JP4587626B2 - Tekアンタゴニスト - Google Patents

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Description

【0001】
関連出願に関する参照
本出願は、本明細書に援用される、1999年6月7日に提出された、米国仮特許出願第60/137,889号の恩典を請求する。
【0002】
発明の分野
本発明は、Tekアンタゴニスト、および哺乳動物において、血管形成または他のTek仲介反応を阻害するための、Tekアンタゴニストの使用に関する。
【0003】
発明の背景
A.血管形成
新しい血管の生成である血管形成は、空間的および時間的に制御された過程であり、該過程において、内因性陽性および陰性制御分子に反応し、内皮細胞が増殖し、移動し、そして集まって管を形成する。血管形成は、正常および病理的生理において、重要な役割を果たす。
【0004】
正常な生理学的条件下では、血管形成は、胎児および胚発生、創傷治癒、器官再生、並びに子宮内膜、黄体、および胎盤の形成を含む、メス生殖リモデリング過程に関与する。血管形成は、正常な条件下では、特に動物成体で、厳格に制御され、そして制御コントロールの混乱は、病的血管形成につながる可能性がある。
【0005】
病的血管形成は、炎症性疾患、一定の目の障害、および癌の徴候および/または進行に関連付けられてきている。特に、いくつかの証拠の情報は、血管形成が、固形腫瘍の増殖および持続、およびその転移に必須であるという概念を支持する(例えば、Folkman, N. Engl. J. Med. 285:1182, 1971; Folkmanら, Nature 339:58, 1989; Kimら, Nature 362:841, 1993; Horiら, Cancer Res., 51:6180, 1991を参照されたい)。したがって、血管形成阻害剤は、癌の予防(例えば悪性前状態の処置)、介入(例えば小さい腫瘍の処置)、および後退(例えば大きい腫瘍の処置)に関し、試験されている(例えば、Bergersら, Science 284:808, 1999を参照されたい)。
【0006】
いくつかの抗−血管形成剤が、現在開発中であり、そして治療薬として試験されているが、病理的血管形成に依存する疾患過程の予防、抑止、および緩和のため、血管形成を阻害するさらなる方法に対する必要性がある。
【0007】
B.Tekポリペプチド
受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、巨大で、そして進化的に保存されるタンパク質ファミリーであり、細胞外シグナルの細胞質への伝達に関与する。血管形態形成および維持に関与すると考えられるRTKの中に、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体およびTekがある(Hanahan, Sciecne 277:48, 1997を参照されたい)。
【0008】
Tie2およびorkとも呼ばれてきたTekは、主に血管内皮に発現するRTKである。ヒトTek(ork)の分子クローニングは、Ziegler、米国特許第5,447,860号に記載されてきている。4つのTekリガンド、アンギオポエチン−1、アンギオポエチン−2、アンギオポエチン−3、およびアンギオポエチン−4(Ang1、Ang2、Ang3、およびAng4)が記載されてきている(Davisら, Cell 87:1161, 1996; Maisonpierreら, Science 277:55, 1997; Valenzuelaら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:1904, 1999)。これらのリガンドは、別個の発現パターンおよびTekに関する活性を有する。「Tieリガンド相同体(homologues)」と称されるNL1、NL5、NL8、およびNL4が、米国特許第6,057,435号に記載される。
【0009】
Tekノックアウトマウスは、血管形成に欠損を有し、そして胚発生中に死に(Dumont, Genes Dev. 8:1897, 1994; Sato, Nature 376:70, 1995を参照されたい)、Tekが胚血管系の発生に役割を果たすことが示唆される。
【0010】
Petersらは、6つのヒスチジンタグに融合させたネズミTekの全細胞外部分からなる、ExTek.6Hisと称される可溶性Tek(Tie2)阻害剤を記載してきている(J. Clin. Invest. 199(8):2072, 1997; WO 98/18914)。ExTek.6Hisは、ラット皮膚ウィンドウチャンバーモデルにおいて、増殖および腫瘍新血管新生を阻害し、そしてラット角膜マイクロポケットアッセイにおいて、腫瘍細胞馴化培地により刺激される血管形成を遮断した。Petersらはまた、ネズミTek細胞外ドメインを発現する、AdExTekと称される複製不全アデノウイルスベクターも記載してきている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:8829, 1998; WO 98/18914)。AdExTekは、ネズミ乳癌およびネズミ黒色腫の増殖および転移を阻害した。
【0011】
ExTek.6HisおよびAdExTekは、抗−血管形成剤として有用であることが判明する可能性があるが、さらなるそして改善されたTekアンタゴニスト、並びにTekアンタゴニストを用い、血管形成または他のTek仲介反応を阻害する、さらなるそして改善された方法に対する必要性がある。
【0012】
発明の概要
本発明は、Tekアンタゴニスト、並びにTekアンタゴニストを用い、血管形成または他のTek仲介反応を阻害するような処置が必要な哺乳動物において、血管形成または他のTek仲介反応を阻害する方法を提供する。本発明は、部分的に、フィブロネクチンIII型(FNIII)モチーフを含む領域のすべてまたは一部を欠いた、Tek細胞外ドメインの断片が、全長Tek細胞外ドメインを含むポリペプチドより、Tekリガンドに対するより高い結合親和性を有する可能性があるという予期されない結果に基づく。
【0013】
いくつかの好ましい態様において、Tekアンタゴニストは、Tek細胞外ドメインの断片を含むポリペプチドであって、該断片がフィブロネクチンIII型(FNIII)モチーフを含む領域のすべてまたは一部を欠き、そして該ポリペプチドが少なくとも1つのTekリガンドに結合する能力を保持する、前記ポリペプチドである。好ましい態様において、該断片は、Tek細胞外ドメインの少なくとも残基473−745を欠き;より好ましい態様において、Tekリガンドは、アンギオポエチン−1、アンギオポエチン−2、またはアンギオポエチン−4である。最も好ましい態様において、Tekアンタゴニストは、全長Tek細胞外ドメインを含むポリペプチドより、Tekリガンドに対するより高い結合親和性を有するポリペプチドである。
【0014】
本発明はまた、本発明にしたがったポリペプチドをコードする核酸、およびポリペプチドの発現を可能にする条件下で、組換え宿主細胞において、こうした核酸を発現させることにより産生されるポリペプチドも含む。
【0015】
いくつかの好ましい態様において、Tekアンタゴニストは、可溶性Tek多量体であり、好ましくは、二量体または三量体であり、そして最も好ましくは、Fcポリペプチドまたはロイシンジッパーを含む。Tekは、好ましくはヒトTekである。いくつかの好ましい態様において、可溶性Tek多量体は、Tek細胞外ドメインの断片を含み、該断片はフィブロネクチンIII型(FNIII)モチーフを含む領域のすべてまたは一部を欠き、そして該ポリペプチドは少なくとも1つのTekリガンドに結合する能力を保持する。いくつかの好ましい態様において、可溶性Tek多量体は、配列番号2の残基23−472または23−704を含む。
【0016】
本発明はまた、本発明にしたがったポリペプチドに特異的に結合する、抗体または抗体断片、並びに、本発明にしたがったポリペプチドに対するTekリガンドの結合を競合的に阻害することが可能な、抗体または抗体断片も含む。抗体は、好ましくは、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、トランスジェニック抗体、およびヒト抗体からなる群より選択される。
【0017】
本発明はまた、血管形成または他のTek仲介反応を阻害するような処置が必要な哺乳動物において、血管形成または他のTek仲介反応を阻害する方法であって、該哺乳動物に、阻害に有効な量のTekアンタゴニストを投与することを含む、前記方法も提供する。Tekアンタゴニストは、好ましくは、Tek細胞外ドメインの断片、可溶性Tek多量体、あるいは抗体または抗体断片である。いくつかの好ましい態様において、Tekアンタゴニストは、薬学的に許容しうるキャリアーを含む組成物中で投与される。
【0018】
可溶性Tek多量体は、好ましくは、血管形成に仲介される疾患または異常を有する哺乳動物に投与され、より好ましくは、固形腫瘍、あるいは目の新血管新生により特徴付けられる、疾患または異常を有する哺乳動物に投与される。
【0019】
いくつかの態様において、該方法はさらに、第二の化学療法剤で、または放射線照射で、該哺乳動物を処置することを含む。第二の化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ビンカアルカロイドおよび他の植物由来化学療法剤、ニトロソ尿素、抗腫瘍抗生物質、抗腫瘍酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、白金類似体、副腎皮質抑制剤、ホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニスト、抗体、免疫療法剤、血液細胞因子、放射線治療、および生物学的反応修飾剤からなる群より選択されてもよく、そしてより好ましくは、シスプラチン、シクロホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ブレオマイシン、カルボプラチン、フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、メトトレキセート、タキソール、アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、およびビンブラスチン、リンホカインおよびサイトカイン、例えばインターロイキン、インターフェロン(アルファ、ベータ、またはデルタを含む)、並びにTNF、クロラムブシル、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ビンデシン、エトポシド、テニポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、L−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、メチルヒドラジン、ミトーテン、タモキシフェン、およびフルオキシメステロン、Flt3リガンド、CD40リガンド、インターロイキン−2、インターロイキン−12、4−1BBリガンド、抗4−1BB抗体、TNFアンタゴニストおよびTNF受容体アンタゴニスト、TRAIL、CD148アゴニスト、VEGFアンタゴニスト、およびVEGF受容体アンタゴニストからなる群より選択されてもよい。
【0020】
本発明はさらに、Tekに対するTekリガンドの結合を阻害するような処置が必要な哺乳動物において、Tekに対するTekリガンドの結合を阻害する方法であって、該哺乳動物に、阻害に有効な量のTekアンタゴニストを投与することを含む、前記方法に関する。Tekアンタゴニストは、好ましくは、Tek細胞外ドメインの断片、可溶性Tek多量体、あるいは抗体または抗体断片である。
【0021】
本発明はまた、こうした処置が必要な哺乳動物において、血管形成を阻害するための、またはこうした処置が必要な哺乳動物において、Tekに対するTekリガンドの結合を阻害するための医薬品調製のためのTekアンタゴニストの使用に関する。Tekアンタゴニストは、好ましくは、Tek細胞外ドメインの断片、可溶性Tek多量体、あるいは抗体または抗体断片である。
【0022】
これらおよび本発明の他の側面は、以下の図および詳細な説明を参照した際、明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
