JP4584834B2 - 強化ビード構造を有する空気圧タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、4輪車及び2輪車で使用するのに適した空気圧タイヤに関する。
特に、本発明は、例えば、高出力自動車用に設計されたタイヤ、又はより一般的には、高動作速度(例えば、200km/hより速い)及び/又は極限運転条件を伴う用途を目的としたタイヤのような、高性能タイヤに関する。
より詳しくは、本発明は、「HP」(ハイパフォーマンス)又は「UHP」(ウルトラハイパフォーマンス)タイヤや、トラック自動車レースやラリーのようなスポーツ競技に採用するのに適したタイヤに関する。
さらに、本発明は、ステーションワゴンに特有の快適性と収容性能という特性を高出力の自動車に特有の高性能(特に高トルク及び高速度に関する)と組み合わせるスポーツユーティリティビークル(SUV)に使用するタイヤに関する。
さらに、本発明は、二輪車用、特にレース用途又は高出力バイクの場合のタイヤに関する。
より詳しくは、本発明は、四輪車及び二輪車用の空気圧タイヤのビード領域に採用される改良されたフリッパ構造に関する。
タイヤは一般に:少なくとも1つのカーカスプライを含むカーカス構造であって、そのカーカスプライの両端が折り返されるか又は2つの環状強化要素、すなわち、いわゆる「ビードコア」に固定される、カーカス構造と;トレッドバンドと;カーカス構造とトレッドバンドとの間に配置されたベルト構造と;前記カーカス構造の軸方向対向位置に張り付けられた一対のサイドウォールとを備える。
ビードコアを含むタイヤ部分は、「ビード」として知られ、タイヤをそれぞれのリムに装着させる働きをする。
一般に、前記ビードコアの半径方向外部の位置において、ビードは、通常「ビード充填材」又は「ビード頂(bead apex)」と称されるゴムストリップを含み、これは、実質的に三角形断面を有し、それぞれのビードコアから半径外方に延びる
ハイパフォーマンス及びウルトラハイパフォーマンスタイヤは、スポーツレーシングカー用のタイヤと同様に、例えば、高速コーナーリング走行中又は、例えば密着限度(the limit of adherence)で走行するといった極限運転条件において生じる関連横スラストに耐えることができる、一般に固いサイドウォールを備えている。
タイヤサイドウォールの剛性を改良するのに採用できる技術的解決法は、ビード高さを増加することによってビード領域を増すこと、すなわちタイヤサイドウォールに沿ってビードを延長することからなる。
しかしながら、前記解決法は、前記ビードから得ることができる剛性が基本的にはビード充填材ゴム組成の機械的属性によるので、上述の用途に必要な剛性度をタイヤサイドウォールに付与しない。
さらに、ビード高さを過度に増加すると、乗り心地に悪影響を及ぼし、それによって特にHPやUHP用途に不適当なタイヤになってしまう。
さらに、タイヤが高ビード(すなわち、著しくタイヤサイドウォールに沿って延びているビード)を備えている場合、タイヤカーカスの内部に発生する応力はその外形に沿って十分に調整されない。したがって、ビード領域内に望ましくない応力集中ゾーンが生じ、このことはカーカスプライとビード充填材との間の脱離形成の原因となる。
上述の欠点を招くことなくタイヤサイドウォールの剛性を改良するのに伝統的に使用されている他の技術的解決法は、タイヤビードに一般に「フリッパ」として知られる強化層を備えることからなる。
フリッパは、少なくとも部分的にそれぞれのビードコア及びビード充填材を包み込むことができるようにそれらの周りに巻かれる強化層であり、前記強化層はカーカスプライとビードコア/充填材アセンブリとの間に配置される。通常ではフリッパは前記カーカスプライ及びビードアセンブリと接触している。
フリッパはエラストママトリックスに埋め込まれる複数の細長強化要素から成り、前記強化要素は繊維材料(例えば、アラミド又はレーヨン)から、又は金属材料(例えば、スチールコード)から作られる。
さらに、タイヤの動作中、ビード領域は、この領域に存在する互いに隣接する構成要素の、特にカーカスプライ折り返し端部の、タイヤの隣接構造要素からの分離につながり得る発熱をもたらす循環的曲げを受ける。
タイヤビードにフリッパを備えることによって、上述の発熱を有利に低減でき、熱安定性をタイヤビードに付与できる。このことは基本的に、ビード領域でのいかなる相対的な運動も、ビード格納要素の機能をも果たすフリッパの存在によって制限されるということによる。
米国公開特許第2003/0034108号明細書は、トレッドを載せている冠状強化部と、前記トレッドが2つのサイドウォールによって2つのビードに接合され、それらのビード間に、環状要素の周りに巻きつけることによって各ビード内に固定された、少なくとも1つのカーカス強化プライが延び、そのカーカス強化プライの引張り強さは同寸法の従来形の種類のビードワイヤの引張り強さよりも小さく、さらに環状要素と接触して配置される少なくとも2つビード強化層であって、各層内で互いに平行であり層間では交差する(crossed from one layer to the next)、関係0゜<α≦15゜を満たす角度αを形成する強化要素から構成される少なくとも2つのビード強化層のアセンブリとを含むタイヤを開示する。前記文書によれば、環状要素は、推奨タイヤ空気圧によってカーカス強化部に付与された引張応力の3倍から5倍の引張り強さを有し、その破断点伸びは2%から6%の間にあり、ビード強化層の全てが、環状要素の引張り強さの0.5倍から1倍の引張り強さを有し、環状要素と強化層のアセンブリとの引張り強さの総計は、カーカス強化部に付与された引張り応力の6倍から8倍の間である。前記文書によれば、ビード強化層は芳香族ポリアミドのケーブルから形成される。
米国公開特許第2001/0018941号明細書は、非伸の(inextensible)強化要素の少なくとも1つのプライから形成され、ビード毎にビードワイヤに固定されて折り返し部を形成する少なくとも1つのラジアルカーカス強化部を含み、その折り返し部の端部はビードワイヤの基部Dから半径距離HRNCに位置する、リム高さがHの、タイヤ、特に重車両用タイヤを開示する。各ビードは少なくとも2つの追加的な強化アーマチュア(armatures):a)ラジアル金属強化要素から形成される少なくとも1つの第1アーマチュア、及びb)周方向と、0゜≦α≦45゜となるような角度αをなす金属要素から形成される少なくとも1つの第2アーマチュア、によって強化される。経線で見ると、第1の強化アーマチュアは、前記カーカス強化部の内部のカーカス強化部の固定ビードワイヤの周りに2つのストランドを形成するように巻きつけられる非伸要素の少なくとも1つのプライから形成される。カーカス強化部の隣の半径方向上縁部の半径下方端Aと、固定ビードワイヤとの接触点Tとの間に位置する軸方向内部ストランドは、「最短経路」と称される直線トレースATを辿り、その半径上方端は半径方向に、高さHの0.216倍と0.432倍との間のビードワイヤの基部Dから距離HLIに位置する。カーカス強化部の折り返し部の内部に軸方向に位置する軸方向外部ストランドは、カーカス強化折り返し部の端部よりも回転軸に半径方向により近い半径上方端を有し、ビードワイヤの基部Dの前記端部間の距離HLEは、カーカス強化部の折り返し部の高さHRNCの0.2倍と0.8倍との間である。要素の第2のアーマチュアは、半径方向に対し傾けられ、固定ビードワイヤの周りに巻きつけられず、カーカス強化部の折り返し部の外部に軸方向に配置される。前記第1及び第2のアーマチュアの金属強化要素は、ラジアル金属コード又はケーブルから形成される。
