JP6129238B2 - コンタクトレンズ容器 - Google Patents

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Description

本発明はコンタクトレンズ容器に係り、特にコンタクトレンズを保存液に浸漬せしめた状態で収容して流通や保存等することのできるコンタクトレンズ容器に関するものである。
コンタクトレンズを市場に提供して流通させたり保存等する際に用いられる個別包装用のケースが、従来から幾つか提案されている。特に含水性のソフトコンタクトレンズなどでは、保存液に浸漬せしめた状態で流通や保存する必要があり、ユーザーが開封して使用したあとは簡易に廃棄できることが望ましいことからブリスタパック等のコンタクトレンズ容器が利用されている。
具体的には、例えば特開平7−322911号公報(特許文献1)に示されているように、基底部に形成されたくぼみ部にコンタクトレンズと保存液を収容すると共に、くぼみ部を覆うカバー層を重ねて基底部に封着せしめた構造とされている。
ところが、従来構造のコンタクトレンズ容器では、コンタクトレンズと保存液の収容領域に比較的大きな容積が設定されていることから、開封時にコンタクトレンズを安定した収容状態で提供することが難しかった。例えば、コンタクトレンズを収容したコンタクトレンズ容器は、製造工場からユーザーに提供され、さらにユーザーが持ち運ぶ過程でさまざまな振動が及ぼされたり傾動や反転などの操作が加えられることとなる。そのために、ユーザーが使用に際して開封した際に、コンタクトレンズが表裏反転していたり、部分的に折れ曲がって収容されていたりするおそれがあった。
また、特許文献1に記載のブリスタパックでは、装用時に角膜に重ね合わされるレンズ後面をくぼみ部の開口側に向けてコンタクトレンズが収容されることから、使用に際してユーザーが指先をレンズ後面に重ね合わせて摘まみ上げてから、レンズ前面を指先に載置するように持ち替えて眼に装用する必要がある。そのために、装用時におけるコンタクトレンズの取り扱いが面倒であると共に、角膜に重ね合わされるレンズ後面に指先が直接に触れて雑菌が付着しやすいという問題もあった。
なお、特開平10−313928号公報(特許文献2)には、収納部の底面の中央部分から上方に突出する突部を形成することで、かかる突部に対してレンズ後面を重ね合わせて位置決めするようにしたコンタクトレンズ収容容器が提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載のコンタクトレンズ収容容器では、突部の基端周りが収納部の最深部とされており、収納部の周壁が全周に亘って、突部の基端から開口部に向かって拡開する傾斜面とされている。それ故、突部に載置されたコンタクトレンズを摘まみ上げる際に、指先が傾斜面に当たってしまって突部より下方に入り難く、爪に近い指先端でコンタクトレンズを引っ掛けるようにして摘むことになってしまう。その結果、コンタクトレンズの取り出しが難しくなりやすく、爪によってコンタクトレンズが損傷するおそれもあった。
特開平7−322911号公報 特開平10−313928号公報
本発明は上述の事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、収容時におけるコンタクトレンズの位置などの安定性が向上されると共に、コンタクトレンズの使用に際してもレンズ前面側から摘んでコンタクトレンズを容易に取り出すことが可能になる、新規な構造のコンタクトレンズ容器を提供することにある。
本発明の第一の態様は、コンタクトレンズと保存液を収容する凹状のレンズ収容部が形成された容器本体と、該レンズ収容部の開口を覆って流体密に封止する蓋シートとを備えたコンタクトレンズ容器において、前記レンズ収容部に傾斜底面が設けられており、該レンズ収容部が、該傾斜底面によって深さ寸法が変化する深さ変化領域と、該傾斜底面の傾斜下方側に位置して該深さ変化領域の最大深さと略同じ深さ寸法で広がる深底領域とを備えていると共に、該傾斜底面から該レンズ収容部内に突出して前記コンタクトレンズを被せる突部が形成されており、該傾斜底面の傾斜方向において該突部の一方の側が浅底とされていると共に該突部の他方の側が深底とされているものである。
本態様のコンタクトレンズ容器では、レンズ収容部への収容状態下において傾斜底面上の突部に被さるようにしてコンタクトレンズが位置決めされる。そして、傾斜底面の傾斜方向の上方ではレンズ収容部が浅くなっていることと、突部で位置決めされることとがあいまって、レンズ収容部内でのコンタクトレンズの安定性が向上される。その結果、ユーザーによる開封時に、コンタクトレンズが表裏反転していたり、部分的に折れ曲がって収容されていたりするような不具合も軽減される。
また、傾斜底面上に突部が形成されていることから、傾斜底面の傾斜方向において突部の一方の側が浅底とされていると共に突部の他方の側が深底とされている。それ故、例えば親指を浅底側から突部に近づけると共に、人指し指を深底側から突部に近づけるようにして、突部に被せられたコンタクトレンズを摘み上げる操作を行うに際して、親指よりも人指し指の方が深くまでレンズ収容部に入り込むことが許容される。その結果、親指と人指し指の長さの違いを考慮して、コンタクトレンズを容易に摘まみ上げることができると共に、摘まみ上げた際にコンタクトレンズを人指し指の先端より指腹に近い部分へ載せやすくなり、レンズの取り扱いも容易になる。
