しかしながら、上記特許文献にあっては、画像処理後に得られる画像のジャギーの低減効果、あるいは、画像の粒状性と解像性とを両立させた画質の向上効果が未だ不十分であるという問題があった。
また、上記特許文献にあっては、出力画像の画質向上処理を行う場合の処理効率が良好でないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、入力画像のジャギーを十分に低減させると共に、画像の粒状性と解像性とを高次元で両立させることにより、十分に高画質な出力画像を高効率で得ることが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる画像処理装置は、入力された低解像度N値で表される第一の画像を高解像度M(M<N)値で表される第二の画像に変換して出力する解像度値変換手段と、前記第一の画像を同じ解像度のL値(L<N、かつ、L>M)で表される第三の画像に変換して出力する量子化手段と、前記第三の画像に対して注目画素周辺の形状を認識して形状情報を出力する形状認識手段と、前記形状認識手段から出力された形状情報に基づいて注目画素の画素値を変換することで、前記第三の画像から第四の画像を生成して出力する画素値変換手段と、前記第四の画像の注目画素を構成する複数のドットのうち、前記第四の画像の注目画素の画素値と前記第四の画像の注目画素に対応する前記第三の画像に対応する形状情報とに基づいて定められるドットを出力することで、前記第四の画像を前記第二の画像に変換して出力するマッピング手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記第一の画像の注目画素のエッジ情報を算出するエッジ情報算出手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記第三の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報が所定の状態を示す場合に、前記第三の画像の注目画素の画素値を変換せずに前記第四の画像を生成することを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記第三の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報がエッジであることを示す場合以外は、前記第三の画像の注目画素の画素値を変換せずに前記第四の画像を生成することを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明は、請求項2〜4のいずれか一つに記載の画像処理装置において、前記量子化手段は、誤差補償型の中間調処理を行うことを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の画像処理装置において、前記量子化手段は、注目画素の画素位置により異ならない閾値と、注目画素の画素位置に基づく閾値のうち少なくとも一方を用いた誤差補償型の中間調処理を行うことを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明は、請求項5または6に記載の画像処理装置において、前記量子化手段は、前記第一の画像の注目画素のエッジ情報に基づいて選択される閾値を用いて誤差補償型の中間調処理を行うことを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、前記量子化手段は、前記第一の画像の注目画素のエッジ情報がエッジである場合は、注目画素の画素位置により異ならない閾値を用い、前記第一の画像の注目画素のエッジ情報がエッジでない場合は、注目画素の画素位置に基づく閾値を用いることを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明は、請求項2〜8のいずれか一つに記載の画像処理装置において、前記マッピング手段は、前記第四の画像の注目画素を構成する複数のドットのうち、前記第四の画像の注目画素の画素値と前記第四の画像の注目画素に対応する前記第三の画像に対応する形状情報と前記第四の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報とに基づいて定められるドットを出力することで、前記第四の画像を前記第二の画像に変換して出力することを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明は、請求項2〜8のいずれか一つに記載の画像処理装置において、前記マッピング手段は、前記第四の画像の注目画素を構成する複数のドットのうち、前記第四の画像の注目画素の画素値と前記第四の画像の注目画素に対応する前記第三の画像に対応する形状情報と前記第四の画像の注目画素に対応する前記第一の画像のエッジ情報と前記第四の画像の注目画素周辺の形状とに基づいて定められるドットを出力することで、前記第四の画像を前記第二の画像に変換して出力することを特徴とする。
