JP4587924B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック粉末などの共材を含む内部電極ペーストを用いて得られる積層セラミックコンデンサに関するものである。
従来より、積層セラミックコンデンサは誘電体グリーンシートと内部電極パターンとを交互に複数重ねてコンデンサ本体成形体を形成し焼成した後、内部電極層が露出した端面に外部電極を設けることにより作製されている。このような積層セラミックコンデンサに用いられる内部電極ペーストはニッケル等の金属粉末を有機バインダ及び有機溶剤を混合した有機ビヒクルに分散させてペースト状にしたものである。
ところで、このような内部電極ペーストにより形成された内部電極パターンを有するコンデンサ本体成形体を焼成すると、内部電極パターンは、通常誘電体グリーンシートに比
べて低温側から焼結が始まることから、焼成後には内部電極パターンは過度に焼結した状態となり、そのため焼成後のコンデンサ本体においては内部電極層に多くの不連続部分が生じてしまい、それに伴い内部電極層同士の実質的な対向面積が減少し、積層セラミックコンデンサの静電容量が低下してしまうという問題があった。
そこで、近年、誘電体グリーンシートに含まれるセラミック粉末と同種の粉末材料(共材)を内部電極ペーストに添加して、内部電極ペーストの焼結開始温度をセラミック成形体の焼結開始温度に近づけると共に、焼成時における内部電極ペースト中の金属粉末の粒成長を抑制して内部電極パターンの収縮率を誘電体グリーンシートの収縮率に近づけることが一般に行われている(例えば、特許文献1)。
特開2005−135821
しかしながら、上記特許文献1に開示された内部電極ペーストを塗布して得られたコンデンサ本体成形体では、ペースト中に含まれるセラミック粉末として誘電体粉末と同じ基本成分を有するチタン酸バリウム粉末が用いられているものの、基本成分を同じとしたチタン酸バリウム粉末では焼成中に粒成長しやすく、また、この内部電極ペーストに含まれるセラミック粉末の粒成長に影響されて誘電体グリーンシートに含まれる誘電体粉末もまた粒成長するという現象が起きていた。
そして、誘電体層および内部電極層中の結晶粒子が粒成長しやすいという問題は、例えば、トンネル型の連続炉を用いる積層セラミックコンデンサの量産工程において顕著である。つまり、トンネル型の連続炉は実験炉に比べて炉内の温度差が大きいために、同時に大量に焼成すると焼成後の誘電体層を構成する結晶粒子に粒径のばらつきが大きくなり、そのため量産された積層セラミックコンデンサの誘電損失が大きくなるとともに絶縁抵抗が低くなり、高温負荷信頼性が低下するという問題があった。
従って本発明は、誘電体層中の結晶粒子の粒成長を抑制して高い絶縁性を得ることができ、トンネル型の連続炉を用いた量産工程においても誘電体層および内部電極層中の結晶粒子の粒成長を抑制して積層セラミックコンデンサの誘電損失が小さく、かつ絶縁抵抗を高めることができ、高温負荷信頼性を向上できる積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の積層セラミックコンデンサは、誘電体層および内部電極層を交互に積層したコンデンサ本体の端面に外部電極を具備する積層セラミックコンデンサであって、前記内部電極層内に粒界を有するセラミック粒子が存在し、該セラミック粒子の主成分がチタン酸バリウム系粒子であり、該チタン酸バリウム系粒子はペロブスカイト型結晶におけるa軸の格子定数に対するc軸の格子定数の比(c/a)1.005<c/a≦1.009の範囲であるとともに、チタンに対するバリウムのモル比(Ba/Ti)が1.004<Ba/Ti≦1.006の範囲であることを特徴とするものであり、上記積層セラミックコンデンサでは、前記内部電極層内の前記セラミック粒子の平均粒径が70nm以下であることが望ましい。
本発明によれば、トンネル型の連続炉を用いた量産工程においても誘電体層および内部電極層中の結晶粒子の粒成長を抑制して積層セラミックコンデンサの誘電損失を小さく、かつ絶縁抵抗を高めることができ、高温負荷信頼性を向上できる。
まず、内部電極ペーストについて詳述する。
