JP4589429B2 - ポリウレタンフォーム成形用離型剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンフォーム成形用離型剤組成物に関するものである。
ポリウレタンフォームの成形においては、成形時にポリウレタンフォームの破泡が生じて表面にへこみが生じるいわゆるセル荒れが発生し、表面特性が悪くなることがある。また、金型の表面には樹脂化した金型堆積物が残存するため、いわゆる金型汚れが生じ、定期的に金型を清掃する必要がある。このため、これらの問題を低減すべく、ポリウレタンフォームの成形に際しては、ポリウレタンフォームと金型との付着を防止する離型剤が広く用いられている。この離型剤を用いると、成形品であるポリウレタンフォームを金型から容易に離脱させることが可能となり、前記セル荒れや金型汚れを抑制することが可能となる。
なお、離型剤に含まれる離型成分としては、シリコーン、ワックス類などが知られており、離型剤としては、前記離型成分を水に溶解又は分散させた水系離型剤と、炭化水素油などの有機溶剤中に溶解させた溶剤系離型剤とがある。
ここで、ポリウレタンフォーム成形用の水系離型剤は、溶剤系離型剤に比して人体又は環境に及ぼす影響が少なく、しかも消防法上の観点から保守管理も簡便であるため、特に最近注目されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
特開2005−199504号公報 特開2001−96541号公報 特開2000−265068号公報 特開平6−226752号公報
しかしながら、上記した水系離型剤は、人体又は環境に優しく、消防法上において管理負担が軽いという優れたメリットはあるものの、成形工程によっては溶剤系離型剤に比してセル荒れ防止効果、及び金型汚れ防止効果が共に悪く、製品性能に課題が残る場合があった。したがって、あらゆる成形工程に対応でき、しかも溶剤系離型剤と同等の性能を備える水系離型剤組成物は、未だ見い出されていないのが実情である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、優れたセル荒れ防止効果及び金型汚れ防止効果を備え、しかも人体又は環境に優しく、管理負担が軽いポリウレタンフォーム成形用離型剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、ポリウレタンフォーム成形時の問題(セル荒れ、金型汚れ、及びスレ音発生など)と離型剤の組成との関連について鋭意研究した結果、次のような組成物が優れた性能を発揮することを見い出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ワックス類又はシリコーンからなる離型成分と、油溶性オリゴマーと、親油性溶剤と、界面活性剤とを含む第1の混合液と、エーテル類と水とを含む第2の混合液とを混合することにより得られるものであり、
かつ前記離型成分を含有する親油性溶剤相中に水相が分散したW/O型エマルションを呈するものであり、
全量を100重量部とした場合に、前記第1の混合液に含まれる前記離型成分が1.0〜20重量部、前記油溶性オリゴマーが0.01〜10重量部、前記親油性溶剤が1.0〜25重量部、及び前記界面活性剤が0.01〜10重量部であり、前記第2の混合液に含まれる前記エーテル類が5〜20重量部、前記水が50〜60重量部であることを特徴とするポリウレタンフォーム成形用離型剤組成物(以下、適宜離型剤組成物という。)である。