また、請求項11にかかる発明は、請求項9または10に記載の画像処理装置において、前記マッピング手段は、前記第四の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報がエッジでないことを示す場合は、前記第四の画像の注目画素に対応する前記第三の画像に対応する形状情報を用いることなく前記第四の画像を第二の画像に変換して出力することを特徴とする。
また、請求項12にかかる発明は、請求項9または10に記載の画像処理装置において、前記マッピング手段は、前記量子化手段が注目画素の画素位置に基づく閾値を用いる場合は、前記第四の画像の注目画素に対応する前記第三の画像に対応する形状情報を用いることなく前記第四の画像を前記第二の画像に変換して出力することを特徴とする。
また、請求項13にかかる発明は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の画像処理装置において、前記形状認識手段は、あらかじめメモリに格納されているテンプレートと、注目画素周辺の画像とを比較することを特徴とする。
また、請求項14にかかる発明は、請求項1〜13のいずれか一つに記載の画像処理装置において、前記第三の画像の解像度をa[dpi]、前記第二の画像の解像度をb[dpi]としたとき、a×a×(L-1)=b×b×(M-1)の関係を満たすことを特徴とする。
また、請求項15にかかる発明は、請求項1〜14のいずれか一つに記載の画像処理装置において、前記第二の画像は2値、前記第三の画像は5値、前記第四の画像は5値で表され、前記第四の画像の解像度は前記第二の画像の解像度の2倍であることを特徴とする。
また、請求項16にかかる発明は、請求項1〜14のいずれか一つに記載の画像処理装置において、前記第二の画像は4値、前記第三の画像は13値、前記第四の画像は13値で表され、前記第四の画像の解像度は前記第二の画像の解像度の2倍であることを特徴とする。
請求項1にかかる画像処理装置は、入力された低解像度N値で表される第一の画像を解像度値変換手段により高解像度M(M<N)値で表される第二の画像に変換して出力し、量子化手段によって第一の画像を同じ解像度のL値(L<N、かつ、L>M)で表される第三の画像に変換して出力し、形状認識手段により第三の画像に対して注目画素周辺の形状を認識して形状情報を出力し、その形状認識手段から出力された形状情報に基づいて画素値変換手段が注目画素の画素値を変換することで第三の画像から第四の画像を生成し、マッピング手段により記第四の画像の注目画素を構成する複数のドットのうち、第四の画像の注目画素の画素値と第四の画像の注目画素に対応する第三の画像に対応する形状情報とに基づいて定められるドットを出力することで、第四の画像を第二の画像に変換して出力する。これにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項2にかかる画像処理装置は、第一の画像の注目画素のエッジ情報を算出するエッジ情報算出手段をさらに備えたことにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項3にかかる画像処理装置は、第三の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報が所定の状態を示す場合に、第三の画像の注目画素の画素値を変換せずに第四の画像を生成することにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項4にかかる画像処理装置は、第三の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報がエッジであることを示す場合以外は、第三の画像の注目画素の画素値を変換せずに第四の画像を生成することにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項5にかかる画像処理装置は、量子化手段において、誤差補償型の中間調処理を行うことにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項6にかかる画像処理装置は、量子化手段において、注目画素の画素位置により異ならない閾値と、注目画素の画素位置に基づく閾値のうち少なくとも一方を用いた誤差補償型の中間調処理を行うことにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項7にかかる画像処理装置は、量子化手段において、第一の画像の注目画素のエッジ情報に基づいて選択される閾値を用いて誤差補償型の中間調処理を行うことにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項8にかかる画像処理装置は、量子化手段において、第一の画像の注目画素のエッジ情報がエッジである場合は、注目画素の画素位置により異ならない閾値を用い、第一の画像の注目画素のエッジ情報がエッジでない場合は、注目画素の画素位置に基づく閾値を用いることにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項9にかかる画像処理装置は、マッピング手段において、第四の画像の注目画素を構成する複数のドットのうち、第四の画像の注目画素の画素値と第四の画像の注目画素に対応する第三の画像に対応する形状情報と第四の