JP4586140B2 - 熱線遮蔽剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤 - Google Patents

熱線遮蔽剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤 Download PDF

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Description

本発明は、近赤外線を吸収するポリアゾ化合物を含有する熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤に関するものであり、特に基材に被覆することにより簡単に近赤外線を吸収する被膜を作成可能であり、得られる被膜は基材との密着性、耐候性等に優れた熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤に関する。
最近、広範囲な産業分野にわたって近赤外線に関連する技術開発が注目を集めており、それに伴って優れた近赤外線吸収剤の開発もまた活発であり、既に多くの提案がなされている。例えば、特許文献1:特公昭43−25335号公報にはN,N,N’,N’−テトラキス(p−置換フェニル)−p−フェニレンジアミン類又はベンジジン類及びそれらのアルミニウム塩又はジイモニウム塩が記載されており、また、特許文献2〜4:特開昭61−215662号公報、特開昭63−154767号公報、特公平1−19693号公報などにはナフタロシアニン型の化合物が記載されている。更に、特許文献5:特公昭63−31471号公報ではピリリウム塩誘導体が近赤外光吸収色素、フィルター用色素或いは近赤外光増感色素として有用であり、特にレーザー光に対して極めて有効な不飽和吸収剤であることが記載されている。
一方、特許文献6,7:特公昭60−42269号公報、特開平3−159786号公報にはアゾ化合物が提案されているが、前者は金属錯化合物であり、この場合、溶剤への溶解性や金属が離れ易いなどの問題があり、後者はモノアゾ化合物ではあるが、アゾ成分のアルコキシ基或いはアルキルアミノ基のアルキル基として比較的長鎖状のものが結合しており、やはり入手の困難な化合物である。このように、上記公知の化合物は何れもそれらの分子構造が複雑であり、また、入手困難な高価な原料が使用されており、加えて製造工程も複雑であり、目的物質の得量も決して良好とはいえないので、その製品は極めて高価なものとならざるを得なかった。特に、金属錯化合物を用いる場合には、溶剤への溶解性が悪いとか金属が離れ易い等の問題があった。
本発明者らは、これら従来技術の問題点を解決するため、入手容易な原料を用いて、しかも製造容易なポリアゾ化合物に着目して、近赤外線吸収剤として近赤外線を効率的に吸収することのできる新規なポリアゾ化合物を開発し、提案した(特許文献8:特開平11−269136号公報、以下’136公報という)。しかし、このポリアゾ化合物でも近赤外線吸収能は必ずしも十分満足すべきものとはいえないので、本発明者らは、更に、特許文献9:特開2001−172607号公報において、これに第3物質として有機塩基性物質を添加することにより、これを改良しようとした。その結果、近赤外線吸収能を向上させ、ある場合にはその吸収波長域をより長波長域にシフトさせ、より目的に適合した効果を付与させることができるようになったが、この組成物を基材に塗工しても基本的に基材に載っているだけであり、密着性、耐候性、膜強度などはなく、膜としての特性は必ずしも十分なものでなく、その改良が望まれていた。
特公昭43−25335号公報 特開昭61−215662号公報 特開昭63−154767号公報 特公平1−19693号公報 特公昭63−31471号公報 特公昭60−42269号公報 特開平3−159786号公報 特開平11−269136号公報 特開2001−172607号公報
本発明は、入手容易な原料を用いて比較的簡単に合成することができ、近赤外線を効率的に吸収することのできるポリアゾ化合物を含有し、各種基材に密着性、耐候性のより良好な近赤外線吸収被膜を形成することができる熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、上記の’136公報に記載された発明は、ポリアゾ化合物において、その分子中のアゾ基に対してp−位に少なくとも1個の−OH基又は−OH基より誘導される基を含有する近赤外線吸収性のポリアゾ化合物及びその製造方法に関するものであるが、該化合物に窒素原子含有有機基を有する加水分解性シラン単独或いはこれと他の加水分解性シランとを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物を添加することにより、接着性、耐候性、耐擦傷性の良好な近赤外線吸収被膜を形成可能な熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(1)ポリアゾ化合物として、その分子中のアゾ基のp−位に少なくとも一個の、−OH基又は−OH基より誘導される−ORもしくは−OOCR(但し、Rは炭素数1〜6の一価炭化水素基を示す)基を含有する近赤外線吸収性ポリアゾ化合物、及び
(2)下記一般式(a)
YR1 mSiR2 3-m (a)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100質量部と、下記一般式(b)
3 nSiR4 4-n (b)
(式中、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物0〜200質量部とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物
を含有することを特徴とする熱線遮蔽剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤を提供する。
本発明によれば、入手容易な原料を用いて比較的簡単に合成することができ、近赤外線を効率的に吸収することのできるポリアゾ化合物を含む熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤が提供される。本発明のポリアゾ化合物含有熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤は、近赤外部に強い吸収を持つので、近赤外線吸収剤として、コンパクトディスク、レーザーディスク、光メモリーディスク、光カード等の光記録媒体、液晶表示装置、光学文字読取機など、或いは光導電材料、近赤外線吸収フィルター、感熱転写、感熱紙、感熱孔版等の光熱変換剤、自動車又は建材などの熱線遮剤に用いられ、更にその密着性、耐候性、耐擦傷性等の被膜特性も優れたものである。
