JP4585271B2 - 墜落防止用安全器 - Google Patents

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Description

この発明は、作業者が身に付けた安全帯のロープを、上下方向の親綱に係脱可能に接続するために使用する墜落防止用安全器に関するものである。
建設作業やビルの窓拭き作業等の高所作業において昇降を伴う場合には、その作業現場の柱、外壁に沿って垂直親綱が設けられ、その親綱に、作業者が身につけた安全帯のロープが接続される。その安全ロープは、通常、墜落防止用安全器を介して前記親綱に係合されているので、作業状況に応じてその親綱との係合を適宜係脱できるようになっている。
従来の墜落防止用安全器の構成は、例えば、図7に示すように、上下方向に設置された親綱Wを収納する溝7を有する親綱保持具1に、水平方向の揺動軸3を介して押圧部材5がその溝7の長さ方向に沿って上下方向へ揺動自在に設けられる。前記溝7の一方の側縁には蝶番2が設けられており、前記揺動軸3は前記溝7を跨いで設けられて、その一端でもって前記蝶番2を介して親綱保持具1に回動自在となっている。また、その揺動軸3の他端は、前記蝶板2の対側、すなわち溝7の他方の側縁に設けた軸受部15内のロック軸11を介して親綱保持具1に固定可能となっており、そのロック軸11が、軸方向に進退することにより前記揺動軸3に係止又は離脱して、前記揺動軸3を固定又は回動可能とし得るようになっている。
押圧部材5は、同図に示すように、下向きの断面L字状を成し、その中程、屈曲部付近に前記揺動軸3が挿通されている。また、その押圧部材5の一端5aに安全ロープRの接続部6が設けられ、他端5bの外側には、上下方向の鋸歯状刃先4aを有する押圧爪部4を形成している。親綱Wは、前記溝7の長さ方向に沿って摺動自在に収納され、前記押圧部材5がその溝7の長さ方向に揺動することにより、その押圧爪部4が前記溝7内に入り込んで前記親綱Wに圧接するようになっている。その押圧爪部4は、下方に向かうほど押圧部材5の前記揺動軸3から遠くなる上下方向の弧状面で構成され、その弧状面には前記鋸歯状刃先4aが形成されて、圧接した親綱Wに噛み合うようになっている。
また、前記ロック軸11は、図7に示すように、前記溝7の他方の側縁に設けた軸受部15に挿通されてその軸受部15内を上下方向に進退可能となっており、ばね12によって上方へ付勢されている。このロック軸11の長さ方向中程には、側方へ突出する操作ピン13が設けられており、ロック軸11の進退は、この操作ピン13を掴んで操作するようになっている。この操作ピン13は、ロック軸の進退に伴って、前記軸受部15に形成した上下方向のガイド溝8内を移動するようになっており、ロック軸11が図示する下方へ押し下げた状態において、その操作ピン13がガイド溝8下端の水平部に嵌ってその押し下げた状態を維持できるようになっている。
このロック軸11を押し下げた状態において、前記揺動軸3及び押圧部材5を蝶番2周りに回動させて、前記押圧爪部4を親綱保持具1内の親綱Wに押しつけると、前記揺動軸3先端が前記軸受部15の切欠き15a内に進入して、その揺動軸3他端に形成した上下方向のロック孔16が前記ロック軸11上方に位置するようになる。この状態で操作ピン13を横方向へ操作してガイド溝8の水平部から開放すると、ロック軸11が前記付勢力により上昇して前記ロック孔16に挿通されるので、揺動軸3及び押圧部材5は、前記蝶番2周りに横方向へ動かないよう固定される。その状態で、なお、押圧部材5は、前記揺動軸3周り上下方向に揺動可能となっている。