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報とに基づいて定められるドットを出力することで、第四の画像を前記第二の画像に変換して出力することにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項10にかかる画像処理装置は、マッピング手段において、第四の画像の注目画素を構成する複数のドットのうち、第四の画像の注目画素の画素値と第四の画像の注目画素に対応する第三の画像に対応する形状情報と第四の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報と第四の画像の注目画素周辺の形状とに基づいて定められるドットを出力することで、第四の画像を第二の画像に変換して出力することにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項11にかかる画像処理装置は、マッピング手段において、第四の画像の注目画素に対応する第一の画像のエッジ情報がエッジでないことを示す場合は、第四の画像の注目画素に対応する第三の画像に対応する形状情報を用いることなく第四の画像を第二の画像に変換して出力することにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項12にかかる画像処理装置は、マッピング手段において、量子化手段が注目画素の画素位置に基づく閾値を用いる場合は、第四の画像の注目画素に対応する第三の画像に対応する形状情報を用いることなく第四の画像を第二の画像に変換して出力することにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項13にかかる画像処理装置は、形状認識手段において、あらかじめメモリに格納されているテンプレートと、注目画素周辺の画像とを比較することにより、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像が得られるという効果を奏する。
請求項14にかかる画像処理装置は、第三の画像の解像度をa[dpi]、第二の画像の解像度をb[dpi]としたとき、a×a×(L-1)=b×b×(M-1)の関係を満たすことにより、第三の画像から第二の画像に情報の過不足無く変換することが可能となり、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像を高効率で得られるという効果を奏する。
請求項15にかかる画像処理装置は、第二の画像は2値、第三の画像は5値、第四の画像は5値で表され、前記第四の画像の解像度は前記第二の解像度の2倍とすることにより、第四の画像から第二の画像に情報の過不足無く変換することが可能となり、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像を高効率で得られるという効果を奏する。
請求項16にかかる画像処理装置は、第二の画像は4値、第三の画像は13値、第四の画像は13値で表され、前記第四の画像の解像度は前記第二の解像度の2倍とすることにより、第四の画像から第二の画像に情報の過不足無く変換することが可能となり、画像の特徴に応じた処理を行って出力画像の粒状性と解像性とを両立させると共に、エッジ部分の段差をなだらかにして、ジャギーが十分に低減された高画質の画像を高効率で得られるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる画像処理装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に述べる実施の形態では、画素値は0以上255以下の整数値を取り、0は最も濃度が低く、255は最も濃度が高いものとして説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、画像処理装置10は、入力画像データに対して複数レベルのエッジレベルを算出するエッジ情報算出手段としてのエッジレベル算出部11、γ補正部12、加算器13、量子化手段としての量子化部14、減算器15、誤差演算部16、形状認識手段としての形状認識部17、テンプレートなどを記憶するROM18、マッピング手段としてのドット出力位置制御部19などを備えている。
上記エッジレベル算出部11で算出されるエッジレベルは、ここではエッジレベル0または1の2段階とし、エッジレベル1の方が画像のエッジ度合いが高いものとする。
図2は、4方向のエッジ量を算出するためのエッジ算出フィルタ例を示す図であり、図2−1は、縦方向のエッジ算出フィルタ、図2−2は、横方向のエッジ算出フィルタ、図2−3および図2−4は、斜め方向のエッジ算出フィルタである。また、図3は、図1のエッジレベル算出部における処理フローチャートである。
図2および図3に示すように、エッジレベルの算出処理手順は、まず、注目画素位置を各エッジ算出フィルタの中心に置いて、入力画像のエッジ算出フィルタとの積和演算により求まる値の絶対値をとり、そのうちの最大値を注目画素のエッジ量とする(ステップS1)。
