JP4587210B2 - マイクロレンズ付基板の製造方法、液晶表示パネルの対向基板の製造方法及び液晶パネルの製造方法 - Google Patents

マイクロレンズ付基板の製造方法、液晶表示パネルの対向基板の製造方法及び液晶パネルの製造方法 Download PDF

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本発明は、透光性基板にマイクロレンズが形成されたマイクロレンズ付基板の製造方法、このマイクロレンズを用いた液晶パネルの対向基板の製造方法及び液晶パネルの製造方法に関する。
従来より、液晶パネルを用いた液晶プロジェクタ等の投射型の液晶表示装置が知られている。投射型の液晶表示装置に用いられる液晶パネルは、複数の画素電極及びこれを駆動するためのスイッチング素子が形成された駆動基板と、この駆動基板に対向して設けられる基板であって、上記各画素電極に対向する位置にそれぞれ対向電極が形成された対向基板とを有し、上記駆動基板と対向基板との間に液晶を存在させたものである。画像信号に基づいて前記スイッチング素子が制御されると、前記2つの電極間にある液晶に印加される電力が制御される。
その結果、対向基板側から入射されて各画素部分を通過して駆動基板側から出射する光の透過具合が液晶によって制御されて画像信号に基づいた投射画像が造られていくものである。なお、このような液晶パネルにおいては、駆動基板のスイッチング素子に有害な光が当たるのを防止するために、対向基板の上記スイッチング素子に対向する部分に遮光膜が形成されるようにした遮光膜パターンである、いわゆるブラックマトリクスが、上記対向基板に設けられる場合がある。
近年では、このような液晶表示装置において、高精細化に伴い、従来はブラックマトリクスやスイッチング素子に相当する位置に入射して表示に寄与しなかった光を効率的に利用するために、対向基板としてマイクロレンズアレイが形成されたマイクロレンズアレイ付基板が用いられるようになってきている。
すなわち、マイクロレンズアレイを用いない場合は、対向基板側から投射用の光を入射させた場合、その光の一部は、ブラックマトリクスやスイッチング素子に当たって投射画像形成のための光としては利用されず、無駄になっていた。このため、投射画像の輝度向上のうえで不利であった。そこで、マイクロレンズアレイを対向基板に形成し、レンズがない場合にはブラックマトリクス等に入射するはずであった部分の光も集めて画素部分を通過させるようにしたものである。
その結果、対向基板側から入射されて各画素部分を通過して駆動基板側から出射する光の透過具合が液晶によって制御されて画像信号に基づいた投射画像が造られていくものである。
このようなマイクロレンズアレイ付基板の製造方法としては、基板に所定の開口を有するマスクを設け、この開口から基板をウエットエッチングすることにより、基板に半球状の凹部を形成し、この凹部に基板と屈折率の異なる樹脂を充填し、さらに、樹脂上にカバーガラスを設けることにより、半球状のマイクロレンズを形成する方法が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この半球状に形成したマイクロレンズアレイは、個々のマイクロレンズの外周部、すなわち、隣接する個々のマイクロレンズの互いの境界部分で収差が大きくなり、高コントラスト及び高輝度が得られないという問題があった。
この問題を解決するものとして、凹部の形状を、中心部と、この中心部より曲率半径の大きい外周部との2つの曲率を組み合わせた形状とすることによってレンズの外周部における収差を低減することが提案されている。また、このマイクロレンズを製造する方法として、基板上に開口を有するマスクを形成し、最初に深さ方向へのエッチングが大きくなるように基板上にドライエッチングを行い、次に、同じ開口をマスクとして、等方性のウエットエッチングを行う方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の製造方法は、中心部と外周部とが異なる曲率半径の曲面である所望の凹部形状を得るために、異方性のドライエッチングが必須である。しかしながら、ドライエッチングは、従来のウエットエッチングによる凹部形成に比較して設備が大掛かりとなる欠点がある。また、エッチング効率が低いために、スループットが低下し、コスト高となる。さらには、特に大面積の基板をドライエッチングする場合には、場所によってエッチングむら及び表面荒れが生じやすくなって、基板全面にわたって均一なレンズ形状を得られない場合が生ずる。これによって、歩留まりを低下させると共に、均一なレンズ性能が得られないことにもなる。その結果、例えば、液晶パネルとして使用した場合には画像むらの原因になる場合がある。
このように、凹部形成にドライエッチングプロセスを使用すると、マイクロレンズアレイ付基板が高コストとなると共に、均一なレンズ性能が得難く、液晶表装置として使用した場合には、結果として、液晶表示装置のコスト高及び性能低下を引き起こす原因にもなるという問題があった。
そこで、本願出願人は、ドライエッチングプロセスを使用することなく、外周部における収差を低減できる形状のマイクロレンズを有するマイクロレンズ付基板を製造する方法を開発し先に出願を行っている(特許文献3)。
このプロセスについて図面を参照して説明する。
(1)第1のエッチング用開口部形成
図10(1)に示すように、まず、透光性の基板1(例えば石英ガラス基板等)上に、この基板1に対してエッチングを行う際のエッチングマスクとして用いるマスク層2(例えばクロム膜等)と、そのマスク層2にフォトリソグラフィー法でパターン形成する際に用いるレジスト層3を形成する。次いで、上記レジスト層3にパターンの露光を施し、現像して平面視が円形の多数の開口を有するレジストパターン3aを形成する。次いで、このレジストパターン3aをマスクにしてマスク層2をエッチングし、マスクパターン2aを形成して、第1のエッチング用開口部20を形成する。
(2)第1のエッチング
次に、図10(2)に示すように、第1のエッチング用開口部20から露出する基板1の表面にエッチング液を接触させ、基板1の表面に略半球形状の第1の凹部11を形成する。
(3)第2のエッチング用開口形成
次に、図10(3)に示すように、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液をエッチング液に用いて、マスクパターン2aの開口を広げてマスクパターン2bとし、これにより平面視が円形の第2のエッチング用開口21’を形成する。
(4)第2のエッチング
次に、図10(4)に示すように、アルカリ水溶液でレジストパターン3aを除去した後、第1のエッチングと同じエッチング液によって基板1をウエットエッチングする。これによって、第1の曲面12aと、第2の曲面12bとを有するレンズ形状をなした第2の凹部12が多数形成された基板を得る。
最後に、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液でマスクパターン2bを除去してマイクロレンズ付基板を得る。
特開2000−235105号公報 特開2002−6113号公報 特願2003−40003号公報
特許文献3のプロセス(以下従来法という)においては、以下の点で改善すべき課題がある。
(課題1)
図10(3)に示す第2のエッチング用開口形成の際に、図10(2)に示すように、第1のエッチング用開口部20(狭い孔)からのみエッチング液を供給することになるので、マスクパターン2b即ち第2のエッチング用開口21の寸法コントロールが難しく、エッチング液の供給ムラによりレンズ形状不良が多く発生する。
(課題2)
第2のエッチング用開口21’は、マスクパターン2aの開口をエッチング液で等方的にエッチングして広げて形成するので、マスクパターン2b即ち第2のエッチング用開口21の平面視形状が円形等に限定される。特に、第1のエッチング用開口部20の孔径が1.7〜2.7μmと小さい場合、正方形パターンで露光しても、現像により形成されるレジストパターンは実質的に略円形パターンとなってしまうため、マスクパターン2aの開口をエッチング液で等方的にエッチングして広げて形成されるマスクパターン2b即ち第2のエッチング用開口21の平面視形状は実質的に円形等に限定されてしまう(第1のエッチング用開口部20と第2のエッチング用開口21’とが共に略円形となってしまう)。
