JP2002030225A - ポリウレタンフォーム成形用水性離型剤組成物 - Google Patents

ポリウレタンフォーム成形用水性離型剤組成物

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JP2002030225A JP2001137226A JP2001137226A JP2002030225A JP 2002030225 A JP2002030225 A JP 2002030225A JP 2001137226 A JP2001137226 A JP 2001137226A JP 2001137226 A JP2001137226 A JP 2001137226A JP 2002030225 A JP2002030225 A JP 2002030225A
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邦浩 文村
Masayuki Okura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災の危険性及び作業環境における悪影響を
可及的に低減すると共に、優れた離型性を有するポリウ
レタンフォーム成形用水性離型剤組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 離型性成分の100重量部に対して、造
膜性向上剤として、HLB価が6.0〜8.0の範囲内
にあるグリコールエーテル化合物を、1〜1000重量
部の割合において用いて、ポリウレタンフォーム成形用
水性離型剤組成物を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ポリウレタンフォーム成形用水
性離型剤組成物に係り、特に、ホットキュア法やコール
ドキュア法等によりポリウレタンフォームを成形する際
に用いられる、離型性に優れた水性離型剤組成物に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来から、ポリウレタンフォーム等の発泡
成形品を製造するに際しては、発泡材料、ひいては発泡
成形品の成形金型への付着を防止し、また、金型からの
成形品の脱型(離型)を容易にするために、成形キャビ
ティを与える金型の内面に対して、所定の離型剤を予め
塗布することが、行なわれてきている。
【0003】そして、そのような離型剤としては、離型
性能の点より、一般に、石油系溶剤や塩素系溶剤の如き
有機溶剤に、離型性成分としてのワックス類やシリコー
ン系化合物等が溶解、含有せしめられてなる、所謂、溶
剤タイプの離型剤が用いられているのであるが、そのよ
うな離型剤にあっては、その使用時において、蒸発する
有機溶剤による火災の危険性、更には臭気の問題や作業
者の健康への影響等の作業環境への悪影響等といった問
題が多々内在しており、その対策に困難を生じている。
【0004】一方、かかる有機溶剤に代えて、上記した
問題を惹起することのない水を媒体として用いた水性離
型剤も種々検討されており、例えば、特開平6−226
752号公報においては、離型性成分と炭化水素系の有
機溶剤が、乳化剤で乳化分散された水性離型剤組成物が
提案されてはいるが、そのような従来の水性離型剤にあ
っては、金型への塗布時において、離型剤が金型から弾
かれてしまう等といった問題があり、このため、金型へ
の均一な塗布が困難となって、均一な離型皮膜が形成さ
れ得ない等といった問題を惹起することとなる。そし
て、このようなことから、水性離型剤において、溶剤タ
イプの離型剤に匹敵し、或いはそれに優る離型性能は未
だ実現されてはおらず、それ故に、そのような特性を有
する水性離型剤の開発が望まれているのである。
【0005】
【解決課題】本発明は、上述の如き事情を背景にして為
されたものであって、その解決課題とするところは、火
災の危険性及び作業環境における悪影響を可及的に低減
すると共に、優れた離型性を有するポリウレタンフォー
ム成形用水性離型剤組成物を提供することにある。
【0006】
【解決手段】そこで、本発明者は、上述の如き課題を解
決すべく鋭意検討した結果、HLB価が6.0〜8.0
の範囲内にあるグリコールエーテル化合物を造膜性向上
剤として用い、それが所定の割合において添加された水
性離型剤組成物を塗布することによって、それが塗布さ
れた金型の成形キャビティ面に均一な離型皮膜が形成さ
れ、その結果、前述の如き従来の溶剤タイプの離型剤に
匹敵し、或いはそれに優る離型性が得られる事実を見出
したのである。
【0007】従って、本発明は、かかる知見に基づいて
完成されたものであって、その要旨とするところは、離
型性成分を水中に乳化分散せしめてなる水性離型剤組成
物において、かかる離型性成分の100重量部に対し
て、造膜性向上剤として、HLB価が6.0〜8.0の
