JP4105397B2 - 金属コード及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラッピングワイヤを巻き付けコードの形状保持性を確保しつつフィラメント内へのゴム浸透性を高めうるゴム補強用の金属コード及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
各種のゴム材料、例えば図3に示すように、重荷重用タイヤTのタイヤ骨格をなすカーカスCとは別にビード部Bに配されかつ該ビード部Bを補強するコード補強層Gには、複数本の金属フィラメントを撚り合わせた金属コードが多用されている。
【0003】
このようなコード補強層Gには、例えば図4に示すように金属フィラメントf、f間に隙間を形成することなく撚り合わせかつコード補強層Gの良好な成型性を確保するためにその外周にラッピングワイヤjを巻き付けたコンパクトコードaなどが使用されている。
【0004】
ところが、各フィラメントf、fには表面メッキ処理が施されているとはいえ、フィラメントf、f間にゴムが浸透し得ない空間が形成されるため、水分の影響によりコード内での錆の発生ないし広がりが生じ、コードとゴムの接着力の低下や、コードの強度の低下、さらにはコードの破断をきたす等の問題点があった。
【0005】
そこで近年では、このような問題を改善するために、図5に示すように、金属フィラメントf、f間に隙間が発生する様に撚り合わせたいわゆるオープンコードbや、図6に示すように、撚り合わせに先立ち3次元のスパイラル状の型付けをした型付けフィラメントf1と、非型付けフィラメントf2とを撚り合わせることによって、金属フィラメント間に隙間を形成して、コード内部にゴムの浸透性を高めた金属コードcなどが提案されている。
【0006】
しかしながら、前記図5、図6に示したコードb、cでは、金属フィラメントが多数本になると、フィラメント間にゴムの浸透性を確保した上でラッピングワイヤを巻き付けたコードを製造するのが困難となる。また前記ビード部Bは、リムと嵌合する部分でもあり、前記コード補強層Gを精度良く成型することが必要であるが、ラッピングワイヤを巻き付けていない金属コードを用いた場合には、プライの成型精度が低下するという問題もある。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑み案出なされたもので、特定形状をなす2次元の波状に型付けした型付けフィラメントと非型付けフィラメントとからなる7〜12本のフィラメントを位置を入れ替えながら特定の芯フィラメントを形成することなく所定のピッチで撚り合わせることを基本として、このフィラメント束にラッピングワイヤを巻き付けして形状保持性を確保しつつもフィラメント間にゴムの浸透性を確保しうる金属コードを提供することを目的としている。
【0008】
また請求項3記載の発明では、ビード部に配されて該ビード部を補強するコード補強層に、フィラメント束にラッピングワイヤを巻き付けしつつもフィラメント間にゴムの浸透性を確保しうる金属コードを用いることにより、前記補強層の成型精度を高め耐久性などを向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、線径dが0.17〜0.25mmであるn本(n=7〜12)の金属フィラメントから構成され、前記金属フィラメントは、撚り合わさせれる前の状態で波の山部と谷部との間に直線部を有する2次元の波状に型付けされた2本以上かつ(n−3)本以下の型付けフィラメントと、残余の非型付けフィラメントとからなり、
かつ前記型付けフィラメントは、前記型付けの波ピッチPw、波高さhを同一とし、
しかも各型付けフィラメントの前記線径d、型付けの波ピッチPw、波高さhは下記式▲1▼、▲2▼、▲3▼の関係を満足し、
これらの全てフィラメントを該フィラメントの位置を入れ替えながら特定の芯フィラメントを形成することなく10〜30mmの撚りピッチで撚り合わせてフィラメント束を形成するとともに、
該フィラメント束の外側にこのフィラメント束の撚り方向とは逆方向にかつ3.0〜7.0mmの巻き付けピッチで巻き付けされた線径が0.13〜0.17mmのラッピングワイヤを具えてなる金属コードである。
10.0d≦Pw≦35.0d … ▲1▼
0.5d≦h≦4.0d … ▲2▼
0.014≦d×h/Pw≦0.028 … ▲3▼
【0010】
また請求項2記載の発明は、前記フィラメント束は、前記型付けフィラメントを捻りながら前記撚り合わせることにより形成されることを特徴とする請求項1記載の金属コードである。
【0011】
