JP4588375B2 - コンタクトレンズ出荷用ブリスターパック - Google Patents

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Description

本発明は、コンタクトレンズ出荷用ブリスターパックに関するものである。さらに詳しくは、該ブリスターパックのカバー層を開封する際に容器内の保存液が飛び出す事のない、使い捨ての親水性ソフトコンタクトレンズ用の容器に関するものである。
従来から、使い捨ての親水性ソフトコンタクトレンズの包装にはブリスターパックが用いられている。このブリスターパックは、前記レンズとその保存液を収容する半球状の窪み部とその開口周縁部に広がるフランジ部からなる容器本体と、プラスチックフィルム等を用いたカバー層からなる容器である。また、このブリスターパックは、レンズを取り出してしまうと不要となるものであるが、その開封性や携帯性などに関しては種々の検討がなされている。
初期のコンタクトレンズ用ブリスターパックとして、窪み部13を底面14と直立する側面及び底面14から斜め上方に向かって傾斜した側壁表面15で構成したものがある(図6参照)。これは、十分な量の保存液が入れられる形状とし、かつ、傾斜した側壁によってレンズの取り出しを容易にしたものである(特許文献1参照)。しかし、この容器は保存液を多量に封入するため、開封時に保存液が零れ易いという問題があった。
また、窪み部に封入する保存液の量はレンズ浸漬に必要な量だけにし、かつ、容器に切り欠き部を設けてカバー層の開封性を向上させた技術が開示されている(特許文献2参照)。これは、窪み部の開口部をレンズ径より大きくし、レンズ取り出しの際には指が挿入できる広さにしている。また、容器本体は平坦な面に置いた際に、容器の水平面が水平のまま維持できる構造として保存液が零れない形状としている。しかし、この容器を手で持って開ける際には依然として保存液が飛び出し易いという問題があった。
さらに、窪み部に封入する保存液の量を少なくし、かつ、開封性を向上させた技術として、窪み部の開口部輪郭に特徴を有する技術が開示されている(特許文献3参照)。これは、容器本体16のフランジ部17に長円形の穴18を設け、カバー層19を把持し易くしてカバー層19の引き剥がしを容易にしている(図7参照)。また、フランジ面において、窪み部20の開口部輪郭21を水滴形状としてシール部22の先端23を、中心線Aに対して非対称に形成して支持部24の方向に向けている。また、窪み部20は皿形の主窪み部25と先細りする溝形の副窪み部26で形成され、レンズによって占められていない無駄な容積を小さくすることで保存液の充填量を少なくできる。この技術では、ブリスターパックを平坦な支持体に置いた場合に、容器が傾くのを防止するために支持部24と27を設けている(図8参照)。
特開昭62−122969号公報 特開平6−296514号公報 特開平7−322911号公報
一般的に、ブリスターパックを開封する際に保存液が飛び出す原因は、カバー層を剥離することで窪み部の内部圧力が開放されるためと考えられ、窪み部の全容積に対して保存液量の割合が多いほど保存液は飛び出し易い事になる。特に、カバー層を剥離する際に窪み部の把持部側近傍に保存液が存在すると、保存液は飛び出し易くなる。この解決方法としては、この把持部近傍側の窪み部には保存液を極力存在させないことが考えられる。
しかし、最近のブリスターパックは容器材料の減量化や携帯性の向上のため、窪み部分の容積を極力小さくする傾向にあり、このタイプの容器でコンタクトレンズを十分に浸漬できる液量を確保するならば、必然的に窪み部の全容積に対する保存液量の割合が大きくなり、従来の技術、例えばカバー層の剥離容易化や窪み部の形状の工夫だけでは、保存液の飛び出しを防止することは困難である。
そこで、本発明は、比較的容積の小さい窪み部を有するブリスターパックであっても、その開封時に窪み部内のコンタクトレンズの保存液が極力外部に飛び出さないようにしてカバー層を開封できるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックを提供する。
本発明は、上記課題を解決すべく、請求項1に記載のように、半球状の窪み部と該窪み部の外側周囲に広がるフランジ部と支持部とからなる容器本体と、窪み部を開放可能に密封するカバー層とからなり、容器本体を水平面上に置いた際に、容器本体が傾斜して支持されるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックを提供する。
本発明は、請求項2に記載のように、請求項1記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、上記支持部を容器本体の両端に設け、上記カバー層を引き剥がす側の支持部の高さを反対側の支持部の高さより高くしてあるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックを提供する。
本発明は、請求項3に記載のように、請求項1に記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、上記支持部を容器本体の前端に設け、この前端の支持部と上記窪み部とにより容器本体を支持するようにしてあるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックを提供する。
本発明は、請求項4に記載のように、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、上記支持部を上記フランジ部に対して折曲形状にしてあるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックを提供する。