そして、この算出されたエッジ量とあらかじめ設定された閾値との大小関係に基づいて(ステップS2)、エッジレベルを算出する。ここでは、閾値を32とし、エッジ量が32以上であればエッジレベルを1とし(ステップS3)、それ以外の場合はエッジレベルを0とする(ステップS4)。
なお、図2−1〜図2−4に示したエッジ算出フィルタは一例であって、必ずしもこれに限定されず、他の構成のエッジ算出フィルタを用いても勿論良い。
また、図1のγ補正部12は、入力画像データに対してγ補正処理、すなわち、濃度補正処理を行うものである。なお、図1には図示していないが、上記したエッジレベル算出部11により算出されたエッジレベルに応じて濃度補正処理で用いるパラメータを切り替えるように構成するようにしても勿論良い。
図1のγ補正部12に続く加算器13、量子化部14、減算器15、誤差演算部16では、γ補正部12から入力された画像データに対して誤差拡散処理を行ない、0,63,127,191,255の5値のいずれかに量子化する。
この誤差拡散処理の構成部は、入力された画像データと、後述する量子化済み画素の量子化誤差とに重みをつけた値とを加算するための加算器13、加算器13の出力データを4つの量子化閾値Thr1,Thr2,Thr3,Thr4(本実施の形態では、Thr1=32、Thr2=96、Thr3=160、Thr4=224とする)によって5値量子化するための量子化部14、この量子化部14の入力と出力から量子化誤差を算出するための減算器15、この減算器15により算出された量子化誤差から図示しない所定の誤差マトリクスに従って未量子化画素に加算される誤差値を算出して加算器13に与える誤差演算部16からなる。
量子化部14の入力値と出力値との関係は、入力値<32のときは出力値=0、32≦入力値<96のときは出力値=63、96≦入力値<160のときは出力値=127、160≦入力値<224のときは出力値=191、224≦入力値のときは出力値=255である。なお、本実施の形態では、Thr1〜Thr4の値をほぼ等間隔に設定した例を示したが、特にこれに限定する趣旨ではなく、不均等に設定しても勿論良い。また、例えば入力画素値によって閾値を変化させるように構成しても良い。さらに、本実施の形態では、量子化に誤差拡散処理を採用しているが、特にこれに限定する趣旨ではなく、量子化誤差のフィードバックを行わない単純5値化であっても良い。
図4−1および図4−2は、形状認識部で入力画像データの形状認識に用いるテンプレート例を示す図である。図1の形状認識部17は、上記量子化部14から入力された画像データに対してパターン認識による形状認識を行う。このパターン認識では、図4−1および図4−2に示すようなテンプレートをROM18に記憶させておき、処理を行う注目画素の周辺データとテンプレートとを比較し、両者の一致を検出することにより、画像が特定の形状であるか否かを判断するものである。
具体的には、注目画素の周辺データとあるテンプレートとの一致が検出された場合、一致したテンプレート情報を出力する。また、一致が検出されなかった場合は、他のテンプレートと注目画素の周辺データとを順に比較していって、一致するテンプレートが存在しなかった場合は、一致するテンプレートがないことを示すテンプレート情報を出力する。ここで、上記エッジレベル算出部11により算出されたエッジレベルが0であった場合は、形状の認識処理を行わないか、あるいは認識結果に寄らずに一致するテンプレートがないことを示すテンプレート情報を出力する。このように処理することにより、ジャギー低減処理がエッジでない領域で行われるのを未然に防止し、逆に画質を劣化させることになる副作用を抑制することができる。
図5は、600dpi画素での注目画素に対応する1200dpiの2x2画素の注目画素を示す図であり、図6は、テンプレート情報に対応付けて記憶されている出力ドット配置の例を示す図であり、図7は、ドット出力位置制御部の動作を説明するフローチャートである。また、図8−1〜図8−4は、注目画素周辺データの濃度分布パターン例を示す図であり、図9は、ジャギーの発生しやすい水平線に近い斜め入力画像例を示す図であり、図10は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置による出力画像例を示す図であり、図11は、図9の入力画像をテンプレート情報を用いずに画像処理した出力画像例を示す図である。
図1のドット出力位置制御部19は、上記量子化部14から入力される画素値と、形状認識部17から入力されるテンプレート情報と、エッジレベル算出部11から入力されるエッジレベルとを用いて、高解像度の画素のドット配置を行うものである。
ドット出力位置制御部19の動作は、図7に示すように、形状認識部17で一致したテンプレートが存在するか否かを判定する(ステップS11)。一致したテンプレート情報が有る場合は、予めROM18等に記憶されているテンプレート情報に対応した出力ドット配置(図6参照)を読み出す(ステップS12)。この出力ドット配置は、図5に示すように、600dpi画素での注目画素に対応する1200dpiの2x2画素の注目画素の左上画素を「A」、右上画素を「B」、左下画素を「C」、右下画素を「D」とし、画素値255を出力する画素を示しており、それ以外の画素は画素値0を出力することを示している。例えば、形状認識部17から入力したテンプレート情報が図6の「Template No.1」であった場合は、これに対応する出力ドット配置はA,B,Cであるため、図5の左上画素、右上画素、左下画素に画素値255を出力し、右下画素に画素値0を出力する。
