JP4586089B2 - 通信システム、ホスト装置及び端末装置 - Google Patents

通信システム、ホスト装置及び端末装置 Download PDF

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Description

本発明は、周辺装置と通信接続可能に構成されるホスト装置、端末装置及びこれらを含む通信システム、通信制御方法、プログラム、並びに情報記憶媒体に関する。
通信機器が他の通信機器との間で通信を行う場合、例えば無線通信や多数の通信機器が接続されうるネットワーク経由の通信など、通信規格や接続の態様によっては、まず通信相手を特定するための情報(例えば機器の識別情報やネットワークアドレスなど)を取得する必要がある。具体例として、ホスト装置と周辺装置とがBluetooth(登録商標)規格による通信を行う際には、互いを通信相手として特定するための通信先特定情報として、Bluetooth機器アドレスを交換するペアリング処理を予め実行する。このように周辺装置がホスト装置を通信相手として特定するための通信先特定情報を取得する方法の一例として、周辺装置をBluetooth規格とは別の通信手段(例えばUSBインタフェースなど)によってホスト装置に直接接続することにより、ホスト装置から周辺装置に通信先特定情報を送信する方法がある。この例では、周辺装置はUSB(Universal Serial Bus)インタフェースなどの第1の通信手段、及びBluetooth規格による無線通信などの第2の通信手段の双方でホスト装置と通信接続可能に構成され、第2の通信手段によってホスト装置と通信接続するために必要な通信先特定情報を、第1の通信手段による通信接続によってホスト装置から取得することになる。
例えば携帯型の情報端末やゲーム機など、実装上の制約などの理由で、前述した第1の通信手段による周辺装置との通信接続を実現できない通信機器(以下、端末装置という)もある。この場合、端末装置は、第2の通信手段を実現するインタフェースを備えていても、第2の通信手段による通信を行うために必要な通信先特定情報を、周辺装置に対して提供できないことになってしまう。
本発明は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、第2の通信手段による通信の相手先を特定する情報を第1の通信手段によって取得する周辺装置と、端末装置と、の間の第2の通信手段による通信接続を、直接的な両者の第1の通信手段による通信接続を行うことなく実現するための通信システム、ホスト装置、端末装置、通信制御方法、プログラム、及び情報記憶媒体を提供することにある。
本発明に係る通信システムは、ホスト装置と、前記ホスト装置と通信接続可能な端末装置と、第1の通信手段により前記ホスト装置と接続可能であるとともに、第2の通信手段により前記端末装置と接続可能な周辺装置と、を含む通信システムであって、前記端末装置は、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、当該端末装置を特定する情報を前記ホスト装置に対して送信する手段を含み、前記ホスト装置は、前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記通信先特定情報として前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信する通信先特定情報送信手段を含み、前記周辺装置は、前記通信先特定情報送信手段が送信する通信先特定情報により特定される通信相手と、前記第2の通信手段により通信接続する手段を含むことを特徴とする。
上記通信システムにおいて、前記周辺装置は、前記第2の通信手段により前記ホスト装置とも接続可能であって、前記ホスト装置の前記通信先特定情報送信手段は、前記端末装置と接続されない状態で前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合には、前記通信先特定情報として当該ホスト装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信することとしてもよい。
また、本発明に係るホスト装置は、端末装置と通信接続可能であるとともに、第1及び第2の通信手段を備えた周辺装置と前記第1の通信手段を介して接続可能なホスト装置であって、前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、前記端末装置から取得した前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信する通信先特定情報送信手段を含むことを特徴とする。