の内部電極ペーストに含まれる有機ビヒクルは、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどから選ばれる少なくとも1種の有機樹脂が好ましく、特に、エチルセルロースは熱分解しやすくチクソトロピック粘度特性が得やすいという利点がある。
金属粉末としては、Ni、Cu、Ag、Pdなどから選ばれる1種の金属粉末およびそれらの合金が好ましく、特に、Niは誘電体粉末としてチタン酸バリウム系粉末を主成分として用いた場合に焼結温度が近く同時焼成が可能であり安価という利点がある。
金属粉末の平均粒径は200nm以下、50nm以上が好ましい。
金属粉末の平均粒径が200nm以下であると、内部電極層の薄層化に有利であり、内部電極層の凹凸も小さくできるという利点がある。
一方、平均粒径が50nm以上であるとペースト調製時における金属の酸化や発火を抑制できるという利点がある。
共材として用いるチタン酸バリウム系粉末は正方晶性を示すc/a比が1より大きく、かつバリウムとチタンのモル比Ba/Tiが1より大きい。
特に、チタン酸バリウム系粉末の正方晶性比が1.009≧c/a>1.005の範囲であること、かつ、バリウムとチタンのモル比が1.006≧Ba/Ti>1.004の範囲である。共材となるチタン酸バリウム粉末の組成および結晶性を上記の範囲にするとチタン酸バリウム以外の異相の生成を低減でき、焼成する温度範囲が広くても粒成長を抑制できるという利点があり、また焼成前後における共材の粒成長並びに共材に隣接する誘電体層を構成する結晶粒子までも粒成長を抑制できる。このためトンネル型の連続炉を用いた量産工程においても誘電体層および内部電極層中の結晶粒子の粒成長を抑制して積層セラミックコンデンサの誘電損失を小さく、かつ絶縁抵抗を高めることができる。
これに対して、共材として用いるチタン酸バリウム粉末の正方晶性比が1、または、Ba/Ti比が1であると焼成時に粒成長しやすく、このため共材に影響されて誘電体層を構成するチタン酸バリウム系の結晶粒子も粒成長する。
そして、上記内部電極ペーストでは、共材のチタン酸バリウム系粉末の平均粒径が70nm以下であることが望ましい。平均粒径が70nm以下であると内部電極層を薄層化してもチタン酸バリウム系粉末による凹凸を無くすことができるという利点がある。
なお、平均粒径はチタン酸バリウム粉末が正方晶性を示す限界の粒径以上である必要があり、そのため30nm以上、正方晶性が高く誘電体層の結晶粒子の粒成長を抑制し高絶縁性にできるという点で50nmがより好ましい。
本発明の積層セラミックコンデンサについて、図1の概略断面図をもとに詳細に説明する。図1は、本発明の積層セラミックコンデンサを示す概略断面図である。引出しの拡大図は誘電体層を連結する内部電極層内に存在するセラミック粒子の微構造の模式図である。
本発明の積層セラミックコンデンサは、コンデンサ本体1の両端部に外部電極3が形成
されている。この外部電極3は、例えば、CuもしくはCuとNiの合金ペーストを焼き付けて形成されている。
コンデンサ本体1は誘電体層5と内部電極層7とが交互に積層され構成されている。誘電体層5は、結晶粒子9と粒界11により構成されている。
その厚みは3μm以下、特に、2.5μm以下であることが積層セラミックコンデンサを小型高容量化する上で好ましく、さらに本発明で、静電容量のばらつきおよび容量温度特性の安定化のために、誘電体層5の厚みばらつきが10%以内であることがより望ましい。
図1の拡大図に示すように、内部電極層7中には上下の誘電体層5を連結するセラミック粒子13が存在する。このセラミック粒子13は電子顕微鏡で観察できる大きさの粒界相15を介して複数の微粒子により形成されていることを特徴とするものであり、特に、セラミック粒子13の主成分がチタン酸バリウムであれば、そのセラミック粒子13は正方晶性を示すc/a比が1.009≧c/a>1.005の範囲、また、バリウムとチタンのモル比が1.006≧Ba/Ti>1.004のそれぞれの関係を有する。そして、上記のようなセラミック粉末によれば焼成後の内部電極層内のセラミック粒子の平均粒径は300nm以下に抑制される。
