JP4588878B2 - アルキンジオールの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、カリウムアルコキシドを用いて、ケトンとアセチレン系炭化水素を反応させることによってアルキンジオールを製造する方法に関する。
【0002】
アルキンジオールを製造する多くの方法は公知である。
【0003】
アルデヒド、例えばホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドとアセチレンを、触媒としての銅アセチリド上で反応させる、レッペ(Reppe)エチニル化法によって、第2級アルキンモノールおよびグリコールが良好な収量で得られる。しかしながら、高級アルデヒドの場合には、この方法は不十分な結果をまねく。
【0004】
塩基を用いて、ケトンとアセチレン系炭化水素を反応させることによる第3級アルキンジオールの製造は、特に問題含みである。最もよくある方法では、微粉化された、理想的には水不含のKOH粉末を、有機溶剤中、例えばTHF、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、メチラールまたはアセトアルデヒド ジブチルアセタール中で使用する。前記方法の欠点は、そのほとんどがモノアルキノールと著しい割合のモノアルキノールを含有するアルキンジオールとの混合物を製造することである。他の欠点は、記載された溶剤中に形成された懸濁液が、KOHおよび第3級モノアルキノールおよびアルキンジオールの針状結晶(acicular crystalline)アダクトの形成によって攪拌能力が顕著に困難になる程度に粘稠になることである。結果として、効率のよい混合、ひいては反応熱の制御される放散は困難になるかまたは不可能である。これは、安全性の問題ならびに低い変換率を招く。可能な限り多量の溶剤を使用することは、粘性プロフィールについて相対的に低い作用をもたらし、かつ一般に非経済的である。それというのも使用される溶剤が高価であるからである。
【0005】
ヨーロッパ特許出願公開第0285755号明細書では、ケトンとアセチレンを反応させることによって第3級アルキンジオールを製造する方法を記載している。特に、アセチレンは、カルボニル化合物および塩基としてのKOH粉末と反応される。アルキル−tert−ブチルエーテルが溶剤として使用される。ケトンおよびアセチレンはモル比1:1〜3:1で使用され、かつKOHおよびケトンはモル比1:1〜1.6:1で使用される。使用された溶剤は、効率よく攪拌可能な反応混合物を保証する。しかしながら、このヨーロッパ特許出願公開明細書の教示を再現することは不可能であった(比較例2)。この方法の他の欠点は、方法を非経済的なものにする、特殊で高価な溶剤の使用である。
【0006】
ドイツ特許出願公開第2008675号明細書では、水中での溶解が制限された第1級アルコールおよび第2級アルコールのカリウムアルコキシドを用いて、ケトンとアセチレンを反応させることによる第3級アルキンジオールの製造を記載している。脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素および芳香族炭化水素が溶剤として使用されてもよい。同様に、ドイツ特許出願公開第2047446号明細書では、アルキンモノオールとケトンとの反応によってアルキンジオールを製造するためのカリウムアルコキシドの使用が記載されている。
【0007】
双方の方法において、反応を通しての反応混合物の粘度増加が観察される。したがって、反応回分の効率のよい混合および反応熱の制御された放散が困難になるので、その結果、前記問題がこれらの方法においても生じる。
【0008】
本発明の目的は、経済的に許容量の常用の有機溶剤を用いて、アルキンジオールを製造する方法を提供することである。反応混合物は、全反応時間を通して効率的に攪拌可能のままであり、この場合には、反応熱の制御された放出および良好な変換が保証される。
【0009】
この目的は、第1アルコールおよび/または第2アルコールのカリウムアルコキシドを含む塩基の存在下で、有機溶剤としての炭化水素中でケトンとアセチレン系炭化水素を反応させ、反応混合物から沈殿するアルキンモノオールおよび/またはアルキンジオールおよび前記塩基のアダクトを形成させることによるアルキンジオールの製造方法によって達成され、この場合、この方法は、球面を有するゲル状アダクトを生じる程度に、反応パートナーに対する化学量論的量を選択し、これによって反応混合物が全反応を通して攪拌可能のままであることによって特徴付けられることが見出された。
【0010】