範囲内にあるグリコールエーテル化合物を、1〜100
0重量部の割合において、更に配合せしめてなることを
特徴とするポリウレタンフォーム成形用水性離型剤組成
物にある。
【0008】要するに、このような本発明に従うポリウ
レタンフォーム成形用水性離型剤組成物にあっては、添
加される造膜性向上剤としてのグリコールエーテル化合
物が6.0〜8.0という限定されたHLB価を有する
ものであるところから、適度な親水性及び親油性を示
し、それにより、かかる離型剤組成物が、成形金型のキ
ャビティ面において弾かれる等といった問題を生じるこ
となく、均一に塗布され得るのであり、従って、離型性
成分の造膜性が向上し、ムラの無い均一な皮膜が効果的
に形成され得ることとなって、優れた離型性が実現され
るのである。
【0009】しかも、本発明に従うポリウレタンフォー
ム成形用水性離型剤組成物にあっては、水が媒体として
用いられているために、有機溶剤タイプの離型剤におい
て惹起せしめられる如き種々の問題、例えば、火災の危
険性や、臭気、人体への影響等の作業環境、ひいては自
然環境の悪化の問題をも、何等惹起することはないので
ある。
【0010】なお、かくの如き本発明に従う水性離型剤
組成物においては、離型性成分としては、ワックス類又
はシリコーン系化合物が用いられることが望ましく、こ
れにより、離型皮膜の形成がより確実なものとされ得る
のである。
【0011】また、本発明に従う水性離型剤組成物の望
ましい態様の一つによれば、前記グリコールエーテル化
合物としては、エチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロ
ピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエ
ーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル
が挙げられ、それらのうちの少なくとも1種以上が、好
適に用いられることとなる。
【0012】さらに、本発明の望ましい態様の他の一つ
によれば、前記離型性成分やグリコールエーテル化合物
(造膜性向上剤)の乳化分散は、乳化剤を用いて行なわ
れ、また、そのような乳化剤を用いた乳化分散は、離型
性成分及び造膜性向上剤の加熱溶融混合物を加熱した乳
化剤水溶液中に投入して混合せしめることにより、行な
われる。
【0013】
【発明の実施の形態】ここにおいて、本発明に用いられ
るグリコールエーテル化合物は、一般に、その分子内に
エーテル基と水酸基を有するものであり、そして、その
ような分子内に存在する官能基の種類、個数等の化学構
造のバランスにより、その化合物の親水性、親油性の特
性が左右されるのであるが、本発明においては、かかる
化学構造式から導き出される親水親油バランス(HLB
価)が、適度な親水性乃至は親油性を示す範囲内である
ことが必要とされ、それを満たす化合物を水性離型剤組
成物中に乳化状態等の形態で存在せしめることによっ
て、離型剤(離型性成分)の造膜性を効果的に向上せし
めて、均一な離型皮膜が有利に形成(造膜)されること
となるのである。
【0014】そして、本発明においては、そのような条
件を満たすグリコールエーテル化合物として、HLB価
が6.0〜8.0の範囲内にあるものが用いられる必要
があるのであり、その範囲外のHLB価のものでは、本
発明の目的を充分に達成し得ないのである。即ち、かか
るHLB価が、8.0より大きい場合には親水性が高過
ぎるものとなり、逆に6.0未満である場合には親油性
が高過ぎるものとなるため、そのようなグリコールエー
テル化合物を造膜性向上剤として添加した離型剤組成物
にあっては、金型内面上に均一な離型皮膜が形成され得
ず、造膜性の向上を有利に図り得ないのである。
【0015】また、そのような所定のHLB価を示すグ
リコールエーテル化合物の優れた特性を有利に発揮させ
るために、その配合割合としては、離型性成分の100
重量部に対して、1〜1000重量部となる割合が採用
される。けだし、かかるグリコールエーテル化合物の添
加量が1重量部未満となる場合は、造膜性向上剤として
の効果が充分に得られず、離型皮膜が確実に形成され得
ないこととなり、成形品の脱型(離型)が困難なものと
なってしまうのであり、また、1000重量部より多く
しても、それに見合う程の離型性の向上は望み得ないの
みならず、離型剤自体の乾燥性が低下したり、更には、
多量のグリコールエーテル化合物を乳化分散せしめるた
めの乳化剤量を増やさねばならず、そのような乳化剤の
増量によって、成形品の表面特性の悪化、例えば、肌荒
れや脱型不良等、といった問題が惹起されるからであ
る。なお、このグリコールエーテル化合物は、成形金型
に適用される直前の水性離型剤組成物中において、一般
