JP4589703B2 - 乗用車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ強度を損ねることなく軽量化できる乗用車用空気入りタイヤに関する。
近年、車両の低燃費性の実現や、サスペンション機構におけるバネ下重量軽減による操縦安定性の向上などを目的として、タイヤの軽量化が望まれている。タイヤを軽量化するために、例えばゴム材料の薄肉化やタイヤコードの小径化、さらには低エンズ化などが行われている。しかしながら、そのような手法による重量削減効果は限界に達しつつある。
乗用車用の空気入りラジアルタイヤの場合、ラジアル構造のカーカスの外側に、該カーカスをタガ締めするベルト層が配置されている。一般的なベルト層は、スチールコードからなる2枚のベルトプライを重ね合わせて構成される。スチールコードはゴムに比べると比重が大きいため、ベルトプライの枚数を1枚でも削減できれば、大きな重量軽減効果が期待できる。
関連する先行技術文献としては、下記のものがある。特許文献1では、2枚のベルトプライの間にゴム層が設けられるが、タイヤ重量の軽量化を目的とするものではない。
特開平7−69004号公報 特開平7−156612号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、ベルト層を、スチールコードがトッピングゴムで被覆された1枚のコードプライと、このコードプライに重ねられかつ複素弾性率が50MPa以上である強化ゴムシート体とで構成することを基本として、タイヤ強度を確保しつつスチールコードのベルトプライ数を削減し軽量な乗用車用空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、一対のビード部に埋設されたビードコア間をトロイド状に跨ってのびるカーカスコードを具えたカーカスと、そのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層とが設けられた乗用車用空気入りタイヤであって、前記ベルト層が、タイヤ赤道に対して15〜40゜の角度で傾けて配されたスチールコードがトッピングゴムで被覆された1枚のコードプライと、このコードプライに重ねられかつ複素弾性率が50MPa以上である強化ゴムシート体とで構成されたことを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記強化ゴムシート体は、マトリックスゴム中に短繊維が配向された短繊維補強ゴムシートからなり、かつその損失正接tanδが0.35以下であることを特徴とする請求項1記載の乗用車用空気入りタイヤである。
なお強化ゴムシート体の複素弾性率及び損失正接tanδは、4mm巾×30mm長さ×2.0mm厚さの短冊状試料を準備し、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、初期伸長歪10%、片振幅1%の条件で測定した値とする。
また請求項3記載の発明は、前記強化ゴムシート体は、タイヤ赤道上をタイヤ周方向に連続してのびる中央の短繊維補強ゴムシート片と、その両側に配されタイヤ周方向に連続してのびる外側の短繊維補強ゴムシート片とを含み、かつ各タイヤ軸方向で隣り合う短繊維配向ゴムシート片の短繊維の配向方向を異ならせたことを特徴とする請求項2記載の乗用車用空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記強化ゴムシート体は、少なくとも前記コードプライと等しい幅を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の乗用車用空気入りタイヤである。
本発明の乗用車用空気入りタイヤは、ベルト層が、1枚のコードプライと、このコードプライに重ねられかつ複素弾性率が50MPa以上である強化ゴムシート体とで構成される。強化ゴムシートは、スチールコードのベルトプライに比べると比重が小さいため、軽量なタイヤを容易に提供できる。また強化ゴムシート体の複素弾性率が一定範囲に限定されているため、トレッド部の剛性を過度に損ねることも無く、実用上必要な強度を十分に確保できる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の乗用車用空気入りタイヤのタイヤ回転軸を含む子午線断面図(右半分断面図)、図2はそのベルト層を含む内部構造を展開した展開略図が示される。空気入りタイヤ1は、一対のビード部4、4に埋設されたビードコア5、5間をトロイド状に跨ってのびるカーカスコード6Cを具えたカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とが設けられ、この例では乗用車用のラジアルタイヤ1が例示される。