沈殿されるアダクトは、反応を通して形成される、塩基とアルキンモノールまたはアルキンジオールとのアダクトである。提供された一定の化学量論的量は、反応パートナーを支持するものであり、前記アダクトはゲル状であって、針状結晶ではない。本発明の目的のための球面は、丸みを付けられた、好ましくはゲル状アダクトに存在する種類の球状の表面である。これは、例えば、結晶質の針状アダクトの場合にように攪拌能力を顕著に困難にする噛み合いがないどころか、沈殿されたアダクトが攪拌された時に、互いにすべり易くなりうるということを保証する。これは、反応熱の制御された放散を可能にし、かつ反応パートナーの混合を著しく良好にする。反応の変換において有利な効果を有することと同様に、反応熱の制御された放散は、また安全性の理由から望ましい。反応熱の制御された放散が保証されない場合には、反応混合物中に存在する物質の分解温度は、局所的に上廻ってもよく、かつこれは自然分解を生じうる。
【0011】
本発明の目的のためのアセチレン系炭化水素は、アセチレンおよびカルボニル化合物とアセチレンから製造されたモノアルキノールである。
【0012】
本発明の好ましい実施態様において、アセチレンはアセチレン系炭化水素として使用される。効率のよい混合のおかげで、出発材料のための化学量論的量は、アセチレンがケトンに対して化学量論的に使用されるように選択されてもよい。化学量論的とは、ケトンとアセチレンとのモル比が1.9:1〜2.1:1、好ましくは2:1のモル比であることを意味する。カリウムアルコキシドとケトンとのモル比は、0.9:1〜2.1:1であり、好ましくは1:1〜1.5:1であり、特に好ましくは1.1:1〜1.3:1である。選択されたアルコキシドとケトンとのモル比は、反応混合物の攪拌能力を保証するための本質的な要因であるが、しかしながら、選択された比において、形成されたアダクトは針状結晶ではなく、むしろゲル状であり、かつ球面を有する。
【0013】
反応混合物中の反応パートナーの濃度は、ケトンと溶剤および塩基の懸濁液との質量比によって特定されていてもよい。反応混合物が効率よく攪拌可能な濃度は、反応条件および特に使用されるケトン、溶剤およびアルコキシドに依存する。キシレンおよびアセトン中のカリウムイソブトキシドの懸濁液の場合には、ケトンと懸濁液との質量比は一般に1:2.5以上であり、好ましくは1:2.5〜1:8、特に好ましくは1:6.5である。
【0014】
他の実施態様において、使用されるアセチレン系炭化水素はアルキンモノオールである。アルキンモノオールは、刊行物に記載の方法に従ってアセチレンとカルボニル化合物を反応させることによって製造されてもよい。
【0015】
使用されたカルボニル化合物は、脂肪族アルデヒドおよび芳香族アルデヒドおよびケトンであってもよい。好ましくはケトンの使用が記載され、この場合には脂肪族ケトンが特に好ましい。これらは直鎖状、分枝鎖状または環状であってもよい。好ましくは、炭素原子3〜8個、特に好ましくは炭素原子3〜6個を有するケトンの使用が記載され、この場合アセトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンは殊に好ましい。
【0016】
したがって、使用されるアセチレンモノールは、特に好ましくはメチルブチノール、3,5−メチルヘキセ−1−イン−3−オールおよび3−シクロヘキシルプロプ−1−イン−3−オールである。
【0017】
アルキンモノールとケトンとのモル比は、1:0.8〜1:1.2であり、好ましくは1:1である。カリウムアルコキシドとケトンとのモル比は1.5:1〜2.2:1、好ましくは1.9:1〜2.1:1のであり、特に好ましくは2:1である。選択されたモル比は、反応混合物の攪拌能力およびこれによる良好な変換率および熱の制御された放出を保証する。
【0018】
アセチレン系炭化水素との反応のために使用されたケトンは、脂肪族ケトンおよび芳香族ケトンであってもよい。脂肪族ケトンの使用が好ましい。これらは直鎖状、分枝鎖状または環状であってもよい。特に好ましくは炭素原子3〜8個、殊に好ましくは炭素原子3〜6個を有する脂肪族ケトンの使用である。この中で、アセトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンが好ましい。アセトンの使用は殊に好ましい。
【0019】
適した溶剤は、特に炭化水素およびエーテルである。好ましくは脂肪族炭化水素および/または芳香族炭化水素を使用する。特に好ましくは沸点80〜180℃を有する炭化水素である。殊に好ましくは、脂肪族炭化水素、例えばガソリン混合物、脂環式炭化水素、例えばシクロヘキサンまたは芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメンまたはp−イソプロピルベンゼンである。キシレンの使用は殊に好ましい。
【0020】
使用されるカリウムアルコキシドは第2級アルコールおよび/または第1級アルコールのカリウムアルコキシドである。直鎖状、分枝鎖状または環状であってもよいC3〜C8アルコールのアルコキシドが好ましい。
【0021】