に、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上の
濃度において存在せしめられ、これにより金型内面にお
ける離型皮膜の形成に有利に寄与し得ることとなる。
【0016】さらに、かかる本発明で用いられるグリコ
ールエーテル化合物としては、上記規定範囲内のHLB
価を有するものであれば、公知の各種のグリコールエー
テル化合物が適宜に選択されて用いられ得、例えば、エ
チレングリコールモノヘキシルエーテル(6.40
0)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル
(6.750)、エチレングリコールモノフェニルエー
テル(6.400)、プロピレングリコールモノブチル
エーテル(6.875)、ジプロピレングリコールモノ
ブチルエーテル(6.750)、ジエチレングリコール
モノイソプロピルエーテル(6.875)、ジプロピレ
ングリコールモノプロピルエーテル(7.225)、及
びジエチレングリコールモノブチルエーテル(7.70
0)等を挙げることが出来(括弧内の数値は、何れもH
LB価を表わす)、それらのうちの少なくとも1種以上
が、適宜、選択されて用いられることとなる。そして、
本発明においては、それらの中でも、エチレングリコー
ルモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、又はジプロピレングリコールモノブチル
エーテルが好適に採用され、それによって、より一層優
れた離型性が発揮され得るのである。
【0017】ところで、本発明で用いられるHLB価と
は、上述せる如き親水親油バランスを表わす指標であ
り、そのようなHLB価を求める方法としては、例え
ば、Atlas法、グリフィンの式、Daviesの式
等といった方法がこれまでに種々提案されているが、本
発明においては、その中でも、下記数1にて示されるデ
イビス(Davies)の式(大木道則他3名編、「化
学大辞典」、第278頁、1989年10月20日第1
版、株式会社東京化学同人発行)を用い、グリコールエ
ーテル化合物の化学構造式中の親水基、親油基の基数か
ら、HLB価が算出される。また、本発明のグリコール
エーテル化合物において、親水基としてはエーテル基及
び水酸基が挙げられる一方、親油基としては炭化水素基
が挙げられ、それらの基数は、下記表1にそれぞれ示さ
れている。そして、下記数1及び表1からも明らかなよ
うに、HLB価が大きいことは、親水性が高いものであ
ることを、逆に、HLB価が小さいことは、親油性が高
いものであることを、示しているのである。
【0018】
【数1】
【0019】
【表1】
【0020】また、本発明に従う水性離型剤組成物にお
ける離型性成分としては、従来から公知の各種の離型性
成分が、適宜に選択されて用いられることとなるが、本
発明においては、特に、ワックス類又はシリコーン系化
合物が好適に用いられ、それによって、より一層効果的
に離型皮膜が形成されることとなる。なお、かかるワッ
クス類としては、具体的には、ポリエチレンワックス、
パラフィンワックス、カルナウバワックス、モンタンワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられ、
また、シリコーン系化合物には、シリコーンオイル、シ
リコーン樹脂、アミノ基含有オルガノポリシロキサン等
の公知の各種のものを挙げることが出来る。そして、こ
れらワックス類又はシリコーン系化合物は、それぞれ単
独で、又は適宜に組み合わされて、用いられるのであ
る。
【0021】さらに、本発明においては、水を媒体とす
る水性離型剤組成物として調製するために、上述の如き
離型性成分やグリコールエーテル化合物は、水中に、乳
化剤を用いて乳化分散せしめられることとなる他、かか
る離型性成分を水中に乳化せしめて得られる乳化分散液
中に、所定のグリコールエーテル化合物を添加せしめ
て、均一な組成物とする等の手法も採用されることとな
るのである。なお、ここで用いられる乳化剤としては、
離型性成分及びグリコールエーテル化合物を乳化し得る
ものであれば如何なるものをも採用することが出来、従
来の公知の乳化剤の中から適宜に選択され、例えば、ア
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤等の界面活性剤を挙げること出来る。そし
て、そのような乳化剤の乳化、分散作用によって、離型
性成分やグリコールエーテル化合物が乳化分散され、エ
マルジョン状態の水性離型剤組成物が得られるのであ
る。
【0022】なお、本発明に従う水性離型剤組成物に
は、更に必要に応じて、防腐剤、消泡剤、酸化防止剤等
の、従来より離型剤の成分として含有せしめられる各種
の添加剤を添加することも可能である。但し、それらの
各種の添加剤としては、目的とする離型性及び作業環境