本発明に係るW/O型エマルションの離型剤組成物を金型に塗工すると、従来構成に比してぬれ性が極めて良いことがわかった。また、セル荒れ防止効果、金型汚れ防止効果、及びスレ音低減効果について、従来の水系離型剤に比して極めて優れていることがわかった。また、金型上での乾燥も速いという特性がある。ここで、通常、金型の表面には前回吹きつけたワックス類が残留して油が付着した状態となっている。このため、このような状態にある金型にW/O型エマルションの離型剤組成物を塗工すると、当該組成物の外側周面は油分であるため相互の付着性が極めて高く、これによりぬれ性が向上するものと考えられる。一方、本発明者が従来構成の水系離型剤を分析したところ、すべてのものがO/W型エマルションにより構成されるものであることがわかった。これにより、本発明者は、次のような見解を得るに至った。すなわち、O/W型エマルションの離型剤は、外側に水分が形成された構成であるため、前記のような金型との関係では極めて付着性が悪い。このため、従前の水系離型剤は、金型上に充分に膜形成がされず、性能が適正に発揮されないのであると考えられる。また、O/W型エマルションは上述のような外側に水分が形成された構成であるため、金型上での乾燥が遅くなると考えられる。このような見解は、すべてO/W型エマルションの構成に基づくものである。
ところで、上記の本発明に、適宜、酸化防止剤などを加えても良い。また、その配合割合を適宜変更することにより、ホットキュアーウレタンフォーム成形用は勿論のこと、コールドキュアーウレタンフォーム成形用とすることも、高弾性ウレタンフォーム成形用とすることもできる。
ここで、前記離型成分としては、例えば、主にワックス類が挙げられる。前記ワックス類としては、直鎖・分岐ポリエチレンワックス、エチレン/プロピレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、高級αオレフィン重合体などが例示される。また、その他にも、シリコーンオイル類、脂肪酸金属石けん類、エステル系ワックス類、有機リン化合物類などが挙げられる。
また、前記油溶性オリゴマーは、離型成分の分散剤として作用するものであり、例えば、非晶性オレフィンオリゴマー、液状ポリブテン、液状ポリイソプレン、液状ブチルゴム、又は液状ポリイソブチレンなどの数平均分子量が2000以下の液状中低分子化合物が用いられ、特に、エチレンプロピレンコポリマーを用いることが好ましい。
また、前記親油性溶剤としては、例えば、炭化水素類、ミネラルターペン、エーテル類、グリコールエーテル類、脂肪酸類、又はエステル類などが挙げられる。かかる親油性溶剤は、危険度の観点から第2石油類以上を用いることが好ましい。
また、前記界面活性剤は、換言すればW/O型エマルション乳化剤であり、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、両性界面活性剤、又はレシチンなどが挙げられる。
また、前記エーテル類としては、グリコールエーテル類が挙げられ、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好適に用いられる。
本発明の離型剤組成物は、離型成分と、油溶性オリゴマーと、親油性溶剤と、界面活性剤とを含む第1の混合液と、エーテル類と水とを含む第2の混合液とを混合してW/O型エマルションにすることにより得られる。ここで、第1の混合液と第2の混合液を混合する際には、攪拌しながら第1の混合液の中へ第2の混合液を注入して均一に混合することが望ましい。前記第1の混合液は、例えば、離型成分を親油性溶剤に分散させ、当該分散液に規定量の油溶性オリゴマーと界面活性剤を攪拌混合することによって得られる。離型成分は、親油性溶剤に加熱溶融させることで、親油性溶剤に均一に分散できる。また、特許第3723810号公報に記載の方法のように、離型剤と親油性溶剤とを湿式粉砕分散機中で攪拌して離型剤を微粒化粉砕しても、離型剤を親油性溶剤に均一に分散できる。一方、第2の混合液はエーテル類と水を常法にしたがって混合することによって得られる。また、本発明の離型剤組成物には、第1の混合液及び第2の混合液の他に、酸化防止剤などの添加剤を混合することができる。
さらに、上記構成にあって、前記離型剤組成物の全量を100重量部とした場合に、前記第1の混合液に含まれる前記離型成分が1.0〜20重量部、前記油溶性オリゴマーが0.01〜10重量部、前記親油性溶剤が1.0〜25重量部、及び前記界面活性剤が0.01〜10重量部であり、前記第2の混合液に含まれる前記エーテル類が5〜20重量部、前記水が50〜60重量部である構成が提案される。