(課題3)
図11に示すように、複数の異なる曲面からなる表面を有するレンズの場合、中心レンズと外周レンズとの境界線部が光の利用効率を低下させる原因の一つとなっている。光の利用効率(透過率)を高めるためには、境界線を極力短くすることが望ましいが、従来法の場合、第2のエッチング用開口の平面視形状は実質的に略円形となってしまうので、中心レンズと外周レンズとの境界線は円弧となり、光の利用効率の点で不利である。
本発明は、上述の背景のもとでなされたものであり、以下の構成を有する。
(構成1)
透光性基板上にレンズ形状をなした多数の凹部を形成する凹部形成工程と、この凹部に前記基板と屈折率の異なる媒体を充填してマイクロレンズ部を形成するマイクロレンズ形成工程とを有するマイクロレンズ付基板の製造方法であって、
前記凹部形成工程は、
透光性の基板上に、この基板に対してエッチングを行う際のエッチングマスクとして用いるマスク層を形成する工程と、
前記マスク層上に、第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンを形成し、この第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンをマスクとして前記マスク層をエッチングして第1のエッチング用開口を形成する工程と、
前記第1のエッチング用開口により露出した透光性基板表面にエッチング液を接触させ、この透光性基板をエッチングして第1の凹部を形成する第1のエッチング工程と、
前記マスク層上に、第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンを形成し、この第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンをマスクとして前記マスク層をエッチングして第2のエッチング用開口を形成する工程と、
前記第2のエッチング用開口によって露出された前記透光性基板の表面及び前記第1のエッチングによって形成された第1の凹部の内表面にエッチング液を接触させて前記透光性基板をエッチングし、複数の異なる曲面からなる表面を有する第2の凹部を形成する第2のエッチング工程と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ付基板の製造方法。
(構成2)
構成1に記載のマイクロレンズ付基板の製造方法において、
前記凹部形成工程は、
透光性の基板上に、この基板に対してエッチングを行う際のエッチングマスクとして用いるマスク層を形成する工程と、
前記マスク層上に、第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンを形成し、この第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンをマスクとして前記マスク層をエッチングして第1のエッチング用開口を形成し、
次に、前記マスク層上に、第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンを形成し、
次に、前記第1のエッチング用開口により露出した透光性基板表面にエッチング液を接触させ、この透光性基板をエッチングして第1の凹部を形成し、
次に、前記第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンをマスクとして前記マスク層をエッチングして第2のエッチング用開口を形成し、
次に、前記第2のエッチング用開口によって露出された前記透光性基板の表面及び前記第1のエッチングによって形成された第1の凹部の内表面にエッチング液を接触させて前記透光性基板をエッチングし、複数の異なる曲面からなる表面を有する第2の凹部を形成する、
ことを特徴とするマイクロレンズ付基板の製造方法。
(構成3)
構成1又は2に記載のマイクロレンズ付基板の製造方法において、
前記凹部形成工程は、
透光性の基板上に、この基板に対してエッチングを行う際のエッチングマスクとして用いるマスク層を形成する工程と、
前記マスク層上に、レジスト層を形成する工程と、
次に、前記レジスト層における第1のエッチング用開口部形成部分とその周囲に隣接する第2のエッチング用開口部形成部分とで露光量を異ならせることによって、現像後、第1のエッチング用開口部形成部分のレジストは除去され、第2のエッチング用開口部形成部分のレジスト層は厚さ方向に減膜されるが第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能する厚さとすることによって、第2のエッチング用開口部形成部分に位置し厚さ方向に減膜され且つ第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能する厚さを有する部分とその周囲に隣接する未露光部分とでレジスト層に厚さ方向に段差を有する第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンを形成する工程と、
基板上のレジスト層が厚さ方向に均一に減膜される処理を施すことによって、厚さ方向に減膜された第2のエッチング用開口部形成部分のレジストは除去し、且つ、第2のエッチング用開口部形成部分の周囲のレジスト層は厚さ方向に減膜されるが第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能するようにして2のエッチング用開口部形成用レジストパターンを形成する工程と、
を有することを特徴とするマイクロレンズ付基板の製造方法。
(構成4)
構成1乃至3のいずれかに記載のマイクロレンズ付基板の製造方法によって製造されたマイクロレンズ付基板の一方の面側から平行光を入射したとき、この光が前記マイクロレンズの作用によって収束されて形成される光ビームの光路上の位置であって前記マイクロレンズ付基板の他方の面側に透明電極層を設ける工程を有することを特徴とする液晶パネルの対向基板の製造方法。
(構成5)
構成4に記載の液晶パネルの対向基板の製造方法によって製造された液晶パネルの対向基板と、
前記液晶パネルの対向基板のマイクロレンズ及び透明電極層に対応するようにして透光性基板上にマトリックス状に設けられた画素電極及びこれらそれぞれの画素電極に対応して設けられたスイッチング素子とを有する駆動基板とを用意し、
前記液晶パネルの対向基板のマイクロレンズ及び透明電極層の位置と、前記駆動基板の画素電極及びスイッチング素子の位置とが所定の位置関係になるようにして、前記液晶パネルの対向基板と駆動基板とを所定の間隙をおいて対向配置し、
前記液晶パネルの対向基板と駆動基板との間に液晶層を保持させて固定することを特徴とする液晶パネルの製造方法。
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)上記課題1に対し、後述する実施の形態記載の方法によって第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンを形成しこのレジストパターンをマスクとして第2のエッチング用開口を形成するため、第2のエッチング用開口の寸法コントロールが容易であり、第2のエッチング用開口の寸法精度及び位置精度についての欠陥が発生しにくく、ひいてはレンズ形状(断面プロファイル)の均一性の高い多数のレンズを有するマイクロレンズ付基板が得られる。
(2)上記課題2に対し、後述する実施の形態記載の方法によって第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンを形成しこのレジストパターンをマスクとして第2のエッチング用開口を形成するため、第2のエッチング用開口のパターン形状を任意に設定でき、レンズ形状設計の自由度が広がる。