前記カーカス6は、カーカスコード6Cをタイヤ赤道Cに対して例えば80゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aにより構成される。カーカスコード6Cとしては、例えばポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードが採用され、この例ではポリエステルコードが用いられている。またカーカスプライ6Aは、ビードコア5、5間をトロイド状に跨ってのびる本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配され、ビード部4が適宜補強される。
前記ベルト層7は、1枚のコードプライ8と、このコードプライ8に重ねられかつ複素弾性率が50MPa以上である強化ゴムシート体9とで構成される。この実施形態のベルト層7は、タイヤ半径方向内側にコードプライ8が配されており、その外側にコードプライ8と実質的に等しい幅BWを持った強化ゴムシート体9が重ねられている。
このような空気入りタイヤ1は、一般的な乗用車用ラジアルタイヤに比べると、ベルト層7に含まれるコードプライの枚数が1枚削減されている。そして、補強能力を補うために、削減されたコードプライの代わりにコードプライよりも比重が小さい強化ゴムシート体9が組み入れられている。このため、本発明の乗用車用空気入りタイヤ1は、ベルト層の重量を軽量化できる。
前記コードプライ8は、並列された複数本のスチールコード8Cを、トッピングゴムで被覆したスチールコードプライで構成される。コードプライ8は、スチールコード8Cがタイヤ赤道Cに対して15〜40゜の角度で傾けて配される。特に限定はされないが、前記角度が15゜未満であると、スリップ角が与えられたときの面内剛性が低下しやすく、ひいては十分なコーナリングフォースが得られない傾向があり、逆に40゜を超えるとカーカス6に対するタガ効果が低下し、トレッド部2の膨張変形が大きくなる他、トレッド部2の耐摩耗性を悪化させる傾向がある。
また特に限定されるわけではないが、コードプライ8は、プライ幅5cm当たりのスチールコード8Cの打ち込み本数であるエンズが15〜60(本/5cm)、より好ましくは20〜50(本/5cm)であるのが望ましい。前記エンズが15(本/5cm)未満であると、コードプライ8のプライ剛性が低下し、ベルト層7に必要なタイヤ強度が得られない傾向があり、逆に60(本/5cm)を上回ると、スチールコード8C、8C間に十分にトッピングゴムが浸透せずコード間でのゴム剥離が生じやすくなるなど、耐久性が低下しやすい。なお本実施形態のスチールコード8Cは、線径が0.3mmの素線を4本撚り合わせることにより形成されたものが採用され、そのエンズは40(本/5cm)である。
前記強化ゴムシート体9は、本実施形態では、マトリックスゴムr中に短繊維fが配向された短繊維補強ゴムシート11で構成されたものが例示される。このような短繊維補強ゴムシート11は、例えば短繊維の配向方向に高い複素弾性率を与えることができ、トレッド部2を補強するゴム材料として特に効果的である。
短繊維補強ゴムシート11の複素弾性率は、少なくとも50MPa以上であるが、好ましくは70MPa以上であるのが望ましい。ベルト層7としてコードプライ8が1枚しか用いられていないため、前記複素弾性率が50MPa未満であると、カーカス6をタガ締めしかつトレッド部2の剛性を高めるというベルト層7に求められる性能が発揮できない。他方、前記複素弾性率が大き過ぎると、剛性が高くなり過ぎてトレッド部2のエンベロープ性能が低下し、乗り心地が悪化する傾向がある。このような観点より、前記複素弾性率の上限は、好ましくは1000MPa以下、より好ましくは500MPa以下、さらに好ましくは100MPa以下が望ましい。なお短繊維fの配向によって強化ゴムシート体9が異方性を示す場合、該強化ゴムシート体の複素弾性率の最大値が、前記数値限定の規定を満たしていれば良い。