本発明は、Tekアンタゴニスト、および哺乳動物において、Tekアンタゴニストを用い、血管形成または他のTek仲介反応を阻害する方法に関する。Tekアンタゴニストは、リガンド結合および情報伝達を含む、Tekの1つまたはそれより多くの生物学的活性に干渉する化合物または組成物であり、そして以下に例示されるものなどの方法を用い、性質決定することが可能である。Tekアンタゴニストには、Tek細胞外ドメインの断片、可溶性Tek多量体、並びに抗体および抗体断片が含まれる。ヒトTek(ork、Tie2)をコードするcDNAの分子クローニングは、米国特許第5,447,860号に記載される。
【0023】
A.本明細書に用いられる略語および専門用語
「4−1BB」および「4−1BBリガンド」(4−1BB−L)は、とりわけ、米国特許第5,674,704号に記載されるポリペプチドであり、その可溶性型を含む。
【0024】
「bFGF」は、塩基性線維芽細胞増殖因子である。
「BSA」は、ウシ血清アルブミンである。
「CD40リガンド」(CD40L)は、とりわけ、米国特許第5,716,805号に記載されるポリペプチドであり、その可溶性型を含む。
【0025】
「CHO」はチャイニーズ・ハムスター(Chinese hamster)卵巣細胞株である。
「DMEM」は、商業的に入手可能な細胞培地である、ダルベッコの修飾イーグル培地である。
【0026】
「ELISA」は、酵素結合免疫吸着アッセイである。
「Flt3L」は、とりわけ、米国特許第5,554,512号に記載されるポリペプチドであり、その可溶性型を含む。
【0027】
「HMVEC−d」は、初代皮膚ヒト微小血管内皮細胞である。
「HRMEC」は、初代ヒト腎臓微小血管内皮細胞である。
「HUVEC」は、ヒト臍静脈内皮細胞株である。
【0028】
「mAb」は、モノクローナル抗体である。
「MSA」は、マウス血清アルブミンである。
「PBS」は、リン酸緩衝生理食塩水である。
【0029】
「PE」は、フィコエリトリンである。
「PMA」は、ホルボール12−ミリステート−13−アセテートである。
「RTK」は、受容体チロシンキナーゼである。
【0030】
「TNF」は、腫瘍壊死因子である。「TNFR/Fc」は、TNF受容体−Fc融合ポリペプチドである。
「TRAIL」は、とりわけ、米国特許第5,763,223号に記載される、TNFファミリー中のII型膜貫通ポリペプチドであるTNF関連アポトーシス誘導リガンドであり、その可溶性型を含む。
【0031】
「VEGF」は、血管内皮増殖因子である。
B.可溶性Tekポリペプチド
本発明の1つの側面において、可溶性Tekポリペプチドは、血管形成を阻害する、またはTekに対するTekリガンドの結合を阻害する、Tekアンタゴニストとして用いられる。
【0032】
可溶性ポリペプチドは、発現される細胞から分泌されることが可能である。ポリペプチドの可溶性型の使用は、いくつかの適用に好都合である。ポリペプチドが分泌されるため、組換え宿主細胞からのポリペプチドの精製が促進され、そして可溶性タンパク質は、一般的に非経口投与に適している。分泌された可溶性ポリペプチドは、例えば遠心分離などにより、望ましいポリペプチドを発現する、損なわれていない(intact)細胞を培地から分離し、そして望ましいポリペプチドの存在に関し培地(上清)をアッセイすることにより、同定する(そして非可溶性膜結合対応物と区別する)ことが可能である。培地中に望ましいポリペプチドが存在することにより、該ポリペプチドが細胞から分泌され、そしてしたがって該ポリペプチドの可溶性型であることが示される。可溶性ポリペプチドは、いくつかの慣用技術のいずれにより、調製してもよい。望ましい可溶性ポリペプチドをコードするDNA配列は、ポリペプチドの産生のため、発現ベクターにサブクローニングしてもよいし、または、望ましいコードDNA断片を、化学的に合成してもよい。
【0033】
可溶性Tekポリペプチドは、Tek細胞外ドメインのすべてまたは一部を含むが、一般的に、細胞表面でのポリペプチドの保持を引き起こすであろう膜貫通ドメインを欠く。可溶性ポリペプチドは、該ポリペプチドが産生される細胞から分泌される限り、膜貫通ドメインの一部、あるいは細胞質ドメインのすべてまたは一部を含んでもよい。可溶性Tekポリペプチドは、最初に合成される際、好都合に、細胞からの分泌を促進する、天然または異種性シグナルペプチドを含むが、シグナル配列は、分泌に際し、切断される。用語「Tek細胞外ドメイン」は、天然Tek細胞外ドメインのすべてまたは一部と共に、限定されるわけではないが:(a)断片、(b)変異体(variant)、(c)誘導体、および(d)融合ポリペプチドを含む関連型を含むよう意図される。これらの関連型が血管形成または他のTek仲介反応を阻害する能力は、in vitroまたはin vivoで、以下に例示されるものなどの方法を用い、または当該技術分野に知られる他のアッセイを用い、決定してもよい。
【0034】
可溶性Tekポリペプチドの例は、以下の実施例に提供される。実施例に記載されるように、本発明の発明者らは、予期せぬことに、Tek細胞外ドメインの特定の断片が、全長Tek細胞外ドメインよりよくTekリガンドに結合し、これらの断片はしたがって、Tek(例えば細胞表面に見られるTek)に対するTekリガンドの結合を遮断するアンタゴニストとして用いることが可能であり、そしてこれらの断片に対する抗体もまた、Tekに対するTekリガンドの結合を遮断するアンタゴニストとして用いることが可能であることを発見した。本発明のいくつかの態様において、可溶性Tekポリペプチドの多量体型(「可溶性Tek多量体」)を、Tekに対するTekリガンドの結合を遮断し、血管形成または他のTek仲介反応を阻害するアンタゴニストとして用いる。
【0035】
C.可溶性Tek多量体
可溶性Tek多量体は、二量体、三量体、またはより高次の多量体を含む、共有結合または非共有結合多量体である。多量体は、異なる可溶性Tekポリペプチド上のシステイン残基間に形成されるジスルフィド結合により連結されてもよい。本発明の1つの態様は、可溶性Tekポリペプチドに融合したペプチド部分間の共有または非共有相互作用を介して連結された、多数の可溶性Tekポリペプチドを含む多量体に関する。こうしたペプチドは、ペプチドリンカー(スペーサー)、または多量体化を促進する特性を有するペプチドであってもよい。以下により詳細に記載されるように、そこに結合する可溶性Tekポリペプチドの多量体化を促進することが可能なペプチドの中に、ロイシンジッパーおよび抗体由来の一定のポリペプチドがある。特定の態様において、多量体は、2つないし4つの可溶性Tekポリペプチドを含む。
【0036】
いくつかの態様において、可溶性Tek多量体は、免疫グロブリン由来のポリペプチドを用いて調製する。抗体由来ポリペプチドの多様な部分(Fcドメインを含む)に融合している一定の異種性ポリペプチドを含む融合タンパク質の調製は、例えば、Ashkenaziら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:10535, 1991); Byrnら(Nature 344:677, 1990);並びにHollenbaughおよびAruffo(“Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins”, Current Protocols in Immunology,中, Suppl.4, 10.19.1−10.19.11ページ, 1992)に記載されている。
【0037】
本発明の1つの好ましい態様は、可溶性TekをFcポリペプチドに融合させることにより生成される2つの融合タンパク質を含むTek/Fc二量体に関する。Tek/Fc融合タンパク質をコードする遺伝子融合体を適切な発現ベクターに挿入する。該組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞でTek/Fc融合タンパク質を発現し、そして抗体分子によく似た形で集合させ、その結果、鎖間ジスルフィド結合がFc部分間に形成され、二価分子を生じるのを可能にする。本明細書において、「Fcポリペプチド」という用語は、抗体のFc領域由来のポリペプチドの天然および突然変異タンパク質(mutein)型を含む。二量体化を促進するヒンジ領域を含むこうしたポリペプチドの一部切除(truncated)型もまた含まれる。
【0038】
PCT出願WO 93/10151に記載される1つの適切なFcポリペプチドは、ヒトIgG1抗体のFc領域のN−末端ヒンジ領域から天然C−末端に渡る一本鎖ポリペプチドである。別の有用なFcポリペプチドは、米国特許第5,457,035号およびBaumら, EMBO J. 13:3992, 1994に記載されるFc突然変異タンパク質である。本突然変異タンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸19がLeuからAlaに変化し、アミノ酸20がLeuからGluに変化し、そしてアミノ酸22がGlyからAlaに変化していることを除けば、WO 93/10151に示される天然Fc配列のものと同一である。該突然変異タンパク質は、Fc受容体に対し、減少した親和性を示す。Fc部分を含む融合ポリペプチド、およびそれから形成される多量体型は、プロテインAまたはプロテインGカラム上のアフィニティークロマトグラフィーによる容易な精製という利点を提供し、そしてFc融合ポリペプチドは、非修飾ポリペプチドより、長いin vivo半減期を提供する可能性があり、これは、療法的適用に有用である。
【0039】
他の態様において、可溶性Tekポリペプチドを、抗体重鎖または軽鎖の可変部に対し置換してもよい。融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖両方で作成されている場合、4つもの可溶性Tekポリペプチドを持つ可溶性Tek多量体を形成することが可能である。
【0040】
あるいは、可溶性Tek多量体はペプチドリンカー(スペーサー)、または多量体化を促進する特性を有するペプチドを含むまたは含まない多数の可溶性Tekポリペプチドを含む融合タンパク質である。適切なペプチドリンカーの中に、米国特許第4,751,180号、第4,935,233号、および第5,073,627号に記載されるものがある。望ましいペプチドリンカーをコードするDNA配列は、当該技術分野に知られる、いかなる慣用的技術を用い、TekをコードするDNA配列の間に、そして該DNA配列と同じ読み枠で挿入してもよい。例えば、リンカーをコードする化学的に合成されたオリゴヌクレオチドを、可溶性Tekをコードする配列間に連結してもよい。特定の態様において、融合タンパク質は、ペプチドリンカーにより分離された、2ないし4つの可溶性Tekポリペプチドを含む。
【0041】
可溶性Tek多量体を調製するための別の方法は、ロイシンジッパーの使用を伴う。ロイシンジッパードメインは、該ドメインが見られるタンパク質の多量体化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、元々、いくつかのDNA結合タンパク質で同定され(Landschulzら, Science, 240:1759, 1988)、そして以来、多様な異なるタンパク質で見出されてきている。既知のロイシンジッパーの中に、二量体化または三量体化する天然発生ペプチドおよびその誘導体がある。可溶性多量体タンパク質を産生するのに適したロイシンジッパードメインの例は、PCT出願WO 94/10308に記載され、そして肺界面活性物質プロテインD(SPD)由来のロイシンジッパードメインが、Hoppeら, FEBS Lett. 344:191, 1994に記載される。修飾ロイシンジッパーに融合している異種性タンパク質の安定した三量体化を可能にする、該修飾ロイシンジッパーの使用が、Fanslowら, Semin. Immunol. 6:267, 1994に記載されている。ロイシンジッパーペプチドに融合している可溶性Tekポリペプチドを含む組換え融合タンパク質を適切な宿主細胞で発現し、そして形成される可溶性Tek多量体を培養上清から回収する。
【0042】
いくつかの適用には、本発明の可溶性Tek多量体は、単量体型の使用より、特定の利点を提供すると考えられ、リガンドおよび受容体チロシンキナーゼ(RTK)の間の天然の相互作用を模倣するという利点が含まれる。一般的に、二量体リガンドが結合し、そしてRTKの二量体化を引き起こすであろう(van der Geerら, Ann. Rev. Cell Biol. 10:251, 1994)。この高親和性結合は、RTKのトランスリン酸化および情報伝達過程の開始を引き起こす。可溶性Tek多量体の結合は、可溶性Tek単量体よりも高い親和性で起こる可能性がある。Fc融合ポリペプチドは、この型が、典型的には、非修飾ポリペプチドに比較した際、増加したin vivo半減期を示すというさらなる利点を提供する。
【0043】
