻り側でボディ34に配設されており、温水通路33を流通するエンジン冷却水がたとえば80度を超えたときに閉弁するようにしてボディ34の温度が上昇しすぎないようにする働きをする。
【0017】
以下、フィルタ35、電磁遮断弁36、一次減圧弁37、二次減圧弁38、リリーフ弁39およびサーモスタット40の構成および作用について、順次説明していく。
【0018】
〔フィルタ35〕;図5に特に注目して、ボディ34の上下方向中間部における側部には凹部43が設けられており、該凹部43の外端開口部に管継手44がその内端とボディ34との間に環状のシール部材45を挟み込むようにして螺着され、手動遮断弁24からのCNGを導く管路28が管継手44の外端部に接続される。前記凹部43には、管継手44の内端との間に間隔をあけるようにしてフィルタ35が嵌合されており、該フィルタ35と管継手44との間には、フィルタ35を凹部43の内端閉塞部に押付ける弾発力を発揮するばね46が設けられる。
【0019】
凹部43に嵌合されたフィルタ35の外周とボディ34との間には、管継手44内に通じる環状の未浄化室47が形成されており、ボディ34には、フィルタ35内の浄化室48に通じる通路49が設けられる。而して管路28を介して導かれるCNGに含まれる不純物が未浄化室47からフィルタ35を透過して浄化室48に流入し、さらに通路49へと導かれる。
【0020】
〔電磁遮断弁〕;図6を併せて参照して、前記管継手44の螺着位置から周方向に間隔をあけた位置で前記フィルタ35に対応した上下位置に、ボディ34の側部に電磁遮断弁36が取付けられる。
【0021】
この電磁遮断弁36は、コイル組立体50と、一端側がコイル組立体50内に挿入されるとともに他端側がボディ34に固定される非磁性材料製のガイド筒51と、該ガイド筒51の一端を塞ぐようにしてガイド筒51に固着される固定コア52と、固定コア52に対向してガイド筒51内に摺動可能に嵌合されるプランジャ53と、固定コア52およびプランジャ53間に設けられる戻しばね54と、コイル組立体50を覆うようにして固定コア52に締結される磁性金属製のソレノイドハウジング55と、コイル組立体50をソレノイドハウジング55との間に挟むようにしてボディ34に螺合される磁性支持枠56と、固定コア52とは反対側でプランジャ53に保持される弁部材57とを備える。
【0022】
コイル組立体50は、中心孔58を有する合成樹脂製のボビン59と、該ボビン59に巻装されるコイル60とが合成樹脂から成る被覆部61で被覆されて成るものであり、被覆部61のボディ34側の部分には、前記コイル60に連なる一対の接続端子62…を臨ませたカプラ部61aが外側方に突出するようにして一体に設けられており、このカプラ部61aに図示しない導線が接続される。
【0023】
ボディ34には、内端を閉じた小径孔63と、小径孔63よりも大径にして小径孔63の外端に同軸に連なる大径孔64とが、外方に臨む環状の段部65を相互間に形成して設けられる。一端側をボビン59の中心孔58に挿入せしめるガイド筒51の他端側外面には、大径孔64の内面に外周面を近接、対向せしめる鍔部51aが半径方向外方に張出すようにして一体に設けられており、この鍔部51aおよび段部65間に環状のシール部材66を挟むようにしてガイド筒51の他端部が大径孔64に挿入される。
【0024】
磁性支持枠56は、ガイド筒51のコイル組立体50からボディ34側に突出した部分を囲繞してコイル組立体50のボディ34側の端面に当接するリング板部56aと、リング板部56aの内周に一体に連設されてガイド筒51を囲繞する円筒部56bとを備えるものであり、円筒部56bが大径孔64にねじ込まれることにより、磁性支持枠56がボディ34に組付られる。しかも段部65および円筒部56bの先端間にシール部材66および鍔部51aが挟持されることにより、ガイド筒51もボディ34に固定される。
【0025】
固定コア52は磁性金属により横断面円形の棒状に形成されるものであり、外端をガイド筒51の一端から突出させるようにして内端部をガイド筒51の一端部に嵌合した状態で、溶接等によりガイド筒51に固着される。この際、半径方向外方に張出した鍔部51aがガイド筒51の他端側に設けられていることから、磁性支持枠56およびコイル組立体50のガイド筒51への装着は、該ガイド筒51の一端側すなわち固定コア52側から行なわざるを得ず、ガイド筒51および固定コア52の固着部がガイド筒51の外面から突出することを避けるために、固定コア52のガイド筒51からの突出部の外径はガイド筒51の外径よりも小さく設定されている。このためコイル組立体50における中心孔58の一端側内面と、固定コア52の外周面との間には環状の間隙67が形成されることになる。また固定コア52の外端面は、ガイド筒51の軸線に沿ってコイル組立体50の一端面と略同一位置に配置される。
【0026】
ソレノイドハウジング55は、コイル組立体50を囲繞する円筒部55aと、該円筒部55aの一端部に連設される端板部55bとを一体に備えて有底円筒状に形成されるものであり、端板部55bの中央部が固定コア52の外端面に当接される。しかも固定コア52には、その外端面から外方に突出するねじ軸部52aが同軸にかつ一体に連設されており、前記端板部55bの中央には、ねじ軸部52aを挿通せしめる挿通孔68が設けられる。而してねじ軸部52aの前記端板部55bからの突出部には、端板部55bの外面との間にワッシャ69を介在させて袋ナット70が螺合されており、該袋ナット70を締付けることにより端板部55bすなわちソレノイドハウジング55の閉塞端中央部が固定コア52に締結されることになる。
【0027】
このソレノイドハウジング55の固定コア52への締結により、コイル組立体50がソレノイドハウジング55の端板部55bと、磁性支持枠56のリング板部56aとの間に挟持されることになるが、ソレノイドハウジング55の締結によりコイル組立体50に過大な荷重が作用することを避けるために、コイル組立体50の一端面には、端板部55bの内面に弾発的に接触する環状の弾性部材71が装着され、コイル組立体50の他端部内周と、磁性支持枠56との間に環状の弾性部材72が挟まれる。
【0028】
ソレノイドハウジング55における端板部55bの内面には、磁性金属製の磁路形成部材73が、スポット溶接等により固着される。この磁路形成部材73は、固定コア52を囲繞して端板部55bの内面に当接するリング板部73aと、該リング板部73aの内周に一端が同軸にかつ一体に連設される円筒部73bとを備える。円筒部73bは、固定コア52との磁気的結合を可能として該固定コア52を囲繞するものであり、該円筒部73bの他端部はコイル組立体50および固定コア52間に形成されている環状の間隙67に挿入される。
【0029】
ソレノイドハウジング55における円筒部55aの他端側には、コイル組立体50の被覆部61に一体に設けられるカプラ部61aを外部に突出せしめるための切欠き74が設けられる。ところで、電磁遮断弁36よりも上方でボディ34には、二次減圧弁38を取付けるための円盤状のフランジ部77が外側方に張出すようにして一体に設けられており、このフランジ部77の電磁遮断弁36側の面は、電磁遮断弁36のソレノイドハウジング55における円筒部55aの他端側に対向する平坦な規制壁76を形成する。一方、前記円筒部55aの他端には、規制壁76側に向けて突出する一対の係合爪75,75が一体に設けられており、それらの係合爪75,75が規制壁76に係合することにより、固定コア52が備えるねじ軸部52aの軸線まわりのソレノイドハウジング55の回動が阻止されることになる。