出願人は、高速及びスポーツレース用途において、トラックレース又はラリーで典型的に行われる過酷な運転操作のような、高速度及び/又は極限運転条件から発生する関連応力―特に横応力―に耐えられる空気圧タイヤの必要性があると考えた。
特に、出願人は、タイヤの操縦性に悪影響を与えることなく上述の用途に必要な所望構造的強度を確保するのに適している強化ビードを備えている空気圧タイヤが必要であると考えた。
さらに、出願人は、タイヤビード領域の応力やひずみを低減することによってタイヤの転がり抵抗を減少させるための、前記領域のいかなる構造的変更も、一般にビード構造の剛性を増加させる一方、乗り心地の特性も著しく低下させることに気付いた。
したがって、出願人の努力は、操縦性と乗り心地との特性を確実にする柔軟性と併せて上述の所望構造的強度を得るために、タイヤビード領域、特にフリッパを改造することに集中された。
出願人は、タイヤビードにフリッパ(flipper)を備え、そのフリッパの細長強化要素(elongated reinforcing elements)が、金属であり、0.05mmから0.25mmの範囲の小直径の予備成形糸状要素(preformedthreadlike elements)を含むことによって、前記結果を達成できることを発見した。
本発明によれば、フリッパの各細長強化要素は、複数(すなわち少なくとも2つ)の糸状要素を含む金属コードであり、前記糸状要素の少なくとも1つは予備成形される。
本説明において、用語「細長予備成形強化要素」は、少なくとも1つの予備成形糸状要素を有する強化要素を示すために使用される。
出願人は、高機械的抵抗性が、金属強化要素の存在によってフリッパに付与され、しかも高柔軟性が、細長強化要素の小直径の少なくとも1つの糸状要素を予備成形することによって得られ、前記高柔軟性が、繊維材料から作られた強化繊維に特有であることを発見した。
したがって、出願人は、フリッパ強化要素として小直径の細長予備成形金属要素を採用することによって、金属強度要素を含む半製品に特有である高強度と、繊維強化要素を含む半製品に特有である高柔軟性とを有するフリッパを得ることが可能となることを発見した。
出願人は、上記組み合わせがフリッパには非常に重要であることを発見した。
事実、フリッパはビード領域の剛性を増加するために使用されるので、そのような結果を有利に達成できることを確実にするのに十分に高い強度である半製品をタイヤビードに提供することが重要である。
さらに、タイヤ製造工程時に、フリッパの張り付けを容易に且つ正規に実行でき、フリッパがビードコア/充填材アセンブリの外形に正確に従うように、十分な柔軟性をフリッパに付与することも非常に重要である。
事実、フリッパが堅すぎで、ビードコア及びビード充填材の周りに正しく巻きつけられない場合、空気がビードコア/充填材アセンブリとフリッパとの間に封入された状態となる。フリッパ金属強化要素と接触することになる、空気、ゆえに酸素の存在は、望ましくない腐食現象がタイヤビード内で起こり得るので、回避されなければならない。
さらに、フリッパの柔軟性は:a)フリッパ製造工程が通常では繊維材料に採用される圧延や切断ステップ用と同じ機械を使用することによって行うことができ;b)ビードコア/充填材アセンブリの周りでフリッパを折り返すステップがフリッパの柔軟性によって促進されるのでタイヤ製造工程におけるフリッパの張り付けステップがきわめて容易に行うことができるので;工程の観点からも有利である。
出願人は、本発明によるフリッパの柔軟性がタイヤ、特に高出力自動車又はバイク用のタイヤのサイド(横)グリップを確実に高めることをも発見した。
一般に、自動車タイヤの横グリップは、特に高出力エンジンを搭載した後輪駆動車の、駆動輪でより顕著であり、前記自動車は、特にドライ路面での高性能を確保するために、タイヤの周方向に狭く、軸方向に広い接地面積をもった、通常では非常に大きくて堅い低セクションタイヤを有する。
横グリップが欠落していると、自動車の後車軸のグリップを失わせ、カーブを脱出する際のけん引力に悪影響を与え、同様に、極限運転条件、例えばスポーツトラックレースやラリーで動作されると、自動車の横安定性にも悪影響を及ぼす。
さらに、自動車市場においてそれらの存在を大幅に増している、スポーツユーティリティビークル(SUV)は、一般に、高出力エンジンを搭載した自動車に必要な横グリップよりも高い横グリップを必要とする。このことは、高性能、及び時には非常に高い性能(特に舗装道路での)が、大容積を有し、重心が路面に対し高い自動車に提供されなければならないという理由のためである。
二輪車に関する限り、横グリップが欠落している場合、特にカーブ走行が運転者によって、特に高速度で実行されると、車両の横安定性に悪影響する。
上述のように、本発明によれば、フリッパの予備成形金属糸状要素の直径は、小さくなるように、例えば、0.05mmから0.25mmの範囲に選択される。
事実、出願人は、フリッパ用の強化要素として微細(すなわち小直径の)予備成形金属糸状要素を使用すると、フリッパ重量を減少させ、フリッパ柔軟性を増加させることが可能となり、それによって上述の利点を達成できることを発見した。
さらに、出願人は、本発明によるフリッパが、当業界技術で知られているフリッパ、例えば、強化要素が金属又は繊維材料から作られるフリッパのものよりも大きいグリーン粘着力(green tackiness)を有することを発見した。
フリッパのグリーン粘着力は、フリッパを形成するグリーンゴム化合物と金属糸状要素との間の接着度を示す。
したがって、フリッパがタイヤ製造工程においてのその張り付け中に取り扱われるとき、フリッパを、特にグリーンゴムから強化要素を分離させる危険を冒すことなく金属糸状要素を横切る方向に伸ばすことができる。
このような分離は、腐食現象、又はゴム被覆を欠いている金属要素がビードから突き出るという、タイヤビードの内部に重大な領域の形成、つまりタイヤが廃棄される原因となる不良を発生させるので、回避されなければならない。
さらに、出願人は、本発明のフリッパが、老化後でも金属糸状要素への硬化ゴム化合物の非常に優れた接着力(かかる側面は腐食現象の形成を回避するのに寄与する)、及びコードの予備成形糸状要素の(又はコードが予備成形及びノン予備成形糸状要素から作られる場合に予備成形糸状要素内へのノン予備成形糸状要素の)顕著な相互侵入性を示すので、コードの切断が実行されたときコード端のほつれ又はコード端部分のカールのような、望ましくない現象が起こらないことを発見した。
第1の態様において、本発明は:
− 一対の軸方向に間隔をもって配置された環状強化要素と;
− 前記環状強化要素間に延び、軸方向対向端部において前記環状強化要素のそれぞれ1つに固定され、各軸方向端部が前記環状強化要素の周りで折り返される、少なくとも1つのカーカスプライを含むカーカス構造と;
− それぞれがそれぞれの環状強化要素の半径外方に配置される、一対のビード充填材と;
− それぞれの環状強化要素とビード充填材とを少なくとも部分的に包み込み、複数の相互に実質的に平行な細長強化要素を有する少なくとも1つのフリッパと;
− 前記カーカス構造の周りを周方向に延びるトレッドバンドと;
− 前記カーカス構造と前記トレッドバンドとの間に周方向に配置されたベルト構造と;
− 前記カーカス構造の軸方向対向位置に張り付けられた少なくとも一対のサイドウォールとを備える空気圧タイヤに関し、前記細長強化要素が0.05mmから0.25mmの範囲の直径を有する少なくとも1つの予備成形糸状金属要素を含むことを特徴とする。