かかる構成とすることにより、W/O型エマルションが安定して保持されることとなる。なお、界面活性剤を用いてW/O型エマルションを作成する場合、HLB値が3〜8程度となる。これに対し、8〜16程度であるとO/W型エマルションとなってしまう。
なお、前記離型成分は、1.0重量部未満であると、離型性が発揮されず好ましくない。一方、20.0重量部を越えると、W/O型エマルションが不安定となって好ましくない。なお、最適な範囲としては、1.0重量部以上10.0重量部以下である。ここで、10.0重量部を越えると、使用時に希釈作業が必要となり、ポリウレタンフォーム成形工程において作業性がやや劣る。
前記油溶性オリゴマーは、0.01重量部未満であると、W/O型エマルションが不安定となって好ましくない。一方、10.0重量部を越えると、離型性が悪くなり、取り扱いが困難となって好ましくない。
前記親油性溶剤は、1.0重量部未満であると、W/O型エマルションが不安定となって好ましくない。一方、25.0重量部を越えると、環境保護の観点、又は保管管理上の観点から好ましくない。
前記界面活性剤は、0.01重量部未満であると、W/O型エマルションが不安定となって好ましくない。また、10.0重量部を越えた場合もW/O型エマルションが不安定となって好ましくない。最適な範囲は、0.01重量部以上2重量部以下である。2重量部以下であると、W/O型エマルションが極めて安定する。
前記エーテル類は、5.0重量部未満であると、W/O型エマルションが不安定となって好ましくない。また、20.0重量部を越えた場合もW/O型エマルションが不安定となって好ましくない。
前記水は、50.0重量部〜60.0重量部が好適である。50.0重量部未満であると、当該離型剤組成物が水溶性に分類されないこととなり、環境保護の観点、又は保管管理上の観点から好ましくない。一方、60.0重量部を越えると、W/O型エマルションが不安定となって好ましくない。
本発明に係るポリウレタンフォーム成形用離型剤組成物は、離型成分と、油溶性オリゴマーと、親油性溶剤と、界面活性剤とを含む第1の混合液と、エーテル類と水とを含む第2の混合液とを混合することにより得られるものであり、かつW/O型エマルションを呈するものであるため、セル荒れ、金型汚れの発生を防止できると共に、スレ音を低減できる利点がある。このため、同一金型において成形加工を繰り返し行っても、表面特性の優れた成形品を大量に製造することができる効果がある。
また、上記発明にあって、前記離型剤組成物の全量を100重量部とした場合に、前記第1の混合液に含まれる前記離型成分が1.0〜20重量部、前記油溶性オリゴマーが0.01〜10重量部、前記親油性溶剤が1.0〜25重量部、及び前記界面活性剤が0.01〜10重量部であり、前記第2の混合液に含まれる前記エーテル類が5〜20重量部、前記水が50〜60重量部である構成とした場合は、W/O型エマルションが安定する効果がある。また、水系離型剤としての組成となるため、消防法上において安全管理が容易となると共に、VOC対策の問題も解消でき、また二酸化炭素発生量も抑制できる効果がある。
以下、本発明に係るポリウレタンフォーム成形用離型剤組成物(以下、離型剤組成物という。)について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。
(離型剤組成物の調製について)
以下に詳述するように、表1に示す配合で実施例1〜3(本発明品)、及び比較例1〜4に係る離型剤組成物を調製した。
実施例1〜3
表1に示した所定割合に基づき、A)離型成分をC)親油性溶剤に分散させ、当該分散液にB)油溶性オリゴマー、及びD)界面活性剤を攪拌混合して第一の混合液を作製し、次に、表1に示した所定割合に基づき、E)エーテル類、及び水を混合して第二の混合液を作製し、さらに、攪拌しながら第一の混合液の中へ第二の混合液を注入して均一混合して、W/O型エマルションとした水系離型剤組成物である。ここで、「水系離型剤組成物」とは、全量のうち少なくとも50%以上は水を含有する離型剤組成物が該当することとする。なお、表1は、各実施例及び各比較例の離型剤組成物の全量を夫々100とした場合の各成分の配合比である。
