JP3636407B2 - ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤやベルトコンベヤー等のゴム物品の補強材として用いるスチールコード及びこのコードで補強した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム物品の典型例である空気入りタイヤの補強材として用いるスチールコードは、タイヤの耐久性を高めるために、コードを構成するフィラメント間にゴムを進入させて、コード内部の水分が浸入する隙間を埋めることによって、コードの耐食性を高める必要がある。
【0003】
そこで、従来は、図1に示すように、コードのフィラメント間に隙間を設けた、いわゆるオープン型コードが用いられてきた。しかしながら、在来のオープン型コードでは、コード製造時にフィラメントに大きな型付け加工が必要となるため、コードの長手方向においてフィラメントの配置に偏りが発生し、コードの疲労性が低下することが問題となる。また、タイヤ製造時のカレンダー工程にて、コードに付加される、低荷重の張力によってもコードが伸びてしまうために、コードにゴムを張り合わせた、ゴム引き布の寸法精度を高くすることができない結果、このゴム引き布で構成されるタイヤのユニフォミティが低下することも問題であった。
【0004】
上述のオープンコードの問題を解決するコード構造としては、図2に示すような、1+3構造が有利と考えられている。さらに、この1+3構造における、ゴム浸透性を改善したものとして、図3に示すように、撚り合わせピッチより小さいピッチで螺旋形の型付けを施した、フィラメントをコアに用いたコードが実開平4−60589号公報に、また波形の型付けを施したコードが特開平5−295682号公報に、それぞれ提案されている。
【0005】
しかしながら、1+3構造を基本とするスチールコードは、低荷重下でのコードの伸びは抑制されるが、オープンコードに対してゴム浸透性が低下しタイヤ耐久性は低下するとともに、タイヤ走行時においてコードのコアフィラメントがタイヤから飛び出す、いわゆるコア抜けの問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上述のオープンコードおよび1+3構造コードのそれぞれが抱えている問題を解消し、ゴム浸透性に優れ、かつ低荷重下での伸びが少なくタイヤでのコア抜けが発生しない、新規な構造のゴム物品補強用スチールコードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、2〜4本のスチールフィラメントをnとしたとき、1+nおよび1×(1+n)で表されるコード構造が、コードの長さ方向に混在してなるスチールコードであって、1+n構造におけるコアのフィラメントに、下記式(1) および(2) で示される波長Lおよび波高Hに従う波形もしくは螺旋形の型付けを施したことを特徴とするゴム物品補強用スチールコードである。
記
5d≦L≦30d ----(1)
1.05d≦H≦2.5d ----(2)
ここで、d:フィラメントの直径
【0008】
なお、コード全長における1×(1+n)構造の占める比率が5〜95%であることが、好ましい。
【0009】
また、この発明は、1対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスのクラウン部を、少なくとも1層のベルトで補強した空気入りタイヤであって、該カーカスおよび/またはベルトに、上記のスチールコードを適用してなる空気入りタイヤである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図4に、この発明に従うゴム物品補強用スチールコードを、その長手方向に離間した複数の位置における断面と共に示す。このコードは、3本のスチールフィラメント1からなり、コードの長手方向に、1+3構造および1×4構造が混在するところに特徴がある。すなわち、コードの長手方向に離間した位置A〜Fにおいて、位置AおよびBでは、コアフィラメント1aのまわりに3本のシースフィラメント1b〜1dを配置した1+3構造であり、一方位置C〜Fでは、コアフィラメント1aを含む4本のフィラメント1a〜1dを撚り合わせた1×4構造になる。
【0011】
なお、コード全長における1×(1+n)構造、図示例では1×4構造の占める比率が5〜95%であることが、好ましい。なぜなら、この比率が5%未満であると、コア抜け性を十分に満足することができず、また95%をこえると、低荷重下でのコード伸びが大きくなる。また、コード全長において1×(1+n)構造が占める区域は、連続でも不連続でも構わない。
【0012】
また、1+3構造においてコアを担うフィラメント1aには、図5または図6に示す、波形もしくは螺旋形の型付けを施して、コードにおけるフィラメント相互間の隙間を確保し、コード内部へのゴムの進入を確保している。
