JP4584287B2 - 植物エキスの除菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飲食品や香粧品の原料として用いる植物エキスの除菌方法に関する。
植物エキスはさまざまな飲食品素材、飲食品の風味付け、香粧品の原料、飲食品や香粧品への機能性素材など幅広く使用されている。しかしながら、原料となる植物は土壌の上や土壌の中で生育または栽培されるため、その性質上、土壌などからの付着物による微生物汚染がしばしば見られ、耐熱性菌の芽胞が検出されることも多い。このような、原料由来の微生物は抽出によりエキス中に移行するため、植物エキス製品となるまでの工程のいずれかの段階で殺菌または除菌する必要がある。植物エキスを製造するに際し、原料またはエキスを殺菌または除菌する方法としては、加熱殺菌の他、洗浄による除菌(非特許文献1)、ガンマ線、電子線、紫外線などの照射による殺菌(非特許文献2)、マイクロ波照射による殺菌(非特許文献3)、オゾン水殺菌(特許文献1)、ガス加圧法による殺菌(非特許文献4)、高圧殺菌(特許文献2)、除菌フィルターやUF膜による除菌(特許文献3)などがあげられる。しかしながら、洗浄による除菌は完全ではなく、照射による殺菌、オゾン水による殺菌、ガス加圧法殺菌、高圧殺菌などは特別な装置が必要である。また、除菌フィルターやUF膜による除菌ではエキスの粘度、不溶物などの影響により、目詰まり、濾過速度の低下などの可能性があり、それを避けるためにエキス中の微細な不溶物をある程度除去する前濾過などを行う必要があり、その場合、作業性が著しく低下するという問題がある。加熱殺菌は最も一般的に行われている方法であるが、例えば、液体の加熱殺菌において、特に耐熱性菌の殺菌を目的とした場合、一般に温度110〜140℃の高温にて実施される。しかし、このような高温での加熱殺菌の条件下では、変色、風味の劣化、成分の変性などの品質変化が起こる場合が多く、製品の品質が低下する等の問題点があった。また、このような、高温での変質を避けるため、100℃以下での加熱で、殺菌作用を高める物質を併存させる方法も提案されており、例えば、補助的な物質としてエタノールを使用した報告もある(非特許文献5)。しかしながら、非特許文献5に記載の方法では殺菌効率は上がるものの、耐熱性菌の芽胞を完全に殺菌できるものではなかった。
食品と容器,33(9),489−505,(1992) フードケミカル,13(3),69−74,(1997) フードケミカル,8(7)、49−59,(1992) 食品工業,37(16),47−57,(1994) New Food Industry,41(6),1−8,(1999) 特開平1−309671号公報 特開昭59−210873号公報 特開昭60−110271号公報
したがって本発明の目的は、特別の装置を必要とせず、加熱による風味の劣化、成分の変性などの品質変化が無く、簡便な方法で、耐熱性菌の芽胞も含めた微生物が実質的に除去された植物エキスの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究を行っていたところ、植物原料の抽出物の水溶液にエタノール等の水混和性有機溶媒を添加して沈殿物を生成させたところ、微生物が沈殿物の生成と共に沈殿物に抱き込まれ、沈殿物を除去することにより微生物も同時に除去されることを見出した。また、この際、耐熱性菌の芽胞も含めて除去されることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、固形分濃度10〜80%の植物エキスの水溶液に水混和性有機溶媒を添加し、生成する沈殿物を除去することを特徴とする植物エキスの除菌方法を提供するものである。

さらに、本発明では、水混和性有機溶媒がエタノールであることを特徴とする、前記のの植物エキスの除菌方法を提供するものである。
また、本発明では、植物エキスの水溶液に含まれる水分100重量部に対して水混和性有機溶媒を100〜900重量部添加すること特徴とする前記の植物エキスの除菌方法が提供される。
さらに、また、本発明では、植物エキスの水溶液のpHが1〜7の範囲であることを特徴とする、前記の植物エキスの除菌方法を提供することができる。
