JP4586298B2 - 脂環式炭化水素骨格含有化合物及び脂環式炭化水素骨格含有重合体並びに感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

脂環式炭化水素骨格含有化合物及び脂環式炭化水素骨格含有重合体並びに感放射線性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な重合活性を有する脂環式炭化水素骨格含有化合物、脂環式炭化水素骨格含有重合体、並びに感放射線性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、重合性モノマーとして利用できる脂環式炭化水素骨格含有化合物に関する。他の本発明は、上記化合物を原料として得られ、優れた樹脂組成物として利用できる脂環式炭化水素骨格含有重合体に関する。他の本発明は、遠紫外線に代表される短波長の放射線に適応可能で、放射線に対する透明性が高く、更に感度、解像度及び優れたパターン形状を備える感放射線性樹脂組成物に関する。
本発明は、紫外線、遠紫外線、X線或いは荷電粒子線の如き各種の放射線を用いる超微細加工に好適なレジスト分野、及びこの関連分野等に広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.20μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。
しかし、従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。
そこで、0.20μm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)或いはArFエキシマレーザー(波長193nm)が注目されている。
このようなエキシマレーザーによる照射に適したレジストとして、酸解離性官能基を有する成分と放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」という。)とによる化学増幅効果を利用したレジスト(以下、「化学増幅型レジスト」という。)が数多く提案されている。
化学増幅型レジストとしては、例えば、特公平2−27660号公報には、カルボン酸のt−ブチルエステル基又はフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する重合体と酸発生剤とを含有するレジストが提案されている。このレジストは、露光により発生した酸の作用により、重合体中に存在するt−ブチルエステル基或いはt−ブチルカーボナート基が解離して、該重合体がカルボキシル基或いはフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
【0003】
ところで、従来の化学増幅型レジストの多くは、フェノール系樹脂をベースにするものであるが、このような樹脂の場合、放射線として遠紫外線を使用すると、樹脂中の芳香族環に起因して遠紫外線が吸収されるため、露光された遠紫外線がレジスト被膜の下層部まで十分に到達できないという欠点があり、そのため露光量がレジスト被膜の上層部では多く、下層部では少なくなり、現像後のレジストパターンが上部が細く、下部にいくほど太い台形状になってしまい、十分な解像度が得られない等の問題があった。その上、現像後のレジストパターンが台形状となった場合、次の工程、即ちエッチングやイオンの打ち込みなどを行う際に、所望の寸法精度が達成できず、問題となっていた。しかも、レジストパターン上部の形状が矩形でないと、ドライエッチングによるレジストの消失速度が速くなってしまい、エッチング条件の制御が困難になる問題もあった。
一方、レジストパターンの形状は、レジスト被膜の放射線透過率を高めることにより改善することができる。例えば、ポリメチルメタクリレートに代表される(メタ)アクリレート系樹脂は、遠紫外線に対しても透明性が高く、放射線透過率の観点から非常に好ましい樹脂であり、例えば特開平4−226461号公報には、(メタ)アクリレート系樹脂を使用した化学増幅型レジストが提案されている。しかしながら、この組成物は、微細加工性能の点では優れているものの、芳香族環をもたないため、ドライエッチング耐性が低いという欠点があり、この場合も高精度のエッチング加工を行うことが困難であり、放射線に対する透明性とドライエッチング耐性とを兼ね備えたものとは言えない。
【0004】
また、化学増幅型レジストについて、放射線に対する透明性を損なわないで、ドライエッチング耐性を改善する方策の一つとして、レジスト中の樹脂成分に、芳香族環に代えて脂肪族環を導入する方法が知られており、例えば特開平7−234511号公報には、脂肪族環を有する(メタ)アクリレート系樹脂を使用した化学増幅型レジストが提案されている。
しかしながら、このレジストでは、樹脂成分が有する酸解離性官能基として、従来の酸により比較的解離し易い基(例えば、テトラヒドロピラニル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的解離し難い基(例えば、t−ブチルエステル基、t−ブチルカーボネート基等のt−ブチル系官能基)が用いられており、前者の酸解離性基を有する樹脂成分の場合、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状は良好であるが、組成物としての保存安定性に難点があり、また後者の酸解離性官能基を有する樹脂成分では、逆に保存安定性は良好であるが、レジストの基本物性、特に感度やパターン形状が損なわれるという欠点がある。更に、このレジスト中の樹脂成分には脂肪族環が導入されているため、樹脂自体の疎水性が非常に高くなり、基板に対する接着性の面でも問題があった。
また、化学増幅型レジストを用いてレジストパターンを形成する際には、酸解離性官能基の解離を促進するため、通常露光後に加熱処理されるが、普通、その加熱温度が変化するとレジストパターンの線幅もある程度変動するのが避けられない。しかし、近年における集積回路素子の微細化を反映して、露光後の加熱温度の変化に対しても線幅の変動(即ち温度依存性)が小さいレジストの開発も強く求められるようになってきた。
【0005】
このような状況の下、集積回路素子における微細化の進行に対応しうる技術開発の観点から、遠紫外線に代表される短波長の放射線に適応可能で、放射線に対する透明性が高く、且つ感度、解像度、ドライエッチング耐性、パターン形状等のレジストとしての基本物性に優れた化学増幅型レジストが強く求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するため、新規な重合活性を有する脂環式炭化水素骨格含有化合物、特に、脂環式炭化水素骨格含有重合体に用いられる脂環式炭化水素骨格含有化合物を提供することを目的とする。
また、他の本発明は、新規な脂環式炭化水素骨格含有化合物由来の繰り返し単位を有し、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となり、特に、優れた樹脂組成物に用いられる脂環式炭化水素骨格含有重合体を提供することを目的とする。
更に、他の本発明は、遠紫外線に代表される短波長の放射線に適応可能で、放射線に対する透明性が高く、更に感度、解像度及び優れたパターン形状を備える感放射線性樹脂組成物、特に、紫外線、遠紫外線、X線或いは荷電粒子線の如き各種の放射線を用いる超微細加工に好適なレジストとして有用な感放射線性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新規な重合活性を有する脂環式炭化水素骨格含有化合物を見出した。この化合物について検討した結果、この化合物同士の(共)重合(単独重合及び共重合の両方を意味する。)を行った場合、或いはこの化合物と、(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。)等の重合性化合物とのラジカル共重合を行った場合、主鎖に5員環を選択的に形成しながら重合が進行することを見出した。この(共)重合体(単独重合体及び共重合体の両方を意味する。)は芳香族を有しないために遠紫外線に対しても透明性が高く、且つ主鎖に5員環を有するため熱的安定性に優れた重合体であった。更に、この(共)重合体をベースポリマーとした感放射線性樹脂組成物は、遠紫外線に対しても透明性が高く、且つ主鎖に5員環を有するためにドライエッチング耐性を兼ね備えたレジスト材料として有用であることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の脂環式炭化水素骨格含有化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