さらに、本態様のコンタクトレンズ容器では、傾斜底面の傾斜下方側に深底領域を設けたことで、傾斜底面の傾斜下方側へ指を差し入れることが一層容易になり、例えば前述のように人指し指を深底側から突部に近づけるようにして、浅底側から突部に近づける親指との間で突部に被せられたコンタクトレンズを摘まみ上げる操作も更に容易となる。また、傾斜底面によって浅底化されるレンズ収容部における保存液の容量を、深底部によって確保等して調節することもできる。
本発明の第の態様は、前記第の態様に係るコンタクトレンズ容器であって、前記深さ変化領域が前記深底領域よりも平面視において広くされているものである。
本態様のコンタクトレンズ容器では、深底領域を広くしすぎることで、保存液量が不必要に多くなることを防止したり、また、流通段階などにおいてコンタクトレンズが突部から外れて深底領域内へ浮遊してしまう不具合も抑えることができる。
本発明の第の態様は、前記第一又は第二の態様に係るコンタクトレンズ容器であって、前記突部における寸法が、前記傾斜底面の傾斜方向に比して該傾斜底面の幅方向で大きくされているものである。
本態様のコンタクトレンズ容器では、突部全体の大きさを不必要に大きくすることなく、例えば傾斜底面の傾斜方向の両側から突部に向かって近づけられる指でコンタクトレンズを摘まみとるに際して、コンタクトレンズを摘まみとり方向へ導く突部表面を、傾斜底面の幅方向で確保することが可能になる。
本発明の第の態様は、前記第一〜の何れかの態様に係るコンタクトレンズ容器であって、前記傾斜底面が略一定の傾斜角度で広がる傾斜平面形状とされているものである。
本態様のコンタクトレンズ容器では、傾斜底面の傾斜角度を傾斜方向で複数段階や連続的に異ならせた屈曲状や湾曲状の傾斜底面を採用する場合に比して、設計や成形が簡単になるだけでなく、コンタクトレンズの収容状態での安定性の向上も図られ得る。
本発明の第の態様は、前記第一〜の何れかの態様に係るコンタクトレンズ容器であって、前記容器本体には、前記レンズ収容部の開口を上方に向けた状態で平面上に載置可能にする脚部が設けられていると共に、該容器本体の平面上への載置状態において前記傾斜底面が該レンズ収容部の周上の一部に向かって該レンズ収容部の深さ寸法が次第に浅くなるように傾斜しているものである。
本態様のコンタクトレンズ容器では、開封状態でテーブルなどの上に安定して載置することが可能になって利便性が向上される。また、レンズ収容部の周上の一部において傾斜底面の浅底側が周壁部につながるように形成されることで、傾斜底面の特に浅底側における周壁部への補強効果なども期待できる。
本発明の第の態様は、前記第の態様に係るコンタクトレンズ容器であって、前記容器本体において前記傾斜底面を有する底壁から下方に突出する下方突起が形成されて、前記脚部が該下方突起を含んで構成されているものである。
本態様のコンタクトレンズ容器では、下方突起によって傾斜底面を補強することも可能になる。また、本態様では、傾斜底面を有する底壁部を略一定の厚さで広がる傾斜板形状としつつ、下方突起によって傾斜底面をテーブルなどの上に直接に支持させて安定して載置することも可能になる。
本発明の第の態様は、前記第一〜の何れかの態様に係るコンタクトレンズ容器において、前記容器本体の前記レンズ収容部に前記コンタクトレンズと前記保存液が収容されて、該コンタクトレンズのレンズ後面が前記傾斜底面の前記突部に被さるように位置せしめられた状態で、該レンズ収容部が前記蓋シートで封止されているものである。
なお、本態様に係るコンタクトレンズ容器では、レンズ収容部の開口を覆う蓋シートの開封用の摘み部が傾斜底面の浅底側に対応する位置に設けられて、傾斜底面の浅底側から深底側に向かって蓋シートが引き剥がされて開封操作されるようになっていることが望ましい。それによって、蓋シートが深底側に被着されたままでも、傾斜底面の浅底側にユーザが位置してレンズ収容部に指先を差し入れることでコンタクトレンズを摘まみ取る操作を一層容易に行うことが可能になる。
本発明に従う構造とされたコンタクトレンズ容器においては、傾斜底面に突設された突部に被さるようにしてコンタクトレンズが収容されることにより、コンタクトレンズの容器内に安定して収容することができると共に、使用の際に指先でコンタクトレンズをレンズ前面側から容易に摘みとって取り出すことが可能になる。
本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズ容器を、保存液およびコンタクトレンズを収容した状態で示す縦断面図である。 図1に示されたコンタクトレンズ容器を構成する容器本体の平面図である。 図2に示された容器本体の正面図である。 図2に示された容器本体の右側面図である。 図2に示された容器本体の左側面図である。 図2に示された容器本体の底面図である。 図2におけるVII−VII断面図である。 図2に示された容器本体の斜視図である。 図1に示されたコンタクトレンズ容器の開封状態を示す斜視図である。 図1に示されたコンタクトレンズ容器の使用状態を概略的に示す説明図である。 コンタクトレンズを指先に載せた状態を示す説明図である。 図1に示されたコンタクトレンズ容器の連接セットをパッケージング等するに際して重ね合わせたストック状態を示す説明図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1には、本発明の例示的実施形態としてのコンタクトレンズ容器10が示されている。