また短繊維補強ゴムシート11の損失正接tanδは、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30以下、さらに好ましくは0.25以下が望ましい。該損失正接tanδが0.35を上回ると、旋回走行時に変形した短繊維補強ゴムシート11に蓄えられた弾性エネルギーの多くが熱エネルギーへと変換され、大きなコーナリングフォースの発生を阻害する傾向がある他、トレッド部2の内部発熱が大きくなって耐久性が悪化する傾向がある。なお損失正接tanδの下限値は、特に制限がないが、例えば0.05以上が実用的である。
また短繊維補強ゴムシート11のマトリックスゴムrとしては、例えばジエン系ゴムが好ましく、具体的には天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム又はアクリロニトリルブタジエンゴムなどの1種又は2種以上をブレンドして用いることができる。また短繊維fは、比重が小さくかつゴムとの接着性に優れた非金属性のものが好ましく、具体的には、ナイロン、ポリエステル、アラミド、レーヨン、ビニロン、芳香族ポリアミド、コットン、セルロース樹脂、結晶性ポリブタジエンなどの有機物の他、ボロン、グラスファイバー又はカーボンファイバー等が望ましく、これらは単独でも又2種以上を組合わせても用いることができる。特に好ましくは、JIS R7601の「炭素繊維試験方法」に準じて測定された繊維の引張弾性率が50〜1000GPa、より好ましくは100〜800GPaのものが好ましい。
また短繊維fは、例えば平均繊維径が1〜100μm、平均長さが0.1〜5mmであることが望ましい。前記平均繊維径が1μm未満又は前記長さが0.1mm未満であると、短繊維自体によるゴム補強効果が低下する傾向があり、逆に平均繊維径が100μmよりも大又は前記長さが5mmよりも大であると、短繊維fが大きくなりすぎてゴムとの接着性が低下し耐摩耗性や耐クラック性が低下する。かかる観点より、短繊維の平均繊維径は、3〜50μm、その長さは0.1〜3mmとすることが特に望ましい。
短繊維補強ゴムシート11は、例えばマトリックスゴム100重量部に対し短繊維fを例えば5〜70重量部、より好ましくは10〜60重量部配合されたものが望ましい。前記短繊維fが5重量部未満では、補強効果が十分でなく、逆に70重量部を超えると、マトリックスゴムと短繊維との界面が増加して引き裂き抵抗性や耐クラック性等が低下する傾向がある。なお短繊維補強ゴムシート11の全重量は、コードプライ8の全重量よりも小さいことは言うまでもない。なお表1には、このような短繊維補強ゴムシート11の配合のいくつかの例を示す。
Figure 0004589703
図2に示した実施形態では、短繊維補強ゴムシート11の短繊維fが実質的にタイヤ軸方向に沿って配向されている(短繊維fの長手方向が実質的にタイヤ軸方向に沿って配されている。)。このような短繊維補強ゴムシート11は、タイヤ軸方向の複素弾性率E*aが、タイヤ周方向の複素弾性率E*cよりも大きくなる。また図3に示した実施形態では、短繊維補強ゴムシート11の短繊維fが実質的にタイヤ周方向に沿って配向される(短繊維fの長手方向が実質的にタイヤ周方向に沿って配されている。)。このような短繊維補強ゴムシート11は、タイヤ周方向の複素弾性率E*cが、タイヤ軸方向の複素弾性率E*aよりも大きくなる。
車両走行時、タイヤにスリップ角が与えられると、接地面内に含まれる強化ゴムシート体9(短繊維補強ゴムシート11)には、図2ないし図3に矢印Aで示されるような接地面と平行な平面内での面内曲げモーメント(ただし、向きは逆もあり得る。)が作用し、各短繊維補強ゴムシート11には矢印B方向の引張応力と、矢印C方向の圧縮応力とが作用する。図2の態様では、短繊維補強ゴムシート11の軸方向の圧縮変形を抑制する効果がある。しかし、短繊維補強ゴムシート11のタイヤ周方向の複素弾性率E*cがタイヤ軸方向の複素弾性率E*aに比して相対的に小さいため、引張ないし圧縮応力B、Cの方向には比較的伸びやすい。したがって、旋回走行時などでは、短繊維補強ゴムシート11の変形量がやや大きくなる傾向がある。
他方、図3の態様では、短繊維補強ゴムシート11のタイヤ周方向の複素弾性率E*cがタイヤ軸方向の複素弾性率E*aに比して相対的に大きいため、引張ないし圧縮応力B,Cの方向のいずれに対しても伸び難い。したがって、旋回走行時などでは、短繊維補強ゴムシート11はその変形量を小とし、ベルト層7のバックリングなどを防止して高い面内曲げ剛性を発揮しうる。これにより、タイヤに大きなコーナリングフォースを発生させることが可能になる。