また請求項3記載の発明は、カーカスとは別にビード部に配されかつ該ビード部を補強するコード補強層に請求項1記載の金属コードを用いたことを特徴とする空気入りタイヤである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
本実施形態では、図3に示したように、重荷重用タイヤTのビード部Bに配されかつ該ビード部Bを補強するコード補強層Gに、本発明の金属コード1を用いる場合を例示しており、該金属コード1は、図2(A)、(B)に例示する如く、線径dが0.17〜0.25mmであるn本(n=7〜12)の金属フィラメント2から構成され、本実施形態では線径dが全て同一の金属フィラメント2からなるものを例示している。
【0013】
従来、トラック、バスなどに使用される重荷重用タイヤTの前記コード補強層Gを構成する金属コードとしては、例えば3+9構成(トータルフィラメント本数12本)や、3+9+15構成(トータルフィラメント本数27本)などが多用されてきた。
【0014】
一般に金属フィラメントの線径を大きくし、その本数を減らすことは、コード製造時のコストや生産性の面で有利である。またコードの性能面でも、フィラメント本数が少ない方がゴムのコード内部への浸透度を上げやすいという利点がある。
【0015】
そこで本発明では、とりわけ重荷重用タイヤTの前記コード補強層Gに多用されていた前記3+9、3+9+15構成の金属コードの代替となり、特にフィラメント本数を低減したものとして好ましく実施しうるよう、線径dを0.17〜0.25mmとした金属フィラメントをn本(n=7〜12)を用いて構成している。
【0016】
なお前記金属フィラメント2の線径dが0.17mm未満の場合、前記n本のフィラメント2を撚り合わせても重荷重用タイヤの前記コード補強層Gとして必要な剛性を得ることが難しくなり、かつタイヤの耐久性の低下を招く他、後述のようにフィラメントに波状の型付けを行ってもコードに撚る前に型付けが撚り時に元に戻りやすく、ゴム浸透度が不充分になりやすい。
【0017】
逆に線径dが0.25mmを超える場合には、コード補強層Gとしてビード部Bの回りに巻き付ける際に要求されるコードのしなやかさが不足する。なお金属フィラメント2は、その表面に金属又は樹脂など各種のメッキが施されているものが好ましい。
【0018】
さらに前記n本の金属フィラメント2は、図1に示すように、撚り合わされる前に波の山部Uと谷部Dとの間に直線部3を有する2次元の波状に型付けされた2本以上かつ(n−3)本以下の型付けフィラメント2Aと、残余の非型付けフィラメント2Bとを用いている。
【0019】
前記型付けフィラメント2Aの夫々は、少なくとも前記型付けの波ピッチPwおよび波高さhが、互いに同一としている。なお前記波ピッチPw、波高さhは、図1に示すように測定する。
【0020】
このように全ての金属フィラメント2を、型付けフィラメント2Aと非型付けフィラメント2Bとを混在して構成した理由は、全部の金属フィラメント2に型付けを行った場合には、金属コードの初期の伸びが大きくなり、例えばビード部Bを補強するコード補強層Gへの使用が困難となる他、型付けのためのコスト増加を招き、又曲げ剛性、強度が低下する。
【0021】
また本発明では、型付けフィラメント2Aの型付けを直線部3を有する2次元の波状に限定することによって、フィラメント間に隙間を形成するのが容易となり、例えば3次元のスパイラル状に型付けされたものに比して、型付けされた波高さhなどが比較的小さくてもコード内部へのゴムの浸透性を確保しうる。また多数本のフィラメントを有し、かつ外周にラッピングワイヤが巻き付けられる場合であっても、コード径をコンパクトとしながらもゴムの浸透性を高めうる。なお型付けの波状に前記直線部3が含まれていないとコード内部へのゴムの浸透性が低下し所期の目的を達成し得ない。
【0022】
また本発明者らの種々の実験の結果、限定された線径dを有しかつ特定本数の型付けフィラメント2Aを含むコードを製造する場合には前記型付けフィラメント2Aの前記線径d、型付けの波ピッチPw、波高さhは下記式▲1▼〜▲3▼の関係を満足することが重要であることを見出した。
10.0d≦Pw≦35.0d … ▲1▼
0.5d≦h≦4.0d … ▲2▼
0.014≦d×h/Pw≦0.028 … ▲3▼
【0023】
前記型付けの波ピッチPwが、使用する金属フィラメント2の線径dの10.0倍未満になると、波ピッチが小さくなりすぎ、その型付け加工により型付けフィラメント2Aが受けるダメージが大きく強度低下の原因となる。逆に35.0倍を超えると、波ピッチが大きくなりすぎ、ゴムの浸透性が低下する。
【0024】
また前記波高さhが、使用する金属フィラメント2の線径dの0.5倍未満になると、ゴム浸透性を確保するのが困難となり、逆に4.0倍を超えると、その型付け加工により型付けフィラメント2Aが受けるダメージが大きく強度低下の原因となる。