比較例1,2
表1に示した所定割合に基づき、A)離型成分をC)親油性溶剤に分散させ、当該分散液にD)界面活性剤を攪拌混合して第一の混合液を作製し、次に、表1に示した所定割合に基づき、E)エーテル類、及び水を混合して第二の混合液を作製し、さらに、攪拌しながら第一の混合液の中へ第二の混合液を注入して均一混合して、O/W型エマルションとした水系離型剤組成物である。
比較例3,4
表1に示した所定割合に基づき、A)離型成分と、C)親油性溶剤とからなる溶液を100℃で加熱溶融し、冷却して調整した溶剤系離型剤組成物である。
比較例5
表1に示した所定割合に基づき、A)離型成分をC)親油性溶剤に分散させ、当該分散液にB)油溶性オリゴマー、及びD)界面活性剤を攪拌混合して第一の混合液を作製し、次に、表1に示した所定割合に基づき、F)アルコール類、及び水を混合して第二の混合液を作製し、さらに、攪拌しながら第一の混合液の中へ第二の混合液を注入して均一混合して、W/O型エマルションとした水系離型剤組成物である。
ところで、表1において、各成分として使用した具体的な商品は以下の通りである。
・A)ワックスa(直鎖・分岐ポリエチレンワックス):東洋ペトロライト株式会社製、 商品名「ポリワックス」
・A)ワックスb(エチレン/プロピレン共重合体ワックス):東洋ペトロライト株式会 社製、商品名「ペトロライト」
・A)ワックスc:フィッシャートロプシュワックス
・A)シリコーン:GE東芝シリコーン株式会社製、TSF451−100
・B)エチレンプロピレンコポリマー:市販品
・C)ミネラルターペン:日本石油株式会社製、商品名「クレンゾル」
・C)芳香族炭化水素:市販キシロール
・D)ポリオキシエチレンアルキルアミン:花王株式会社製、商品名「アミート」
・D)ソルビタン脂肪酸エステル:花王株式会社製、商品名「レオドール」
・E)グリコールエーテル:市販プロピレングリコールモノメチルエーテル
・F)エタノール:市販無水エタノール
(性能試験について)
上記した実施例1〜3、及び比較例1〜4に係る離型剤組成物に対して、以下の性能試験を行った。
○性能試験1
対象:実施例1、比較例1
評価性能:セル荒れ、金型汚れ
内容:35℃の鉄製金型(170×115×21mm)に、上記実施例1及び比較例1の離型剤組成物をスプレー塗布した後、40秒間乾燥させた。次いで、市販のコールドウレタンフォーム用原料を用い、所定の配合割合にて混合して金型内に注入し、35℃で5分間反応させた。その後、脱型したポリウレタンフォーム成形品の表面状態(セル荒れの有無)を目視により観察評価した。なお、表1の評価の表示は、「◎」はセル荒れがない状態、「○」はセル径肥大の傾向がある状態、「×」はセル荒れがある状態をそれぞれ示す。
また、成形後の金型をミネラルターペンで洗浄し、金型の上に残存する樹脂化反応物量を目視により観察して金型汚れ度合いを評価した。なお、表1において、「○」は金属光沢があり汚れが少ない状態、「×」は汚れが多い状態をそれぞれ示す。
○性能試験2
対象:実施例2,3、比較例2〜4
評価性能:セル荒れ、金型汚れ
内容:65℃の鉄製金型(170×115×21mm)に、上記実施例2,3及び比較例2〜4の離型剤組成物をスプレー塗布した後、1分間乾燥させた。次いで、市販の高弾性(HR)ウレタンフォーム用原料を用い、所定の配合割合にて混合して金型内に注入し、65℃で7分間反応させた。その後、脱型したポリウレタンフォーム成形品の表面状態(セル荒れの有無)を目視により観察評価した。なお、表1における評価の表示は、性能試験1と同様である。
また、成形後の金型をミネラルターペンで洗浄し、金型の上に残存する樹脂化反応物量を目視により観察して金型汚れ度合いを評価した。なお、表1における評価の表示は、性能試験1と同様である。
○性能試験3
対象:実施例1〜3、比較例1〜4
評価性能:スレ音
内容:性能試験1を行った成形品を25℃で1日静置した後、S字バネの弧状部(¢4mm)で、接触角45度、負荷荷重87gfの条件下で擦り、その時に発生する音を10cm離れたところのマイクの騒音計(SA−27、1/3オクターブ実時間分析計:リオン株式会社製)で計測した。
