JP4589153B2 - 巻線方法、ステータの製造方法、及び巻線機 - Google Patents

巻線方法、ステータの製造方法、及び巻線機 Download PDF

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Description

本発明は回転電機に備えられるコアの巻線方法、ステータの製造方法、及び前記コアに巻線を巻回するために用いられる巻線機に関するものである。
従来、回転電機に備えられるコアへの巻線方法として、例えば特許文献1にて開示されているものがある。特許文献1にて開示されている巻線方法において、コアは、直線状に延びる連鎖部と複数のティース部とを備えて構成されている。各ティース部は、連鎖部から該連鎖部の延びる方向と垂直に延びている。そして、連鎖部には、各ティース部間に穴及び溝が形成されており、これらの穴及び溝により連鎖部が折り曲げ可能となっている。
このようなコアは、治具により直線状に延びる連鎖部のティース部と逆側の面が固定され、インシュレータが装着される。次いで、巻線機によって各ティース部に巻線が巻回され、これにより各ティース部にコイルが形成される。次いで、各ティース部が径方向内側となるように連鎖部が折り曲げられ、連鎖部の一方の端部と他方の端部とが当接され、連鎖部が円環状に形成される。
特開平8−149771号公報
ところで、特許文献1にて開示されている巻線方法では、フライヤにて巻線を巻回することにより、コアへの巻線の巻回時間を短縮することが可能である。そして、コアへの巻線の巻回時間を更に短縮するために、フライヤを複数同時に利用することが考えられる。ここで、巻線の巻回時間とは、ティース部に巻線を巻回し始めてから巻線の端部を切断するまでにかかる時間である。
しかしながら、特許文献1にて開示されているコアに対して、フライヤを複数同時に利用する場合、フライヤ同士が互いに干渉してしまい、巻線を巻回することができない。そのため、例えば各ティース部に集中巻にて巻線が巻回される場合には、巻回するコイルの相が変わる度に巻線を切断することになる。また、コイルの配置によっては、一つのティース部に巻線を巻回する度に、一旦巻線を切断し、次のティース部に巻線を巻回することになる。即ち、巻線を切断する回数が多いために巻回時間が増大されてしまう。更に、各コイルを構成する巻線の端部をそれぞれ給電用ターミナルの端子へ溶接することになり、溶接回数の増加によって製造時間が増大してしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、コアへの巻線の巻回時間を更に短縮することができる巻線方法、ステータの製造方法、及び巻線機を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、回転電機に備えられ径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアに巻線を巻回する巻線方法であって、前記コアは、前記ティース部を有し互いに回動可能に連結された複数の分割コア部から構成され、該コアを構成する全ての分割コア部は、前記ティース部が外側となるように環状に配列されると共に、周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結され、環状に配列された該分割コア部は、周方向における前記ティース部間の少なくとも一箇所切り離し可能に連結され、前記全ての分割コア部が周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結された前記コアの外側に配置された複数の巻線手段に対してコアを相対回転させ、前記ティース部を前記巻線手段にそれぞれ対向させる回転工程と、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部を移動手段にて前記コアの外側に向かって移動させること、又は、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部の他の分割コア部を移動手段にて前記コアの内側に向かって移動させることにより、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させて、対向する前記巻線手段側に移動させる移動工程と、前記移動工程にて前記巻線手段に対向配置された前記ティース部に前記巻線手段が前記巻線を巻回する巻線工程とを繰り返す。
請求項2に記載の発明は、回転電機に備えられ径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアに巻線を巻回する巻線方法であって、前記コアは、前記ティース部を有し互いに回動可能に連結された複数の分割コア部から構成され、該コアを構成する全ての分割コア部は、前記ティース部が外側となるように環状に配列されると共に、周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結され、環状に配列された該分割コア部は、周方向における前記ティース部間の少なくとも一箇所切り離し可能に連結され、前記全ての分割コア部が周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結された前記コアの外側に配置された1つの巻線手段に対してコアを相対回転させ、前記ティース部を前記巻線手段に対向させる回転工程と、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部を移動手段にて前記コアの外側に向かって移動させること、又は、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部の他の分割コア部を移動手段にて前記コアの内側に向かって移動させることにより、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させて、対向する前記巻線手段側に移動させる移動工程と、前記移動工程にて前記巻線手段に対向配置された前記ティース部に前記巻線手段が前記巻線を巻回する巻線工程とを繰り返す。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の巻線方法において、前記移動工程では、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部を移動手段により前記コアの外側に向かって移動させると共に、その移動に伴ってその他の分割コア部が前記コアの内側に移動することにより、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させる
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の巻線方法において、前記巻線工程の後の前記回転工程では、前記移動手段により前記ティース部が前記巻線手段に向かって移動された状態で前記コアを前記巻線手段に対して相対回転させ、前記コアの内側に配置された環状化手段にて前記コアを円環状にし、前記移動手段を前記巻線手段に対し後退させた後に前記移動手段を前記巻線手段に対向する位置まで回転させる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の巻線方法において、前記巻線工程では、前記巻線手段に対向された前記ティース部間に配置された前記ティース部を覆うカバー部材が配置される。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の巻線方法において、前記カバー部材に形成された保持部が、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する前記分割コア部に当接して該分割コア部を保持する。
請求項7に記載の発明は、回転電機に備えられ、径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアを備えたステータの製造方法であって、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の巻線方法により、前記コアに巻線を巻回する。
請求項に記載の発明は、回転電機に備えられ径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアに巻線を巻回する巻線機であって、前記ティース部を有し互いに回動可能に連結された複数の分割コア部から構成された前記コアの全ての分割コア部において前記ティース部が外側となるように環状に配列れた前記コアの外側に配置され、前記ティース部に前記巻線を巻回する複数の巻線手段と、前記巻線手段にて前記ティース部に前記巻線が巻回される度に、前記巻線手段に対して前記コアを相対回転させ、前記ティース部を前記巻線手段にそれぞれ対向させる回転手段と、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部を前記コアの外側に向かって移動させる移動手段、又は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部の他の分割コア部を前記コアの内側に向かって移動させる移動手段とを備え、前記巻線手段が外側に配置される前記コアは、その全ての分割コア部が周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結され、環状に配列された該分割コア部において、周方向における前記ティース部間の少なくとも一箇所が切り離し可能に連結されており、前記移動手段は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部、又は該分割コア部の他の分割コア部を移動させることにより、前記巻線手段に対向された前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させて、対向する前記巻線手段側に移動させるとともに、前記巻線手段は、前記移動手段により前記巻線手段に対向配置された前記ティース部に前記巻線を巻回する
請求項に記載の発明は、回転電機に備えられ径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアに巻線を巻回する巻線機であって、前記ティース部を有し互いに回動可能に連結された複数の分割コア部から構成された前記コアの全ての分割コア部において前記ティース部が外側となるように環状に配列れた前記コアの外側に配置され、前記ティース部に前記巻線を巻回する1つの巻線手段と、前記巻線手段にて前記ティース部に前記巻線が巻回される度に、前記巻線手段に対して前記コアを相対回転させ、前記ティース部を前記巻線手段に対向させる回転手段と、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部を前記コアの外側に向かって移動させる移動手段、又は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部の他の分割コア部を前記コアの内側に向かって移動させる移動手段とを備え、前記巻線手段が外側に配置される前記コアは、その全ての分割コア部が周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結され、環状に配列された該分割コア部において、周方向における前記ティース部間の少なくとも一箇所が切り離し可能に連結されており、前記移動手段は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部、又は該分割コア部の他の分割コア部を移動させることにより、前記巻線手段に対向された前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させて、対向する前記巻線手段側に移動させるとともに、前記巻線手段は、前記移動手段により前記巻線手段に対向配置された前記ティース部に前記巻線を巻回する