本発明では特別な装置等を用いることなく、除菌された植物エキスを効率よく、簡便な方法で製造することができる。また、通常は除菌しにくい耐熱性菌の芽胞も除去することができる。また、加熱殺菌を行わなくても除菌できるため、変色、風味の劣化、成分の変性などの品質変化が起こらない。さらにまた、得られたエキス自体が微生物的に安定であるため、さまざまな飲食品素材、飲食品の風味付け、香粧品の原料、飲食品や香粧品への機能性素材などに使用しても、最終製品中で微生物由来の問題が起こりにくいという優れた効果が得られる。
本発明でいう植物エキスの水溶液とは植物原料の抽出物の水溶液をさし、例えば、以下の方法で得ることができる。使用することのできる植物原料としては、いかなる植物でもよく、また、その部位についても特に限定されず、その植物の一般的に使用される部位を使用することができる。使用することのできる植物原料としては、例えば、コーヒー(生および焙煎)、ココア、マテ茶、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶、プーアール茶などの嗜好飲料原料類、キャベツ、セロリ、レタス、ブロッコリー、カリフラワー、サラダナ、チンゲンサイ、ほうれん草、小松菜、春菊、菜の花、ミツバ、パセリ、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、ゴーヤ、ピーマン、パプリカ、トウガラシ、人参、大根、ゴボウ、レンコン、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ナガイモ、ヤマイモ、ヤマトイモ、ラッキョウ、ニンニク、タマネギ、ネギ、ニラ、ワケギ、シメジ、シイタケ、マツタケ、ナメコ、エノキ、マイタケ、エリンギなどの野菜類、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、バナナ、リンゴ、パインアップル、ライチ、ブルーベリー、エルダーベリー、スイカ、メロン、ナシ、カキ、ウメ、モモ、アンズ、アプリコット、ブドウ、マンゴー、キウイフルーツ、イチゴなどの果実類、セージ、タイム、マジョラム、オレガノ、バジル、ペパーミント、シソ、レモンバーム、ベルベナ、セーボリー、ローズマリー、レモングラス、ブルーベリーリーフ、ベイリーフ、ユーカリリーフ、サッサフラス、サンダルウッド、ニガヨモギ、センブリ、レッドペッパー、ゴマ、シンナモン、カッシャ、スターアニス、ワサビ、西洋ワサビ、ホースラディッシュ、ミズガラシ、マスタード、トンカ豆、フェネグリーク、サンショウ、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、オールスパイス、ナツメグ、メース、クローブ、セリ、アンゲリカ、チャービル、アニス、フェンネル、タラゴン、コリアンダー、クミン、ディル、キャラウェー、ガランガ、カルダモン、ジンジャー、ガジュツ、ターメリック、バニラ、ジュニパーベリー、ウインターグリーン、ジャーマンカモミール、ローマンカモミール、菊花、ラベンダー、ハイビスカスフラワー、サフラン、マリーゴールド、オレンジフラワー、マローフラワー、ローズヒップ、サンザシ、リュウガン、クコシ、サンデュー、オレンジピール、レモンピール、マシュマロールート、チョウセンニンジン、デンシチニンジン、エゾウコギ、ギムネマ、ルイボスティー、トチュウなどのハーブまたはスパイス類、コンブ、ワカメ、アオサ、ノリ、アオノリ、テングサなどの海草類、ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピーカンナッツなどのなどのナッツ類などを例示することができる。
本発明でいうエキスとは、これらの植物原料の抽出物を意味し、抽出時において使用する溶媒、方法、温度、時間などは特に限定されない。
抽出に使用する溶媒としては含水親水混和性有機溶媒、例えば、含水率5重量%以上、好ましくは含水率約5〜約90重量%のメタノール、エタノール、2−メチルエチルケトン、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはこれらの任意の混合物を用いることが好ましい。これらのうち、水、エタノールまたは水とエタノールの混液が特に好ましい。