本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、上記支持部を上記フランジ部に対して湾曲形状にしてあるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックを提供する。
本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、容器本体を水平面上に置いた際の上記容器本体の水平面に対する傾斜角を5〜20度にしてあるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックを提供する。
本発明に係るコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックは、請求項1に記載のように、半球状の窪み部と該窪み部の外側周囲に広がるフランジ部と支持部とからなる容器本体と、窪み部を開放可能に密封するカバー層とからなり、容器本体を水平面上に置いた際に、容器本体が傾斜して支持される構成を有するから、容器本体を水平面上に置いた際に、容器本体と共に窪み部も傾斜させることができ、該窪み部にコンタクトレンズの保存液を含んでいる場合、窪み部の全容積から保存液の占める容積を除去した空間、すなわち、窪み部内に存在する空気部分を、傾斜した窪み部内の高い方に集中させ、この空気部分が集中した側からカバー層を剥離することで、上記窪み部の容積が比較的小さくても、窪み部内の保存液が内部圧力により外部に飛び出さないようにすることができる効果がある。
本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、上記支持部を容器本体の両端に設け、上記カバー層を引き剥がす側の支持部の高さを反対側の支持部の高さより高くしてある構成を有するから、容器本体と共に窪み部を確実に傾斜させることができる効果がある。
本発明は、請求項3に記載のように、請求項1に記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、上記支持部を容器本体の前端に設け、この前端の支持部と上記窪み部とにより容器本体を支持するようにしてある構成を有するから、容器本体を上記支持部と窪み部により支持することができ、支持部で容器本体を支持する容器と比較して支持部に必要な材料のコストを低減することができ、ブリスターパック全体の重量を低減すると共に、容器本体を小嵩にして携帯性を向上させることもできる効果がある。
本発明は、請求項4に記載のように、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、上記支持部を上記フランジ部に対して折曲形状にしてある構成を有するから、この折曲した部分からカバー層を容易に剥離できる効果がある。
本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、上記支持部を上記フランジ部に対して湾曲形状にしてある構成を有するから、容器全体の形状が流線形になり、より見栄えを良くできる効果がある。
本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであって、容器本体を水平面上に置いた際の上記容器本体の水平面に対する傾斜角を5〜20度にしてある構成を有するから、窪み部にコンタクトレンズの保存液を含んでいる場合、窪み部の全容積から保存液の占める容積を除去した空間、すなわち、窪み部内に存在する空気部分を、水平面に対して5〜20度の範囲で傾斜した窪み部内の高い方に集中させ、この空気部分が集中した側からカバー層を剥離することで窪み部内の保存液が内部圧力により外部に飛び出すことを確実に防止することができる効果がある。
本発明に係るコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックを図によって説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックの正面図である。
図2と図4は、図1に示すコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックのa-b線断面図であり、本発明コンタクトレンズ出荷用ブリスターパックの基本的な2つの実施例を示してある。
図3と図5は、図1に示すコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックのa-b線断面図であり、本発明コンタクトレンズ出荷用ブリスターパックの変形的な2つの実施例を示してある。
図2と図4に示す符号1は、コンタクトレンズ8と保存液11を収納する半球状の窪み部7と該窪み部7の外側周囲に広がるフランジ部2と該フランジ部2を支持する支持部3、4とからなる容器本体10と、窪み部7を開放可能に密封するカバー層5とから構成されるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであり、上記支持部3、4は、容器本体10の両端にそれぞれ設けてあり、支持部3の高さHは、支持部4の高さhよりも高く設定してあり、容器本体10を水平面28上に載置した際に、容器本体10が傾斜して支持されるように構成してある。
図2に示す支持部3、4は、フランジ部2に対して折曲形状にしてあり、図4に示す支持部3は、フランジ部2に対して湾曲形状にしてある。