各細長強化要素は少なくとも1つの予備成形金属糸状要素を有する金属コードであり、前記少なくとも1つのコードを形成する他の残りの糸状要素はノン予備成形タイプのものであることが好ましい。
他の実施形態において、各細長強化要素は金属コードであり、その糸状要素は全て予備成形される。所定の予備成形工程を受ける前は、糸状要素は直線形状をしている。
予備成形糸状要素の変形は同一平面型(coplanar type)のものであることが好ましい。すなわち各予備成形糸状要素は同一平面内にある。
前記糸状要素は、それらがそれらの長手方向延長部に沿っての鋭角エッジ及び/又は曲率の不連続が実質的に無い波形状となるように予備成形されることが好ましい。前記特徴は、前記鋭角エッジ/コーナの欠落が糸状要素の破断荷重の好ましい増加となるので、特に有利である。
特に好ましいのは実質的に正弦波状の波動に従う予備成形である。前記正弦波波動は好ましくは2.5mmと30mmとの間、より好ましくは5mmと25mmとの間の波長を有する。前記正弦波波動は0.12mmと1mmとの間の振幅を有することが好ましい。上述の波長及び振幅の範囲は、タイヤに挿入される前の非ゴム引き糸状要素において直接に、又は完成(加硫済み)タイヤにおいて測定されても良い。前記変数の測定は、拡大レンズや目盛尺(例えば目盛付き定規)を使用して糸状要素で有利に行われても良い。完成(又は加硫)タイヤが分析されることになる場合、タイヤからフリッパを取り出し、適当な溶剤によって、例えばジクロロベンゼンを用いてそれを少なくとも12時間100℃で処理することによって、フリッパーからゴム引き化合物を除去する必要がある。
代わりの実施形態において、変形は同一平面型のものではなく、例えばらせん型の形を有する。
本発明による予備成形糸状要素を得るために、この分野で知られている方法の任意の1つを採用することも可能である。例えば、同出願者名義の、米国特許第5,581,990号明細書に示された種類の歯車装置を使用するか、又は国際公開第00/39385号パンフレットに記載の装置を使用することも可能である。前記装置は、第1のプーリの突起部と第2のプーリの対応突起部との間にある空間に沿って移動するようにした糸状要素に軸方向変形と曲げ変形とを同時に起こさせるように、それぞれが所定区画にわたり互いに噛み合うことのできる、複数の対面突起部を備えた一対のプーリを有する。上述の噛み合い動作は、前記糸状要素によって回転駆動される前記一対のプーリの動作の結果として行われても良い。
細長強化要素は、フリッパ内で実質的に均等に分配される、すなわち、連続した隣接単一細長強化要素間の軸方向間隔が実質的に一定であることが好ましい。
上述のように、フリッパは、半径方向外部カーカスプライとビードコア/充填材アセンブリとの間に配置され、それは、ビードコアとビード充填材とを、少なくとも部分的に包み込むようにビードコアの周りに巻きつけられる。
より詳しくは、フリッパは、それぞれのビードコアと接触する中央部分、及び中央部分のそれぞれの端部から延び、ビード充填材を係合する(engage)2つの脚部分によって形成されると考えられる。
本説明において、用語「外部フリッパ端部」は、フリッパの軸方向外部脚部分に属するフリッパ端部を示すために使用され、用語「内部フリッパ端部」は、フリッパの軸方向内部脚部分に属するフリッパ端部を示すために使用される。
本発明によれば、フリッパ端部は、一端が他端よりもタイヤサイドウォールの方向により長く延ばされるように互いにオフセットされる(千鳥配置される)ことが好ましい。
したがって、2つの異なる解決法が得られる:
a)内部オフセットが実施される場合、すなわち、フリッパの内部脚部分が外部脚部分よりも長く延ばされる、及びb)外部オフセットが実施される場合、すなわち、フリッパの外部脚部分が内部脚部分よりも長く延ばされる。
さらに、出願人は、本発明によるフリッパ内に使用される予備成形金属糸状要素が、タイヤの加硫が行われた後も広範囲の弾性及び高破断点伸びを有することを発見した。
この側面は、本発明のタイヤが、従来技術のフリッパを備えたタイヤのものよりも高い循環疲労強度(cyclic fatigue strength)を呈するので特に有利となる。
本発明の他の態様によれば、タイヤビードは、一般に「チェーファー(chafer)」の用語で知られる、ビード剛性を増す機能を有する他の強化層を備える。
チェーファーは、エラストママトリックスに埋め込まれ、一般に繊維材料(例えば、アラミド又はレーヨン)又は金属材料(例えば、スチールコード)から作られる複数の細長強化要素を含む。
本発明によれば、チェーファーは、フリッパに関し上述のように、小直径の予備成形糸状要素を含む金属細長強化要素を備えている。
チェーファーは、タイヤビード及び/又はサイドウォールの内部の複数の位置に配置できる。
チェーファーはフリッパとカーカスプライとの間に配置されることが好ましい。前記実施形態によれば、チェーファーは、フリッパ内部脚部分に対応して位置決めできる。あるいは、チェーファーは、フリッパ外部脚部分に対応して位置決めできる。
あるいは、チェーファーは、カーカスプライに対して軸方向外部の位置に配置されるので、フリッパ外部脚部分の近くまで延びる。他の実施形態によれば、チェーファーは、カーカスプライに対して軸方向内部の位置に配置されるので、フリッパ内部脚部分の近くまで延びる。
タイヤが2つのカーカスプライを備えている場合、チェーファーは、前記カーカスプライの間に位置決めできる。チェーファーはフリッパ内部脚部分の近くのカーカス間に配置されることが好ましい。あるいは、チェーファーはフリッパ外部脚部分の近くのカーカスプライ間に配置される。
あるいは、チェーファーはカーカスプライに対して軸方向外部の位置に配置されるので、フリッパ外部脚部分の近くまで延びる。他の実施形態によれば、チェーファーはカーカスプライに対して軸方向内部位置に配置されるので、フリッパ内部脚部分の近くまで延びる。
チェーファーは、ビードコアの半径外方部分に対応して始まり、ビード充填材の外形に従い、タイヤサイドウォールに対応して終えるのが好ましい。
あるいは、チェーファーは、タイヤベルト構造の両端部まで、タイヤサイドウォールに沿って延びることができる。
他の特徴や利点は、本発明によるタイヤの例についての詳細な説明を参照すればより明らかとなろう。以下に示される前記説明は、単に非限定的な例として提供される添付図面を参考にする。
図1は、本発明による、及びリム(図示せず)に装着するのに適している自動車用タイヤ10の部分断面図を示す。
タイヤ10は、両端部が一対のビードコア14と結合されている2つのカーカスプライ12、13を備えるカーカス構造11を含む。
図1に示された実施形態によれば、カーカスプライ12、13はビードコア14の周りでカーカスプライの端部を折り返すことによってそれぞれのビードコア14と結合されている。
ビードコア14は、前記タイヤの半径方向内部の位置において、互いに軸方向に間隔を空けて配置され、それぞれのビード15に組み込まれる。
ビードコア14に加えて、ビード15は、ビードコア14の半径方向外部位置のビード充填材16、及びフリッパ17を有する。
図1の実施形態によれば、フリッパ17は、ビードコア14及びビード充填材16の周りに巻きつけられ、ビードコア/充填材アセンブリを完全に包み込む。実際、フリッパ17は半径方向外部カーカスプライ13とビードコア/充填アセンブリとの間に配置され、半径方向外部カーカスプライとビードアセンブリと直接接触する。