を損なわないものが選択され、適量において使用される
こととなる。
【0023】さらに、本発明に従う、目的とする水性離
型剤組成物を製造するに際しては、当業者に自明な各種
の手法が採用され得るのであるが、特に、以下の如き方
法が有利に採用されることとなるのである。即ち、先
ず、離型性成分にグリコールエーテル化合物、更に必要
に応じて、各種の添加剤を加え、この混合物をそれが溶
融し得る温度(例えば、100〜120℃)に加熱し
て、溶融及び混合を行なった後、その得られた溶融混合
物を、比較的に高温度(例えば、90℃以上)に加熱し
た乳化剤水溶液中に、ホモミキサー等の公知のホモジナ
イズ処理をし得る装置を利用する等して攪拌、混合を行
ないながら、徐々に投入して、乳化液を形成せしめ、更
にその後、得られた乳化液を急冷することにより、微細
な粒子状のエマルジョン(水性離型剤組成物)と為すの
である。また、グリコールエーテル化合物を除く他の成
分(離型性成分+必要な各種添加剤)を、上記と同様に
して、或いは従来と同様にしてエマルジョン化した後、
その得られたエマルジョンに対してグリコールエーテル
化合物を添加して、均一な配合物とすることにより、目
的とする水性離型剤組成物とする手法も、有利に採用可
能である。
【0024】そして、このようにして得られる本発明に
従う水性離型剤組成物は、そのまま使用することも出来
るが、また必要に応じて、水にて希釈して使用すること
も可能である。なお、その使用に際しては、かかる準備
された水性離型剤組成物は、例えば、40〜90℃程度
の適度に加温されたポリウレタンフォーム成形用金型の
少なくとも成形キャビティ面に対して、スプレー又はハ
ケ塗り等の手法で塗布されるのであり、そして、その塗
布された水性離型剤組成物中の水等が金型等の熱により
速やかに蒸発せしめられることによって、目的とする離
型皮膜が効果的に形成されるのである。更に、そのよう
な離型皮膜が形成された後、従来と同様に、金型にウレ
タン原料が注入され、適当な温度と時間の条件の下で、
キュアが行なわれて、目的とするポリウレタンフォーム
成形品が成形され、その後脱型されるのである。なお、
このようなポリウレタンフォーム成形品の金型成形に際
して、本発明におけるポリウレタンフォーム用水性離型
剤組成物は、コールドキュア法やホットキュア法等の成
形法における広い温度範囲で使用可能である特長を有し
ているのである。
【0025】従って、かくの如き本発明に従う水性離型
剤組成物にあっては、所定のHLB価を有するグリコー
ルエーテル化合物が、造膜性向上剤として、所定割合に
て添加せしめられていることにより、それを金型に塗布
する際に、弾かれてしまう等といった従来の水性離型剤
で生じた不具合を何等惹起することなく、均一に塗布せ
しめられ得ることとなるのであって、それにより、離型
性成分の造膜性が向上し、より均一な皮膜が形成され、
優れた離型性を実現し得るのである。そして、そのよう
な離型性の向上に伴い、ポリウレタンフォーム成形品の
不良率が有利に低減せしめられ、以て、生産性の向上が
実現され得るのであり、また、造膜性の向上により、離
型性成分の配合量も従来より少量と為すことが出来るこ
ととなったのである。
【0026】また、そのような本発明に従う水性離型剤
組成物にあっては、水が媒体として用いられているた
め、金型への塗布等の作業時における有機溶剤の蒸発が
無く、離型剤の取扱性や、安全性が向上し、以て、作業
性も有利に改善され得ているのである。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しな
い限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが理解され
るべきである。
【0028】先ず、本発明に従って、離型性成分として
のポリワックス500(ペトロライト社製)に、造膜性
向上剤として、エチレングリコールモノヘキシルエーテ
ル(HLB=6.400)、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル(HLB=6.875)、ジプロピレン
グリコールモノブチルエーテル(HLB=6.75
0)、又はジプロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル(HLB=7.225)を、それぞれ、下記表2に示
される配合割合(重量%)となるように添加して、離型
性成分(ワックス)と造膜性向上剤(グリコールエーテ
ル化合物)との混合物を準備する一方、乳化剤としての
ステアリン酸のモルフォリン塩が、下記表2の配合割合
にて、水に溶解せしめられてなる形態の乳化剤水溶液を
準備した。
【0029】
【表2】
【0030】次いで、上記準備された離型性成分と造膜
性向上剤の混合物を、100〜120℃に加熱し、溶融