【0025】
また、本発明者らは上記▲3▼式に示すように、d×h/Pwを種々変化させてコードの強度低下率(%)とゴム浸透度(%)とを調べたところ、d×h/Pwを0.014〜0.028の範囲に限定することにより、顕著な効果が発揮されることを見出した。
【0026】
図7には、コードの強度低下率(%)、ゴム浸透率(%)と、前記パラメータd×h/Pwの関係を示している。この図から明らかなように、d×h/Pwが大きくなるとコードの強度低下率が大きく性能が悪化する反面、ゴムの浸透率が向上することが判る。そこで、本発明では前記d×h/Pwの取りうる範囲を0.014〜0.028、より好ましくは0.020〜0.025の範囲に限定することにより、コードの強度低下率を許容範囲内に抑え、同時にゴムの浸透度を高めている。なお、ここでいう強度低下率(%)、ゴム浸透度(%)は実施例(後述)での定義に従っている。
【0027】
そして本実施形態では、これらの全てのフィラメント2Aを、該フィラメントの位置を入れ替えながら特定の芯フィラメントを形成することなく、かつ捻りながら10〜30mmの撚りピッチで1本に撚り合わせたフィラメント束4(図2に示す)を形成するとともに、該フィラメント束4の外側にこのフィラメント束4の撚り方向とは逆方向に所定のラッピングワイヤ6を巻き付けることにより金属コード1を得る。
【0028】
このようにして全てのフィラメント2を撚り合わせることにより、フィラメント束4の外周にラッピングワイヤ6を巻き付けしつつも、型付けフィラメント2A同士の波が重なり合うのを効果的に防止できる。撚り合わせ時、捻りながら撚り合わせたときには、フィラメント束4の径をよりコンパクト化しつつフィラメント間に隙間5を多く形成することができ、ひいてはコード内部へのゴムの浸透性をさらに向上しうる。
【0029】
図2(A)、(B)には、本実施形態の金属コード1の断面図を示している。図2(A)には、型付けフィラメント2Aを5本、非型付けフィラメント2Bを4本用いてこれらのフィラメント2A、2Bの位置を入れ替えつつ1本に束撚りして構成された金属コード1が示されている。又図2(B)の金属コード1は、型付けフィラメント2Aを6本、非型付けフィラメント2Bを6本用いてこれらの位置を入れ替えつつ1本に束撚りして構成されている。フィラメント間には多くの隙間が形成されてゴムの浸透性を高めうることが解る。
【0030】
なお「フィラメントの位置を入れ替えながら特定の芯フィラメントを形成することなく」撚り合わせるとは、例えば図2(A)、(B)に示したように、金属コード1の当該断面で、中心付近に存在するフィラメントC、Cが、該コードの長手方向に距離を隔てた位置ではコード1の外側に配されるフィラメント2とその位置を入れ替わるように撚り合わされて、常に同じフィラメント2が金属コード1の中心付近に止まらないことをいう。このとき、各フィラメントの位置の入れ替わりは一定の順序に従って行われても良くまた非一定の順序で行われても良い。
【0031】
一般に多数本の型付けフィラメント2Aを1本に撚り合わせた場合、フィラメント間に非常に大きな隙間が形成されて製造工程でフィラメントのまとまりが悪くなる「バラケ」などの問題が生じやすいが、本発明のようにフィラメントの位置をコードの長手方向にその位置を入れ替えながら撚り合わせることにより、フィラメント間に絡み合いが生じ、フィラメントのまとまりが良くなって前記バラケをも防止しうる。
【0032】
またフィラメントの位置を入れ替えながら特定の芯フィラメントを形成することなく撚り合わせることによって、従来、ビード部Bのコード補強層Gとして特定の芯フィラメントを有していたコードで特に問題となっていたコードの中心部のフィラメントがすっぽ抜けるいわゆる芯抜けのトラブルに対して著しい改善効果を発揮しうる。
【0033】
なお前記フィラメント束4として撚り合わす撚りピッチが10mm未満であると、コードの初期の伸びが大きくなり例えばビード部Bを補強するコード補強層Gに使用するのが困難となる他、撚り工程でのコストを増大させる傾向がある。逆に撚りピッチが30mmを超えるとコードを切断したときに、型付けフィラメント2Aがばらけ易くなり工程上好ましくない。
【0034】
なお線径dが0.17〜0.25mmと比較的細い金属フィラメント2は、荷重作用時に伸びやすいため、コード(フィラメント束)の単位長さ当たりの各型付けフィラメント2Aの型付け前のフィラメント長さが個々に異なっていると、すなわち前記波ピッチPwおよび波高さhが互いに同一になっていない場合には、フィラメントの飛び出しが生じるという工程上の問題がある。
【0035】
