JP4586527B2 - 光コネクタ - Google Patents
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Description
図11は、このような光コネクタの従来例を示したものである。
この光コネクタ101は、下記の特許文献1に記載されたもので、コネクタ本体103の前後方向に貫通形成した光ファイバ穴105の先端部に短尺の内蔵光ファイバ107を接着により収容配置している。
そのため、第2の開口部113から接着剤117を光ファイバ穴105に注入した場合に、光ファイバ穴105と内蔵光ファイバ107との間の隙間を埋める接着剤117が、毛細管現象によって光ファイバ穴105の内周面を伝って内蔵光ファイバ107の内端面にまで伝い流れ、図12(b)に示すように、内蔵光ファイバ107の内端面を覆う状態なった。そのため、内蔵光ファイバ107の内端面に付着した接着剤117が固化すると、挿入光ファイバ109の突き合わせが不完全になり、ファイバ相互の接続不良を招く虞があった。
前記光ファイバ穴は、前記内蔵光ファイバが前記コネクタ本体の先端面側から挿入され配設される細径の先端部と、前記挿入光ファイバとして挿入される被覆付き光ファイバの外径に対応して設定される後端部とからなり、
前記内蔵光ファイバを接合するため前記コネクタ本体の先端面側から注入される接着剤の該内蔵光ファイバ端面への付着を阻止する接着剤阻止領域が、前記先端部より太径にした拡径部であり、前記内蔵光ファイバが、前記拡径部において、前記先端部から前記後端部側に突き出された状態で、前記挿入光ファイバに突き当てられていることを特徴とする。
本発明に係る請求項3記載の光コネクタは、請求項2に記載のコネクタにおいて、前記拡径部の内径を前記光ファイバ穴の先端部の内径に対し20μm以上にする設定は、前記挿入光ファイバとして突き合わせ部位付近に被覆が付いたままの被覆付き光ファイバを用いた場合に、前記拡径部を前記後端部とすることを特徴とする。
従って、内蔵光ファイバをコネクタ本体に固定するため注入された接着剤が、光ファイバ穴内の内蔵光ファイバ内端面に付着しなくなり、接着剤の付着による接続不良の発生を防止できる
但し、接着剤阻止領域を拡径部とする構成の場合は、挿入光ファイバとして、内蔵光ファイバよりも外径が大きい被覆付き光ファイバ又は裸光ファイバを採用するために、光ファイバ穴の後端部の穴径を太く形成する場合に適している。
また、接着剤阻止領域を光ファイバ穴に連通して形成される開口部とする構成の場合は、挿入光ファイバとして、内蔵光ファイバと同じ外径の裸光ファイバを採用するために、光ファイバ穴の後端部の穴径を先端部と同一径に形成した場合に、光ファイバ穴の先端部と後端部との間に拡幅部を形成するもので、その開口部は、請求項4に記載のように、研削による後加工で形成すると良い。そして、接着剤阻止領域としての開口部は、内蔵光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせ部を露出させる開口部としても機能して、ファイバ相互の突き合わせ部における気泡抜きや異物除去のための開口部を別に設けておく必要がなくなり、コネクタ構造の単純化を図ることもできる。
図1は本発明に係る光コネクタの第1の実施の形態の縦断面図、図2は図1に示した光コネクタの製造方法の説明図で、(a)は内蔵光ファイバの挿入先端を光ファイバ穴の接着剤阻止領域に位置させる工程の説明図、(b)は接着剤を光ファイバ穴に注入する工程の説明図、(c)は光ファイバ穴に挿入して接着した内蔵光ファイバをコネクタ本体の先端面に合わせて切断し且つその切断面を研磨する工程の説明図である。また、図3は図2(b)に示した接着剤の注入工程時に接着剤阻止領域に溢れた接着剤と内蔵光ファイバの先端面(内端面)との関係の説明図、図4は図1に示した光コネクタ内における内蔵光ファイバと挿入光ファイバとの突き合わせ部の状態を示した縦断面図、図5は図1に示した光コネクタに挿入光ファイバを結線する方法の説明図である。
本実施の形態の光コネクタ1は、多心タイプのもので、光ファイバ穴5は図の紙面に直交する方向に一定のピッチで所定数形成されている。
光ファイバ穴5には、先端側から注入される接着剤14が内蔵光ファイバ7の内端面7aへ付着することを阻止するための接着剤阻止領域としての拡径部15が装備されている。
この拡径部15は、挿入光ファイバ9が挿入されるコネクタ本体3の後端面まで、延設されている。