【0013】
ここで、コアのフィラメントに施す波形もしくは螺旋形の型付けは、上記した式(1) および(2) で示される波長Lおよび波高Hに従うことが、肝要である。なぜなら、波長Lが30dをこえると、コードにゴムを張り合わせる圧延工程において、コードへ張り合わせたゴムからの圧力が作用したときに型付けが容易に解消してフィラメントが直線状になる結果、フィラメント相互間に隙間を設けることができなくなり、一方5d未満であると、コアフィラメントの型付け加工が過酷になるため、フィラメントの強度が低下するからである。
【0014】
また、波高Hが1.05d未満では、シースフィラメント間の隙間を十分に設けることができず、一方2.5dをこえると、シースフィラメントの配置が不適切になってフィラメント相互間の隙間が不均一になる結果、ゴムが浸入できない部分を生じる。
【0015】
以上に述べた構成のコードは、稠密に撚り合わせた、いわゆるコンパクト構造になるから、低荷重下でのコードの伸びを抑制することができる。また、1+n構造におけるコアに相当するフィラメントは、1×(1+n)構造においては、1+n構造におけるシースに相当する、残りのフィラメントと共に撚り合わされて、これらフィラメントに拘束されるため、コア抜けを生じることがない。一方、コンパクトコードの弱点であるゴム浸入性については、コードを構成するフィラメントの本数を適正化し、かつコアフィラメントに所定の型付けを施すことによって、フィラメント相互間に隙間を持たせてゴム浸入性を改善した。
【0016】
なお、上記のスチールコードは、次の手順に従って製造することができる。
すなわち、所定の線径と強度になるように伸線で縮径したフィラメントを撚線機により撚り合わせてコードとするに当たり、図7に示すようなチューブラー型の撚線機を用いて、コードを構成するフィラメントを巻き付けたボビン2a〜2dのうち、1+n構造においてコアとなるフィラメント1aを巻き付けたボビン2aはバレル3の外に、残るn本、図示例では3本のフィラメントのボビン2b〜2dをバレル3の内部に、それぞれ配置する。そして、コアになるフィラメントはボビン2aから巻き出された後、図8に示す癖付け装置4を通過させることによって、波形の型付け加工を行った後、他のフィラメントとの撚り合わせを行う。
【0017】
この癖付け装置4は、所定ピッチの歯をそなえる1対のホィール4aおよび4bからなり、ホィール4aおよび4b間にフィラメントを通すと、上記した波長および波高に従う波形が付与される。
【0018】
また、波形の型付けの替わりに螺旋形の型付けを行う場合は、図9に示す癖付け装置5を用いて螺旋形の型付け加工を行う。この癖付け装置5は、架台5a上に複数の癖付けピン5bを千鳥足状に配置したもので、フィラメントを癖付けピン5b間に通過させることで行う。また、架台5aをフィラメントの進行方向を軸として回転させることによって、フィラメントに螺旋形の型付けを付与できる。すなわち、図示のように、架台5aを円筒5c内に設置し、円筒5cをフィラメントの進行方向が中心軸になるように回転させることで螺旋状の型付けをフィラメントに与えることができる。
【0019】
次いで、型付け後のフィラメント1aとバレル3の内部に配置したボビン2b〜2dから巻きだしたフィラメント1b〜1dとを撚り合わせる際、1+n構造と1×(1+n)構造を混在させるため、撚り合わせるフィラメントの巻出し張力を周期的に所定の範囲で変動させる。この張力制御は、ボビンからフィラメントを巻き出すときの巻出し抵抗を周期的に変動することで行う。
【0020】
すなわち、張力制御機7は、図10(a) および(b) に示すように、巻出しボビン2aを配置する巻出し機の巻出し軸に連動して回転する、楕円プーリー7aと、回転可能な真円プーリー7bとからなり、真円プーリー7bは、楕円プーリー7aにばね等の手段で弾性的に押し付けてある。ボビン2aからフィラメントを巻き出すとき、ボビンと連動して回転する楕円プーリー7aに対する真円プーリー7bの押し付け力は、楕円プーリー7aの長軸側と短軸側で異なるため、巻出したフィラメントの張力を周期的に所定範囲で変動させることができる。その結果、フィラメントを撚り合わせるときのフィラメントの張力が周期的に変動して、1+n構造と1×(1+n)構造とを混在させることができる。
【0021】
なお、両構造の混在を容易に且つ確実なものにするために、図10(c) に示す撚り合わせ変動装置7cを撚線機6の入側に配置して用いることができる。この撚り合わせ変動装置7cは、撚り合わせるフィラメントの数に対応してフィラメントの案内孔7d〜7gを設けた円盤であり、案内孔7d〜7gの1つ7dを長孔に成形したところに特徴がある。すなわち、長孔7dに通したフィラメントは、フィラメント張力が低いとき径方向外側に位置する結果、撚り合わせたときに1×(1+n)構造となり、一方張力が高いときは径方向内側に位置する結果1+n構造となり、張力の変動により1+n構造と1×(1+n)構造とを確実に混在させることができる。