この墜落防止用安全器10の作用を、本発明の実施形態の説明図である図5(a)(b)に基づいて説明すると、まず、図5(a)に示すように、前記接続部6に繋がれた安全ロープRを下方に引く大きな荷重が作用していない場合には、前記押圧爪部4が親綱Wに押圧される力が弱いので、ロープRと親綱Wとはその係合が解除されている。すなわち、実作業において、例えば、作業者が定位置で作業している際、あるいは作業場所を変えるために昇降する際には、前記安全器10と親綱Wとの係合が解かれ、親綱Wは溝7内を摺動可能となり、作業者は自由に移動することができる。
一方、万が一作業者が転落した際には、図5(b)に示す状態において、接続部6に繋がれたロープRに荷重Fが作用し、前記押圧部材5はさらに揺動して、その押圧爪部4が溝7内に入り込んで図中の矢印Gの方向へ親綱Wに圧接する。この圧接により、親綱Wは溝7内に固定され、その押圧爪部4は親綱Wに噛み合って安全器10と親綱Wとが係合する。安全器10と親綱Wとが係合することにより、作業者は、その親綱W及び安全ロープRを介して支えられ、墜落を阻止するようになっている。(例えば、特許文献1参照)。
登録実用新案第3076914号公報
なお、特許文献2には、ロック軸を進退操作する前記操作ピンを突出して設けずに、ロック軸の一方の端部を掴んで進退操作できるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−17558号公報
しかし、上記図7に示す従来の墜落防止用安全器10では、ロック軸11を押し下げた状態(開放状態)で固定するために、その操作ピン13が、屈曲したガイド溝8内を移動するよう、そのロック軸11を軸方向進退させるとともに軸周り回転する操作をしなければならない。ロック軸11を、軸方向移動及び軸周り回転の2方向へ操作するには手間がかかり、また、その操作中、安全器が双方向へ動かないようにをしっかりと保持しなければならないので操作が面倒である。
また、ロック軸11を操作する操作ピン13が横方向へ突出しているので、その突出部分に物が触れることによりロック軸11が意に反して動くことがあるので好ましくない。さらに、その操作ピン13は、例えば、親綱Wが作業に伴って、あるいは風で揺れるなどした場合に、その突出した操作ピン13が窓や壁面等に当たって、その建造物を傷めてしまうことがある。また、この操作ピン13のロック軸11への取付けは、そのロック軸11を前記親綱保持具1に取り付けて組み立てた後に作業工程を設けなければならないので、製造上、工程が増えて好ましくない。
一方、特許文献2に記載の墜落防止用安全器は、ロック軸を前記開放状態に固定できないので、安全器を親綱に脱着する際には、ロック軸の端部を引張ってロックを解除し、押圧部材の操作が終わるまでその状態を維持しなければならないので、安全器の親綱への脱着作業が繁雑である。また、ばねによる付勢力のみによって前記ロック軸をロック状態に保持しているので、やはり、意に反してロック軸が進退して親綱との係合が外れてしまう危険性を排除できない。
さらに、上記いずれの墜落防止用安全器においても、作業場所から作業者が転落して墜落阻止された際に、宙づり状態の被災者が、親綱や他の固定物に体重をかけて懸垂動作をすると、安全器に作用する荷重が抜けることがある。安全器に作用する荷重が減少すると、親綱との係合が緩んで被災者が落下する可能性があるので危険である。一般に、押圧爪部の鋸歯先端角度は、それが先鋭であるほど力が集中して親綱との噛み合わせが強固になる。このため、両者の係合が緩まないようにするには、その先端を鋭くすることが好ましい。しかし、このように鋸歯先端を鋭くすると、安全器脱着、あるいは作業中、作業者の移動の際に押圧爪部と親綱とが摺動して、その親綱を傷めることになるので好ましくない。このため、従来は、鋸歯先端を極端に鋭くすることができなかった。
そこで、この発明は、墜落防止用安全器の親綱への脱着を容易にすることを第一の課題とし、その墜落防止用安全器が意に反して親綱から外れない、あるいは墜落阻止時に墜落防止用安全器と親綱との係合が緩まないようにすることを第二の課題とする。