このコンタクトレンズ容器10は、容器本体12のレンズ収容部14が蓋シート16で封止されることで形成された収容領域18を内部に有しており、かかる収容領域18にコンタクトレンズ20が保存液22に浸漬されて収容されている。なお、以下の説明中、上下方向とは、開封時に上下方向とされる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、容器本体12は、図2〜7に示されているように、上方に開口する浅底凹状のレンズ収容部14を備えている。レンズ収容部14は、平面視において一方向に長い卵形またはオーバル形とされており、底壁26とその外周から立ち上がる周壁28によって、コンタクトレンズ20と保存液22を収容し得る所定容積をもって形成されている。なお、本実施形態の容器本体では、周壁28における周上の一部に切欠状の窓部30が形成されており、例えば保存液の充填等に利用可能であるが、かかる窓部30は、本発明において必須でない。
レンズ収容部14の開口部には、周壁28の上端縁部から外周側に向かって略水平方向に広がるフランジ状部32が形成されている。なお、本実施形態では、周壁28における窓部30の形成部位にはフランジ状部32が設けられないが、窓部30を形成しない態様では、レンズ収容部14の全周で立ち上がる周壁28の上端縁部から広がるフランジ状部32を全周に亘って連続した鍔状に形成することが望ましい。
そして、容器本体12の上面に被せられてレンズ収容部14の開口部を覆う蓋シート16が、レンズ収容部14の開口周りでフランジ状部32に固着されることで、レンズ収容部14が封止されて外部空間から遮断されるようになっている。
なお、本実施形態では、ユーザーが開封してコンタクトレンズを取り出す際に、ユーザーに対して遠近方向となることを予定する方向においてレンズ収容部14が長くされており、ユーザーに対して左右方向とされる収容部の幅寸法は比較的小さくされている。また、コンタクトレンズを取り出す際にユーザーに対して遠位側とされる位置に窓部30が形成されている。
さらに、容器本体12において窓部30が設けられた遠位側の端縁部は、幅方向に略直線的に延びており、そこから下方に向かって垂れ壁状に広がる奥側竪壁34が形成されている。なお、奥側竪壁34は、フランジ状部32の端縁部からだけでなく、フランジ状部32が形成されていない窓部30の形成部位でもレンズ収容部14の底壁26の端縁部から下方に延びており、全体として容器本体12の遠位側の端縁部の全長に亘って連続して形成されている。
そして、容器本体12に被せられた蓋シート16が、フランジ状部32の上面から連続して奥側竪壁34の外面にまで広がって重ね合わされている。また、蓋シート16は、フランジ状部32に対する固着部が、奥側竪壁34への重ね合わせ面まで連続して延びており、奥側竪壁34との重ね合わせ面において窓部30の開口周りで固着されている。これにより、窓部30が形成された本実施形態の容器本体12においても、レンズ収容部14の開口部が、上方開口部分と窓部30による奥方への開口部分との全周に亘って、蓋シート16の容器本体12への固着部が連続して形成されて、レンズ収容部14が封止されるようになっている。
尤も、このような奥側竪壁34やそこへの蓋シート16の固着構造は、例えばレンズ収容部14の周壁28に窓部30を形成しないような場合には、本発明において必須でない。即ち、レンズ収容部14の周壁28に窓部30を形成しないで、レンズ収容部14の上方への開口端縁から広がるフランジ状部32を全周に亘って連続した鍔状に形成するような場合には、フランジ状部32への蓋シート16の重ね合わせ面だけに設けた固着部によってレンズ収容部14の開口を全周に亘って連続して封止して密閉構造とすることも可能になる。なお、その場合でも、フランジ状部32の遠位側の端縁部から下方に垂れる奥側竪壁34を形成しても良いし、それによって容器本体12の強度向上を図ることもできる。
また、フランジ状部32は、蓋シート16を固着するに十分な寸法でレンズ収容部14の開口部から広がって形成されているが、特に、コンタクトレンズを取り出す際にユーザーに対して近位側とされる位置では、ユーザーに近づく手前側に舌片状に大きく延び出されて把持部36とされている。
本実施形態では、ユーザーがコンタクトレンズを取り出す際に、コンタクトレンズを摘むのとは反対の手の指先で保持しやすいように、把持部36が設計されている。具体的には、把持部36が、レンズ収容部14よりも狭い幅寸法とされていると共に、先端側が下方に向かって湾曲されている。また、少なくとも一方の面には凹凸状の滑り止めが付されている。
さらに、フランジ状部32において、レンズ収容部14の両側から把持部36に向かって次第に左右幅寸法が小さく変化する領域には、外周縁部に沿って延びる突条の補強リブ37が下面に突設されており、把持部36を指先で持つことで、容器本体12をより安定して保持することができるようになっている。