例えば、第1級アルコール、例えばn−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、2−エチル−4−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノールのアルコキシドならびに第2級アルコール、例えば2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−3−ブタノールおよびシクロヘキサノールのカリウムアルコキシドを使用することは可能である。特に好ましくはカリウムブトキシド、殊にカリウムイソブトキシドの使用が記載される。
【0022】
カリウムアルコキシドを得るための方法は、ドイツ特許出願公開第2008675号明細書中に記載されている。水酸化カリウム水溶液(例えば、50質量%濃度のKOH水溶液)は、過剰量のアルコールを用いて還流される。得られる水含2相共沸混合物は、分画カラムの頭部で、下部の水相が分離され、この水相は除去され、アルコールは還流としてカラムに戻される。この方法は、望ましいカリウムアルコキシドの溶液をすばやく提供する。使用されたアルコールよりも高い沸点を有する炭化水素またはエーテルが添加され、かつ過剰量のアルコールは留去される。残留物は、炭化水素中に部分的に懸濁され、部分的に溶解されたアルコール不含のカリウムアルコキシドである。
【0023】
アセチレン系炭化水素とカルボニル化合物との反応は、好ましくはアルコール不含のカリウムアルコキシドを用いて実施される。しかしながら、アルコールの存在は一般には問題ではない。
【0024】
使用される塩基は、KOHおよびカリウムアルコキシドまたは純粋なカリウムアルコキシドの混合物である。例えば、KOHとカリウムブトキシドとの質量比は、好ましくは30:70〜0:100質量%、特に好ましくは5:95〜1:99質量%の範囲である。殊に好ましくは、KOHとカリウムブトキシドとの比1:99質量%である。
【0025】
反応温度は一般に0〜50℃、好ましくは20〜30℃である。反応を約30℃でおこなうことは特に好ましい。
【0026】
好ましい実施態様において、第1工程ではカリウム塩基および溶剤の懸濁液を調製する。この工程はケトンおよびアセチレン、またはケトンおよびアルキンモノールによって続けられてもよく、この場合、これらは適切なモル比で、カリウム塩基および溶剤の懸濁液中に同時に装入される。生じる反応混合物は常用の攪拌槽中で、効率よく攪拌されてもよい。反応時間は、すなわち、使用された出発材料の量に依存する。これは、塩基1モルが使用される場合には、例えば4〜8時間、好ましくは6時間である。ケトンおよびアセチレンまたはアルキンモノオールが、好ましくは同時に4時間に亘って添加され、かつその後に、2時間に亘って一緒に攪拌される。反応が完了した後に、回分は水で水素化され、かつ塩基の大部分はKOHとして水相に移動する。生じるKOH溶液は、相分離によって除去されてもよい。有用な物質は有機相中に保持され、かつ水素化および引き続いての中和(好ましくは無水酢酸を用いて)の後に、蒸留によって単離されてもよい。蒸留中で除去される溶剤は再度使用されてもよい。
【0027】
本発明の方法において、反応混合物は全反応中で効率よく攪拌可能である。一般に、70%以上、好ましくは80%以上の高い収量が結果として得られる。
【0028】
本発明は、以下の例によって例証される。
【0029】
例
本発明の例1−ジメチルヘキシンジオールの製造
攪拌機を備えたジャケット型反応器を、キシレン114gおよびカリウムイソブトキシド112g(1モル)[c(塩基)=5モル/l]で装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度を維持する。アセトン58g(1モル)およびアセチレン13g(0.5モル)を、4時間に亘って、同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水120gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸7gを用いての中和に引き続いて、ジメチルヘキシンジオール61.5g(収量86%に相当する)を、変換率98%(アセトンに対して)のものから単離する。さらに、アルキンモノオール メチルブチノールは収率4%で得られる。
【0030】
比較例1
撹拌機を備えたジャケット型反応器を、キシレン376gおよびカリウムイソブトキシド97g(0.87モル)[c(塩基)=1.8モル/l]で装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。アセトン92g(1.59モル)およびアセチレン20g(0.77モル)を4時間に亘って同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水105gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸0.7gでの中和に引き続いて、ジメチルヘキシンジオール58.7g(収率52%に相当する)を、変換率86%(アセトンに対して)のものから単離する。さらに、アルキンモノオール メチルブチノールは収率14.4%で得られる。