【0022】
また、張力制御は、電気的に行うことも可能である。例えば、巻出しボビンと連動して回転する巻出し機の巻出し軸を電磁ブレーキ等を用いて減速することによって、フィラメントの巻出し抵抗を周期的に変動させることができる。
【0023】
上記の張力制御によって、コアフィラメントとシースフィラメントとを同じ張力で撚り合わせると、図11に典型例を示す、コアフィラメントの周りにシースフィラメントが均等に散在する、1+n構造のコード構造が得られる。一方、シースフィラメントの張力を高めると、図12に典型例を示す、分散していたシースフィラメントが隣接相互間で接触する位置に集まってコアフィラメントの隣りに移動し、かつシースフィラメント群の隙間にコアフィラメントが移動する結果、コード構造は1×(1+n)構造となる。
【0024】
なお、1+n構造と1×(1+n)構造とは、図11および12に示すように、各シースフィラメントの中心点を結んで形成される多角形Sの内側に、型付けを施したコアフィラメントの輪郭形状の中心が位置する場合を1+n構造とし、またシースフィラメントの中心点を結んで形成される多角形Sの外側に、コアフィラメントの輪郭形状の中心が位置する場合を1×(1+n)構造とした。
【0025】
さらに、コード全長における1+n構造または1×(1+n)構造の占める比率を所定の範囲に高精度で制御するには、図10に示した、張力制御機7において、楕円プーリー7aの形状を調整することで行うことができる。すなわち、楕円プーリー7aの形状は数学的な楕円形である必要はなく、楕円プーリーの外周において長軸または短軸に対応する周長を変更することで、任意の割合の構成比にすることができる。また、真円プーリー7bの弾性的反発力を調整することによって、あるいは撚り合わせ変動装置7cの長孔7dの形状や配置を調整することによっても、混在比率の割合を精度良く設定することができる。
【0026】
以上の製造方法はチューブラータイプの撚線機を用いて行う例で説明したが、例えば図13に示すような、バンチャータイプの撚線機を用いても、この発明に従うスチールコードを同様に製造することができる。
【0027】
また、この発明のスチールコードは、例えば図14に示すタイヤ構造において、カーカス8またはこのカーカス8のクラウン部を覆うベルト9に適用することができる。なお、図13において、10はベルト9上に配置したトレッドおよび11はビードコアである。
【0028】
【実施例】
上述した製造方法に従って、表1〜3に示す仕様のコードを作成し、得られたコードに関して、コア抜け性、コード伸び、ゴム浸透性、ゴム製品製造作業性、タイヤのユニフォーミティおよび耐カットセパレーション性を評価した。その評価結果を表1に併記する。なお、評価または測定方法は、次のとおりである。
【0029】
〔コア抜け性の評価方法〕
タイヤ製造時と同等の条件にて、スチールコードをゴムに埋め込んだゴム引き布から短冊状(長さ約200 mm,幅20mm)に試験片を切り出し、その一端のゴム部分を取り除いてスチールコードの一部を露出し、このコードのシースフィラメントをほぐしてコアフィラメントのみを露出する。次いで、露出したコアフィラメントを、引張り試験機の上チャックで固定する一方、ここから100 mmの長さを隔てたゴム部分を下チャックにチャッキングして固定する。そして、試験片を上下に引張って、下記の(1) 〜(3) の現象が発生したときの引張り荷重を測定して評価した。なお、評価結果は、従来例3(1+3×0.26mm)を100 としたときの指数にて表示し、数値が大きいほど良好な結果を示す。
記
(1) コアが切れる。
(2) コアが抜ける。
(3) コードとその下側のゴムが切れる。
【0030】
〔コード伸びの測定〕
スチールコードに0.050kgfの荷重を加えた状態を伸び0として、5kgf の荷重を加えたときの伸びを測定した。なお、試験結果は従来例2の伸びを100 とした指数で表示し、数値が小さいほど伸びが小さく、数値が125 以下であれば、撚り性状に優れ、かつゴム物品製造時の作業性やゴム物品の寸法精度に優れるものであり、このコードを使用したタイヤはユニフォミティに優れるものとなる。
【0031】
〔ゴム浸透性〕
図14に示したタイヤ(タイヤサイズ:205 /60R15)のベルト9に、スチールコードを打ち込み角度:タイヤ周方向に対して20゜で、打ち込み本数28.0本/5cmの条件で適用し、加硫後のタイヤのベルトからスチールコードを採取し、コード全長にわたってコード断面を1mm間隔で観察し、コード中心部にまで完全にゴムが浸透している断面がシースの1撚りピッチに1ヶ所以上あれば、コード長手方向の水分伝播が抑制できるため良(○)と評価し、シースの5撚りピッチにゴムが完全に浸透している断面が1ヶ所以上あれば可(△)、それ以外は不可(×)と評価した。なお、不可以外は実用上問題とならない。