上記ホスト装置は、前記第2の通信手段を介して前記周辺装置と接続可能であって、前記通信先特定情報送信手段は、前記端末装置と接続されない状態で前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合には、前記通信先特定情報として当該ホスト装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信することとしてもよい。
さらに、前記通信先特定情報送信手段は、前記端末装置と接続されない状態で前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合には、当該ホスト装置が前記第2の通信手段で通信を行う際の通信相手として前記周辺装置を特定するための情報を前記周辺装置から取得し、前記端末装置と接続された状態で前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合には、前記周辺装置から取得した、前記端末装置が前記第2の通信手段で通信を行う際の通信相手として前記周辺装置を特定するための情報を、前記端末装置に対して送信することとしてもよい。
また、上記ホスト装置において、前記通信先特定情報送信手段は、前記端末装置が所定の動作モードで動作中に前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記通信先特定情報として前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に送信することとしてもよい。
また、本発明に係る端末装置は、第1の通信手段によりホスト装置と接続可能であるとともに、第2の通信手段により周辺装置と接続可能な端末装置であって、前記ホスト装置と接続された場合に、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、当該端末装置を特定する情報を前記ホスト装置に対して送信する通知手段を含むことを特徴とする。
また、上記端末装置は、ユーザの指示操作に応じて、前記周辺装置に前記通信先特定情報を通知するための接続動作モードを含む複数の動作モードのいずれかで動作し、前記ホスト装置に接続される際に前記ホスト装置に送信する、当該端末装置の種別を示す情報を、前記動作モードに応じて変化させる手段をさらに含み、前記通知手段は、前記接続動作モードで前記ホスト装置と接続された場合に、前記通信先特定情報として前記端末装置を特定する情報を前記ホスト装置に対して送信することとしてもよい。
また、本発明に係る通信制御方法は、端末装置と通信接続可能であるとともに、第1及び第2の通信手段を備えた周辺装置と前記第1の通信手段を介して接続可能なホスト装置による通信制御方法であって、前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、前記端末装置から取得した前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信するステップを含むことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、端末装置と通信接続可能であるとともに、第1及び第2の通信手段を備えた周辺装置と前記第1の通信手段を介して接続可能なホスト装置を、前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、前記端末装置から取得した前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信する通信先特定情報送信手段、として機能させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されてよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るホスト装置及び端末装置を含んだ通信システム1の構成を示すブロック図である。同図に示されるように、通信システム1は、ホスト装置10、端末装置20、及び周辺装置30を含んで構成される。
ホスト装置10は、例えばパーソナルコンピュータや家庭用ゲーム機などの情報処理装置であって、制御部11と、記憶部12と、無線通信部13と、有線通信部14と、を含んで構成される。また、端末装置20は、例えば携帯型ゲーム機などの情報処理装置であって、制御部21と、記憶部22と、無線通信部23と、有線通信部24と、操作部25と、表示部26と、を含んで構成される。さらに、周辺装置30は、例えばキーボードやマウス、家庭用ゲーム機のコントローラ、ヘッドフォンなど、ホスト装置10や端末装置20と連携して動作する各種のデバイスであって、制御部31と、記憶部32と、無線通信部33と、有線通信部34と、を含んで構成される。