上記第一の課題を解決するために、この発明は、親綱保持具に、ロック軸に向かって進退する係止部材を設け、その係止部材をロック軸に係合させて、軸方向に異なる位置で係止可能としたのである。このようにすれば、係止部材の作用により、安全器と親綱とが係合する状態にロック軸を固定でき、また、その安全器を親綱へ脱着する際には、ロック軸を開放状態に固定できるので、その脱着作業が容易になる。
また、上記第二の課題を解決するために、この発明はその係止部材を板状としてロック軸の周面に係合可能としたのである。このようにすれば、その板状係止部材の内側がロック軸周面に係合するので、係止部材及びロック軸には、その進退をロックするために外向きに突出する部分を設ける必要がない。突出部分がないため、その突出部分に物が当たることにより、ロック軸が意に反して動くことにより安全器が親綱から外れることを防止し得る。
さらに第二の課題を解決する別の手段として、親綱に噛み合う鋸歯先端角度を、その押圧部材の揺動中心から遠ざかるほど角度が小さくなるようにしたのである。このようにすれば、墜落阻止時には、角度の小さな鋸歯が親綱に噛み合って荷重が減少しても係合は緩まないようにし得るとともに、通常時、及び安全器脱着の際には、角度の大きな鋸歯のみが親綱に触れて摺動するのでその親綱を傷めないようにし得る。
この発明は、以上のようにしたので、墜落防止用安全器の突出部分が少なくなり、意に反して親綱から外れることを防止できるとともに、その安全器の親綱への脱着が容易となる。また、墜落阻止時には、親綱との係合が緩まないようにできる。
上記第一の課題を解決するための手段の具体的実施形態として、上下方向の親綱を溝を介してその長さ方向に摺動自在に収納した親綱保持具に、安全ロープが接続される押圧部材をその溝の長さ方向に沿って揺動自在に設ける。その押圧部材の揺動軸は前記溝を跨いでその一端でもって親綱保持具に回動自在で、その揺動軸の他端は、前記親綱保持具に設けたロック軸を介して親綱保持具に固定可能となっている。そのロック軸は、軸方向に進退可能でその進退によって前記揺動軸に係止又は離脱して揺動軸を固定又は回動可能とできるようになっており、親綱は前記溝内に嵌って、前記安全ロープを引くことにより、押圧部材が溝内に入り込んで親綱に圧接することによって親綱を溝内に固定し、押圧部材が溝内から出る方向に揺動して親綱を溝内に摺動可能とする墜落防止用安全器において、以下の構成を採用したものである。
その構成は、前記親綱保持具に前記ロック軸に向かって進退する係止部材を設け、その係止部材を前記ロック軸周面の軸方向の異なる位置で係止可能として、その一方の係止位置で、前記ロック軸の前記揺動軸との固定状態を維持し、他方の係止位置で、前記ロック軸の前記揺動軸の回動可能状態を維持するようにしたものである。このようにすれば、係止部材を介してロック軸を所定の複数の進退位置で固定できるので、安全器を親綱に係脱するために前記押圧部材を操作する際には、ロック軸は、揺動軸を回動可能状態に維持するようにロックできる。このため、ロック軸を保持し続ける必要がなく便利である。また、同じ機構により、ロック軸は、前記揺動軸を固定状態に維持するようにロックできるので、異なる位置で係止するに際し、別々の装置を設ける必要がない。このため、部品点数を減らし、装置の軽量化にも寄与し得る。
また、上記第二の課題を解決するための手段の具体的実施形態として、前記係止部材を板状片からなるものとして、その一端で前記ロック軸に向かって進退するように回動自在とし、他端に前記ロック軸周面の軸方向位置の異なる位置のスリットに係止する突起を設けた構成を採用し得る。このようにすれば、ロック軸及び係止部材には、外側に向く突出部分を設ける必要がない。突出部分がないので、安全器に物が当たることにより、意に反してロック軸が動いて押圧部材のロックが解除されることを防止し得る。併せて、親綱が揺れて安全器が建造物に当たった際に、その建造物を傷めることも防止し得る。