第2のエッチング用開口のパターン形状は、平面視で、正方形、長方形、多角形、楕円形や、その他任意曲線形状(実質的に円形の場合は含まず)とすることができ、これらの形状を部分的に組み合わせてできる形状とすることもできる。
(3)上記課題3に対し、第2のエッチング用開口のパターン形状を例えば正方形にした場合、図2に示すように、中心レンズと外周レンズとの境界線が直線となり、従来法に比べ、中心レンズと外周レンズとの境界線の長さが短く、外周レンズの面積を小さくすることができる。したがって、光の利用効率の低下を抑制できる。
本発明によれば、上述したように、従来法に比べ、第2のエッチング用開口の寸法コントロールが容易であり、第2のエッチング用開口の寸法精度及び位置精度についての欠陥が発生しにくい。
また、従来法に比べ、第2のエッチング用開口のパターン形状を任意に設定でき、レンズ形状設計の自由度が広がる。
さらに、従来法に比べ、中心レンズと外周レンズとの境界線の長さを短くすることができる。したがって、光の利用効率の低下を抑制できる。
(発明の実施の形態)
図1は本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法の説明図、図5は本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法で製造したマイクロレンズ付基板の断面図、図6は本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法で製造したマイクロレンズ付基板の平面図である。以下、まず、図5及び図6を参照にしながら、本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法で製造されるマイクロレンズ付基板を説明し、次いで、図1を参照にしながら本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法を説明する。
(マイクロレンズ付基板)
図5に示されるように、このマイクロレンズ付基板100は、ガラス等の透光性の基板1の一方の面側に、多数のマイクロレンズ10、10、…を形成したものである。マイクロレンズ10は、基板1の一方の面側に多数の凹部(12)を形成し、この凹部を透光性基板1の材料よりも屈折率の高い材料で満たすことによって形成したものである。さらにこの凹部に基板と屈折率の異なる媒体(基板よりも屈折率の高い材料)を充填するとともに、基板表面に前記媒体を存在させて透光性材料からなるカバー部材をこの媒体に接触させ、前記透光性基板と前記カバー部材とで前記媒体を挟むようにして固定してもよい。具体的には、例えば、凹部(12)に充填されるように樹脂4を塗布し、その上にカバーガラス5を被せて硬化して形成する。こうして形成されたマイクロレンズ10は、基板1のカバーガラス5と反対側から入射した平行光をカバーガラス5側で収束する。
凹部(12)の表面形状は、おおまかにいえば、凹部の中心領域の表面形状が第1の曲面12aをなし、その周辺領域の表面形状が第2の曲面12bをなしたものである。ただし、実際には、第1の曲面12aは、その中心領域がほぼ平坦な平面で、その平坦な平面部から連続的につながる周辺領域の表面形状が球面状をなしたものである。この場合、第1の曲面12aの周辺領域の球面の曲率半径に比較して、第2の曲面12bの曲率半径のほうが小さく形成されている。
このような形状にすることによって、マイクロレンズ10の周辺部における収差を小さくしている。また、同時に、隣り合うマイクロレンズどうしを近づけて配置したとき、互いの周辺部分の重なりをより少なくできるようにしている。これによって、基板のより多くの領域をマイクロレンズで埋め尽くせるようにし、基板に入射する光のより多くをマイクロレンズで有効に集光できるようにしている。
このようなことから、個々のマイクロレンズは、互いに隣り合うマイクロレンズ10の周辺部が互いに重なり合う部分を有するように近接して配置される。その結果、図6にその平面視の図を示したように、マイクロレンズ付基板100は、個々のマイクロレンズの平面視の形状が、円形状というよりはむしろ多角形状に近い形状になっている。
(マイクロレンズ付基板の製造方法)
(実施形態1)
次に、図1を参照にしながら本発明の実施形態1(上記構成3に対応する)にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法を説明する。実施形態1にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法は、
(1)マスク層及びレジスト層の形成、(2)第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン形成、(3)前記第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンによる第1のエッチング用開口部形成、(4)前記第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン形成、(5)前記第1のエッチング用開口部による第1のエッチング、(6)前記第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンによる第2のエッチング用開口部形成、(7)前記第2のエッチング用開口部による第2のエッチング、(8)残存層除去及びレンズの形成、の各工程からなる。
以下、これらの工程を説明する。
(1)マスク層及びレジスト層の形成工程(図1(1)参照)
この工程は、透光性の基板1上に、この基板1に対してエッチングを行う際のマスクとして用いるマスク層2と、そのマスク層2にフォトリソグラフィー法でパターン形成する際に用いるレジスト層3を形成する工程である。透光性の基板1としては、使用される光を透過し、かつウエットエッチングで加工が可能な材料が用いられる。例えば、石英ガラス、酸化物ガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス等のガラス等が用いられる。
この基板1を液晶表示装置用の対向基板として用いる場合には、熱膨張率のマッチングのために、駆動基板と同一の材料か、又は、駆動基板と熱膨張率が近いものが選ばれる。設計どうりで均一な凹部を形成するために、基板の主表面は、所定の平坦度及び表面粗さに研磨される。勿論、傷等のない状態にしておく。
マスク層2の材料としては、基板1をエッチングする際に使用するエッチング液に対してエッチング耐性を有し、かつ、パターンニング可能な材料であればよい。例えば、基板1がガラスの場合にはそのエッチング液としてフッ酸を含むものが用いられる。このようなエッチング液に耐性を有する材料としては、Cr,Ti等の金属又はこれらの金属を含む合金、例えば、これら金属の酸化物、窒化物、炭化物、あるいは、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等が挙げられる。マスク層2の厚さは、基板1に所望のレンズ形状を形成するのに必要なエッチング時間に対して十分なマスク機能を果たす以上の厚さが必要である。マスク層2の形成は、スパッタリングその他の公知の薄膜形成技術によって行う。レジスト層3は、マスク層2に対してフォトリソグラフィー法でパターン形成可能なものであればよい。レジストの塗布はスピンコート法等の公知の方法で行うことができる。
(2)第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン形成工程(図1(2)参照)
この工程は、マスク層2上に、第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aを形成する工程である。