制御部11、21及び31は、いずれも例えばマイクロプロセッサ等であって、それぞれ記憶部12、22及び32に記憶されるプログラムに従って、各種の情報処理を実行する。本実施形態において制御部11、21及び31のそれぞれが実行する処理の具体例については、後述する。
記憶部12、22及び32は、例えばRAMやROM等のメモリ素子、あるいはハードディスク等を含んで構成され、それぞれ制御部11、21及び31が実行するプログラムや、各種のデータを記憶する。また、それぞれ制御部11、21及び31のワークメモリとしても動作する。なお、記憶部12、22及び32のそれぞれは、電源切断後もその記憶内容が消去されずに保持される不揮発性メモリと、電源切断後にはその記憶内容が消去される一時メモリと、を備えている。
無線通信部13、23及び33は、Bluetooth規格に基づく無線通信インタフェースであって、伝送線を介さずに互いに情報の送受信を行う。本実施形態では、無線通信部13、23及び33が各装置における第2の通信手段に対応する。本実施形態では、周辺装置30と、ホスト装置10又は端末装置20のいずれかと、の間でこのBluetooth規格に基づく無線通信が実行される。
有線通信部14、24及び34は、USB規格に基づく有線通信インタフェースであって、接続ケーブルなどの伝送線を介して互いに情報の送受信を行う。本実施形態では、有線通信部14、24及び34が各装置における第1の通信手段に対応する。なお、本実施形態においては、ホスト装置10は、USB接続のホスト側機器として動作し、端末装置20及び周辺装置30は、USB接続のデバイス側機器として動作する。すなわち、ホスト装置10は、端末装置20及び周辺装置30のそれぞれと有線通信部14を介して接続可能になっているが、端末装置20と周辺装置30との間の接続は、有線通信部24及び34経由では行われない。また、USB接続のホスト側として動作する有線通信部14は、USB接続ケーブルを介して接続機器に対して電力供給を行う機能を兼ね備えてもよい。これにより、ホスト装置10は端末装置20や周辺装置30の充電を行うこともできる。
操作部25は、例えばボタン等の入力デバイスを含んで構成され、ユーザによる指示操作の内容を制御部21に対して出力する。また、表示部26は、例えば液晶パネル等を含んで構成され、制御部21の指示に基づいて、ユーザに対して提示すべき各種の情報を表示画面に表示する。
上述した通信システム1において、周辺装置30がホスト装置10又は端末装置20のいずれかと無線通信により情報の送受信を行う場合、予め無線通信を行う相手方の装置との間でペアリング処理が行われる必要がある。このペアリング処理は、無線通信を行う機器同士の間で、互いを通信相手として特定するための情報(以下、通信先特定情報という)を交換する処理である。これにより、両者は相手方の装置を無線通信の接続先として特定し、無線通信を実行することができる。一旦ペアリングが行われた後は、ペアリングが解消されるまで、ペアリングの対象となったホスト装置10又は端末装置20は、常に周辺装置30からの無線通信接続を受け付ける状態になる。同様に、一旦ペアリングが行われた後は、周辺装置30は、無線通信接続の必要が生じると、ペアリングされたホスト装置10又は端末装置20に対して自動的に無線通信接続を行う。
本実施形態においては、ホスト装置10と周辺装置30との間のペアリング処理は、両者が有線通信部14及び34を介して接続された状態で実行される。一方、前述したように端末装置20と周辺装置30とは直接的には有線接続されない。そのため、端末装置20と周辺装置30との間のペアリング処理は、両者がともにホスト装置10に対して有線接続された状態で、ホスト装置10を介して実行される。すなわち、ホスト装置10は、有線通信部14を介して周辺装置30が有線接続された際には、周辺装置30と自分自身との間のペアリング処理を行うか、または端末装置20と周辺装置30との間のペアリングを中継するペアリング中継処理を行うか、をユーザの意図に応じて選択する必要がある。
ユーザの明示の指示操作によってこの選択を行うことも考えられるが、例えばホスト装置10が家庭用ゲーム機であって、周辺装置30がその操作用の操作デバイスである場合など、周辺装置30がホスト装置10との間でペアリングされていない状態では、ユーザがホスト装置10に対して指示操作を行うことが困難な状況も考えられる。そこで本実施形態では、ホスト装置10は、有線通信部14に対する機器の接続順序に応じて、自分自身のペアリング処理を実行するか、あるいは端末装置20に対するペアリング中継処理を実行するかを選択することとする。すなわち、ホスト装置10は、端末装置20が有線接続されない状態で周辺装置30と接続された場合には、自分自身と周辺装置30との間のペアリング処理を実行する。一方、端末装置20が先に有線接続された状態でさらに周辺装置30と接続された場合には、ホスト装置10は、後述する端末装置20と周辺装置30との間のペアリングを中継するペアリング中継処理を実行する。これにより、ホスト装置10は有線通信部14への機器の接続状況に応じて、ペアリング処理及びペアリング中継処理のいずれかを適切に選択できる。また、ユーザのボタン等の操作デバイスに対する指示操作が不要となるので、例えばホスト装置10が別の処理を実行中であっても、機器の接続をトリガーとしてデバイスドライバプログラム等によってペアリング処理やペアリング中継処理が実行される。