図1の実施形態によれば、フリッパ17は、それぞれのビードコア14と接触している中央部分171と、中央部分171のそれぞれの端部から延び、ビード充填材16を係合する2つの脚部分とから形成される。
特に、内部脚部分172は内部フリッパ端部174を備え、外部脚部分173は外部フリッパ端部175を備えている。
図1の実施形態によれば、フリッパ端部の内部オフセットは、フリッパ17の内部脚部分172が外部脚部分173よりも長く延ばされ、さらに―タイヤ断面図で明瞭に示されるように―内部フリッパ端部174が外部フリッパ端部175の高さよりも高いタイヤサイドウォールの高さに達するように実行される。
カーカスは、ラジアル型のものであること、つまりタイヤの赤道面p−pと実質的に垂直な方向に配置された強化コードを組み込むことが好ましい。
タイヤ10は、さらに、前記カーカス11の冠状部上に配置されたトレッドバンド18、及びそれぞれのビード15とトレッドバンド18との間にそれぞれが配置された一対の軸方向対向サイドウォール19を有する。
カーカスプライ11とトレッドバンド18との間に、タイヤ10は、さらに、ベルト構造20を備える。図1に示された例では、ベルト構造20は、2つの半径方向に重ね合わされたベルトプライ21、22と、2つの強化層23、24とを想定している。
詳細には、互いに半径方向に重ね合わされたベルトプライ21、22は複数の強化コードを組み込み、これらのコードは典型的に金属であり、タイヤの赤道面p−pに対して斜めに向けられ、各プライ内では互いに平行で、周方向に対し所定角度を形成できるように隣接プライのコードとは交差する。
前記対のベルトプライ21、22の半径方向外部にある強化層23、24は、互いに実質的に平行で、タイヤの赤道面p−pとも平行である、つまりタイヤの周方向とで実質的にゼロである角度(前記強化層23、24はまた0゜層と定義される)を形成する、強化要素(図示せず)を有する。
一般に、自動車用タイヤにおいて、前記強化要素は繊維型のものである。
チューブレスタイヤの場合、前記カーカスプライ11の半径方向内部の位置に、ゴム引き層、いわゆる「ライナ」(図1に示さず)も想定され、前記層は、タイヤ10に対して、使用中、空気への必要な不透過性を提供することができる。
図1に示されたビードコア14は、典型的には実質上四角型の、対称的且つ幾何学的に規則的な形を有する断面をもった「アルダーファ(Alderfer)」型のものである。
ビードコアの「アルダーファ」構造は、「mxn」型の構成を有し、ここで「m」は軸方向隣接糸状要素又は(少なくとも一対の糸状要素を撚ることによって得られた)コードの数を示し、「n]は前記糸状要素(又は前記コード)の半径方向に重ね合わせた層数を示す。
ビードコア構造は又いわゆる「単一スレッドビードコア」でもある。これは、単一ゴム引き糸状要素(又は単一コード)から形成される。この要素は、軸方向隣接巻きの第1の層を形成できるようにらせん状に巻かれる;次に前記第1の層の半径方向外部の位置に、同糸状要素(又は同コード)は、第1の層の半径方向外部の位置に第2の層を形成できるように、更にコイル状にされる。そして、数回半径方向に重ね合わされた層を形成できるように、各層は、半径方向に隣接する層のものと異なる巻き数を有することができる。
いわゆる「ラウンドケーブル」ビードコアもまた使用できる。この種類のビードコアは、例えば単一糸状要素から得られる中心コアを有する。単一糸状要素は、円を形成できるように末端同士で溶接され、その周りに糸状要素がらせん状に巻かれ、最後にそれ自体に接合される。
図2は、本発明によって正弦波状に予備成形される糸状要素22を示す。
上述のように、一般に直線から周期的に逸脱する形の前記変形は、いかなる周知の形で得られても良い。前記変形は、同一平面型のものであることが好ましい。より好ましくは、前記変形は、波長(又はピッチ)P及び振幅Hを有する実質的に正弦波状の波動(図2に示されたもののような)からなる。
本発明の目的のために、「波長P」は、周期的に反復される最小区分の長さとして理解され、及び「振幅H]は、中心軸S(図2参照)からの糸状要素の最大横偏差の振幅(両方向で等しくなると仮定される)の2倍を意味するものとして理解される。
上述のように、波長(又はピッチ)Pは2.5mmと30mmとの間であるのが好ましく、より好ましくは5mmと25mmとの間である。
振幅Hは0.12mmと1mmとの間であることが好ましく、より好ましくは0.14mmと0.60mmとの間である。
一般に、本発明による予備成形糸状要素は、0.05mmと0.25mmとの間、好ましくは0.08mmと0.20mmとの間の直径Dを有する。特に好ましい直径は0.12mmである。
上述のように、糸状要素は金属である。
好ましくは、糸状要素はスチールから作られるのが好ましい。糸状要素の直径が0.4mmと0.1mmとの間にある場合、標準NT(標準張力)スチールの破断強度は約2,600N/mm(又は2,600MPa―メガパスカル)と約3,200N/mmとの間であり、HT(ハイテンシル)スチールの破断強度は約3,000N/mmと約3,600N/mmとの間であり、SHT(スーパハイテンシル)スチールの破断強度は約3,300N/mmと約3,900N/mmとの間であり、UHT(ウルトラハイテンシル)の破断強度は約3,600N/mmと約4,200Nmmとの間である。前記破断強度値は、特にスチールに含有される炭素量に依存する。
一般に、前記糸状要素は、0.10μmと0.50μmとの間の厚みを有する、黄銅被膜(60重量%と75重量%との間のCu、40重量%と25重量%との間のZn)で被覆されている。前記被膜は、ゴム引き化合物への糸状要素の接着をより確実にし、タイヤの製造中及びその使用中との両方の場合での、金属の腐食の防止となる。より強い耐食性を確保しなければならない場合、前記糸状要素は、より大きな耐食性を確保できる、例えば、亜鉛、亜鉛/マンガン(ZnMn)合金、亜鉛/コバルト(ZnCo)合金又は亜鉛/コバルト/マンガン(ZnCoMn)合金を基材とした被膜のような、黄銅以外の錆止め被膜が被覆されると有利である。
あるいは、糸状要素はアルミニウム又はアルミ合金から作られる。
本発明によるフリッパは、nxDタイプの構造を有するコードを使用することによって得られることが好ましく、ここでnはコードを形成する糸状要素の数であり、Dは各糸状要素の直径である。好ましくはnは2と5の間である。特に好ましくは、nが3に等しいことである。
好ましくは、前記コードのよりピッチ(stranding pitch)は2.5mmと25mmとの間であり、より好ましくは6mmと18mmとの間である。特に好ましいのが12.5mmのよりピッチである。
好ましいコード構造は、例えば:2x(すなわち、一緒に撚られた2本の糸状要素)、3x、4x、5x、2+1(すなわち、2本の糸状要素の1本のストランドと、1本の糸状要素の1本のストランドとがあり、前記2本のストランドは一緒に撚られる)、2+2、3+2、1+4である。
本発明によるフリッパ内の細長強化要素の密度は、40コード/dmと160コード/dmとの間に含まれることが好ましく、より好ましくは80コード/dmと120コード/dmとの間に含まれる。特に好ましいのが85コード/dmと105コード/dmの密度である。
本発明によるフリッパの細長強化要素は、タイヤの半径面に対し斜めに配向されることが好ましい。
好ましくは、前記細長強化要素は、15゜〜60゜の範囲の、より好ましくは30゜〜45゜の範囲の、タイヤの半径面に対する角度で配置される。