また、本実施形態の容器本体12は、上述のように底壁26と周壁28を備えたレンズ収容部14やフランジ状部32、奥側竪壁34および把持部36を備えた一体成形品とされることが望ましい。特に、製作に際しての量産性やコスト、取り扱いの容易さ、強度や剛性、耐久性等を考慮すると、耐薬品性にも優れた合成樹脂材料を採用することが望ましく、例えばフッ素樹脂やポリアミド,ポリアリレート,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニル,非結晶ポリオレフィン,ポリカーボネート,ポリサルフォン,ポリブチレンテレフタレート,ポリプロピレン,ポリメチルペンテン等、或いはそれらの複合体や多層構造の合成樹脂が好適に採用される。そして、このような樹脂材料を用いた射出成形や真空成形、圧空成形等によって一体成形された容器本体12が好適に用いられる。
なお、容器本体12のレンズ収容部14の内面には、コンタクトレンズ20の吸着を防止して取り出しの操作を一層容易にしたり、コンタクトレンズ20の収容状態で光学的な検査や確認を行う場合の光線の散乱を抑えたりするなどの目的で、適当な表面粗さを設定することもできる。レンズ収容部14の表面粗さは、例えば容器本体12の成形用金型におけるレンズ収容部14の成形面に対して、予め適度な表面粗さや表面性状を付与しておくことによって、有利に実現される。具体的には、成形用金型の表面に対してエッチングやショットブラスト、レーザー照射などの処理を施すことなどによって実現可能である。
一方、容器本体12のレンズ収容部14開口を覆蓋する、前述の蓋シート16は、樹脂シートなどで形成することも可能であるが、好適にはアルミニウム箔と合成樹脂を層状または箔状にして積層一体化した複合材からなるラミネートシート等によって形成される。特に、ガスバリア性能や高圧蒸気滅菌後の蒸気バリア性能および耐強度性能等を考慮して、例えばナイロンとアルミニウム合金とポリプロピレンとからなるように、3層以上の多重層からなる蓋シート16などが好適に採用される。
また、レンズ収容部14の周りで容器本体12に対して蓋シート16を確実に封止するには、接着なども可能であるが、ヒートシールによる溶着が好適に採用される。即ち、容器本体12と蓋シート16の少なくとも両重ね合わせ面を熱可塑性樹脂で形成して、両者を重ね合わせた状態で押圧すると共に熱や高周波、超音波などで溶着することなどによって、レンズ収容部14を蓋シート16で封止することができる。
なお、本実施形態では、容器本体12のフランジ状部32と奥側竪壁34にも蓋シート16が固着されることとなるが、蓋シート16をフランジ状部32と奥側竪壁34に対して別工程で固着しても良い。例えば、蓋シート16をフランジ状部32に溶着したあとに、窓部30を通じてコンタクトレンズ20の膨潤処理や保存液22の注入を行ってから、蓋シート16を奥側竪壁34に溶着して窓部30を閉じることで、レンズ収容部14を封着することも可能である。
そして、このような蓋シート16の容器本体12への固着態様を採用することで、より好適な効果を得ることもできる。すなわち、容器本体12へ保存液22を注入する前のフランジ状部32の乾燥状態で蓋シート16をフランジ状部32に重ね合わせて溶着等で固着し、その後に容器本体12内でのコンタクトレンズ20の膨潤処理や保存液22の注入を行ってから、奥側竪壁34に蓋シート16を重ねて、フランジ状部32への固着よりも強力に溶着することができる。これにより、フランジ状部32における蓋シート16の溶着部位に対する保存液の巻き込みを容易に且つ確実に防止して、開封操作を損なわない程度の固着力で蓋シート16を安定してフランジ状部32へ固着することが可能になる。一方、奥側竪壁34は、蓋シート16の開封を予定しない固着部位であるから、開封操作への悪影響を考慮することなく蓋シート16を強固且つ確実に密着させることで剥離を防止して機密性を高度に確保することが可能になるのである。尤も、このような奥側竪壁34は、本発明において不必要であるし、そもそも奥側竪壁34の窓部30は本発明において形成する必要がないのであるから、奥側竪壁34へ蓋シート16を密着させる必要もない。したがって、本段落における記載は、本発明と関係ないものであって、本発明を限定的に解釈する根拠となるものではない。
また、蓋シート16は、フランジ状部32への溶着部の外周側で、把持部36の上にまで広がって延びだしており、把持部36に対して非接着で被さる操作片部38が形成されている。すなわち、本実施形態のコンタクトレンズ容器10は、図1に示されているように、レンズ収容部14へコンタクトレンズ20と所定量の保存液22を収容し、蓋シート16でレンズ収容部14を封止せしめた構造で市場流通されて各ユーザーへ提供されるが、ユーザーの使用時には、蓋シート16を容器本体12から剥離して開封する操作が必要となる。その際、かかる操作片部38を片手の指で摘んで引っ張ることにより、蓋シート16を、接着面の幅寸法が最も狭くされた、容器本体12の手前側から引き剥がして容易に開封することが出来るようになっている。
ところで、コンタクトレンズ20が保存液22と共に収容されるレンズ収容部14は、コンタクトレンズを取り出す際にユーザーに対して遠近方向となる図1中の左右方向で深さ寸法が異ならされている。具体的には、レンズ収容部14の底壁26の内面は、ユーザーに対する遠位側に位置する深底面40と、ユーザーに対する近位側に位置する傾斜底面42から構成されている。すなわち、本実施形態では、レンズ収容部14が、傾斜底面42の上にある深さ変化領域と、深底面40の上にある深底領域とを備えている。
傾斜底面42は、ユーザーに対する遠位側からレンズ収容部14の周上の一部にある近位側に向かって次第にレンズ収容部14が浅くなる方向に傾斜した傾斜面とされている。特に本実施形態では、ユーザーに対する遠近方向で略一定の角度θで傾斜したテーパ付き平面形状の傾斜底面42とされている。