以下、通信システム1で実行されるペアリング処理の流れの具体例について、説明する。以降に説明する各処理は、例えばホスト装置10の制御部11、端末装置20の制御部21及び周辺装置30の制御部31が、それぞれ記憶部12、22及び32に格納されるプログラムを実行することにより、実現される。これらのプログラムは、例えば光ディスクやメモリカード等の各種のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して提供されてもよい。なお、以降の説明においては、処理の流れの主要部分について記述しており、途中の処理について記載を省略している場合がある。また、以下の各図のフローにおいて、各装置間で行われる通信は、いずれも有線通信により実行される。
まず、ホスト装置10と周辺装置30との間で実行されるペアリング処理の例について、図2のフロー図に基づいて説明する。
例えばユーザがUSBケーブルで周辺装置30とホスト装置10とを接続することによって、周辺装置30は、自分自身が有線にて他の通信機器と接続されたことを検知する(S1)。これに応じて、周辺装置30は、USB接続の一般的なプロトコルに従って有線接続機器情報をホスト装置10に対して送信する(S2)。この有線接続機器情報は、周辺装置30自身に関する情報を含み、有線接続された相手先機器に対して接続された機器の種別などを通知するために送信される。具体的に、例えば有線接続機器情報は、機器の提供ベンダー情報や機種に関する情報、USB規格における機器の分類(クラス)に関する情報などを含んでいる。
なお、ホスト装置10側のここまで説明した処理はUSBネットワークインタフェースのデバイスドライバプログラム等によって実行され、これ以降の処理は、このようなプログラムから呼び出された周辺装置30の対応デバイスドライバプログラム等によって実行されることとしてもよい。例えばS2において有線接続機器情報にHID(Human Interface Devices)クラスであることを示す情報が含まれる場合、ホスト装置10は、HIDクラスに対応したデバイスドライバプログラムを実行することで、以降の処理を実現する。具体的に、ホスト装置10は、S2で送信される提供ベンダー情報や機種に関する情報を用いて、接続された機器の種別が予め定められたペアリング対象機器(ここでは周辺装置30)であるか否かを判定する。接続されたのがペアリング対象機器でなければ、ホスト装置10はその他のUSB接続機器が接続された場合に実行すべき処理を行う。一方、接続されたのがペアリング対象機器であれば、以下に説明するペアリング処理が実行される。
新たに有線接続された機器がペアリング対象機器である場合、続いてホスト装置10は、バージョン情報の送信要求を周辺装置30に対して送信する(S3)。これに対して、周辺装置30は自分自身のバージョン情報をホスト装置10に対して送信する(S4)。さらに、ホスト装置10は、周辺装置30の通信先特定情報の送信要求を周辺装置30に対して送信する(S5)。これに対して、周辺装置30は、自分自身を無線通信における通信相手として特定するための通信先特定情報(ここでは周辺装置30のBluetooth機器アドレス)をホスト装置10に対して送信する(S6)。
次に、ホスト装置10は、自分自身を無線通信における通信相手として特定するための通信先特定情報(ここではホスト装置10のBluetooth機器アドレス)を周辺装置30に対して送信する(S7)。送信された通信先特定情報を受信した周辺装置30は、このホスト装置10の通信先特定情報を記憶部32内の不揮発性メモリに格納し、受信した旨を示す応答をホスト装置10に対して返信する(S8)。
続いてホスト装置10は、S8で周辺装置30が記憶した通信先特定情報を検証するために、周辺装置30に対する問い合わせを行う(S9)。当該問い合わせに対して、周辺装置30はS8で格納されたホスト装置10の通信先特定情報を返信する(S10)。S10で返信された通信先特定情報が正しいことを検証すると、ホスト装置10はS6で取得した周辺装置30の通信先特定情報を記憶部12内の不揮発性メモリに格納する(S11)。