【0009】
【化4】
Figure 0004586298
[式(1)中、R1は脂環式炭化水素骨格を有し且つ該R1の炭素数が4〜20である基を示し、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。

【0010】
上記一般式(1)における脂環式炭化水素骨格を有する基(R)とは、例えば、構成窒素原子に直接結合する、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基や、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基が構成窒素原子に2価の置換基を介して結合している基等である。
上記2価の置換基としては、メチレン基、アルキレン基等が挙げられる。
【0011】
更に、本発明の脂環式炭化水素骨格含有化合物は、下記一般式(2)で表されるものとすることができる。
【0012】
【化5】
Figure 0004586298
[式(2)中、(i)R、R及びRは相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数4〜20の3価の脂環式炭化水素基であるか、或いは、(ii)R及びRは相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成し、残りのRは水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。また、R及びRは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
【0013】
上記一般式(1)及び(2)における脂環式炭化水素基は、単環構造でも多環構造でもよく、多環構造の場合、縮合型、有橋型、スピラン系型、環集合型のうちのいずれであってもよい。また、これらの環の数も特に問わず、1つでも2以上でもよい。好ましいものとしては、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン等の有橋脂環構造や、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン構造等に由来する脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0014】
また、この脂環式炭化水素基は置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニルアルコキシ基等が挙げられる。
尚、上記のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニルアルコキシ基等の置換基を有する化合物は、酸解離性基を備えるので、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となる重合体を提供できる。
上記脂環式炭化水素基は、この置換基を1種以上或いは1個以上有することができる。
【0015】
上記一般式(1)及び(2)で表される脂環式炭化水素骨格含有化合物としては、例えば、下記式で示されるものが挙げられる。但し、下記の化学式には、構成窒素原子と、R1又は−C(R4)(R5)(R6)との結合を示す骨格部のみを示す。
【0016】
【化6】
Figure 0004586298
【0017】
【化7】
Figure 0004586298
【0018】
【化8】
Figure 0004586298
【0019】
【化9】
Figure 0004586298
【0020】
【化10】
Figure 0004586298
【0021】
【化11】
Figure 0004586298
【0022】
【化12】
Figure 0004586298
【0023】
【化13】
Figure 0004586298
【0024】
【化14】
Figure 0004586298
【0025】
【化15】
Figure 0004586298
【0026】
【化16】
Figure 0004586298
【0027】
【化17】
Figure 0004586298
【0028】
【化18】
Figure 0004586298
【0029】
本発明の脂環式炭化水素骨格含有化合物の合成方法は、特に限定されないが、例えば、下記のように合成することができる。
まず、ベンゼン等の溶媒を用いて、シクロヘキシルアミン等のアミノ基を有する脂環式炭化水素と、メタクリロイルクロライドとを反応させ、溶媒を除去して、N−シクロヘキシルメタクリルアミド等のアミド基を有する化合物を得る。
その後、上記で得られたN−シクロヘキシルメタクリルアミド等のアミド基を有する化合物を、THF(テトラヒドロフラン)等の溶媒、及びエチルマグネシウムブロマイド等のグリニャール試薬を用いて、グリニャール反応させ、溶媒を除去することにより、N−シクロヘキシルジメタクリルアミド等の本発明の脂環式炭化水素骨格含有化合物が得られる。
【0030】
本発明の脂環式炭化水素骨格含有化合物は新規なものであり、種々の用途に利用されるが、特に、他の本発明である脂環式炭化水素骨格含有重合体を提供することができ、ひいては、他の本発明である有用な感放射線性樹脂組成物を提供することができる。
【0031】
本発明の脂環式炭化水素骨格含有重合体(以下、単に「重合体」ともいう。)は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の酸解離性基含有重合体であって、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となることを特徴とする。尚、この一般式(3)で表される繰り返し単位は、前記一般式(1)又は(2)で表される脂環式炭化水素骨格含有化合物由来の繰り返し単位である。
【0032】
【化19】
Figure 0004586298
[式(3)中、R置換基を有していてもよい炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示し、R10及びR11は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
【0033】
尚、ここでいう「繰り返し単位」とは、所定の単位が次に繰り返されて連続する場合のみならず、1つ以上離れて重合されて間接的に繰り返される場合も含む意味に用いる。更に、ここでいう「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」とは、この樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、該レジスト被膜の代わりに樹脂のみを用いた被膜を現像した場合に、該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。以下においても同じである。
【0034】
上記重合体は、上記一般式(3)で表される繰り返し単位を有し、酸の作用により酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となるものであれば特に限定されるものではない。
例えば、▲1▼酸解離性基を有しない上記一般式(3)で表される繰り返し単位、及び酸解離性基を有するその他の繰り返し単位を有する重合体、▲2▼上記一般式(3)におけるR9が酸解離性基を含有する有機基である繰り返し単位を有する重合体が挙げられる。
上記▲1▼の場合、上記重合体は、上記酸解離性基を有するその他の繰り返し単位を1種有していても、2種以上有していてもよい。
また、上記▲2▼の場合、上記重合体は、その他の繰り返し単位を有していても、有していなくてもよい。
【0035】
上記酸解離性基を有するその他の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位(1)」ともいう。)としては、酸解離性基を有し、酸の作用により解離してアルカリ可溶性となるものであれば特に限定されない。この酸解離性基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基等を形成するものが挙げられる。
更に、他の繰り返し単位(1)としては、例えば、下記一般式(4)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
【0036】
【化20】
Figure 0004586298
【0037】