また、本発明の積層セラミックコンデンサでは、誘電体層5を構成する結晶粒子9についても、上記内部電極層7に含まれるセラミック粒子13と同じように、正方晶性を示すc/a比が1より大きく、特に、1.009≧c/a>1の範囲であることが好ましく、また、バリウムとチタンのモル比がBa/Ti>1、特に、1.006≧Ba/Ti>1。004の関係を有することが誘電体層5の高誘電率化および高絶縁性並びに高温負荷信頼性を高めるという理由から好ましい。
また、上述したように焼成後の内部電極層内のセラミック粒子の平均粒径は300nm以下に抑制されることにより、それに伴い誘電体層5を構成する結晶粒子9の平均粒径を300nm以下に調整できる。また、結晶粒子9の平均粒径が300nm以下であると、薄層化した誘電体層5の厚み方向に多くの粒界11を有する結晶組織を形成でき、これにより低誘電損失化および高絶縁性化できるという利点がある。このような誘電体層5の厚みとしては2μm以下が好ましい。なお、本発明の結晶粒子9であるチタン酸バリウム系粒子は絶縁性等の特性を改善するための助剤であるMg、Mn、希土類元素を含むものである。
さらに、内部電極層7では、特に、その内部電極層7内に存在するセラミック粒子13を焼結しても粒成長が抑制されて粒界相15を有する程度の粒子とすることによりこの部分の絶縁性を高めることができるという利点がある。
図2は、本発明の積層セラミックコンデンサを製造するための工程図である。(a)工程:まず、以下に示すチタン酸バリウム系粉末と有機ビヒクルとを混合してセラミックスラリを調製し、シート成形法を用いて基材上30に誘電体グリーンシート31を形成する。誘電体グリーンシート31の厚みは、誘電体層の高容量化のための薄層化、高絶縁性を維持するという点で1〜4μmが好ましい。
チタン酸バリウム系粉末は、固相法、液相法(蓚酸塩を介して生成する方法を含む)、水熱合成法などから選ばれる合成法により得られたチタン酸バリウムを主成分とする誘電体粉末である。このうち得られる誘電体粉末の粒度分布が狭く、結晶性が高いという理由から水熱合成法により得られたものが望ましい。
タン酸バリウム系粉末はAcバイアス印加による誘電率向上および容量温度特性を平坦化できるという利点からチタン酸バリウム粉末(BT粉末)またはチタン酸バリウム・カルシウム粉末(BCT粉末)、あるいはこれらの混合粉末が好ましい。
その粒度分布は、誘電体層の薄層化を容易にし、かつ誘電体粉末の比誘電率を高めるという点で0.15〜0.4μmであることが望ましい。上記誘電体粉末には焼結助剤としてガラス粉末が加えられる。そして、誘電体層5に用いられるチタン酸バリウム系粉末もまた内部電極ペーストに用いる共材としてのチタン酸バリウム系粉末と同様に、主成分がチタン酸バリウムの場合、その構成成分であるAサイト(バリウム)とBサイト(チタン)とのモル比Ba/Tiが1より大きいことが望ましい。Ba/Tiが1より大きいと粒成長を抑制できるという利点がある。また、誘電体粉末には絶縁性、温度特性、静電容量を向上させるために、Mg、希土類元素、およびMnを酸化物を添加することが好ましい。
(b)工程:次に、上記得られた誘電体グリーンシート31の主面上に、上記本発明の内部電極ペーストを用いて矩形状の内部電極パターン33を印刷して形成する。
述のように内部電極層7を貫通して上下の誘電体層5を接続するように粒界15を有する柱状のセラミック粒子13が形成されるものであるが、これにより誘電体層5と内部電極層7間の剥離を防止できる。この場合、内部電極パターン3の厚みは積層セラミックコンデンサの小型化および内部電極パターン33による段差を低減するという理由から1μm以下が好ましい。
(c)工程:次に、内部電極パターン33が形成された誘電体グリーンシート31を所望枚数重ねて、その上下に内部電極パターン33を形成していない誘電体グリーンシート31を複数枚、上下層が同じ枚数になるように重ねて仮積層体を形成する。仮積層体中における内部電極パターン33は長寸方向に半パターンずつずらしてある。このような積層工法により、切断後の積層体35の端面に内部電極パターン33が交互に露出されるように形成できる。