なお、レンズ収容部14を形成する底壁26や周壁28は、深底面40や傾斜底面42の形成部位を含めて全体が略一定の壁厚形状とされており、本実施形態では、把持部36を含むフランジ状部32も略同じ厚さ寸法で形成されている。また、レンズ収容部14の周壁28は、傾斜底面42に応じて周上で高さ寸法が異ならされており、傾斜底面42における近位側の端部で最も小さくなっている。なお、傾斜底面42における近位側の端部では、レンズ収容部14の深さ寸法が実質的にゼロとされて傾斜底面42がフランジ状部32の上面に対して直接に連接されていても良い。
また、傾斜底面42の遠位側端縁となる最深部から遠位側に広がって、深底面40が形成されている。深底面40は、傾斜底面42の最深部と略同じ深さで広がる平坦面形状とされている。本実施形態では、図2に示される平面視において、ユーザーに対する遠近方向で深底面40よりも傾斜底面42の方が長く寸法設定されて、L1<L2とされており、傾斜底面42が深底面40よりも大きな面積をもって形成されている。
なお、図1から明らかなように、本実施形態では、深底面40の遠位側の端縁部から立ち上がる周壁28において、高さ方向の中間部分に底面をもって窓部30が形成されている。また、窓部30やフランジ状部32の遠位側端縁から垂れ壁状に下方へ突設された奥側竪壁34は、深底面40を形成する底壁26の下面にまでは達せずに、底壁26の下面よりも高い位置に下端部が設定されている。
更にまた、レンズ収容部14の底壁26には、傾斜底面42の近位側の端部近くから下方に向かって突出する下方突起44が形成されている。この下方突起44は、図6の底面図に示されるように、底壁26の幅方向の略中央に突設されており、突出先端となる下端面が、深底面40を形成する底壁26の下面と略同じ平面上に位置せしめられている。
すなわち、下方突起44が形成されることにより、傾斜平板状に広がる底壁26の強度向上が図られている。また、フランジ状部32の上面と略平行な同一平面上にそれぞれ所定面積で広がる底壁26と下方突起44の各下端面によって、テーブルなどの略水平な載置面に対して容器本体12を安定して載置して、レンズ収容部の開口を上方に向けた状態で支持せしめることのできる脚部が協働して形成されている。
なお、下方突起44は、その形状や形成位置、数、大きさなどについて限定されるものでなく、要求される強度や安定性などの性能のほか、意匠なども考慮して適宜に形成可能であって、例えばフランジ状部32から下方に突出する下方突起を設けることも可能である。また、本実施形態では、下方突起44において、下面中央に開口する肉抜きが設けられて中空の筒状とされているが、そのような肉抜き構造は必須でない。
さらに、傾斜底面42には、レンズ収容部14内に突出する突部が形成されている。本実施形態では、かかる突部が、傾斜底面42の略中央部分に位置する中央突部46として形成されており、中央突部46の周りには、傾斜底面42が広がっている。
中央突部46は、コンタクトレンズ20の凹形の球冠形状とされたレンズ後面に入り込んで、コンタクトレンズ20に対する当接による係止的な作用により、コンタクトレンズ20の収容領域18内での自由な変位を制限し得る大きさに設定されている。特に本実施形態では、コンタクトレンズ20のレンズ後面の深さ寸法よりも小さな突出高さと、コンタクトレンズ20のレンズ後面よりも全体的に小さな外周形状とされている。
これにより、コンタクトレンズ20を中央突部46へ被せるようにして、保存液22で略満たされたレンズ収容部14へ収容した状態で、コンタクトレンズ20のエッジ部がレンズ収容部14の底面に当接するようになっている。また、コンタクトレンズ20の変位を制限する中央突部46が傾斜底面42に位置していることで、コンタクトレンズ20の少なくとも一部が傾斜底面42に載置されており、特に本実施形態では、コンタクトレンズ20の半分以上が傾斜底面42上に位置するように設定されている。
なお、このような傾斜底面42上でのコンタクトレンズ20の安定した位置決め状態下で、コンタクトレンズ20が蓋シート16で押しつぶされることなくレンズ収容部14に収容されるように、傾斜底面42の傾斜角度や、傾斜底面42と深底面40の大きさと深さが、設定されている。また、コンタクトレンズ20が接触によって損傷しないように、中央突部46の全体が滑らかに湾曲した表面形状とされている。
また、中央突部46の外周面の寸法は、傾斜底面42の傾斜方向に比して傾斜底面42の幅方向で大きくされている。これにより、レンズ収容部14の容積減少が問題となる程に中央突部46を過度に大きくすることなく、中央突部46における傾斜底面42の傾斜方向の両側面の面積が大きく設定されて、コンタクトレンズ20を摘みあげるように取り出す際のガイド面48,50が構成されている。
さらに、本実施形態では傾斜底面42において、中央突部46の基端部から周壁28に向かって延びる複数本(本実施形態では左右両側に傾斜してのびる各2本の合計4本)の突条リブ51が形成されている。これらの突条リブ51は、傾斜底面42から僅かに突出しており、傾斜底面42の補強作用のほか、コンタクトレンズ20の吸着による取り出し作業性の低下防止作用も発揮されるようになっている。すなわち、レンズ収容部14へ収容されたコンタクトレンズ20のエッジ部が傾斜底面42上に載置されてエッジ部が全周に亘って底壁26の表面に密接されると吸着力が発生するおそれがある。そこで、例えばコンタクトレンズ20を傾斜底面42と深底面40との間に跨がって載置されるようにするほか、傾斜底面42に設けた突条リブ51上に乗り上げてコンタクトレンズ20を載置させることで、そのような吸着を防止して取り出しやすさの更なる向上と安定化を図ることが可能となる。