させた後、得られた溶融混合物を、90℃以上に加熱し
た乳化剤水溶液中にホモミキサーを用いて攪拌、混合し
ながら、徐々に投入して、乳化液を作り、これを急冷す
ることによって、本発明例1〜6の水性離型剤組成物を
得た。
【0031】また、上述の本発明例1の水性離型剤組成
物を、水を用いて、2倍、3倍及び4倍に希釈すること
により、本発明例7、8及び9の水性離型剤組成物をそ
れぞれ準備し、更に、本発明例3の水性離型剤組成物を
水にて2倍希釈することで、本発明例10の水性離型剤
組成物を得た。
【0032】さらに、造膜性向上剤として、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル(HLB=6.875)
又はジエチレングリコールモノブチルエーテル(HLB
=7.700)を用い、これを、下記表3に示される配
合割合において、離型性成分:ワックス(ポリワックス
500)、乳化剤:ステアリン酸のモルフォリン塩とす
る、前記本発明例と同様にして得られたエマルジョンに
対して添加せしめ、均一に混合せしめることにより、均
一な乳化分散状態にある本発明例11〜14の水性離型
剤組成物を調製した。
【0033】
【表3】
【0034】一方、比較として、グリコールエーテル化
合物ではあるが、そのHLB価が本発明の範囲外の値を
示す、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエ
ーテル(5.450)、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル(8.175)、又はプロピレングリコー
ルモノフェニルエーテル(5.925)を、それぞれ、
下記表4の配合割合において添加して、比較例1〜3の
水性離型剤組成物を準備した。
【0035】
【表4】
【0036】そして、上述のようにして得られた本発明
例1〜14及び比較例1〜3の各水性離型剤組成物を用
いて、後述する性能評価を行なった。
【0037】先ず、離型剤の塗布は、60℃に加温した
SUS製円筒状金型(内径95mm×高さ146mm蓋
付)を、各離型剤組成物中に浸漬し、引き上げた後、液
切りすることにより行ない、そしてその金型を60℃×
5分にて乾燥せしめた。
【0038】次いで、そのような金型の成形キャビティ
にウレタン原料を注入して、目的とする発泡成形品を製
造するのであるが、ここでは、発泡成形時の温度条件の
異なるホットキュア法とコールドキュア法にてポリウレ
タンフォームの発泡成形を行なった。A.ホットフォーム 市販のホットフォーム用ウレタン原料を用い、所定の配
合割合にて、600rpm×10秒間、攪拌及び混合
し、その後直ちに、所定の離型剤組成物の塗布された金
型の成形キャビティに注入し、蓋をした後、120℃×
15分間保持し、その後85℃まで放冷することによっ
て、発泡成形を行なった。なお、ウレタン原料の注入時
に、脱型荷重測定用の針金を、予めインサートした。B.コールドフォーム(コールドHRフォーム) 市販のHR(高弾性)フォーム用ウレタン原料を用い、
所定の配合割合にて、600rpm×10秒間、攪拌及
び混合し、その後直ちに、所定の離型剤組成物の塗布さ
れた金型の成形キャビティに注入し、蓋をした後、60
℃×10分間保持し、発泡成形を行なった。なお、ウレ
タン原料の注入時に、脱型荷重測定用の針金を、金型に
予めインサートした。
【0039】−離型性の評価− 離型性の評価は、上述の如くして製造された各発泡成形
品(ホットフォーム及びコールドHRフォーム)を脱型
(離型)する際に要する荷重(脱型荷重)をオートグラ
フにて測定することで行ない、その結果を下記表5乃至
表7に示した。かかる表中、◎は脱型荷重が98N(1
0kgf)未満であるもの、○は98N(10kgf)
以上、147N(15kgf)未満のもの、△は147
N(15kgf)以上、196N(20kgf)未満の
もの、×は196N(20kgf)以上のものを示して
いる。
【0040】−表面特性(セルオープン性)の評価− 一般に、低温度領域乃至中温度領域(45〜70℃程
度)でキュアされるコールドHRフォームにあっては、
上述の離型性の他に、成形品表面の肌荒れ(セル荒れ)
が少ないこと、及びセルオープン性が良好である等の表
面特性が優れたものであることが要求される。従って、
コールドHRフォームについては、成形品表面のセルオ
ープン性を、成形品表面(トップ部は除く)に占める破
泡セルの割合を面積比を求めることにより評価し、下記
表5乃至表7に併せ示した。なお、かかる表中、○はセ
ルが開いている面積比率が95%以上のものを、△は5
0%以上、95%未満のもの、×は50%未満のものを
表わす。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】かかる表5〜表7の結果からも明らかなよ