本実施形態においては、図1(1)に示すレジスト層3における第1のエッチング用開口部形成部分Iとその周囲に隣接する第2のエッチング用開口部形成部分IIとで露光量を異ならせることによって、図1(2)に示すように、現像後、第1のエッチング用開口部形成部分Iのレジストは除去され、第2のエッチング用開口部形成部分IIのレジスト層は厚さ方向に減膜されるが第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能する厚さとすることで、この結果として、第2のエッチング用開口部形成部分に位置し厚さ方向に減膜され且つ第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能する厚さを有する部分3a’とその周囲に隣接する未露光部分3a’’とでレジスト層に厚さ方向に段差を有する第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aを形成する。
ここで、例えば、第1のエッチング用開口部形成部分Iの露光量を通常(レジスト層が膜厚方向に渡って全て感光される露光量)の10%〜100%程度にして第1のエッチング用開口部形成用パターンの露光を施し、第1のエッチング用開口部形成部分Iの周囲に、あるいは部分Iに重ねて、露光量を通常(レジスト層が膜厚方向に渡って全て感光される露光量)の20%〜80%程度にして第2のエッチング用開口部形成用パターンの露光を施す。その後、レジストを現像し、段差を有する第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aを形成する。
上記露光は、第1のエッチング用開口部形成用パターンと第2のエッチング用開口部形成用パターンとを同一レチクル上に配置した1枚の露光マスクを用いて、露光量を変えて1工程で実施でき、露光マスクの数の増加を回避できる。
また、上記露光は、第1のエッチング用開口部形成部分Iと第2のエッチング用開口部形成部分IIとで同じ露光光源からの露光光の透過量を制御できるグレートーンマスクを用いて1回の露光で実施することができ、露光マスクの数の増加及び露光回数の増加を回避できる。
なお、上記露光は、1枚の露光マスクを用いるか、あるいはグレートーンマスクを用いることによって、第1のエッチング用開口部形成部分Iと第2のエッチング用開口部形成部分IIとの位置ずれが生じることがなく、この結果、第1のエッチング用開口部と第2のエッチング用開口部の双方を高い位置精度で形成でき、位置ずれによる最終レンズ形状のずれ等を回避できる。
(3)前記第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aによる第1のエッチング用開口部形成工程(図1(3)参照)
この工程は、第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aをマスクとして前記マスク層2をエッチングして第1のエッチング用開口20を有する第1のエッチング用マスクパターン2aを形成する工程である。
この工程は、マスク層2に、多数の第1のエッチング用開口20を形成する工程である。第1のエッチング用開口20は、基板1にエッチングにより凹部11を形成するための開口である。この第1のエッチング用開口20の形成は、形成されるマイクロレンズ10の中心になるべき位置におけるマスク層2に微細な円形孔や多角形状の孔を形成することによって行われる。
なお、第1のエッチング用開口20は、通常は平面視が円形であるが、多角形その他の形状であってもよい。大きさは、直径が数μm〜数十μm程度とする。
(4)第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン形成工程(図1(4)参照)
この工程は、マスク層2上に、第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン3bを形成する工程である。
この工程は、例えば、基板上のレジスト層が厚さ方向に均一に減膜される処理を施すことによって、図1(3)及び(4)に示すように、厚さ方向に減膜された第2のエッチング用開口部形成部分3a’のレジストは除去し、且つ、第2のエッチング用開口部形成部分3a’の周囲のレジスト層3a’’は厚さ方向に減膜されるが第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン2bとして機能するようにして第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン3bを形成する工程である。
基板上のレジスト層が厚さ方向に均一に減膜される処理としては、酸素プラズマ及び/又はエキシマUV処理や、濃度等の現像条件を適宜調整した現像による減膜処理、露光・現像条件を適宜調整した全面露光・現像による減膜処理、などが挙げられる。
第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン2bの膜厚は、後述する第2のエッチングにおいて、2のエッチング用開口部形成用レジストパターン3bとして十分に機能する膜厚、例えば2000オングストローム(200nm)〜8000オングストローム(800nm)が望ましい。
(5)第1のエッチング(図1(5)参照)
この工程は、第1のエッチング用開口20が形成された第1のエッチング用マスクパターン2aをマスクにして基板1にエッチングを施し、略半球状をなした所望の大きさの第1の凹部11を多数形成する工程である。
ここで、エッチング液は、基板1がガラスの場合には、フッ酸、塩酸、硫酸等の強酸を含む溶液が用いられる。例えば、フッ酸を含む水溶液としては、フッ酸、フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液、フッ酸にグリセリンなどのアルコールを添加したものなどが用いられる。
(6)第2のエッチング用開口部形成(図1(6)参照)
この工程は、先に形成した第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン3bをマスクにして、第2のエッチングを行うための第2のエッチング用開口部である開口21をを有する第2のエッチング用マスクパターン2bを形成する工程である。
この工程は、レジスト層3及び基板1を侵食せず、マスク層2のみを侵食するエッチング液を、第1のエッチング用マスクパターン2aの露出部分に接触させることで行う。具体的には、基板1のマスク層2が形成された側の表面をエッチング液に浸漬したり、基板1のマスク層2が形成された側の表面向けてエッチング液を噴霧する等の方法で行う。
この工程では、第2のエッチング用マスクパターン2bは、第1のエッチングによって形成された第1の凹部11と基板1の表面との境である縁部1aが露出されるように形成することができ、あるいは前記縁部1aが露出されないように形成することもできる。
。但し、前記縁部1aが露出され更に縁部1aの外側領域の基板表面の一部が露出されるように第2のエッチング用マスクパターン2bを形成する場合、隣接するマイクロレンズとの間にはマスク層2が必ず残るようにする。
なお、この工程では、第1のエッチング用マスクパターン2aの露出部分にエッチング液を図面上方から接触させることによって、第2のエッチング用マスクパターン2bを形成するため、第1の凹部11内にエッチング液を供給する必要がなく、安定的に寸法をコントロールすることが可能である。
(7)第2のエッチング(図1(7)参照)
この工程は、開口21を有する第2のエッチング用マスクパターン2b及びその上のレジストパターン3bをマスクにして、第1の凹部11及び基板表面の露出された部分にさらにエッチングを施して、第2の凹部12を形成する工程である。用いるエッチング液は、第1のエッチングに用いたエッチング液と同じものを用いることができるが、必要に応じて濃度を異ならせたものや異なるエッチング液を用いてもよい。
この第2のエッチングにより、第1の凹部11の表面及び基板表面の露出された部分からエッチングが進行する。このエッチングによって形成される第2の凹部12は、中央部の領域が第1の曲面12aをなし、外周部の領域が第2の曲面12bをなしている。なお、実際には、第1の曲面12aは、その中心領域がほぼ平坦な平面で、その平坦な平面部から連続的につながる周辺領域の表面形状が球面状をなしたものである。この場合、第1の曲面12aの周辺領域の球面の曲率半径に比較して、第2の曲面12bの曲率半径のほうが小さく形成されている。