上述の如き構造とされた本実施形態のコンタクトレンズ容器10は、例えばHEMA系イオン性高含水ソフトコンタクトレンズやシリコーン成分を有するシリコーンハイドロゲルソフトコンタクトレンズ等のようなソフトタイプのコンタクトレンズ20を保存液22への浸漬状態で収容し、市場に流通させてユーザーへ提供する流通用ケースとして、特に好適に採用される。
コンタクトレンズ容器10の流通段階において、内部に収容されたコンタクトレンズ20は、傾斜底面42で浅くされた領域に位置して中央突部46がレンズ後面側へ入り込んで位置決めされていることから、表裏反転や折れ曲がりなどが効果的に防止されて安定した状態に保たれ得る。
そして、このようなコンタクトレンズ20が密閉状態で収容されたコンタクトレンズ容器10を入手したユーザーは、コンタクトレンズ20を使用するに際して、容器本体12の把持部36を摘むなどして片手で持ち、他方の手の指先で操作片部38を摘んで蓋シート16を容器本体12から引き剥がすように剥離してレンズ収容部14を上方に向かって開口させる。なお、開封状態を示す図9の斜視図では、コンタクトレンズ20を収容せしめた状態が示されている。
蓋シート16の開封後には、必要に応じてテーブルなどの水平な載置面上に容器本体12を脚部で支持させて、容器本体12のフランジ状部32の上面を略水平に向けた状態で保持せしめつつ、コンタクトレンズ20を片方の指先で摘んで取り出すことができる。
その際、コンタクトレンズ20が傾斜底面42上に載置されていることから、コンタクトレンズ20までの保存液22の水深が浅くされて、保存液22中に浸漬されたコンタクトレンズ20を容易に視認することができる。
しかも、コンタクトレンズ20が傾斜底面42上に載置されていることから、把持部36や操作片部38をユーザーが手前側に向けた状態でコンタクトレンズ20を摘まみとる際に、片手の親指が傾斜底面42の浅底側(近位側)から収容領域18へ差し入れられると共に、人指し指が傾斜底面42の深底側(遠位側)から収容領域18へ差し入れられることとなる。それ故、親指よりも長い人指し指も、深底側において深くまで容易に差し入れることが可能となり、長さが異なる親指と人指し指の各指先間で傾斜面上に載置されたコンタクトレンズ20を、角膜に重なるレンズ後面に触れることなくレンズ前面側から挟んで、容易に摘み取ることができるのである。
加えて、傾斜底面42上に突設された中央突部46がコンタクトレンズ20のレンズ後面へ入り込んで位置していることから、図10に示されているように、親指と人指し指の間で挟まれて変形せしめられたコンタクトレンズ20が、中央突部46上で二つ折りとなるような安定した変形状態で一層スムーズに取り出すことが可能になる。すなわち、親指で押さえられる片半分側が中央突部46の一方のガイド面48に当接して案内されると共に、人指し指で押さえられる他半分側が中央突部46の他方のガイド面50に当接して案内されることで、上方にスムーズに摘み上げられ得ることとなる。
なお、コンタクトレンズ容器10の使用の利便性を向上させるなどの目的で、容器本体12や蓋シート16において、例えば容器本体12を下側にして蓋シート16を上側にした状態が開封時の正規状態であることを示す上下表示を付したり、蓋シート16の開封開始位置を示す表示を付したりすることも可能である。また、開封時にコンタクトレンズ20が蓋シート16の裏面へ張り付くことを防止するなどの目的で、蓋シート16の裏面にシボなどの表面加工を施すことも可能である。
更にまた、傾斜底面42の深底側から収容領域18へ差し入れられる人指し指がコンタクトレンズ20の中心付近の載置面よりも深くまで差し入れ可能であることから、図11に示されているように、摘まみ上げた後にコンタクトレンズを指先で大きく移動させることなく人指し指の先端より指腹に近い部分へ載せやすくなり、レンズの取り扱いも容易になる。なお、コンタクトレンズを摘まみあげる指は、ユーザー毎に異なっていても良く、例えば人指し指に代えて中指などを用いても良い。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでない。例えば、傾斜底面42に突設される突部は、各種の形状や大きさ、位置を設定することが可能であり、例えばドーム形状や球冠形状などの突部を採用することもできる。また、複数の突部を設けて、例えば傾斜底面42の幅方向に並べることもできる。更にまた、前記実施形態の中央突部46は、底壁26と略同じ厚さで部分的に底壁26が上方に膨らんだような構造とされて、下方に開口する肉抜空所をもって形成されることで、成形樹脂材料の低減や樹脂成形時のヒケなどによる寸法精度の低下の回避などが図られていたが、そのような肉抜空所のない中実構造の突部を採用することも可能である。
さらに、容器本体12の底壁26の厚さを変化させることで、底壁26の上面を傾斜底面42とする一方、底壁26の下面をテーブル等に載置できる水平な平坦面をもって形成することなども可能である。すなわち、水平な平坦面とされた底壁26の下面のみによって脚部が構成されていてもよい。