また、上記別の手段の具体的実施形態として、上記押圧部材が揺動することによりその押圧部材が親綱に圧接してロープと親綱とを係合する上記墜落防止用安全器において、以下の構成を採用することができる。その構成は、前記押圧部材が前記親綱に圧接する部分を、下方に向かうほど前記揺動軸から遠くなる上下方向の弧状面で構成し、その弧状面には上下方向に鋸歯状の押圧爪部を形成する。その押圧爪部の各鋸歯先端角度を、前記揺動軸に近い摺動部よりも揺動軸から遠い係合部の方が角度が小さくなるようにしたものである。
このようにすれば、墜落阻止時に親綱に噛み合う歯は、押圧部材の揺動中心から遠い係合部であり、その係合部の鋸歯先端の成す角度は相対的に小さい角度に設定しているので、親綱にしっかりと噛み合うようにできる。このため、作業者が宙づりになった状態において、作業者自身の荷重移動により多少その作用荷重が減少しても、なお係合が緩まないように維持することができる。また、通常時、あるいは安全器脱着の際に親綱に噛み合う歯は、押圧部材の揺動中心から近い摺動部であり、その摺動部の鋸歯先端の成す角度は相対的に大きい角度に設定しているので、その鋸歯が親綱に摺動してもその親綱が傷まないようにできる。このため、通常作業時、あるいは作業者の移動時、安全器脱着の際に、押圧部材が親綱を傷めないようにし得る。
上記鋸歯を有する押圧部材を用いた構成において、前記押圧爪部を、少なくとも前記係合部において、上下方向に鋸歯の位置の異なる複数の爪板が横方向へ重ねて形成されたものとすれば、作業者が宙づりになった状態において親綱に対する係合度合いがより高まるので、墜落阻止後にその係合が緩みにくいようにする観点から好ましい。
また、上記ロック軸に形成した段部と親綱保持具に設けた係止部材との係合によりロック軸の進退を阻止するようにした墜落防止用安全器において、上記構成の鋸歯状押圧爪部を有する押圧部材を用いた構成を採用し得る。このようにすれば、前記鋸歯状の押圧爪部の作用により、墜落阻止された作業者自身が荷重移動しても係合が緩みにくいようにし得るとともに、前記突出部分の少ないロック軸の作用により、その作業者が宙づり状態にあって親綱及び安全器が揺れることにより安全器が物に当たり、意に反して安全器のロックが開放されることをも防止し得る。
一実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。この実施例の墜落防止用安全器は、図6に示すように、作業者Mが身につけた安全帯の胴ベルト(ハーネス)HにD型断面を有する環状部材Dが取り付けられており、その環状部材Dに接続されたランヤードの安全ロープRを、作業現場の柱、あるいは外壁に沿って設けた垂直親綱Wに係脱可能に接続するために使用する墜落防止用安全器20である。
その構成は、図1及び図2に示すように、前記垂直親綱Wを収納する断面U字状の溝7を有する親綱保持具1に、水平方向の揺動軸3を前記溝7を跨いで設け、押圧部材5が、その揺動軸3を介して、図2に矢印で示すように、溝7の長さ方向に沿って上下方向へ揺動自在に設けられている。
押圧部材5は、同図に示すように、下向きの断面L字状を成し、その中程、屈曲部付近に前記揺動軸3が挿通されている。また、その押圧部材5の一端5aには、安全ロープRを接続する接続部6がピン6aを介して上下方向へ回転可能に設けられ、他端5bの外側には、上下方向の鋸歯状刃先4aを有する押圧爪部4を形成している。