また、ステップS11において、形状認識部17で一致したテンプレートがない場合は、量子化部14からの画素値に基づいて、対応する1200dpiの2x2画素(図5参照)内におけるドット数Vを決定する(ステップS13)。すなわち、600dpiの多値画像データ上の各画素に対応する1200dpiの2x2画素(図5参照)内におけるドット数(画素値255を出力する画素の個数)Vを決定する。具体的には、量子化部14からの画素値が0のときに0を、63のときに1を、127のときに2を、191のときに3を、255のときに4を、それぞれドット数Vとして決定する。
続くステップS14では、注目画素に対応するエッジレベルに応じて、エッジレベルが1である場合、図8−1〜図8−4に示す注目画素周辺データの濃度分布に基づいてドット発生順序を決定する。また、ステップS14でエッジレベルが0である場合は、一定の順序、例えばA,B,C,Dの順で配置することで出力ドット配置を決定する。
例えば、エッジレベルが1の場合は、図8−1〜図8−4に示すような注目画素周辺の左上、右上、左下、右下の4箇所の領域についてそれぞれ領域内の3画素を加算する(ステップS15)。そして、それぞれの加算結果を比較し、大きい順に並べる(ステップS16)。さらに、これら左上、右上、左下、右下の4箇所の領域についての比較結果を図5の1200dpi画素内での左上(A)、右上(B)、左下(C)、右下(D)画素における比較結果とみなす。すなわち、図8−1のハッチングで示した対象領域は、1200dpi2x2画素の図5の左上画素A、図8−2のハッチングで示した対象領域は、図5の右上画素B、図8−3のハッチングで示した対象領域は、図5の左下画素C、図8−4のハッチングで示した対象領域は、図5の右下画素Dに置き換え、大きい順に並べたA,B,C,Dをそのままドット発生順序とする(ステップS17)。例えば、加算の結果、図8−3>図8−1>図8−4>図8−2の順であればドット発生順序はC,A,D,Bとなり、図5の左下画素、左上画素、右下画素、右上画素の順序ということになる。
なお、上記第1の実施の形態では、エッジレベルは0か1の2段階を取るものであったが、本発明の適用範囲としてはこれに限定されず、エッジレベルが3つ以上の段階数を取るものであっても良い。
また、量子化部14、形状認識部17、ドット出力位置制御部19で用いるエッジレベルの段階数がそれぞれ異なっていたり、エッジレベルの算出方法がそれぞれ異なっていたりしても良い。
このように、第1の実施の形態によれば、例えば入力画像が図9のようにジャギーの発生しやすい水平線に近い斜め画像であった場合でも、図10に示すようにジャギーの少ない画像に変換処理することができる。
また、上記のような形状認識部を持たず、テンプレート情報を用いない構成であっても良い。この場合、量子化部14により5値化処理を行った後の画像の画素値が中間的な値(0もしくは255以外の画素値)が現れるときは、図7のステップS14〜S17に示す処理により、周囲の画素形状に基づいて高解像度画像を形成することになる。このため、鮮鋭性の高い画像を得ることができる。しかし、図9に示すように、画素値が0もしくは225のみで表現されている画像に対しては、ジャギーの低減効果は得られない。すなわち、この場合得られる画像は図11に示すように図9と同じくジャギーの多い画像となる。
(第2の実施の形態)
図12は、第2の実施の形態にかかる画像処理装置の構成例を示すブロック図であり、図13は、テンプレート情報に対応付けて記憶されている出力ドット配置の例を示す図であり、図14は、図13のテンプレート情報が「Template No.1」であった場合の出力ドット配置例を示す図であり、図15は、形状認識部で一致したテンプレートがない場合に量子化部からの入力画素値に基づいて出力ドット配置を決定する対応表を示す図であり、図16は、第2の実施の形態にかかる画像処理装置による出力画像例を示す図である。
本実施の形態において、上記第1の実施の形態と異なるのは、図12に示すドット出力位置制御部29による1200dpi画素の出力を0、85、170、255の4値のうちのいずれかとする(図1では、ドット出力位置制御部19による1200dpi画素の出力を2値とする)点と、量子化部14が出力する600dpi画素の出力を0、21、42、63、85、106、127、148、170、191、213、233、255の13値のうちのいずれかとする(図1では、量子化部14による600dpi画素の出力を5値とする)点である。
すなわち、図12の加算器23、量子化部24、減算器25、誤差演算部26では、γ補正部22から入力された画像データに対して誤差拡散処理を行ない、前述した13値のいずれかに量子化する。具体的には、量子化閾値を12個用意して比較処理を行うことにより、前述した5値への量子化と同様の方法で13値に量子化することができる。