これらの水または含水水混和性有機溶媒は通常植物原料1重量部に対して約2〜約50重量部を使用し、抽出操作はバッチ式またはカラムによる連続式等の従来既知の抽出方法をそのまま採用することができる。
抽出温度および時間も特に限定されないが、抽出温度としては約10〜100℃、好ましくは、約20〜90℃、より好ましくは、30〜80℃程度とすることができる。また、抽出時間としては、約5分〜24時間、好ましくは、約30分〜10時間、より好ましくは約1〜5時間とすることができる。
抽出後は約10〜40℃に冷却し、遠心分離、濾過等により不溶の固形物を除去し、抽出液とする。また、抽出において溶媒として水以外の有機溶媒を使用した場合は、抽出液から有機溶媒を除去する必要がある。溶媒を除去する方法としては、いかなる濃縮、乾燥などの方法を採用しても良く例えば、常圧濃縮、減圧濃縮、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を例示することができるが、減圧濃縮により有機溶媒を除去する方法が好ましい。
また、果実や野菜などでは、単に圧搾して得た、いわゆる果汁や野菜汁を原料とすることもできる。
かくして、得られた植物原料の抽出物は、そのまま、あるいは水に溶解または希釈または濃縮などの方法により適当な濃度の水溶液とした後に、水混和性有機溶媒を添加して沈殿を生成せしめる。このとき、微生物が沈殿物の生成と共に沈殿物に抱き込まれ、沈殿物を除去することにより微生物も同時に除去される。また、この際、耐熱性菌の芽胞も含めて除去される。
植物エキスの水溶液の固形分濃度としては、濃度が低すぎる場合、必要な水混和性有機溶媒の量が多くなりすぎ、また、除菌の効果が充分得られない可能性があるため、ある程度高濃度とすることが好ましい。しかしながら、あまり濃度が高すぎる場合、流動性が悪く、取り扱いが困難となる。固形分濃度の範囲としては、約10〜80%、好ましくは約20〜75%、特に好ましくは約30〜70%の範囲内を例示することができる。
沈殿の生成に使用することのできる水混和性有機溶媒としてはメタノール、エタノール、2−メチルエチルケトン、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどを例示することができる。これらのうち、特に好ましい溶媒はエタノールである。
植物エキスの水溶液に添加する水混和性有機溶媒重量の好ましい範囲としては植物エキスの水溶液に含まれる水分100重量部に対して水混和性有機溶媒を約100〜900重量部、好ましくは約150〜800重量部、より好ましくは約200〜700重量部を挙げることができる。水混和性有機溶媒の添加量がこの範囲より少ない場合は、沈殿が充分生成せず、そのため除菌の効果が充分でない。また、水混和性有機溶媒の添加量があまり多すぎた場合、製造コストが高くなってしまう。
また、植物エキスの水溶液は、酸性とすることにより除菌の効果が高まる。酸性であるためのpHの範囲としては、例えばpH1〜7の範囲内、好ましくはpH2〜6の範囲内、より好ましくはpH2.5〜5.5の範囲内を例示することができる。pHの調整が必要な場合に使用することのできる酸としてはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸などを挙げることができる。
また、植物エキスの水溶液に、水混和性有機溶媒を添加した後、抽出液から不溶解物を除去するに際して濾過助剤を使用することで、耐熱性菌の芽胞の除菌効率をさらに高めることができる。濾過助剤としては、ケイソウ土、酸性白土、活性白土、タルク類、粘土、ゼオライト、粉末セルロースなどを例示することができる。
植物エキスの水溶液に対する水混和性有機溶媒添加は以下の様な態様で行うことができる。植物エキスの水溶液を約10〜30℃とし、攪拌しながら水混和性有機溶媒を徐々に添加していき、沈殿を生成せしめる。必要な量の水混和性有機溶媒添加を添加した後にさらに濾過助剤を添加し、濾紙等で濾過し、植物エキスを得る。
このようにして得られた植物エキスは、一般生菌、カビ、酵母のみならず、耐熱性菌の芽胞も除去される。一方、沈殿物にはこれらの微生物が濃縮されており、微生物が死滅したのではなく、沈殿物に抱き込まれていることが確認できる。