本発明の熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤は、(1)ポリアゾ化合物として、その分子中のアゾ基のp−位に少なくとも一個の、−OH基又は−OH基より誘導される基を含有する近赤外線吸収性ポリアゾ化合物を含有する。
この場合、−OH基より誘導される基としては−OR,−OOCR(但し、R:CH3、C25、C49等の炭素数1〜6のアルキル基等の一価炭化水素基)基等が挙げられる。
上記ポリアゾ化合物の製造方法は、自体公知の手段により目的とする化合物を製造するもので、例えばジアゾ化可能な第一アミノ基を有する置換もしくは未置換の芳香族単環又は多環化合物、又は複素環化合物をジアゾ化し、得られたジアゾ成分と更にジアゾ化可能な第一アミノ基を有するアゾ成分と順次カップリングさせることからなり、最終のアゾ成分は該アゾ成分がカップリングして生ずるアゾ基に対してp−位に−OH基又は−OH基より誘導される基が存在するようにするものである。本発明のポリアゾ化合物においては、その分子中に少なくとも2個以上のアゾ基を有すること、及び該アゾ基に対してp−位に−OH基又は−OH基より誘導される基が存在し得るようにアゾ成分を選択することが重要である。特にアゾ基を有する芳香族単環もしくは芳香族縮合環又は縮合複素環のアゾ基に対してp−位に−OH基又は−OH基より誘導される基が存在するものである。即ち、これらの条件が満たされることによってはじめて近赤外部において吸収を示すようになる。
本発明において使用し得る近赤外線吸収剤としては’136公報に含まれるポリアゾ化合物で、その代表的な具体例を以下に示す。
Figure 0004586140
Figure 0004586140
Figure 0004586140
Figure 0004586140
Figure 0004586140
本発明は、上記(1)成分に加えて、更に(2)下記一般式(a)
YR1 mSiR2 3-m (a)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100質量部と、下記一般式(b)
3 nSiR4 4-n (b)
(式中、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物0〜200質量部とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物を配合する。この有機ケイ素化合物は、近赤外線吸収能を向上させ、更にバインダー効果のある成分である。
即ち、上記’136公報に提示されている近赤外線吸収性ポリアゾ化合物を各種材料に加工する場合、上記特定の強い塩基性である有機ケイ素化合物を添加することにより、近赤外線吸収能を向上させ、ある場合にはその吸収波長域を、より長波長域にシフトさせ、より目的に適合した効果を期待することが可能である。更にその有機ケイ素化合物はバインダーとなって、基材に被覆した場合、良好な膜特性、密着性、耐候性を与える効果をもつ。
本発明の熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤を得るために用いる有機ケイ素化合物の窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)は、近赤外線吸収能を向上させるため、更には系が水系の場合に水溶性にするために用いられるための成分でもあり、下記一般式(a)で表されるもので、その1種又は2種以上を適宜選定して用いられる。また、その部分加水分解物を用いることもできる。
YR1 mSiR2 3-m (a)
ここで、R1は炭素数1〜8の窒素原子を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子などで置換した例えばハロゲン化アルキル基などが挙げられる。具体的には、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(CH32、−CH2CH2CH2CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−CH2CH(CH32、−C(CH33、−C65、−C613などが例示される。
また、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3、−OCH2CH3、−OCH2CH2CH3、−OCH(CH32、−OCH2CH2CH2CH3、−OCH(CH3)CH2CH3、−OCH2CH(CH32、−OC(CH33、−OCOCH3、−OCOCH2CH3などが例示されるが、中でも−OCH3、−OC25が好ましい。
Yは窒素原子含有有機基であり、例えば下記式(c)〜(f)で示されるものが挙げられる。
Figure 0004586140
(式中、R5,R6,R9〜R13は水素原子又は炭素数1〜8の一価炭化水素基で、R5とR6、R9とR10とR11、R12とR13は互いに同一であっても異なっていてもよい。Rはハロゲン原子を示す。R7,R8は炭素数1〜8の二価炭化水素基で、R7とR8は互いに同一であっても異なっていてもよい。pは0又は1〜3の整数である。)
なお、炭素数1〜8の一価炭化水素基は、R1で説明したものと同様である。炭素数1〜8の二価炭化水素基としては、アルキレン基などが挙げられる。
Yとして具体的には、下記式で示されるものを挙げることができる。
2NCH2−、
H(CH3)NCH2−、
2NCH2CH2−、
H(CH3)NCH2CH2−、
2NCH2CH2CH2−、
H(CH3)NCH2CH2CH2−、
(CH32NCH2CH2CH2−、
2NCH2CH2HNCH2CH2CH2−、
H(CH3)NCH2CH2HNCH2CH2CH2−、
(CH32NCH2CH2HNCH2CH2CH2−、
2NCH2CH2HNCH2CH2HNCH2CH2CH2−、
H(CH3)NCH2CH2HNCH2CH2HNCH2CH2CH2−、
Cl-(CH33+CH2CH2CH2−、
Cl-(CH32(C65CH2)N+CH2CH2CH2−、
Cl-(CH32(C1837)N+CH2CH2CH2−、
Figure 0004586140
これらの中で以下のものが好ましい。
2NCH2CH2HNCH2CH2CH2−、
2NCH2CH2CH2
なお、mは0又は1である。
上記式(a)の窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)としては、下記のものを例示することができる。
2NCH2Si(OCH33
2NCH2Si(OCH2CH33
2NCH2SiCH3(OCH32
2NCH2SiCH3(OCH2CH32
2NCH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2SiCH3(OCH32