本発明は、血管形成または他のTek仲介反応を阻害する能力を保持する、多様な型の可溶性Tek多量体の使用を含む。「可溶性Tek多量体」という用語は、天然Tek細胞外ドメインのすべてまたは一部を含む多量体と共に、限定されるわけではないが:可溶性Tekの(a)断片、(b)変異体、(c)誘導体、および(d)融合ポリペプチドを含む関連型を含むよう意図される。これらの関連型が血管形成または他のTek仲介反応を阻害する能力は、in vitroまたはin vivoで、実施例に例示されるものなどの方法を用い、または当該技術分野に知られる他のアッセイを用い、決定することが可能である。
【0044】
本発明を実施するのに有用な可溶性Tekポリペプチドおよび可溶性Tek多量体の中には、リガンドに結合するおよび/または血管形成または他のTek仲介反応を阻害する能力を保持するTek変異体がある。こうしたTek変異体には、天然Tekに実質的に相同であるが、1つまたはそれより多くの欠失、挿入または置換のため、天然Tekのものと異なるアミノ酸配列を有する、ポリペプチドが含まれる。特定の態様には、限定されるわけではないが、天然Tek配列と比較した際、アミノ酸残基の1ないし10の欠失、挿入または置換を含む、Tekポリペプチドが含まれる。Tekポリペプチドの変異体として含まれるのは、対立遺伝子型(allelic form)および選択的スプライシング型などの天然発生であるものと共に、Tekポリペプチドのアミノ酸配列またはTekポリペプチドをコードする核酸のヌクレオチド配列を修飾することにより、構築されている変異体である。
【0045】
一般的に、天然ポリペプチドに存在する、1つまたはそれより多くのアミノ酸に関する置換は、保存的に作成されるべきである。保存的置換の例には、単数または複数の活性ドメインの外側のアミノ酸の置換、およびTekの二次および/または三次構造を改変しないアミノ酸の置換が含まれる。さらなる例には、1つの脂肪族残基を互いに、例えばIle、Val、Leu、またはAlaを互いに置換するもの、あるいはLysおよびArg;GluおよびAsp;またはGlnおよびAsn間といった、1つの極性残基から別のものへの置換、あるいは芳香族残基の別のものでの置換、例えばPhe、Trp、またはTyrを互いに置換するものが含まれる。他のこうした保存的置換、例えば、同様の疎水性特性を有する領域全体の置換が、周知である。
【0046】
全長Tek細胞外ドメインの天然配列は、配列番号1の残基23−745として示される。いくつかの好ましい態様において、Tek変異体は、天然Tekのアミノ酸配列に、アミノ酸配列で、少なくとも約70%同一であり;いくつかの好ましい態様において、Tek変異体は、天然Tekのアミノ酸配列に、アミノ酸配列で、少なくとも約80%同一である。いくつかの好ましい態様において、Tek変異体は、天然Tekのアミノ酸配列に、アミノ酸配列で、少なくとも約90%同一であり;いくつかの好ましい態様において、Tek変異体は、天然Tekのアミノ酸配列に、アミノ酸配列で、少なくとも約95%同一である。いくつかの好ましい態様において、Tek変異体は、天然Tekのアミノ酸配列に、アミノ酸配列で、少なくとも約98%同一であり;いくつかの好ましい態様において、Tek変異体は、天然Tekのアミノ酸配列に、アミノ酸配列で、少なくとも約99%同一である。同一性パーセントは、ポリペプチドおよび核酸どちらの場合でも、視覚的検査により決定してもよい。同一性パーセントはまた、SmithおよびWaterman(Adv. Appl. Math 2:482, 1981)に改訂されたような、NeedlemanおよびWunsch(J. Mol. Biol. 48:443, 1970)の並列法を用いて決定してもよい。好ましくは、同一性パーセントは、コンピュータープログラム、例えば、遺伝学コンピューターグループ(GCG;ウィスコンシン州マディソン、Devereuxら, Nucl. Acids Res. 12:387, 1984も参照されたい)より入手可能なGAPコンピュータープログラム、バージョン10.xを用いることにより、決定する。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラメーターには:(1)ヌクレオチドに関する単一(unary)比較マトリックス(同一に対し1および非同一に対し0の値を含む)、およびアミノ酸に関する、SchwartzおよびDayhoff監修,Atlas of Protein Sequence and Structure, National Biomedical Research Foundation,pp.353−358, 1979に記載されるような、GribskovおよびBurgess, Nucl. Acids Res. 14:6745, 1986の加重比較マトリックス;(2)各ギャップに対する30(アミノ酸)または50(ヌクレオチド)のペナルティおよび各ギャップ中の各記号に対しさらに1(アミノ酸)または3(ヌクレオチド)のペナルティ;(3)末端ギャップに対するペナルティなし;および(4)長いギャップに対する最大ペナルティなし、が含まれる。配列比較の当業者に用いられる他のプログラムもまた、用いてもよい。Tek断片に関しては、同一性パーセントは、断片に存在するTek部分に基づき、計算する。
【0047】
本発明はさらに、結合する天然パターン糖鎖付加を含むまたは含まない可溶性Tekポリペプチドの使用を含む。酵母または哺乳動物発現系(例えばCOS−1またはCOS−7細胞)で発現されたTekは、発現系の選択に応じ、分子量および糖鎖付加パターンにおいて、天然Tekポリペプチドと同様である可能性も、または有意に異なる可能性もある。細菌発現系、例えば大腸菌(E. coli)でのTekポリペプチドの発現は、非糖鎖付加分子を提供する。異なる宿主細胞はまた、異なってポリペプチドをプロセシングし、多様なN−またはC−末端を持つポリペプチドの混成混合物を生じる可能性もある。
【0048】
他の化学部分、例えば、グリコシル基、脂質、リン酸、アセチル基およびそれらに匹敵するものと、共有または凝集結合体を形成することにより、可溶性Tekポリペプチドの一次アミノ酸構造を修飾し、誘導体を生成してもよい。Tekの共有誘導体は、Tekアミノ酸側鎖に、またはTekポリペプチドのN−末端またはC−末端で、特定の官能基を連結させることにより、調製してもよい。
【0049】
本発明を実施するのに有用な可溶性Tekの融合ポリペプチドはまた、新規多機能実体(entities)を提供するために添加された他のポリペプチドとTekポリペプチドの共有または凝集結合体も含む。
【0050】
D.Tekポリペプチドの組換え体産生
本発明に用いられる、可溶性Tekポリペプチド、断片、および融合ポリペプチドを含むTekポリペプチドは、組換え発現系を用い、調製してもよい。Tekポリペプチドをコードする組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞(「組換え宿主細胞」)を、Tekの発現を促進する条件下で培養し、そして該Tekを回収する。Tekポリペプチドはまた、トランスジェニック植物または動物において、あるいは化学的合成により、産生してもよい。
【0051】
本発明は、本発明に用いられるTekポリペプチドをコードする核酸分子を含み:(a)配列番号2の残基23−473およびTekリガンドに結合するその断片をコードする核酸;(b)(a)の核酸に少なくとも70%、80%、90%、95%、98%、または99%同一であり、そして少なくとも1つのTekリガンドに結合することが可能なポリペプチドをコードする核酸;および(c)(a)の核酸に中程度のストリンジェンシーでハイブリダイズし、そして少なくとも1つのTekリガンドに結合することが可能なポリペプチドをコードする核酸を含む。
【0052】
遺伝暗号の縮重のため、同一のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列にかなりの変動がある可能性がある。本発明の態様として含まれるのは、中程度にストリンジェントな条件(例えば5 X SSC、0.5% SDS、1.0 mM EDTA(pH 8.0)の前洗浄溶液および50℃、5 X SSC、一晩のハイブリダイゼーション条件)下で、TekをコードするDNA配列にハイブリダイズすることが可能な核酸配列である。当業者は、中程度のハイブリダイゼーションストリンジェンシーを構成する塩および温度のさらなる組み合わせを決定することが可能である(本明細書に援用される、Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989; Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1982;およびAusubel, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley and Sons, 1989およびその後の版も参照されたい)。より高いストリンジェンシーの条件は、ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後洗浄のより高い温度、および/またはより低い塩濃度を含む。核酸の同一性パーセントは、ポリペプチドに関し上述される方法を用い、すなわち、視覚的検査を含む方法およびGAPなどのコンピュータープログラムの使用により、決定することが可能である。
【0053】
組換えTekの産生に、いかなる適切な発現系を使用してもよい。組換え発現ベクターは、適切な転写および翻訳制御ヌクレオチド配列、例えば、哺乳動物、微生物、ウイルス、または昆虫遺伝子由来のものなどに、機能可能であるように連結されている、TekポリペプチドをコードするDNAを含む。ヌクレオチド配列は、制御配列が、Tek DNA配列に機能的に関連する場合、機能可能であるように連結されている。したがって、プロモーターヌクレオチド配列は、該プロモーターヌクレオチド配列が、Tek DNA配列の転写を調節する場合、Tek DNA配列に機能可能であるように連結されている。制御配列の例には、転写プロモーター、オペレーター、またはエンハンサー、mRNAリボソーム結合部位、並びに転写および翻訳の開始および終結を調節する適切な配列が含まれる。適切なシグナルペプチド(天然または異種性)をコードする配列を、発現ベクターに取り込んでもよい。シグナルペプチド(分泌リーダー、リーダーペプチド、またはリーダーを含む、多様な名称により言及される)のDNA配列を、インフレームでTek配列に融合させ、Tekポリペプチドがまず、該シグナルペプチドを含む融合タンパク質として翻訳されるようにしてもよい。意図される宿主細胞で機能するシグナルペプチドは、Tekポリペプチドの細胞外分泌を促進する。シグナルペプチドは、細胞からのTekの分泌に際し、Tekポリペプチドから切断される。
【0054】
Tekポリペプチドの発現に適した宿主細胞には、原核生物、酵母、並びに昆虫および哺乳動物細胞を含む、より高次の真核細胞が含まれる。細菌、真菌、酵母、および哺乳動物細胞宿主での使用に適したクローニング用および発現ベクターは、例えば、Pouwelsら, Cloning Vectors: A Laboratory Manual, ニューヨーク州エルセビア, 1985に記載されている。
【0055】
原核生物には、グラム陰性またはグラム陽性生物、例えば大腸菌またはバチルス(Bacilli)が含まれる。形質転換に適した原核宿主細胞には、例えば、大腸菌、枯草菌(Bacillus subtilis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、並びにシュードモナス属(Pseudomonas)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、およびブドウ球菌属(Staphylococcus)内の多様な他の種が含まれる。大腸菌などの原核宿主細胞において、組換えポリペプチドの該原核宿主細胞における発現を容易にするため、TekポリペプチドはN−末端メチオニン残基を含んでもよい。N−末端Metは、発現された組換えポリペプチドから切断してもよい。
【0056】
原核宿主細胞に用いるための発現ベクターは、一般的に、1つまたはそれより多くの表現型選択可能マーカー遺伝子を含む。表現型選択可能マーカー遺伝子は、例えば、抗生物質耐性を与える、または独立栄養必要条件を供給するタンパク質をコードする遺伝子である。原核宿主細胞に有用な発現ベクターの例には、クローニングベクターpBR322(ATCC 37017)など、商業的に入手可能なプラスミド由来のものが含まれる。pBR322は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含み、そしてしたがって、形質転換細胞を同定する簡単な手段を提供する。適切なプロモーターおよびDNA配列をpBR322ベクター中に挿入する。他の商業的に入手可能なベクターには、例えば、pKK223−3(Pharmacia Fine Chemicals、スウェーデン・ウプサラ)およびpGEM1(Promega Biotec、米国ウィスコンシン州マディソン)が含まれる。