また前記ラッピングワイヤ6の巻き付けは、フィラメント束4の外側に、このフィラメント束4の撚り方向とは逆方向にかつ3.0〜7.0mmの巻き付けピッチで行われる。このラッピングワイヤ6の巻き付け方向が、フィラメント束4の撚り方向と同方向では、各フィラメントの位置ずれを防ぐことが困難であり、ひいてはプライの成型精度を低下させる。また、ラッピングワイヤ6の巻き付けピッチが3.0mm未満であると、生産性が著しく低下し、逆に7.0mmを超えるとコードの形状保障性が悪くなり、ひいてはプライの成型精度を悪化させる。
【0036】
また前記ラッピングワイヤ6は、線径が0.13〜0.17mmであることが必要であり、本例では1本の素線からなるものを例示している。このラッピングワイヤ6の線径が0.13mm未満であると、例えばコードを曲げたときにコードの断面形状を保つことが困難となり、逆に0.17mmを超えると、コード径が大きくなりかつ重量も大きくなるため好ましくない。
【0037】
なお金属フィラメント2、ラッピングワイヤ6は、例えば炭素含有量が0.65〜0.88wt%の硬鋼線材を用いるのが好ましい。前記炭素含有量が0.65%を下回ると、フィラメントないしワイヤの強度が低下する傾向があり、逆に0.88wt%を超えると硬度が高すぎ、例えば型付けないしラッピングなどの際に強度低下が大きくなる傾向がある。
【0038】
また前記金属コード1は、例えば複数本を等間隔で並列してトッピングゴムなどにより被覆されてゴム引きプライとなり、例えば重荷重用タイヤTのビード部Bにカーカスとは別に配され該ビード部Bを補強する前記コード補強層Gに使用される。この際、コードの長手方向と直角な方向のプライの単位長さ当たりに含まれる金属コードの本数をタイヤの仕様に応じて種々設定しうる。
【0039】
なお、このプライの単位長さ当たりのコード本数が少なすぎると、タイヤに使用した際、加硫成形時などにコード間隔が不均一になるなどコード配列に乱れが生じやすく、逆にコードの間隔が小さくなりすぎるとコード間にゴムが浸透しにくくコードとゴム間の剥離が起こりやすくなる。
【0040】
【実施例】
本発明の効果を確認すべく、種々の金属コードを試作してコードの特性及びタイヤのビード部を補強するコード補強層として用いたときのタイヤ性能について比較評価を行った。試作タイヤは、サイズ11R22.5の重荷重用ラジアルタイヤである。
なお表中の用語の定義は次の通りである。
【0041】
<強度低下率>
同一組成(炭素含有量等の組成が同一)の材料かつ同じ本数の金属フィラメントを使い、同じ撚りピッチで撚ったコンパクト構造のコード(以下、「比較対象コード」という)に対する強度の低下率であり、タイヤに使用する前の状態で測定したものである。数値が小さいほど強度の低下が少なく良好である。
【0042】
<荷重時伸度>
コード1本に50Nの荷重を加えた時のコードの伸び率。
【0043】
<曲げ剛性>
テーバ社(米国)製の「V−5剛性試験機」を用いて金属コードの曲げ剛性を測定した。
【0044】
<形状保持性>
約1000mmの金属コードを用意し、平らな面の上で径200mmのループを作り、コードの両端は固定する。固定された側と反対側のループ上に力を加えループをつぶしていき、15秒で力を加えた部分と反対側のループ上の点に接するまで変形させる。接した状態で10秒間保持し、その後15秒かかってゆっくり元の位置の方向に戻していき、これ以上戻らなくなった点と接していた位置との距離Lを測定する。測定値E=(L/200)×100の式で計算する。
なお形状保持性は、各コードの測定値を実施例1の測定値で割った値の逆数×100で指数で表示しており、数値が大きいほど良好である。
【0045】
<ゴムの浸透率>
試供金属コードを用いた前記コード補強層を具えるタイヤを製造し、そのタイヤから金属コードをトッピングゴムが付着した状態で取出す。このゴム付きコードの表面からできる限りゴムを除去した後、断面からナイフを入れて隣り合う2本のフィラメントを除去し、除去された2本のフィラメントと残りのフィラメントの束との間に形成されている空隙にゴムが完全に充填されている部分の長さを約10cmにわたり測定し、ゴムが充填されている部分の長さの全長さに対する比率をもってゴムの浸透度とする。
【0046】
<コードの芯抜け力>
コード補強層を有するタイヤを製造した後、タイヤからコード補強層の所定のカットサンプルを切り出すとともに、このサンプルから金属コードを引き抜く際の引き抜き力と、その力で引き抜かれた金属コードの引き抜き長さとをプロットし、金属コードを15mm引き抜くのに要する力を求めた。
【0047】
<走行後の錆発生指数>