【0032】
〔ゴム物品製造作業性〕
ゴム物品を製造する際のカレンダー作業性及びタイヤ成形作業性について、スチールコードをカレンダー工程にてゴムシートで圧延して、ゴムとの複合体とした後、所定形状に裁断した際の裁断端の跳ね量を計測して、その結果を従来例1と同等の場合は不可(×)、従来例2と同等の場合は良(○)とし、その中間は可(△)として評価した。なお、○であれば作業性が良好であることを示す。
【0033】
〔タイヤユニフォミティ〕
図14に示したタイヤ(タイヤサイズ:205 /60R15)のベルト9に、スチールコードを打ち込み角度:タイヤ周方向に対して20゜で、打ち込み本数28.0本/5cmの条件で適用し、加硫後のタイヤからベルトの2層を採取して、スチールコードの配列状態をX線により観察した。その結果を従来例1と同等の配列状態は不可(×)、従来例2と同等の配列状態は良(○)とし、その中間は可(△)として評価した。なお、○であればユニフォミティに優れるタイヤであることを示し、△でも実用上問題はない。
【0034】
〔耐カットセパレーション〕
図14に示したタイヤ(タイヤサイズ:205 /60R15)のベルト9に、スチールコードを打ち込み角度:タイヤ周方向に対して20゜で、打ち込み本数28.0本/5cmの条件で適用したタイヤを実車に装着し、悪路を5万km走行したのち、ベルトのカット貫通部のフィラメント腐蝕長さの最大値を測定し、その結果を従来例1と同等の場合は不可(×)、従来例2と同等の場合は良(○)とし、その中間は可(△)として評価した。なお、○であれば耐カットセパレーション性が良好であることを示し、△でも実用上問題はない。
【0035】
表1〜3に示すように、従来のオープン構造コードでは、コード伸び、ゴム浸透性、ゴム製品製造作業性、ユニフォミティおよび耐カットセパレーション性の各特性を共に満足することはできなかったが、この発明にかかるコードはすべての特性において良好な結果となった。また、1+n構造と1×(1+n)構造を混在する構成比で1×(1+n)構造となっている部分がコード長さに対し5%未満であるとコア抜け性を十分に満足することができず、また95%をこえると、低荷重のコードの伸びが大きくなる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
この発明によれば、ゴム物品補強用コードに要求される様々な特性を共に向上することができ、とりわけゴム浸透性に優れ、かつ低荷重下での伸びが少ないためにタイヤでのコア抜けが発生しない、タイヤの補強材として好適なコードを提供できる。さらに、低荷重下での伸びが少ないために、タイヤカレンダー工程でのコードの伸びが抑制されて、その作業性を向上することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコード構造を示す断面図である。
【図2】従来のコード構造を示す断面図である。
【図3】従来のコード構造を示す断面図である。
【図4】この発明に従うコードの構造を示す断面図である。
【図5】この発明に従うコードにおけるコアフィラメントの形状を示す図である。
【図6】この発明に従うコードにおけるコアフィラメントの形状を示す図である。
【図7】チューブラー撚線機を示す模式図である。
【図8】癖付け装置を示す模式図である。
【図9】癖付け装置を示す模式図である。
【図10】張力制御機の追加を示す模式図である。
【図11】1+n構造を示す断面図である。
【図12】1×(1+n)構造を示す断面図である。
【図13】 2aのボビンに巻かれたフィラメントの変態の変更を示す模式図である。
【図14】タイヤの断面図である。
【符号の説明】
1a コアフィラメント
1b シースフィラメント
1c シースフィラメント
1d シースフィラメント
2a ボビン
2b ボビン
2c ボビン
2d ボビン
3 バレル
4 癖付け装置
4a ホィール
4b ホィール
5 癖付け装置
6 撚線機
7 張力制御機
8 カーカス
9 ベルト
10 トレッド
11 ビードコア
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤやベルトコンベヤー等のゴム物品の補強材として用いるスチールコード及びこのコードで補強した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム物品の典型例である空気入りタイヤの補強材として用いるスチールコードは、タイヤの耐久性を高めるために、コードを構成するフィラメント間にゴムを進入させて、コード内部の水分が浸入する隙間を埋めることによって、コードの耐食性を高める必要がある。