[式(4)中、R12、R13及びR14は相互に独立に炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基、或いは、R12及びR13は相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成し、残りのR14は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。また、R15は水素原子又はメチル基を示す。]
【0038】
上記一般式(4)で表される繰り返し単位において、R15の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基及びt−ブチル基等を挙げることができる。
これらのアルキル基のうち、特に、メチル基、エチル基等が好ましい。
【0039】
また、R12、R13及びR14の炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基、並びにR12及びR13が相互に結合して形成した炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン等の有橋脂環構造や、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン構造等に由来する脂環式炭化水素基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基のうち、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン又はアダマンタンに由来する脂環式炭化水素基が好ましい。
【0040】
また、上記脂環式炭化水素基は置換されていてもよく、この置換基としては、ヒドロキシル基;カルボキシル基;ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基;前記一般式(1)及び(2)における脂環式炭化水素基の置換基として例示した基等を挙げることができる。
これらの置換基のうち、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基等が好ましい。
【0041】
本発明の重合体において、上記その他の酸解離性基を有する繰り返し単位は1種でもよいし、2種以上とすることもできる。
【0042】
上記一般式(4)で表される酸解離性基を有する繰り返し単位の具体例としては、t−ブチル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位や、下記式(I−1)〜(I−47)の基が主鎖に結合した(メタ)アクリル系繰り返し単位等を挙げることができる。
【0043】
【化21】
Figure 0004586298
【0044】
【化22】
Figure 0004586298
【0045】
【化23】
Figure 0004586298
【0046】
【化24】
Figure 0004586298
【0047】
【化25】
Figure 0004586298
【0048】
【化26】
Figure 0004586298
【0049】
【化27】
Figure 0004586298
【0050】
【化28】
Figure 0004586298
【0051】
【化29】
Figure 0004586298
【0052】
【化30】
Figure 0004586298
【0053】
【化31】
Figure 0004586298
【0054】
【化32】
Figure 0004586298
【0055】
【化33】
Figure 0004586298
【0056】
【化34】
Figure 0004586298
【0057】
【化35】
Figure 0004586298
【0058】
【化36】
Figure 0004586298
【0059】
また、上記一般式(4)で表される繰り返し単位以外の、他の繰り返し単位(1)としては、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位等を挙げることができる。
これらの酸解離性基を有する繰り返し単位のうち、t−ブチル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位や、式(I−1)、式(I−2)、式(I−10)、式(I−11)、式(I−13)、式(I−14)、式(I−16)、式(I−17)、式(I−34)、式(I−35)、式(I−40)又は式(I−41)の基が主鎖に結合した(メタ)アクリル系繰り返し単位、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位等が好ましい。
上記繰り返し単位は、(メタ)アクリル酸を共重合させた後、エステル基を導入して構成してもよいし、(メタ)アクリル酸エステルを共重合させて構成してもよい。
【0060】
また、本発明の重合体は、上記一般式(3)で表される繰り返し単位以外に、酸解離性基を有しない繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位(2)」という。)を1種以上有していてもよい。
他の繰り返し単位(2)を与える重合性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸カルボキシノルボルニル、(メタ)アクリル酸カルボキシトリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸カルボキシテトラシクロデカニル等の不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格を有するカルボキシル基含有エステル類;
【0061】
ノルボルネン(即ち、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−ペンチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−n−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
【0062】
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
【0063】
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
【0064】
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロイソプロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(2’,2’,2’−トリフルオロカルボエトキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−(2’,2’,2’−トリフルオロカルボエトキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
【0065】
ジシクロペンタジエン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、トリシクロ[6.2.1.01,8]ウンデカ−9−エン、トリシクロ[6.2.1.01,8]ウンデカ−4−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−4−エン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]ペンタデカ−3−エン等の有橋式炭化水素骨格を有する他の単官能性単量体;
【0066】
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−シクロペンチルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−(4−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル等の有橋式炭化水素骨格をもたない(メタ)アクリル酸エステル類;
【0067】
α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−ブチル等のα−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸(無水物)類;(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシシクロヘキシル等の不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格をもたないカルボキシル基含有エステル類;
【0068】