第2の実施の形態の動作を第1の実施の形態の図7を用いて説明する。図7に示すように、図12の形状認識部27で一致したテンプレートが存在した場合(ステップS11)、ドット出力位置制御部29は、予めROM28等に記憶されているテンプレート情報に対応した出力ドット配置を読み出す(ステップS12)。
図13に示すように、テンプレート情報に対応付けて記憶されている出力ドット配置は、図5に示す1200dpi2x2画素の左上画素を「A」、右上画素を「B」、左下画素を「C」、右下画素を「D」として、各画素位置の出力画素値が示されている。例えば、形状認識部27からドット出力位置制御部29に入力されたテンプレート情報が「Template No.1」であった場合、図14に示すように図5の左上画素値「A」は255、右上画素値「B」は255、左下画素値「C」は170、右下画素値「D」は85として出力する。
一方、形状認識部27において一致したテンプレートが存在しなかった場合は、図15に示す対応表を用いて量子化部24から入力された入力画素値に基づいて、対応する1200dpiの2x2画素(図5参照)内の出力ドット配置を決定する。例えば、量子化部24から入力された画素値が148である場合、左上画素値「A」は255、右上画素値「B」は255、左下画素値「C」は85、右下画素値「D」は0として出力する。
なお、形状認識部27において一致したテンプレートが存在しなかった場合に、注目画素周辺データの濃度分布に基づいて出力ドット配置を決定したり、あるいは、エッジレベルに応じて出力ドット配置を決定する方法を切り替えるようにしてもよい。
このように、第2の実施の形態によれば、上記構成を採用することにより、図16に示すような出力画像を得ることができ、ドット出力位置制御部29の出力画像が多値であることから、よりジャギーの少ない画像を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図17は、第3の実施の形態にかかる画像処理装置の構成例を示すブロック図であり、図18−1〜図18−4は、ディザ閾値選択部で選択される600dpiで3x3のディザ閾値マトリクスを示す図であり、図19は、1200dpiで6x6のディザ閾値マトリクスを示す図であり、図20は、第3の実施の形態にかかる画像処理装置の動作を説明するフローチャートであり、図21−1および図21−2は、エッジレベルが0である場合の処理対象画素のディザ閾値マトリクス上の出力ドット配置例を示す図である。
図17に示すように、第3の実施の形態の特徴的な構成は、ディザ閾値選択部40とディザ閾値マトリクスを記憶するROM38bを新たに具備した点にある。
このディザ閾値選択部40は、エッジレベル算出部31から出力されるエッジレベルが0の場合に、図18−1〜図18−4に示す4つのディザ閾値マトリクスを選択し、各マトリクスの注目画素位置に対応する位置の値を閾値(thr1〜thr4)とする。また、エッジレベルが1の場合には、thr1〜thr4は画素位置によらずに固定の閾値とし、例えば上記第1の実施の形態で用いたものと同様の閾値(Thr1=32、Thr2=96、Thr3=160、Thr4=224)とする。
そして、量子化部34では、γ補正部32からの出力データに対し、ディザ閾値選択部40において決定された閾値を用いて、600dpi多値誤差拡散処理を行ない、5値に量子化する。この誤差拡散処理は、用いる量子化閾値以外は、上記第1の実施の形態と同様であって、多値画像データに処理済み画素の量子化誤差を加算するための加算器33、加算器33の出力データを4つの量子化閾値Thr1,Thr2,Thr3,Thr4(Thr1<Thr2<Thr3<Thr4)によって5値量子化するための量子化部34、この量子化部34の入力と出力から量子化誤差を算出するための減算器35、この減算器35により算出された量子化誤差から図示しない所定の誤差マトリクスに従って未量子化画素に加算される誤差値を算出して加算器33に与える誤差演算部36からなる。
量子化部34の入力値と出力値との関係は、入力値<Thr1のときは出力値=0、Thr1≦入力値<Thr2のときは出力値=64、Thr2≦入力値<Thr3のときは出力値=128、Thr3≦入力値<Thr4のときは出力値=192、Thr4≦入力値のときは出力値=255となる。
続いて、図19に示す6x6(600dpiで3x3に相当)のディザ閾値マトリクスは、1200dpiにおいて200線の網点を形成するドット集中型のものである。図19において、実線の格子内にある4つの閾値が600dpiの1画素に対応している。そして、この図19に示すディザ閾値マトリクス内の閾値を個々の量子化閾値ごとに600dpiの画素位置に並べ直したものが図16の3x3のディザ閾値マトリクスである。
また、図18−1は、量子化閾値Thr1に対応し、図18−2は、量子化閾値Thr2に対応し、図18−3は、量子化閾値Thr3に対応し、図18−4は、量子化閾値Thr4に対応している。
ディザ閾値選択部40は、注目画素位置に対応した、図18−1〜図18−4のディザ閾値マトリクスの600dpiの1画素に対応する4つの閾値を、その画素に対応した量子化閾値として出力する。例えば、左上の画素位置では、その位置に対応する図18−1から80が量子化閾値Thr1に対応し、図18−2から107が量子化閾値Thr2に対応し、図18−3から110が量子化閾値Thr3に対応し、図18−4から113が量子化閾値Thr4に対応している。