出願人は、フリッパの強化要素の角度がカーカスプライの強化要素の角度に最接近すると、フリッパに付与できる剛性も最大となるが、エンジンによって供給されたトルクのタイヤへの伝達が最低となることに気付いた。したがって、フリッパの強化要素の角度は、前記2つの異なる技術的側面の間の妥協点を見出す必要性を考慮して選択されなければならない。
好ましくは、フリッパの厚み―すなわち、コード及び、コードが埋め込まれるゴム引き化合物の直径を含む全厚み―は、0.5(±0.1)mmと1.7(±0.1)mmとの間、より好ましくは0.8(±0.1)mmと1.1(±0.1)mmとの間に含まれる。
図3は、本発明による、リム(図示せず)に装着するのに適したバイク用タイヤ30の部分断面図を示す。
タイヤ30は、カーカス構造31を備える。カーカス構造は、少なくとも1つのカーカスプライ32を含み、その対向側縁部32aがそれぞれのビードコア33と連結される、
図3によれば、カーカスプライ32とビードコア33との間の連結は、ビードコア33の周りでカーカスプライ32の対向側縁部32aを折り返すことによって得られる。
カーカスプライ32は、一般に、複数の強化コードからなり、該コードは、互いに平行に配置され、エラストマ材料の層で少なくとも部分的に被覆される。これらの強化コードは通常、紡織繊維、例えばレーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタリン―2,6―ジカルボキシレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は一緒に撚られ、金属合金(例えば、銅/亜鉛、亜鉛/マンガン、亜鉛/モリブデン/コバルト合金等)で被覆されたスチールワイヤから作られる。
好ましい実施形態によれば、カーカス構造31はラジアルタイプのものである、すなわちカーカスプライ32は、周方向に対し実質的に垂直方向に配置された強化コードを組み込む。
あるいは、カーカス構造31は、1組の半径方向内部及び半径方向外部のカーカスプライ(図3に示さず)を備える。この場合、強化コードは基本的に互いに平行であり、各プライにおいて傾斜方向に配向され、タイヤの赤道面x−xを基準に隣接プライのコードに対し反対にされる。
エラストマ充填材34―ビード充填材―は、カーカスプライ32とそれの対応折り返し部との間に画定された空間を充填するためにビードコア33の半径方向外部に塗布される。
周知のように、ビードコア33及びビード充填材34を備えるタイヤ領域は、タイヤ30を対応する装着リム(図3に示さず)に固定させることを目的とした、いわゆるタイヤビード35を形成する。
ベルト構造36は、カーカス構造31の円周に沿って張り付けられる。
図3の実施形態によれば、ベルト構造36は、複数の周方向コイルを含む1つの強化層37だけを含む。該コイルは、軸方向に横並び配置され、1本のゴム引きコードの、又は数本のゴム引きコード(好ましくは2〜5本)の1本のストリップで、カーカス構造31の冠状部に実質的にゼロ角度でらせん状に巻かれる。前記周方向コイルは、実質的にタイヤの転動方向に従って配向される。
周方向コイルは、好ましくは、ベルト構造36の中央部分におけるよりも対向側部においてより大きな厚みの強化層を得ることができるように、可変ピッチに従ってカーカス構造31に巻かれる。
たとえ自動的らせん巻き(thespiralling by itself)や任意のピッチ変動がゼロと異なる巻き角度を含むとしても、この角度は、実質的に常にゼロ度に等しいとみなされるほど小さいままである。
通常、前記強化層37のコードは繊維又は金属コードである。好ましくは、前記コードはスチールコード、より好ましくは高い伸び率(HE)のスチールコードである。
好ましくは、前記コードは高炭素(HT)スチールワイヤ、すなわち0.9%よりも高い炭素含有量のスチールワイヤから作られる。
繊維コードが使用されるとき、それらはナイロン、レーヨン、ポリエチレンナフタリン―2,6―ジカルボキシレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ケブラー(Kevlar)(登録商標)であっても良い。あるいは、少なくとも1本の高弾性ヤーン(highmodulus yarn)(例えば、ケブラー(Kevlar)(登録商標)のような、アラミド繊維)で撚られた少なくとも1本の低弾性ヤーン(例えば、ナイロン又はレーヨン)で構成された複合コードが使用されても良い。
カーカスの周りにコードを巻きつける異なる技術は、例えば、欧州特許第461 646号明細書で開示されているように当技術分野でも良く知られている。
ベルト構造36は、タイヤの赤道面X−Xに対して斜めに配向される複数の強化コード(例えば、アラミドコード)を組み込む2つの半径方向に重ね合わされたベルトプライ(図示せず)を具備できる。強化コードは、各プライにおいて互いに平行で、周方向に対して所定角度を形成できるように隣接プライのコードと交差する。
サイドウォール38もカーカスプライ32の外部に張り付けられ、このサイドウォールは、軸方向外部位置において、ビード35からベルト構造36の端部に延びる。
その側縁部がサイドウォール38に接続されるトレッドバンド39は、ベルト構造36の半径方向外部の位置に周方向に張り付けられる。トレッドバンド39は、転動面全体にわたって分布された様々な形状及び寸法の複数のブロックを画定する様々な形状の溝によって接地するように設計された転動面を有する。
チューブレスタイヤに関する場合、一般に「ライナ」として知られている、ゴム層(図3には示さず)は、タイヤ30に膨張空気に対する必要な不透過性を提供するためにカーカスプライ32に対し半径方向内部位置に提供されても良い。
図3の実施形態によれば、タイヤ30は、ビードコア33及びビード充填材34の周りに巻き付けられるフリッパ40を備えている。
前記実施形態によれば、フリッパ40は、カーカスプライ32とビードコア/充填材アセンブリとの間に配置され、タイヤの前記構造的構成要素と直接接触する。
説明を簡単にするために、図4及び5では、図1で示されたタイヤの構成要素と異なるタイヤ構成要素だけが示されている。したがって、図1の構成要素に関して同様又は同一である図4及び5の構成要素は、説明において同参照記号で扱われる。
図4は、本発明によるチェーファーを備えた自動車用タイヤの部分断面図を示す。
図4のタイヤ50は、2つのカーカスプライ51、52を備え、チェーファー53はそれらの間に配置される。より詳しくは、チェーファー53はフリッパ内部脚部分172の近くのカーカスプライ51、52間に配置される。
図4の実施形態によれば、チェーファー53は、半径方向外部ビードコア部分に対応して始まり、タイヤサイドウォールに沿って延びて、内部フリッパ端部174の半径方向外部の位置で終わる。
図5は、本発明による他の実施形態によるチェーファーを備えた自動車用タイヤの部分断面図を示す。
前記実施形態によれば、チェーファー53は、カーカスプライ51、52の折り返し端部に対して軸方向外部の位置に配置される。
より詳しくは、チェーファー53は、第2のカーカスプライ52の、すなわち半径方向外部カーカスプライ52の軸方向外部に配置され、フリッパ外部脚部分173の近くまで延びる。
図5の実施形態によれば、チェーファー53は、半径方向外部ビードコア部分に対応して始まり、タイヤサイドウォールに沿って延びて、内部フリッパ端部174の半径方向外部の位置で終わる。
チェーファーに関する限り、コード内の糸状要素数、糸状要素の直径、コードのピッチ、予備成形糸状要素の特性(すなわち、振幅、波長)、コード構成、密度が、フリッパに関して上述した範囲で選ばれる。