α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β−フルオロ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β−エチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メトキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−フルオロ−β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−ヒドロキシ−β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジメチル−β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−メトキシ−β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−δ−メバロノラクトン、下記一般式(5)で表される化合物等の酸解離性基をもたない(メタ)アクリロイルオキシラクトン化合物;
【0069】
【化37】
Figure 0004586298
[式(5)中、R16及びR17は相互に独立に水素原子又はメチル基を示す。]
【0070】
1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等の有橋式炭化水素骨格を有する多官能性単量体;
【0071】
メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート等の有橋式炭化水素骨格をもたない多官能性単量体等の多官能性単量体を挙げることができる。
【0072】
本発明の重合体における、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」ともいう。)の値は、通常、3,000〜200,000、好ましくは5,000〜50,000である。また、本発明の重合体における、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)とMnとの割合(Mw/Mn)は、通常、1〜3である。
【0073】
本発明の脂環式炭化水素骨格含有重合体は新規なものであり、種々の用途に利用される。
特に、他の本発明である有用な感放射線性樹脂組成物を提供することができる。この場合、上記一般式(3)で表される繰り返し単位(特に好ましくは酸解離性基を有しない繰り返し単位。)、及び酸解離性基を有するその他の繰り返し単位を有する共重合型酸解離性基含有重合体が好ましい。
当該重合体における上記一般式(3)で表される繰り返し単位の含有割合は、通常、1〜90モル%、好ましくは5〜80モル%である。一般式(3)で表される繰り返し単位の含有割合が90モル%を超えると、レジストとしての現像性能が劣る場合がある。また、当該重合体における酸解離性基を有する繰り返し単位の含有割合は、通常、30〜95モル%、好ましくは50〜95モル%である。
【0074】
上記共重合型酸解離性基含有重合体における、共重合成分の組合わせとしては、2価又は3価の脂環式炭化水素骨格(好ましくは5員環又は6員環、より好ましくは6員環)を有する上記一般式(3)で表される繰り返し単位と、酸解離性基として、t−ブトキシカルボニル基又は環状エーテル骨格含有エステル基(好ましくは5員環又は6員環、より好ましくは6員環)を有するその他の繰り返し単位との組合わせが好ましい。当該共重合体におけるt−ブトキシカルボニル基を有する繰り返し単位の含有割合は、70〜95モル%であることが特に好ましい。また、環状エーテル骨格含有エステル基を有する繰り返し単位の含有割合は、50〜80モル%であることが特に好ましい。
【0075】
特に、この組合せとしては、2価又は3価の脂環式炭化水素骨格(好ましくは5員環又は6員環、より好ましくは6員環)を有する上記一般式(3)で表される繰り返し単位と、環状エーテル骨格含有エステル基(好ましくは5員環又は6員環、より好ましくは6員環)を有するその他の繰り返し単位との組合せがより好ましい。
これらの組合せとしては、具体的には、N−シクロヘキシルジメタクリルアミド、N−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルジメタクリルアミド、若しくはN−トリシクロ[3.3.1.13,7]デシルジメタクリルアミドに由来する繰り返し単位と、t−ブチル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリロイルオキシ2−テトラヒドロピラン(好ましくは、(メタ)アクリロイルオキシ2−テトラヒドロピラン)に由来する繰り返し単位との組合せ等とすることができる。
【0076】
本発明の脂環式炭化水素骨格含有重合体の合成方法は、特に限定されるものではなく、この重合体は、本発明の脂環式炭化水素骨格含有化合物と、必要に応じて酸解離性基を有する共重合性有機化合物とを(共)重合させて得ることができる。また、本発明の重合体には、他の共重合性有機化合物を共重合させることもできる。この共重合性有機化合物としては、共重合するものであればよく、酸解離性基の含有は問わない。例えば、前記他の繰り返し単位(1)又は(2)を形成する共重合性有機化合物を挙げることができる。
【0077】
また、本発明の脂環式炭化水素骨格含有化合物と、上記酸解離性基を有するその他の共重合性有機化合物とを共重合させて得られる共重合体を含むアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の酸解離性基含有重合体であって、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となるものとすることができる。
【0078】
更に、本発明の脂環式炭化水素骨格含有重合体は、酸解離性基を含有する脂環式炭化水素骨格含有化合物を重合させて得られるアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の酸解離性基含有重合体であって、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となるものとすることもできる。
【0079】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、本発明の重合体と、感放射線性酸発生剤と、を含有することを特徴とする。
【0080】
上記「重合体」は、前記に示す説明をそのまま適用できるものである。
上記「感放射線性酸発生剤(以下、酸発生剤という。)」とは、放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生するものである。
酸発生剤は、露光により発生した酸の作用によって、前述した重合体中に存在する酸解離性基を解離させて、重合体中に好ましくはカルボキシル基を形成し、その結果、レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に可溶性(特に易溶性)となり、ポジ型のレジストパターンを形成する作用を有するものである。
このような酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物及びスルホン酸化合物等を挙げることができる。
【0081】
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩及びピリジニウム塩等を挙げることができる。
好ましいオニウム塩化合物の具体例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム・10−カンファースルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
【0082】
4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、
【0083】
4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、
【0084】
4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート等を挙げることができる。
【0085】
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1−ナフチルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができる。
【0086】
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