【0030】
ところで、ガイド筒51の他端側が大径孔64への挿入状態でボディ34に固定され、ガイド筒51にプランジャ53が摺動自在に嵌合されていることにより、ボディ34の小径孔63の内端閉塞部と、ガイド筒51およびプランジャ53の他端との間にはメイン弁室78が形成される。しかも前記フィルタ35の浄化室48に通じる通路49が該メイン弁室78に連通されており、フィルタ35で浄化されたCNGがメイン弁室78に導入される。
【0031】
また小径孔63の内端閉塞部における中央で開口するようにしてボディ34に通路79が設けられており、この通路79のメイン弁室78への開口端を囲繞するようにしてメイン弁室78側にわずかに突出する環状の弁座80がボディ34に設けられる。
【0032】
弁部材57は、プランジャ53側に向けて小径となるテーパ面を一端面に有して円盤状に形成される一端側のパイロット弁部57aと、小径孔63の内端閉塞部に対向して円盤状に形成される他端側のメイン弁部57bとが、両弁部57a,57bとの間で段差をなす連結筒部57cを介して一体に連設されて成るものであり、パイロット弁部57aの直径はメイン弁部57bの直径よりも小さく設定される。この弁部材57の中心部には、通路79に常時連通する第1通路81と、第1通路81に通じてパイロット弁部57aの一端面中央部に開口する第2通路82とが同軸に設けられ、第2通路82は第1通路81よりも小径に形成される。
【0033】
プランジャ53においてメイン弁室78に臨む端部には、パイロット弁部57aを挿入せしめる凹部83が設けられており、パイロット弁部57aは、プランジャ53の他端に固定されるC字形の止め輪84で凹部83からの離脱を阻止されるようにして凹部83に緩く挿入され、パイロット弁部57aおよびプランジャ53間にはメイン弁室78に通じるパイロット弁室85が形成される。またパイロット弁部57aの一端面中央部を着座させたときに前記第2通路82のパイロット弁室85への開口を塞ぐゴムシール86が前記凹部83の閉塞端中央部に埋設される。而して前記止め輪84は、パイロット弁部57aが凹部83の閉塞端およひ止め輪84間でプランジャ53との間での軸方向相対移動が可能となる位置でプランジャ53に固定される。
【0034】
またメイン弁部57bにおいて小径孔63の閉塞端に対向する面には、弁座80に着座してメイン弁室78および通路79間を遮断するための環状のゴムシール87が埋設される。
【0035】
このような電磁遮断弁36では、エンジンEの停止時にはコイル60の消磁により、プランジャ53が戻しばね54のばね力により固定コア52から離反する方向に移動し、メイン弁部57bのゴムシール87が弁座80に着座してメイン弁室78および通路79間が遮断されるとともに、パイロット弁部57aがゴムシール86に着座してパイロット弁室85および通路79間も遮断され、高圧のCNGの通路79側への供給が停止される。
【0036】
一方、エンジンEの運転開始時に、コイル60が励磁されると、先ずプランジャ53がパイロット弁部57aをゴムシール86から離反させるだけ固定コア52側に移動し、第1通路81を介して通路79に連通している第2通路82がパイロット弁室85に連通することになる。これにより、メイン弁室78からパイロット弁室85、第2通路82および第1通路81を経て通路79にCNGが徐々に流れることになり、それによりメイン弁部57bにメイン弁室78および通路79側から作用している圧力の差が小さくなる。而してコイル60による電磁力がメイン弁部57bに作用している差圧に打ち勝ったときに、プランジャ53が固定コア52側にさらに移動して、メイン弁部57bのゴムシール87が弁座80から離反し、メイン弁室78から通路79へとCNGが流れることになる。
【0037】
しかも該電磁遮断弁36では、ソレノイドハウジング55の端板部55bの中央部が固定コア52に締結されているのであるが、ソレノイドハウジング55における円筒部55aに一体に設けられた係合爪75,75がボディ34の規制壁76に係合するので、ソレノイドハウジング55がその端板部55bの固定コア52への締結部を中心にして回動しようとしても、係合爪75,75の規制壁76への係合により、ソレノイドハウジング55の回動が阻止される。したがってソレノイドハウジング55の固定コア52への締付強度を増大することを不要とした簡単な構造でソレノイドハウジング55の回動を阻止することができ、ソレノイドハウジング55の円筒部55aに設けられた切欠き74から外方に突出したカプラ部61aの周方向位置が正規の位置からずれてしまうことが防止され、カプラ部61aに接続されている導線に不所望の外力が作用することもない。さらに前記規制壁76は、ボディ34に二次減圧弁38を取付けるための円盤状のフランジ部77の電磁遮断弁36側の面であり、特別に規制壁76を形成することが不要であり、ソレノイドハウジング55をボディ34の中心に極力近づけて配置することを可能としてレギュレータRの小型化に寄与することができる。
【0038】
また固定コア52の外面と、コイル組立体50の中心孔58の内面との間に環状の間隙67が形成されているが、ソレノイドハウジング55の閉塞端すなわち端板部55bの内面に当接するリング板部73aと、リング板部73aの内周に一端が同軸にかつ一体に連設されるとともに磁気的結合を可能として固定コア52を囲繞する円筒部73bとを備える磁路形成部材73が、円筒部73bの他端部を前記間隙67に挿入せしめるようにしてソレノイドハウジング55に固着されている。このような磁路形成部材73がソレノイドハウジング55および固定コア52間に配設されることにより、ソレノイドハウジング55および固定コア52間の磁路面積は、固定コア52の外端面に対応する面積と、磁路形成部材73の円筒部73bで囲繞される部分の固定コア52の外周面の面積とを加算した比較的大きな値となり、ソレノイドハウジング55および固定コア52間の磁路面積を充分に大きくすることが可能となる。
【0039】
この結果、環状の間隙67をあけたままのものが、図7の破線で示す吸引力特性を示すのに対し、磁路形成部材73を間隙67に挿入せしめたものでは、図7の実線で示すように、優れた吸引特性を得ることができる。
【0040】
〔一次減圧弁37〕;図8において、一次減圧弁37の弁ハウジング90は、ボディ34の下部と、該ボディ34の下面に複数のボルト92…で締結されるカバー91とで構成されるものであり、ボディ34の下面と、カバー91との間には、ダイヤフラム93の周縁部が挟持される。
【0041】
ボディ34の下面には、ダイヤフラム93との間に減圧室94を形成する凹部95が設けられており、この凹部95の閉塞端中央部には、ダイヤフラム93側に突出した円形の隆起部96が設けられる。
【0042】