請求項10に記載の発明は、請求項又は請求項に記載の巻線機において、前記移動手段は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部を前記コアの外側に向かって移動させると共に、その移動に伴ってその他の分割コア部が前記コアの内側に移動することにより、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させる
請求項1に記載の発明は、請求項10に記載の巻線機において、前記回転手段は、前記移動手段及び前記コアを円環状にする環状化手段を備えて構成され、前記移動手段が前記ティース部を前記巻線手段に向かって移動させた状態で前記コアを前記巻線手段に対して相対回転させた後、前記環状化手段が前記コアを円環状にすると共に前記移動手段が前記巻線手段に対して後退し、その後前記移動手段が前記巻線手段に対向する位置まで回転される。
請求項1に記載の発明は、請求項乃至請求項11の何れか1項に記載の巻線機において、前記巻線手段に対向された前記ティース部間に配置された前記ティース部を覆うカバー部材を備えている。
請求項1に記載の発明は、請求項1に記載の巻線機において、前記カバー部材は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する前記分割コア部に当接して該分割コア部を保持する保持部を備えている。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、コアは、ティース部が外側となるように環状にされているため、コアの外側に複数の巻線手段を配置することができる。そのため、同時に複数のティース部に巻線を巻回することができ、その結果、コアへの巻線の巻回時間を更に短縮することができる。
また、各巻線手段に対して同一相のコイルが巻回されるティース部が対向されるようにコアを巻線手段に対して相対回転させることにより、同一相のコイルを連続して巻回することが可能となる。言い換えると、同一の巻線手段にて巻回されたコイルが同一相のコイルとなるようにすることにより、同一相のコイルを連続して巻回することが可能となる。また、各巻線手段では、巻回するコイルの相が変わる回数が減少され、巻回するコイルの相が変わる時に巻線を切断する回数が減少される。よって、従来に比べて巻線の切断に費やされる時間が短縮される。
請求項2に記載の発明によれば、コアは、ティース部が外側となるように環状にされているため、巻線が巻回されるティース部と該ティース部に隣接するティース部との間の間隔が従来よりも広くなる。その結果、巻線手段に対向されたティース部に巻線を巻回するためのスペースが拡大され、巻線の巻回速度を従来に比べて大きくすることが可能となる。その結果、コアへの巻線の巻回時間を更に短縮することができる。
また、巻線手段に対して同一相のコイルが巻回されるティース部が連続して対向されるようにコアを巻線手段に対して相対回転させることにより、同一相のコイルを連続して巻回することが可能となる。そのため、一つのティース部に巻線を巻回する度に、一旦巻線を切断して次のティース部に巻線を巻回する場合と比べて、巻線を切断する回数が減少され、従来に比べて巻線の切断に費やされる時間が短縮される。
請求項1,28,9に記載の発明によれば、巻線手段に対向されたティース部が巻線手段に向かって移動されると、巻線手段に対向されたティース部と該ティース部に隣接するティース部と間の間隔が広くなる。そのため、巻線手段に対向されたティース部に巻線を巻回するためのスペースがより拡大され、巻線の巻回速度をより大きくすることが可能となる。
また、巻線手段に対向されたティース部が巻線手段に向かって移動されると、環状に連結されたコアの外側(外周側)に向かって移動されることになる。そのため、巻線手段は、ティース部が巻線手段に向かって移動されない場合の巻線手段の配置位置よりも、ティース部の移動方向に沿ってよりコアの外側に移動した位置に配置されることが可能となる。これにより、各巻線手段間の間隔がより広くなり、巻線手段同士の干渉がより防止される。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の作用が得られる。
請求項4,1に記載の発明によれば、移動手段によりティース部が巻線手段に向かって移動された状態では、移動手段により移動されていないティース部は円環状にされた状態のコアのティース部よりも内側寄りの位置に配置される。そこで、コアが円環状にされた状態で移動手段をコアに対して相対回転させることにより、移動手段がコアに干渉することが防止され、コアに対する移動手段の確実な相対回転が可能となる。その結果、移動手段の回転時に移動手段がコアに干渉して、巻線手段に対向されるティース部が巻線手段に対して位置ずれすることが防止される。
また、コアを円環状にすると、コアを円環状にしない状態(巻線手段に向かって移動された状態)のまま移動手段を回転させる場合に比べて、移動手段がコアに干渉しない位置まで後退する距離を短くすることができる。そのため、移動手段の後退に費やされる時間が短縮され、コアへの巻線の巻回時間の短縮に貢献することができる。
更に、コアが円環状にされた状態で移動手段を回転させる際には、移動手段がコアに対して相対回転する前に対向していた巻線手段に対向されるまで回転させてもよいし、移動手段が最寄りの巻線手段に対向されるまで回転させてもよい。移動手段が最寄りの巻線手段に対向されるまで回転される場合には、移動手段の回転にかかる時間が短縮される。
請求項5,1に記載の発明によれば、巻線手段に対向されたティース部間に配置されたティース部がカバー部材にて覆われることにより、巻線巻回中のティース部に隣接するティース部に巻線が引っ掛かることが防止される。
請求項6,1に記載の発明によれば、巻線手段に対向されたティース部が保持部によって保持されるため、巻線の巻回中にティース部が移動することが抑制される。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の発明と同様の作用が得られる。
請求項に記載の発明によれば、コアは、ティース部が外側となるように環状にされているため、コアの外周に複数の巻線手段を配置することができる。そのため、同時に複数ティース部に巻線を巻回することができ、その結果、コアへの巻線の巻回時間を更に短縮することができる。
また、各巻線手段には、同一相のコイルが巻回されるティース部が対向されるようにコアを巻線手段に対して相対回転させることにより、同一相のコイルを連続して巻回することが可能となる。言い換えると、同一の巻線手段にて巻回されたコイルが同一相のコイルとなるようにすることにより、同一相のコイルを連続して巻回することが可能となる。また、各巻線手段では、巻回するコイルの相が変わる回数が減少され、巻回するコイルの相が変わる時に巻線を切断する回数が減少される。よって、従来に比べて巻線の切断に費やされる時間が短縮される。
請求項に記載の発明によれば、コアは、ティース部が外側となるように環状にされているため、巻線が巻回されるティース部と該ティース部と隣接するティース部との間の間隔が従来よりも広くなる。その結果、巻線手段に対向されたティース部に巻線を巻回するためのスペースが拡大され、巻線の巻回速度を従来に比べて大きくすることが可能となる。その結果、コアへの巻線の巻回時間を更に短縮することができる。
また、巻線手段に対して同一相のコイルが巻回されるティース部が連続して対向されるようにコアを巻線手段に対して相対回転させることにより、同一相のコイルを連続して巻回することが可能となる。そのため、一つのティース部に巻線を巻回する度に、一旦巻線を切断して次のティース部に巻線を巻回する場合と比べて、巻線を切断する回数が減少される。よって、従来に比べて巻線の切断に費やされる時間が短縮される。
本発明によれば、コアへの巻線の巻回時間が更に短縮される巻線方法、ステータの製造方法、及び巻線機を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
まず、本実施形態におけるブラシレスモータの構成を説明する。
図1に示す回転電機としてのブラシレスモータMは、例えば、図示しない車両のステアリングホイールに連結され車両操舵軸の作動をアシストするためのパワーステアリング装置用モータである。ブラシレスモータMは、ステータ1と、該ステータ1の内側に配置されるロータ2(図1において一点鎖線で示す)と、ハウジング3とを備えて構成されている。ロータ2は、周方向に配置される複数のマグネット(図示略)を備えており、該マグネットがステータ1と対向配置されるようにして該ステータ1の内側に配置されている。そして、ブラシレスモータMがパワーステアリング装置に用いられる場合には、このロータ2が前記車両操舵軸に連結される。
ステータ1は、略筒状のハウジング3内に配設され、インシュレータ4を介して巻線5が巻装されるコアとしてのステータコア6を備えている。ステータコア6は、鉄系の磁性材料よりなる。
ステータコア6は、ハウジング3の内周に固定される環状部7と、該環状部7の内周面から径方向に沿って延設された12個のティース部8a〜8lとを備えている。ティース部8a〜8lは、周方向に等角度(30°)間隔に配置されている。そして、これらのティース部8a〜8lに巻線5が集中巻にて巻回されることにより、12個のコイルが形成されている。詳しくは、ティース部8e,8d,8k,8jには、同一相(U相)となるコイルU1〜U4がそれぞれ巻回されており、ティース部8a,8l,8g,8fには、同一相(V相)となるコイルV1〜V4がそれぞれ巻回されている。また、ティース部8i,8h,8c,8bには、同一相(W相)となるコイルW1〜W4がそれぞれ巻回されている。そして、巻線5には三相交流電源が供給される。
図1及び図2(a)(b)(c)に示すように、ステータコア6は、周方向に分割された形状で互いの回動が許容される複数の分割コア部13から構成されている。本実施形態では、ステータコア6は、ティース部8a〜8l毎に分割された12個の分割コア部13から構成されている。各分割コア部13は、図3(a)(b)に示す第1積層部材11と、図4(a)(b)に示す第2積層部材12とが交互に積層されて形成されている。