好ましくは、本発明によるチェーファーの細長強化要素は、フリッパの長手方向に対して斜めに向けられ、15゜〜70゜の、より好ましくは20゜〜60゜の範囲の、タイヤの半径面に対する角度で配置される。
好ましくは、本発明のチェーファーは、「HP」(ハイパフォーマンス)又は「UHP」(ウルトラハイパフォーマンス)自動車用タイヤ、すなわち、クラス「H」や「V」(210Km/hを超える最大速度)及びクラス「W」や「Y」(240Km/hを超える最大速度)に属する自動車用タイヤに特に適している。さらに、本発明は、その最大速度が300Km/hを超える自動車用タイヤに適している。
好ましくは、本発明の自動車用タイヤは、0.65と2.0との間の範囲の、直断面の最大幅に対するその断面の高さであるH/C比率を有する。好ましくは本発明の自動車用タイヤは、非常に低い断面を有するタイヤであり、例えば比H/Cは0.25と0.65との間、より好ましくは0.25と0.45の間である。
本発明についての他の説明のため、幾つかの例が以下に示される。
実施例1
本発明に基づくフリッパの細長強化要素の柔軟性を示すために、出願人は、本発明による2つの細長強化要素と2つの比較細長強化要素との「ターバー剛性(Taber Stiffness)」(1995年版―BISFA―ターバー剛性の決定E8―スチールタイヤコードを試験するための国際的に合意された方法に従って)を測定した。
表1に報告された剛性の値は5回行われた試験の平均値である。
その値が低いほど、コードはより柔軟性がある。
Figure 0004584834
詳細:
− コード1は、3×0.12HTコード(すなわち、0.12mmの直径を有し、HTスチールから作られた3本のワイヤを一緒に撚ることによって得られたコード);3本のワイヤは全て2.200mmの波長(ピッチ)及び0.345mmの振幅を有する実質的に正弦波状の波動にしたがって予備成形された;
− コード2は、3×0.175HTコード(すなわち、0.175mmの直径を有し、HTスチールから作られた3本のワイヤを一緒に撚ることによって得られたコード);3本のワイヤは全て2.200mmの波長(ピッチ)及び0.345mmの振幅を有する実質的に正弦波状の波動にしたがって予備成形された;
− コード3はコード1に類似しており、唯一の違いは、コード3の3本のワイヤは予備成形されていないことであった;
− コード4はコード2に類似しており、唯一の違いは、コード4の3本のワイヤは予備成形されていないことであった。
予備成形ワイヤを有する細長強化要素が、ワイヤが予備成形されていない類似のコード構成を有する細長強化要素の剛性よりも著しく大きい剛性を示すことは注目される。
実施例2
285/35 R19の寸法を有する2つのタイヤA及びBが製造された。
タイヤA及びBは、同一の構造的要素、すなわち同一カーカス(1つのカーカスプライ)、クロスベルトプライ、0゜ベルト層(クロスベルトプライの半径方向外部に配置された)、ビードコア(アルダーファ(Alderfer)5×5、各ワイヤは、0.89mmの直径を有し、HTスチールから作られている)及びトレッドバンドを有した。
タイヤA(本発明によるタイヤ)はさらにフリッパを有し、そのフリッパの細長強化要素は予備成形金属糸状要素から形成されたスチールコードを有した。
より詳しくは、各細長強化要素は、3×0.12HTスチールコード(すなわち、0.12mmの直径を有する3本のHTスチールワイヤから形成されたコード)から成った。コードの各ワイヤは、2.200mmの波長(ピッチ)及び0.345mmの振幅を有する実質的に正弦波状の波動にしたがって予備成形された。
フリッパ内の細長強化要素は、タイヤの半径面に対して、約45゜の角度で配置された。
フリッパ内の細長強化要素の密度は、85コード/dmであり、フリッパの厚み―すなわち、コードの直径及びコードが埋め込まれたゴム化合物を含む総厚み―は約0.95mmだった。
本発明のタイヤAにおいて、フリッパは、外部脚部分よりも長く延ばされた内部脚部分を備えていた。
タイヤB(比較)もフリッパを有し、そのフリッパの細長強化要素は2つのアラミド繊維フィラメントから形成されたコードを有した。フィラメントは、1840のカウント(dTex―この測定単位は10,000メートルの繊維に相当するグラム単位の重量である)、及び50のツイスト(tpm―単位メートル当りの巻き数)を有した。コードのツイストは50(tpm)であった。
タイヤBのフリッパ内の細長強化要素は、タイヤの半径面に対して、約45゜の角度で配置された。
タイヤBのフリッパ内の細長強化要素の密度は、110コード/dmであり、タイヤBのフリッパの厚みは―すなわち、コードの直径及びコードが埋め込まれるゴム化合物を含む総厚みは−約1mmであった。
タイヤBにおいて、フリッパは、外部脚部分よりも長く延ばされた内部脚部分を備えていた。
屋内及び屋外試験がタイヤA及びBで実行された。
屋内試験
a)高速度疲労応力試験
タイヤはタイヤ負荷容量に対し160%の過負荷を受け、次に120km/hの固定かつ制御された速度のロードホイールで回転される。タイヤ空気圧は約2.6バールであった。この試験は、タイヤをリムに、そのリムを測定機械軸に装着して実行された。その試験は、タイヤに障害が生じたときに停止された。
それらの結果は、図6に要約されており、それから、高速度における疲労応力の結果は、比較タイヤBに対し本発明のタイヤAのほうが10%を上回り増加されることが指摘できる。
b)高速度耐久性
タイヤは、加速するロードホイールで回転された。より詳しくは、ロードホイールは1時間240km/hで回転され、さらに続いてその速度は10分毎に10km/h増速された。試験は、タイヤの障害が起こると停止された。前記障害は、例えば、コードの破断、チャンキング、ブロックの引裂、カーカスプライの脱離、ベルトプライの脱離、ブリスター形成が原因である。
タイヤに加えられた圧力及び負荷値は、タイヤのロードインデックス(Load Index)とスピードインデックス(Speed Index)、したがってタイヤの寸法に依存する。
障害が起こる前、タイヤAの最終段階の速度は5分間、330km/hであったが、タイヤBの最終段階の速度は4分間、320km/hであった。
それらの結果は図7で要約されており、それから、高速度耐久性の結果は比較タイヤBに対し本発明のタイヤAが約10%増分されることが指摘できる。
c)屋内衝撃試験
公称動作負荷を掛けたタイヤは、回転の垂直軸で取り付けられ、150km/h〜0km/hの範囲の速度で回転するロードホイールで回転された。ロードホイールは、その半径方向外面に、バンプを形成する所定寸法の平行6面体形状のバーを載せている。タイヤは、バンプがタイヤ上に生成する励振(ハブにおける力)を測定する固定動力計ハブに取り付けられた。
図8に示されるように、試験は、速度(km/h)の関数として、バンプをタイヤが通過する間のハブにおける力の半径及び長手方向成分の、振動数(Hz)、衝撃(%)、及び励振(kg)を測定した。より詳しくは、図8はタイヤAに関する前記測定値(星印で示された)がどれだけタイヤBに関する測定値(円で示された)と実質的に一致しているかを示す。
d)快適さ:垂直剛性