ボディ34には、減圧室94側に下端を開口せしめるとともに上端を閉じた有底の取付け孔97が上下に延びるようにして設けられており、この取付け孔97は、隆起部96の下端中心部に下端を開口する第1孔部97aと、第1孔部97aよりも小径にして第1孔部97aの上端に下端が同軸に連なる第2孔部97bと、第2孔部97bよりも小径にして第2孔部97bの上端に下端が同軸に連なる第3孔部97cと、第3孔部97cよりも小径にして第3孔部97cの上端に下端が同軸に連なるとともに上端が閉じられる第4孔部97dとで構成され、電磁遮断弁36からCNGを導く通路79が第2孔部97bの内面に開口される。
【0043】
取付け孔97における第1孔部97aには、円筒状である弁座部材98が、第1および第2孔部97a,97b間の段部との間に環状のシール部材99を挟むようにして螺合される。すなわち取付け孔97における第1孔部97aの下部内面には雌ねじ100が刻設されており、該雌ねじ100に弁座部材98が螺合される。
【0044】
しかも弁座部材98の減圧室94側の端面には、取付け孔97の軸線に直交する平面内で弁座部材98の半径方向に延びる複数たとえば4つの溝101…を相互間に形成する複数たとえば4つの突部102…が突設されており、それらの溝101…は十字状に配置される。而して弁座部材98の雌ねじ100への螺合時には、十字状に配置された溝101…に図示しない工具を係合して弁座部材98を回転操作することが可能であり、弁座部材98をボディ34に容易に取付けることができる。
【0045】
前記弁座部材98と取付け孔97の上端閉塞部との間には前記通路79に通じる弁室103が形成される。また弁座部材98は、その減圧室94側の端部で半径方向内方に張出す内向き鍔98aを一体に備えるものであり、該内向き鍔98aの内周で減圧室94に通じる弁孔104が形成され、内向き鍔98aの内面には、前記弁孔104を中央部に開口させて弁室103に臨むテーパ状の弁座105が形成される。
【0046】
図9を併せて参照して、弁室103内には前記弁座105に着座可能な合成樹脂製の弁体106が収納され、該弁体106は、弁孔104と同軸に配置される弁軸107に固定される。
【0047】
弁体106は、テーパ状である弁座105に着座すべく該弁座105に対向する一端面をテーパ状にして円筒状に形成されるものであり、弁軸107が弁体106に弾発的に嵌合されることにより、弁軸107に固定される。しかも弁軸107の外面の軸方向に間隔をあけた位置には、弁体106の内面に弾発的に接触する一対のOリング108,108が装着されている。
【0048】
弁軸107の一端部は、取付け孔97における第3孔部97cの内面との間に介装せしめた軸受109により軸方向の移動を可能としてボディ34に支承される。また弁体106の外面には、弁座部材98の内面にその周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば4箇所で摺接するガイド部110…が設けられ、各ガイド部110…相互間で弁体106および弁座部材98間には弁軸107の軸方向に沿って延びる流通路111…が形成される。
【0049】
取付け孔97における第3および第4孔部97c,97d間の段部との間に前記軸受109を保持するためのリテーナ112が、第2および第3孔部97b,97c間の段部に当接されており、このリテーナ112と弁体106との間には、ばね113が縮設される。
【0050】
カバー91およびダイヤフラム93間にはばね室116が形成され、該ばね室116には、ダイヤフラム93を減圧室94側に付勢するコイルばね117が収納される。
【0051】
カバー91には、弁孔104と同軸に延びる収納孔118が外端を開口するようにして設けられており、該収納孔118は、軸方向外方側のねじ孔部118aと、該ねじ孔部118aよりも大径としてねじ孔部118aに同軸に連なる軸方向内方側の摺動孔部118bとから成る。しかも収納孔118の内径は、コイルばね117の挿脱を可能とする程度に設定されている。
【0052】
図10を併せて参照して、ダイヤフラム93の中央部の減圧室94側に臨む面には、ダイヤフラム93の中心部を貫通してばね室116側に突出する円筒部119aを一体に有する第1ダイヤフラムリテーナ119が当接され、ダイヤフラム93の中央部のばね室116側に臨む面には、円筒部119aの外面に設けられる環状段部121に内周を係合せしめてダイヤフラム93の中央部を第1ダイヤフラムリテーナ119との間に挟み込む第2ダイヤフラムリテーナ120が当接される。
【0053】
一方、収納孔118の摺動孔部118bには、円筒状に形成されるピストン123が制限された範囲での軸方向摺動を可能として嵌合されており、このピストン123のダイヤフラム93側の端部には、前記円筒部119aの外面に設けられる環状段部122および第2ダイヤフラムリテーナ120に当接するリング板状の当接板部123aと、前記円筒部119aを囲繞するようにして当接板部123aの内周に連なる円筒部123bとが設けられる。しかもピストン123の円筒部123bの先端は、第1ダイヤフラムリテーナ119における円筒部119aの先端よりも外方位置にあるように設定される。
【0054】
第1ダイヤフラムリテーナ119の中央部には、減圧室94側からダイヤフラムロッド124が挿入されており、第1ダイヤフラムリテーナ119における円筒部119aの内面には、減圧室94側に臨む環状段部125が設けられ、ダイヤフラムロッド124は該環状段部125に係合される。また円筒部119aからの突出部分でダイヤフラムロッド124にはねじ軸部124aが設けられており、円筒部123bの先端との間にワッシャ126…を介在させてねじ軸部124aにナット127が螺合され、このナット127を締付けることにより、ダイヤフラム93の中央部を両ダイヤフラムリテーナ119,120で挟むとともに、ダイヤフラム93の中央部にダイヤフラムロッド124が固定され、さらにピストン123がダイヤフラム93の中央部に連結されることになる。しかも減圧室94およびばね室116間をシールするために、ダイヤフラムロッド124の外周に装着された環状のシール部材128が円筒部119aの内面に弾発的に接触する。
【0055】
弁軸107の他端部すなわちダイヤフラム93側の端部はダイヤフラムロッド124に同軸に締結されるものであり、ダイヤフラムロッド124には、弁軸107側の一端を開放した嵌合孔130と、該嵌合孔130よりも小径にして嵌合孔130の他端に同軸に連なる有底のねじ孔131とが設けられる。一方、前記弁軸107には、前記嵌合孔130に嵌合される嵌合軸部107aと、前記ねじ孔131に螺合することを可能として嵌合軸部107aに同軸に連なる雄ねじ部107bとが設けられており、雄ねじ部107bの軸方向長さL1 が嵌合孔130の軸方向長さL2 よりも短く(L1 <L2 )設定される。
【0056】
しかも円筒部119aの内面に弾発的に接触するシール部材128は、嵌合孔130よりも小径であるねじ孔131の外方に対応する部分でダイヤフラムロッド124の外周に装着されており、これによりダイヤフラムロッド124を極力小径化することができる。
【0057】