図3(a)に示すように、第1積層部材11は、円弧状に延びる積層前分割環状部11aと、積層前分割環状部11aの長手方向の中央部から、略直交方向(前記円弧状の軸中心方向)に延びる積層前ティース部11bとを有している。積層前ティース部11bの先端部には、周方向に延びる積層前突片11cが形成されている。また、積層前ティース部11bには、板厚方向(軸方向)の一方(図3(b)において上方)に第1嵌合凹部11dが形成され、且つ板厚方向の他方(図3(b)において下方)に第1嵌合凸部11eが形成されている。第1嵌合凹部11dと第1嵌合凸部11eとは、板厚方向に並んで形成されると共に、その組が積層前ティース部11bの延設方向に2つ並んで形成されている。
前記積層前分割環状部11aの周方向の一端部(図3(a)において左側の端部)には、軸方向(板厚方向)から見た形状が周方向に円弧凸状の円弧凸部11fが形成されている。また、積層前分割環状部11aの周方向の他端部(図3(a)において右側の端部)には、軸方向から見た形状が周方向に円弧凹状の円弧凹部11gが形成されている。即ち、積層前分割環状部11aの周方向両端部には、複数の第1積層部材11を側方に配列した際(図2(a)参照)に、それぞれが嵌って(案内しながら)第1積層部材11同士の回動を許容するように円弧凸部11fと円弧凹部11gとが形成されている。
積層前分割環状部11aの周方向端部において、円弧凸部11f及び円弧凹部11gよりも環状部7の径方向内側の部分には、隣り合う分割コア部13の回動の(閉時の)終端位置で当接する周方向当接面11hが形成されている。周方向当接面11hは、前記環状部7の径方向に沿って延びており、回動の終端位置で隣接する積層前分割環状部11aの周方向当接面11hに当接するように形成されている。また、前記円弧凸状及び前記円弧凹状の円弧の中心は、軸方向から見て前記周方向当接面11hの延長線上に設定されている。そして、前記円弧凸状の円弧は略半円形状であり、前記円弧凹状の円弧は90度(円の1/4)である。積層前分割環状部11aの周方向他端部における円弧凹部11gのより環状部7の径方向外側には、環状部7の径方向外側に延びる直線部11iが形成されている。また、積層前分割環状部11aにおける積層前ティース部11bと逆側の面には、その周方向中央部に矩形状に凹設された積層前被係合部11kが形成されている。
前記第2積層部材12は、図4(a)に示すように、第1積層部材11と対称形状に形成されている。即ち、第2積層部材12は、円弧状に延びる積層前分割環状部12aと、積層前分割環状部12aの長手方向の中央部から略直交方向(前記円弧状の軸中心方向)に延びる積層前ティース部12bとを有している。積層前ティース部12bの先端部には、周方向に延びる積層前突片12cが形成されている。また、積層前ティース部12bには、板厚方向(軸方向)の一方(図4(b)において上方)に第2嵌合凹部12dが形成され、且つ板厚方向の他方(図4(b)において下方)に第2嵌合凸部12eが形成されている。第2嵌合凹部12dと第2嵌合凸部12eは、板厚方向に並んで形成されると共に、その組が積層前ティース部12bの延設方向に2つ並んで形成されている。
前記積層前分割環状部12aの周方向の他端部(図4(a)において右側の端部)には、軸方向(板厚方向)から見た形状が周方向に円弧突状の円弧凸部12fが形成されている。また、積層前分割環状部12aの周方向の一端部(図4(a)において左側の端部)には、軸方向から見た形状が周方向に円弧凹状の円弧凹部12gが形成されている。即ち、積層前分割環状部12aの周方向両端部には、複数の第2積層部材12を側方に配列した際(図2(a)参照)に、それぞれが嵌って(案内しながら)第2積層部材12同士の回動を許容するように円弧凸部12fと円弧凹部12gとが形成されている。
積層前分割環状部12aの周方向端部における円弧凸部12f及び円弧凹部12gより環状部7の径方向内側には、隣り合う分割コア部13の回動の(閉時の)終端位置で当接する周方向当接面12hが形成されている。周方向当接面12hは、前記環状部7の径方向に沿って延びており、回動の終端位置で隣接する積層前分割環状部12aの周方向当接面12hに当接するように形成されている。また、前記円弧凸状及び前記円弧凹状の円弧の中心は、軸方向から見て前記周方向当接面12hの延長線上に設定されている。そして、前記円弧凸状の円弧は略半円形状であり、前記円弧凹状の円弧は90度(円の1/4)である。積層前分割環状部12aの周方向一端部における円弧凹部12gより環状部7の径方向外側には、環状部7の径方向外側に延びる直線部12iが形成されている。また、積層前分割環状部12aにおける積層前ティース部12bと逆側の面には、その周方向中央部に矩形状に凹設された積層前被係合部12kが形成されている。
上記のように構成された第1積層部材11と第2積層部材12とが交互に積層されることにより、図2(b)(c)に示すように、積層前分割環状部11a,12aよりなる分割環状部13aと、積層前ティース部11b,12bよりなるティース部8a〜8lとを有する分割コア部13が形成されている。また、第1積層部材11と第2積層部材12とが交互に積層されることにより、積層前被係合部11k、12kよりなる被係合部13bが形成されている。この際、第1積層部材11及び第2積層部材12は、第1嵌合凸部11eが第2嵌合凹部12dに圧入嵌合され、第2嵌合凸部12eが第1嵌合凹部11dに圧入嵌合されることにより互いに固定されている。この分割コア部13における分割環状部13aの周方向の一端部は、円弧凸部11fと円弧凹部12gとにより凹凸を繰り返す形状とされ、同周方向の他端部は、円弧凸部12fと円弧凹部11gとにより凹凸を繰り返す形状とされる(図2(b)参照)。そして、12個の分割コア部13が、分割環状部13aの長手方向(図2(a)の左右方向であって矢印X方向)に移動されて前記凹凸が互いに嵌め合わされてティース部8a〜8lが内側となるように円環状に配列されると、分割環状部13aにより環状部7が形成され、ティース部8a〜8lが周方向に配置される(図1参照)。また、複数の分割コア部13が矢印X方向に沿って配列された状態では、隣り合う分割コア部13における分割環状部13aの周方向の凹凸が互いに嵌り合うことにより、円弧凸部11f,12fが軸方向に重なって配置される。更に、複数の分割コア部13が配列された状態では、円弧凸部11f,12f及び円弧凹部11g,12gの円弧状の曲面によって、隣接する分割コア部13の回動が案内される。即ち、この状態では、前記円弧凹状及び前記円弧凸状により、隣接する分割コア部13同士の回動が許容される。尚、前記円弧凹状及び前記円弧凸状は、これら同士では互いに連結するものではない。
前記インシュレータ4は、図5乃至図8に示すように、分割コア部13に対応した形状の第1インシュレータ部材21及び第2インシュレータ部材22よりなる。第1及び第2インシュレータ部材21,22は、絶縁性を有する樹脂材料よりなる。第1及び第2インシュレータ部材21,22は、分割環状部13aの軸方向片側端面上に配置される弧状端面部21a,22aと、分割環状部13aの内周面を覆う内周端面部21b,22bとを備えている。また、第1及び第2インシュレータ部材21,22は、ティース部8a〜8lの軸方向片側端面を覆う端面部21c,22cと、ティース部8a〜8lの両側面を覆う一対の側面部21d,22dとを備えている。前記弧状端面部21a,22aは、巻回される巻線5の径方向外側へのはみ出しを規制すべく軸方向に突出して形成され、その一部には巻線5を係止可能な係止溝21e,22eが形成されている。また、前記端面部21c,22cにおける弧状端面部21a,22aと逆側の端部(図5及び図7において下端部)には、巻回される巻線5の径方向内側へのはみ出しを規制すべく軸方向に立設された内側規制壁21f,22fが形成されている。
図5及び図6に示すように、第1インシュレータ部材21における前記分割環状部13aの周方向端部と対応した位置であって弧状端面部21aの周方向端部(両端部)には、軸方向に延びる挿入孔21gが形成されている。挿入孔21gには、軸直交方向に延びる(軸方向から見て挿入孔21gの径方向に延びる)鉤状切り欠き部21hが形成されている。第1インシュレータ部材21における一対の鉤状切り欠き部21hは、図6に示すように、内側規制壁21f側(図6において下側)に向かうほど離間するように(図6において、左斜め下方向と右斜め下方向に)延びている。
図7及び図8に示すように、第2インシュレータ部材22における前記分割環状部13aの周方向端部と対応した位置であって弧状端面部22aの周方向端部(両端部)には、軸方向に延びる挿入凸部22gが形成されている。挿入凸部22gは、前記挿入孔21gと共に連結部を構成する。挿入凸部22gには、その先端に軸直交方向に延びる(軸方向から見て挿入凸部22gの径方向に延びる)鉤状突出部22hが形成されている。鉤状突出部22hは、第1インシュレータ部材21と第2インシュレータ部材22とが所定の回動角度をなした状態で挿入凸部22gを挿入孔21gに挿入可能とし、且つ所定の回動角度以外の回動角度をなした状態で挿入凸部22gを挿入孔21gに対して挿抜不能とするように形成されている。即ち、鉤状突出部22hは、前記所定の回動角度でのみ鉤状切り欠き部21hと一致するように形成されている。本実施形態では、第2インシュレータ部材22における一対の鉤状突出部22hは、図8に示すように、内側規制壁22f側(図8において下側)に向かう程離間するように(図8において左斜め下方向と右斜め下方向)延びている。
前記所定の回動角度は、合わせて12個(6個ずつ)の第1及び第2インシュレータ部材21,22を内側規制壁21f,22fが外側を向くように円環状に配列した際に、第1及び第2インシュレータ部材21,22がなす角度に設定されている。この所定の回動角度をなすように第1及び第2インシュレータ部材21,22が配列された状態では、鉤状突出部22hが鉤状切り欠き部21hと一致し、挿入凸部22gを挿入孔21gに挿入可能となる。鉤状突出部22hと鉤状切り欠き部21hとが軸方向に一致した状態で、挿入凸部22gが挿入孔21gに挿入されることにより、第1及び第2インシュレータ部材21,22は、交互に配設されると共に互いに回動可能に連結されている。尚、合わせて12個の第1及び第2インシュレータ部材21,22の両端部(両端部の第1及び第2インシュレータ部材21,22における端部)には、ピン挿入孔23a,23bが形成されており、これらピン挿入孔23a,23bが軸方向に重なることにより一つのピン挿入孔23が形成される。
また、図1に示すように、ステータコア6(分割コア部13)に第1及び第2インシュレータ部材21,22が装着され、12個の分割コア部13がティース部8a〜8lが内側となるように円環状にされた状態では、鉤状突出部22hが鉤状切り欠き部21hと一致しないため、挿入孔21gから挿入凸部22gが抜脱不能となっている。また、第1及び第2インシュレータ部材21,22が所定の回動角度をなすように配置された状態であっても、軸方向に沿った方向の力が加わらなければ、挿入凸部22gは挿入孔21gから抜けることはない。