記したように誘電体グリーンシート31の主面に内部電極パターン33を予め形成しておいて積層する工法のほかに、誘電体グリーンシート31を一旦下層側の機材に密着させたあとに、内部電極パターン33を印刷し、乾燥させた後に、その印刷乾燥された内部電極パターン33上に、内部電極パターン33を印刷していない誘電体グリーンシート31を重ねて、仮密着させ、このような誘電体グリーンシート31の密着と内部電極パターン33の印刷を逐次行う工法によっても形成できる。
次に、仮積層体を上記仮積層時の温度圧力よりも高温、高圧の条件にてプレスを行い、誘電体グリーンシート31と内部電極パターン33とが強固に密着された積層体を形成できる。
次に、この積層体35を、切断線hに沿って、内部電極パターン33の長寸方向に対して垂直方向(図2の(c1)、および図2の(c2))に、内部電極パターン33の長寸方向に平行に切断して、内部電極パターン33の端部が露出するようにコンデンサ本体成形体が形成される。
次に、このコンデンサ本体成形体を、所定の雰囲気下、温度条件で焼成してコンデンサ本体が形成され、場合によっては、このコンデンサ本体1の稜線部分の面取りを行うとともに、コンデンサ本体1の対向する端面から露出する内部電極層を露出させるためにバレ
ル研磨を施しても良い。本発明の製法において、脱脂は500℃までの温度範囲で、昇温速度が5〜20℃/h、焼成温度は最高温度が1150〜1200℃の範囲、脱脂から最高温度までの昇温速度が200〜500℃/h、最高温度での保持時間が0.5〜4時間、最高温度から1000℃までの降温速度が200〜500℃/h、雰囲気が水素―窒素、焼成後の熱処理(再酸化処理)最高温度が900〜1100℃、雰囲気が窒素であることが好ましい。
次に、このコンデンサ本体1の対向する端部に、外部電極ペーストを塗布して焼付けを行い外部電極3が形成される。また、この外部電極3の表面には実装性を高めるためにメッキ膜が形成される。
なお、セラミック粉末の平均粒径はマイクロトラック方式による粒度分布測定装置により求めることができる。誘電体層5における結晶粒子9の平均粒径(D50)は電子顕微鏡観察により得られた写真の画像解析によって求めることができる。
まず、内部電極評価用の積層セラミックコンデンサを以下のようにして作製した。誘電体グリーンシートに用いる原料粉末としては、平均粒径は100nm、Ba/Tiのモル比が1.003のチタン酸バリウム粉末を用いた。このチタン酸バリウム粉末は、この粉末100質量部に対して、酸化物換算でMnが0.15質量部、Mgが0.13質量部、Yが1質量部とした。また、組成がSiO=50、BaO=20、CaO=20、LiO=10(モル%)のガラス粉末を1.2質量部添加した。
次に、上記チタン酸バリウム系粉末を直径5mmのジルコニアボールを用いて、溶媒としてトルエンとアルコールとの混合溶媒を添加し湿式混合した。次に、湿式混合した粉末にポリビニルブチラール樹脂およびトルエンとアルコールの混合溶媒を添加し、同じく直径5mmのジルコニアボールを用いて湿式混合しセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により厚み2.5μmの誘電体グリーンシートを作製した。
内部電極ペーストは以下の構成とした。Ni粉末は平均粒径が200nm、共材はチタン酸バリウム粉末とし、そのチタン酸バリウム粉末の平均粒径が30〜100nmのものを用いた。共材は体積比でNi粉末100%に対して10〜30%になるように添加した。
c/a比およびBa/Ti比であるA/Bモル比は表1に示した。有機ビヒクルはエチルセルロースとαテルピネオールを用いた。エチルセルロースは金属粉末100質量部に対して10質量部とした。αテルピネオールは内部電極ペーストの粘度がチクソトロピック性を示す程度に調整した。
次に、この誘電体グリーンシートの上面にNiを主成分とする矩形状の内部電極パターンを複数形成した。次に、内部電極パターンを印刷した誘電体グリーンシートを2層積層し、その上下面に内部電極パターンを印刷していないセラミックグリーンシートをそれぞれ20枚積層し、プレス機を用いて温度60℃、圧力107Pa、時間10分の条件で一括積層し、所定の寸法に切断した。