ここまでの処理により、無線通信を行うために最低限必要な、互いの通信先特定情報がホスト装置10と周辺装置30との間で交換されたことになる。これ以降、Bluetooth規格に基づく一般的な手順により、ホスト装置10と周辺装置30との間で無線通信による通信接続が確立される。すなわち、ホスト装置10はS10で記憶された周辺装置30の通信先特定情報を、周辺装置30はS8で記憶されたホスト装置10の通信先特定情報を、それぞれ用いて互いに無線接続による通信を行う。
次に、ホスト装置10を介した端末装置20と周辺装置30との間のペアリング処理の例について、図3及び図4のフロー図に基づいて説明する。
ここでは、まずユーザが端末装置20の操作部25に対して指示操作を行うことにより、端末装置20は自分自身の動作モードをペアリング動作モードへと切り替える(S21)。ここで、動作モードは、USB接続におけるデバイス側の機器としての端末装置20の動作を規定するモードである。すなわち、端末装置20は、有線通信部24を介して他の装置と接続された際に、接続された装置に対して送信する端末装置20自身に関する有線接続機器情報の内容を、この動作モードに応じて変化させる。これによって、端末装置20は、動作モードごとに異なる種類の装置として動作することができる。
具体的に、本実施形態において、端末装置20は、ユーザの操作部25に対する指示操作に応じて、ペアリング動作モード又はストレージ動作モードでの動作を開始する。ペアリング動作モードは、ホスト装置10を介して周辺装置30との間でペアリング処理を行うためのモードであり、端末装置20は、このモードにおいては自分自身のUSB規格における機器の分類がHIDクラスであるものとして、USBインタフェースによる接続を行う。一方、ストレージ動作モードにおいては、端末装置20は自分自身のUSB規格における機器の分類がマスストレージクラスであるものとして、USBインタフェースによる接続を行う。すなわち、この動作モードにおいてUSBホスト機器と接続された場合、端末装置20はストレージデバイスとして機能する。なお、端末装置20は、USB規格におけるクラスだけでなく、機器の提供ベンダー情報や機種に関する情報などについても、この動作モードに応じて変化させることとしてもよい。これにより、ホスト装置10は、同じ端末装置20が接続された場合であっても、動作モードに応じて異なる種類の機器が接続されたものと判定し、それぞれに応じたデバイスドライバプログラム等による処理を実行することができる。
S21でペアリング動作モードが開始されると、端末装置20は、表示部26に例えば「USBケーブルで本機をホスト装置と接続してください。」といったメッセージを表示させる。このメッセージに応じて、ユーザがUSBケーブルなどを用いて端末装置20とホスト装置10とを有線接続すると、端末装置20は、自分自身が有線にて他の通信機器と接続されたことを検知する(S22)。これに応じて、端末装置20は、自分自身の動作モードに応じた有線接続機器情報をホスト装置10に対して送信する(S23)。ここでは端末装置20はS21でペアリング動作モードに設定されているので、前述したように、有線接続機器情報には、端末装置20がHIDクラスであることを示す情報が含まれる。
ホスト装置10は、S23で送信される有線接続機器情報に対応したデバイスドライバプログラムによる処理を実行する。ここではHIDクラスであることを示す情報に対応したデバイスドライバプログラムが実行される。なお、前述した図2のフローの例においても、周辺装置30からはS2においてHIDクラスであることを示す情報が送信されるため、周辺装置30が接続された場合も、ペアリング動作モードで動作する端末装置20が接続された場合も、ホスト装置10は共通するデバイスドライバプログラムを実行することになる。ここで、ホスト装置10は、有線接続機器情報に含まれる接続機器の提供ベンダー情報や機種に関する情報を用いて、接続された機器の種別を判定し、判定された種別に応じた処理を実行することとする。すなわち、周辺装置30が接続された場合には前述したペアリング処理を実行し、ペアリング動作モードで動作する端末装置20が接続された場合には以下に説明するペアリング中継処理を行う。
すなわち、まずホスト装置10は、端末装置20の通信先特定情報の送信要求を端末装置20に対して送信する(S24)。これに対して、端末装置20は、自分自身を無線通信における通信相手として特定するための通信先特定情報(ここでは端末装置20のBluetooth機器アドレス)をホスト装置10に対して送信する(S25)。
S25で通信先特定情報を送信すると、端末装置20は、例えば「ホスト装置と周辺装置をUSBケーブルで接続してください。すでに接続されている場合は、USBケーブルを一度抜いてから接続しなおしてください。」といったメッセージを新たに表示部26に表示させる。一方、ホスト装置10は、有線通信部14に対して周辺装置30が接続されるのを待機する。