上記のように構成されたインシュレータ4は、前記円弧凸部11f,12f同士が軸方向に重なった状態の複数の分割コア部13に装着される。そして、各分割コア部13は、インシュレータ4が装着されることにより該インシュレータ4を介して隣接する分割コア部13に対して回動可能に連結される。尚、挿入孔21g及び挿入凸部22gの軸中心は、前記円弧凸部11f,12f及び前記円弧凹部11g,12gの軸中心と同じに設定されており、該軸中心に隣り合う分割コア部13が回動可能とされる。また、インシュレータ4(第1及び第2インシュレータ部材21,22)は、分割コア部13の軸方向に一対、即ち軸方向の一方と他方に上下対称にそれぞれ設けられている。
インシュレータ4が装着されたコア6のティース部8a〜8lには、該インシュレータ4を介して巻線5が巻回される。そして、コア6は、ティース部8a〜8lが内側となるように環状にされ、環状部7がハウジング3に内嵌される。これにより、各分割コア部13の相対移動が規制されている。
次に、上記のように構成されたコア6に巻線5を巻回するための巻線機31の構成を説明する。
図9乃至図12に示すように、巻線機31は、ターンテーブル41、環状化手段としての環状化機構51、移動手段としての保持機構61、カバー部材としての巻線ガイド71、フライヤ91〜93、及び制御装置(図示略)を備えて構成されている。
図12に示すように、巻線機31は基台32を備えている。基台32の上面には、該基台32から突出して形成された円筒状の載置台33が形成されている。また、基台32の上面中央部(載置台33の内側)には、該上面と直交するように回転軸34が配設されている。回転軸34は、基台32側の基端部が基台32の内部に配置され、同基台32の内部に設けられたサーボモータ35の回転軸(図示略)に一体回転可能に連結されている。また、回転軸34の先端には、ターンテーブル41が固定されている。そして、サーボモータ35が駆動されると、回転軸34が回転され、回転軸34と共にターンテーブル41が回転される。図9に示すように、ターンテーブル41は、回転軸34の軸方向から見た形状が正三角形状の三角柱状をなしている。また、ターンテーブル41は、回転軸34の軸方向から見ると、3つの角部が丸みを帯びている。巻線機31を用いてティース部8a〜8lに巻線5が巻回される際には、このターンテーブル41の外周側に、ティース部8a〜8lが外側となるように環状に連結された分割コア部13が配置される。
ターンテーブル41には、前記環状化機構51が設けられている。環状化機構51は、ターンテーブル41において平面状をなす3つの側面41a〜41cの幅方向中央部で側面41a〜41cと直交する方向(回転軸34の径方向)に進退可能に設けられた駆動部材52と、該駆動部材52の先端部に固定された環状化部材53とを備えて構成されている。駆動部材52は、ターンテーブル41の内部に設けられた図示しない駆動機構によって駆動される。
環状化部材53は、側面41a〜41cに当接する平面部53aと、円弧状をなす円弧面53bとを備え、略蒲鉾状をなしている。円弧面53bは、前記分割コア部13をティース部8a〜8lが外側となるように連結して円環状にした場合に分割コア部13の内側で全ての分割環状部13aに接する内接円と同様の曲率で湾曲している。この環状化部材53は、駆動部材52によって側面41a〜41cと直交する方向(回転軸34の径方向)に沿って移動される。そして、駆動部材52がターンテーブル41の内側に向かって最も後退されると、平面部53aが側面41a〜41cに当接する。また、ターンテーブル41の外周に環状のコア6が配置された状態において、駆動部材52がターンテーブル41の外側に向かって最も進出されると、円弧面53bがそれぞれ3つの分割コア部13の分割環状部13aに当接し、12個の分割コア部13を円環状にする。尚、この環状化部材53は、それだけでコア6を保持するものではない。そのため、回転軸34の軸方向から見た環状化部材53の移動範囲内において、環状化部材53が最も進出された状態(若しくは僅かに後退された状態)でターンテーブル41が回転されると、環状化部材53はコア6に対して周方向に相対移動される。この時、コア6は円環状にされた状態で載置台33上で静止している。尚、ターンテーブル41及び環状化機構51は、連結された分割コア部13を円環状にする場合以外には、分割環状部13aに干渉しない大きさ(径方向の大きさ)となっている。
図12に示すように、前記保持機構61は、ターンテーブル41に設けられている。保持機構61は、回転軸34の軸方向から見ると、前記環状化部材53の間であって、正三角形状をなすターンテーブル41の頂部に備えられている。この保持機構61は、ターンテーブル41の頂部で回転軸34の径方向に沿って進退可能に設けられた駆動部材62と、該駆動部材62の先端に固定された保持部材63とを備えて構成されている。駆動部材62は、ターンテーブル41の内部に設けられた図示しない駆動機構によって駆動される。
保持部材63は、駆動部材62の先端に固定された保持部材本体64と、該保持部材本体64における回転軸34の軸方向の両端部に一体に形成された一対のプレート保持部65とを備えて構成され、周方向から見た形状がコ字状をなしている。
各保持部材本体64は板状をなしており、そのターンテーブル41の回転方向の幅が、前記分割環状部13aの周方向の幅よりも若干小さく形成されている。また、保持部材本体64における回転軸34の軸方向に沿った長さは、分割コア部13(コア6)の軸方向の長さと等しく形成されている。そして、保持部材本体64における回転軸34の径方向外側の面である当接円弧面64aは、分割環状部13aの反ティース部8a〜8l側の面と等しい曲率の円弧状をなしている。この当接円弧面64aは、ティース部8a〜8lに巻線5を巻回する際に、ターンテーブル41の外周に配置された分割コア部13と対向する。また、当接円弧面64aの幅方向の中央には、回転軸34の軸方向に沿って延びる係合部64bが一体に形成されている。係合部64bは、分割コア部13に形成された被係合部13bに対応した形状に形成されている。
一対の前記プレート保持部65は、回転軸34の径方向外側の一端部が当接円弧面64aよりも外側となるようにして保持部材本体64と一体に形成されている。そして、各プレート保持部65における回転軸34の径方向外側の一端面は、前記第1及び第2インシュレータ部材21,22の弧状端面部21a,22aにおける反ティース部8a〜8l側の面と等しい曲率の円弧状をなす当接円弧面65aとなっている。そして、前記保持部材本体64における回転軸34の軸方向の長さが分割コア部13の軸方向の長さと等しく形成されていることから、対をなすプレート保持部65は、互いに向き合う面65b間の距離が、分割コア部13の軸方向の長さと等しくなるように配置されている。
このような保持部材63と前記環状化部材53とは、図9及び図10に示すように、環状化機構51の駆動機構によって環状化部材53がターンテーブル41から離れる方向に移動(前進)されると、保持機構61の駆動機構によって保持部材63が軸方向から見てターンテーブル41の内側に向かって移動(後退)される。そして、環状化部材53が側面41a〜41cと直交する方向に沿ってターンテーブル41から最も離れた位置に移動された状態では、保持部材63は、軸方向から見た保持部材63の移動範囲内において、最もターンテーブル41の内側寄りの位置に配置される。逆に、環状化部材53が側面と直交する方向に沿ってターンテーブル41に最も近い位置、即ち平面部53aが側面41a〜41cに当接する位置に移動(後退)された状態では、保持部材63は、軸方向から見た保持部材63の移動範囲内において、最もターンテーブル41の外側寄りの位置に配置(前進)される。
そして、図10に示すように、保持部材63は、ターンテーブル41の外周に環状のコア6が配置された状態において、軸方向から見て最もターンテーブル41の外側寄りの位置に配置されると、ティース部8a〜8lが外側となるように連結された分割コア部13の内側で、3つ置きの分割コア部13にそれぞれ当接して保持する。詳しくは、保持部材63が前進されると、該保持部材63によって3つ置きの分割コア部13が後述のフライヤ91〜93に向かって移動される。そして、保持部材63は、該保持部材63によって保持された3つの分割コア部13間に位置する分割コア部13の分割環状部13aが略直線状となるまで、駆動機構によって回転軸34の径方向に沿ってターンテーブル41の外側に移動される。分割環状部13aが略直線状となった状態では、保持部材63によって保持される分割コア部13間に配置された分割コア部13に装着された第1及び第2インシュレータ部材21,22の挿入孔21g及び挿入凸部22gが一直線上に位置される。また、保持部材63によって保持される分割コア部13間に配置された分割コア部13のティース部8b〜8d,8f〜8h,8j〜8lは、互いに平行に延びている。このように保持部材63が、3つの分割コア部13を保持することにより、保持部材63によって保持された分割コア部13間に配置された分割コア部13は、前記挿入孔21g及び前記挿入凸部22gが配置された直線と直交する方向に移動されることが防止される。
またこの時、保持部材本体64の当接円弧面64aが、保持している分割コア部13の分割環状部13aの反ティース部8a,8e,8i側の面に当接すると共に、当接円弧面64aに形成された係合部64bが被係合部13bに嵌め合わされる。また、プレート保持部65の当接円弧面65aが保持部材63にて保持している分割環状部13aに装着された第1及び第2インシュレータ部材21,22の弧状端面部21a,22aに当接すると共に、プレート保持部65の面65bが分割環状部13aの軸方向の端面に当接する。これにより、保持部材63にて保持された分割コア部13の軸方向及び径方向及び周方向(回転軸34の軸方向及び径方向及び周方向に沿った方向)の移動が規制される(図12参照)。
図9及び図10に示すように、前記巻線ガイド71は、ターンテーブル41の外周側に配置されている。詳しくは、巻線ガイド71は、周方向に等角度間隔に配置されると共に、周方向において前記保持部材63間に配置され、保持部材63にて保持された3つの分割コア部13のティース部8e,8a,8iの側方に位置する。巻線ガイド71は、巻線ガイド本体72と、該巻線ガイド本体72と一体に形成された保持部としてのガイド部材73とを備えて構成されている。そして、巻線ガイド71は、一端が該巻線ガイド71に固定され、他端がターンテーブル41に連結されたアーム部材74によってそれぞれ支持されている。従って、巻線ガイド71は、ターンテーブル41と共に回転する。アーム部材74は、例えばエアシリンダにて駆動され、ターンテーブル41及び保持部材63に接触しない範囲で回転軸34の径方向に沿って移動される。尚、巻線ガイド71は、ターンテーブル41と非連結であってもよい。
図10に示すように、巻線ガイド本体72は、軸方向から見ると、ターンテーブル41に近づくに連れて徐々に幅が広くなるように形成された台形状をなしている。そして、巻線ガイド本体72のターンテーブル41側の面72aの幅は、保持部材63によって3つ置きの分割コア部13が保持された状態で、保持部材63によって保持された分割コア部13間に配置された3つの分割コア部13のティース部8b〜8d,8f〜8h,8j〜8lの幅と略等しく形成されている。また、巻線ガイド本体72の軸方向の長さは、分割コア部13の軸方向の長さと略等しく形成されている。