ところで、ダイヤフラム93は、弁軸107の連結部すなわち中央部の肉厚と、ボディ34およびカバー91間に挟持される部分すなわち周縁部の肉厚とを比較的大にするとともに、前記中央部および周縁部間を結ぶ部分が比較的薄肉の曲面形状に形成されて成るものであり、このようなダイヤフラム93によれば、ダイヤフラム93の耐圧性を向上することが可能であるとともに、低温時の応答性も向上することができる。
【0058】
第2ダイヤフラムリテーナ120は、ダイヤフラム93のばね室116側への撓みを規制する撓み規制部120aを外周側に一体に備える。この撓み規制部120aは、ばね室116側に膨らんだ彎曲形状に形成されるものであり、該撓み規制部120aの外周縁はカバー91の内面に近接、対向せしめられる。しかも撓み規制部120aの外縁およびカバー91の内周面間の間隙に対応する部分でダイヤフラム93の肉厚が、上記間隙よりも大に形成されている。
【0059】
収納孔118の外端開口部すなわちねじ孔部118aには、調節ねじ132が進退可能に螺合されており、この調節ねじ132と、ダイヤフラム93の中央部に連結されているピストン123の当接板部123aとの間にコイルばね117が縮設される。したがって調節ねじ132の進退位置を調節することにより、コイルばね117のばね荷重を調節することができる。しかも調節ねじ132の内端には、ダイヤフラム93とは反対側でコイルばね117の端部全体を受ける凹部132aが設けられている。
【0060】
また調節ねじ132のカバー91からの突出部にはロックナット133が螺合されており、調節ねじ132には、ばね室116を大気に開放するための開放孔134が設けられる。
【0061】
ところでピストン123はダイヤフラム93と一体に摺動するのであるが、このピストン123の外面には、カバー91の内面に弾発的に摺接する複数たとえば一対のOリング135,135が、ピストン123の軸方向に間隔をあけて装着されており、両Oリング135,135間でピストン123の外面およびカバー91間にグリス136が充填される。しかもピストン123にその軸方向一側から両Oリング135,135を装着するようにしたときには、両Oリング135,135の一方がOリング溝により損傷する可能性があるが、ピストン123の軸方向両端外面には彎曲した面取り部123c,123dが設けられており、前記Oリング溝で損傷することを回避してOリング135,135をピストン123にその軸方向両端側からそれぞれ容易に装着することができる。またOリング135,135が装着されたピストン123を収納孔118に挿入する際にOリング135,135が損傷することを防止するために、収納孔118の内端開口部にはテーパ状の面取り部118cが設けられている。
【0062】
而して前記Oリング135,135により、ばね室116内のピストン123およびダイヤフラム93間が密閉されてしまうことを回避するために、ピストン123の円筒部123bに、その内外面間にわたる連通孔129が設けられる。
【0063】
またボディ34には、減圧室94に通じて上方に延びる複数たとえば4つの通路137,137…が、取付け孔97の周囲に間隔をあけて配置されるようにして設けられる。さらにボディ34の隆起部96には、ダイヤフラム93の減圧室94側への撓みを規制すべくダイヤフラム93の中央部の第1ダイヤフラムリテーナ119に接触可能な複数たとえば4つの突部138…が相互間に溝139…を形成するようにして突設されており、第1ダイヤフラムリテーナ119の各突部138…への接触時に、弁室103から弁孔104を通過したCNGは、弁座部材98の減圧室94側の端部に形成されている溝101…および前記溝139…を経て減圧室94側に流入可能である。
【0064】
このような一次減圧弁37において、弁室103に高圧のCNGが流入していない状態では、コイルばね117のばね力によりダイヤフラム93が減圧室94側に撓んでおり、弁体106は弁座105から離反して弁孔104を開口せしめている。而して弁室103に流入した高圧のCNGが弁孔104から減圧室94側に流入し、減圧室94の圧力が、コイルばね117のばね力に抗してダイヤフラム93をばね室116側に撓ませる程度に増大すると、弁体106が弁座105に着座して弁孔104が閉鎖されることになり、そのような弁孔104の開放・閉鎖が繰り返されることにより、弁室103にたとえば250〜10kg/cm2 の高圧で流入したCNGが、たとえば6〜7kg/cm2 に減圧されて減圧室94から各通路137,137…へと流れることになる。
【0065】
またボディ34には、弁軸107の軸線と同軸にして減圧室94側に開口する有底の取付け孔97が設けられており、弁体106を収納せしめる弁室103を取付け孔97の閉塞端との間に形成する円筒状の弁座部材98が取付け孔97に螺合され、弁室103に臨む弁座105が弁座部材98の減圧室94側の端部内面に形成されている。したがって弁体を収納せしめるべくボディに設けられた収納孔の内端に弁座が形成されるとともに該収納孔の外端を密封するための蓋部材がボディに取付けられる構成のものと比べると、蓋部材等の部材が取付けられる必要がなく、部品点数の低減、ならびにボディ34への一次減圧弁37の配置上の自由度を増大することができる。しかも弁座105が弁座部材98の減圧室94側の端部内面に形成されていることにより、弁体106を減圧室94側に極力近接させて配置することができ、ボディ34の小型化にも寄与することができる。
【0066】
また弁軸107の一端部は、軸受109を介してボディ34に支承され、弁座部材98の内面にその周方向に間隔をあけた複数箇所で摺接する複数のガイド部110…が弁体106の外面に設けられ、各ガイド部110…相互間で弁体106および弁座部材98間に、弁軸107の軸方向に沿って延びる流通路111…が形成されている。したがって弁軸107の一端部が軸方向移動可能にボディ34に支承されるとともに、弁体106が固定される部分で弁軸107が弁体106および弁座部材98を介してボディ34に軸方向移動可能に支承されることになり、コイルばね117による横荷重が弁軸107に作用したり、ダイヤフラム93に芯ずれが生じていたとしても、弁軸107に倒れが生じることを防止して弁座105の軸線と弁体106の軸線とを正確に一致させることができ、弁体106をその全周にわたって弁座105に確実に着座させることができる。
【0067】
ところで、弁体106が合成樹脂から成るものであることにより、環境温度が低下することによって弁体106が硬化してシール能が低下する。したがって弁座105に対する弁体106の傾きに伴なう調圧不良は環境温度が低下するほど顕著に出現するのであるが、図11の破線で示すように、弁軸107の一端側だけがボディ34に支承されているものでは、弁体の傾きにより低温側で調圧不良を生じて減圧度が低下するのに対し、上述のように弁軸107がその一端部および弁体106の部分でボディ34および弁座部材98に支承されるものでは、図11の実線で示すように、弁体106が傾くことなく常に弁座105に適確に着座し得るので、調圧不良が生じるのを防止してより高い減圧度を得ることができる。
【0068】