【0003】
そこで、従来は、図1に示すように、コードのフィラメント間に隙間を設けた、いわゆるオープン型コードが用いられてきた。しかしながら、在来のオープン型コードでは、コード製造時にフィラメントに大きな型付け加工が必要となるため、コードの長手方向においてフィラメントの配置に偏りが発生し、コードの疲労性が低下することが問題となる。また、タイヤ製造時のカレンダー工程にて、コードに付加される、低荷重の張力によってもコードが伸びてしまうために、コードにゴムを張り合わせた、ゴム引き布の寸法精度を高くすることができない結果、このゴム引き布で構成されるタイヤのユニフォミティが低下することも問題であった。
【0004】
上述のオープンコードの問題を解決するコード構造としては、図2に示すような、1+3構造が有利と考えられている。さらに、この1+3構造における、ゴム浸透性を改善したものとして、図3に示すように、撚り合わせピッチより小さいピッチで螺旋形の型付けを施した、フィラメントをコアに用いたコードが実開平4−60589号公報に、また波形の型付けを施したコードが特開平5−295682号公報に、それぞれ提案されている。
【0005】
しかしながら、1+3構造を基本とするスチールコードは、低荷重下でのコードの伸びは抑制されるが、オープンコードに対してゴム浸透性が低下しタイヤ耐久性は低下するとともに、タイヤ走行時においてコードのコアフィラメントがタイヤから飛び出す、いわゆるコア抜けの問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上述のオープンコードおよび1+3構造コードのそれぞれが抱えている問題を解消し、ゴム浸透性に優れ、かつ低荷重下での伸びが少なくタイヤでのコア抜けが発生しない、新規な構造のゴム物品補強用スチールコードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、2〜4本のスチールフィラメントをnとしたとき、1+nおよび1×(1+n)で表されるコード構造が、コードの長さ方向に混在してなるスチールコードであって、1+n構造におけるコアのフィラメントに、下記式(1) および(2) で示される波長Lおよび波高Hに従う波形もしくは螺旋形の型付けを施したことを特徴とするゴム物品補強用スチールコードである。
記
5d≦L≦30d ----(1)
1.05d≦H≦2.5d ----(2)
ここで、d:フィラメントの直径
【0008】
なお、コード全長における1×(1+n)構造の占める比率が5〜95%であることが、好ましい。
【0009】
また、この発明は、1対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスのクラウン部を、少なくとも1層のベルトで補強した空気入りタイヤであって、該カーカスおよび/またはベルトに、上記のスチールコードを適用してなる空気入りタイヤである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図4に、この発明に従うゴム物品補強用スチールコードを、その長手方向に離間した複数の位置における断面と共に示す。このコードは、3本のスチールフィラメント1からなり、コードの長手方向に、1+3構造および1×4構造が混在するところに特徴がある。すなわち、コードの長手方向に離間した位置A〜Fにおいて、位置AおよびBでは、コアフィラメント1aのまわりに3本のシースフィラメント1b〜1dを配置した1+3構造であり、一方位置C〜Fでは、コアフィラメント1aを含む4本のフィラメント1a〜1dを撚り合わせた1×4構造になる。
【0011】
なお、コード全長における1×(1+n)構造、図示例では1×4構造の占める比率が5〜95%であることが、好ましい。なぜなら、この比率が5%未満であると、コア抜け性を十分に満足することができず、また95%をこえると、低荷重下でのコード伸びが大きくなる。また、コード全長において1×(1+n)構造が占める区域は、連続でも不連続でも構わない。
【0012】
また、1+3構造においてコアを担うフィラメント1aには、図5または図6に示す、波形もしくは螺旋形の型付けを施して、コードにおけるフィラメント相互間の隙間を確保し、コード内部へのゴムの進入を確保している。
【0013】
ここで、コアのフィラメントに施す波形もしくは螺旋形の型付けは、上記した式(1) および(2) で示される波長Lおよび波高Hに従うことが、肝要である。なぜなら、波長Lが30dをこえると、コードにゴムを張り合わせる圧延工程において、コードへ張り合わせたゴムからの圧力が作用したときに型付けが容易に解消してフィラメントが直線状になる結果、フィラメント相互間に隙間を設けることができなくなり、一方5d未満であると、コアフィラメントの型付け加工が過酷になるため、フィラメントの強度が低下するからである。