即ち、光ファイバ穴5は、内蔵光ファイバ7が挿入される先端部側の細径部5aと、挿入光ファイバ9が挿入される後端部側の太径部5bとの2段構造となっていて、内蔵光ファイバ7の内端面7a近辺の太径部5bが、接着剤阻止領域となる拡径部15として機能する。
具体的には、接着剤阻止領域としての拡径部15の間隔は2mm以下として、好ましくは0.3〜1.0mmに設定することが、接続ロスの点から望ましい。
また、内蔵光ファイバ7として外径が125μmの裸光ファイバを用いた場合に、光ファイバ穴5の細径部5aの内径を126μmとし、接着剤14には粘度が温度60℃時の初期粘度100cpsを有するエポキシ系接着剤を使用すると良い。
まず、(a)に示すように、コネクタ本体3の先端側から光ファイバ穴5に内蔵光ファイバ7を挿入して該内蔵光ファイバ7の内端面7aとなる挿入先端を接着剤阻止領域15に位置させる工程を実施する。次いで、(b)に示すように、内蔵光ファイバ7をコネクタ本体3に接合するための接着剤14を光ファイバ穴5の先端から注入する工程を実施する。
次いで、(c)に示すように、コネクタ本体3に接着した内蔵光ファイバ7をコネクタハ本体3の先端面に合わせて切断し、且つ、その切断面を研磨する工程を実施する。
従って、内蔵光ファイバ7を固定するために光ファイバ穴5に注入された接着剤14が、内蔵光ファイバ7の内端面7aに付着することがなくなり、図4に示すように、挿入光ファイバ9の先端面を内蔵光ファイバ7の内端面に確実に突き合わせることができる。
これにより、接着剤14の付着による接続不良の発生を防止して、製品歩留まりを向上させることができる。
まず、(a)に示すように、コネクタ本体3内の内蔵光ファイバ7の内端面7aの周辺には、接着剤を兼ねる屈折率整合剤21を、第2の開口部13から充填しておき、その状態で、挿入光ファイバ9をコネクタ本体3の後端から光ファイバ穴5に挿入する。
次いで、(b)に示すように、第2の開口部13で、内蔵光ファイバ7と挿入光ファイバ9の端面同士が確実に突き合わされていることを確認する。このとき、第2の開口部13は、屈折率整合剤21に混入している気泡の抜き穴として機能すると同時に、ファイバ相互の端面間に塵埃等の異物が混入している場合に、その異物を取り除くために有用である。
次いで、内蔵光ファイバ7と挿入光ファイバ9とが良好に突き合されていることを確認後、(c)に示すように、第1の開口部11に接着剤23を注入して、挿入光ファイバ9を接着固定する。
図6に示す製造方法で製造するようにしても良い。
まず、(a)に示すように、コネクタ本体3は第2の開口部13を未加工の状態で用意しておいて、内蔵光ファイバ7をコネクタ本体3の後端側から光ファイバ穴5に挿通してコネクタ本体3の先端面より突出させる工程を実施する。
次いで、(b)に示すように、内蔵光ファイバ7を接合するための接着剤14を光ファイバ穴5に注入する工程を実施する。
次いで、(c)に示すように、内蔵光ファイバ7をコネクタ本体3の先端面に合わせて切断し、且つその切断面を研磨する工程を実施する。この場合に、研磨形状としては、第1の実施の形態と同様にPC研磨とすると良い。
次いで、(d)に示すように、内蔵光ファイバ7の内端面7aとなる位置に開口部13を研削加工となるダイサーブレード25により形成する工程を実施し、このダイサーブレード25による加工で、同時に内蔵光ファイバ7を切断して、(e)に示すように、内蔵光ファイバ7の内端面及び挿入光ファイバ9の突き合わせ部を露出させる第2の開口部13を有した光コネクタ1を完成させる。
これは、内蔵光ファイバ7と同一のファイバ径の挿入光ファイバ9を使用する場合に、挿入光ファイバ9の先端の被覆を長く剥いで、露出した裸光ファイバ9aを光ファイバ穴5の先端まで、挿通させておき、この後、図6(b)、(c)に示した工程を実施することで、挿入光ファイバ9の結線を済ませた光コネクタ1を得ることができ、製造工程の簡略化を図ることができる。
図8に示すように、本発明の参考例として示す接着剤阻止領域は、第2の開口部13に連通して形成される開口部27としても良い。
この開口部27は、図6(d)に示したように第2の開口部13をダイサーブレード25によって加工する際に、同時に加工すると良い。