巻線ガイド本体72の面72aにおけるティース部8a〜8lの配列方向の両端部には、板状の前記ガイド部材73が延設されている。ガイド部材73は、各巻線ガイド71において、該ガイド部材73の基端から先端に向かうに連れて互いに離れるように形成され、軸方向から見た形状がターンテーブル41側に開くハの字状となっている。
前記エアシリンダが駆動されることによりアーム部材74を介して巻線ガイド71がターンテーブル41側に移動されると、巻線ガイド71は、保持部材63によって保持された分割コア部13間に配置された分割コア部13が有するティース部8a〜8lを覆う。また同時に、ガイド部材73の先端面73aが保持部材63によって保持された分割コア部13における分割環状部13aの周方向(ティース部の延設方向と直交する方向)の端面に当接する。因みに、分割環状部13aの周方向の端面は、図3(a)及び図4(a)に示す周方向当接面11h,12hにて構成される面である。これにより、保持部材63に保持された3つの分割コア部13は、それぞれ、該分割コア部13のティース部8a,8e,8iの側方に位置するガイド部材73によっても保持される。尚、ガイド部材73の先端面73aが保持部材63によって保持された分割コア部13における分割環状部13aの周方向の端面に当接した状態では、回転軸34の軸方向から見ると、ガイド部材73と該ガイド部材73が当接する分割環状部13aとが略直線状になる。
図9に示すように、前記巻線ガイド71間には、フライヤ91〜93(巻線手段)が配置されている。これらのフライヤ91〜93は、保持部材63に保持される分割コア部13を挟んで、保持部材63と対向する位置に配置されている。そして、フライヤ91〜93は、保持部材63によって保持された分割コア部13のティース部8a〜8l、即ち該フライヤ91〜93に対向されたティース部8a〜8lに同時に巻線5を巻回する。
前記制御装置は、巻線機31の制御を行うためのものである。前記サーボモータ35、環状化機構51の駆動機構、及び保持機構61の駆動機構等を制御する。
次に、上記のように構成された巻線機31にてティース部8a〜8lに巻線を巻回する巻線方法を説明する。
まず、12個の分割コア部13が、分割環状部13aの円弧凸部11f,12f及び円弧凹部11g,12gにより形成された凹凸を互いに嵌め合わされつつ配列されてコア6が形成される。次いで、この状態のコア6に第1及び第2インシュレータ部材21,22が装着される。各分割コア部13は、第1及び第2インシュレータ部材21,22が装着されることにより、互いにバラバラになることが防止されると共に、隣接する分割コア部13に対して回動可能に連結される。即ち、各分割コア部13は、第1及び第2インシュレータ部材21,22を介して間接的に隣接する分割コア部13に対して回動可能に連結される。そして、連結された分割コア部13は、ティース部8a〜8lが外側となるように環状にされる。この時、連結された第1及び第2インシュレータ部材21,22の両端部に形成されたピン挿入孔23a,23bが軸方向に重ねられ、一つのピン挿入孔23が形成される。そして、ピン挿入孔23にピン15が挿入される。これにより、コア6は環状に維持される。尚、第1及び第2インシュレータ部材において、ピン15にて連結された第1インシュレータ部材21及び第2インシュレータ部材22は、ピン15により回動可能に連結されると共に、ピン挿入孔23からピン15を取り外すことにより切り離し可能となっている。
次いで、ターンテーブル41の外周にコア6が配置される。この時、図9及び図11に示すように、環状化部材53が軸方向から見た該環状化部材53の移動範囲内において最もターンテーブル41の外側に向かって移動されており、環状化部材53によってコア6は円環状にされている。そして、コア6は、円環状をなした状態で載置台33上に載置されている。尚、この時、保持部材63は、軸方向から見た保持部材63の移動範囲内で、最もターンテーブル41の内側寄りの位置に配置されている。また、巻線ガイド71は、軸方向から見た巻線ガイド71の移動範囲内で、最もターンテーブル41から離れた位置に配置されている。
次いで、図10及び図12に示すように、環状化部材53がターンテーブル41側に移動(後退)されると共に、保持部材63が駆動され、軸方向から見た保持部材63の移動範囲内で最もターンテーブル41から離れた位置に移動(前進)される。これにより、保持部材63によって3つ置きの分割コア部13がフライヤ91〜93に向かって移動される。即ち、図10においては、ティース部8e,8a,8iがフライヤ91〜93に向かって移動され、それぞれフライヤ91〜93に対向配置される。そして、3対の保持部材63は、コア6の内側から3つ置きの分割コア部13をそれぞれ保持する。即ち、保持部材本体64の当接円弧面64aが、保持している分割コア部13の分割環状部13aの反ティース部8e,8a,8i側の面に当接すると共に、当接円弧面64aに形成された係合部64bが被係合部13bに嵌め合わされる(図12参照)。また、プレート保持部65の当接円弧面65aが保持部材63にて保持している分割環状部13aに装着された第1及び第2インシュレータ部材21,22の弧状端面部21a,22aに当接する。
また、保持部材63が、該保持部材63の移動範囲内において、最もターンテーブル41から離れた位置に移動されると、保持部材63によって保持される3つの分割コア部13間に位置する分割コア部13の分割環状部13aが略直線状となる。そして、分割環状部13aが略直線状となった状態では、保持部材63によって保持される分割コア部13間に配置された分割コア部13に装着された第1及び第2インシュレータ部材21,22の挿入孔21g及び挿入凸部22gが一直線上に位置される。
次いで、図10に示すように、巻線ガイド71が、軸方向から見た巻線ガイド71の移動範囲内において最もターンテーブル41側に移動されてティース部8e,8a,8iの側方に配置される。そして、各ガイド部材73の先端面73aが、保持部材63にて保持された分割コア部13の分割環状部13aの周方向の端面に当接する。これにより、保持部材63によって保持された分割コア部13間に位置する分割コア部13のティース部8b〜8d,8f〜8h,8j〜8lが、巻線ガイド71によって覆われる。
次いで、保持部材63によって保持された分割コア部13のティース部8e,8a,8iにフライヤ91〜93にて巻線5が巻回される(巻線工程)。詳しくは、フライヤ91と対向する位置に配置されたティース部8eにはU相のコイルであるコイルU1が巻回され、フライヤ92と対向する位置に配置されたティース部8aにはV相のコイルであるコイルV1が巻回され、フライヤ93と対向する位置に配置されたティース部8iにはW相のコイルであるコイルW1が巻回される。この時、各ティース部8e,8a,8iの側方に配置された巻線ガイド71によって、各ティース部8e,8a,8iに巻回される巻線5が案内される。即ち、巻線5は、その巻始めにおいて、巻線ガイド本体72の面72bに当接されると共に、ガイド部材73のフライヤ91〜93側の面73bに当接されることにより、弧状端面部21a,22aに当接されてティース部8e,8a,8iの基端部に巻回される。
ティース部8e,8a,8iに巻線5が巻回されることによりコイルU1,V1,W1が形成されると、サーボモータ35が駆動され、ターンテーブル41が所定の角度だけ回転される(回転工程)。ここで、所定の角度とは、次に巻線を巻回するティース部8d,8h,8lをフライヤ91〜93に対向する位置まで移動させるために回転させる角度である。従って、ここでは、ターンテーブル41は、図9において反時計方向に30°回転される。この時、ターンテーブル41に設けられている環状化機構51及び保持機構61、更にアーム部材74を介して回転軸34に接続されている巻線ガイド71が、ターンテーブル41と共に回転される。
次いで、ターンテーブル41と共に回転した巻線ガイド71が後退される。即ち、巻線ガイド71は、軸方向から見た巻線ガイド71の移動範囲内において最もターンテーブル41から離れた位置に移動される。
次いで、保持部材63が後退されると同時に、環状化部材53が前進される。これにより、保持部材63は、軸方向から見た保持部材63の移動範囲内において最もターンテーブル41側に移動される。同時に、環状化部材53は、軸方向から見た環状化部材53の移動範囲内において、最もターンテーブル41から離れた位置に移動される。そして、コア6は、環状化部材53によって内側から円環状にされる。
次いで、サーボモータ35が駆動され、ターンテーブル41が、前記所定の角度と同じだけ逆方向に回転される(回転工程)。即ち、ターンテーブル41は、反時計方向に30°回転される。この時、環状化機構51、保持機構61、及び巻線ガイド71はターンテーブル41と共に回転されるが、コア6はターンテーブル41と共に回転せず載置台33上で静止している。即ち、コア6に対し、ターンテーブル41,環状化機構51,保持機構61、及び巻線ガイド71が相対回転される。その結果、次に巻線5を巻回するティース部8d,8h,8lの径方向内側に、保持部材63が配置される。
次いで、環状化部材53がターンテーブル41側に移動(後退)されると共に、保持部材63が、軸方向から見た保持部材63の移動範囲内で最もターンテーブル41から離れた位置に移動(前進)される。これにより、保持部材63は、コア6の内側からティース部8d,8h,8lを有する3つ置きの分割コア部13をフライヤ91〜93に向かって移動させると共に保持する。
次いで、巻線ガイド71が、軸方向から見た巻線ガイド71の移動範囲内において最もターンテーブル41側に移動され、各ガイド部材73の先端面73aが、保持部材63にて保持された分割コア部13の分割環状部13aの周方向の端面に当接する。
次いで、フライヤ91と対向する位置に配置されたティース部8dにはU相のコイルであるコイルU2が巻回され、フライヤ92と対向する位置に配置されたティース部8lにはV相のコイルであるコイルV2が巻回され、フライヤ93と対向する位置に配置されたティース部8hにはW相のコイルであるコイルW2が巻回される。
次いで、ティース部8d,8h,8lに巻線5が巻回されることによりコイルU2,V2,W2が形成されると、サーボモータ35が駆動され、ターンテーブル41が反時計方向に150°回転される(回転工程)。次いで、巻線ガイド71が後退され、保持部材63が後退されると同時に環状化部材53が前進され、コア6が円環状にされる。その後、ターンテーブル41が時計方向に150°回転される(回転工程)。
以後、同様に巻線工程及び回転工程を繰り返すことにより、ティース部8k,8j,8g,8f,8c,8bに巻線5が巻回されて、コイルU3,U4,V3,V4,W3,W4が形成される。そして、全てのティース部8a〜8lに巻線5が巻回され、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4が形成されると、巻線5が切断されてフライヤ91〜93から供給される巻線5とコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4を形成する巻線5とが切り離される。