【0014】
また、波高Hが1.05d未満では、シースフィラメント間の隙間を十分に設けることができず、一方2.5dをこえると、シースフィラメントの配置が不適切になってフィラメント相互間の隙間が不均一になる結果、ゴムが浸入できない部分を生じる。
【0015】
以上に述べた構成のコードは、稠密に撚り合わせた、いわゆるコンパクト構造になるから、低荷重下でのコードの伸びを抑制することができる。また、1+n構造におけるコアに相当するフィラメントは、1×(1+n)構造においては、1+n構造におけるシースに相当する、残りのフィラメントと共に撚り合わされて、これらフィラメントに拘束されるため、コア抜けを生じることがない。一方、コンパクトコードの弱点であるゴム浸入性については、コードを構成するフィラメントの本数を適正化し、かつコアフィラメントに所定の型付けを施すことによって、フィラメント相互間に隙間を持たせてゴム浸入性を改善した。
【0016】
なお、上記のスチールコードは、次の手順に従って製造することができる。
すなわち、所定の線径と強度になるように伸線で縮径したフィラメントを撚線機により撚り合わせてコードとするに当たり、図7に示すようなチューブラー型の撚線機を用いて、コードを構成するフィラメントを巻き付けたボビン2a〜2dのうち、1+n構造においてコアとなるフィラメント1aを巻き付けたボビン2aはバレル3の外に、残るn本、図示例では3本のフィラメントのボビン2b〜2dをバレル3の内部に、それぞれ配置する。そして、コアになるフィラメントはボビン2aから巻き出された後、図8に示す癖付け装置4を通過させることによって、波形の型付け加工を行った後、他のフィラメントとの撚り合わせを行う。
【0017】
この癖付け装置4は、所定ピッチの歯をそなえる1対のホィール4aおよび4bからなり、ホィール4aおよび4b間にフィラメントを通すと、上記した波長および波高に従う波形が付与される。
【0018】
また、波形の型付けの替わりに螺旋形の型付けを行う場合は、図9に示す癖付け装置5を用いて螺旋形の型付け加工を行う。この癖付け装置5は、架台5a上に複数の癖付けピン5bを千鳥足状に配置したもので、フィラメントを癖付けピン5b間に通過させることで行う。また、架台5aをフィラメントの進行方向を軸として回転させることによって、フィラメントに螺旋形の型付けを付与できる。すなわち、図示のように、架台5aを円筒5c内に設置し、円筒5cをフィラメントの進行方向が中心軸になるように回転させることで螺旋状の型付けをフィラメントに与えることができる。
【0019】
次いで、型付け後のフィラメント1aとバレル3の内部に配置したボビン2b〜2dから巻きだしたフィラメント1b〜1dとを撚り合わせる際、1+n構造と1×(1+n)構造を混在させるため、撚り合わせるフィラメントの巻出し張力を周期的に所定の範囲で変動させる。この張力制御は、ボビンからフィラメントを巻き出すときの巻出し抵抗を周期的に変動することで行う。
【0020】
すなわち、張力制御機7は、図10(a) および(b) に示すように、巻出しボビン2aを配置する巻出し機の巻出し軸に連動して回転する、楕円プーリー7aと、回転可能な真円プーリー7bとからなり、真円プーリー7bは、楕円プーリー7aにばね等の手段で弾性的に押し付けてある。ボビン2aからフィラメントを巻き出すとき、ボビンと連動して回転する楕円プーリー7aに対する真円プーリー7bの押し付け力は、楕円プーリー7aの長軸側と短軸側で異なるため、巻出したフィラメントの張力を周期的に所定範囲で変動させることができる。その結果、フィラメントを撚り合わせるときのフィラメントの張力が周期的に変動して、1+n構造と1×(1+n)構造とを混在させることができる。
【0021】
なお、両構造の混在を容易に且つ確実なものにするために、図10(c) に示す撚り合わせ変動装置7cを撚線機6の入側に配置して用いることができる。この撚り合わせ変動装置7cは、撚り合わせるフィラメントの数に対応してフィラメントの案内孔7d〜7gを設けた円盤であり、案内孔7d〜7gの1つ7dを長孔に成形したところに特徴がある。すなわち、長孔7dに通したフィラメントは、フィラメント張力が低いとき径方向外側に位置する結果、撚り合わせたときに1×(1+n)構造となり、一方張力が高いときは径方向内側に位置する結果1+n構造となり、張力の変動により1+n構造と1×(1+n)構造とを確実に混在させることができる。
【0022】
また、張力制御は、電気的に行うことも可能である。例えば、巻出しボビンと連動して回転する巻出し機の巻出し軸を電磁ブレーキ等を用いて減速することによって、フィラメントの巻出し抵抗を周期的に変動させることができる。
【0023】