うに、グリコールエーテル化合物が添加された水性離型
剤組成物であったとしても、比較例1〜3の如く、HL
B価が本発明の範囲(6.0〜8.0)外のものにあっ
ては、離型性及び表面特性が充分に実現され得ないので
ある。これに対して、所定のHLB価を有するグリコー
ルエーテル化合物が添加された水性離型剤組成物、即
ち、本発明例1〜14のものにあっては、グリコールエ
ーテル化合物が造膜性を向上せしめ、優れた離型性及び
セルオープン性を実現していることがわかる。
【0045】また、かかる造膜性向上剤を添加すること
によって、離型皮膜を形成する離型性成分をその含有量
を少なくしても、効果的に離型皮膜が形成され得ること
も、理解されるのである。
【0046】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に従うポリウレタンフォーム成形用水性離型剤組成物に
あっては、水を媒体として形成されるものであることか
ら、そのような媒体が蒸発しても、それが、火災や、臭
気、人体への影響等の作業環境、ひいては自然環境の悪
化の原因とはならず、それらの問題が何等惹起されない
ことは勿論、所定のHLB価を有するグリコールエーテ
ル化合物が所定割合にて添加せしめられていることによ
り、離型性成分の造膜性が効果的に向上せしめられ得、
以て、従来の有機溶媒からなる溶剤タイプの離型剤に匹
敵乃至はそれに優る離型性を実現することが可能となっ
たのである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/04 C08L 83/04 91/06 91/06 C09K 3/00 C09K 3/00 R // B29K 75:00 B29K 75:00 105:04 105:04 Fターム(参考) 4F202 AA42 AG20 CA01 CM45 CM46 CM64 4J002 AE031 AE041 BB031 CP031 CP091 ED026 EG027 FD206 FD317 GT00 HA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性成分を水中に乳化分散せしめてな
    る水性離型剤組成物において、かかる離型性成分の10
    0重量部に対して、造膜性向上剤として、HLB価が
    6.0〜8.0の範囲内にあるグリコールエーテル化合
    物を、1〜1000重量部の割合において、更に配合せ
    しめてなることを特徴とするポリウレタンフォーム成形
    用水性離型剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記離型性成分が、ワックス類又はシリ
    コーン系化合物である請求項1に記載のポリウレタンフ
    ォーム成形用水性離型剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記グリコールエーテル化合物が、エチ
    レングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリ
    コールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ
    フェニルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
    ーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、
    ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプ
    ロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びジエチ
    レングリコールモノブチルエーテルのうちの少なくとも
    1種である請求項1又は請求項2に記載のポリウレタン
    フォーム成形用水性離型剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記乳化分散が、乳化剤を用いて行なわ
    れている請求項1乃至請求項3の何れかに記載のポリウ
    レタンフォーム成形用水性離型剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記離型性成分及び前記造膜性向上剤
    が、それらの加熱溶融混合物を加熱した乳化剤水溶液中
    に投入して混合せしめることにより、乳化分散せしめら
    れている請求項1乃至請求項4の何れかに記載のポリウ
    レタンフォーム成形用水性離型剤組成物。
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