しかも合成樹脂から成る弁体106に設けられる各ガイド部110…が弁座部材98の内面に摺接することによる摺動抵抗が、コイルばね117の振動に対抗して生じることになり、自励振動の発生を極力防止することができる。
【0069】
また弁座部材98は取付け孔97に螺合されるのであるが、弁座部材98の減圧室94側の端面に、弁軸107の軸線に直交する平面内で弁軸107の半径方向に延びる複数の溝101…を相互間に形成する複数の突部102…が突設されているので、各突部102…間の溝101…に工具を係合せしめて弁座部材98を回転操作することが可能であり、弁座部材98のボディ34への取付けが容易となる。
【0070】
弁軸107はダイヤフラム93の中央部に固定されているダイヤフラムロッド124に締結されるのであるが、ダイヤフラムロッド124には、嵌合孔130と、該嵌合孔130に同軸に連なる有底のねじ孔131とが設けられており、弁軸107には、嵌合孔130に嵌合される嵌合軸部107aと、ねじ孔131に螺合することを可能として嵌合軸部107aに同軸に連なる雄ねじ部107bとが設けられ、雄ねじ部107bの軸方向長さL1 が嵌合孔130の軸方向長さL2 よりも短く設定されている。このため、雄ねじ部107bのねじ孔131へのねじ込み開始時には嵌合軸部107aの一部が嵌合孔130に既に嵌合された状態となっている。したがって雄ねじ部107bのねじ孔131へのねじ込みによって切粉が発生したとしても、その切粉は弁軸107およびダイヤフラムロッド124間に封入されることになるので、切粉の除去作業が不要となり、組付作業能率を向上することができる。
【0071】
またカバー91には、コイルばね117の挿脱を可能として外端を開口せしめた収納孔118が弁孔104の軸線と同軸にして設けられ、収納孔118の外端開口部に螺合される調節ねじ132に、コイルばね117のダイヤフラム93とは反対側の端部全体を受ける凹部132aが設けられているので、ダイヤフラム93とは反対側でコイルばね117をリテーナで受けることを不要とし、部品点数を低減することができる。しかもダイヤフラム93の周縁部をボディ34およびカバー91間に挟み込むときには、コイルばね117をカバー91から取り出しておくことができ、ダイヤフラム93に偏荷重が作用することを回避してカバー91をボディ34に締結することができるので、ダイヤフラム93にずれが生じることを防止して、弁体106の弁座105への確実な着座を可能とし、調圧不良が生じることを防止することができる。またコイルばね117を調節ねじ132で圧縮するときには、コイルばね117の端部のガイド機能を調節ねじ132の凹部132aが果すことになり、コイルばね117の傾きが生じることも防止することができる。
【0072】
さらにダイヤフラム93の撓みに応じて弁軸107の軸線方向に往復動するピストン123の外面に、カバー91の内面に弾発的に摺接する複数たとえば一対のOリング135,135が装着されているので、コイルばね117の自励振動に対抗する摺動抵抗を得ることができる。
【0073】
上記摺動抵抗は、単一のOリング135がピストン123の外面に装着されることでも得られるのであるが、単一のOリング135が装着されている場合には、図12の破線で示すヒステリシスを示すのに対し、一対のOリング135,135が装着されている場合には、図12の実線で示すように、より大きなヒステリシスを示すものであり、コイルばね117の自励振動に対抗するより大きな摺動抵抗を一対のOリング135,135により得ることができる。
【0074】
しかも両Oリング135,135間にはグリス136が充填されているので、長期作動によってもグリス136の流出を極力回避して各Oリング135,135の摩耗を抑えることができ、またばね室116内に外部から侵入した空気中に含まれるオイル成分が各Oリング135,135に付着したとしても、初期状態で前記グリス136を考慮して摺動抵抗が設定されているから、摺動抵抗の低下を招くことはない。さらに一対のOリング135,135により必要な摺動抵抗を得るようにしているので、適切な摺動抵抗を得るべく各Oリング135,135の永久歪みを考慮した圧縮率設定を行なっても各Oリング135,135の大径化を招くことはなく、Oリング135,135の配置上の自由度を増大することができる。
【0075】
またピストン123は、弁軸107の軸線方向に制限された範囲での移動を可能としてカバー91に摺動自在に嵌合されてダイヤフラム93の中央部に連結されるものであるので、ダイヤフラム93の撓み方向を弁孔104の軸線に一致させるような調芯機能をピストン123に持たせることができる。すなわち、ダイヤフラム93には、ばね力が比較的大きなコイルばね117により減圧室94の容積を縮少する方向のばね力が作用しているのであるが、コイルばね117に倒れが生じると、ダイヤフラム93の撓み方向すなわち弁軸107の軸線も倒れてしまい、弁体106の弁座105への着座が不完全なものとなって調圧不良を生じる可能性がある。しかるにピストン123がカバー91に摺動自在に嵌合されるものであることによって、弁軸107の軸線の倒れが生じることを防止し、調圧不良が生じることを防止することができる。
【0076】
しかもピストン123には、その内外間を連通せしめる連通孔129が設けられており、ダイヤフラム93およびピストン123の往復動に応じて、ダイヤフラム93の背面圧力が不所望に増減することが防止される。
【0077】
さらに、ばね室116側でダイヤフラム93の中央部に当接、固定される第2ダイヤフラムリテーナ120の外周の撓み規制部120aが、カバー91の内面に外周縁を近接、対向させてばね室116側に膨らんだ彎曲形状に形成されている。したがって、減圧室94に規定以上の圧力が作用したときでも、図8の鎖線で示すように第2ダイヤフラムリテーナ120からカバー91の内面へとダイヤフラム93を滑らかに彎曲させることが可能であり、第2ダイヤフラムリテーナ120の外縁でダイヤフラム93がばね室116側に屈曲してしまうことを防止し、その屈曲によるダイヤフラム93の寿命低下を防止してダイヤフラム93の耐久性を向上することができる。
【0078】
〔二次減圧弁38〕;図13を併せて参照して、二次減圧弁38の弁ハウジング140は、ボディ34の上部と、該ボディ34が上部に備えるフランジ部77の上面に複数のボルト142…で締結されるカバー141とで構成されるものであり、ボディ34の上面と、カバー141との間には、ダイヤフラム143の周縁部が挟持される。
【0079】
ボディ34の上面には、ダイヤフラム143との間に減圧室144を形成する凹部145が設けられており、ボディ34には、前記凹部145の閉塞端中央部で減圧室144側に上端を開口せしめるとともに下端を閉じた有底の取付け孔147が上下に延びるようにして設けられる。しかも取付け孔147の内端閉塞部には、減圧室144側に向けて隆起した隆起部146が設けられている。
【0080】
取付け孔147の減圧室144側の端部内面には雌ねじ150が刻設されており、円筒状である弁座部材148が該雌ねじ150に螺合され、弁座部材148の外面には、前記雌ねじ150よりも内方側で取付け孔147の内面に弾発的に接触する環状のシール部材149が装着される。
【0081】