次いで、ピン挿入孔23に挿入されていたピン15が外されると共に、コア6が巻線機31から外される。そして、分割コア部13はティース部8a〜8lが内側となるように円環状にされてハウジング3に内嵌される。また、巻線5が切断されることにより形成された巻線5の6つ(同一相のコイル毎に2つずつ)の端部は、給電ターミナルの端子(図示略)に溶接される。
上記したように、本実施形態によれば、以下の作用・効果を有する。
(1)コア6は、ティース部8a〜8lが外側となるように環状にされているため、コアの外側に3つのフライヤ91〜93を配置することができる。そのため、同時に3つのティース部8a〜8lに巻線5を巻回することができ、その結果、コア6への巻線5の巻回時間を更に短縮することができる。
(2)各フライヤ91〜93に対して、同一相のコイルが巻回されるティース部8a〜8lが対向されるように、フライヤ91〜93に対してコア6が相対回転される。即ち、フライヤ91にはU相のコイルU1〜U4が巻回されるティース部8e,8d,8k,8jが対向されるように、コア6がフライヤ91〜93に対して相対回転される。また、フライヤ92にはV相のコイルV1〜V4が巻回されるティース部8a,8l,8g,8fが対向されるように、コア6がフライヤ91〜93に対して相対回転される。更に、フライヤ93にはW相のコイルW1〜W4が巻回されるティース部8i,8h,8c,8bが対向されるように、コア6がフライヤ91〜93に対して相対回転される。言い換えると、各フライヤ91〜93にて巻回されたコイルが同一相のコイルとなるように、コア6をフライヤ91〜93に対して相対回転させている。そのため、同一相のコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4毎に連続して巻回することができる。また、本実施形態では、このようにコア6をフライヤ91〜93に対して相対回転させることにより、各フライヤ91〜93において、巻回するコイルの相が変わらない。そのため、巻回するコイルの相が変わることによる巻線5の切断を行う必要がなく、従来に比べて巻線の切断に費やされる時間が短縮される。また、切断されたコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部の数が最小限に抑えられ、給電ターミナルの端子に溶接を行う回数を最小減に抑えることができる。その結果、ブラシレスモータMの製造時間を短縮することができる。
(3)保持部材63によって保持された分割コア部13がフライヤ91〜93に向かって移動されることにより、巻線5が巻回されるティース部8a〜8lがフライヤ91〜93に向かって移動される。そのため、保持部材63によって保持された分割コア部13のティース部8a〜8lと、保持部材63によって保持された分割コア部13に隣接する分割コア部13のティース部8a〜8lとの間の間隔が広くなる。従って、フライヤ91〜93に対向されたティース部8a〜8lに巻線5を巻回するためのスペースが拡大され、巻線5の巻回速度を大きくすることが可能となる。その結果、コア6への巻線5の巻回時間を一層短縮することができる。
また、保持部材63によって保持された分割コア部13がフライヤ91〜93に向かって移動されることにより、フライヤ91〜93に対向されたティース部は、環状に連結されたコア6の外側(外周側)に向かって移動されることになる。そのため、フライヤ91〜93は、ティース部8a〜8lがフライヤ91〜93に向かって移動されない場合のフライヤ91〜93の配置位置よりも、ティース部8a〜8lの移動方向に沿ってよりコア6の外側に移動した位置に配置されることが可能となる。これにより、フライヤ91〜93間の間隔がより広くなり、フライヤ91〜93同士の干渉をより防止することができる。
(4)巻線5の巻回中、保持部材63によって保持された分割コア部13間に配置された分割コア部13のティース部8a〜8lは、巻線ガイド71によって覆われている。そのため、巻線巻回中のティース部8a〜8lに隣接するティース部8a〜8lに巻線5が引っ掛かることが防止される。その結果、巻線5の巻回中に巻線5が切れることを防止することができる。
(5)巻線ガイド71によって、保持部材63にて保持された分割コア部13のティース部8a〜8lに巻回される巻線5が案内される。即ち、巻線5は、その巻始めにおいて、巻線ガイド本体72の面72bに当接されると共に、ガイド部材73のフライヤ91〜93側の面73bに当接されることにより、弧状端面部21a,22aに当接されてティース部8e,8a,8iの基端部に巻回される。このように、巻線5の巻始めがティース部8e,8a,8iの基端部に巻回されることにより、各コイルU1,V1,W1は整列巻され易くなる。また、巻線ガイド71は、保持部材63にて保持された分割コア部13のティース部8a〜8lの側方に配置されるため、巻線ガイド71を配置したことにより巻線スペースの減少を抑えることができる。
(6)巻線ガイド71に備えられたガイド部材73は、その先端面73aが保持部材63に保持された分割コア部13の分割環状部13aにおける周方向の端面に当接する。そのため、巻線5の巻回中に保持部材63にて保持された分割コア部13をより安定して保持することができる。その結果、保持部材63にて保持された分割コア部13が巻線5の巻回中に分割コア部13の長手方向にぐらつくことが防止され、巻線5は更に整列巻され易くなる。
(7)保持部材63によって3つ置きのティース部8a〜8lがフライヤ91〜93に向かって移動された状態では、保持部材63により保持されたティース部8a〜8l間のティース部8a〜8lは円環状にされた状態のコア6のティース部8a〜8lよりもコアの内側寄りの位置に配置される。そこで、回転工程においては、コア6が円環状にされた状態で保持部材63をコア6に対して相対回転させることにより、保持部材63がコア6に干渉することが防止される。その結果、保持部材63の回転時に、保持部材63がコア6に干渉してフライヤ91〜93に対向されるティース部8a〜8lがフライヤ91〜93に対してずれることを防止することができる。
また、コア6を円環状にすると、コア6を円環状にしない場合(ティース部8a〜8lがフライヤ91〜93に移動された状態のまま保持部材63が後退されて回転される場合)に比べて、保持部材63がコア6に干渉しない位置まで後退する距離を短くすることができる。そのため、保持部材63の後退に費やされる時間が短縮され、コア6への巻線5の巻回時間の短縮に貢献することができる。
(8)保持部材63にて3つ置きの分割コア部13が保持されると、保持部材63にて保持された分割コア部13間に配置された分割コア部13に装着された第1及び第2インシュレータ部材21,22の挿入孔21g及び挿入凸部22gが一直線上に配置される。そのため、保持部材63にて保持された分割コア部13以外の分割コア部13は、挿入孔21g及び挿入凸部22gが配置される直線と直交する方向に移動され難くなる。その結果、保持部材63にて保持された分割コア部13以外の分割コア部13が、挿入孔21g及び挿入凸部22gが配置される直線と直交する方向に移動されることにより、保持部材63にて保持された分割コア部13が移動されることが防止される。その結果、巻線5が整列巻されやすくなる。また、保持部材63にて保持された分割コア部13間に配置された分割コア部13のティース部8a〜8lの移動が抑制されるため、保持部材63にて保持された分割コア部13のティース部8a〜8lに対する巻線5の巻回を妨げることを防止することができる。
(9)巻線機31はフライヤ91〜93を備えており、該フライヤ91〜93にてティース部8a〜8lに巻線5が巻回される。従って、ノズルにて巻線5を巻回する場合よりも、各ティース部8a〜8lに巻線5を巻回する時間が短くなる。その結果、より一層巻回時間の短縮を図ることができる。
(10)巻線機31では、ターンテーブル41による回転量、即ち所定の角度を調節すれば、どのような順序でもティース部8a〜8lに巻線5を巻回することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、第1及び第2インシュレータ部材21,22の配列方向の両端部に形成されたピン挿入孔23a,23bよりなる一つのピン挿入孔23にピン15を挿入して第1及び第2インシュレータ部材21,22を環状に連結することにより、分割コア部13を環状にしている。しかしながら、分割コア部13の配列方向の両端部にピン挿入孔を形成し、該ピン挿入孔にピン15を挿入することにより、分割コア部13を環状に連結してもよい。
○上記実施形態のインシュレータ4に替えて、図13に示すインシュレータ100をコア6に装着してもよい。インシュレータ100は、インシュレータ4と同様に、第1インシュレータ部材101及び第2インシュレータ部材102よりなる。そして、第1及び第2インシュレータ部材101,102は、分割環状部13aの軸方向片側端面上に配置される弧状端面部101a,102aと、分割環状部13aの内周面を覆う内周端面部101b,102bとを備えている。また、第1及び第2インシュレータ部材101,102は、ティース部8a〜8lの軸方向片側端面を覆う101c,102cと、ティース部8a〜8lの両側面を覆う一対の側面部101d,102dとを備えている。また、前記端面部101c,102cの弧状端面部101a,102aと逆側の端部には、巻装される巻線5の径方向内側へのはみ出しを規制すべく軸方向に立設された内側規制壁101f,102fが形成されている。そして、第1インシュレータ部材101の弧状端面部101aの周方向端部には、軸方向に延びる挿入孔101gが形成されており、該挿入孔101gには、軸直交方向に延びる鉤状切り欠き部101hが形成されている。また、第2インシュレータ部材102の弧状端面部102aの周方向端部には、軸方向に延びる挿入凸部102gが形成されており、該挿入凸部102gには、その先端に軸直交方向に延びる鉤状突出部102hが形成されている。そして、第1及び第2インシュレータ部材101,102は、挿入凸部102gが挿入孔101gに挿入されることにより、交互に配設されると共に互いに回動可能に連結されている。即ち、挿入孔101g及び挿入凸部102gが連結部を構成している。
上記のように構成された第1及び第2インシュレータ部材101,102の端面部101c,102cには、ティース部8a〜8lの延設方向と直交する方向の端部に、複数(例えば6つ)の溝部103が形成されている。各溝部103は、ティース部8a〜8lの延設方向と直交する方向に沿って延び、複数の溝部103は、ティース部8a〜8lの延設方向に沿って配列されている。また、溝部103は巻線5の外周面に応じた円弧状をなしている。このような溝部103を備えた第1及びインシュレータ部材101,102を用いると、該第1及び第2インシュレータ部材を介してティース部8a〜8lに巻回される巻線は、溝部103に案内されてより一層整列巻され易くなる。