上記の張力制御によって、コアフィラメントとシースフィラメントとを同じ張力で撚り合わせると、図11に典型例を示す、コアフィラメントの周りにシースフィラメントが均等に散在する、1+n構造のコード構造が得られる。一方、シースフィラメントの張力を高めると、図12に典型例を示す、分散していたシースフィラメントが隣接相互間で接触する位置に集まってコアフィラメントの隣りに移動し、かつシースフィラメント群の隙間にコアフィラメントが移動する結果、コード構造は1×(1+n)構造となる。
【0024】
なお、1+n構造と1×(1+n)構造とは、図11および12に示すように、各シースフィラメントの中心点を結んで形成される多角形Sの内側に、型付けを施したコアフィラメントの輪郭形状の中心が位置する場合を1+n構造とし、またシースフィラメントの中心点を結んで形成される多角形Sの外側に、コアフィラメントの輪郭形状の中心が位置する場合を1×(1+n)構造とした。
【0025】
さらに、コード全長における1+n構造または1×(1+n)構造の占める比率を所定の範囲に高精度で制御するには、図10に示した、張力制御機7において、楕円プーリー7aの形状を調整することで行うことができる。すなわち、楕円プーリー7aの形状は数学的な楕円形である必要はなく、楕円プーリーの外周において長軸または短軸に対応する周長を変更することで、任意の割合の構成比にすることができる。また、真円プーリー7bの弾性的反発力を調整することによって、あるいは撚り合わせ変動装置7cの長孔7dの形状や配置を調整することによっても、混在比率の割合を精度良く設定することができる。
【0026】
以上の製造方法はチューブラータイプの撚線機を用いて行う例で説明したが、例えば図13に示すような、バンチャータイプの撚線機を用いても、この発明に従うスチールコードを同様に製造することができる。
【0027】
また、この発明のスチールコードは、例えば図14に示すタイヤ構造において、カーカス8またはこのカーカス8のクラウン部を覆うベルト9に適用することができる。なお、図13において、10はベルト9上に配置したトレッドおよび11はビードコアである。
【0028】
【実施例】
上述した製造方法に従って、表1〜3に示す仕様のコードを作成し、得られたコードに関して、コア抜け性、コード伸び、ゴム浸透性、ゴム製品製造作業性、タイヤのユニフォーミティおよび耐カットセパレーション性を評価した。その評価結果を表1に併記する。なお、評価または測定方法は、次のとおりである。
【0029】
〔コア抜け性の評価方法〕
タイヤ製造時と同等の条件にて、スチールコードをゴムに埋め込んだゴム引き布から短冊状(長さ約200 mm,幅20mm)に試験片を切り出し、その一端のゴム部分を取り除いてスチールコードの一部を露出し、このコードのシースフィラメントをほぐしてコアフィラメントのみを露出する。次いで、露出したコアフィラメントを、引張り試験機の上チャックで固定する一方、ここから100 mmの長さを隔てたゴム部分を下チャックにチャッキングして固定する。そして、試験片を上下に引張って、下記の(1) 〜(3) の現象が発生したときの引張り荷重を測定して評価した。なお、評価結果は、従来例3(1+3×0.26mm)を100 としたときの指数にて表示し、数値が大きいほど良好な結果を示す。
記
(1) コアが切れる。
(2) コアが抜ける。
(3) コードとその下側のゴムが切れる。
【0030】
〔コード伸びの測定〕
スチールコードに0.050kgfの荷重を加えた状態を伸び0として、5kgf の荷重を加えたときの伸びを測定した。なお、試験結果は従来例2の伸びを100 とした指数で表示し、数値が小さいほど伸びが小さく、数値が125 以下であれば、撚り性状に優れ、かつゴム物品製造時の作業性やゴム物品の寸法精度に優れるものであり、このコードを使用したタイヤはユニフォミティに優れるものとなる。
【0031】
〔ゴム浸透性〕
図14に示したタイヤ(タイヤサイズ:205 /60R15)のベルト9に、スチールコードを打ち込み角度:タイヤ周方向に対して20゜で、打ち込み本数28.0本/5cmの条件で適用し、加硫後のタイヤのベルトからスチールコードを採取し、コード全長にわたってコード断面を1mm間隔で観察し、コード中心部にまで完全にゴムが浸透している断面がシースの1撚りピッチに1ヶ所以上あれば、コード長手方向の水分伝播が抑制できるため良(○)と評価し、シースの5撚りピッチにゴムが完全に浸透している断面が1ヶ所以上あれば可(△)、それ以外は不可(×)と評価した。なお、不可以外は実用上問題とならない。
【0032】
〔ゴム物品製造作業性〕
ゴム物品を製造する際のカレンダー作業性及びタイヤ成形作業性について、スチールコードをカレンダー工程にてゴムシートで圧延して、ゴムとの複合体とした後、所定形状に裁断した際の裁断端の跳ね量を計測して、その結果を従来例1と同等の場合は不可(×)、従来例2と同等の場合は良(○)とし、その中間は可(△)として評価した。なお、○であれば作業性が良好であることを示す。