また、傾斜底面42の形状は、前記実施形態のように略一定の傾斜角度で広がる傾斜平面形状に限定されない。例えば、傾斜底面の傾斜角度を傾斜方向で複数段階や連続的に異ならせた屈曲状や湾曲状の傾斜底面を採用してもよい。
また、容器本体12の底面における傾斜底面42は、突部が形成されてコンタクトレンズが被さるように載置されるようになっていれば良い。例えばコンタクトレンズの一部が傾斜底面の傾斜下端から広がる深底面にまで広がって部分的に傾斜底面に載置される程に小さな面積の傾斜底面であっても良いし、コンタクトレンズの全体が載置される程に大きな面積の傾斜底面であっても良い。後者の場合には、実施形態における深底面40は必ずしも設ける必要がなく、レンズ収容部の底面の全体を傾斜底面とすることも可能である。
また、前記実施形態では、コンタクトレンズ容器10の単体について説明したが、複数個のコンタクトレンズ容器10を一方向又は直交二方向につながった状態で市場に提供することも可能であり、それによって、複数個のコンタクトレンズ容器10をまとめてストックしたり流通させたりしやすくなる。
具体的には、例えば図12に示されているように、コンタクトレンズ容器10の複数個(図12では5個)を幅方向につなげて形成することができる。かかる連結構造としては、テープなどの他の連結部材を採用することも可能であるが、容器本体12と蓋シート16の少なくとも一方を連続状態で一体的に形成することで複数個のコンタクトレンズ容器10をつなげることが望ましい。
図12に示された実施形態では、コンタクトレンズ容器10の連接体52の2組を、互いに表裏を反転させた状態で、且つ互いに幅方向に半分ずつずらせた位置関係をもって上下に重ね合わせることにより、上下の一方のコンタクトレンズ容器10の浅底部側の底面が他方のコンタクトレンズ容器10の深底部側の底面に重なって全体の重ね合わせ高さができるだけ小さくなるようにされている。
なお、図12では、上下反転させて重ね合わせた2組の連接体52、52を、高さ方向で3段に積み上げることで計6個の連接体52の積み重ね状態として示されている。
また、本実施形態では、上下の一方のコンタクトレンズ容器10の底壁部から突設された下方突起44が、他方のコンタクトレンズ容器10の底壁部間に入り込んで位置ズレを規制する位置決め作用も発揮し得るようになっている。更に、コンタクトレンズ容器10の奥側竪壁34も、他方のコンタクトレンズ容器10の把持部36へ当接することにより、上下に重ね合わされたコンタクトレンズ容器10が傾斜底面42の傾斜方向に相対移動することを規制し得るようになっている。
さらに、上述の実施形態において具体的な態様例が開示されている構成として、以下の構成については、本発明とは別の独立した技術思想に基づく別発明として把握することができるものであり、且つ上述の実施形態に基づいて当業者が容易に実施することができるものである。なお、以下の別発明に関する記載は、本発明を限定的に解釈する理由とされるものではない。
すなわち、本明細書および図面に開示した別発明の第一の態様は、「コンタクトレンズと保存液を収容する凹状のレンズ収容部が形成された容器本体と、該レンズ収容部の開口を覆って流体密に封止する蓋シートとを備えたコンタクトレンズ容器において、該容器本体における該蓋シートの開封操作側となる近位側端部と反対側の遠位側端部において、該レンズ収容部が開口する上方と反対の下方に向かって突出して広がる垂れ壁を設けると共に、該容器本体における該レンズ収容部の周囲に広がるフランジ状部に重ね合わされて該レンズ収容部を覆蓋する該蓋シートを、該フランジ状部の表面から該垂れ壁の表面にまで回り込む状態で延び出させて該垂れ壁の表面に対して該蓋シートを重ね合わせ状態で固着したことを特徴とするコンタクトレンズ容器」である。
本別発明の第二の態様は、「上記第一の態様に係るコンタクトレンズ容器において、前記垂れ壁が、前記フランジ状部から下方に向かって略垂直に突出して形成されているコンタクトレンズ容器」である。
本別発明の第三の態様は、「上記第一又は第二の態様に係るコンタクトレンズ容器において、前記蓋シートの固着強度が、前記フランジ状部よりも前記垂れ壁において大きくされているコンタクトレンズ容器」である。
なお、本別発明の第一〜第三の態様に係るコンタクトレンズ容器において、「垂れ壁」は、前記実施形態では「奥側竪壁34」よって構成されている。かかる奥側竪壁34において、前記実施形態にも記載したように窓部30を設ける必要はなく、レンズ収容部14の周囲を全周に亘って覆うフランジ状部32が形成されてレンズ収容部14が上方にのみ開口する態様において該フランジ状部32の遠位側端縁部の略全長に亘って下方に突出する態様で奥側竪壁34が形成された態様は、本別発明においても採用可能である。
また、かかる垂れ壁を構成する奥側竪壁34は、フランジ状部32から直角に下方に向かって形成されている必要はなく、斜め下方に向かって傾斜して下方に突出形成されていても良いし、その傾斜角度も一定である必要はなく、垂れ壁(奥側竪壁34)の表面が屈曲又は湾曲して下方に突出形成されていても良い。