かくして得られた除菌された植物エキスは、減圧または常圧にて濃縮し、濃縮物とすることもできる。該濃縮物は濃縮の途中あるいは濃縮後にグリセリン、プロピレングリコール、エタノールなどの保留剤を添加することにより、状態の安定化をはかり、また、エキス分濃度の調整を行うこともできる。また、該濃縮液はそのまま、あるいはデキストリン類、デンプン類、天然ガム類、糖類その他の賦形剤を添加して、既知の方法により乾燥して、粉末状、顆粒状その他任意の固体形態の製剤とすることもできる。
かくして得られた除菌された植物エキスまたはその製剤は例えば、炭酸飲料、果汁飲料、果実酒飲料類、乳飲料などの飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類などの冷菓類;和・洋菓子、チューインガム類、パン類、コーヒー、紅茶、緑茶、タバコなどの嗜好品類;和風スープ類、洋風スープ類などのスープ類;ハム、ソーセージなどの畜肉加工品;風味調味料、各種インスタント飲料ないし食品類;各種のスナック類;シャンプー類、ヘアクリーム類、その他の毛髪化粧料基剤;オシロイ、口紅、その他の化粧用基剤や化粧用洗剤類基剤;洗濯用洗剤類、消毒用洗剤類、防臭洗剤類、その他各種の保健・衛生用洗剤類;歯磨き、ティシュー、トイレットペーパーなどの各種保健・衛生材料類;医薬品類などといった各種の飲食品や香粧品類に適当量を配合することができる。
以下、実施例により本発明の好ましい態様をさらに詳しく説明する。
実施例1
生コーヒー豆の粉砕物1000gをカラムに充填し(カラム内径7cm、長さ25cm、1本につきコーヒー豆200gを充填し、5本連結)、95℃に加温した軟水を流速2500ml/hrでカラム上部から下部へ送り込み、カラム下部から抜き取った抽出液は、次のカラムの上部へ順次送り込み5本目のカラムより最終的な抽出液を抜き取る方法にて連続抽出を行い、抜き取り液がBx1.0°を下回った時点で抽出終了(所要時間約3時間)とし、Bx6.0°のコーヒーエキス5300gを得た。得られたコーヒーエキスは20℃に冷却後、No.26(210mm)(東洋濾紙株式会社製)にセルロースパウダー50gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液5250g(以下、コーヒー抽出液1とする)を得た。コーヒー抽出液1をロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx78.0°(参考品1、水分含量37.3%、固形分含量62.7%:kett赤外線水分計にて測定、pH5.7)の濃縮コーヒーエキス419.8gを得た。
参考品1の20gに4規定塩酸1.2gおよび水1.1gを加えpH4.5、Bx70°、液量22.3gとした後、室温下(23℃)で攪拌しながら95%エタノール33.5gを10分間かけて滴下した。その後、同温度で60分間攪拌した後、濾過助剤として活性白土(ガレオンアース:水澤化学工業(株))8.0gを加えてさらに30分間攪拌した後、No.5A(40mm)(東洋濾紙株式会社製)を使用し、桐山ロートにて吸引濾過し、濾液49.5g(本発明品1)を得た。
参考品1、本発明品1およびヌッチェ上の沈殿物について微生物検査を行った結果を表1に示す。
Figure 0004584287
表1に示したとおり、参考品1には一般生菌、嫌気性耐熱性菌および好気性耐熱性菌が存在していたが、本発明品1では完全に除菌されており、一方、ヌッチェ上の沈殿物には多量の嫌気性耐熱性菌および好気性耐熱性菌が含まれていた。したがって、本発明の除菌方法では微生物が沈殿物の生成と共に沈殿物に抱き込まれ、沈殿物を除去することにより微生物も同時に除去されていると認められた。
実施例2
緑茶抽出物であるポリフェノンHG(東京フードテクノ社製:非重合体カテキン類含有量33.7重量%)を水に溶解し41.8重量%水溶液90gを調整した(pH5.41)。このものの微生物検査を行ったところ、一般生菌数、嫌気性耐熱性菌および好気性耐熱性菌はいずれも0個/gであった。そこで、この水溶液90gに、嫌気性耐熱性菌としてDesulfotomaculum nigrificans NCIMB8395を2×10個/mlおよび好気性耐熱性菌としてBacillus stearothermophilus IMA1035を8×10個/ml含有する水溶液10gを添加し、よく混合し参考品2とした。