ユーザがこのメッセージに応じてUSBケーブルなどを用いて周辺装置30をホスト装置10に対して有線接続すると、周辺装置30は図2のフローにおけるS1及びS2と同様に、自分自身が有線にて他の通信機器と接続されたことを検知し(S26)、これに応じて、自分自身の有線接続機器情報をホスト装置10に対して送信する(S27)。
S27で送信される有線接続機器情報を受信したホスト装置10は、周辺装置30の通信先特定情報の送信要求を周辺装置30に対して送信する(S28)。これに対して、周辺装置30は、自分自身を無線通信における通信相手として特定するための通信先特定情報(ここでは周辺装置30のBluetooth機器アドレス)をホスト装置10に対して送信する(S29)。このS28及びS29の処理は、図2のフローにおけるS5及びS6の処理と同様の処理になっている。
次に、ホスト装置10は、図2のフローにおけるS7の処理とは異なり、S25の処理で取得した端末装置20の通信先特定情報(すなわち端末装置20のBluetooth機器アドレス)を周辺装置30に対して送信する(S30)。送信された通信先特定情報を受信した周辺装置30は、この端末装置20の通信先特定情報を、記憶部32内の不揮発性メモリに格納し、受信した旨を示す応答をホスト装置10に対して返信する(S31)。このS30及びS31の処理は、送信されるのがホスト装置10の通信先特定情報かあるいは端末装置20の通信先特定情報かの違いがあるほかは、図2のフローにおけるS7及びS8の処理と同様の処理になっている。
なお、ここでは記載を省略しているが、ホスト装置10及び周辺装置30は、図2のフローにおけるS3及びS4のバージョン情報の確認処理や、S9及びS10の通信先特定情報の検証処理などと同様の処理を、この図3及び図4のフローにおいても実行することとしてもよい。こうすれば、周辺装置30は、ホスト装置10との間でペアリングを行う場合も、端末装置20との間でペアリングを行う場合も、同様の処理を実行すればよいことになり、プログラムの内容を変更することなく、直接に接続されるホスト装置10との間のペアリング、及び直接的に接続されない端末装置20との間のペアリングの両方を実現することができる。
一方、S31の返信を受信したホスト装置10は、端末装置20に対して、S29で取得した周辺装置30の通信先特定情報を送信する(S32)。送信された通信先特定情報を受信した端末装置20は、この周辺装置30の通信先特定情報を、記憶部22内の不揮発性メモリに格納し、受信した旨を示す応答をホスト装置10に対して送信する(S33)。以上説明した処理によって、周辺装置30は端末装置20の通信先特定情報を記憶するとともに、端末装置20は周辺装置30の通信先特定情報を記憶し、両者のペアリングが行われたことになる。端末装置20は、S33の処理を実行するタイミングで、例えば「周辺装置を本機に登録しました。ホスト装置と周辺装置、ホスト装置と本機を接続しているUSBケーブルを抜いてください。」などといったメッセージを新たに表示部26に表示させてもよい。こうすれば、端末装置20側の表示によってユーザはペアリング処理が正常に終了したことを確認できる。
これ以降、図2のフローによるホスト装置10との間のペアリングが実行された場合と同様に、周辺装置30は、自分自身が記憶している通信先特定情報によって特定される装置(ここでは端末装置20)に対して、無線通信による通信接続を行う。また、端末装置20の側も周辺装置30の通信先特定情報を記憶しているので、この通信先特定情報によって特定される周辺装置30からの無線通信による接続を受け付けることができる。
以上説明した本実施形態によれば、端末装置20は、直接的に周辺装置30と有線通信による接続を行わなくとも、有線通信によってペアリングを行う周辺装置30との間で、ペアリング処理を行うことができる。また、ホスト装置10は、端末装置20又は周辺装置30のいずれかの接続をトリガーとして、自分自身のペアリング処理又は他の装置に対するペアリング中継処理のいずれかを適切に選択できる。
なお、本発明の実施の形態は、以上説明したものに限られない。例えば以上の説明においては、無線通信はBluetooth規格により、有線通信はUSB規格により、それぞれ行われることとしたが、各装置はこれ以外の通信規格に基づいて通信接続されることとしてもよい。例えばホスト装置10と端末装置20とは、ペアリング処理の際に周辺装置30がホスト装置10との間で行う通信接続の規格とは異なる通信規格に基づいて接続されてもよい。また、以上の説明においては、HIDクラスに対応したデバイスドライバプログラムが接続機器の種別に応じてペアリング処理を実行するか又はペアリング中継処理を実行するかを判断することとしたが、これに限らず、ホスト装置10は、有線接続機器情報によって特定される機器種別に応じて互いに独立した別のプログラムを実行することによって、ペアリング処理やペアリング中継処理を実現してもよい。