2NCH2CH2SiCH3(OCH2CH32
2NCH2CH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
2NCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
H(CH3)NCH2CH2CH2Si(OCH33
H(CH3)NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
H(CH3)NCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
H(CH3)NCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
(CH32NCH2CH2CH2Si(OCH33
(CH32NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
Cl-(CH33+CH2CH2CH2Si(OCH33
Cl-(CH33+CH2CH2CH2Si(OCH2CH33
Cl-(CH32(C65CH2)N+CH2CH2CH2Si(OCH33
Cl-(CH32(C65CH2)N+CH2CH2CH2Si(OCH2CH33
Cl-(CH32(C1837)N+CH2CH2CH2Si(OCH33
Cl-(CH32(C1837)N+CH2CH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2HNCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
2NCH2CH2HNCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
2NCH2CH2HNCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2HNCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2HNCH2CH2HNCH2CH2CH2SiCH3(OCH32
2NCH2CH2HNCH2CH2HNCH2CH2CH2SiCH3(OCH2CH32
Figure 0004586140
Figure 0004586140
これらの中で特に好ましくは、
2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
2NCH2CH2CH2Si(OCH33
2NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
であり、これらの部分加水分解物を用いてもよい。
一方、上記加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物と混合して用いられる加水分解性シラン(B)は、下記一般式(b)で表され、その1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その部分加水分解物を使用してもよい。
3 nSiR4 4-n (b)
ここで、R3は炭素数1〜8の窒素原子を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、上記R1で説明したものと同様である。具体的には、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(CH32、−CH2CH2CH2CH3、−CH(CH3)CH2CH3、−CH2CH(CH32、−C(CH33、−C65、−C613などが例示される。
また、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基であり、具体的には、−OCH3、−OCH2CH3、−OCH2CH2CH3、−OCH(CH32、−OCH2CH2CH2CH3、−OCH(CH3)CH2CH3、−OCH2CH(CH32、−OC(CH33、−OCOCH3、−OCOCH2CH3などが例示されるが、中でも−OCH3、−OC25が好ましい。
なお、nは0,1又は2である。
この式(b)の加水分解性シラン(B)としては、下記のものを例示することができる。
Si(OCH34
Si(OCH2CH34
Si(OCH2CH2CH34
Si(OCH2CH2CH2CH34
CH3Si(OCH33
CH3Si(OCH2CH33
CH3Si(OCH2CH2CH33
CH3Si(OCH2CH2CH2CH33
(CH32Si(OCH32
(CH32Si(OCH2CH32
(CH32Si(OCH2CH2CH32
(CH32Si(OCH2CH2CH2CH32
Figure 0004586140
これらの中で特に好ましくは、Si(OCH34、Si(OCH2CH34、CH3Si(OCH33、CH3Si(OCH2CH33及びこれらの部分加水分解物である。
上記式(a)の窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物に式(b)の加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物を混合して用いる場合、その混合比は、窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100質量部に対して加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物0〜200質量部の割合であり、より好ましくは0〜150質量部、特に好ましくは0〜100質量部である。この量が200質量部を超えると塩基性が弱くなったり、液の安定性が悪化する場合がある。
上記加水分解性シラン(A)単独或いは(A)、(B)又はそれらの部分加水分解物を用いて加水分解し、本発明の有機ケイ素化合物を得る場合の溶媒系について説明する。
ポリアゾ化合物(1)が水溶性化合物である場合は、有機ケイ素化合物(2)の溶剤は水が好ましい。その場合、溶媒は主として水を使用するが、必要に応じて、水と溶解する有機溶媒であるアルコール、エステル、ケトン、グリコール類を水に添加する形で用いることができる。有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、グリセリン、ジエチレングリコール等のグリコール類などを挙げることができる。
また、ポリアゾ化合物(1)が油溶性化合物である場合は、有機ケイ素化合物(2)の溶媒はポリアゾ化合物(1)が溶解する溶媒を用いるのが好ましい。その場合、炭化水素系溶剤、アルコール類、THFなどのエーテル類、N−メチルピロリドン、DMFなどの窒素含有溶剤、DMSOなどの硫黄含有溶剤などを挙げることできる。