【0057】
組換え原核宿主細胞発現ベクターに通常用いられるプロモーター配列には、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Changら, Nature 275:615, 1978; Goeddelら, Nature 281:544, 1979)、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddelら, Nucl. Acids Res. 8:4057, 1980; EP−A−36776)およびtacプロモーター(Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, p.412, 1982)が含まれる。特に有用な原核宿主細胞発現系は、ファージλPLプロモーターおよびcI857ts熱不安定性リプレッサー配列を使用する。アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手可能な、λPLプロモーターの誘導体を組み込んだプラスミドベクターには、プラスミドpHUB2(大腸菌株JMB9、ATCC 37092に常住)およびpPLc28(大腸菌RR1、ATCC 53082に常住)が含まれる。
【0058】
Tekポリペプチドはまた、好ましくはサッカロミセス(Saccharomyces)属(例えば、S.セレビシエ(S. cerevisiae))由来の酵母宿主細胞において発現してもよい。酵母の他の属、例えばピキア属(Pichia)またはクロイベロミセス属(Kluyveromyces)もまた使用してもよい。酵母ベクターは、しばしば、2μ酵母プラスミド由来の複製起点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写終結のための配列、および選択可能マーカー遺伝子を含むであろう。酵母ベクターに適したプロモーター配列には、とりわけ、メタロチオネイン、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzemanら, J. Biol. Chem. 255:2073, 1980)または、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼなどの他の解糖酵素(Hessら, J. Adv. Enzyme Reg. 7:149, 1968; Hollandら, Biochem. 17:4900, 1978)のプロモーターが含まれる。酵母発現に用いるのに適した他のベクターおよびプロモーターはHitzeman, EPA−73,657にさらに記載されている。別の代替物は、Russellら(J. Biol. Chem. 258:2674, 1982)およびBeierら(Nature 300:724, 1982)に記載されるグルコース抑制可能ADH2プロモーターである。大腸菌での選択および複製のため、pBR322由来のDNA配列(Ampr遺伝子および複製起点)を上述の酵母ベクターに挿入することにより、酵母および大腸菌両方において複製可能なシャトルベクターを構築してもよい。
【0059】
酵母α−因子リーダー配列を使用し、組換えポリペプチドを直接分泌させてもよい。α−因子リーダー配列は、しばしば、プロモーター配列および構造遺伝子配列の間に挿入される。例えば、Kurjanら, Cell 30:933, 1982; Bitterら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:5330, 1984を参照されたい。酵母宿主からの組換えポリペプチドの分泌を促進するのに適した他のリーダー配列が当業者に知られる。リーダー配列を、その3’端近傍に、1つまたはそれより多くの制限部位を含むよう修飾してもよい。これは、リーダー配列が構造遺伝子に融合するのを容易にするであろう。
【0060】
酵母形質転換プロトコルが当業者に知られる。こうしたプロトコルの1つがHinnenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75:1929, 1978に記載される。Hinnenらのプロトコルは、Trp+形質転換体を選択培地中で選択し、ここで該選択培地は0.67%酵母窒素基剤、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10 μg/mlアデニンおよび20 μg/mlウラシルからなる。
【0061】
ADH2プロモーター配列を含むベクターにより形質転換された酵母宿主細胞は、発現を誘導するため「リッチ」培地中で増殖させてもよい。リッチ培地の例は、80 μg/mlアデニンおよび80 μg/mlウラシルを補った、1%酵母抽出物、2%ペプトン、および1%グルコースからなるものである。ADH2プロモーターの抑制解除(derepression)は、培地からグルコースが枯渇したとき起こる。
【0062】
昆虫宿主細胞培養系もまた、可溶性Tekポリペプチドを含む、組換えTekポリペプチドを発現するのに使用してもよい。昆虫細胞において異種性タンパク質を産生するためのバキュロウイルス系がLuckowおよびSummers, Bio/Technology 6:47, 1988に概説されている。
【0063】
哺乳動物細胞は、宿主細胞としての使用に特に好ましい。適切な哺乳動物宿主細胞株の例には、サル腎臓細胞のCOS−7株(ATCC CRL 1651)(Gluzmanら, Cell 23:175, 1981)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、およびBHK(ATCC CRL 10)細胞株、およびMcMahanら(EMBO J. 10:2821, 1991)に記載されるようなアフリカミドリザル(African green monkey)腎臓細胞株CV1(ATCC CCL 70)由来であるCV1/EBNA細胞株が含まれる。療法ポリペプチドの産生には、動物タンパク質を含まない培地中で増殖するよう適応されてきている、哺乳動物宿主細胞株を使用するのが、特に好都合である。
【0064】
哺乳動物細胞内にDNAを導入するための確立された方法が記載されてきている(Kaufman, R.J., Large Scale Mammalian Cell Culture, 1990, pp.15−69)。商業的に入手可能な試薬、例えばLipofectamine(Gibco/BRL)またはLipofectamine−Plusを用いた、さらなるプロトコルを用い、細胞をトランスフェクションしてもよい(Felgnerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413, 1987)。さらに、エレクトロポレーションを用い、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版. Vol.1−3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989におけるもののような、慣用法を用い、哺乳動物細胞をトランスフェクションしてもよい。安定形質転換体の選択は、例えば細胞傷害性薬剤に対する耐性など、当該技術分野に知られる方法を用い、行ってもよい。Kaufmanら, Meth. in Enzymology 185:487, 1990は、いくつかの選択計画、例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)耐性を記載する。DHFR選択に適した宿主株は、DHFR不全であるCHO株DX−B11であってもよい(UrlaubおよびChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216, 1980)。DHFR cDNAを発現しているプラスミドをDX−B11株に導入してもよく、そしてプラスミドを含む細胞のみを適切な選択培地中で増殖させることが可能である。発現ベクターに組み込んでもよい選択可能マーカーの他の例には、G418およびハイグロマイシンBなどの抗生物質に対する耐性を与えるcDNAが含まれる。該ベクターを宿する細胞を、これらの化合物に対する耐性に基づき選択してもよい。
【0065】
哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写および翻訳調節配列は、ウイルスゲノムより切り出されてもよい。通常用いられるプロモーター配列およびエンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV40)、およびヒト・サイトメガロウイルス由来である。SV40ウイルスゲノム由来のDNA配列、例えばSV40起点、初期および後期プロモーター、エンハンサー、スプライシング、およびポリアデニル化部位を用い、哺乳動物宿主細胞における構造遺伝子配列の発現のための他の遺伝要素を提供してもよい。ウイルス初期および後期プロモーターは、どちらもウイルス複製起点をも含む可能性がある断片として容易にウイルスゲノムから得られるため、特に有用である(Fiersら, Nature 273:113, 1978; Kaufman, Meth. in Enzymology, 1990)。SV40ウイルス複製起点部位に位置するHind III部位からBgl I部位に渡るおよそ250 bpの配列が含まれていれば、より小さいまたはより大きいSV40断片もまた用いてもよい。
【0066】
哺乳動物発現ベクターからの異種性遺伝子の発現を改善することが示されたさらなる調節配列には、CHO細胞由来の発現増大配列要素(EASE)(Morrisら, Animal Cell Technology, 1997, pp.529−534)並びにアデノウイルス2由来の三分割(tripartite)リーダー(TPL)およびVA遺伝子RNA(Gingerasら, J. Biol. Chem. 257:13475, 1982)などの要素が含まれる。ウイルス起源の内部リボソーム進入部位(IRES)配列により、二シストロン性mRNAが効率的に翻訳されることが可能になる(OhおよびSarnow, Current Opinion in Genetics and Development 3:295, 1993; Rameshら, Nucleic Acids Research 24:2697, 1996)。選択可能マーカー(例えばDHFR)遺伝子が続く、二シストロン性mRNAの一部としての異種性cDNAの発現は、宿主のトランスフェクション可能性および異種性cDNAの発現を改善することが示されてきている(Kaufman, Meth. in Enzymology, 1990)。二シストロン性mRNAを使用する典型的な発現ベクターは、Mosserら, Biotechniques 22:150, 1997に記載されるpTR−DC/GFP、およびMorrisら, Animal Cell Technology, 1997, pp.529−534に記載されるp2A5Iである。
【0067】
有用な高発現ベクター、pCAVNOTがMosleyら, Cell 59:335, 1989に記載されてきている。哺乳動物宿主細胞において用いるための他の発現ベクターは、OkayamaおよびBerg(Mol. Cell. Biol. 3:280, 1983)に開示されるように構築してもよい。C127ネズミ乳腺上皮細胞における哺乳動物cDNAの安定した高レベル発現に有用な系を、実質的にCosmanら(Mol. Immunol. 23:935, 1986)に記載されるように構築してもよい。Cosmanら, Nature 312:768, 1984に記載される有用な高発現ベクター、PMLSV N1/N4はATCC 39890として寄託されている。さらなる有用な哺乳動物発現ベクターが、当該技術分野に知られる。
【0068】
Tekポリペプチドを産生するのに使用してもよいシグナルペプチドに関し、望ましいならば、天然Tekシグナルペプチドを異種性シグナルペプチドまたはリーダー配列に置き換えてもよい。シグナルペプチドまたはリーダーの選択は、組換えTekを産生しようとする宿主細胞の種類などの要因に依存する可能性がある。哺乳動物宿主細胞で機能する異種性シグナルペプチドの例には、米国特許第4,965,195号に記載されるインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列、Cosmanら, Nature 312:768(1984)に記載されるインターロイキン−2受容体のシグナル配列;EP 367,566に記載されるインターロイキン−4受容体シグナルペプチド;米国特許第4,968,607号に記載されるI型インターロイキン−1受容体シグナルペプチド;およびEP 460,846に記載されるII型インターロイキン−1受容体シグナルペプチドが含まれる。