上記第2のエッチング工程では、第2のエッチング用マスクパターン2b及びその上のレジストパターン3bをマスクにして、基板1のエッチングを行っているので、第2のエッチング用マスクパターン2bにピンホール等の欠陥があったとしても、その上に形成しているレジスト層によって、ピンホール等の欠陥部分にエッチング液が浸み込み当該部分の基板1表面がエッチングされることを回避できる。このためには、レジストパターン3bの厚さは、2000オングストローム(200nm)〜8000オングストローム(800nm)が望ましい。
(8)残存層除去
この工程は、図1(7)に示す第2のエッチング工程後において残存する第2のエッチング用マスクパターン2b及びその上のレジストパターン3bを除去する工程である。
なお、上記実施形態1における工程(4)と工程(5)は、入れ替えが可能でる(上記構成1に対応する実施形態2)。
また、上記実施形態1における工程(2)と工程(3)において、段差を有する第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aを形成せず、図3に示すように、段差を有しない第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aを利用するプロセス(図3(2)、(3))とすることもできる(上記構成2に対応する実施形態3)。この場合、2のエッチング用開口部形成用レジストパターン3bは、例えば、新たに形成することができる(図3(4))。
さらに、第1の凹部11に対し、第2のエッチング用開口21は、図4に示すように外接する平面視正方形状とすることができ、あるいは、内接する平面視正方形状、とすることができる。
(9)レンズの形成
次に、図5に示すように、基板1の表面に基板1の屈折率と異なる屈折率を有する樹脂を塗布して樹脂が第2の凹部12を完全に埋まると同時に、基板1上に樹脂層4が形成されるようにする。さらに、樹脂層4の上に透光性材料からなるカバー部材5を接合する。これにより、凹部12に樹脂が満たされた部分がレンズ部10となり、マイクロレンズ付基板が得られる。
この場合、用いる樹脂として、この実施の形態では基板1の屈折率よりも高い屈折率を有する樹脂を用いる。また、この樹脂として、紫外線硬化樹脂を用いれば、硬化の際に、熱プロセスが不要となるので有利である。基板との接着性のよい樹脂が望ましい。さらには、凹部12内に充填された樹脂に空隙が生ずるのを防ぐために、硬化時の体積収縮率の小さいものを用いるのが好ましい。以上のような条件を満たす樹脂として、アクリル系の紫外線硬化樹脂がある。また、屈折率の調整のためにはこのような樹脂として複数の種類の樹脂を混合したものを用いてもよい。
カバー部材5としては、薄板状のガラス等を用いることができる。また、熱膨張係数のマッチングのために基板1と同一の材料か、又は、熱膨張係数の近い材料を用いるのが好ましい。このカバー部材の接合は、樹脂層4の形成と同時に行ってもよい。例えば、樹脂を塗布した後、これにカバー部材5を被せて樹脂を硬化させることによって、樹脂自体の接着力を利用して接合してもよい。カバー部材5の接合後、必要に応じ、カバー部材5の表面、あるいは、カバー部材5が形成されていない基板1の裏面側を研磨加工する。
図7は本発明の実施の形態にかかる液晶パネルの対向基板の製造方法の説明図である。図7に示されるように、液晶パネルの対向基板200は、上述のマイクロレンズ付基板100のカバー部材5の上にいわゆるブラックマトリックスといわれる遮光膜パターン6を形成し、その上に透明電極7を形成したものである。遮光膜パターン6は、隣り合うマイクロレンズ10の間に相当する位置に遮光膜が配置されるようになっている。これにより、透明電極7が形成されている側と反対側からの基板1に入射する平行光Lが各マイクロレンズ10によって集光され、遮光膜パターン6における遮光膜が形成されていない部分を通過して収束されるようになっている。
すなわち、遮光膜パターン6及びマイクロレンズ10は、この液晶パネルの対向基板200が液晶パネルに組み込まれたとき、駆動基板のスイッチング素子や駆動回路に有害な光が当たらないように、遮光部分が上記スイッチング素子や駆動回路に対向する部分に配置されるようになっている。そして、基板1側から入射された光はマイクロレンズの作用を受けて遮光膜パターン6における遮光膜が形成されていない部分を通過して収束された後、液晶パネルの各画素部分を通過して駆動基板側から出射する。
このような対向基板200は、以下のようにして製造する。まず、マイクロレンズ付基板100のカバー部材5上に、遮光膜の層を形成し、この層にフォトリソグラフィー法でマトリックス状のパターンを形成する。すなわち、遮光膜の層上にレジスト膜を形成し、露光・現像してレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにしてエッチングすることにより、遮光膜パターン6を形成する。次に、残存レジストを除去し、遮光膜パターン6上に、気相成長法等で、対向電極としての透明電極7の層を形成する。
遮光膜パターン6を構成する材料としては、使用する光を遮光できる材料であればよいが、例えば、CrやAl、あるいは、これらの合金が用いられる。また、遮光膜パターン6を構成する遮光膜は、複数の層からなるものであってもよい。また、透明電極7を構成する材料としては、いわゆるITO膜等の透明導電膜が用いられる。なお、ブラックマトリックスとしての遮光膜パターン6は、必ずしも設けなくてもよい。
図8は本発明の実施の形態にかかる液晶パネルの製造方法の説明図である。図8に示されるように、液晶パネル300は、基本的に上述の対向基板200に対向して配置された駆動基板400との間に、図示しない配向膜を介して液晶層30を保持させたものである。駆動基板400は、ガラス等の透明な基板41の上にマトリックス状に設けられた画素電極42と、これらそれぞれの画素電極42に対応して設けられたスイッチング素子43とを有するものである。
この液晶パネル300は、対向基板200の透明電極7と駆動基板400の画素電極42との間に印加される電圧によって、液晶層30の配向状態を制御し、対向基板200側から入射した光の透過状態を制御することによって、画像を形成するものである。
画素電極42は、対向基板200の透明電極7の材料と同じ透明導電膜で構成される。また、スイッチング素子43は、TFT(薄膜トランジスタ)等によって構成される。スイッチング素子43は、画素電極42に加える電圧を送られてくる画像信号に対応して変化させ、これによって、液晶層30の光透過状態を画像信号に応じて変化させることにより画像を形成するものである。
すなわち、上述のように、対向基板200の基板1側から入射された光は、マイクロレンズ10の収束作用を受けて遮光膜パターン6における遮光膜が形成されていない部分を通過して液晶層30を通過する。その際に液晶層30によって透過状態を制御され、さらに、上記マイクロレンズ10の収束作用によってスイッチング素子43には当たらないようにして、画素電極42の部分を通過して駆動基板300側から出射する。
なお、図8に示されるように、対向基板200の基板1の光入射側の表面には、防塵基板24を接合し、さらに、その防塵基板24の表面に反射防止膜24aを設けてもよい。また、駆動基板400の基板41の光出射側の表面には、防塵基板44を接合し、さらに、その防塵基板44の表面に反射防止膜44aを設けてもよい。防塵基板24、44を設けることにより、ゴミの付着による画質劣化を防止できるとともに、放熱効果も得られる。また、反射防止膜を設けることにより、表面反射による光損失を軽減できる。なお、反射防止膜は、防塵基板24、44を設けない場合には、直接基板1、31の表面に形成する。
このような液晶パネル300は、対向基板300及び駆動基板400を製造した後、これらの基板をスペーサやシール部材を介して位置決めしつつ所定の間隙を隔てた状態で対向配置し、間に液晶を注入して密封固定することにより製造される。