溶媒の量は原料シラン100質量部に対して400〜5,000質量部が好ましい。更に好ましくは1,000〜3,000質量部である。溶媒の量が400質量部より少ないと反応が進行しすぎ、系が均一にならない場合がある。また、液の保存安定性も悪くなる場合がある。一方、5,000質量部より多いと経済的に不利な場合が生じる。
また、溶媒系が水過剰系の場合には、溶媒中の水の量は、水/原料シランのモル比率で5〜50が好ましい。このモル比率が5より少ないと加水分解が完全に進行しにくく、液の安定性が悪化する場合がある。一方、50を超えると経済的に不利な場合が生じる。
溶媒系が有機溶剤系である場合、溶剤中の水の量は、水/原料シランのモル比率で0.1〜10が好ましい。このモル比率が0.1より少ないと得られる被膜特性が悪い場合がある。一方、10を超えると液の安定性が悪化する場合がある。
反応方法としては、
(I)(A)単独或いは混合シランを溶剤(含水)中に滴下する方法、
(II)(A)単独或いは混合シラン、或いは有機溶剤含有シラン中に水を滴下する方法、
(III)(B)を最初に有機溶剤(含水)中に滴下し、その後、(A)を滴下する方法、
(IV)(A)を有機溶剤(含水)中に滴下し、その後(B)を滴下する方法
などが挙げられるが、ポリアゾ化合物(1)が水溶性の場合は(I)の反応方法が好ましい。一方、ポリアゾ化合物(1)が油溶性の場合は(II)の反応方法が好ましい。
なお、得られた有機ケイ素化合物を水溶液の形で得る場合、必要に応じて、更に水を加えたり、除去したりして、有機ケイ素化合物100質量部に対して水10〜2,000質量部、好ましくは10〜1,000質量部の比率に調整することにより、有機ケイ素化合物を形成することができる。この場合、水の量が10質量部より少ないと有機ケイ素化合物自体の保存安定性が悪化する場合がある。また、2,000質量部より多いと有機ケイ素化合物を加える量が多くなってしまい、コスト的に好ましくない。
また、得られた有機ケイ素化合物を有機溶剤溶液の形で得る場合、必要に応じて、更に溶剤を加えたり、除去したりして、有機ケイ素化合物100質量部に対して溶剤10〜2,000質量部、好ましくは10〜1,000質量部の比率に調整することにより、有機ケイ素化合物を形成することができる。この場合、溶剤の量が10質量部より少ないと有機ケイ素化合物自体の保存安定性が悪化する場合がある。また、2,000質量部より多いと有機ケイ素化合物を加える量が多くなってしまい、コスト的に好ましくない。
このようにして得られた有機ケイ素化合物は、保存安定性も高く、特に強塩基性であるため、ポリアゾ化合物(1)に添加した時の近赤外線吸収効果を高め、更には基材に塗布した時の膜特性を良好にすることが可能である。
本発明の熱線遮剤、熱線カットフィルム及び光熱変換剤には、更に近赤外線吸収効果を高めるために、添加物として塩基性化合物を加えてもよい。塩基性化合物としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、炭酸カリ等の無機塩基性化合物、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピリジン等の有機アミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)、6−ブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBA−DBU)等が挙げられる。
なお、塩基性化合物の配合量は、ポリアゾ化合物1質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。特に0.1〜5質量部であることが好ましい。
本発明に係る近赤外線吸収性ポリアゾ化合物(1)と、特定の有機ケイ素化合物(2)とを含有する本発明の熱線遮剤は、各種のポリマー、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなどのビニル重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂中に添加して、これを適当な形態、例えば、チップ状、板状、シート状、フィルム状、或いは糸状などに成形したりしてもよいし、紙、プラスチック、金属、織物等各種材料に塗工して熱線カットフィルムとして使用することができる。なお、本発明の組成物をポリマーに添加する場合、その添加量は、ポリマー100質量部に対して近赤外線吸収性組成物固形分として0.01〜50質量部が好ましい。また、被膜を形成する場合、その厚さは、1〜10μmが好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
[有機ケイ素化合物の合成]
水溶液系の有機ケイ素化合物合成例
[合成例1]
水120g(6.67mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH3344.4g(0.2mol)、Si(OCH2CH3418.7g(0.09mol)及びCH3Si(OCH331.4g(0.01mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、26℃から49℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したアルコールを除去することにより、有機ケイ素化合物−1を119g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は30.5%であった。
[合成例2]
水315g(17.5mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33111g(0.5mol)、Si(OCH2CH3423.4g(0.11mol)及びCH3Si(OCH331.7g(0.013mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、26℃から56℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したアルコールを除去することにより、有機ケイ素化合物−2を260g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は29.8%であった。
[合成例3]
水236g(13.1mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33111g(0.5mol)、Si(OCH2CH3446.8g(0.23mol)、CH3Si(OCH333.4g(0.025mol)及びCl-(CH32(C1837)N+CH2CH2CH2Si(OCH331.3g(0.0025mol)を混合したものを室温で10分間かけて滴下したところ、26℃から58℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したアルコールを除去することにより、有機ケイ素化合物−3を222g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は29.8%であった。