好ましいジアゾケトンの具体例としては、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
【0087】
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
好ましいスルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
【0088】
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
好ましいスルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、N−ヒドロキシスクシイミドノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、N−ヒドロキシスクシイミドパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、及び1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
【0089】
これらの酸発生剤のうち、特に、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
【0090】
4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、
【0091】
トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、N−ヒドロキシスクシイミドノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、N−ヒドロキシスクシイミドパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、及び1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等が好ましい。
【0092】
本発明において、酸発生剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における酸発生剤の使用量は、上記重合体100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは0.5〜7重量部である。この場合、酸発生剤の使用量が0.1重量部未満では、レジストとしての感度や解像度が低下する恐れがあり、一方15重量部を超えると、レジストとしての塗布性やパターン形状が低下する恐れがある。
【0093】
また、本発明の感放射線性樹脂組成物には、露光により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。
このような酸拡散制御剤を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が更に向上し、またレジストとしての解像度が更に向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(6)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(イ)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(ロ)」という。)、窒素原子を3個以上有するポリアミノ化合物や重合体(以下、これらをまとめて「含窒素化合物(ハ)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0094】
【化38】
Figure 0004586298
【0095】
[式(6)中、R18、R19及びR20は相互に独立に水素原子、置換若しくは非置換の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基又は置換若しくは非置換のアラルキル基を示す。]
【0096】
含窒素化合物(イ)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン及びナフチルアミン等の芳香族アミン類を挙げることができる。
【0097】
含窒素化合物(ロ)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N',N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル及びビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。
含窒素化合物(ハ)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及び2−ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
【0098】
上記アミド基含有化合物としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物のほか、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0099】
前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
【0100】
これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素化合物(イ)、含窒素化合物(ロ)、含窒素複素環化合物が好ましい。
前記酸拡散制御剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
酸拡散制御剤の配合量は、重合体(A)100重量部に対して、通常、15重量部以下、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が15重量部を超えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。尚、酸拡散制御剤の配合量が0.001重量部未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下する恐れがある。
【0101】
また、本発明の感放射線性樹脂組成物には、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す、酸解離性基を有する脂環族添加剤を配合することができる。
このような脂環族添加剤としては、例えば、▲1▼1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)−n−ヘキサン等のアダマンタン誘導体類、▲2▼デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類、▲3▼リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類等を挙げることができる。
これらの脂環族添加剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
脂環族添加剤の配合量は、重合体100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この場合、脂環族添加剤の配合量が50重量部を超えると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
【0102】
また、本発明の感放射線性樹脂組成物には、塗布性、現像性等を改良する作用を示す界面活性剤を配合することができる。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、重合体、酸発生剤の合計100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
更に、上記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤及び消泡剤等を挙げることができる。
【0103】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜25重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
上記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状若しくは分岐状のケトン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類の他、