また、弧状端面部101a,102aには、端面部101c,102cと逆側の面に、軸方向に沿って延びる凹部104が形成されている。よって、上記実施形態の保持部材63のプレート保持部65を弧状端面部101a,102aにおける端面部101c,102cと逆側の面に応じた形状とするとよい。即ち、プレート保持部65における回転軸34の径方向外側の先端部に凹部104に応じた形状の凸部(図示略)を形成する。このようにすると、保持部材63にて分割コア部13を保持した際に、前記凸部が凹部104に係合されることにより、分割コア部13はより安定して保持される。
○上記実施形態では、3つのフライヤ91〜93にてティース部8a〜8lに巻線5を巻回している。しかしながら、フライヤは複数用いられればよい。この場合、フライヤの数に応じて保持部材63の数が設定される。また、巻線機に31に備えられるフライヤは1つであってもよい。このように構成しても、巻線時間の更なる短縮を図ることができる。
○上記実施形態では、巻線ガイド71が、軸方向から見た巻線ガイド71の移動範囲内において、最もターンテーブル41側に移動されると、ガイド部材73の先端面73aが、保持部材63にて保持された分割コア部13の分割環状部13aにおける周方向の両端部に当接するが、当接しない構成であってもよい。
○上記実施形態では、フライヤ91〜93に対向されるティース部8a〜8lは、保持部材63によってフライヤ91〜93に向かって移動されるが、これに限らない。例えば、フライヤ91〜93に対向されるティース部8a〜8lを巻線ガイド71にてフライヤ91〜93に向かって移動させてもよい。詳しくは、フライヤ91〜93に対向される3つ置きのティース部8a〜8l間に配置されるティース部8a〜8lを、巻線ガイド71によってコア6の内側に向かって移動させる。これにより、フライヤ91〜93に対向される3つのティース部8a〜8lが、相対的にフライヤ91〜93に向かって移動される。尚、この場合、巻線ガイド71と環状化部材53とを回転軸34の径方向に対向させておき、巻線ガイド71にてコア6の内側に向かって移動される分割コア部13を、環状化部材53がコア6の内側から巻線ガイド71と共に保持する構成としてもよい。また、巻線ガイド71のガイド部材73によってフライヤ91〜93に対向される分割コア部13が保持されていれば、保持部材63(保持機構61)を省略してもよい。
○上記実施形態では、ティース部8d,8h,8lに巻線5が巻回されてコイルU2,V2,W2が形成されると、ターンテーブル41が反時計方向に150°回転される。その後、コア6が円環状にされた状態で、ターンテーブル41が時計方向に150°回転され、各保持部材63はターンテーブル41が反時計方向に回転される前に対向していたフライヤ91〜93に対向される。しかしながら、コア6が円環状にされた状態でターンテーブル41を回転させる際には、各保持部材63が最寄りのフライヤ91〜93に対向されるようにターンテーブル41を時計方向に30°回転させてもよい。即ち、コア6が円環状にされた状態でターンテーブル41を回転させる際には、各保持部材63がフライヤ91〜93にそれぞれ対向されるようにターンテーブル41を回転させればよい。尚、コア6が円環状にされた状態で、各保持部材63が最寄りのフライヤ91〜93に対向されるようにターンテーブル41を回転させると、ターンテーブル41(保持部材63)の回転時間が短縮され、引いては巻線5の巻回時間を更に短縮することができる。
○上記実施形態では、第1積層部材11と第2積層部材12とを板厚方向に交互に積層して分割コア部13を形成したが、これに限らない。例えば、複数枚毎に第1積層部材11及び第2積層部材12とを積層して分割コア部13を形成してもよいし、第1積層部材のみ、若しくは第2積層部材12のみを積層して分割コア部13を形成してもよい。
○上記実施形態では、各分割コア部13は、第1及び第2インシュレータ部材21,22を介して間接的に隣接する分割コア部13に対して回動可能に連結されている。しかしながら、分割コア部は、直接分割コア部13に対して回動可能に連結される構成であってもよい。例えば、図14(a)に示すような分割コア部200であってもよい。分割コア部200は、積層部材201を板厚方向に複数毎積層させて形成される。分割コア部200は、円弧状に延びる分割環状部210と、該分割環状部210に対して略直交方向に延びるティース部211とを有している。分割環状部210の周方向の一端部(図14(a)において左側の端部)には、周方向に沿って突出されると共に軸方向に沿って延びる突条部212が形成されている。この突条部212の先端には、軸方向から見た形状が円形状をなす円形突条部213が形成されている。
また、分割環状部210の周方向の他端部(図14(a)において右側の端部)には、軸方向から見た形状が略半円形状をなし、軸方向に沿って延びる円形溝214が形成されている。円形溝214は、円形突条部213と共に連結部を構成する。図14(b)に示すように、円形溝214は、該円形溝214を軸方向から見た際に該円形溝214の曲率中心Oが、円形溝214の内側に位置されるように形成されている。
上記のように構成された複数の分割コア部200は、隣接する分割コア部200の円形突条部213が、軸方向に沿って円形溝214に挿入されることにより連結される。この時、円形溝214は、軸方向から見た円形溝214の曲率中心Oが円形溝214の内側に位置されるように形成されていることから、該円形溝214に挿入された円形突条部213は、円形溝214の開口部から分割環状部210の周方向に抜け出ることが防止されている。これにより、分割コア部200は、隣接する分割コア部200に対して直接回動可能に連結される。
尚、配列方向の両端部に位置する分割コア部200の分割環状部210には、ピン挿入孔215a,215bが形成されている。詳しくは、配列方向の一端部(図14(a)において左側の端部)に位置する分割コア部200の分割環状部210には、円形溝214が形成された側と逆側の端部に延長部210aが形成されている。延長部210aの軸方向の長さは、分割環状部210における軸方向の長さの半分となっている。そして、この延長部210aに、軸方向に延びる前記ピン挿入孔215aが形成されている。また、配列方向の他端部(図14(a)において右側の端部)に位置する分割コア部200の分割環状部210には、円形突条部213が形成された側と逆側の端部に延長部210bが形成されている。延長部210bの軸方向の長さは、分割環状部210における軸方向の長さの半分となっている。また、延長部210bは、前記延長部210aと軸方向に互い違いとなる位置に形成されている。そして、この延長部210bに、軸方向に延びるピン挿入孔215bが形成されている。配列された分割コア部200の配列方向の両端部に位置する延長部210aと延長部210bとを軸方向に重ねられることにより、ピン挿入孔215a及び215bが軸方向に繋がる一つのピン挿入孔215が形成される。巻線5をティース部211に巻回する際には、このピン挿入孔215に上記実施形態と同様のピン15が挿入される。
上記のように構成された分割コア部200にて構成されたコア6には、上記実施形態のように第1及び第2インシュレータ部材21,22同士が互いに回動可能に連結されたインシュレータ4を装着してもよい。また、隣接する分割コア部200に装着されるインシュレータは、互いに連結されていないものであってもよい。
○上記実施形態では、3つ置きの分割コア部13が保持部材63によって保持されると、保持部材63によって保持される分割コア部13間に配置された分割コア部13に装着された第1及び第2インシュレータ部材21,22の挿入孔21g及び挿入凸部22gが一直線上に位置される。しかしながら、挿入孔21g及び挿入凸部22gは一直線上に配置されなくてもよい。
○上記実施形態では、ティース部8a〜8lは12個備えられるが、これに限らない。ティース部は、11個以下であってもよいし、13個以上であってもよい。
上記各実施形態、及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)前記巻線手段に対向された複数の前記ティース部間に配置された前記ティース部を有する前記分割コア部を隣接する前記分割コア部に対して連結する連結部が、一直線上に位置されるまで、前記巻線手段に対向された前記ティース部を前記巻線手段に向かって移動させることを特徴とする。
(ロ)前記移動手段は、前記コアの内側から前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部に当接し、前記巻線手段に対向された前記ティース部を前記巻線手段に向かって移動させることを特徴とする。このように構成すると、巻線手段に対向されたティース部を容易に対向する巻線手段に向かって移動させることができる。
(ハ)前記移動手段は、前記カバー部材であり、前記巻線手段に対向された前記ティース部間に配置された前記ティース部を前記コアの内側に移動させることにより、前記巻線手段に対向された前記ティース部を相対的に前記巻線手段に向かって移動させることを特徴とする。このように構成すると、巻線手段に対向されたティース部を容易に対向する巻線手段に向かって移動させることができる。
(ニ)前記移動手段は、前記巻線手段に対向された複数の前記ティース部間に配置された前記ティース部を有する前記分割コア部を隣接する前記分割コア部に対して連結する連結部が、一直線上に位置されるまで、前記巻線手段に対向された前記ティース部を前記巻線手段に向かって移動させることを特徴とする。
ブラシレスモータの要部断面図。 (a)は展開したステータコアの平面図、(b)は展開したステータコアの正面図、(c)は展開したステータコアの斜視図。 (a)は第1積層部材の平面図、(b)は図3(a)におけるA−A断面図。 (a)は第2積層部材の平面図。(b)は図4(a)におけるB−B断面図。 第1インシュレータ部材の斜視図。 第1インシュレータ部材の平面図。 第2インシュレータ部材の斜視図。 第2インシュレータ部材の平面図。 回転工程における巻線機を示す概念図。 巻線工程における巻線機を示す概念図。 図9におけるC−C断面図(概念図)。 図10におけるD−D断面図(概念図)。 別の形態のインシュレータを示す平面図。 (a)は別の形態の分割コア部にて構成されたステータコアの平面図、(b)は隣接する分割コア部同士の連結部を示すステータコアの部分拡大図、(c)は配列された別の形態の分割コア部の両端部を示す部分断面図。
符号の説明
M…回転電機としてのブラシレスモータ、5…巻線、6…コアとしてのステータコア、8a〜8l…ティース部、13…分割コア部、31…巻線機、33…回転手段を構成する回転軸、34…回転手段を構成するサーボモータ、41…回転手段を構成するターンテーブル、51…回転手段及び環状化手段を構成する環状化機構、61…移動手段及び回転手段としての保持機構、71…移動手段及びカバー部材としての巻線ガイド、73…保持部としてのガイド部材、91〜93…巻線手段としてのフライヤ。