図9(1)は本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法で製造したマイクロレンズ付基板の変型例の断面図、図9(2)は図9(1)に示されるマイクロレンズ付基板を用いて製造される液晶パネルの対向基板の断面図である。この変型例にかかるマイクロレンズ付基板100及び液晶パネルの対向基板200が、上述の実施の形態にかかるマイクロレンズ付基板100及び液晶パネルの対向基板200と異なる点は、凹部12の形成場所を互いに基板1の反対側にした点である。また、これに伴って、樹脂4の形成場所及びカバー部材5の取り付け場所等が上述の実施の形態の場合と反対側にしてある点である。その他の点では、上述の実施の形態と同じであり、また、その製造工程もほぼ同じであるので説明を省略する。
上記変型例においては、基板1よりも屈折率が低い接合樹脂を用いてもよい。
なお、上述の実施の形態では、(5)第1のエッチング工程、(7)第2のエッチング工程、の各工程を有する例を示したが、これに限られず、さらに、第3のエッチング用開口部形成工程と第3のエッチング工程とを設ける、というように、ウエットエッチングの工程を3回以上繰り返し行って、外周部に同心円上に複数の曲面を有する凹部形状が得られるようにしてもよい。また、レジストパターン形成時や遮光膜パターン形成時、あるいは、凹部形成時等に、同時に、他のパターン形成のためのアライメントマークを基板等に形成するようにしてもよい。また、凹部へ充填する媒体は、樹脂に限られず、基板材料と屈折率が異なるものであれば、例えば、屈折率を調整したオイルや気体でもよい。
また、マイクロレンズ10を複数設ける例を示したが、もちろん、マイクロレンズを1つだけ設ける場合にも適用できる。また、このマイクロレンズ付基板は、液晶パネル以外の、例えば、LDアレイ等の光アレイデバイス結合や、ファイバ間接続、光演算処理等の他の用途にも用いることができる。
(実施例1)
以下、図1を参照して、上述の実施の形態にかかるマイクロレンズ付基板及び液晶パネルの対向基板の実際の製造例を説明する。
(1)マスク層及びレジスト層の形成(図1(1)参照)
基板1の材料としては、200mmφの円板状で、厚さが1.1mmの合成石英基板の両面を精密研磨したものを用いた。この基板の波長587.6nmの光に対する屈折率nは、1.458であった。
次に、基板1の上に、厚さ1000オングストロームのクロム膜をスパッタリング法等で成膜してマスク層2を形成した。次いで、その上に厚さを8800オングストロームのポジ型レジスト膜を形成してレジスト層3を形成した。
(2)第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン形成工程(図1(2)参照)
この工程は、マスク層2上に、第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aを形成する工程である。
本実施例おいては、図1(1)に示すレジスト層3における第1のエッチング用開口部形成部分Iとその周囲に隣接する第2のエッチング用開口部形成部分IIとで露光量を異ならせることによって、図1(2)に示すように、現像後、第1のエッチング用開口部形成部分Iのレジストは除去され、第2のエッチング用開口部形成部分IIのレジスト層は厚さ方向に減膜されるが第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能する厚さとすることで、この結果として、第2のエッチング用開口部形成部分に位置し厚さ方向に減膜され且つ第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能する厚さを有する部分3a’とその周囲に隣接する未露光部分3a’’とでレジスト層に厚さ方向に段差を有する第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aを形成した。
上記露光は、第1のエッチング用開口部形成用パターンと第2のエッチング用開口部形成用パターンとを同一レチクル上に配置した1枚の露光マスクを用いて、第1のエッチング用開口部形成用パターン(直径1.7μmφ(平面視円形))を露光後、連続して(重ねて)第2のエッチング用開口部形成用パターン(6.5μm〜10μm角(平面視正方形))を露光して実施した。この際、各露光量は、第1のエッチング用開口部形成用パターンの露光量を400J/m、第2のエッチング用開口部形成用パターンの露光量を600J/mとした。
(3)第1のエッチング用開口部形成工程(図1(3)参照)、
この工程は、第1のエッチング用開口部形成用レジストパターン3aをマスクとして前記マスク層2をエッチングして第1のエッチング用開口20を有する第1のエッチング用マスクパターン2aを形成する工程である。
エッチング方法は、基板表面をエッチング液に接触させて行った。エッチング液としては、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液を用いた。
こうして、開口20の直径が1.7μmφ(平面視円形)、隣り合う開口20の中心間距離(ピッチ)が15μmで、1028個×772個の行列状の開口20を有するマスクパターン2aを形成した。また、その際、同時に、アライメントマーク用パターンを上記開口パターンの形成領域の外の領域に形成し、このアライメントマークは保護用樹脂て被覆した。
(4)第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン形成工程(図1(4)参照)
この工程は、マスク層2上に、第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン3bを形成する工程である。
この工程では、酸素プラズマを用いて基板上のレジスト層が厚さ方向に均一に減膜される処理を施すことによって、図1(3)及び(4)に示すように、厚さ方向に減膜された第2のエッチング用開口部形成部分3a’のレジストは除去し、第2のエッチング用開口部形成部分3a’の周囲のレジスト層3a’’は厚さ方向に減膜されるが第2のエッチング用開口部形成用レジストパターン2bとして機能するように形成された2のエッチング用開口部形成用レジストパターン3bを形成した。2のエッチング用開口部形成用レジストパターン3bの残存膜厚は3800オングストロームであった。
(5)第1のエッチング
次に、上記マスクパターン2aをマスクにして、基板1をウエットエッチングした。すなわち、上記パターンの開口部から露出する基板1の表面にエッチング液を接触させ、基板1の表面に略半球形状の第1の凹部11を形成した。エッチング液は、フッ酸濃度が5%の水溶液を用いた。エッチング条件は、温度40℃、エッチング時間100〜800secとした。これによって、深さ4.5μm、基板表面における開口半径が5.35μm、曲面が形成された領域の曲率半径が4.5μmの第1の凹部11が形成された。
(6)第2のエッチング用開口部形成
次に、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液をエッチング液に用いて、前記基板を浸して、マスクパターン2aにおける上記(4)工程で露出した部分をエッチングして、第2のエッチングを行うための第2のエッチング用開口部である開口21を有する第2のエッチング用マスクパターン2bを形成した。第2のエッチング用開口部である開口21は、6.5μm〜10μm角で平面視正方形であった。
エッチング条件は、室温で、エッチング時間は60secとし、基板1を回転させながら基板1の表面にスプレーでエッチング液を吹き付けるスピン処理で行った。その結果、直径6.5〜10μmm角の第2のエッチング用開口21が形成された。また、これによって、凹部11の周囲のまだエッチングされていない基板表面が、辺方向では開口端部から0〜0.5μm程度露出され、対角方向では開口端部から0.7μm〜3.5μm程度露出された。