【0104】
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン及び炭酸プロピレン等を挙げることができる。
【0105】
これらの溶剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、就中、直鎖状若しくは分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類が好ましい。
【0106】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特に化学増幅型レジストとして有用である。例えば、以下のようにレジストパターンを形成することができる。
上記化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生剤から発生した酸の作用によって、重合体中の酸解離性基が解離して、カルボキシル基を生じ、その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
【0107】
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたウエハ等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、使用される酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線及び荷電粒子線等を適宜選定して使用されるが、ArFエキシマレーザー(波長193nm)或いはKrFエキシマレーザー(波長248nm)で代表される遠紫外線が好ましく、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)が好ましい。
本発明においては、露光後に加熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが好ましい。このPEBにより、重合体中の酸解離性基の解離反応が円滑に進行する。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
【0108】
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため下記の技術を用いることができる。例えば、特公平6−12452号公報等に開示されているように、レジスト表面からの内部反射による劣化的作用を除去するために、基板上に有機系或いは無機系の反射防止膜を形成しておくことができる。この反射防止膜は、表面(界面)エネルギーの低い溶媒に、ポリアミド酸の重合体等を溶解させたものによって形成される。この溶媒としては、アルコール等が挙げられる。また、ポリアミド酸重合体としては、トルエンジアミンやキシリルジアミン等の重合体が挙げられる。
【0109】
また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特開平5−188598号公報等に開示されているように、レジスト被膜上に、▲1▼水溶解性、水分散性、又は水ストリップ性を有するバインダーと官能性のフルオロカーボンとの混合物からなるフィルム形成性の組成物、▲2▼水又は水性アルカリ溶液中に可溶性、或いは分散性であるフィルム形成性ポリマーバインダーと、水又は水性アルカリ溶液中に可溶性若しくは分散性である低屈折率のフルオロカーボン化合物とから構成される組成物等による保護膜を設けることもできる。
更に、本発明においては、これらの保護膜を形成する技術を併用することもできる。
【0110】
次いで、露光されたレジスト被膜を現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
上記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
【0111】
また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶媒を添加することもできる。
上記有機溶媒としては、例えば、▲1▼アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類、▲2▼メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類、▲3▼テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、▲4▼酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類、▲5▼トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等の他、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0112】
有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶媒の使用量が100容量%を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。
また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
尚、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
【0113】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、感度が14.0mJ/cm2以下(より好ましくは13.5mJ/cm2以下、更に好ましくは12.5mJ/cm2以下)、解像度が0.17μm以下(より好ましくは0.16μm以下、更に好ましくは0.15μm以下)、又はパターン形状が、断面の下辺寸法L1と上辺寸法L2とを測定したとき、L2/L1が0.85〜1であり、且つ裾を引いていないことが好ましい。
更に、本発明の組成物は、上記各特性の好ましい範囲を種々選択したものとすることができる。
但し、これらの各特性は、下記に示す試験方法によるものとする。
【0114】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を挙げてより詳しく説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。ここで「部」は、特に記載の無い限り、「重量部」である。
合成例、実施例及び比較例における各測定、各評価は下記の要領で行った。
(IRの測定)
ホリバ製FT−200 FT−IRスペクトロメーターを用いて、KBr法により測定した。
1H−NMRの測定)
CDCl3中、(株)日本電子製GSX−400 FTスペクトロメーターで測定した。
(Mn、Mw/Mnの測定)
(株)東ソー製「HLC−802UR高速液体クロマトグラフシステム」を用い、カラムとして「TSK−GEL H−Type」を3本使用し、THF(テトラヒドロフラン)を溶離液としてカラム温度40℃の分析条件で、単分酸ポリスチレンを標準とするゲルパーミエッションクロマトグラフ法(検出器:示差屈折計)により測定した。
(ガラス転移点(Tg)の測定)
セイコー製「DSC22C」を用いて測定した。
(エステル基切断温度(Td1)、主鎖分解温度(Td2)の測定)
リファレンスとしてAl23を用い、セイコー製「TG/DTA200」を用いてTG/DTAカーブから測定した。
(吸光度の測定)
サンプルを膜厚1.0μmのフィルムとして、(株)日立製「日立U−3000スペクトロメーター」を用い、波長248nmにおける吸光度を測定した。(この値が小さいほど、透明性に優れる。)
【0115】
(1)モノマーの合成
合成例1
[N−シクロヘキシルジメタクリルアミド(CHDMA)の合成]
窒素還流条件下、シクロヘキシルアミン46.9gのベンゼン150ml溶液にメタアクリロイルクロライド26.1gのベンゼン50ml溶液を滴下する。滴下終了後、12時間攪拌を続け、反応が完了した後、その反応溶液に蒸留水40ml及びベンゼン100mlを加える。次いで、この溶液を水層及びベンゼン層に分離させた後、ベンゼン層を10%Na2CO3水溶液で2回、蒸留水で3回洗浄する。この溶液をNa2SO4で乾燥し、ベンゼンを除去した後、シクロヘキサンにて再結晶して下記式で表される化合物(A−1)、N−シクロヘキシルメタクリルアミド28.9gを得た。
【0116】
【化39】
Figure 0004586298
【0117】