タイヤは、ホイールハブに位置決めされ、静止条件で、すなわち回転が起きない状態で、試験された。初期タイヤ空気圧は、約1.6バールであり、次第にそのタイヤ空気圧は約0.2バール刻みで最終値の約2.8バールに至るまで増分された。ホイールハブに加えられた初期負荷は、車両負荷であり;連続的に前記負荷は、次第に0kgから1,500kgまで増加される過負荷で増分された。試験は、負荷を加えている際にタイヤに生じる扁平度を測定することからなる、すなわち、その試験は、加えられた負荷に対しタイヤが供する抵抗を評価した。垂直剛性は、車輪の半径に沿う方向の変形に対するタイヤの抵抗である。前記パラメータは、タイヤ快適性に関連しており、一般に、高い垂直剛性はゴツゴツして不快な乗り心地に対応する。したがって、理想的なタイヤは、横グリップを与える高い横剛性と、同時に、路面の凸凹を吸収する低い垂直剛性とを有すべきである。
図9はタイヤA(発明)とタイヤB(比較)との垂直剛性(kg/mmで測定された)を示す。図9によれば、2つのタイヤは実質的に同じ垂直剛性を有するので、タイヤAの快適さはタイヤBの快適さと同程度であった。
e)スリップ剛性
タイヤはホイールハブに取り付けられ、タイヤ回転軸と平行な回転軸を有するロードホイールで回転された。タイヤは100km/hの速度で回転され、スリップ角度が加えられた。初期スリップ角度は0゜に等しく、さらにそれは約1Hzの周波数の正弦波曲線にしたがって次第に±1゜増分された。試験は、タイヤをその公称空気圧に維持しながら、異なる垂直負荷(150kgから750kgまで)で実行された。コンピュータ化システムが、試験中に測定パラメータ(スリップ力、自己調整トルク(self-aligning torque))の値を得るために提供された。
スリップ剛性(sliprigidity)kdは、次の数式によりタイヤ構造の剛性ks及びタイヤトレッドの剛性kbにより決まる:
1/kd≡1/ks+1/kb (1)
図10、11、12は、加えられた負荷(ニュートン)に対するタイヤトレッドの剛性kb、タイヤ構造の剛性ks及びスリップ剛性kd(ニュートン/角度で測定された)をそれぞれ示す。
詳しくは、図10は、タイヤAのタイヤトレッドの剛性kbがタイヤBのタイヤトレッドの剛性kbと実質的に等しいことを示すが、図11は、タイヤAのタイヤ構造の剛性ksがタイヤBのタイヤ構造の剛性ksよりも大きいことを示す。
したがって、図12は、タイヤAの、スリップ剛性kd、ゆえに横グリップは、タイヤBの、スリップ剛性kd、ゆえに横グリップよりも大きいことを示す。
屋外試験
a)操縦性
操縦性試験はトラック上で行われ、テストドライバは、定速度、加速、及び減速で実行される幾つかの特徴的走行(例えば、車線変更、コーナの進入、コーナからの脱出)をシミュレートした。次に、テストドライバは、タイヤ挙動を判定し、前記走行中のタイヤ性能に基づき点数を付けた。
操縦性は、一般に、テストドライバによって実行される走行の種類により、2つのヴォイス(voices)(ソフト操縦とハード操縦)に分割される。ソフト操縦は、通常走行条件下、すなわち、通常速度及び十分な横グリップの条件でのタイヤの使用に関する。これに反して、ハード操縦試験は、密着限度における、すなわち、極限運転条件下でのタイヤの挙動を表す。ハード操縦試験の場合、テストドライバは、平均ドライバが予測できずない危険な状況において:高速度での緊急のかじ取り、障害物を避ける突然の車線変更、突然の制動などを実行することを強制される走行を実行する。
試験に使用された自動車は、本発明のタイヤA、次に比較タイヤBを装着したフェラーリ360モデナ(Ferrari360 Modena)であった。これらのタイヤは、標準リムに装着され、公称動作空気圧まで膨らまされた。
2つの異なる種類の試験が実行された:通常速度(ソフト操縦)での挙動、及び密着限度での挙動(ハード操縦)。
ソフト操縦試験に関する限り、テストドライバは:センターにおけるエンプティネス(emptiness in the centre)、つまり小さなかじ取り角に対する自動車の応答遅延やその程度;カーブに進入するかじ取りに対する応答の迅速さ(thepromptness of response);カーブを走行するかじ取りに対する応答の連続性(the progressiveness of response)を;カーブでのセンタリング、つまりカーブ走行時での自動車を連続的なかじ取り補正無しで一定半径を維持するタイヤ能力;リアライメント、つまり自制及び緩和された横振動で自動車をカーブの出口で直線軌道に戻すことができるタイヤの能力を査定した。
ハード操縦試験に関する限り、テストドライバは:急激に曲がるときのハンドルに掛かる力;挿入の迅速さ、つまり限界速度で行われたカーブへの進入における過渡期のタイヤの挙動;平衡度、つまり自動車のオーバーステア又はアンダーステアの程度;イールド(yield)、つまり過度な変形もなく、したがって、自動車の安定性と制御性とを低下させることなく、突然の車線変更の結果として起こる負荷の高速移動を吸収するタイヤ能力;カーブでの解放、つまり限界速度で行われたカーブ走行中の突然のアクセルの解放の結果起こる不安定の影響を緩和するタイヤ能力;制御性、つまり密着力を失った後に自動車を軌道に維持及び/又は戻すタイヤ能力を評価した。表2は、タイヤ制御性についてのテストドライバの成績表を要約する。前記試験の結果は、点数方式でテストドライバによって表現された主観的な意見を表す評価尺度によって表される。次の表で再現された値は、数回の試験(例えば、5〜6回の試験)で得られ、数人のテストドライバによって提供された値の平均値を表す。注目すべきは、値の尺度が最小限の4から最大限の9までであることである。
Figure 0004584834
表2から分かるように、本発明によるタイヤは、比較タイヤと比べてきわめて良好な特性を有する。
例えば、本発明のタイヤは、迅速性、連続性、カーブにおけるセンタリング及びアンダーステアという項目から導き出される、高い迅速性及び(特にタイヤがかじ取り車軸に取り付けられるときの)接地性を有する。
さらに、本発明のタイヤは、リアライメント、オーバーステア、制御性及びイールドという項目から導き出される、高い横グリップを有する。
本発明のタイヤは、2本の車軸間の高い均衡を、ゆえに自動車のフロント及びリヤの優れた平衡を提供するのに成功する。
本発明による自動車用タイヤの部分断面図を示す。 本発明によるフリッパ内に使用できる予備成形糸状要素を示す。 本発明によるバイク用タイヤの部分断面図を示す。 本発明によるチェーファーを備えた自動車用タイヤの部分断面図を示す。 本発明による他の実施形態によるチェーファーを備えた自動車用タイヤの部分断面図を示す。 本発明のタイヤ及び比較のタイヤでそれぞれ実施された試験から得られた結果の比較を示す。 本発明のタイヤ及び比較のタイヤでそれぞれ実施された試験から得られた結果の比較を示す。 本発明のタイヤ及び比較のタイヤでそれぞれ実施された試験から得られた結果の比較を示す。 本発明のタイヤ及び比較のタイヤでそれぞれ実施された試験から得られた結果の比較を示す。 本発明のタイヤ及び比較のタイヤでそれぞれ実施された試験から得られた結果の比較を示す。 本発明のタイヤ及び比較のタイヤでそれぞれ実施された試験から得られた結果の比較を示す。 本発明のタイヤ及び比較のタイヤでそれぞれ実施された試験から得られた結果の比較を示す。

Claims (30)

  1. − 一対の軸方向に間隔を空けて配置された環状強化要素(14;33)と、
    − 前記環状強化要素(14;33)間に延び、軸方向対向端部分(32a)において前記環状強化要素(14;33)のそれぞれ一方に固定された少なくとも1つのカーカスプライ(12、13;32;51、52)を含み、各軸方向端部分(32a)は前記環状強化要素(14;33)の周りで折り返される、カーカス構造(11;31)と、