タイヤを約20万km走行させた後、タイヤを解体してコード補強層から金属コードの錆の発生状況を観察して比較対象コードを100とする指数で表示している。数値が小さいほど錆の発生が少なく良好である。
【0048】
<走行後の強度保持率>
タイヤを約20万km走行させた後、タイヤを解体してコード補強層から金属コードを取り出し、走行前のコードの強度を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好である。
【0049】
テストの結果を表1、2に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004105397
【0051】
【表2】
Figure 0004105397
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1又は2記載の金属コードは、ラッピングワイヤを巻き付けてコードの形状保持性を確保しつつ、コード内部へのゴム浸透性を高めることができ、コード内部での錆の発生を大幅に減じ、耐久性を向上しうる。またラッピングワイヤの線径や巻き付けピッチなどを限定したこと、及び型付けフィラメントと非型付けフィラメントとを混在させることにより、コード径をコンパクト化しながらコードの形状保持性を高め、ひいてはプライの成型精度を向上するのに役立つ。
【0053】
また金属コードは、コードの強度、強度低下率、荷重時伸度(50N時)、曲げ剛性などについてもコンパクトコードと遜色のない良好な特性を発揮しうる。さらに工程でのフィラメントの飛び出しやバラケといった不具合もなくきわめて良好である。さらに、型付けフィラメントを捻りながら撚り合わせたときには、フィラメント束の径をよりコンパクト化しつつコード内部へのゴムの浸透性をさらに向上しうる。
【0054】
また請求項3記載の発明では、タイヤのビード部を補強するコード補強層に前記金属コードを用いることによって、該金属コードのタイヤ内部で錆の発生を抑制でき、コードの強度低下や破断などを効果的に防止し、タイヤの耐久性を向上しうるとともに、該金属コードが形状保持性に優れる結果、プライの成型精度が向上し寸法安定性に優れた空気入りタイヤを提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型付けフィラメントの一例を示す平面図である。
【図2】(A)、(B)は、本発明のコードを例示する断面図である。
【図3】重荷重用タイヤの断面図である。
【図4】コンパクトコードの断面図である。
【図5】オープンコードの断面図である。
【図6】スパイラル状の型付けフィラメントを含むコードの断面図である。
【図7】コードの強度低下率、ゴム浸透度と、d×h/Pwの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 金属コード
2 金属フィラメント
2A 型付けフィラメント
2B 非型付けフィラメント
3 直線部
4 フィラメント束
6 ラッピングワイヤ
T 重荷重用タイヤ

Claims (3)

  1. 線径dが0.17〜0.25mmであるn本(n=7〜12)の金属フィラメントから構成され、前記金属フィラメントは、撚り合わさせれる前の状態で波の山部と谷部との間に直線部を有する2次元の波状に型付けされた2本以上かつ(n−3)本以下の型付けフィラメントと、残余の非型付けフィラメントとからなり、
    かつ前記型付けフィラメントは、前記型付けの波ピッチPw、波高さhを同一とし、
    しかも各型付けフィラメントの前記線径d、型付けの波ピッチPw、波高さhは下記式▲1▼、▲2▼、▲3▼の関係を満足し、
    これらの全てフィラメントを該フィラメントの位置を入れ替えながら特定の芯フィラメントを形成することなく10〜30mmの撚りピッチで撚り合わせてフィラメント束を形成するとともに、
    該フィラメント束の外側にこのフィラメント束の撚り方向とは逆方向にかつ3.0〜7.0mmの巻き付けピッチで巻き付けされた線径が0.13〜0.17mmのラッピングワイヤを具えてなる金属コード。
    10.0d≦Pw≦35.0d … ▲1▼
    0.5d≦h≦4.0d … ▲2▼
    0.014≦d×h/Pw≦0.028 … ▲3▼
  2. 前記フィラメント束は、前記型付けフィラメントを捻りながら前記撚り合わせることにより形成されることを特徴とする請求項1記載の金属コード。
  3. カーカスとは別にビード部に配されかつ該ビード部を補強するコード補強層に請求項1又は2記載の金属コードを用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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