図3と図5に示す符号1は、コンタクトレンズ8と保存液11を収納する半球状の窪み部7と該窪み部7の外側周囲に広がるフランジ部2と該フランジ部2を支持する支持部3とからなる容器本体10と、窪み部7を開放可能に密封するカバー層5とから構成されるコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックであり、上記支持部3は、容器本体10の前端に設けてあり、支持部3の高さHは、窪み部7の水平面28との接地部9からフランジ部2の平面aまでの高さhよりも高く設定してあり、容器本体10を水平面28上に載置した際に、容器本体10を支持部3と窪み部7により傾斜して支持するように構成してある。
図3に示す支持部3は、フランジ部2に対して折曲形状にしてあり、図5に示す支持部3は、フランジ部2に対して湾曲形状にしてある。
図2乃至図5に記載する容器本体10は、水平面28上に載置した際に、容器本体10は傾斜して支持され、その傾斜角度は、図示するように水平面29とフランジ部2の平面とのなす角αで表現することができ、この傾斜角αを、5〜20度に設定した際に、水平面28に載置された容器本体10の窪み部7内の空気部分6を、窪み部7内の高い方、即ち、支持部3側に集中させることができ、容器本体10からカバー層5を剥離する際に、窪み部7内のコンタクトレンズ8の保存液11が外部に飛び出すことを極力防止できる。
特に、傾斜角αを8〜15度に設定した際には、窪み部7内の空気部分6を常に支持部3側に位置させることができ、容器本体10からカバー層5を剥離する際に、窪み部7内のコンタクトレンズ8の保存液11が外部に飛び出すことを確実に防止できる。
なお、傾斜角αが、5度未満の場合では、空気部分6を窪み部7の支持部3側に集中させることが困難であり、また、傾斜角αが20度を越える場合では、水平面28上に載置した状態で、容器本体10からカバー層5を完全に剥離すると、支持部4側の窪み部7内から保存液11が外部に流出する恐れがあり適当ではない。
図示しない実施例で、容器本体10を水平面28上に載置した際に、カバー層5を引き剥がす側の支持部3の高さを反対側の支持部4の高さより高くして、容器本体10を上記傾斜角αで傾斜させて支持することが可能であれば、上記実施例以外の容器本体の形状であってもよい。
また、図示しない実施例で、本発明のブリスターパック1を手で持った状態で、窪み部7から保存液11を溢さないように、カバー層5を容器本体10から剥離し、コンタクトレンズ8を取り出すことも勿論可能である。
図1乃至図5に記載する、コンタクト出荷用ブリスターパック1の容器本体10は、ポリオレフィン系に代表されるプラスチックを用いれば容易に成型することができる。
また、図2乃至図5に記載する、カバー層5は、ガスバリヤ性の高いフィルム、例えば、アルミニウムフィルム、プラスチックフィルム等を単独または多層フィルムとして用いればよい。このカバー層5は、フランジ部2及び支持部3の表面を覆うように、フランジ部2に封着してある。
図2乃至図5に記載する符号12は、容器本体10からカバー層5を剥離する際に、カバー層5を把持するための把持部である。
本発明に係るコンタクトレンズ出荷用ブリスターパックの実施例を示す概略正面図。 その実施例の図1におけるa-b線概略断面図 本発明コンタクトレンズ出荷用ブリスターパックの他の実施例を示す図1におけるa-b線概略断面図 本発明コンタクトレンズ出荷用ブリスターパックの他の実施例を示す図1におけるa-b線概略断面図 本発明コンタクトレンズ出荷用ブリスターパックの他の実施例を示す図1におけるa-b線概略断面図 従来のブリスターパックの概略断面図 従来のブリスターパックの概略正面図 従来のブリスターパックの概略側面図
符号の説明
1 コンタクトレンズ出荷用ブリスターパック
2 フランジ部
3 支持部
4 支持部
5 カバー層
6 空気部分
7 窪み部
8 コンタクトレンズ
9 接地部
10 容器本体
11 保存液
12 把持部
28 水平面
29 水平面

Claims (4)

  1. 半球状の窪み部と該窪み部の外側周囲に広がるフランジ部と支持部とからなる容器本体と、窪み部を開放可能に密封するカバー層とからなり、上記支持部を容器本体の両端に設け、上記カバー層を引き剥がす側の支持部の高さを反対側の支持部の高さより高くしてあり、容器本体を水平面上に置いた際に、容器本体が傾斜して支持され、該窪み部にコンタクトレンズの保存液を含み、窪み部の全容積から保存液の占める容積を除去した空間、すなわち、窪み部内に存在する空気部分を、傾斜した窪み部内の高い方に集中させ、この空気部分が集中した側からカバー層を剥離することで、窪み部の容積が比較的小さくても、窪み部内の保存液が内部圧力により外部に飛び出さないようにすることができるようにしたことを特徴とするコンタクトレンズ出荷用ブリスターパック。
  2. 上記支持部を上記フランジ部に対して折曲形状にしてある上記請求項1に記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパック。
  3. 上記支持部を上記フランジ部に対して湾曲形状にしてある上記請求項1に記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパック。
  4. 容器本体を水平面上に置いた際の上記容器本体の水平面に対する傾斜角を5〜20度にしてある上記請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズ出荷用ブリスターパック。
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