次に、積層成形体を10℃/hの昇温速度で大気中で300℃/hにて脱バインダ処理を行い、500℃からの昇温速度が300℃/hの昇温速度で、水素―窒素中、1170で2時間焼成し、続いて300℃/hの降温速度で1000℃まで冷却し、窒素雰囲気中1000℃で4時間再酸化処理をし、300℃/hの降温速度で冷却し、コンデンサ本体を作製した。このコンデンサ本体の大きさは2mm×1.3mm×1.3mm、誘電体層
の厚みは2μmであった。
次に、焼成した電子部品本体をバレル研磨した後、電子部品本体の両端部にCu粉末とガラスを含んだ外部電極ペーストを塗布し、850℃で焼き付けを行い外部電極を形成した。その後、電解バレル機を用いて、この外部電極の表面に、順にNiメッキ及びSnメッキを行い、積層セラミックコンデンサを作製した。
次に、これらの積層セラミックコンデンサについて以下の評価を行った。誘電損失は、周波数1.0kHz、測定電圧0.5Vrmsの測定条件で行った。絶縁特性は絶縁抵抗計を用いて、電圧16V、1分間の測定を行った。
また、焼成前後の結晶粒子の成長率は、焼成前の誘電体グリーンシートに用いたチタン酸バリウム粉末の平均粒径に対して、焼成後における誘電体層を構成する結晶粒子の平均粒径を求めて評価した。焼成前の粉末はそのままの状態でTEM観察し、焼成後の試料については研磨面をエッチングし、電子顕微鏡写真の結晶粒子を、それぞれ任意に20個選択し、インターセプト法により各結晶粒子の最大径を求め、それらの平均値を求めた。結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、内部電極ペーストに含まれるチタン酸バリウム粉末を、c/a比1.00〜1.009、かつBaとTiのモル比が1.00〜1.006とした本発明の試料No.では、焼成後においても添加したチタン酸バリウム粉末のc/a比およびBaとTiのモル比は保たれ、焼成前後の誘電体層の結晶粒子の粒成長率が倍以下であり、誘電損失が4.3%以下、絶縁抵抗(IR)が82MΩ以上であった。
一方、本発明の範囲外の試料No.1〜6および10〜14では、焼成前後の誘電体層における結晶粒子の粒成長率が1.8倍以上であり、また絶縁抵抗が72MΩ以下であった。
次に、内部電極評価用の積層セラミックコンデンサと同じ製法により積層数を360層とした積層セラミックコンデンサを、表2に示す焼成温度範囲において作製し同様の評価を行った。高温負荷試験は、温度125℃、電圧9.45V、1000時間までの評価(
MTTF)を行った。試料数は30個とした。
結果を表2に示す。
料No.15〜17では、この場合も添加したチタン酸バリウム粉末のc/a比およびBaとTiのモル比は焼成後においても保たれ、焼成温度が1150〜1200℃の範囲において、1170℃での特性と同程度の誘電体層中の結晶粒子の成長率を示し、高温負荷信頼性を満足できた。これらの試料では、チタン酸バリウム以外の異相の生成を低減でき、焼成する温度範囲が広くても粒成長を抑制できた。
一方、c/a比が1、もしくはBaとTiの比を1としたセラミック粉末を用いた内部電極ペーストの場合には、焼成温度が1150〜1200℃において結晶粒子の粒成長率が大きく、かつ温度依存性も大きかった。
本発明の積層セラミックコンデンサの縦断面図である。 本発明の積層セラミックコンデンサを製造するための工程図である。
1 コンデンサ本体
3 外部電極
5 誘電体層
7 内部電極層
31 誘電体グリーンシート
33 内部電極パターン

Claims (2)

  1. 誘電体層および内部電極層を交互に積層したコンデンサ本体の端面に外部電極を具備する積層セラミックコンデンサであって、前記内部電極層内に粒界相を有するセラミック粒子が存在し、該セラミック粒子の主成分がチタン酸バリウム系粒子であり、該チタン酸バリウム系粒子はペロブスカイト型結晶におけるa軸の格子定数に対するc軸の格子定数の比(c/a)1.005<c/a≦1.009の範囲であるとともに、チタンに対するバリウムのモル比(Ba/Ti)が1.004<Ba/Ti≦1.006の範囲であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 記セラミック粒子の平均粒径が70nm以下であることを特徴とする請求項に記載の積層セラミックコンデンサ。
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