次に、第3の実施の形態にかかるドット出力位置制御部の動作を図20を用いて説明する。図17のドット出力位置制御部39は、量子化部34から入力される画素値と、形状認識部37から入力されるテンプレート情報と、エッジレベル算出部31から入力されるエッジレベルとを用いて、高解像度の画素のドット配置を行う。
まず、形状認識部37で一致したテンプレートが存在するか否かを判定する(ステップS21)。その結果、一致したテンプレートがある場合とない場合とで異なる方法を用いて、600dpi画素での注目画素に対応する1200dpiの2x2画素(図5参照)でのドット出力配置を決定する。
ステップS21において、一致したテンプレート情報が存在した場合は、前述したテンプレート情報に対応した出力ドット配置を読み出す(ステップS22)。
また、ステップS21において、一致したテンプレートが存在しなかった場合には、量子化部34からの画素値に基づいて、対応する1200dpiの2x2画素(図5参照)内におけるドット数Vを決定する(ステップS23)。
続いて、注目画素に対応するエッジレベルが1か0かを判定する(ステップS24)。ここでエッジレベルが1の場合は、図7で説明したのと同様に注目画素周辺データの濃度分布に基づく方法を用いて、ドット発生順序を決定する(ステップS25〜ステップS27)。また、エッジレベルが0の場合は、処理対象画素のディザ閾値マトリクス(図19参照)上の対応位置に応じて、決定された数のドットを、1200dpiの2x2画素内にどのように配置するかを決定して出力する(ステップS28)。
ここで、エッジレベルが0である場合のドット配置についてさらに説明する。図19に示すディザ閾値マトリクスの注目画素に対応する600dpi画素の中の1200dpiの2x2の閾値の中で、値が最も小さい位置に最初のドットを配置する。その次に大きな閾値の位置には2つ目のドットを配置し、その次に大きな閾値の位置には3つ目のドットを配置し、最も大きな閾値の位置には最後のドットを配置する。
例えば、ドット数Vが2である場合は、図21−1に示すように2x2画素中の右側の2画素(図19の左上画素の閾値80と107に対応)の画素値を255として、左側の2画素(閾値110と113に対応)の画素値を0とする。もし、ドット数Vが1であれば右下の画素位置のみ画素値255とし、他は画素値0、ドット数Vが3であれば左下の画素位置のみ画素値0とし、他は画素値255が出力される。
同様に、図19の1つ右の600dpi画素が処理対象となった場合は、ドット数Vが2であれば図21−2に示すように下側の2画素(閾値77と98に対応)の画素値を255として、上側の2画素(閾値101と104に対応)の画素値を0とする。
このように、第3の実施の形態によれば、処理対象画素のディザ閾値マトリクス上の対応位置に応じて出力ドット配置を決定するため、エッジレベルが0である画像の平坦な部分(非エッジ部)では、ディザ閾値を用いて網点化を行なうことにより、出力画像の鮮鋭性と粒状性とを両立させた優れた画像を形成することができると共に、ジャギーを低減した画像を高効率で得ることができる。
(第4の実施の形態)
図22は、第4の実施の形態にかかる画像処理装置の構成例を示すブロック図であり、図23は、テンプレート情報に対応付けて記憶されている補正値の例を示す図であり、図24は、第4の実施の形態にかかる画像処理装置による出力画像例を示す図であり、図25は、第4の実施の形態にかかる画像処理装置のドット出力位置制御部の動作を説明するフローチャートである。
図22に示すように、第4の実施の形態の特徴的な構成は、形状認識部47において、エッジレベル算出部41により算出されたエッジレベルが0である場合に形状の認識を行わないか、あるいは認識結果に寄らずに、一致するテンプレートがないことを示すテンプレート情報を出力する点にある。また、データ補正部51において、形状認識部47から受けたテンプレート情報とROM48cに記憶された補正値とに基づいて、量子化部44からの入力画像データを変換する点にある。
図23に示すテンプレート情報に対応付けて記憶された補正値は、ここでは、量子化部44の出力で取りうる値である0、63、127、191、255のいずれかとしている。そして、形状認識部47から入力されたテンプレート情報に基づいて、補正値が記憶されているROM48cから対応する補正値を読み出して出力する。例えば、形状認識部47から入力されたテンプレート情報が「Template No.1」であった場合に、ROM48cから対応する補正値である191を読み出して、置き換え後の画素値として出力する。
また、データ補正部51において、形状認識部47から入力されたテンプレート情報が、一致するテンプレートがないことを示すテンプレート情報である場合には、量子化部44から入力された画素値をそのまま出力する。
データ補正部51では、上記したように量子化部44から入力された画像データの注目画素の画素値をROM48cから読み出した補正値を画素値に置き換えることによって、図9に示す入力画像から図24に示す画像を得ることができる。