    − それぞれの環状強化要素(14;33)の半径方向外部にそれぞれが配置される一対のビード充填材(16;34)と、
    − それぞれの環状強化要素(14;33)及びビード充填材(16;34)を少なくとも部分的に包み込み、複数の相互に実質的に平行な細長強化要素を含む少なくとも1つのフリッパ(17;40)と、
    − 前記カーカス構造(11;31)の周りを周方向に延びるトレッドバンド(18;39)と、
    − 前記カーカス構造(11;31)と前記トレッドバンド(18;39)との間に周方向に配置されたベルト構造(20;36)と、
    − 前記カーカス構造(11;31)の軸方向対向位置に張り付けられた少なくとも一対のサイドウォール(19;38)とを備える空気圧タイヤ(10;30;50;60)であって、
    前記フリッパの前記細長強化要素が、撚り合わされた複数の糸状要素を含む金属コードであり、前記糸状要素の少なくとも1つが、0.05mm〜0.25mmの範囲の直径を有する予備成形糸状金属要素(200)であることを特徴とするタイヤ(10;30;50;60)。
  2. 前記細長強化要素の糸状要素(200)が全て予備成形されることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  3. 前記少なくとも1つの糸状要素(200)が同一平面型の変形で予備成形されることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  4. 前記少なくとも1つの糸状要素(200)が波動型の形状を有するように予備成形されることを特徴とする請求項3に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  5. 前記波動形状が正弦波タイプのものであることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  6. 前記正弦波タイプが2.5mmと30mmとの間の波長(P)を有することを特徴とする請求項5に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  7. 前記正弦波タイプが0.12mmと1mmとの間の振幅(H)を有することを特徴とする請求項5に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  8. 前記少なくとも1つの予備成形糸状金属要素(200)が、らせん型の変形により予備成形されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  9. 前記フリッパ(17;40)が、それぞれの環状強化要素(14;33)と接触する、中央部分(171)と、前記中央部分(171)のそれぞれの端部から延び、前記ビード充填材(16;34)を係合する2つの脚部分(172、173)とを備えることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  10. フリッパ端部(174、175)が互いにオフセットされることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  11. 複数の実質的に平行な金属細長強化要素を有するチェーファー(53)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(50;60)。
  12. 前記細長強化要素が、0.05mm〜0.25mmの範囲の直径を有する少なくとも1つの予備成形糸状金属要素(200)を有することを特徴とする請求項11に記載のタイヤ(50;60)。
  13. 前記細長強化要素が、複数の予備成形糸状金属要素(200)を含むことを特徴とする請求項12に記載のタイヤ(50;60)。
  14. 前記少なくとも1つの予備成形糸状金属要素(200)が同一平面型の変形で予備成形されることを特徴とする請求項12に記載のタイヤ(50;60)。
  15. 前記少なくとも1つの予備成形糸状金属要素(200)が波動型の形状を有するように予備成形されることを特徴とする請求項12に記載のタイヤ(50;60)。
  16. 前記波動形状が正弦波タイプのものであることを特徴とする請求項15に記載のタイヤ(50;60)。
  17. 前記正弦波タイプが2.5mmと30mmとの間の波長(P)を有することを特徴とする請求項16に記載のタイヤ(50;60)。
  18. 前記正弦波タイプが0.12mmと1mmとの間の振幅(H)を有することを特徴とする請求項16に記載のタイヤ(50;60)。
  19. 前記少なくとも1つの予備成形糸状金属要素が、らせん型の変形により予備成形されていることを特徴とする請求項12に記載のタイヤ(50;60)。
  20. 前記チェーファー(53)がフリッパ(17;40)と少なくとも1つのカーカスプライ(51、52)との間に配置されることを特徴とする請求項11に記載のタイヤ(50;60)。
  21. 前記チェーファー(53)が少なくとも1つのカーカスプライ(51、52)に対して軸方向外部に配置されることを特徴とする請求項11に記載のタイヤ(50;60)。
  22. 前記チェーファー(53)が少なくとも1つのカーカスプライ(51、52)に対して軸方向内部に配置されることを特徴とする請求項11に記載のタイヤ(50;60)。
  23. 前記チェーファー(53)が2つのカーカスプライ(51、52)の間に配置されることを特徴とする請求項11に記載のタイヤ(50;60)。
  24. 前記少なくとも1つの糸状金属要素(200)が、スチール、アルミニウム又はアルミ合金を含む金属からなることを特徴とする請求項1または12に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  25. 前記少なくとも1つの糸状金属要素(200)が、黄銅、亜鉛、亜鉛/マンガン合金、亜鉛/コバルト合金、亜鉛/コバルト/マンガン合金を含む群から選択された被膜を有することを特徴とする請求項1または12に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  26. 前記糸状金属要素(200)の本数が2本と5本との間であることを特徴とする請求項1または12に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  27. 前記金属コードのよりピッチが2.5mmと25mmとの間であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  28. 前記細長強化要素の密度が40コード/dmと160コード/dmとの間に含まれることを特徴とする請求項1または11に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  29. 前記細長強化要素が、15゜〜60゜の範囲の、タイヤの半径面に対する角度で配置されることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
  30. 前記細長強化要素が、15゜〜70゜の範囲の、タイヤの半径面に対する角度で配置されることを特徴とする請求項11に記載のタイヤ(10;30;50;60)。
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