また、以上の説明においては、ホスト装置10は無線通信部13を備え、自分自身が周辺装置30との間で無線通信接続が可能であることとしたが、これに限らず、ホスト装置10は端末装置20と周辺装置30との間のペアリングを中継するペアリング中継処理だけを行い、自分自身は周辺装置30とのペアリングを行わないこととしてもよい。この場合には、ホスト装置10は必ずしも無線通信部13を備える必要はない。図5は、この場合のホスト装置10の構成例を示すブロック図である。この例では、ホスト装置10は、ペアリング中継処理の対象として予め定められた機器(ここでは端末装置20及び周辺装置30)が有線通信部14を介して接続された場合に、前述した図3及び図4のフロー図に示したようなペアリング中継処理を実行する。すなわち、ホスト装置10は、有線通信部14を介して端末装置20及び周辺装置30が接続された場合に、端末装置20から取得した端末装置20の通信先特定情報を周辺装置30に対して送信するとともに、周辺装置30から取得した周辺装置30の通信先特定情報を端末装置20に対して送信する。なお、この例では、ホスト装置10は図2のフローに示したようなペアリング処理は行わないため、端末装置20及び周辺装置30が有線通信部14に接続される順序は問わずに、いずれか一方又は両方の装置が接続されたことをトリガーとして、ペアリング中継処理を開始することとしてよい。また、ホスト装置10は、前述した例と同様に、端末装置20がペアリング動作モードで接続された場合だけペアリング中継処理を実行することとし、これ以外の動作モードで動作中の端末装置20が接続された場合には、ペアリング中継処理を実行しないこととしてもよい。なお、端末装置20の動作モードに関わらず、ホスト装置10は、端末装置20や周辺装置30が有線通信部14を介して接続された場合には、USB接続ケーブル経由で接続された機器の充電を行うこととしてもよい。
本発明の実施の形態に係るホスト装置及び端末装置を含んだ通信システムの構成を示すブロック図である。 ホスト装置と周辺装置との間のペアリング処理の例を示すフロー図である。 端末装置と周辺装置との間のペアリング処理の例を示すフロー図である。 端末装置と周辺装置との間のペアリング処理の例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係るホスト装置の別の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 通信システム、10 ホスト装置、11,21,31 制御部、12,22,32 記憶部、13,23,33 無線通信部、14,24,34 有線通信部、20 端末装置、25 操作部、26 表示部、30 周辺装置。

Claims (11)

  1. ホスト装置と、前記ホスト装置と通信接続可能な端末装置と、第1の通信手段により前記ホスト装置と接続可能であるとともに、第2の通信手段により前記端末装置と接続可能な周辺装置と、を含む通信システムであって、
    前記端末装置は、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、当該端末装置を特定する情報を前記ホスト装置に対して送信する手段を含み、
    前記ホスト装置は、前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記通信先特定情報として前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信する通信先特定情報送信手段を含み、
    前記周辺装置は、前記通信先特定情報送信手段が送信する通信先特定情報により特定される通信相手と、前記第2の通信手段により通信接続する手段を含む
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 請求項1記載の通信システムにおいて、
    前記周辺装置は、前記第2の通信手段により前記ホスト装置とも接続可能であって、
    前記ホスト装置の前記通信先特定情報送信手段は、前記端末装置と接続されない状態で前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合には、前記通信先特定情報として当該ホスト装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信する
    ことを特徴とする通信システム。