図4、図5には、短繊維補強ゴムシート11のさらに他の実施形態が示されている。この実施形態の短繊維補強ゴムシートは、タイヤ赤道C上をタイヤ周方向に連続してのびる中央の短繊維補強ゴムシート片11Aと、その両側に配されタイヤ周方向に連続してのびる外側の短繊維補強ゴムシート片11B、11Bとを含んで構成される。各シート片11A、11Bは、互いの側縁を接触させて配置され、この例では中央の短繊維補強ゴムシート11Aを全幅の約0.5倍の幅として最も幅広とし、実質的に左右対称の構造で構成されている。
図5に示されるように、タイヤ赤道Cの近傍の中央領域と、その側部領域とでは、旋回走行時の作用応力の方向が異なる。このため、本実施形態では、タイヤ軸方向で隣り合う短繊維配向ゴムシート片11A、11Bの短繊維の配向方向をそれぞれ異ならせている。この例では、中央の短繊維補強ゴムシート片11Aの短繊維fはタイヤ軸方向に沿って配向され、また外側の短繊維補強ゴムシート片11B、11Bの短繊維fはタイヤ周方向に沿って配向される。従って、図5に示されるように、旋回走行時における面内曲げモーメントAによる引張応力B及び圧縮応力Cが短繊維補強ゴムシート11に作用した場合、外側の短繊維補強ゴムシート片11B、11Bは図3の態様と同様、タイヤ周方向の複素弾性率E*cが大きいため変形を抑制できる。また、中央の短繊維補強ゴムシート11Aでは、外側の短繊維補強ゴムシート片11B、11Bからの圧縮応力Dに対する抵抗性を高める。従って、このような実施形態では、補強ゴムシート体9の面内剛性をさらに向上し、より一層、大きなコーナリングフォースを発生させて操縦安定性を向上するのに役立つ。
また短繊維補強ゴムシート11の厚さtは、特に限定はされないが、小さすぎるとトレッド部2の補強効果が低下し、逆に大きすぎてもタイヤ重量の増加を招きやすくなる。このような観点より、短繊維補強ゴムシート11の厚さtは、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上が望ましく、上限については好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下が望ましい。
また上記各実施形態のベルト層は、コードプライ8のタイヤ半径方向外側に強化ゴムシート体9を配したものが例示されている。このような態様では、生産性が良い点で好ましい。
また図6にはベルト層7の他の実施形態が示されている。
この実施形態では、コードプライ8のタイヤ半径方向内側に強化ゴムシート体9が配置されたものが例示される。このような態様は、コードプライ8のタイヤ半径方向外側に強化ゴムシート体9を配置したものに比して、タイヤ膨張率が低く抑えられ、寸法変化をより小さくしうる利点がある。
また図6に示される強化ゴムシート体9は、第1の方向に沿って短繊維fを配向した第1の短繊維補強ゴムシート片11aと、そのタイヤ半径方向外側に重ねられかつ短繊維fが前記第1の方向とは異なる第2の方向に配向された第2の短繊維補強ゴムシート片11bとを少なくとも含んでいる。即ち、短繊維fの配向方向を異ならせた少なくとも2枚の短繊維補強ゴムシートをタイヤ半径方向で重ねたものが例示される。短繊維fが交差することで、より強い補強効果を発揮し、ベルト層7に高い面内曲げ剛性を発揮させるのに役立つ。なお第1の方向と第2の方向とのなす角度αは、好ましくは30〜150゜、より好ましくは70〜110゜が望ましい。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、図示の実施形態に限定されることなく種々の態様に変形して実施するのは言うまでもない。例えばベルト層7のタイヤ半径方向外側にタイヤ周方向に有機繊維コードを螺旋状に巻回したジョイントレスバンドを配することもできる。
本発明の効果を確認するために、表1の仕様に基づきタイヤサイズ「195/65R15 91S」の乗用車用ラジアルタイヤを試作し、タイヤ重量、コーナリングフォース及びタイヤ強度についてテストを行った。コードプライのスチールコードには、前述の通り、0.3mmの線径を有するスチール素線を4本撚り合わせたものが用いられ、エンズは40(本/5cm)とした。テスト方法は、次の通りである。