しかも弁座部材148の減圧室144側の端面には、取付け孔147の軸線に直交する平面内で弁座部材148の半径方向に延びる複数たとえば4つの溝151…を相互間に形成する複数たとえば4つの突部152…が突設されており、それらの溝151…は十字状に配置される。而して弁座部材148の雌ねじ150への螺合時には、十字状に配置された溝151…に図示しない工具を係合して弁座部材148を回転操作することが可能であり、弁座部材148をボディ34に容易に取付けることができる。
【0082】
弁座部材148と、取付け孔147の下端閉塞部との間には弁室153が形成され、該弁室153には、一次減圧弁37からのCNGを導く複数の通路137,137…が連通される。また弁座部材148は、その減圧室144側の端部で半径方向内方に張出す内向き鍔148aを一体に備えるものであり、該内向き鍔148aの内周で減圧室144に通じる弁孔154が形成され、内向き鍔148aの内面には、前記弁孔154を中央部に開口させて弁室153に臨む環状の弁座155が弁室153側に突出するようにして形成される。
【0083】
隆起部146には、弁孔154側に開放した有底の摺動孔157が弁孔154と同軸に設けられており、弁体156が該摺動孔157に摺動自在に嵌合される。しかも該弁体156には、前記弁座155に着座可能な環状のゴムシール158が固着される。
【0084】
弁体156には、その軸方向両端間にわたるねじ孔159が同軸に設けられており、弁孔154と同軸である弁軸160の一端が該ねじ孔159に螺合される。すなわち弁体156は弁軸160の一端に固定される。
【0085】
弁体156と摺動孔157の閉塞端との間には背圧室161が形成されており、弁体156の外面には、摺動孔157の内面に弾発的に摺接する複数たとえば一対のOリング162,162が、弁体156の軸方向に間隔をあけて装着されており、両Oリング162,162間で弁体156の外面および摺動孔157の内面間にグリス(図示せず)が充填される。
【0086】
カバー141およびダイヤフラム143間にはばね室166が形成され、該ばね室166には、ダイヤフラム143を減圧室144側に付勢するコイルばね167が収納される。
【0087】
ダイヤフラム143の中央部には、挿通孔168が設けられるとともに該挿通孔168を囲繞する環状のシール部143aが設けられており、ダイヤフラム143の減圧室144側に臨む面には、前記シール部143aを囲むリング板状の第1ダイヤフラムリテーナ169が当接され、ダイヤフラム143の中央部のばね室166側に臨む面には、挿通孔171を中心部に有する第2ダイヤフラムリテーナ170が第1ダイヤフラムリテーナ169との間にダイヤフラム143を挟み込むようにして当接される。
【0088】
一方、ばね室166内でカバー141には、円筒状に形成されるピストン173が制限された範囲での軸方向摺動を可能として嵌合されており、このピストン173のダイヤフラム143側の端部には、前記挿通孔171に対応した挿通孔172を中心部に有して第2ダイヤフラムリテーナ170に当接するリング板状の当接板部173aが設けられる。
【0089】
弁体156が一端に固定された弁軸160は、弁孔154を同軸に貫通してばね室166側に延びるものであり、第1ダイヤフラムリテーナ169の内周縁部に係合する環状段部174ならびにシール部143aを第2ダイヤフラムリテーナ170との間に挟持する環状段部175が弁軸160に設けられる。挿通孔168,171,172を貫通してばね室166に突出する弁軸160の他端部にはねじ軸部160aが設けられ、第2ダイヤフラムリテーナ170との間にワッシャ176を介在させて前記ねじ軸部160aにナット177が螺合される。このナット177を締付けることにより、ダイヤフラム143の中央部を両ダイヤフラムリテーナ169,170で挟むとともに、ダイヤフラム143の中央部に弁軸160が連結されることになる。しかも弁軸160には、減圧室144を背圧室161に通じさせる連通路163が設けられる。
【0090】
第2ダイヤフラムリテーナ170は、ダイヤフラム143のばね室166側への撓みを規制する撓み規制部170aを外周側に一体に備える。この撓み規制部170aは、ばね室166側に膨らんだ彎曲形状に形成されるものであり、該撓み規制部170aの外周縁はカバー141の内面に近接、対向せしめられる。
【0091】
ところで、カバー141の外端閉塞部には、両端を開口せしめた支持筒部178が一体に設けられており、この支持筒部178の内端部内面に雌ねじ179が刻設される。而して支持筒部178内には、調節ねじ180が挿入されるものであり、この調節ねじ180が軸方向内端側に備える雄ねじ部180aが前記雌ねじ179に螺合してばね室166内に突入される。また調節ねじ180は、その軸方向外方側にも雄ねじ部180bを備えるものであり、該雄ねじ部180bはカバー141の外方に突出される。さらに調節ねじ180の軸方向中間部外面には環状のシール部材181が装着されており、このシール部材181は支持筒部178の内面に弾発的に接触する。
【0092】
ばね室166内において調節ねじ180の内端にはリテーナ182が当接、支持されており、このリテーナ182と、ダイヤフラム143の中央部に連結されているピストン173の当接板部173aとの間にコイルばね167が縮設される。したがって調節ねじ180の進退位置を調節することにより、コイルばね167のばね荷重を調節することができる。
【0093】
また調節ねじ180のカバー141からの突出部すなわち雄ねじ部180bには、カバー141との間にワッシャ183を介在せしめてナット184が螺合されており、このナット184を緩めることにより、調節ねじ180の進退位置を調節することができる。
【0094】
図14および図15を併せて参照して、調節ねじ180の外端部およびナット184は合成樹脂から成るキャップ185で覆われる。しかも前記ナット184は、調節ねじ180の軸線に平行にして周方向等間隔に配置される4つの平坦面184a…と、それらの平坦面184a…間を結ぶ4つの彎曲面184b…とで構成される外周面を有するように構成される。またキャップ185の内周面には、ナット184の外周面の軸方向中間部に対応する位置で環状の係合突部186が全周に亘って突設されており、前記4つの彎曲面184bには、その各彎曲面184bを横切るように延びて前記環状の係合突部186を係合させる4つの係合溝187…がそれぞれ設けられる。
【0095】
ところでピストン173は、ダイヤフラム143と一体に摺動するのであるが、このピストン173の外面の外面の軸方向に間隔をあけた複数箇所たとえば2箇所には、カバー141の内面に弾発的に摺接するOリング188,188が装着され、両Oリング188,188間でピストン173の外面およびカバー141の内面間にはグリス(図示せず)が充填される。しかもピストン173にその軸方向一側から両Oリング188,188を装着するようにしたときには、両Oリング188,188の一方がOリング溝により損傷する可能性があるが、ピストン173の軸方向両端外面には彎曲した面取り部173b,173cが設けられており、前記Oリング溝で損傷することを回避してOリング188,188をピストン173にその軸方向両端側からそれぞれ容易に装着することができる。またOリング188,188が装着されたピストン173をカバー141内に挿入する際にOリング188,188が損傷することを防止するために、カバー141においてピストン173を嵌合せしめる部分の内端にはテーパ状の面取り部141aが設けられている。