このような本別発明の第一〜第三の態様に係るコンタクトレンズ容器では、前記実施形態における図9,図10に示されているように、奥側竪壁34(垂れ壁)まで蓋シート16を捲り上げた状態では、奥側竪壁34の表面とフランジ状部32の表面との境界部である角部から上方に向かって蓋シート16の基端部(捲り上げた蓋シート16の捲り上げ端)が立ち上がることとなる。一方、例えば奥側竪壁34へ固着されずにフランジ状部32の表面だけに固着された蓋シート16を、開封に際してフランジ状部32の途中まで捲り上げた状態(奥側竪壁34を持たない一般的な従来構造のブリスターパックでは、フランジ状部32の最後まで蓋シート16を捲り上げてしまうと、蓋シート16がフランジ状部32から分離してしまうからできない)では、蓋シート16の捲り上げ端がフランジ状部32の表面から傾斜をもって手前側に倒れて立ち上がる状態となってしまう。このような手前側に倒れて立ち上がる状態で開封された蓋シート16は、レンズ収容部14を上方で部分的に覆ってしまい易く、レンズ収容部14に収容されたコンタクトレンズへの手指でのアクセスが阻害されやすい問題があるのに対して、本別発明のコンタクトレンズ容器では、蓋シート16の捲り上げ端が上方に向かって立ち上がって手前側への倒れが効果的に抑えられると共に、更に蓋シート16の捲り上げ端を手前と反対側に大きく且つ容易に倒し込んでしまうことも可能になることから、レンズ収容部14の開口が蓋シート16で覆われてしまう問題を回避することが可能になる。
加えて、本別発明の第一〜第三の態様に係るコンタクトレンズ容器では、前記実施形態における図9,図10に示されているように、蓋シート16を捲り上げて開封する操作時において、蓋シート16の端部を手指で摘んでフランジ状部32の鉛直略上方に向けて引っ張る方向に及ぼされる開封力をたとえ強く及ぼしてしまっても、蓋シート16の開封端が、図9,図10に示される如き奥側竪壁34の表面とフランジ状部32の表面との境界部である角部から上方に向かって蓋シート16の基端部が立ち上がる位置に安定して規定され得ることとなる。一方、例えば奥側竪壁34へ固着されずにフランジ状部32の表面だけに固着された蓋シート16を備えた従来の一般的なブリスターパックでは、開封に際して蓋シート16を勢い良く上方に引っ張り挙げて引き剥がすと、勢い余って蓋シート16の全体がフランジ状部32の表面から剥離して分離してしまい、かかる分離時の衝撃(弾発力)で液やレンズが飛び出すおそれもあった。すなわち、本別発明の第一〜第三の態様に係るコンタクトレンズ容器では、開封時に及ぼされる蓋シート16を上方に向けて引っ張る操作力が、フランジ状部32への固着領域では「引っ張りの力」として作用して固着面の引き剥がし力として効率的に作用することとなる一方、奥側竪壁34への固着領域では「剪断の力」として作用して固着面の引き剥がしには作用し難いこととなるのであり、その結果、たとえ強い力で蓋シート16を開封操作しても、規定の開封位置(容器本体12のフランジ状部32の遠位側端部付近)に効果的に抑えられて安定した開封状態が発現され得ることとなり、ユーザーの使用の便が向上され得るのである。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:コンタクトレンズ容器、12:容器本体、14:レンズ収容部、16:蓋シート、18:収容領域、20:コンタクトレンズ、22:保存液、26:底壁、40:深底面、42:傾斜底面、44:下方突起、46:中央突部(突部)

Claims (7)

  1. コンタクトレンズと保存液を収容する凹状のレンズ収容部が形成された容器本体と、該レンズ収容部の開口を覆って流体密に封止する蓋シートとを備えたコンタクトレンズ容器において、
    前記レンズ収容部に傾斜底面が設けられており、該レンズ収容部が、該傾斜底面によって深さ寸法が変化する深さ変化領域と、該傾斜底面の傾斜下方側に位置して該深さ変化領域の最大深さと略同じ深さ寸法で広がる深底領域とを備えていると共に、
    該傾斜底面から該レンズ収容部内に突出して前記コンタクトレンズを被せる突部が形成されており、該傾斜底面の傾斜方向において該突部の一方の側が浅底とされていると共に該突部の他方の側が深底とされていることを特徴とするコンタクトレンズ容器。
  2. 前記深さ変化領域が前記深底領域よりも平面視において広くされている請求項に記載のコンタクトレンズ容器。
  3. 前記突部における寸法が、前記傾斜底面の傾斜方向に比して該傾斜底面の幅方向で大きくされている請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ容器。
  4. 前記傾斜底面が略一定の傾斜角度で広がる傾斜平面形状とされている請求項1〜の何れか一項に記載のコンタクトレンズ容器。
  5. 前記容器本体には、前記レンズ収容部の開口を上方に向けた状態で平面上に載置可能にする脚部が設けられていると共に、
    該容器本体の平面上への載置状態において前記傾斜底面が該レンズ収容部の周上の一部に向かって該レンズ収容部の深さ寸法が次第に浅くなるように傾斜している請求項1〜の何れか一項に記載のコンタクトレンズ容器。
  6. 前記容器本体において前記傾斜底面を有する底壁から下方に突出する下方突起が形成されて、前記脚部が該下方突起を含んで構成されている請求項に記載のコンタクトレンズ容器。
  7. 前記容器本体の前記レンズ収容部に前記コンタクトレンズと前記保存液が収容されて、該コンタクトレンズのレンズ後面が前記傾斜底面の前記突部に被さるように位置せしめられた状態で、該レンズ収容部が前記蓋シートで封止されている請求項1〜の何れか一項に記載のコンタクトレンズ容器。
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