【0069】
突然変異誘発およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む組換えDNA技術を用い、当業者は、アミノ酸残基または配列の多様な付加または置換、あるいは末端または内部残基または配列の欠失を含む、TekポリペプチドをコードするDNA配列を産生することが可能であり、これらには、Tek断片、変異体、誘導体、および融合タンパク質が含まれる。
【0070】
マウス(mice)、ヤギ(goats)、ヒツジ(sheep)、およびブタ(pigs)を含む、トランスジェニック動物、並びに、タバコ(tobacco)、トマト(tomato)、マメ(legumes)、草(grasses)、および穀物(grains)を含む、トランスジェニック植物もまた、可溶性Tekポリペプチドを含む、Tekポリペプチドの産生のためのバイオリアクターとして用いてもよい。トランスジェニック動物の場合、乳および/または他の体液中の可溶性Tekの発現を促進する、シス−作用制御配列に機能可能であるように連結されたTekコード配列を含むキメラDNAを構築することが、特に好都合である(例えば、米国特許第5,843,705号;米国特許第5,880,327号を参照されたい)。トランスジェニック植物の場合、特定の細胞種、組織、または器官中で、Tekを産生することが、特に好都合である(例えば、米国特許第5,639,947号;米国特許第5,889,189号を参照されたい)。
【0071】
当業者は、発現された可溶性Tekポリペプチドを精製するための方法は、使用した宿主系、および該組換えポリペプチドが分泌されるかどうかに応じて異なるであろうことを認識するであろう。可溶性Tekポリペプチドは、1つまたはそれより多くの濃縮、塩析、イオン交換、疎水性相互作用、アフィニティー精製、HPLC、またはサイズ排除クロマトグラフィー工程を含む、当該技術分野に知られる方法を用いて、精製してもよい。Fc部分を含む融合ポリペプチド(およびそこから形成される多量体)は、プロテインAまたはプロテインGカラム上のアフィニティークロマトグラフィーによる、容易な精製という利点を提供する。
【0072】
E.Tek抗体
本発明の1つの側面は、Tek細胞外ドメインの抗原性エピトープに関する。こうしたエピトープは、以下により詳細に記載される、抗体、および特に遮断モノクローナル抗体を作成するのに有用である。こうしたエピトープまたはその変異体は、固相合成、ポリペプチドの化学的または酵素的切断などの、当業に周知の技術を用い、あるいは組換えDNA技術を用い、産生してもよい。以下に例示されるように、本発明の発明者らは、Tek細胞外ドメインが、少なくとも3つのエピトープを有し、そしてTek細胞外ドメインの欠失型に対して生成された抗体が、Tekに対する結合に関し、Tekリガンドと競合することが可能であることを決定してきている。
【0073】
請求される発明は、Tekポリペプチドと免疫反応性である組成物および抗体の使用を含む。こうした抗体は、Tekポリペプチドに「特異的に結合する」、すなわち、該抗体は、非特異的結合と比較した際、抗体の抗原結合部位を介して結合する。「抗体(単数及び複数)」という用語は、本明細書において、最も広い意味で用いられ、そして非限定的に、損なわれていない(intact)モノクローナルおよびポリクローナル抗体と共に、断片、例えばFv、Fab、F(ab’)2断片、一本鎖抗体、例えばscFv、および多様な鎖の組み合わせが含まれる。本発明の抗体は、好ましくはヒト化されており、そしてより好ましくはヒト抗体である。抗体は、非限定的に、天然またはトランスジェニック免疫レパートリーを有する動物の免疫感作、ファージディスプレー、ハイブリドーマおよび組換え細胞培養、並びにトランスジェニック植物および動物バイオリアクターを含む、多様な周知の方法を用い、調製してもよい。
【0074】
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体はどちらも、慣用的技術により調製することが可能である。例えば、Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biological Analyses. Kennetら(監修), Plenum Press, ニューヨーク(1980);およびAntibodies: A Laboratory Manual, HarlowおよびLand(監修), Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1988)を参照されたい。
【0075】
本発明のポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株もまた、本明細書に意図される。こうしたハイブリドーマは、慣用的技術により産生しそして同定してもよい。こうしたハイブリドーマ細胞株を産生するための1つの方法は、動物をポリペプチドで免疫感作し、免疫感作された動物から脾臓細胞を採取し、前記脾臓細胞を骨髄腫細胞株に融合させ、それによりハイブリドーマ細胞を生成し、そして該ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を同定することを含む。ハイブリドーマに産生されたモノクローナル抗体は、慣用的技術により回収してもよい。
【0076】
本発明のモノクローナル抗体には、キメラ抗体、例えば、元来マウスまたは他の非ヒト種で産生された抗体の「ヒト化」型が含まれる。ヒト化抗体は、典型的には、非ヒト(例えばネズミ)抗体の可変領域、または少なくともその相補性決定領域(CDR)、およびヒト抗体に由来する、残った免疫グロブリン部分を含む、操作された抗体である。キメラおよび工学技術で作成されるさらなるモノクローナル抗体の産生法には、Riechmannら(Nature 332:323, 1988); Liuら(PNAS 84:3439, 1987); Larrickら(Bio/Technology 7:934, 1989);およびWinterおよびHarris(TIPS 14:139, May 1993)に記載されるものが含まれる。こうしたヒト化抗体は、既知の技術により調製することが可能であり、そして抗体がヒトに投与された際、減少した免疫原性という利点を提供する。
【0077】
本発明の抗体を産生するのに、ヒト抗体を非ヒト動物で生成するために開発されてきている方法を使用してもよい。抗体は、部分的にヒトであってもよく、または好ましくは、完全にヒトであってもよい。例えば、1つまたはそれより多くのヒト免疫グロブリン鎖をコードする遺伝子成分が導入されている、トランスジェニックマウスを使用してもよい。こうしたマウスは、多様な点で、遺伝的に改変されていてもよい。遺伝子操作は、免疫感作に際し、該動物により産生される、少なくともいくつかの、そして好ましくは実質的にすべての抗体における、内因性免疫グロブリン鎖を置き換えた、ヒト免疫グロブリンポリペプチド鎖を生じる可能性がある。
【0078】
1つまたはそれより多くの内因性免疫グロブリン遺伝子が、多様な手段により不活性化されているマウスが調製されてきている。ヒト免疫グロブリン遺伝子が、マウスに導入され、不活性化マウス遺伝子を置き換えてきている。該動物で産生される抗体は、該動物に導入されたヒト遺伝子成分にコードされるヒト免疫グロブリンポリペプチド鎖を取り込む。抗体(ときに、「トランスジェニック抗体」と呼ばれる)を作成するためのこうしたトランスジェニック動物の産生および使用のための技術の例は、本明細書に援用される、米国特許第5,814,318号、第5,569,825号、および第5,545,806号に記載される。
【0079】
E.療法的方法
開示されるポリペプチド、組成物、および方法は、血管形成または他のTek仲介反応を阻害するような処置が必要な哺乳動物において、血管形成または他のTek仲介反応を阻害するのに用いられる。「Tek仲介反応」という用語は、少なくとも部分的に、Tekに対するTekリガンドの結合により引き起こされる、あるいは、完全にまたは部分的に、Tekに対する結合からTekリガンドを遮断することにより、阻害するまたは抑制することが可能な、いかなる細胞、生理学的、または他の生物学的反応も含む。血管形成に仲介される疾患または異常の発生または再発を防ぐため、あるいは血管形成に仲介される疾患または異常を有する哺乳動物を処置するため、処置を好都合に投与する。血管形成に仲介される疾患および処置には、限定されるわけではないが、目の障害、悪性または転移性異常、および炎症性疾患が含まれる。
【0080】
本発明にしたがって処置することが可能な目の障害の中には、限定されるわけではないが、糖尿病性網膜症(糖尿病の主な合併症)、未熟児網膜症(この破壊的な目の異常は、しばしば、慢性の視覚的問題を導き、そして盲目の高リスクを有し、未成熟幼児の看護中、重症の合併症である)、新血管新生緑内障、網膜芽細胞腫、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス、ブドウ膜炎、黄斑変性、および角膜移植新血管新生を含む、目の新血管新生により特徴付けられる、目の疾患である。他の目の炎症性疾患、目の腫瘍、および脈絡膜または虹彩新血管新生に関連する疾患もまた、本発明にしたがって、処置してもよい。
【0081】
本発明はまた、悪性および転移性状態、例えば固形腫瘍を処置するのに用いてもよい。固形腫瘍には、原発性および転移性肉腫および癌腫両方が含まれる。
本発明はまた、非限定的に、関節炎、リウマチ、および乾癬を含む、炎症性疾患を処置するのに用いてもよい。
【0082】
本発明にしたがって処置してもよい他の疾患および異常には、良性腫瘍および新生物発生前の状態、心筋血管形成、血友病関節、強皮症、血管接着、アテローム性動脈硬化斑新血管新生、毛細血管拡張症、および創傷顆粒化が含まれる。
【0083】
Tek細胞外ドメインの断片を含むポリペプチド、可溶性Tek多量体、およびTek細胞外ドメインに結合する抗体に加え、他の型のTekアンタゴニストもまた、療法的効果を達成するため、投与してもよい。Tekアンタゴニストの他の型の例には、他の抗体、例えばTekリガンドに対する抗体、Tekに対して、あるいは1つまたはそれより多くのTekリガンドに対して向けられる、アンチセンス核酸、リボザイム、突然変異タンパク質、アプタマー、および小分子が含まれる。
【0084】
本発明にしたがった方法は、in vivo動物モデルで試験し、望ましい予防的または療法的活性を確認すると共に、ヒトへの投与前に、最適療法投薬量を決定してもよい。
【0085】
特定の処置法で有効であるであろう、特定のTekアンタゴニストの量は、年齢、処置しようとする異常の種類および重症度、体重、望ましい処置期間、投与方法、並びに他のパラメーターに応じる。有効投薬量は、医師または他の認可された医学的専門家により決定される。典型的な有効投薬量は、約0.01 mg/kg体重ないし約100 mg/kg体重である。いくつかの好ましい態様において、投薬量は約0.1−50 mg/kgであり;いくつかの好ましい態様において、投薬量は約0.5−10 mg/kgである。局所投与のための投薬量は、典型的には、全身投与の場合より低い。いくつかの態様において、単回投与が十分であり;いくつかの態様において、Tekアンタゴニストは、1日またはそれより多い日数に渡り、多数の用量で投与される。
【0086】
Tekアンタゴニストは、典型的には、1つまたはそれより多くの薬学的に許容しうるキャリアーを含む、薬剤組成物の形で投与される。薬学的に許容しうるキャリアーには、投与経路のため、薬学的に許容しうる希釈剤、充填剤、アジュバント、賦形剤(excipients)、およびビヒクルが含まれ、そして、適切な分散、湿潤、および懸濁剤を用いて処方した、水性または油脂性懸濁物であってもよい。
【0087】
薬学的に許容しうるキャリアーは一般的に無菌であり、そして発熱性病原体を含まず、そして水、油、溶媒、塩、糖および他の炭水化物、乳化剤、緩衝剤、抗真菌剤、およびキレート化剤を含んでもよい。特定の薬学的に許容しうるキャリアーおよびキャリアーに対する活性化合物の比は、組成物の可溶性および化学的特性、投与様式、および標準的薬学的実施により、決定される。
【0088】
Tekアンタゴニストを、指示に適した方式で、患者に投与する。したがって、例えばTekアンタゴニスト、またはその薬剤組成物は、静脈内、経皮、皮内、腹腔内、筋内、鼻腔内、硬膜外、経口、局所、皮下、腔内、移植物からの持続放出、蠕動経路により、あるいは、他のいかなる適切な技術により、投与してもよい。非経口投与が好ましい。