次に、図25を用いてドット出力位置制御部の動作を説明する。ドット出力位置制御部49は、データ補正部51から入力される画素値と、形状認識部47から入力されるテンプレート情報と、エッジレベル算出部41から入力されるエッジレベルとを用いて、高解像度の画素のドット配置を行うものである。
図25に示すように、まず、ドット出力位置制御部49は、量子化部44からの画素値に基づいて、対応する1200dpiの2x2画素(図5参照)内におけるドット数Vを決定する(ステップS31)。すなわち、600dpiの多値画像データ上の各画素に対応する1200dpiの2x2画素(図5参照)内におけるドット数(画素値255を出力する画素の個数)Vを決定する。具体的には、量子化部44からの画素値が0のときに0を、63のときに1を、127のときに2を、191のときに3を、255のときに4を、それぞれドット数Vとして決定する。
次に、形状認識部47で一致したテンプレートが存在するか否かを判定する(ステップS32)。ここで、一致したテンプレートがある場合とない場合とで異なる方法を用いて、600dpi画素での注目画素に対応する1200dpiの2x2画素(図5参照)でのドット出力順序を決定する。
ステップS32において、一致したテンプレート情報が存在する場合は、予めROM等に記憶されているテンプレート情報に対応したドット出力順序を読み出す(ステップS33)。例えば、図14のように、テンプレート情報に対応付けて記憶されているドット出力順序の例が示されている。図5の1200dpi2x2画素の左上画素を「A」、右上画素を「B」、左下画素を「C」、右下画素を「D」として、左からドットを打つ順番に画素番号を並べている。例えば、形状認識部47から入力したテンプレート情報が「Template No.1」であった場合は、図13に示すように、対応する発生順序はA,B,C,Dであるため、図5の左上画素、右上画素、左下画素、右下画素の順序となる。
また、テンプレート情報が「Template No.2」である場合は、図13に示すように、対応する発生順序がD,C,B,Aであるため、図5の右下画素、左下画素、右上画素、左上画素の順序でドットを出力するものとする。
一方、形状認識部47において一致したテンプレートが存在しなかった場合には(ステップS32)、注目画素に対応するエッジレベルに応じて処理が分かれる(ステップS35)。エッジレベルが1である場合は、前述したのと同様に注目画素周辺データの濃度分布に基づいてドット発生順序を決定する(ステップS36〜ステップS38)。また、エッジレベルが0である場合は、処理対象画素のディザ閾値マトリクス(図19参照)上の対応位置に応じて、1200dpiの2x2画素内にどのような順序で配置するかを決定する(ステップS39)。
次に、エッジレベルが1である場合のドット発生順序の決定方法について説明する。図8−1〜図8−4に示すような注目画素周辺の左上、右上、左下、右下の4箇所の領域についてそれぞれ領域内の3画素の加算を行う(ステップS36)。
続いて、図8−1〜図8−4のそれぞれの加算結果を比較し、大きい順に並べ替える(ステップS37)。そして、これら左上、右上、左下、右下の4箇所の領域についての比較結果を図5の1200dpi画素内での左上、右上、左下、右下画素における比較結果とみなす。図8−1の左上の領域は、1200dpi2x2画素の図5の左上画素A、図8−2の右上の領域は、図5の右上画素B、図8−3の左下の領域は、図5の左下画素C、図8−4の右下の領域は、図5の右下画素Dに置き換え、大きい順に並べたA,B,C,Dをそのままドット発生順序とする。例えば、加算の結果図8−3>図8−1>図8−4>図8−2の順であればドット発生順序はC,A,D,Bとなり、図5の左下画素、左上画素、右下画素、右上画素の順序という具合になる。
次に、エッジレベルが0である場合のドット発生順序の決定方法について説明する。図19に示すディザ閾値マトリクスの注目画素に対応する600dpi画素の中の1200dpiの2x2の閾値の中で値が最も小さい位置に最初にドットを配置し、その次に大きな閾値の位置に2つ目のドットを配置し、その次に大きな閾値の位置に3つ目のドットを配置し、最も大きな閾値の位置に最後のドットを配置する順序とする。例えば、図19の左上の600dpi画素においては、右下、右上、左上、左下の順序とする。
続いて、このドット発生順序とドット数Vとに基づいて各画素に対応する1200dpiの2x2画素内におけるドットの配置を決める。例えば、ドット発生順序が右下、右上、左上、左下であるときに、ドット数が0の場合には、全ての画素値を0とする。ドット数が1の場合には、右下の画素値を255、残りの画素値を0とする。ドット数が2の場合には、右下と右上の画素値を255、残りの画素値を0とする。ドット数が3の場合には、左下の画素値を0、残りの画素値を255とする。ドット数が4の場合には、全ての画素値を255とする。
このように、第4の実施の形態によれば、処理対象画素のディザ閾値マトリクス上の対応位置に応じて出力ドット配置を決定するため、エッジレベルが0である画像の平坦な部分(非エッジ部)では、ディザ閾値を用いて網点化を行なうことにより、出力画像の鮮鋭性と粒状性とを両立させた優れた画像を形成することができると共に、ジャギーを低減した画像を高効率で得ることができる。