参考品2の20gを室温下(23℃)で攪拌しながら95%エタノール(日本アルコール販売(株)、エタノール濃度92重量%)30.0gを10分間かけて滴下した。その後、同温度で60分間攪拌した後、濾過助剤として活性白土(ガレオンアース:水澤化学工業(株))8.0gを加えてさらに30分間攪拌した後、No.5A(40mm)(東洋濾紙株式会社製)を使用し、桐山ロートにて吸引濾過し、濾液45.3g(本発明品2)を得た。
参考品2、本発明品2およびヌッチェ上の沈殿物について微生物検査を行った結果を表2に示す。
Figure 0004584287
表2に示したとおり、微生物を添加した参考品2には嫌気性耐熱性菌および好気性耐熱性菌が存在していたが、本発明品2では完全に除菌されており、一方、ヌッチェ上の沈殿物には多量の嫌気性耐熱性菌および好気性耐熱性菌が含まれていた。したがって、緑茶抽出物においても、本発明の除菌方法では微生物が沈殿物の生成と共に沈殿物に抱き込まれ、沈殿物を除去することにより微生物も同時に除去されることが認められた。
実施例3
エルダーベリー濃縮果汁(SVZ社製;固形分54.4%)90gを用意した(pH3.49)。このものの微生物検査を行ったところ、一般生菌数は65個/gであったが、嫌気性耐熱性菌および好気性耐熱性菌はいずれも0個/gであった。そこで、この果汁90gに、嫌気性耐熱性菌としてDesulfotomaculum nigrificans NCIMB8395を2×10個/mlおよび好気性耐熱性菌としてBacillus stearothermophilus IMA1035を8×10個/ml含有する水溶液10gを添加し、よく混合し参考品3とした。
参考品3の20gを室温下(23℃)で攪拌しながら95%エタノール(日本アルコール販売(株)、エタノール濃度92重量%)30.0gを10分間かけて滴下した。その後、同温度で60分間攪拌した後、ガレオンアース(水澤化学社製の活性白土)8.0gを加えてさらに30分間攪拌した後、No.5A(40mm)(東洋濾紙株式会社製)を使用し、桐山ロートにて吸引濾過し、濾液44.2g(本発明品3)を得た。
参考品3、本発明品3およびヌッチェ上の沈殿物について微生物検査を行った結果を表3に示す。
Figure 0004584287
表3に示したとおり、微生物を添加した参考品3には嫌気性耐熱性菌および好気性耐熱性菌が存在していたが、本発明品3では完全に除菌されており、一方、ヌッチェ上の沈殿物には多量の嫌気性耐熱性菌および好気性耐熱性菌が含まれていた。したがって、エルダーベリー果汁においても、本発明の除菌方法では微生物が沈殿物の生成と共に沈殿物に抱き込まれ、沈殿物を除去することにより微生物も同時に除去されることが認められた。
実施例4
L値51.5の極浅く焙煎したコーヒー豆の粉砕物1000gをカラムに充填し(カラム内径7cm、長さ25cm、1本につきコーヒー豆200gを充填し、5本連結)、95℃に加温した軟水を流速2500ml/hrでカラム上部から下部へ送り込み、カラム下部から抜き取った抽出液は、次のカラムの上部へ順次送り込み5本目のカラムより最終的な抽出液を抜き取る方法にて連続抽出を行い、抜き取り液がBx1.0°を下回った時点で抽出終了(所要時間約3時間)とし、Bx5.7°のコーヒーエキス(以下、コーヒー抽出液2とする)5989gを得た。コーヒー抽出液2をロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx78.0°の濃縮コーヒーエキス(参考品4、水分含量37.3%、固形分含量62.7%:kett赤外線水分計にて測定、pH5.7)を得た。参考品4の微生物検査を行ったところ、一般生菌数8.5×10個/g、嫌気性耐熱性菌1.0×10個/g、好気性耐熱性菌3.0×10個/gであった。