【0089】
請求される発明の一定の態様において、処置はさらに、哺乳動物を、1つまたはそれより多くのさらなる化学療法剤で処置することを含む。単数または複数のさらなる化学療法剤は、Tekアンタゴニストの投与前に、該投与と同時に、または該投与後に投与してもよい。処置される哺乳動物が固形腫瘍を有する場合、1つより多くの化学療法剤の使用が特に好都合である。請求される発明のいくつかの態様において、処置はさらに、哺乳動物を放射線照射で処置することを含む。近接照射療法および遠隔放射線療法を含む、放射線照射は、単数または複数の第二の化学療法剤および/またはTekアンタゴニストの投与前に、該投与と同時に、または該投与後に投与してもよい。
【0090】
処置される哺乳動物が固形腫瘍を有する場合、該方法は、好ましくは、Tekアンタゴニストに加え、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ビンカアルカロイドおよび他の植物由来化学療法剤、ニトロソ尿素、抗腫瘍抗生物質、抗腫瘍酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、白金類似体、副腎皮質抑制剤、ホルモン、ホルモンアゴニストおよびアンタゴニスト、抗体、免疫療法剤、血液細胞因子、放射線治療、および生物学的反応修飾剤からなる群より選択される、1つまたはそれより多くの化学療法剤の投与を含む。
【0091】
いくつかの好ましい態様において、該方法は、Tekアンタゴニストに加え、シスプラチン、シクロホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ブレオマイシン、カルボプラチン、フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、メトトレキセート、タキソール、アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、およびビンブラスチン、リンホカインおよびサイトカイン、例えばインターロイキン、インターフェロン(アルファ、ベータ、またはデルタを含む)、並びにTNF、クロラムブシル、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ビンデシン、エトポシド、テニポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、L−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、メチルヒドラジン、ミトーテン、タモキシフェン、およびフルオキシメステロンからなる群より選択される、1つまたはそれより多くの化学療法剤の投与を含む。
【0092】
いくつかの好ましい態様において、該方法は、Tekアンタゴニストに加え、Flt3リガンド、CD40リガンド、インターロイキン−2、インターロイキン−12、4−1BBリガンド、抗4−1BB抗体、TNFアンタゴニストおよびTNF受容体アンタゴニスト、TRAIL、VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体(Flt1およびFlk1またはKDRとしても知られる、VEGF−R1およびVEGF−R2を含む)アンタゴニスト、およびCD148(DEP−1、ECRTP、およびPTPRJとも称される、Takahashiら, J. Am. Soc. Nephrol. 10:2135−45, 1999を参照されたい)アゴニストからなる群より選択される、それらの多様な可溶性型を含む、1つまたはそれより多くの化学療法剤の投与を含む。
【0093】
いくつかの好ましい態様において、本発明のTekアンタゴニストは、BrowderらおよびKlementら(Cancer Research 60:1878, 2000; J. Clin. Invest. 105(8):R15, 2000; Barinaga, Science 288:245, 2000も参照されたい)に記載されるものなど、「メトロノーム療法」の構成要素として、または該療法と組み合わせて用いられる。
【0094】
本発明のポリペプチド、組成物、および方法は、最前線の処置として、初期療法後に残った疾患の処置のため、または化学療法、手術、放射線照射、および当該技術分野に知られる他の療法的方法を含む、他の療法の付属物として、用いてもよい。
【0095】
【実施例】
以下の実施例は、特定の態様を例示することを意図し、そして本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0096】
実施例1
可溶性Tek/Fc融合ポリペプチドの組換え産生
ヒト受容体チロシンキナーゼ(RTK)Tek(ork、Tie2)をコードするcDNAの分子クローニングは、米国特許第5,447,860号に記載される。Tek cDNA(ブダペスト条約の条件下で、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに1992年5月28日に寄託、寄託番号第ATCC 69003号)は1124アミノ酸をコードし、シグナルペプチド、N−末端細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、およびC−末端細胞質ドメインを含む。配列解析に基づき、シグナルペプチドは、残基1−18を含むと予測され、N−末端細胞外ドメインは、残基19−745を含むと予測され、膜貫通ドメインは、残基746−772を含むと予測され、そしてC−末端細胞質ドメインは、残基773−1124を含むと予測される。細胞外ドメインには、2つの免疫グロブリン(Ig)様ループ、3つのEGF様システインリピートを含む領域(残基211−340の間)、およびフィブロネクチンIII型(FNIII)モチーフを含む領域(残基440−733)が含まれる。Tek cDNAを用い、多様なTek/Fc融合ポリペプチドの産生のための組換え発現ベクターを構築した。
【0097】
Fcに融合した全長Tek細胞外ドメインをコードする核酸を構築するため、Tekリーダー(シグナルペプチド)および細胞外ドメインを含む、Tek由来のN−末端745アミノ酸をコードする核酸を、ヒトIgG1由来の232アミノ酸Fc部分をコードする核酸に融合させた。本構築物にコードされるTek/Fc融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1として示される。配列番号1において、残基1−18は、予測されるシグナルペプチド(細胞からの分泌に際し、切断されると予測される;実際の切断部位は、N−末端配列解析により同定した。以下を参照されたい)であり、残基19−745は、Tek細胞外ドメインであり、そして残基746−977は、Fc部分である。哺乳動物発現ベクターへの挿入、並びに、哺乳動物宿主細胞での発現および該細胞からの分泌に際し、本構築物は、Tek745/Fcと称されるポリペプチドを産生した。予測されるシグナルペプチド切断部位に基づき、Tek745/Fcのアミノ酸配列は、配列番号1の残基19−977であると予測された。
【0098】
Fcに融合したTek細胞外ドメインの断片をコードする核酸を構築するため、Tekリーダー(シグナルペプチド)および欠失細胞外ドメインを含む、Tek由来のN−末端472アミノ酸をコードする核酸を、ヒトIgG1由来の232アミノ酸Fc部分をコードする核酸に融合させた。本構築物にコードされるTek/Fc融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2として示される。配列番号2において、残基1−18は、予測されるシグナルペプチド(細胞からの分泌に際し、切断されると予測される;実際の切断部位は、N−末端配列解析により同定した。以下を参照されたい)であり、残基19−472は、Tek細胞外ドメインの断片であり、そして残基473−704は、Fc部分である。哺乳動物発現ベクターへの挿入、並びに、哺乳動物宿主細胞での発現および該細胞からの分泌に際し、本構築物は、Tek472/Fcと称されるポリペプチドを産生した。予測されるシグナルペプチド切断部位に基づき、Tek472/Fcのアミノ酸配列は、配列番号2の残基19−704であると予測された。
【0099】
各Tek/Fc融合ポリペプチドをコードする核酸を、哺乳動物発現ベクターに挿入し、そして各ベクターをCHO細胞にトランスフェクションした。増幅後、安定トランスフェクションCHO細胞株を、組換え融合ポリペプチドの発現および分泌を促進する条件下で培養し、そしてTek/Fc融合ポリペプチドを培地から回収し、そして単離した。N−末端配列解析は、Tek745/Fcと称される分泌ポリペプチドが、配列番号1の残基23(アラニン)に対応するN−末端を有することを決定した。N−末端配列解析は、Tek472/Fcと称される分泌ポリペプチドが、配列番号2の残基23(アラニン)に対応するN−末端を有することを決定した。
【0100】
Tek/Fc融合ポリペプチドの抗−血管形成活性は、実施例2−6に記載される、in vitroおよびin vivo系で、立証される。
実施例2
創傷閉鎖アッセイにおけるTek/Fcの活性
平面内皮細胞移動(創傷閉鎖)アッセイを用い、in vitroで、Tek/Fcによる血管形成の阻害を定量化した。本アッセイにおいて、内皮細胞移動は、培養細胞単層中の円状創傷の閉鎖速度として測定する。創傷閉鎖の速度は直線であり、そしてin vivoで、血管形成を刺激し、そして阻害する剤により、動的に制御される。
【0101】
Martinら, In Vitro Cell Dev Biol 33:261, 1997に記載されるように、初代ヒト腎臓微小血管内皮細胞、HRMECを単離し、培養し、そして融解後、第三継代で用いた。複製円状損傷、「創傷」(直径600−800 ミクロン)は、シリコンで先端を覆ったドリルを押し付け、集密(confluent)HRMEC単層中に生成した。創傷を与える時点で、培地(DMEM + 1% BSA)に、20 ng/ml PMA(ホルボール−12−ミリステート−13−アセテート)、10μg/ml Tek472/Fc、または20 ng/ml PMAおよび0.001−10μg/ml Tek472/Fcの組み合わせを補った。残った創傷面積を、顕微鏡および画像解析ソフトウェア(Bioquant、テネシー州ナッシュビル)を用い、時間(0−12時間)の関数として測定した。時間に渡りプロットした、残った創傷面積の線形回帰により、各剤および剤の組み合わせに関し、相対移動速度を計算した。結果を図1に示す。Tek472/Fcは、PMA誘導内皮移動を用量反応方式で阻害し、10μg/mlで、移動速度を未刺激レベルに減少させた。
【0102】
実施例3
角膜ポケットアッセイにおけるTek/Fcの活性
マウス角膜ポケットアッセイを用い、in vivoで、Tek/Fcによる血管形成の阻害を定量化した。本アッセイにおいて、血管形成または抗−血管形成活性に関し、試験しようとする剤を、ハイドロン(hydron)ペレット中の遅延放出型で固定し、これを麻酔したマウスの角膜上皮中に生成したマイクロポケットに移植する。血管新生(vascularization)は、血管新生角膜縁から、通常は無血管の角膜への、血管内部成長の出現、密度、および度合いとして測定する。
【0103】
ハイドロンペレットは、Kenyonら, Invest Opthamol. & Visual Science 37:1625, 1996に記載されるように、bFGF(90 ng/ペレット)、bFGFおよびIgG(11μg/ペレット、コントロール)、またはbFGFおよびTek472/Fc(12.8μg)と共に、スクラルフェートを取り込んだ。ペレットは、6−8週齢オスC57BLマウスの外側(lateral)角膜縁に対し内側(medial)に1mm、微小切開することにより生成した、角膜支質(stromal)マイクロポケット中に移植した。5日後、bFGFに対する新血管新生反応のピーク時に、Zeissスリットランプを用い、ペレットを含む経線の極軸から35−50°の初期角で、角膜の写真を撮影した。画像をデジタル化し、そして減法混色の原色フィルター(subtractive color filters)(Adobe Photoshop 4.0)によりプロセシングし、ヘモグロビン含量により、確立された微小血管の輪郭を描いた。画像解析ソフトウェア(Bioquant、テネシー州ナッシュビル)を用い、血管新生された角膜画像の割合、血管新生された領域内の血管密度、および総角膜内の血管密度を計算した。結果を図2に示す。Tek472/Fc(50 pmol)は、bFGF(3 pmol)誘導角膜血管生成を阻害し、FGFのみにより誘導されるものの30%に、血管密度を減少させた。