その後、滴下ロート、還流冷却器の設置された3口フラスコをアルゴン雰囲気下にし、グリニャール反応用マグネシウム5.6gを入れ、乾燥THF10mlを加える。初めにエチルブロマイド1gを加え反応が開始したことを確認してから、エチルブロマイド24.1gのTHF90ml溶液を滴下しながら加える。滴下終了後、1時間還流する。このグリニャール試薬(エチルマグネシウムブロマイド)を室温まで冷却し、次の反応にすばやく用いる。
滴下ロートを取りつけたフラスコをアルゴン雰囲気下にし、上記で得れらたN−シクロヘキシルメタクリルアミド25.1gのTHF90ml溶液を入れ、1.2当量エチルマグネシウムブロマイドのTHF溶液を1時間で滴下する。滴下終了後、メタクリロイルクロライド15.9gのTHF60ml溶液を反応溶液に滴下し、その反応溶液を3時間室温で攪拌する。反応が進行した後に、この反応溶液に氷浴で充分に冷却した1%HCl水溶液300mlを加える。
この溶液をクロロホルムで抽出した後、10wt%Na2CO3水溶液で2回、蒸留水で3回洗浄する。この溶液をNa2SO4で乾燥し、溶媒を除去する。得られた生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ノルマルヘキサン/クロロホルム(両者の割合は3/2)で溶出されたフラクションを集めた。
その後、溶媒を除去して下記式で表される化合物(A−2)、N−シクロヘキシルジメタクリルアミドを得た。この収量は23.4gであった。
【0118】
【化40】
Figure 0004586298
【0119】
また、この化合物の赤外分光分析(IR)の結果、及び1H−NMR分析の結果は次に示すとおりだった。また、それぞれのチャート図を図1(IR)及び図2(NMR)に示す。
IR(cm-1):1703、1655、1626、1448
1H−NMR:5.33(2H、q、J=0.76Hz)、5.18(2H、q、J=0.72Hz)、4.30(1H、tt、J=12.3、3.7Hz)、2.06〜1.96(2H、m)、1.84〜1.79(8H、m)、1.72〜1.65(3H、m)、1.39〜1.29(2H、m)、1.24〜1.13(1H、m)
これらの分析結果から、この脂環式炭化水素骨格含有化合物(A−2)は、上記式に示す化学構造を示すことが明らかとなった。
【0120】
合成例2
(N−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルジメタクリルアミドの合成)
2−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及びメタクリルロイルクロライドを出発原料として、上記合成例1と同様の方法により、下記式で表される化合物(A−3)、N−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルジメタクリルアミドを得た。この収量は15.0gであった。
【0121】
【化41】
Figure 0004586298
【0122】
合成例3
(N−トリシクロ[3.3.1.13,7]デシルジメタクリルアミドの合成)
1−アミノ−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン及びメタクリルロイルクロライドを出発原料として、上記合成例1と同様の方法により、下記式で表される化合物(A−4)、N−トリシクロ[3.3.1.13,7]デシルジメタクリルアミドを得た。この収量は10.5gであった。
【0123】
【化42】
Figure 0004586298
【0124】
(2)重合体の合成
合成例4
上記(1)で合成した化合物A−2(N−シクロヘキシルジメタクリルアミド、30.4mmol)と、t−ブチルメタクリレート(30.2mmol)及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル98.8mgをTHF20mlに溶解させ、脱気した後にアルゴンを注入する。その溶液を65℃に保ち15時間加熱した。反応終了後、反応液を大量のメタノール/水混合溶液(両者の割合は、5/1)に投入し、析出した固体をろ別し、真空乾燥する。その後、再沈殿を2回行い、下記式で表される重合体(P−1)3.06gを得た。得られた重合体における、化合物(A−2)及びt−ブチルメタクリレートに由来する繰り返し単位の含有割合は、28/78(モル比)であった。
この重合体の物理的特性の評価結果を表1に示す。更に、この重合体の赤外分光分析(IR)の結果を示すスペクトル図を図3に示す。
この分析結果及び反応状況から、この重合体(P−1)は、下記式に示す化学構造を示すことは明らかである。
【0125】
【化43】
Figure 0004586298
【0126】
合成例5
上記(1)で合成した化合物A−2(N−シクロヘキシルジメタクリルアミド、18.1mmol)と、t−ブチルメタクリレート(42.1mmol)とし、溶液の加熱温度を60℃に変更した以外は、上記合成例4と同様にして、下記式で表される重合体(P−2)8.31gを得た。得られた重合体における、化合物(A−2)及びt−ブチルメタクリレートに由来する繰り返し単位の含有割合は、8/92(モル比)であった。
この重合体の物理的特性の評価結果を表1に併記する。
【0127】
【化44】
Figure 0004586298
【0128】
合成例6
t−ブチルメタクリレートをメタクリル酸(29.8mmol)に変更し、溶液の加熱時間を17時間に変更した以外は、上記合成例4と同様にして反応させ、反応終了後、溶液を大量のn−ヘキサンに投入し、析出した固体をろ別し、真空乾燥する。その後、再沈殿を2回行い、下記式で表される重合体(P−3)3.06gを得た。
【0129】
【化45】
Figure 0004586298
【0130】
次いで、上記で得られた重合体(P−3)1gの酢酸エチル10ml溶液に触媒としてp−トルエンスルホン酸20mgを加え、氷浴中にて、更に3,4−ヒドロ−2H−ピランを加えて2時間攪拌する。その後、室温にて更に1時間攪拌する。反応終了後、反応溶液を大量のメタノール/水混合溶液(両者の割合、1/1)に投入し、析出した固体をろ別し、真空乾燥して下記式で表される重合体(P−4)1.07gを得た。得られた重合体における、化合物(A−2)及びメタクリロイルオキシ2−テトラヒドロピランに由来する繰り返し単位の含有割合は、37/63(モル比)であった。
この重合体の物理的特性の評価結果を表1に併記する。更に、この重合体の赤外分光分析(IR)の結果を示すスペクトル図を図4に示す。
この分析結果及び反応状況から、この重合体(P−4)は、下記式に示す化学構造を示すことは明らかである。
【0131】
【化46】
Figure 0004586298
【0132】
合成例7
上記(1)で合成した化合物A−3(N−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルジメタクリルアミド、18.1mmol)と、t−ブチルメタクリレート(42.1mmol)を用いて、上記合成例4と同様にして、下記式で表される重合体(P−5)7.53gを得た。得られた重合体のMnの値は7,500であり、Mw/Mnの値は1.8であった。また、化合物(A−3)及びt−ブチルメタクリレートに由来する繰り返し単位の含有割合は、10/90(モル比)であった。
【0133】
【化47】
Figure 0004586298
【0134】
合成例8
上記(1)で合成した化合物A−4(N−トリシクロ[3.3.1.13,7]デシルジメタクリルアミド、30.4mmol)と、メタクリル酸(29.8mmol)を用いて、上記合成例6と同様にして、下記式で表される重合体(P−6)1.02gを得た。得られた重合体のMnの値は6,800であり、Mw/Mnの値は1.8であった。また、化合物(A−4)及びメタクリロイルオキシ2−テトラヒドロピランに由来する繰り返し単位の含有割合は、39/61(モル比)であった。
【0135】
【化48】
Figure 0004586298
【0136】
【表1】
Figure 0004586298
【0137】
(3)レジストパターンの形成
(実施例1〜11及び比較例1)
表2に示す組成割合で、重合体[上記(2)で調製した(P−2)、(P−4)〜(P−6)、及び(p−1)]、酸発生剤[(B−1)〜(B−6)]、酸拡散制御剤[(C−1)〜(C−3)]、他の添加剤[(D−1)〜(D−3)]及び溶剤[(E−1)〜(E−4)]を混合して、均一溶液とした後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過し、溶液状の感放射線性樹脂組成物を調製した。
尚、重合体(p−1、比較例1用)、酸発生剤、酸拡散制御剤、他の添加剤及び溶剤は下記のものを用いた。
【0138】
【表2】
Figure 0004586298
【0139】