(性能結果1〜3について)
上記した性能試験1〜3の結果は、表1に示す通りである。
また、添付図面の図1は実施例2を用いて成形したポリウレタンフォームの表面状態を示し、図2は比較例2を用いて成形したポリウレタンフォームの表面状態を示し、図3は比較例3を用いて成形したポリウレタンフォームの表面状態を示し、図4は比較例4を用いて成形したポリウレタンフォームの表面状態を示している。
(考察1:セル荒れ、金型汚れについて)
実施例1〜3の各離型剤組成物は、比較例1,2と比較して、いずれも成形後の金型汚れを少なくすることができると共に、セル荒れも見られず、良好な表面状態の成形品(ポリウレタンフォーム)を得ることができる。例えば、図1に示す実施例2を用いて成形したポリウレタンフォームの表面には不良箇所が見当らないが、図2に示す比較例2を用いて成形した成形品の表面状態には、不良箇所xが散見される。
ここで、実施例1〜3のセル荒れ防止効果、及び金型汚れ防止効果は、溶剤系離型剤である比較例4とほぼ同等で良好であることがわかる。例えば、実施例2を用いて成形した成形品の表面状態と比較例4を用いて成形した成形品の表面状態とはほぼ同程度である(図1,4参照)。また、図3に示すように、比較例3を用いて成形した成形品には、不良箇所xが散見され、実施例2と比較例3とを比較した場合は、実施例2の方が格段に良品を得ることができる(図1,3参照)。
(考察2:スレ音について)
また、実施例1〜3の各離型剤組成物は、比較例1〜4と比較して、成形品のスレ音の低減を実現している。具体的には、実施例1〜3に係るスレ音は、比較例1〜4のスレ音の約70%となっている。
(その他)
実施例1〜3(本発明品)は粘度が約1000cpsであり、比較例1〜4(従来品)は粘度が約20cpsである。したがって、本発明品は、離型剤自体が分離し難いメリットがある(例えば少なくとも3ヶ月以上分離しない)。なお、本発明品は従来品に比して高粘度であるが、公知のスプレーガンで好適に噴射することができるため、作業性においても問題はない。
○性能試験4
対象:実施例1、比較例5
評価性能:分散性
内容:実施例1と比較例5の離型剤組成物を夫々透明容器に入れて常温下に放置し、経時変化を観察した。その結果、実施例1の離型剤組成物は1ヶ月経過後も水相と油相の分離が観察されず、均一なW/O型エマルションを保持していた。一方、比較例5の離型剤組成物は1週間程度で水相と油相の分離が認められ、1ヵ月後には水相と油相が略完全に分離した。この結果は、W/O型エマルションを安定化させるためにはエーテル類と水の混合液の配合が効果的あることを示唆している。
なお、上記した実施形態にあって、離型剤としての膜厚を金型に効果的に付着させて、溶剤と水分の飛散を効率良く行うためには、特許第3723810号に係る技術を採用するのが特に有効である。
実施例2を用いて成形したポリウレタンフォームの表面状態を示す写真である。 比較例2を用いて成形したポリウレタンフォームの表面状態を示す写真である。 比較例3を用いて成形したポリウレタンフォームの表面状態を示す写真である。 比較例4を用いて成形したポリウレタンフォームの表面状態を示す写真である。

Claims (1)

  1. ワックス類又はシリコーンからなる離型成分と、油溶性オリゴマーと、親油性溶剤と、界面活性剤とを含む第1の混合液と、エーテル類と水とを含む第2の混合液とを混合することにより得られるものであり、
    かつ前記離型成分を含有する親油性溶剤相中に水相が分散したW/O型エマルションを呈するものであり、
    全量を100重量部とした場合に、前記第1の混合液に含まれる前記離型成分が1.0〜20重量部、前記油溶性オリゴマーが0.01〜10重量部、前記親油性溶剤が1.0〜25重量部、及び前記界面活性剤が0.01〜10重量部であり、前記第2の混合液に含まれる前記エーテル類が5〜20重量部、前記水が50〜60重量部であることを特徴とするポリウレタンフォーム成形用離型剤組成物。
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