【0096】
而して前記Oリング188,188により、ばね室166内のピストン173およびダイヤフラム143間が密閉されてしまうことを回避するために、ピストン173に、その内外面間にわたる連通孔192が設けられる。
【0097】
またボディ34には、減圧室144に通じる通路189が設けられ、この通路189には、エンジンEのインジェクタ29に連なる管路30が接続される。さらにカバー141には接続管190が接続されており、この接続管190ならびに該接続管に接続される管路(図示せず)を介してばね室166内にはエンジンEの吸気負圧が導入される。
【0098】
このような二次減圧弁38において、弁室153にCNGが流入していない状態では、コイルばね167のばね力によりダイヤフラム143が減圧室144側に撓んでおり、弁体156は弁座155から離反して弁孔154を開口せしめている。而して弁室153に流入したCNGが弁孔154から減圧室144側に流入し、減圧室144およびばね室166間の差圧が、コイルばね167のばね力に抗してダイヤフラム143をばね室166側に撓ませる程度に増大すると、弁体156が弁座155に着座して弁孔154が閉鎖されることになり、そのような弁孔154の開放・閉鎖が繰り返されることにより、弁室153にたとえば6〜7kg/cm2 で流入したCNGが、たとえば2〜3kg/cm2 に減圧されて減圧室144から通路189および管路30を介してインジェクタ29に供給されることになる。
【0099】
またボディ34には、弁軸160の軸線と同軸にして減圧室144側に開口する有底の取付け孔147が設けられており、弁体156を収納せしめる弁室153を取付け孔147の閉塞端との間に形成する円筒状の弁座部材148が取付け孔147に螺合され、弁室153に臨む弁座155が弁座部材148の減圧室144側の端部内面に形成されている。したがって弁体を収納せしめるべくボディに設けられた収納孔の内端に弁座が形成されるとともに該収納孔の外端を密封するための蓋部材がボディに取付けられる構成のものと比べると、蓋部材等の部材が取付けられる必要がなく、部品点数の低減、ならびにボディ34への二次減圧弁38の配置上の自由度を増大することができる。しかも弁座155が弁座部材148の減圧室144側の端部内面に形成されていることにより、弁体156を減圧室144側に極力近接させて配置することができ、ボディ34の小型化にも寄与することができる。
【0100】
弁座部材148は取付け孔147に螺合されるのであるが、弁座部材148の減圧室144側の端面に、弁軸160の軸線に直交する平面内で弁軸160の半径方向に延びる複数の溝151…を相互間に形成する複数の突部152…が突設されているので、各突部152…間の溝151…に工具を係合せしめて弁座部材148を回転操作することが可能であり、弁座部材148のボディ34への取付けが容易となる。しかもダイヤフラム143の減圧室144側への撓みは各突部152…に当接することにより規制されるのであるが、ダイヤフラム143が各突部152…に当接している状態でも、各溝151…を介して弁孔154および減圧室144間を連通することができる。
【0101】
さらにダイヤフラム143の撓みに応じて弁軸160の軸線方向に往復動する弁体156の外面にボディ34に弾発的に摺接する複数たとえば一対のOリング162,162が装着され、ダイヤフラム143の撓みに応じて弁軸160の軸線方向に往復動するピストン173の外面に、カバー141の内面に弾発的に摺接する複数たとえば一対のOリング188,188が装着されているので、コイルばね167の自励振動に対抗する高い摺動抵抗を得ることができる。
【0102】
しかもOリング162,162間、ならびにOリング188,188間にはグリスが充填されているので、長期作動によってもグリスの流出を極力回避して各Oリング162,162;188,188の摩耗を抑えることができ、またCNGに含まれるオイル成分がOリング162,162に付着したり、ばね室166内に導入される吸気中に含まれるオイル成分がOリング188,188に付着したとしても、初期状態で前記グリスを考慮して摺動抵抗が設定されているから、摺動抵抗の低下を招くことはない。さらに一対のOリング162,162;188,188により必要な摺動抵抗を得るようにしているので、適切な摺動抵抗を得るべく各Oリング162,188の永久歪みを考慮した圧縮率設定を行なっても各Oリング162,188の大径化を招くことはなく、Oリング162,162;188,188の配置上の自由度を増大することができる。
【0103】
またピストン173は、弁軸160の軸線方向に制限された範囲での移動を可能としてカバー141に摺動自在に嵌合されてダイヤフラム143の中央部に連結されるものであるので、ダイヤフラム143の撓み方向を弁孔154の軸線に一致させるような調芯機能をピストン173に持たせることができる。すなわち、ダイヤフラム143には、ばね力が比較的大きなコイルばね167により減圧室144の容積を縮少する方向のばね力が作用しているのであるが、コイルばね167に倒れが生じると、ダイヤフラム143の撓み方向すなわち弁軸160の軸線も倒れてしまい、弁体156の弁座155への着座が不完全なものとなって調圧不良を生じる可能性がある。しかるにピストン173がカバー141に摺動自在に嵌合されるものであることによって、弁軸160の軸線の倒れが生じることを防止し、調圧不良が生じることを防止することができる。
【0104】
しかもピストン173には、その内外間を連通せしめる連通孔192が設けられており、ダイヤフラム143およびピストン173の往復動に応じて、ダイヤフラム143の背面圧力が不所望に増減することが防止される。
【0105】
さらに、ばね室166側でダイヤフラム143の中央部に当接、固定される第2ダイヤフラムリテーナ170が外周部に備える撓み規制部170aが、カバー141の内面に外周縁を近接、対向させてばね室166側に膨らんだ彎曲形状に形成されている。したがって、減圧室144に規定以上の圧力が作用したときでも、図13の鎖線で示すように第2ダイヤフラムリテーナ170からカバー141の内面へとダイヤフラム143を滑らかに彎曲させることが可能であり、第2ダイヤフラムリテーナ170の外縁でダイヤフラム143がばね室166側に屈曲してしまうことを防止し、その屈曲によるダイヤフラム143の寿命低下を防止してダイヤフラム143の耐久性を向上することができる。
【0106】