[合成例4]
水260g(14.4mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33111g(0.5mol)を室温で10分間かけて滴下したところ、26℃から60℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−4を240g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は30.2%であった。
[合成例5]
水120g(6.67mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた500mlの反応器に入れ、撹拌混合した。ここにH2NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33111g(0.5mol)を室温で10分間かけて滴下したところ、26℃から59℃に内温が上昇した。更にオイルバスにて60〜70℃に加熱し、そのまま1時間撹拌を行った。次にエステルアダプターを取り付け、内温99℃まで上げ、副生したメタノールを除去することにより、有機ケイ素化合物−5を170g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は31.2%であった。
溶剤系の有機ケイ素化合物合成例
[合成例6]
THF300g(4.2mol)及びH2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33131g(0.5mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた1リットルの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに水15.9g(0.89mol)を室温で10分間かけて滴下したところ、27℃から29℃に内温が上昇した。そのまま室温下で4時間撹拌を行った。有機ケイ素化合物−6を429g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は22.6%であった。
[合成例7]
THF267.5g(3.7mol)、H2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33111g(0.5mol)、Si(OCH2CH3423.4g(0.11mol)及びCH3Si(OCH331.7g(0.013mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた1リットルの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに水16.9g(0.93mol)を室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から28℃に内温が上昇した。そのまま室温下で4時間撹拌を行った。有機ケイ素化合物−7を408g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は22.7%であった。
[合成例8]
THF384g(5.3mol)、H2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33100g(0.45mol)及びH2NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33100g(0.45mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた1リットルの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに水8.1g(0.45mol)を室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から30℃に内温が上昇した。そのまま室温下で4時間撹拌を行った。有機ケイ素化合物−8を579g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は14.0%であった。
[合成例9]
THF313g(4.3mol)、H2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH3350g(0.23mol)及びH2NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33100g(0.45mol)を撹拌機、温度計及び冷却器を備えた1リットルの反応器に入れ、撹拌混合した。ここに水6.1g(0.38mol)を室温で10分間かけて滴下したところ、25℃から31℃に内温が上昇した。そのまま室温下で4時間撹拌を行った。有機ケイ素化合物−9を456g得た。このものの不揮発分(105℃/3時間)は15.0%であった。
[実施例1]
下記に示すポリアゾ化合物(i)
Figure 0004586140
を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(i) 0.004g
有機ケイ素化合物−1 32.8g
溶媒:水 32.6g
溶媒:エタノール 32.6g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図1及び図2に示されるような結果を得た。なお、透過率曲線は常法に従って吸光曲線と同様にして測定した。フィルムを分光光度計(Hitachi U−2010)のホルダーの大きさに切ってセットして測定した。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。
また、硬化被膜の各種物性の測定及び評価は以下の方法で行った。
硬化被膜の密着性:
JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃で1mm間隔の縦横11本ずつ切り目を入れて100個のゴバン目をつくり、市販セロハンテープをよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したます目数(X)をX/100で表示した。
耐擦傷性試験:
HEIDON社製のScratching Intensity Tester機により、荷重1.2kgをかけてネル布で1,000回往復摩耗を行った後、状態を観察した。