(7)第2のエッチング
次に、第1のエッチングと同じエッチング液によって基板1をウエットエッチングする。エッチング条件は、温度40℃、エッチング時間100〜800secとした。これによって、凹部中央部の第1の曲面12aの曲率半径が7.8〜8.6μm、基板外周部の第2の曲面12bの曲率半径が3.1〜3.8μmである第2の凹部12が形成された。
(8)残存層除去及びレンズの形成
次に、酸素プラズマでレジストパターン3bを、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液でマスクパターン2bを、それぞれ除去した。これにより、レンズ形状をなした第2の凹部12が多数形成された基板を得た。
上記で得られた基板について、図5に示すように、基板1の凹部12に樹脂を充填し、樹脂層4を形成し、カバー部材5を接合した。使用した樹脂は、紫外線硬化型樹脂で、波長587.5nmの光に対する屈折率が1.59のものを用いた。樹脂層4の形成は、基板1の表面に、層内に気泡が生じないように樹脂を滴下して形成した。カバー部材5としては、厚さ30μmの合成石英ガラス板を用いた。樹脂層4とカバー部材5との接合方法は、カバー部材と基板1との間の樹脂層4の厚さが10μm程度になるようにカバー部材5を樹脂層4に押圧し、樹脂層4に紫外線を照射して硬化させることによって行った。そして、カバー部材5の外表面及び基板1の外表面を精密研磨してマイクロレンズ付基板100を得た。
次に、上記マイクロレンズ付基板100のカバー部材5の表面に、スパッタリング法により、Tiを0.5%含むAlTi合金からなる厚さ30nmの薄膜を成膜し、その上に厚さ80nmの酸化クロム薄膜を成膜した。さらに、その上に、厚さ800nmの感光性のレジスト膜をスピンコート法で形成した。次に、このレジスト膜に、幅3〜5μm、ピッチ15μmのマトリックス状のパターン露光を施して現像し、マトリックス状のレジストパターンを形成した。なお、この露光の際には、基板1の外周部に設けたアライメントマークを位置基準にした。
次に、このレジストパターンをマスクにして上記酸化クロム膜を塩化第二鉄溶液にてエッチングした後、リン酸と硝酸との混合液でAlTi合金膜をエッチングし、次いで、残存レジストパターンをアルカリ水溶液で溶解除去して、マトリックス状のパターンをなす遮光膜6を形成した(図7参照)。なお、この遮光膜6の位置は、マイクロレンズ10どうしの間の位置に対応する位置である。そして、この遮光膜6の表面及びこの遮光膜6が形成されていない部分の基板1の表面にスパッタリング法で厚さ150nmのITO膜を成膜した(図7参照)。なお、その成膜の際には、基板1を150℃に加熱して行った。これにより、液晶パネルの対向基板(マイクロレンズアレイ)200を得た(図7参照)。
上記で得られたマイクロレンズアレイの充填率は100%で、光の利用効率(透過率)は85.15%と良好であった。
なお、本発明においてマイクロレンズアレイの充填率の定義は、画素面積に占めるレンズ面積の割合(平面上)である。
また、本発明においてマイクロレンズアレイの光の利用効率(透過率)の定義は、次のように定める。マイクロレンズアレイが形成された液晶パネルの対向基板に入射する入射光量に対する遮光膜パターン6間を通過する出射光量の割合で定義する。
(比較例1)
以下、図10を参照して、比較例1にかかるマイクロレンズ付基板及び液晶パネルの対向基板の実際の製造例を説明する。
(1)マスク層及びレジスト層の形成(図10(1)参照)
基板1の材料としては、縦127mm、横127mmで、厚さが1.1mmの合成石英基板の両面を精密研磨したものを用いた。この基板の波長587.6nmの光に対する屈折率nは、1.458であった。
次に、基板1の上に厚さ1000オングストロームのクロム膜をスパッタリング法等で成膜してマスク層2を形成した。次いで、その上に厚さを5000オングストロームのポジ型レジスト膜を形成してレジスト層3を形成した。
(2)第1のエッチング用開口部形成(図10(1)参照)
上記レジスト層3に第1のエッチング用開口部形成のためのパターンの露光を施し、現像して平面視が円形の多数の開口20を有するレジストパターン3aを形成した。次いで、このレジストパターン3aをマスクにしてマスク層2をエッチングし、マスクパターン2aを形成した。エッチング方法は、基板表面をエッチング液に接触させて行った。エッチング液としては、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液を用いた。
こうして、開口の直径が2.7μm、隣り合う開口20の中心間距離(ピッチ)が14μmで、1028個×772個の行列状の開口を有するパターンを形成した。また、その際、同時に、アライメントマーク用パターンを上記開口パターンの形成領域の外の領域に形成し、このアライメントマークは保護用樹脂て被覆した。なお、レジストパターン3aは、除去しないでそのまま残した。
(3)第1のエッチング(図10(2)参照)
次に、上記レジストパターン3a及びマスクパターン2aをマスクにして、基板1をウエットエッチングした。すなわち、上記パターンの開口部から露出する基板1の表面にエッチング液を接触させ、基板1の表面に略半球形状の第1の凹部11を形成した。エッチング液は、フッ酸濃度が5%の水溶液を用いた。エッチング条件は、温度40℃、エッチング時間50〜300secとした。これによって、深さ2μm、基板表面における開口半径が3.4μm、曲面が形成された領域の曲率半径が3.9μmの第1の凹部11が形成された。
(4)第2のエッチング用開口部形成(図10(3)参照)
次に、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液をエッチング液に用いて、マスクパターン2aの開口を広げて第2のエッチング用開口21を形成した。エッチング条件は、室温で、エッチング時間は360secとし、基板1を回転させながら基板1の表面にスプレーでエッチング液を吹き付けるスピン処理で行った。その結果、直径8.85〜10.85μmmの第2のエッチング用開口21が形成された。また、これによって、凹部11の周囲のまだエッチングされていない基板表面が、開口端部から1〜2μm程度露出された。
(5)第2のエッチング(図10(4)参照)
次に、第1のエッチングと同じエッチング液によって基板1をウエットエッチングする。エッチング条件は、温度40℃、エッチング時間500〜700secとした。これによって、凹部の深さが7.5μm、基板表面における開口半径が3.75μm、凹部中央部の第1の曲面12aの曲率半径が3.9μm、基板外周部の第2の曲面12bの曲率半径が7.1μmである第2の凹部12が形成された。第2の曲面12bの深さは基板1の表面から2μmであった。
(6)残存層除去及びレンズの形成
次に、アルカリ水溶液でレジストパターン3aを、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸を含む水溶液でマスクパターン2aを、それぞれ除去した。これにより、レンズ形状をなした第2の凹部12が多数形成された基板を得た。
以下の工程は実施例1と同様である。
上記で得られた基板について、図5に示すように、基板1の凹部12に樹脂を充填し、樹脂層4を形成し、カバー部材5を接合した。使用した樹脂は、紫外線硬化型樹脂で、波長587.5nmの光に対する屈折率が1.59のものを用いた。樹脂層4の形成は、基板1の表面に、層内に気泡が生じないように樹脂を滴下して形成した。カバー部材5としては、厚さ30μmの合成石英ガラス板を用いた。樹脂層4とカバー部材5との接合方法は、カバー部材と基板1との間の樹脂層4の厚さが10μm程度になるようにカバー部材5を樹脂層4に押圧し、樹脂層4に紫外線を照射して硬化させることによって行った。そして、カバー部材5の外表面及び基板1の外表面を精密研磨してマイクロレンズ付基板100を得た。