  3. 端末装置と通信接続可能であるとともに、第1及び第2の通信手段を備えた周辺装置と前記第1の通信手段を介して接続可能なホスト装置であって、
    前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、前記端末装置から取得した前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信する通信先特定情報送信手段を含む
    ことを特徴とするホスト装置。
  4. 請求項3記載のホスト装置において、
    前記第2の通信手段を介して前記周辺装置と接続可能であって、
    前記通信先特定情報送信手段は、前記端末装置と接続されない状態で前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合には、前記通信先特定情報として当該ホスト装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信する
    ことを特徴とするホスト装置。
  5. 請求項4記載のホスト装置において、
    前記通信先特定情報送信手段は、前記端末装置と接続されない状態で前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合には、当該ホスト装置が第2の通信手段で通信を行う際の通信相手として前記周辺装置を特定するための情報を前記周辺装置から取得し、前記端末装置と接続された状態で前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合には、前記周辺装置から取得した、前記端末装置が第2の通信手段で通信を行う際の通信相手として前記周辺装置を特定するための情報を、前記端末装置に対して送信する
    ことを特徴とするホスト装置。
  6. 請求項3から5のいずれか一項記載のホスト装置において、
    前記通信先特定情報送信手段は、前記端末装置が所定の動作モードで動作中に前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記通信先特定情報として前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に送信する
    ことを特徴とするホスト装置。
  7. 第1の通信手段によりホスト装置と接続可能であるとともに、第2の通信手段により周辺装置と接続可能な端末装置であって、
    前記ホスト装置と接続された場合に、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、当該端末装置を特定する情報を前記ホスト装置に対して送信する通知手段を含む
    ことを特徴とする端末装置。
  8. 請求項7記載の端末装置において、
    ユーザの指示操作に応じて、前記周辺装置に前記通信先特定情報を通知するための接続動作モードを含む複数の動作モードのいずれかで動作し、
    前記ホスト装置に接続される際に前記ホスト装置に送信する、当該端末装置の種別を示す情報を、前記動作モードに応じて変化させる手段をさらに含み、
    前記通知手段は、前記接続動作モードで前記ホスト装置と接続された場合に、前記通信先特定情報として前記端末装置を特定する情報を前記ホスト装置に対して送信する
    ことを特徴とする端末装置。
  9. 端末装置と通信接続可能であるとともに、第1及び第2の通信手段を備えた周辺装置と前記第1の通信手段を介して接続可能なホスト装置による通信制御方法であって、
    前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、前記端末装置から取得した前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信するステップを含む
    ことを特徴とする通信制御方法。
  10. 端末装置と通信接続可能であるとともに、第1及び第2の通信手段を備えた周辺装置と前記第1の通信手段を介して接続可能なホスト装置を、
    前記端末装置と接続され、かつ前記第1の通信手段を介して前記周辺装置と接続された場合に、前記周辺装置が前記第2の通信手段で通信を行う際に通信相手を特定するための通信先特定情報として、前記端末装置から取得した前記端末装置を特定する情報を前記周辺装置に対して送信する通信先特定情報送信手段、
    として機能させるためのプログラム。
  11. 請求項10記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
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