その押圧爪部4は、図2に示すように、下方に向かうほど押圧部材5の前記揺動軸3からの径方向距離が遠くなる上下方向の弧状面で構成され、図4に示すように、五枚の爪板14が横方向へ重ねられて、ピン穴14aに挿通されたピン19によって一体に固定されている。各爪板14は、その隣りあう爪板14,14同士の刃先4a位置が、上下方向に異なるように設定されている。
その押圧部材5を支持する揺動軸3は、図4に示すように、その一端が、前記溝7の一方の側縁に設けられた蝶番2を介して親綱保持具1に固定されて、水平方向へ回動自在となっている。また、前記揺動軸3の他端には、前記蝶番2の対側に設けられた上下方向のロック軸21が嵌る、同じく上下方向のロック孔16が形成されている。ロック軸21は、溝7の他方の側縁に設けた軸受部25内に軸方向に進退可能に設けられ、その進退は、ロック軸21下端の把持部24を掴んで操作できるようになっている。また、そのロック軸21には、図2に示すように、ばね22が挿通されており、そのばね22の上端はロック軸21の段部21cに、下端は親綱保持具1の下部に設けた抜け止め18に保持されて、そのロック軸21は上方へ付勢されている。
また、前記親綱保持具1には、前記ロック軸21に向かって進退する係止部材27を設けている。前記係止部材27は、図4に示すように、板状片からなって、その一端で上下方向のピン28を介して支持されて水平方向に回動自在となっており、そのロック軸21周面に向かってばね28aにより付勢されている。またその板状片の他端において、その内側には、前記ロック軸21周面の軸方向位置の異なる位置に形成した二条の凹状スリット21a,21bに係止する突起27aを設けている。スリット21a,21bは、それぞれ前記ロック軸21の周面に環状に形成されており、そのロック軸21が進退して、各スリット21a,21bのいずれかが軸受部25の切欠き25bに位置した時にのみ、その各スリット21a,21bに係止部材27の突起27aが係合可能となる。
この墜落防止用安全器20の作用について、各部材の基本的動作は、従来例と同様であるので省略し、まず、揺動軸3を親綱保持具1に固定する際の作用について説明する。
図4に示す揺動軸3の回動可能状態において、親綱保持具1の溝7内に親綱Wを収納し、ロック軸21を下方に引いた状態とし、その状態で、揺動軸3及び押圧部材5を水平方向へ回動させて、図1及び図2に示すように、前記揺動軸3のロック孔16を軸受部25の切欠き25a内に進入させる。この時、ロック軸21を操作して上昇させると、そのロック孔16にロック軸21が係止して揺動軸3が親綱保持具1に固定される。この状態で揺動軸3は、蝶番2周りに回動できないように固定される(回動固定状態)。このロック軸21の操作において、ロック軸21端部の把持部24は、例えば右手で掴んで操作することができ、そのロック軸21の進退をロックする係止部材27の回動は、親綱保持具1を持つ左手で回動操作することができる。そして、揺動軸3及び押圧部材5を回動させる間、係止部材27の突起27aを、ロック軸21周面の前記上方のスリット21aに係合させておけば、前記ロック軸21の進退が前記切欠き25aを開放した状態に維持されて、前記揺動軸3の回動固定状態を維持することができる。このため、ロック軸21を右手で保持し続ける必要がなく作業が楽である。また、ロック軸21が上昇した後は、係止部材27の突起27aは、その係止部材27を持つ手を離すと、付勢力により自動的にロック軸21周面の前記下方のスリット21bに係合するので、ロック軸21の進退は規制されて、墜落防止用安全器20は、親綱Wとの係合が意に反して外れることが防止される。
次に、安全器20を外す際に、まず、ロック軸21を操作して下降させると、前記ロック孔16からロック軸21が離脱して前記揺動軸3の固定が開放される。この状態で、揺動軸3は、前記蝶番2周り回動できるようになるので、墜落防止用安全器20は、親綱Wとの係合が解除される(回動可能状態)。このロック軸21の操作において、揺動軸3及び押圧部材5を回動させる間、係止部材27の突起27aを、ロック軸21周面の前記上方のスリット21aに係合させておけば、ロック軸21を右手で保持し続ける必要がないのは、上記の場合と同様である。