[重合体]
p−1:メタクリル酸t−ブチル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(共重合モル比=40/40/20、Mw=20,000)
[酸発生剤]
B−1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンメタンスルホネート
B−2:4−n−ブトキシ−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−3:ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−4:1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−5:ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド
[酸拡散制御剤]
C−1:3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール
C−2:N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン
C−3:N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール
[他の添加剤]
D−1:デオキシコール酸t−ブチル
D−2:1,3−ジ−t−ブチルアダマンタンジカルボン酸
D−3:リトコール酸t−ブチル
[溶剤]
E−1:2−ヘプタノン
E−2:シクロヘキサノン
E−3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−4:3−エトキシプロピオン酸エチル
【0140】
上記で得られた各感放射線性組成物溶液を、表面に膜厚520ÅのDeepUV30J[ブルワー・サイエンス(Brewer Science)社製]膜を形成したシリコーンウエハ(ARC)上にスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて、表3に示す条件でPBを行って形成した膜厚0.4μmのレジスト被膜に、(株)ニコン製「ArFエキシマレーザー露光装置」(レンズ開口数0.55、露光波長193nm)により、マスクパターンを介して露光した。その後、表3に示す条件でPEBを行ったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、25℃で1分間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
【0141】
【表3】
Figure 0004586298
【0142】
(4)レジストパターンの評価及びその方法
上記(3)で得られた各レジストパターンを用いて下記に示す方法により、各評価を行った。その結果を表4に示す。
(感度の測定)
線幅0.16μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
(解像度の測定)
最適露光量で解像される最小のレジストパターンの寸法を、解像度とした。
(パターン形状の測定)
線幅0.16μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面の下辺寸法L1と上辺寸法L2とを走査型電子顕微鏡により測定したとき、L2/L1が0.85〜1であり、且つパターン形状が裾を引いていない場合を、パターン形状が「良好」であるとした。
【0143】
【表4】
Figure 0004586298
【0144】
【発明の効果】
本発明は、新規な重合活性を有する脂環式炭化水素骨格含有化合物を提供する。この化合物重合活性を利用した重合性モノマーとして利用できる。
また、本発明は、新規な脂環式炭化水素骨格含有化合物由来の繰り返し単位を有する重合体を提供する。この重合体をベースポリマーとした化学増幅型レジストは遠紫外線に対しても透明性が高く、且つ主鎖に5員環を有するためにドライエッチング耐性を兼ね備えたレジスト材料として期待できる。
更に、本発明は、紫外線、遠紫外線、X線或いは荷電粒子線の如き各種の放射線を用いる超微細加工に好適なレジストとして有用な感放射線性樹脂組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で得られた化合物(A−2)における赤外分光分析の結果を示すチャート図である。
【図2】合成例1で得られた化合物(A−2)における1H−NMR分析の結果を示すチャート図である。
【図3】合成例4で得られた重合体(P−1)における赤外分光分析の結果を示すチャート図である。
【図4】合成例6で得られた重合体(P−4)における赤外分光分析の結果を示すチャート図である。

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表されることを特徴とする脂環式炭化水素骨格含有化合物。
    Figure 0004586298
    [式(1)中、Rは脂環式炭化水素骨格を有し且つ該Rの炭素数が4〜20である基を示し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
  2. 一般式(2)で表される請求項1記載の脂環式炭化水素骨格含有化合物。
    Figure 0004586298
    [式(2)中、(i)R、R及びRは相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数4〜20の3価の脂環式炭化水素基であるか、或いは、(ii)R及びRは相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成し、残りのRは水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。また、R及びRは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
  3. 酸解離性基を含有する請求項1又は2に記載の脂環式炭化水素骨格含有化合物。
  4. 一般式(3)で表される繰り返し単位を有するアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の酸解離性基含有重合体であって、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となることを特徴とする脂環式炭化水素骨格含有重合体。
    Figure 0004586298
    [式(3)中、Rは脂環式炭化水素骨格を有し且つ該Rの炭素数が4〜20である基を示し、R10及びR11は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
  5. 一般式(3)で表される繰り返し単位、及び酸解離性基を有するその他の繰り返し単位を有するアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の酸解離性基含有重合体であって、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となる請求項4記載の脂環式炭化水素骨格含有重合体。
  6. 一般式(3)における、Rが酸解離性基を含有する有機基である請求項4記載の脂環式炭化水素骨格含有重合体。
  7. 請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の脂環式炭化水素骨格含有化合物と、酸解離性基を有するその他の共重合性有機化合物とを共重合させて得られる共重合体を含むアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の酸解離性基含有重合体であって、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となることを特徴とする脂環式炭化水素骨格含有重合体。
  8. 請求項3に記載の脂環式炭化水素骨格含有化合物を重合させて得られるアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の酸解離性基含有重合体であって、酸の作用により該酸解離性基が解離したときアルカリ可溶性となることを特徴とする脂環式炭化水素骨格含有重合体。
  9. 請求項4乃至8のいずれか1項に記載の重合体と、感放射線性酸発生剤と、を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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