【0031】
比較例2(ヨーロッパ特許出願公開第0285755号明細書)
攪拌機を備えたジャケット型反応器を、メチル−tert−ブチルエーテル350gおよび水酸化カリウム粉末74g(85%)で装填する。懸濁液を20℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。アセトン69.9gおよびアセチレン15.6gを4時間に亘って同時に通過させる。1時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水150gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸13gを用いての中和の後に、ジメチルヘキシンジオール61.3g(収率72%に相当する)を変換率92%(アセトンに対して)のものから単離する。反応回分は、反応が終わりに近づくにつれて攪拌不能な固体になる。
【0032】
本発明の例2
メチルブチノールを介してのジメチルヘキサンジオールの製造
攪拌機を備えたジャケット型反応器を、キシレン114gおよびカリウムイソブトキシド112g(1モル)で装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。アセトン29g(0.5モル)およびメチルブチノール42g(0.5モル)を4時間に亘って同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水120gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸13gでの中和に引き続いて、ジメチルヘキシンジオール58.7g(収率83%に相当する)を変換率98%のものから単離する(アセトンに対して)。
【0033】
比較例3
撹拌機が備えられたジャケット型反応器を、キシレン114gおよびカリウムイソブトキシド112g(1モル)で装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。アセトン55.1g(0.95モル)およびメチルブチノール80g(0.95モル)を4時間に亘って同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水120gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸21gを用いての中和に引き続いて、ジメチルヘキシンジオール93g(収率69%に相当する)を、変換率93%(アセトンに対して)のものから単離する。さらに、アルキンモノオール メチルブチノールは、収率14.3%で得られる。
【0034】
本発明の例3
4,7−ジヒドロキシ−2,4,7,9−テトラメチルヘキセ−5−インの製造:
攪拌機が備えられたジャケット型反応器を、キシレン310gおよびカリウムイソブトキシド224g(2モル)で装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。メチルイソブチルケトン200g(2モル)およびアセチレン26g(1モル)を4時間に亘って同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水230gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸を用いての中和に引き続いて、4,7−ジヒドロキシ−2,4,7,9−テトラメチルヘキセ−5−イン 330g(収率73%に相当する)を、変換率89%(アセトンに対して)のものから単離する。
【0035】
キシレン中のカリウム塩基およびアセトン中のカリウム塩基間の異なる質量比で、キシレン中のカリウムイソブトキシドの懸濁液を用いて、ジメチルヘキシンジオールを形成する、アセトンとアセチレンとの反応選択性の濃度依存性
本発明の例4
ジメチルヘキシンジオールの製造(キシレン中のカリウム塩基/アセトン中のカリウム塩基=6.4)
撹拌機を備えたジャケット型反応器をキシレン228gおよびカリウムイソブトキシド112gで装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。アセトン53.3gおよびアセチレン11.7gを、4時間に亘って同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水120gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸13gでの中和に引き続いて、ジメチルヘキシンジオール57.1g(収率88%に相当する)を、変換率98%のものから単離する。さらに、アルキンモノオール メチルブチノールは収率7%で得られる。