【0104】
実施例4
ネズミ移植モデルにおけるTek/Fcによる新血管新生の阻害
1匹のマウスドナーから別の遺伝的に類似のマウスの耳皮膚への異所性(heterotopically)移植心臓組織の生存は、生存および心筋機能のためのエネルギーを促進するため、移植された心臓および周囲の組織による適切な新血管新生を必要とする。移植部位での不適切な血管系は、心臓に対する過剰な虚血、組織損傷、および組織移植の失敗を引き起こす。内皮細胞移動および血管形成に関与するアンギオポエチンおよび内皮特異的因子に拮抗する剤は、移植部位での血管形成を減少させ、それにより、移植組織機能および最終的にそれ自体の移植を制限することが可能である。
【0105】
新血管新生に対するTek/Fcのアンタゴニスト効果を立証するため、ネズミ異所性心臓同系移植モデルを利用し、以下の研究を行った。すべての実験において、メスBALB/c(=12週齢)レシピエントは、同一系統のドナーマウスから、新生心臓移植片を受けた。
【0106】
A.500μg/日用量でのTek/Fc
3つの実験の各々で、ドナー心臓組織を、第0日に、レシピエントの左耳介に移植し、そしてマウスを2群に分けた。コントロール群は、ヒトIgG(HuIgG)を、一方他の群は、ヒトTek472/Fcを、共に1日500μg、腹腔内投与された。すべての処置は第0日に開始し、そして連続5日間続いた。移植片の機能性は、移植後、第7日および第14日に、可視拍動活性をモニターすることにより、決定した。表1は、3つの実験からの累積的結果を示す。
【0107】
表1
第7日および第14日での機能する移植
【0108】
【表1】
Figure 0004587626
【0109】
Hu IgGを投与された8匹のマウスはすべて、第7日および第14日に、機能する移植片を有し、100%移植を示した。Tek472/Fc処置マウスは、最初に機能する活性をまったく示さず、減少した移植を示し、第7日で機能する移植片はわずか36%であった。Tek472/Fc処置を止めて10日後の第14日までに、マウスの82%が機能する移植片を有した。
【0110】
Tek/Fcを投与されたマウスの移植心臓に対する組織学的研究は、コントロールタンパク質IgGを投与されたマウス由来の移植心臓で観察されるものに比較した際、血管漏出を示す、移植部位での浮腫の増加、および減少した宿主およびドナー組織血管系染色(因子VIII)を示した。
【0111】
本実験は、Tek472/Fcでの処置が、心臓同系移植機能をひどく損ない、そして療法の5日過程後、第7日で、マウスの64%の組織の移植を妨げたことを示した。
【0112】
B.Tek/Fc用量力価測定(titration)
3つの異なる用量のTek/Fcを、上述の心臓同系移植モデルで試験した。各試験群は、4匹のメスBALB/cマウスを含んだ。コントロール群は、連続5日間、1日当たり500μg、ヒトIgG(Hu IgG)を腹腔内投与された。Tek/Fc群は、連続5日間、1日当たり90、250、または500μg、ヒトTek472/Fcを腹腔内投与された。移植片の機能性は、移植後、第7、11、14、17、および21日に、可視拍動活性をモニターすることにより、決定した。結果を表2に示す。
【0113】
表2
Tekでの用量力価決定後の機能する移植
【0114】
【表2】
Figure 0004587626
【0115】
*すべての結果は、拍動心臓移植片を持つマウスのパーセントとして報告される。
移植に対する影響が観察されないHu IgGコントロールに比較した際、250μgおよび500μg用量のTek/Fc両方で、同様の度合いの心臓同系移植破損が観察された。移植における、かなり有意でないが、小さい減少が、90μg用量で観察された。
【0116】
実施例5
Tek472/Fcでの腫瘍の処置
Tek472/Fcを単独で、そしてFlt3Lと組み合わせて投与し、87線維肉腫またはB10.2線維肉腫腫瘍を持つマウスを処置した。B10.2および87腫瘍は、進行性表現型であり、すなわち、これらは正常マウス中で、進行性に増殖する。B10.2線維肉腫は、C57BLマウスにおいて、5 mgのメチルコラントレンを含む、パラフィンペレットの皮下移植により誘導した(LynchおよびMiller, Eur. J. Immunol., 21:1403, 1991)。87線維肉腫は、UVB照射へのC3H/HeNマウスの慢性曝露により誘導される進行性腫瘍変異体である。これらの実験用に、マウスに腫瘍を接種するため、5 x 105細胞を腹部に皮内注射した(第0日)(本明細書に援用されるBorgesら, J. Immunol. 163:1289, 1999もまた参照されたい)。
【0117】
C3H/HeNマウス中の87線維肉腫腫瘍を、MSA(ネズミ血清アルブミン、コントロール)、Tek/Fc(312μg/日、腫瘍細胞注射後、第4−19日)、Flt3L(10μg/日、腫瘍細胞注射後、第1−19日)、またはTek/FcおよびFlt3Lの組み合わせ(Tek/Fcは312μg/日、腫瘍細胞注射後、第4−19日;Flt3Lは10μg/日、第1−19日)で処置した。各処置群は、10匹のマウスからなった。腫瘍頻度および腫瘍サイズは、5週間、毎週測定した。結果を図3に示す。Tek/FcおよびFlt3Lの組み合わせで処置したマウスは、最も遅い腫瘍増殖速度を示した。第6週に、Flt3Lを加えたTek/Fc群のさらなる動物が腫瘍を拒絶し、腫瘍頻度は68%に減少した。本実験の結果に基づき、Tek/FcおよびFlt3Lの組み合わせを用い、あらかじめ存在するB10.2線維肉腫腫瘍を処置した。
【0118】
C57BL/10マウス中のB10.2線維肉腫腫瘍を、MSA(コントロール)、Tek/Fc(625μg/日、腫瘍細胞注射後、第7−32日)、Flt3L(10μg/日、腫瘍細胞注射後、第7−26日)、またはTek/FcおよびFlt3Lの組み合わせ(Tek/Fcは312または625μg/日、腫瘍細胞注射後、第7−32日;Flt3Lは10μg/日、第7−26日)で処置した。各処置群は、10匹のマウスからなった。腫瘍頻度および腫瘍サイズは、6週間、毎週測定した。結果を図4に示す。Tek/FcおよびFlt3Lの組み合わせで処置したマウスは、減少した腫瘍増殖速度を示し;Flt3Lと組み合わせ625μg/日 Tek/Fcで処置したマウスが、最も遅い腫瘍増殖速度を示した。
【0119】
実施例6
アンギオポエチンに対するTek/Fc融合ポリペプチドの結合
Tek745/FcおよびTek472/Fc両方を、時間分解蛍光に基づく固相プレート結合アッセイを用い、ヒトTekリガンド、アンギオポエチン2(Ang2)に結合する能力に関し、調べた。2つの異なる型の可溶性Tek/Fcを用いた、ヒトAng2に対する結合の比較により、Tek472/Fcは、Tek745/Fcよりも、Ang2に有意によりよく結合する(21倍よい)ことが明らかになった。
【0120】
低蛍光8 x 12片マイクロタイタープレートウェル(Perkin−Wallac、オハイオ州アクロン)を、500 ng/ml(100μl)のヒトAng2(R&D Systems)と、2−8℃で一晩インキュベーションした。その後、100μlの1% BSA/PBS溶液を室温で1時間添加することにより、ウェルをブロッキングした。4 X PBS−T(PBS−Tween 20 0.05%)洗浄後、Tek745/Fc、Tek472/Fc、またはTNFR/Fc(コントロール/Fc)を含む試料を、3倍希釈中の30μg/mlから始まり、2つ組で、希釈剤(1% BSA/PBS)中で、力価測定した。試料を穏やかに攪拌しながら室温で1時間結合させ、そしてその後、未結合成分をPBS−Tで4回、洗い流した。結合Tek/Fcは、アッセイ緩衝液中で100 ng/mlに希釈した、ヤギ抗ヒトIgG−ユーロピウム結合体(Perkin−Wallac)をウェルに添加し、そして室温で30分間インキュベーションすることにより、検出した。未結合ヤギ抗ヒトIgG−ユーロピウムは、4 X PBS−T洗浄により、除去した。洗浄後、150μlの亢進溶液(Perkin Wallac)を各ウェルに添加し、そしてプレートを室温で、最低5分間、インキュベーションした。結合は、ユーロピウム−由来蛍光を測定するソフトウェアおよび励起/発光装置を備えたVictor II Multilabelカウンター上で、各ウェルから発光される蛍光を読み取ることにより、決定した。蛍光カウントとして表される結果を、図5に示す。
【0121】
TNFR/Fcコントロールは、ヒトAng2に対し、検出可能な結合(バックグラウンドに関し観察されるものを超えるもの)を示さなかった。Tek472/FcおよびTek745/Fcは共に、濃度依存方式でヒトAng2に結合したが、Tek472/Fcはより高い結合親和性を有した。Tek472/Fcは、質量濃度に基づき、Tek745/Fcより、20倍よく結合した。より低い濃度のTek472/Fcで観察された結合レベルと同じレベルを達成するのに、はるかに高い濃度のTek745/Fcが必要であった。BC40K(huANG−2結合の40,000蛍光カウントを達成するのに必要とされるTek/Fcの濃度)は、Tek472/Fcに関するBC40Kが994 ng/mlであったのと比較し、Tek745/Fcに関し、20,596 ng/mlであった。
【0122】
実施例7
Tek−特異的に結合するモノクローナル抗体
A.Tek472/Fcに対する抗体
「組換えTie2細胞外ドメイン−Fc融合体」に対する抗体は、Holmesら、WO 00/18437に記載されてきている。対照的に、本発明の発明者らは、欠失Tek細胞外ドメイン融合ポリペプチドTek472/Fcに対する抗体を作成した。実施例6に示されるように、Tek472/Fcは、Tek745/Fcよりも高い親和性で、Tekリガンドに結合する。
【0123】
BALB/cマウスを、実施例1に記載されるTek/Fc融合ポリペプチド、Tek472/Fcで免疫感作した。脾臓細胞を収集し、そして標準的方法を用い、ハイブリドーマを調製するのに用いた。ハイブリドーマ上清を、ELISAを用いて、(a)Tek472/Fcおよび(b)ヒトTekを発現するCV1細胞に結合する能力に関し、スクリーニングした。陽性を2回クローニングし、モノクローナル性を保証し、その後、アイソタイプを決定し、そしてTekに対する反応性に関し、再アッセイした。
【0124】
さらなる実験のため、3つの抗体を選択した:M530(IgG2bアイソタイプ)、M531(IgG2bアイソタイプ)、およびM532(IgG1アイソタイプ)。M530およびM531は、同一エピトープを認識するようであり、そしてM532は、第二の(異なる)エピトープを認識する。したがって、M530およびM532を、多様な免疫アッセイで、抗体対(例えば捕捉および検出のため)として用いた。M530は、(免疫沈降および固相プレート結合アッセイにより)Tek745/Fc、Tek472/Fcに結合し、そしてヒト内皮細胞の表面上に発現されるような天然発生Tekに結合することが示された。M530抗体は、以下の実施例8に記載される、結合およびエピトープマッピング研究で、さらに性質決定した。
【0125】
B.さらなるTek抗体
まだクラスター形成されていない、推定上の内皮細胞−特異的抗体のワークショップパネルを、ヒト白血球分化抗原(HLDA)ワークショップから得た。いくつかの抗体は、ヒト内皮細胞でマウスを免疫感作することにより、生成した。パネル中の1つの抗体は、ヒトTekと反応することが知られた。これらの抗体は、以下の実施例8に記載される、結合およびエピトープマッピング研究で、さらに性質決定した。
【0126】
実施例8
Tekおよびヒト微小血管内皮細胞に対するTek抗体結合
A.全長Tek細胞外ドメインおよび内皮細胞に対する抗体結合
固相結合アッセイ(時間分解蛍光、実施例6に記載されるようなもの)を用い、実施例7Aに記載されるhuTekモノクローナル抗体M530、および実施例7Bに記載される8つのモノクローナル抗体(内皮細胞−特異的抗体、WS#70098、#70099、#70100、#70101、#70104、#70108、#70112、および推定上のTek−特異的抗体#70637)は、全長Tek細胞外融合ポリペプチドTek745/Fcに特異的に結合した。IgG1陰性コントロールmAb(MOPC21)は、バックグラウンド以上には、Tek745/Fcに結合しなかった。2つの他の内皮細胞−特異的ワークショップ抗体(WS#70110および#70115)は、Tek745/Fcに検出可能には結合しなかった。
【0127】