また調節ねじ180の進退位置を固定すべく該調節ねじ180の外端部に螺合されるナット184が、調節ねじ180の軸線に平行にして周方向等間隔に配置される4つの平坦面184a…と、それらの平坦面184a…間を結ぶ4つの彎曲面184b…とで構成される外周面を有するものであり、キャップ185の内面に突設される環状の係合突部186を係合させる係合溝187…が各彎曲面184b…にそれぞれ設けられている。すなわちキャップ185がナット184に装着されるのでキャップ185の小型化が可能であり、しかもナット184が4面取りの外周面を有するものであるのでナット184の加工工数を低減することができる。しかも各彎曲面184b…に係合溝187…がそれぞれ設けられるので各係合溝187…を比較的長く形成してキャップ185の係合突部186の各係合溝187…へのかかり量を比較的大とし、キャップ185が簡単には外れないようにすることができる。
【0107】
〔リリーフ弁39〕;図4に特に注目して、リリーフ弁39は、一次減圧弁37および二次減圧弁38間を結ぶ複数の通路137,137…の1つに接続されるようにしてボディ34の側部に取付けられるものであり、通路137に通じる弁孔195を先端に有してボディ34に固着される弁ハウジング196内に、前記弁孔195を塞ぎ得るゴムシール197を前端に有する弁体198と、前記ゴムシール197で弁孔195を塞ぐ方向に弁体198をばね付勢するばね199とが収納されており、弁ハウジング196および弁体198は、弁孔195の開放時には通路137からのCNGを外部に開放し得るように形成される。
【0108】
このリリーフ弁39によれば、ばね199で定まる開弁圧たとえば16.5kg/cm2 を超えて通路137の圧力が上昇したときに、開弁してCNGを大気に放出する。
【0109】
〔サーモスタット40〕;図5に特に注目して、ボディ34には、該ボディ34に配設されるフィルタ35、電磁遮断弁36、一次減圧弁37、二次減圧弁38およびリリーフ弁39の配置に邪魔にならないようにして温水通路33が設けられており、該温水通路33の入口に通じる接続管201がボディ34に取付けられ、サーモスタット40は、温水通路33の出口側でボディ34に取付けられる。
【0110】
このサーモスタット40は、従来周知の構成を有するものであり、ボディ34に固着されるハウジング202の外端に設けられる弁孔203を開閉可能な弁体204を、ワックス205の水温による膨張程度に応じて作動せしめるように構成される。而して水温が、たとえば80度を超えたときに、前記ワックス205により弁体204が弁孔203を閉じるように閉弁駆動され、それによりボディ34の温度が80度を超えて上昇しないように調節される。
【0111】
ところで、ボディ34に、フィルタ35、電磁遮断弁36、一次減圧弁37、二次減圧弁38、リリーフ弁39およびサーモスタット40が配設されて成るレギュレータRにおいて、ボディ34の下部および上部に一次減圧弁37および二次減圧弁38が、それらの弁体96,156を同軸上に配置して取付けられ、ボディ34の側部にフィルタ35、電磁遮断弁36、リリーフ弁39およびサーモスタット40が配設されているので、レギュレータRを極力コンパクトに構成することが可能である。しかも電磁遮断弁36およびリリーフ弁39は、二次減圧弁38のカバー141を締結すべくボディ34に設けられているフランジ部77の下方に生じるスペースに配置されており、レギュレータRの小型化により一層寄与することができる。
【0112】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0113】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、キャップがナットにのみ装着されるので、キャップの小型化が可能である。しかもナットが4面取りの外周面を有するものであるので、ナットの加工工数を低減することができ、その上、ナットの4つの平坦面間を結ぶ4つの彎曲面に係合溝が、その各彎曲面を横切るようにそれぞれ設けられるので、各係合溝を比較的長く形成してキャップの係合突部の各係合溝へのかかり量を比較的大とし、キャップが簡単には外れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の燃料供給装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】レギュレータの側面図である。
【図3】レギュレータの平面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】電磁遮断弁の拡大縦断面図である。
【図7】電磁遮断弁における吸引特性を示す図である。
【図8】一次減圧弁の拡大縦断面図である。
【図9】図8の9−9線拡大断面図である。
【図10】図8の要部拡大図である。
【図11】一次減圧弁の環境温度に応じた減圧特性を示す図である。
【図12】ピストンに装着されるOリングの個数によるヒステリシス特性を示す図である。
【図13】二次減圧弁の拡大縦断面図である。
【図14】図13の14−14線断面図である。
【図15】図14の15−15線に沿ってキャップのみを切断した縦断側面図である。
【図16】従来例の図15に対応した縦断側面図である。
【図17】他の従来例の図15に対応した縦断側面図である。
【符号の説明】
34・・・ボディ
38・・・減圧弁
141・・・カバー
143・・・ダイヤフラム
144・・・減圧室
154・・・弁孔
155・・・弁座
156・・・弁体
166・・・ばね室
167・・・コイルばね
180・・・調節ねじ
184・・・ナット
184a・・・平坦面
184b・・・彎曲面
185・・・キャップ
186・・・係合突部
187・・・係合溝
Claims (1)
- ボディ(34)と、該ボディ(34)に締結されるカバー(141)との間にダイヤフラム(143)の周縁部が挟持され、該ダイヤフラム(143)および前記ボディ(34)間に形成される減圧室(144)に通じる弁孔(154)を中央部に開口させた弁座(155)に着座可能な弁体(156)がダイヤフラム(143)の中央部に連結され、前記カバー(141)およびダイヤフラム(143)間に形成されるばね室(166)に、前記減圧室(144)の容積を縮少する方向にダイヤフラム(143)を付勢するコイルばね(167)が収納され、軸方向の進退位置に応じて前記コイルばね(167)のばね荷重を調節すべく外端部をカバー(141)の外方に突出せしめる調節ねじ(180)が前記カバー(141)に進退自在に螺合され、該調節ねじ(180)の進退位置を固定すべく該調節ねじ(180)の外端部にナット(184)が螺合され、前記調節ねじ(180)の外端部およびナット(184)が合成樹脂から成る円筒状のキャップ(185)で覆われるガス用減圧弁において、
前記ナット(184)の外周面が、調節ねじ(180)の軸線に平行にして周方向等間隔に配置される4つの平坦面(184a)と、それらの平坦面(184a)間を結ぶ4つの彎曲面(184b)とで構成され、
前記キャップ(185)の内周面には、前記ナット(184)の外周面の軸方向中間部に対応する位置で環状の係合突部(186)が全周に亘って突設され、
前記4つの彎曲面(184b)には、その各彎曲面(184b)を横切るように延びて前記環状の係合突部(186)を係合させる4つの係合溝(187)がそれぞれ設けられることを特徴とするガス用減圧弁。
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