○:傷なし
△:多少傷あり
×:剥がれる
その結果を表1に示す。
[実施例2]
上記のポリアゾ化合物(i)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(i) 0.004g
有機ケイ素化合物−2 33.6g
溶媒:水 33.2g
溶媒:エタノール 33.2g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図3及び図2に示されるような結果を得た。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[実施例3]
上記のポリアゾ化合物(i)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(i) 0.004g
有機ケイ素化合物−3 33.1g
溶媒:水 33.45g
溶媒:エタノール 33.45g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図4及び図2に示されるような結果を得た。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[実施例4]
上記のポリアゾ化合物(i)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(i) 0.004g
有機ケイ素化合物−4 33.1g
溶媒:水 33.45g
溶媒:エタノール 33.45g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図5及び図2に示されるような結果を得た。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[実施例5]
上記のポリアゾ化合物(i)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(i) 0.004g
有機ケイ素化合物−5 32.1g
溶媒:水 33.95g
溶媒:エタノール 33.95g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図6及び図2に示されるような結果を得た。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[実施例6]
下記に示すポリアゾ化合物(ii)
Figure 0004586140
を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(ii) 0.25g
有機ケイ素化合物−6 44.0g
溶媒:メチルエチルケトン 55.75g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図7及び図8に示されるような結果を得た。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[実施例7]
上記のポリアゾ化合物(ii)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(ii) 0.25g
有機ケイ素化合物−7 44.0g
溶媒:メチルエチルケトン 55.75g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図9及び図8に示されるような結果を得た。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[実施例8]
上記のポリアゾ化合物(ii)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(ii) 0.25g
有機ケイ素化合物−8 71.0g
溶媒:メチルエチルケトン 28.75g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図10及び図8に示されるような結果を得た。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[実施例9]
上記のポリアゾ化合物(ii)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(ii) 0.25g
有機ケイ素化合物−9 66.3g
DBU 0.10g
溶媒:メチルエチルケトン 33.35g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じで有機ケイ素化合物を添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図11及び図8に示されるような結果を得た。このグラフより明らかなように、有機ケイ素化合物を添加したものは、添加しないものに比べて近赤外線吸収フィルムとしての性能がはるかに優れていることが分かる。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[比較例1]
上記のポリアゾ化合物(i)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(i) 0.5g
ゼラチン 10g
DBU 2.0g
溶媒(水) 87.5g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じでDBUを添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図12及び図2に示されるような結果を得た。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
[比較例2]
上記のポリアゾ化合物(ii)を用い、次の組成の塗工液を調製した。
ポリアゾ化合物(ii) 0.4g
変性ポリエステル 10g
DBU 2.0g
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 87.6g
この塗工液を次の塗工条件にてポリエステルフィルム[東レ(株)製、商品名ルミラー 厚み100μm]上に塗工し、近赤外線吸収フィルムを製造した。
塗工条件
バーコーダーNo.30、乾燥、100℃×1分
一方、他の条件は全く同じでDBUを添加しない組成の塗工液を同様に塗布したフィルムも製造し、両方のフィルムの透過率曲線を測定し、それぞれ図13及び図8に示されるような結果を得た。硬化被膜の各種物性の測定及び評価は実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
Figure 0004586140
表1の結果から、実施例1〜9で得られた近赤外線吸収フィルムは熱線カットを目的として、自動車の窓、家庭用窓ガラス等に用いることができる。