<タイヤ重量>
各供試タイヤ1本当たりの重量を測定し、比較例1のタイヤ重量を100とする指数で表示した。数値が小さいほどタイヤ重量が小さいことを示す。
<タイヤ膨張率>
図7に示されるように、各供試タイヤを正規リム(15×6JJ)にリム組みし10kPaを充填したときのタイヤ断面プロファイルから得られる最大外径R1と、200kPaを充填したときのプロファイルから得られる最大外径R2とから、タイヤ膨張率を下記式により測定した。
タイヤ膨張率=(R2−R1)/R1×100
このタイヤ膨張率が過度に大きくなると、内圧充填時にトレッド部の歪が局部的なものとなり好ましくない。
<コーナリングフォース>
室内試験器を用い、各供試タイヤのコーナリングフォースを以下の条件で測定した。
リム:15×6JJ
内圧:200kPa
スリップ角:12゜
縦荷重:4.35kN
速度:10km/H
結果は、比較例1のコーナリングフォースを100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
<タイヤ強度>
タイヤをリム(15×6JJ)にリム組みし、タイヤバルブからタイヤ内腔内に水を注入して水圧を500kPaに調整した。そして、24時間放置して未破壊のものを合格とした。テストの結果等を表1に示す。
Figure 0004589703
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて軽量化されていることが確認できる。またコーナリングフォースについては、比較例と遜色のない値が得られており、実用上の操縦安定性も十分に期待できる。また過酷な水圧破壊テストにも合格しており、タイヤ強度についても問題が無いことが確認できた。さらに、タイヤ膨張率が大きすぎると、これに関連してコーナリングフォースが小さくなって操縦安定性が低下する傾向があるため、好ましくはタイヤ膨張率を−5〜20%、より好ましくは0〜10%に抑えうるように、ベルト層7の剛性を設定するのが望ましい。従って、本発明のタイヤは、軽量化でき、安価に提供できる。また例えばスペアタイヤとしても好適である。
本発明の実施形態を示すタイヤの断面図である。 ベルト層を展開して示す展開図である。 他の実施形態を示すベルト層の展開図である。 他の実施形態を示すベルト層の展開図である。 ベルト層の部分斜視図である。 他の実施形態を示すベルト層の展開図である。 タイヤ膨張率を説明するタイヤの断面プロファイルを示す。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
8 コードプライ
9 強化ゴムシート体
r マトリックスゴム
f 短繊維

Claims (4)

  1. 一対のビード部に埋設されたビードコア間をトロイド状に跨ってのびるカーカスコードを具えたカーカスと、
    そのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層とが設けられた乗用車用空気入りタイヤであって、
    前記ベルト層が、タイヤ赤道に対して15〜40゜の角度で傾けて配されたスチールコードがトッピングゴムで被覆された1枚のコードプライと、
    このコードプライに重ねられかつ複素弾性率が50MPa以上である強化ゴムシート体とで構成されたことを特徴とする乗用車用空気入りタイヤ。
  2. 前記強化ゴムシート体は、マトリックスゴム中に短繊維が配向された短繊維補強ゴムシートからなり、かつその損失正接tanδが0.35以下であることを特徴とする請求項1記載の乗用車用空気入りタイヤ。
  3. 前記強化ゴムシート体は、タイヤ赤道上をタイヤ周方向に連続してのびる中央の短繊維補強ゴムシート片と、その両側に配されタイヤ周方向に連続してのびる外側の短繊維補強ゴムシート片とを含み、
    かつ各タイヤ軸方向で隣り合う短繊維配向ゴムシート片の短繊維の配向方向を異ならせたことを特徴とする請求項2記載の乗用車用空気入りタイヤ。
  4. 前記強化ゴムシート体は、少なくとも前記コードプライの幅を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の乗用車用空気入りタイヤ。
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