接着剤阻止領域を光ファイバ穴5及び第2の開口部13に連通して形成される開口部27とする場合は、挿入光ファイバ9として、内蔵光ファイバ7と同じ外径の裸光ファイバを採用するために、光ファイバ穴5の後端部の穴径を先端部と同一径にして、光ファイバ穴5の先端部と後端部との間に拡幅部を形成するもので、その開口部27は、ダイサーブレード25による後加工で形成すると良い。
そして、接着剤阻止領域としての開口部27は、内蔵光ファイバ7と挿入光ファイバ9との突き合わせ部を露出させる開口部13としても機能するため、ファイバ相互の突き合わせ部における気泡抜きや異物除去のための開口部を別に設けておく必要がなくなり、コネクタ本体3の構造の単純化を図ることもできる。
例えば、図9(a)に示すように、細径部5aの端部に接着剤の溜まり部となる面取り5cを形成するようにしても良く、また、図9(b)に示すように、接着剤阻止領域として、接着剤逃がし用の溝31を形成するようにしても良い。
図10は、単心タイプの光コネクタ41の実施の形態を示したものである。
この光コネクタ41では、接着剤阻止領域として、第2の開口部13と一体の開口部27を形成したもので、先端面をPC研磨処理している点など、基本的な構成は、上記実施の形態と共通でよい。
その場合に、内蔵光ファイバ及び挿入光ファイバの外径の組合せは、接続ロスをできるだけ小さくする構成として、次の表1に示す組合せが考えられる。
3 コネクタ本体
5 光ファイバ穴
5a 細径部
5b 太径部
7 内蔵光ファイバ
7a 内端面
9 挿入光ファイバ
11 第1の開口部
13 第2の開口部
15 拡径部(接着剤阻止領域)
21 屈折率整合剤
27 開口部(接着剤阻止領域)
Claims (5)
- 短尺の内蔵光ファイバがコネクタ本体の光ファイバ穴に接合配置されると共に、挿入光ファイバが前記光ファイバ穴に挿入されて前記内蔵光ファイバに突き当てられる光コネクタであって、
前記光ファイバ穴は、前記内蔵光ファイバが前記コネクタ本体の先端面側から挿入され配設される細径の先端部と、前記挿入光ファイバとして挿入される被覆付き光ファイバの外径に対応して設定される後端部とからなり、
前記内蔵光ファイバを接合するため前記コネクタ本体の先端面側から注入される接着剤の該内蔵光ファイバ端面への付着を阻止する接着剤阻止領域が、前記先端部より太径にした拡径部であり、前記内蔵光ファイバが、前記拡径部において、前記先端部から前記後端部側に突き出された状態で、前記挿入光ファイバに突き当てられていることを特徴とする光コネクタ。 - 前記内蔵光ファイバとして裸光ファイバを用いた場合に、前記内蔵光ファイバを配設する前記光ファイバ穴の先端部の内径を内蔵光ファイバの外径に対し0.5μm以上、10μm以下に設定し、前記接着剤阻止領域となる前記拡径部の内径を前記光ファイバ穴の先端部の内径に対し20μm以上に設定し、前記接着剤には粘度が100cps以上3000cps以下のものを使用したことを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
- 前記拡径部の内径を前記光ファイバ穴の先端部の内径に対し20μm以上にする設定は、前記挿入光ファイバとして突き合わせ部位付近に被覆が付いたままの被覆付き光ファイバを用いた場合に、前記拡径部を前記後端部とすることを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ。
- 短尺の内蔵光ファイバをコネクタ本体の先端面側から細径に形成された光ファイバ穴の先端部に挿入して該内蔵光ファイバの挿入先端を、前記先端部より太径に形成された拡径部である接着剤阻止領域に位置させるとともに、前記拡径部において前記光ファイバ穴の後端部側から挿入される挿入光ファイバに突き当て可能に前記先端部から突き出す工程と、前記内蔵光ファイバを前記コネクタ本体に接合する接着剤を前記コネクタ本体の先端面側から前記光ファイバ穴に注入する工程と、前記内蔵光ファイバを前記コネクタ本体の先端面に合わせて切断し且つその切断面を研磨する工程と、を実施して、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の光コネクタを製造することを特徴とする光コネクタの製造方法。
- 上記請求項1乃至3のいずれかに記載の光コネクタをハウジングに収容するとともに前記ハウジングの一端に前記光コネクタの先端を露出させたことを特徴とする光接続物品。
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