つぎに、押圧爪部4の効果について説明する。この親綱保持具1内に親綱Wが収納された図5(a)に示す状態において、前記ロック軸21により、揺動軸3及び押圧部材5を固定すると、押圧部材5は、図5(b)に示す係合状態となる。押圧部材5は、その自重とロープRの重量による小さな荷重Fを受けて、やや反時計回りに揺動し、押圧爪部4の摺動部17aを介して緩やかに親綱Wに係合して落下しない状態に維持されている。この状態では、安全ロープR上方へ引けば、また、前記押圧部材5が、その逆方向、すなわち時計回りに揺動することにより、その押圧爪部4が前記溝7内から出て前記親綱Wの圧接が弱まるので、親綱Wが溝7内に摺動可能となり、安全ロープRは親綱Wへの係合が解除され(図5(a)参照)、安全器20は、親綱Wに摺動可能な状態である。
作業者Mが足を踏み外して転落し、その墜落を阻止する荷重Fが安全ロープRに作用すると、押圧部材5は、図5(b)に示す状態よりも、さらに反時計回りへと揺動する。このとき、前記押圧部材5が親綱Wに圧接する押圧爪部4は、下方に向かうほど前記揺動軸3から遠くなる上下方向の弧状面で構成されているので、押圧部材5が図中の反時計回りに大きい角度で揺動すれば、押圧爪部4がより深く溝7内に入り込んで親綱Wに強く圧接するようになっている。このため、この揺動により、親綱Wとの圧接位置が前記摺動部17aよりもさらに下方の係合部17bに移動し、安全器20は、より強固に親綱Wに係合する。
また、その押圧爪部4に形成された各鋸歯状刃先4aの先端角度は、図3に示すように、前記揺動軸3に近い摺動部17aよりも揺動軸3から遠い係合部17bの方が角度が小さくなっている。このため、墜落阻止時には、鋭い刃先4aで親綱Wに噛み合って係合する。このため、作業者が宙づりになった状態において、作業者自身の荷重移動により多少その作用荷重が減少しても、なお係合が緩まないように維持することができる。また、通常作業時、あるいは安全器脱着の際等に親綱Wに噛み合う歯は、押圧部材5の揺動軸3から近い摺動部17aであり、その摺動部17aの鋸歯状刃先4aの先端角度は相対的に大きい角度に設定しているので、その鋸歯が親綱Wに摺動してもその親綱Wが傷まないようにできる。
さらに、押圧爪部4は、図4に示すように、前記摺動部17a及び係合部17bにおいて、上下方向に鋸歯の刃先4aの位置の異なる五枚の爪板14が横方向へ重ねて形成されているので、作業者が宙づりになった状態において親綱Wに対する係合度合いがより高まる。このため、墜落阻止後にその係合が緩みにくいようになり、特に、縒り線で構成された親綱に対してはその縒り部分への噛み合わせがよくなるのでさらに好ましい。
この実施例では、揺動軸3にロック孔16を形成して、そのロック孔16にロック軸21を挿通するようにして揺動軸3を固定したが、この固定方法には限定されず、例えば、特許文献2のように、ロック軸を揺動軸の周面に当接させて、その当接により揺動軸を横方向に拘束するようにしてもよい。また、押圧爪部4を前記爪板14で構成する場合、その構成枚数は自由に設定でき、その隣接する爪板14、14同士の刃先4aの上下方向位置を異なるようにするかどうかは、必要に応じて自由に選択し得る。なお、押圧爪部4は、爪板14によって構成せず、一体に形成することもできる。
一実施例の平面図 同実施例の正面図 図2の爪板を示す詳細図 同実施例の斜視図 同実施例の墜落防止用安全器の作用を示し、(a)は親綱との係合を完全に外れた状態、(b)は親綱と係合した状態を示す 墜落防止用安全器の使用状態を示す説明図 従来例の斜視図
符号の説明