【0033】
〔タイヤユニフォミティ〕
図14に示したタイヤ(タイヤサイズ:205 /60R15)のベルト9に、スチールコードを打ち込み角度:タイヤ周方向に対して20゜で、打ち込み本数28.0本/5cmの条件で適用し、加硫後のタイヤからベルトの2層を採取して、スチールコードの配列状態をX線により観察した。その結果を従来例1と同等の配列状態は不可(×)、従来例2と同等の配列状態は良(○)とし、その中間は可(△)として評価した。なお、○であればユニフォミティに優れるタイヤであることを示し、△でも実用上問題はない。
【0034】
〔耐カットセパレーション〕
図14に示したタイヤ(タイヤサイズ:205 /60R15)のベルト9に、スチールコードを打ち込み角度:タイヤ周方向に対して20゜で、打ち込み本数28.0本/5cmの条件で適用したタイヤを実車に装着し、悪路を5万km走行したのち、ベルトのカット貫通部のフィラメント腐蝕長さの最大値を測定し、その結果を従来例1と同等の場合は不可(×)、従来例2と同等の場合は良(○)とし、その中間は可(△)として評価した。なお、○であれば耐カットセパレーション性が良好であることを示し、△でも実用上問題はない。
【0035】
表1〜3に示すように、従来のオープン構造コードでは、コード伸び、ゴム浸透性、ゴム製品製造作業性、ユニフォミティおよび耐カットセパレーション性の各特性を共に満足することはできなかったが、この発明にかかるコードはすべての特性において良好な結果となった。また、1+n構造と1×(1+n)構造を混在する構成比で1×(1+n)構造となっている部分がコード長さに対し5%未満であるとコア抜け性を十分に満足することができず、また95%をこえると、低荷重のコードの伸びが大きくなる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
この発明によれば、ゴム物品補強用コードに要求される様々な特性を共に向上することができ、とりわけゴム浸透性に優れ、かつ低荷重下での伸びが少ないためにタイヤでのコア抜けが発生しない、タイヤの補強材として好適なコードを提供できる。さらに、低荷重下での伸びが少ないために、タイヤカレンダー工程でのコードの伸びが抑制されて、その作業性を向上することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコード構造を示す断面図である。
【図2】従来のコード構造を示す断面図である。
【図3】従来のコード構造を示す断面図である。
【図4】この発明に従うコードの構造を示す断面図である。
【図5】この発明に従うコードにおけるコアフィラメントの形状を示す図である。
【図6】この発明に従うコードにおけるコアフィラメントの形状を示す図である。
【図7】チューブラー撚線機を示す模式図である。
【図8】癖付け装置を示す模式図である。
【図9】癖付け装置を示す模式図である。
【図10】張力制御機の追加を示す模式図である。
【図11】1+n構造を示す断面図である。
【図12】1×(1+n)構造を示す断面図である。
【図13】 2aのボビンに巻かれたフィラメントの変態の変更を示す模式図である。
【図14】タイヤの断面図である。
【符号の説明】
1a コアフィラメント
1b シースフィラメント
1c シースフィラメント
1d シースフィラメント
2a ボビン
2b ボビン
2c ボビン
2d ボビン
3 バレル
4 癖付け装置
4a ホィール
4b ホィール
5 癖付け装置
6 撚線機
7 張力制御機
8 カーカス
9 ベルト
10 トレッド
11 ビードコア
Claims (3)
- 2〜4本のスチールフィラメントをnとしたとき、1+nおよび1×(1+n)で表されるコード構造が、コードの長さ方向に混在してなるスチールコードであって、1+n構造におけるコアのフィラメントに、下記式(1) および(2) で示される波長Lおよび波高Hに従う波形もしくは螺旋形の型付けを施したことを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。
記
5d≦L≦30d ----(1)
1.05d≦H≦2.5d ----(2)
ここで、d:フィラメントの直径 - コード全長における1×(1+n)構造の占める比率が5〜95%である請求項1に記載のゴム物品補強用スチールコード。
- 1対のビード部間でトロイド状に延びるカーカスのクラウン部を、少なくとも1層のベルトで補強した空気入りタイヤであって、該カーカスおよび/またはベルトに、請求項1または2に記載のスチールコードを適用してなる空気入りタイヤ。
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