フローサイトメトリーを用い、実施例7Aに記載されるヒトTekモノクローナル抗体M530、M531、およびM532並びに実施例7Bに記載される8つのモノクローナル抗体(内皮細胞−特異的抗体、WS#70098、#70099、#70100、#70101、#70104、#70108、#70112、およびTek−特異的抗体#70637)は、ヒト内皮細胞上に発現されるような、天然発生Tek(成人皮膚およびHUVECに由来するヒト微小血管内皮細胞両方)に結合することが示された。
【0128】
B.FN3モチーフを欠く、Tek細胞外ドメインに対する抗体結合
実施例7Aに記載されるモノクローナル抗体M530、並びに実施例7Bに記載される7つのモノクローナル抗体(内皮細胞−特異的抗体、WS#70098、#70099、#70100、#70101、#70104、#70108、および#70112)は、欠失Tek細胞外融合ポリペプチド、Tek472/Fcに特異的に結合した。ワークショップ抗体#70637(Tek745/Fcに結合する)、#70110、および#70115は、Tek472/Fcに結合しなかった。
【0129】
C.Tekリガンドによる抗体結合の競合的阻害
アンギオポエチン−1(Ang1、Davisら, Cell 87:1161, 1996)およびアンギオポエチン−2(Ang2、Maisonpierreら, Science 277:55, 1997)は、2つの緊密に関連したTekリガンドである。Ang1およびAng2は共に、ヒトTekに同様の親和性で結合する。Ang1の存在下で、EC培養に、モル過剰のAng2を添加すると、内皮細胞に対するAng1結合の競合を介し、内皮細胞上のTekのAng1誘導活性化が阻害されることが示されてきている(Maisonpierreら, Science 277:55, 1997)。組換えヒトアンギオポエチン−2調製は、R&D Systems, Inc.(ミネソタ州ミネアポリス)から得た。製造者にしたがうと、アンギオポエチン−2調製は、還元および非還元条件下両方で、SDS−PAGE中、66 kDaタンパク質として移動する。N−末端アミノ酸配列決定に基づき、該調製は2つのペプチド:N−末端としてAsp68を有する主なポリペプチド(総量の75%)およびN−末端としてTyr19を有する重要でないポリペプチド(総量の25%)を含む。
【0130】
本Ang−2調製が、皮膚ヒト微小血管内皮細胞上に発現されるTekに対するTek抗体の結合を競合的に阻害する能力を、フローサイトメトリーを用いて試験した。
【0131】
各mAbを2つ組で、12 x 75 mmファルコン試験管中で、5μg/mlで、500,000 HMVEC−dに添加し、そして結合培地中で、4℃で15分間インキュベーションした。2つ組の一方の組に、ヒトAng2を、10μg/ml(5倍モル過剰)で、さらに30分間添加した。結合Tek mAbを持つ細胞を、その後、20体積のPBS−含有洗浄緩衝液中で洗浄した。洗浄工程後、細胞に、F(ab2)ヒツジ抗マウスIgG−PE蛍光結合体を添加し、その後、4℃で30分間インキュベーションし、そしてさらに20体積で洗浄することにより、結合マウスmAbを検出した。Tek mAbの結合は、単一レーザーFACSCAN(Becton Dickinson、カリフォルニア州サニーベール)上でのフローサイトメトリー解析により、測定した。抗体結合の阻害パーセントは、式:
MFI(Ang2なし)−MFI(+Ang2)/MFI(Ang2なし) x 100
を用いて計算した。結果を表3に示す。
【0132】
表3
Ang2によるTek抗体結合の阻害
【0133】
【表3】
Figure 0004587626
【0134】
これらの結果であるAng2によるTek抗体結合の阻害は、M530、#70098、#70099、#70101、#70108、および#70112抗体は、Tekリガンド結合部位で、またはその近傍で結合することを示唆する。mAb M530、WS#70099および#70112もまた、組換えヒトTek472/Fcに対するAng2結合(100 ng/ml)を阻害することが可能であり、mAb M530および#70112に関し、10μg/ml以上の濃度で、そしてmAb 70099に関し、3μg/ml以上の濃度で、50%以上阻害可能であった。
【0135】
本実施例に記載される結合結果と組み合わせ、ヒトTek細胞外ドメイン中の少なくとも3つの抗体エピトープが明示され、そして免疫原/標的として、フィブロネクチンIII型(FNIII)モチーフを含む領域のすべてまたは一部を欠くTek細胞外ドメインの断片を用い、抗体を調製する有用性が例示される。
【0136】
本明細書に引用される刊行物の相当する開示は、特に本明細書に援用される。上に示される実施例は、包括的であることも、または本発明の範囲を制限することも意図しない。当業者は、上の解説を考慮し、変動および修飾および変動が可能であることを理解するだろうし、そしてこうした修飾および変動は、本発明の範囲内であることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、創傷閉鎖アッセイにおける内皮細胞移動のTek472/Fcによる阻害を示す。
【図2】 図2は、角膜ポケットアッセイにおける血管形成のTek472/Fcによる阻害を示す。
【図3】 図3は、87線維肉腫腫瘍を持つマウスにおける、Tek472/Fc、Flt3L、並びにTek472/FcおよびFlt3Lの組み合わせでの処置後の腫瘍増殖を示す。
【図4】 図4は、B10.2線維肉腫腫瘍を持つマウスにおける、Tek472/Fc、Flt3L、並びにTek472/FcおよびFlt3Lの組み合わせでの処置後の腫瘍増殖を示す。
【図5】 図5は、ヒトアンギオポエチン−2に対するTek472/FcおよびTek745/Fcの結合を示す。
【配列表】
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Claims (28)

  1. 配列番号1の残基19−745として示されるTek細胞外ドメインの断片、または90%の配列同一性を有するその変異体を含むポリペプチドであって、該ポリペプチドがフィブロネクチンIII型(FNIII)モチーフを含む配列番号1の残基473−745を欠き、そして該ポリペプチドが、全長Tek細胞外ドメインより、Tekリガンドに対するより高い結合親和性を有する、前記ポリペプチド。
  2. Tek細胞外ドメインの断片またはその変異体が:
    配列番号2の残基23−472に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列
    配列番号2の残基23−472に少なくとも98%同一であるアミノ酸配列
    配列番号2の残基23−472に少なくとも99%同一であるアミノ酸配列
    )配列番号2の残基23−472;および
    (e)配列番号2の残基19−472;
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1のポリペプチド。
  3. Tekリガンドが、アンギオポエチン−1、アンギオポエチン−2、またはアンギオポエチン−4である、請求項1または請求項2のポリペプチド。
  4. Tekリガンドが、アンギオポエチン−2である、請求項1または2のポリペプチド。
  5. 請求項1−のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする核酸。
  6. (a)請求項)に記載のポリペプチドをコードする核酸;および
    (b)(a)の核酸に少なくとも90%、95%、98%、または99%同一であり、そして、全長Tek細胞外ドメインより、Tekリガンドに対するより高い結合親和性を有するポリペプチドをコードする核酸;
    からなる群より選択される、核酸。
  7. 請求項の核酸にコードされるポリペプチド。
  8. さらにシグナルペプチド配列をコードする、請求項または請求項の核酸。
  9. 配列番号2をコードする、請求項の核酸。
  10. ポリペプチドの発現を可能にする条件下で、組換え宿主細胞において、請求項またはのいずれか1項に記載の核酸を発現させることを含む方法により、産生されたポリペプチド。
  11. 方法が、請求項または請求項に記載の核酸を発現させることを含み、そして宿主細胞から分泌されたポリペプチドを収集することをさらに含む、請求項10のポリペプチド。
  12. 請求項1−10または11のいずれか1項に記載の、少なくとも1つのポリペプチドを含む、可溶性Tek多量体。
  13. 多量体が、二量体または三量体である、請求項12の可溶性Tek多量体。
  14. 多量体が、Fcポリペプチドまたはロイシンジッパーを含む、請求項12の可溶性Tek多量体。
  15. 配列番号2の残基23−472を含む、請求項12の可溶性Tek多量体。
  16. 配列番号2の残基23−704を含む、請求項14の可溶性Tek多量体。
  17. 請求項1−10もしくは11のいずれか1項に記載のポリペプチド、または請求項1216のいずれか1項に記載の可溶性Tek多量体を含む医薬組成物。
  18. 哺乳動物における血管形成(angiogenesis)を阻害するための、請求項17の医薬組成物。
  19. TekがヒトTekである、請求項18の医薬組成物。
  20. 哺乳動物における血管形成を阻害するための医薬組成物であって、請求項16に記載の可溶性Tek多量体を含む、前記医薬組成物。
  21. 血管形成に仲介される疾患または異常を有する哺乳動物を治療するための、請求項1720のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  22. 疾患または異常が、目の新血管新生(neovascularization)により特徴付けられる、請求項21の医薬組成物。
  23. 疾患または異常が固形腫瘍である、請求項21の医薬組成物。
  24. さらに、第二の化学療法剤と組み合わせてなる、請求項1723のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  25. 第二の化学療法剤が、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ビンカアルカロイドおよび他の植物由来化学療法剤、ニトロソ尿素、抗腫瘍抗生物質、抗腫瘍酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、白金類似体(analog)、副腎皮質抑制剤、ホルモン、ホルモンアゴニスト、ホルモンアンタゴニスト、抗体、免疫療法剤、血液細胞因子、放射線治療、および生物学的反応修飾剤からなる群より選択される、請求項24の医薬組成物。
  26. 第二の化学療法剤が、シスプラチン、シクロホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ブレオマイシン、カルボプラチン、フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、メトトレキセート、タキソール、アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、およびビンブラスチン、リンホカインおよびサイトカイン、例えばインターロイキン、インターフェロン(アルファ、ベータ、またはデルタを含む)、並びにTNF、クロラムブシル、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ビンデシン、エトポシド、テニポシド、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、L−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、メチルヒドラジン、ミトーテン、タモキシフェン、およびフルオキシメステロンからなる群より選択される、請求項24の医薬組成物。
  27. 第二の化学療法剤が、Flt3リガンド、CD40リガンド、インターロイキン−2、インターロイキン−12、4−1BBリガンド、抗4−1BB抗体、TNFアンタゴニストおよびTNF受容体アンタゴニスト、TRAIL、CD148アゴニスト、VEGFアンタゴニスト、およびVEGF受容体アンタゴニストからなる群より選択される、請求項24の医薬組成物。
  28. 哺乳動物におけるTekに対するTekリガンドの結合を阻害するための医薬組成物であって、阻害に有効な量のTekアンタゴニストであって、以下:(a)請求項1−10または11のいずれか1項に記載のポリペプチド;(b)請求項1216のいずれか1項に記載の可溶性Tek多量体;並びに(c)配列番号2の残基23−704からなる可溶性Tek多量体;からなる群より選択される、前記Tekアンタゴニストを含む、前記医薬組成物。
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