1 親綱保持具
2 蝶番
3 揺動軸
4 押圧爪部
5 押圧部材
6 接続部
6a,19,28 ピン
7 溝
8 ガイド溝
10,20 墜落防止用安全器
11,21 ロック軸
12,22、28a ばね
13 操作ピン
14 爪板
15,25 軸受部
16 ロック孔
17a 摺動部
17b 係合部
18 抜け止め
21a,21b スリット
21c 段部
24 把持部
27 係止部材
27a 突起
R 安全ロープ
W 親綱

Claims (5)

  1. 上下方向の親綱Wを溝7を介してその長さ方向に摺動自在に収納した親綱保持具1に、安全ロープRが接続される押圧部材5をその溝7の長さ方向に沿って揺動自在に設け、その押圧部材5の揺動軸3は前記溝7を跨いでその一端でもって親綱保持具1に回動自在で、その揺動軸3の他端は、前記親綱保持具1に設けたロック軸21を介して親綱保持具1に固定可能となっており、そのロック軸21は軸方向に進退可能でその進退によって前記揺動軸3に係止又は離脱して揺動軸3を固定又は回動可能とし、前記親綱Wは溝7内に嵌って、前記安全ロープRを引くことにより、押圧部材5が溝7内に入り込んで親綱Wに圧接することによって親綱Wを溝7内に固定し、押圧部材5が溝7内から出る方向に揺動して親綱Wを溝7内に摺動可能とする墜落防止用安全器において、
    前記親綱保持具1に前記ロック軸21に向かって進退する係止部材27を設け、その係止部材27を前記ロック軸21周面の軸方向の異なる位置で係止可能として、その一方の係止位置で、前記ロック軸21前記揺動軸3固定した状態で、前記係止部材27は前記ロック軸21の進退を規制し、他方の係止位置で、前記ロック軸21前記揺動軸3回動可能とした状態で、前記係止部材27は前記ロック軸21の進退を規制することを特徴とする墜落防止用安全器。
  2. 前記係止部材27は、板状片からなって、その一端で前記ロック軸21に向かって進退するように回動自在となっており、他端に前記ロック軸21周面の軸方向位置の異なる位置のスリット21a,21bに係止する突起27aを設けたことを特徴とする請求項1に記載の墜落防止用安全器。
  3. 上下方向の親綱Wを溝7を介してその長さ方向に摺動自在に収納した親綱保持具1に、安全ロープRが接続される押圧部材5をその溝7の長さ方向に沿って揺動自在に設け、その押圧部材5の揺動軸3は前記溝7を跨いでその一端でもって親綱保持具1に回動自在で、その揺動軸3の他端は、前記親綱保持具1に設けたロック軸21を介して親綱保持具1に固定可能となっており、そのロック軸21は軸方向に進退可能でその進退によって前記揺動軸3に係止又は離脱して揺動軸3を固定又は回動可能とし、前記親綱Wは溝7内に嵌って、前記安全ロープRを引くことにより、押圧部材5が溝7内に入り込んで親綱Wに圧接することによって親綱Wを溝7内に固定し、押圧部材5が溝7内から出る方向に揺動して親綱Wを溝7内に摺動可能とする墜落防止用安全器において、
    前記押圧部材5が前記親綱Wに圧接する部分は、下方に向かうほど前記揺動軸3から遠くなる上下方向の弧状面で構成され、その弧状面には上下方向に鋸歯状の押圧爪部4が形成されており、その押圧爪部4の各鋸歯先端角度は、前記揺動軸3に近い摺動部17aよりも揺動軸3から遠い係合部17bの方が角度が小さいことを特徴とする墜落防止用安全器。
  4. 前記押圧爪部4は、少なくとも前記係合部17bにおいて、上下方向に鋸歯4aの位置の異なる複数の爪板14が横方向へ重ねて形成されたことを特徴とする請求項3に記載の墜落防止用安全器。
  5. 請求項1乃至2に記載の墜落防止用安全器において、請求項3又は4に記載の押圧部材5を設けたことを特徴とする墜落防止用安全器。
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