実施例1の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 実施例1において有機ケイ素化合物を含まない塗工液の透過率曲線である。 実施例2の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 実施例3の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 実施例4の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 実施例5の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 実施例6の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 実施例6において有機ケイ素化合物を含まない塗工液の透過率曲線である。 実施例7の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 実施例8の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 実施例9の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 比較例1の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。 比較例2の塗工液を塗布したフィルムの透過率曲線である。

Claims (11)

  1. (1)ポリアゾ化合物として、その分子中のアゾ基のp−位に少なくとも一個の、−OH基又は−OH基より誘導される−ORもしくは−OOCR(但し、Rは炭素数1〜6の一価炭化水素基を示す)基を含有する近赤外線吸収性ポリアゾ化合物、及び
    (2)下記一般式(a)
    YR1 mSiR2 3-m (a)
    (式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
    で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100質量部と、下記一般式(b)
    3 nSiR4 4-n (b)
    (式中、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
    で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物0〜200質量部とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物
    を含有することを特徴とする熱線遮蔽剤。
  2. 加水分解性シラン(A)が
    2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33
    2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
    2NCH2CH2CH2Si(OCH33、又は
    2NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
    であることを特徴とする請求項1記載の熱線遮蔽剤。
  3. 加水分解性シラン(B)が、
    Si(OCH34
    Si(OCH2CH34
    CH3Si(OCH33、又は
    CH3Si(OCH2CH33
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱線遮蔽剤。
  4. 水を媒体とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の熱線遮蔽剤。
  5. 有機溶剤を媒体とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の熱線遮蔽剤。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の熱線遮蔽剤を紙、プラスチック、金属又は織物に塗工してなることを特徴とする熱線カットフィルム。
  7. (1)ポリアゾ化合物として、その分子中のアゾ基のp−位に少なくとも一個の、−OH基又は−OH基より誘導される−ORもしくは−OOCR(但し、Rは炭素数1〜6の一価炭化水素基を示す)基を含有する近赤外線吸収性ポリアゾ化合物、及び
    (2)下記一般式(a)
    YR1 mSiR2 3-m (a)
    (式中、R1は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、Yは窒素原子含有有機基であり、mは0又は1である。)
    で表される窒素原子含有有機基を含有する加水分解性シラン(A)又はその部分加水分解物100質量部と、下記一般式(b)
    3 nSiR4 4-n (b)
    (式中、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基、R4は炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシロキシ基、nは0,1又は2である。)
    で表される加水分解性シラン(B)又はその部分加水分解物0〜200質量部とを加水分解することによって得られる有機ケイ素化合物
    を含有することを特徴とする光熱変換剤。
  8. 加水分解性シラン(A)が
    2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH33
    2NCH2CH2HNCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
    2NCH2CH2CH2Si(OCH33、又は
    2NCH2CH2CH2Si(OCH2CH33
    であることを特徴とする請求項7記載の光熱変換剤。
  9. 加水分解性シラン(B)が、
    Si(OCH34
    Si(OCH2CH34
    CH3Si(OCH33、又は
    CH3Si(OCH2CH33
    であることを特徴とする請求項7又は8記載の光熱変換剤。
  10. 水を媒体とすることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載の光熱変換剤。
  11. 有機溶剤を媒体とすることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載の光熱変換剤。
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