参考品4の400gに、さらに、嫌気性耐熱性菌としてDesulfotomaculum nigrificans NCIMB8395を2×10個/mlおよび好気性耐熱性菌としてBacillus stearothermophilus IMA1035を8×10個/ml含有する水溶液40gを添加し、よく混合し参考品5とした。参考品5に4規定塩酸33.7gを添加し、pHを4.5とし、参考品6(固形分56.2%、水分43.8%)とした。参考品6を20gずつ採取し、各々に室温下(23℃)で攪拌しながら95%エタノール(日本アルコール販売(株)、エタノール濃度92重量%)を8g、10g、20g、30g、60gまたは90gを10分間かけて滴下した。その後、さらに、同温度で60分間攪拌した後、それぞれに濾過助剤として活性白土(ガレオンアース:水澤化学工業(株))8.0gを加えてさらに30分間攪拌した後、No.5A(40mm)(東洋濾紙株式会社製)を使用し、桐山ロートにて吸引濾過し、濾液を得た。
参考品4、参考品5、参考品6およびそれぞれの濾過液およびヌッチェ上の沈殿物について微生物検査を行った結果を表4に示す。
Figure 0004584287
表4に示したとおり、エタノール濃度が、エタノール/(水+エタノール)(重量%)として44%および49%では濾液側に微生物が漏れだしていたが、64%、71%、80%、84%では完全に除菌されていた。したがって、エタノール濃度としてエタノール/(水+エタノール)が約50%以上であれば、除菌が効果があると考えられる。
実施例5
参考品5を20gずつ採取し、各々を30%水酸化ナトリウムまたは4規定塩酸にてpHを8.1、6.9、5.7(未調整)、4.5、3.3に調製した。各々のpH調製液20gそれぞれ室温下(23℃)で攪拌しながら95%エタノール(日本アルコール販売(株)、エタノール濃度92重量%)30gを10分間かけて滴下した。その後、同温度で60分間攪拌した後、活性白土(ガレオンアース:水澤化工業(株))8.0gを加えてさらに30分間攪拌した後、No.5A(40mm)(東洋濾紙株式会社製)を使用し、桐山ロートにて吸引濾過し、濾液を得た。
pH調製液、濾液およびヌッチェ上の沈殿物について微生物検査を行った結果を表5に示す。
Figure 0004584287
表5に示したとおり、pH8.1では濾液側に微生物が僅かに漏れだしていたが、6.9以下では完全に除菌されていた。したがって、処理時のpHは約7以下であれば、十分な除菌効果が発揮されると考えられる。
実施例6
実施例4で使用した参考品6の各々20gずつ採取し、各々に室温下(23℃)で攪拌しながらそれぞれに95%エタノール(日本アルコール販売(株)、エタノール濃度92重量%)を30gずつ10分間かけて滴下した。その後、さらに、同温度で60分間攪拌した後、それぞれに、セルロースパウダー(KCフロック:日本製紙ケミカル(株))、ケイソウ土(スーパーライト:今野商会)、活性白土(ガレオンアース:水澤化学工業(株))、酸性白土(ミズカエース:水澤化学工業(株))を各8.0gずつ加えてさらに30分間攪拌した後、No.5A(40mm)(東洋濾紙株式会社製)を使用し、桐山ロートにて吸引濾過し、濾液を得た。また、濾過助剤を全く使用しないものも同時に行った。
参考品6およびそれぞれの濾過液およびヌッチェ上の沈殿物について微生物検査を行った結果を表6に示す。
Figure 0004584287
表6に示したとおり、濾過助剤を全く用いない場合は濾液側に微生物が漏れだしていたが、濾過助剤を用いた場合は、どの濾過助剤でも完全に除菌されていた。

Claims (4)

  1. 固形分濃度10〜80%の植物エキスの水溶液に水混和性有機溶媒を添加し、生成する沈殿物を除去することを特徴とする植物エキスの除菌方法。
  2. 水混和性有機溶媒がエタノールであることを特徴とする、請求項1に記載の植物エキスの除菌方法。
  3. 植物エキスの水溶液中に含まれる水分100重量部に対して水混和性有機溶媒を100〜900重量部添加すること特徴とする請求項1または2に記載の植物エキスの除菌方法。
  4. 植物エキスの水溶液のpHが1〜7の範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物エキスの除菌方法。
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