【0036】
本発明の例5
ジメチルヘキシンジオールの製造(キシレン中のカリウム塩基/アセトン中のカリウム塩基=4.5):
撹拌機を備えたジャケット型反応器をキシレン114gおよびカリウムイソブトキシド112gで装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。アセトン53.3gおよびアセチレン11.7gを4時間に亘って同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水120gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸11gでの中和に引き続いて、ジメチルヘキシンジオール56.7g(収率87%に相当する)を、変換率98%のものから単離する。さらに、アルキンモノオール メチルブチノールは収率7%で得られる。
【0037】
本発明の例6
ジメチルヘキシンジオールの製造(キシレン中のカリウム塩基/アセトン中のカリウム塩基=3.6)
撹拌機を備えたジャケット型反応器をキシレン80gおよびカリウムイソブトキシド112gで装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。アセトン53.5gおよびアセチレン11.7gを4時間に亘って同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水120gで水素化する。有機相の除去および無水酢酸15gでの中和に引き続いて、ジメチルヘキシンジオール51.8g(収率79%に相当する)を、変換率98%のものから単離する。さらに、アルキンモノオール メチルブチノールは収率5%で得られる。
【0038】
本発明の例7
ジメチルヘキシンジオールの製造(キシレン中のカリウム塩基/アセトン中のカリウム塩基=3.2)
撹拌機が備えられたジャケット型反応器を、キシレン114gおよびカリウムイソブトキシド224gで装填する。懸濁液を30℃に加熱し、かつ反応の間この温度に維持する。アセトン107gおよびアセチレン23.4gを4時間に亘って同時に通過させる。2時間に亘る後反応時間に引き続いて、回分を水240gを用いて水素化する。有機相の除去および無水酢酸18gでの中和に引き続いて、ジメチルヘキシンジオール91.6g(収率70%に相当する)を、変換率98%のものから単離する。さらに、アルキンモノオール メチルブチノールは収率4%で得られる。
Claims (7)
- 第1アルコールおよび/または第2アルコールのカリウムアルコキシドを含む塩基の存在下で、有機溶剤としての炭化水素中で、ケトンをアセチレンおよびアルキンモノールから成る群から選択されたアセチレン系炭化水素と反応させ、反応混合物から沈殿されるアルキンモノオールおよび/またはアルキンジオールおよび前記塩基のアダクトを形成させることによる、アルキンジオールの製造方法において、球面を有するゲル状アダクトを生じる程度に、アセチレン系炭化水素としてアセチレンが使用される場合には、ケトンとアセチレンのモル比は1.9〜2.1:1であり、かつカリウムアルコキシドとケトンとのモル比は0.9〜2.1:1であり、かつアセチレン系炭化水素としてアルキンモノオールが使用される場合には、アルキンモノオールとケトンとのモル比は1:0.8〜1.2であり、かつカリウムアルコキシドとケトンとのモル比は1.5〜2.2:1であり、これによって反応混合物は全反応を通して攪拌可能のままであることを特徴とする、アルキンジオールを製造する方法。
- アセチレン系炭化水素としてアセチレンが使用される場合には、これはケトンに対する化学量論的量で使用され、かつカリウムアルコキシドとケトンとのモル比が1:1〜1.5:1である、請求項1に記載の方法。
- カリウムアルコキシドとケトンとのモル比が1.1:1〜1.3:1である、請求項2に記載の方法。
- アセチレン系炭化水素としてアルキンモノールが使用される場合には、アルキンモノールとケトンとのモル比が1:1であり、かつカリウムアルコキシドとケトンとのモル比が1.9:1〜2.1:1である、請求項1に記載の方法。
- アセトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンから選択されたケトンが使用される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- ケトンとしてアセトンが使用される、請求項5に記載の方法。
- 使用されたカリウムアルコキシドがカリウムブトキシドである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
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