次に、上記マイクロレンズ付基板100のカバー部材5の表面に、スパッタリング法により、Tiを0.5%含むAlTi合金からなる厚さ30nmの薄膜を成膜し、その上に厚さ80nmの酸化クロム薄膜を成膜した。さらに、その上に、厚さ500nmの感光性のレジスト膜をスピンコート法で形成した。次に、このレジスト膜に、幅3〜5μm、ピッチ14μmのマトリックス状のパターン露光を施して現像し、マトリックス状のレジストパターンを形成した。なお、この露光の際には、基板1の外周部に設けたアライメントマークを位置基準にした。
次に、このレジストパターンをマスクにして上記酸化クロム膜を塩化第二鉄溶液にてエッチングした後、リン酸と硝酸との混合液でAlTi合金膜をエッチングし、次いで、残存レジストパターンをアルカリ水溶液で溶解除去して、マトリックス状のパターンをなす遮光膜6を形成した(図7参照)。なお、この遮光膜6の位置は、マイクロレンズ10どうしの間の位置に対応する位置である。そして、この遮光膜6の表面及びこの遮光膜6が形成されていない部分の基板1の表面にスパッタリング法で厚さ150nmのITO膜を成膜した(図7参照)。なお、その成膜の際には、基板1を150℃に加熱して行った。これにより、液晶パネルの対向基板(マイクロレンズアレイ)200を得た(図7参照)。
上記で得られたマイクロレンズアレイの充填率は100%で、光の利用効率は80.47%であった。
なお、実施例及び比較例のマイクロレンズ付基板の個々のマイクロレンズのサイズ及び形状を顕微鏡により観察したところ、実施例のマイクロレンズ付基板のマイクロレンズのほうが、比較例のマイクロレンズよりも、サイズ及び形状共に均一であることが確認された。このマイクロレンズのサイズ及び形状の均一性は対向基板を使って投射型の液晶プロジェクターにした時に、表示ムラの原因となる。従って実施例のマイクロレンズ付基板を使用した対向基板を使って、投射型の液晶プロジェクターとした場合、表示ムラのない良好な液晶プロジェクターが得られる。
本発明の一実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法の説明図である。 本発明方法と従来法との差異について説明するための図であり、マイクロレンズ付基板における画素部の平面図である。 本発明の他の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法の説明図である。 本発明における第2のエッチング用開口の他の態様について説明するための図である。 本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法で製造したマイクロレンズ付基板の断面図である。 本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法で製造したマイクロレンズ付基板の平面図である。 本発明の実施の形態にかかる液晶パネルの対向基板の製造方法の説明図である。 本発明の実施の形態にかかる液晶パネルの製造方法の説明図である。 図9(1)は本発明の実施形態にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法で製造したマイクロレンズ付基板の変型例の断面図であり、図9(2)は図9(1)に示されるマイクロレンズ付基板を用いて製造される液晶パネルの対向基板の断面図である。 従来法にかかるマイクロレンズ付基板の製造方法の説明図である。 従来法の課題について説明するための図であり、マイクロレンズ付基板における画素部の平面図である。
符号の説明
1…基板、2…マスク層、3…レジスト層、4…樹脂層、5…カバー部材、6…遮光膜、7…透明電極、100…マイクロレンズ付基板、200…液晶パネルの対向基板、300…液晶パネル、400…駆動基板。

Claims (3)

  1. 透光性基板上にレンズ形状をなした多数の凹部を形成する凹部形成工程と、この凹部に前記基板と屈折率の異なる媒体を充填してマイクロレンズ部を形成するマイクロレンズ形成工程とを有するマイクロレンズ付基板の製造方法であって、
    前記凹部形成工程は、
    透光性の基板上に、この基板に対してエッチングを行う際のエッチングマスクとして用いるマスク層を形成する工程と、
    前記マスク層上に、レジスト層を形成する工程と、
    次に、前記レジスト層における第1のエッチング用開口部形成部分とその周囲に隣接する第2のエッチング用開口部形成部分とで露光量を異ならせることによって、現像後、第1のエッチング用開口部形成部分のレジストは除去され、第2のエッチング用開口部形成部分のレジスト層は厚さ方向に減膜されるが第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能する厚さとすることによって、第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能する厚さを有する部分とその周囲に隣接する未露光部分とでレジスト層に厚さ方向に段差を有する第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンを前記マスク層上に形成する工程と、
    前記第1のエッチング用開口部形成用レジストパターンをマスクとして前記マスク層をエッチングして第1のエッチング用開口を形成する工程と、
    基板上のレジスト層が厚さ方向に均一に減膜される処理を施すことによって、厚さ方向に減膜された第2のエッチング用開口部形成部分のレジストは除去し、且つ、第2のエッチング用開口部形成部分の周囲のレジスト層は厚さ方向に減膜されるが第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンとして機能するようにして第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンを前記マスク層上に形成する工程と、
    前記第1のエッチング用開口により露出した透光性基板表面にエッチング液を接触させ、この透光性基板をエッチングして第1の凹部を形成する第1のエッチング工程と、
    前記第2のエッチング用開口部形成用レジストパターンをマスクとして前記マスク層をエッチングして第2のエッチング用開口を形成する工程と、
    前記第2のエッチング用開口によって露出された前記透光性基板の表面及び前記第1のエッチングによって形成された第1の凹部の内表面にエッチング液を接触させて前記透光性基板をエッチングし、複数の異なる曲面からなる表面を有する第2の凹部を形成する第2のエッチング工程と、
    を有し、
    前記第2のエッチング用開口のパターンの平面視形状が正方形、長方形、多角形、楕円形のいずれかである
    ことを特徴とするマイクロレンズ付基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載のマイクロレンズ付起基板の製造方法によって製造されたマイクロレンズ付基板の一方の面側から平行光を入射したとき、この光が前記マイクロレンズの作用によって収束されて形成される光ビームの光路上の位置であって前記マイクロレンズ付基板の他方の面側に透明電極層を設ける工程を有することを特徴とする液晶パネルの対向基板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の液晶パネルの対向基板の製造方法によって製造された液晶パネルの対向基板と、
    前記液晶パネルの対向基板のマイクロレンズ及び透明電極層に対応するようにして透光性基板上にマトリックス状に設けられた画素電極及びこれらそれぞれの画素電極に対応して設けられたスイッチング素子とを有する駆動基板とを用意し、
    前記液晶パネルの対向基板のマイクロレンズ及び透明電極層の位置と、前記駆動基板の画素電極及びスイッチング素子の位置とが所定の位置関係になるようにして、前記液晶パネルの対向基板と駆動基板とを所定の間隙をおいて対向配置し、
    前記液晶パネルの対向基板と駆動基板との間に液晶層を保持させて固定することを特徴とする液晶パネルの製造方法。
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