Claims (13)

  1. 回転電機に備えられ径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアに巻線を巻回する巻線方法であって、
    前記コアは、前記ティース部を有し互いに回動可能に連結された複数の分割コア部から構成され、該コアを構成する全ての分割コア部は、前記ティース部が外側となるように環状に配列されると共に、周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結され、環状に配列された該分割コア部は、周方向における前記ティース部間の少なくとも一箇所切り離し可能に連結され、
    前記全ての分割コア部が周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結された前記コアの外側に配置された複数の巻線手段に対してコアを相対回転させ、前記ティース部を前記巻線手段にそれぞれ対向させる回転工程と、
    前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部を移動手段にて前記コアの外側に向かって移動させること、又は、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部の他の分割コア部を移動手段にて前記コアの内側に向かって移動させることにより、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させて、対向する前記巻線手段側に移動させる移動工程と、
    前記移動工程にて前記巻線手段に対向配置された前記ティース部に前記巻線手段が前記巻線を巻回する巻線工程と
    を繰り返すことを特徴とする巻線方法。
  2. 回転電機に備えられ径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアに巻線を巻回する巻線方法であって、
    前記コアは、前記ティース部を有し互いに回動可能に連結された複数の分割コア部から構成され、該コアを構成する全ての分割コア部は、前記ティース部が外側となるように環状に配列されると共に、周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結され、環状に配列された該分割コア部は、周方向における前記ティース部間の少なくとも一箇所切り離し可能に連結され、
    前記全ての分割コア部が周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結された前記コアの外側に配置された1つの巻線手段に対してコアを相対回転させ、前記ティース部を前記巻線手段に対向させる回転工程と、
    前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部を移動手段にて前記コアの外側に向かって移動させること、又は、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部の他の分割コア部を移動手段にて前記コアの内側に向かって移動させることにより、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させて、対向する前記巻線手段側に移動させる移動工程と、
    前記移動工程にて前記巻線手段に対向配置された前記ティース部に前記巻線手段が前記巻線を巻回する巻線工程と
    を繰り返すことを特徴とする巻線方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の巻線方法において、
    前記移動工程では、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を有する分割コア部を移動手段により前記コアの外側に向かって移動させると共に、その移動に伴ってその他の分割コア部が前記コアの内側に移動することにより、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させることを特徴とする巻線方法。
  4. 請求項3に記載の巻線方法において、
    前記巻線工程の後の前記回転工程では、前記移動手段により前記ティース部が前記巻線手段に向かって移動された状態で前記コアを前記巻線手段に対して相対回転させ、前記コアの内側に配置された環状化手段にて前記コアを円環状にし、前記移動手段を前記巻線手段に対し後退させた後に前記移動手段を前記巻線手段に対向する位置まで回転させることを特徴とする巻線方法。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の巻線方法において、
    前記巻線工程では、前記巻線手段に対向された前記ティース部間に配置された前記ティース部を覆うカバー部材が配置されることを特徴とする巻線方法。
  6. 請求項5に記載の巻線方法において、
    前記カバー部材に形成された保持部が、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する前記分割コア部に当接して該分割コア部を保持することを特徴とする巻線方法。
  7. 回転電機に備えられ、径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアを備えたステータの製造方法であって、
    請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の巻線方法により、前記コアに巻線を巻回することを特徴とするステータの製造方法。
  8. 回転電機に備えられ径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアに巻線を巻回する巻線機であって、
    前記ティース部を有し互いに回動可能に連結された複数の分割コア部から構成された前記コアの全ての分割コア部において前記ティース部が外側となるように環状に配列れた前記コアの外側に配置され、前記ティース部に前記巻線を巻回する複数の巻線手段と、
    前記巻線手段にて前記ティース部に前記巻線が巻回される度に、前記巻線手段に対して前記コアを相対回転させ、前記ティース部を前記巻線手段にそれぞれ対向させる回転手段と
    前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部を前記コアの外側に向かって移動させる移動手段、又は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部の他の分割コア部を前記コアの内側に向かって移動させる移動手段と
    を備え
    前記巻線手段が外側に配置される前記コアは、その全ての分割コア部が周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結され、環状に配列された該分割コア部において、周方向における前記ティース部間の少なくとも一箇所が切り離し可能に連結されており、
    前記移動手段は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部、又は該分割コア部の他の分割コア部を移動させることにより、前記巻線手段に対向された前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させて、対向する前記巻線手段側に移動させるとともに、
    前記巻線手段は、前記移動手段により前記巻線手段に対向配置された前記ティース部に前記巻線を巻回することを特徴とする巻線機。
  9. 回転電機に備えられ径方向に沿って延びる複数のティース部を有するコアに巻線を巻回する巻線機であって、
    前記ティース部を有し互いに回動可能に連結された複数の分割コア部から構成された前記コアの全ての分割コア部において前記ティース部が外側となるように環状に配列れた前記コアの外側に配置され、前記ティース部に前記巻線を巻回する1つの巻線手段と、
    前記巻線手段にて前記ティース部に前記巻線が巻回される度に、前記巻線手段に対して前記コアを相対回転させ、前記ティース部を前記巻線手段に対向させる回転手段と
    前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部を前記コアの外側に向かって移動させる移動手段、又は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部の他の分割コア部を前記コアの内側に向かって移動させる移動手段と
    を備え
    前記巻線手段が外側に配置される前記コアは、その全ての分割コア部が周方向の両側に隣接する分割コア部に対して回動可能に連結され、環状に配列された該分割コア部において、周方向における前記ティース部間の少なくとも一箇所が切り離し可能に連結されており、
    前記移動手段は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部、又は該分割コア部の他の分割コア部を移動させることにより、前記巻線手段に対向された前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させて、対向する前記巻線手段側に移動させるとともに、
    前記巻線手段は、前記移動手段により前記巻線手段に対向配置された前記ティース部に前記巻線を巻回することを特徴とする巻線機。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の巻線機において、
    前記移動手段は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する分割コア部を前記コアの外側に向かって移動させると共に、その移動に伴ってその他の分割コア部が前記コアの内側に移動することにより、前記巻線手段に対向させた前記ティース部を、その他のティース部に対し相対的に前記コアの外側に向かって移動させることを特徴とする巻線機。
  11. 請求項10に記載の巻線機において、
    前記回転手段は、前記移動手段及び前記コアを円環状にする環状化手段を備えて構成され、前記移動手段が前記ティース部を前記巻線手段に向かって移動させた状態で前記コアを前記巻線手段に対して相対回転させた後、前記環状化手段が前記コアを円環状にすると共に前記移動手段が前記巻線手段に対して後退し、その後前記移動手段が前記巻線手段に対向する位置まで回転されることを特徴とする巻線機。
  12. 請求項乃至請求項1の何れか1項に記載の巻線機において、
    前記巻線手段に対向された前記ティース部間に配置された前記ティース部を覆うカバー部材を備えていることを特徴とする巻線機。
  13. 請求項1に記載の巻線機において、
    前記カバー部材は、前記巻線手段に対向された前記ティース部を有する前記分割コア部に当接して該分割コア部を保持する保持部を備えていることを特徴とする巻線機。
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